JP6514781B2 - 検査装置及び検査システム - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、日本国特許出願2016−035217号(2016年2月26日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
本開示は、検査装置及び検査システムに関する。
従来、食品の劣化状況を管理する食品管理システムが知られている。例えば、特許文献1には、容器内に保管された食品の劣化状況に関する情報を収集して、劣化状況を管理する食品管理システムが開示されている。
特開2005−173675号公報
一実施形態に係る検査装置は、収容部と、第1の検出部と、第2の検出部と、カメラと、制御部とを備える。前記収容部は、被検物を収容する。前記第1の検出部は、前記収容部に収容された前記被検物が発生する物質を検出する。前記第2の検出部は、前記収容部内の雰囲気中における前記物質とは異なる成分を検出する。前記カメラは、前記被検物を撮像する。前記制御部は、前記第1の検出部による前記物質の検出結果を、前記第2の検出部が検出した前記成分に基づいて補正し、前記補正された物質の検出結果と前記カメラにより撮像された前記被検物に関する情報に基づいて、前記被検物のクオリティを判定する。
一実施形態に係る検査システムは、検出装置と検査装置とを備える。前記検出装置は、被検物を収容する収容部と、前記収容部に収容された前記被検物が発生する物質を検出する第1の検出部と、前記収容部内の雰囲気中における前記物質とは異なる成分を検出する第2の検出部と、前記被検物を撮像するカメラと、前記第1の検出部が検出した前記物質に関する情報前記第2の検出部が検出した前記成分に関する情報、及び前記カメラにより撮像された前記被検物に関する情報を前記検査装置に送信する通信部と、を備える。前記検査装置は、前記検出装置から前記物質に関する情報及び前記成分に関する情報を受信する通信部と、前記受信した前記物質に関する情報と前記成分に関する情報とに基づいて、前記検出装置による前記物質の検出結果を前記成分に基づいて補正し、前記補正された物質の検出結果と前記カメラにより撮像された前記被検物に関する情報に基づいて、前記被検物のクオリティを判定する制御部と、を備える。
第1実施形態に係る検査装置の概略を示す外観斜視図である。 図1に示す検査装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 図2に示す制御部が実行する検査処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る検査システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
特許文献1に記載の食品管理システムは、容器内に保管された食品の劣化状況を常時監視するものである。そのため、特許文献1に記載の食品管理システムによれば、当該食品管理システムのユーザが、例えば容器内に保管されていない食品の劣化状況を把握したいと考えた場合に、すぐに当該食品の劣化状況を把握できるものではない。本開示の検査装置及び検査システムによれば、利便性を向上可能である。
以下、実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る検査装置の概略を示す外観斜視図である。検査装置10は、収容部11と、第1の検出部12と、第2の検出部13と、脱臭処理部14と、報知部15と、入力部16と、制御部17と、記憶部18と、カメラ19とを備える。制御部17及び記憶部18については、後述する図2に示す機能ブロック図を用いて詳細を説明する。
検査装置10は、収容部11の内部に被検物が収容された状態で、所定の検査操作に応じて検査処理を実行する。すなわち、検査装置10による検査処理の実行に際し、ユーザにより収容部11の内部に被検物が収容される。検査装置10は、収容部11に被検物が収容された状態で、第1の検出部12により、被検物が発生する物質を検出する。検査装置10は、第1の検出部12による物質の検出とともに、第2の検出部13により、収容部11の内部における所定の成分を検出する。第2の検出部13が検出する所定の成分は、第1の検出部12が検出する被検物が発生する物質とは異なる。第2の検出部13が検出する所定の成分は、特に、第1の検出部12による物質の検出精度を低下し得る成分である。検査装置10は、第1の検出部12による物質の検出結果を、第2の検出部13が検出した所定の成分に基づいて補正することにより、被検物のクオリティを判定する。このようにして、検査装置10は検査操作に応じて検査処理を実行する。検査処理の結果は、報知部15から報知される。以下、本実施形態において、一例として、被検物は食品であるとして説明する。
収容部11は、例えば密閉可能である。収容部11の収容室(検査室)11aには、被検物が挿脱可能に収容される。収容部11は、回動可能な蓋11bを備える。検査装置10のユーザは、蓋11bを開けて収容室11aに食品を収容する。蓋11bは、必ずしも回動可能になっていなくてもよい。蓋11bは、収容室11aを密閉可能であればよい。例えば、収容部11は、上方向又は横方向にスライド可能な蓋11bを備えていてもよい。収容部11は、収容室11aの底部に、例えば食品を載置可能なトレイを備える。
第1の検出部12は、被検物である食品が発生する物質を検出する。第1の検出部12は、例えばにおいセンサであり、食品が発生するにおいを検出する。第1の検出部12は、例えばガスセンサであり、食品が発生するガスを検出する。具体的には、第1の検出部12は、においのもととなるガス分子を吸着する感応膜と、感応膜におけるガス分子の検出を電気信号に変換するトランスデューサとを備える。
第1の検出部12は、例えば、有機薄膜からなる感応膜と水晶振動子とを備えた水晶振動子式においセンサを備えていてもよい。水晶振動子式においセンサは、感応膜にガス分子が吸着されると、水晶振動子の共振周波数が変化することによって、においを検出する。水晶振動子は、ガス分子の検出を電気信号に変換するトランスデューサとして機能する。
第1の検出部12は、例えば、半導体ガスセンサを備えていてもよい。半導体ガスセンサは、金属酸化物半導体にガス分子が吸着すると、金属酸化物半導体の抵抗値が変化し、ガス濃度を検出する。酸化物半導体は、ガス分子の検出を電気信号に変換するトランスデューサとして機能する。第1の検出部12は、例えば、赤外線吸収スペクトル式ガスセンサ、電気化学式ガスセンサ、接触燃焼式ガスセンサ、又はバイオセンサ等を備えていてもよい。
第1の検出部12は、例えば異なる種類のガス分子を吸着するために、複数種類の感応膜又は金属酸化物を備えていてもよい。第1の検出部12は、複数の水晶振動子式においセンサ、若しくは複数の半導体式ガスセンサ、又はこれらを組み合わせて備えていてもよい。第1の検出部12は、トランスデューサにより変換された電気信号を、においに関する情報として、後述する制御部に送信する。第1の検出部12は、例えば収容部11の内部に配置される。図1では、第1の検出部12は、収容部11の内側の側壁面に配置されている。
第2の検出部13は、収容部11内の雰囲気中における、第1の検出部12が検出する物質とは異なる所定の成分を検出する。本実施形態では、一例として、第2の検出部13は、収容部11内の水分を検出する。第2の検出部13は、例えば湿度センサである。具体的には、第2の検出部13は、半導体等により構成されるセンサを用いて湿度を測定する電気式湿度計とすることができる。第2の検出部13は、例えば、伸縮式湿度計、乾湿式湿度計又は露点式湿度計等の他の湿度計であってもよい。第2の検出部13は、例えば、水分子を吸着する感応膜を備えた水晶振動子であってもよい。第2の検出部13は、例えば、水分子を吸着する感応膜を備えた金属酸化物半導体であってもよい。図1では、第2の検出部13は、収容部11の内側の側壁面に配置されている。
脱臭処理部14は、収容部11の内部の脱臭処理を行う。脱臭処理部14は、例えば脱気装置又は脱臭装置等で構成される。脱臭処理部14が脱気装置を含んで構成される場合、脱臭処理部14は、収容部11の内部のガス分子を収容部11の外部に排出(脱気)することにより脱臭を行う。脱臭処理部14がオゾン脱臭装置を含んで構成される場合、脱臭処理部14はオゾンを収容部11の内部に放出する。この場合、放出されたオゾンがガス分子を分解することにより、収容部11の内部が脱臭される。脱臭処理部14が酸素クラスター脱臭装置を含んで構成される場合、脱臭処理部14は、収容部11の内部の酸素分子をイオン化させる。この場合、イオン化された酸素分子(酸素クラスターイオン)が収容部11の内部のガス分子をイオン分解することにより、収容部11の内部が脱臭される。
脱臭処理部14は、例えば収容部11の内部に配置される。図1では、脱臭処理部14は、収容部11の内側の側壁面に配置されている。
報知部15は、検査装置10による検査処理の結果を報知する。報知部15は、例えば、画像、文字、色彩の表示若しくは発光等による視覚的な方法、音声等の聴覚的な方法、又はそれらの組み合わせにより報知を行うことができる。報知部15は、視覚的な方法で報知を行う場合、例えば、表示デバイスとして、画像又は文字を表示することにより報知を行う。報知部15は、例えば、LED等の発光素子を発光させることにより報知を行ってもよい。報知部15は、聴覚的な方法で報知を行う場合、例えば、スピーカ等の音発生デバイスとして、アラーム音又は音声ガイド等を出力することにより報知を行う。報知部15が行う報知は、視覚的又は聴覚的な方法に限られず、被検者が認識可能な任意の方法であってもよい。例えば、報知部15は、振動パターン等により、報知を行ってもよい。
図1に示す例では、報知部15は、収容部11の外部に配置された表示デバイスであり、画像、文字又は色彩等により、検査処理の結果を報知する。
入力部16は、ユーザからの操作入力を受け付けるものであり、例えば、操作ボタン(操作キー)から構成される。入力部16は、例えば、タッチスクリーンであってもよい。入力部16は、報知部15である表示デバイスの一部にユーザからの操作入力を受け付ける入力領域を表示して、ユーザによるタッチ操作入力を受け付けてもよい。ユーザは、例えば、入力部16の操作により(検査操作により)、検査装置10に検査の開始を指示してもよい。ユーザは、例えば、入力部16の操作により、被検物である食品の種類を入力してもよい。
カメラ19は、検査装置10の制御に基づき、被検物を撮像する。撮像された被検物に関する情報は、においに関する情報とともに、後述する制御部に送信される。
図2は、図1に示す検査装置10の概略構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、検査装置10は、第1の検出部12と、第2の検出部13と、脱臭処理部14と、報知部15と、入力部16と、制御部17と、記憶部18と、カメラ19とを備える。
制御部17は、検査装置10の各機能ブロックをはじめとして、検査装置10の全体を制御及び管理するプロセッサである。制御部17は、制御手順を規定したプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成される。このようなプログラムは、例えば記憶部18又は外部の記憶媒体に格納される。
検査装置10は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサ17aを含む制御部17を備える。
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサ17aは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路IC及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサ17aは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサ17aは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサ17aは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサ17aは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイスおよび構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
制御部17は、検査装置10の全体を制御することにより、検査装置10による検査処理を実行する。例えば、制御部17は、検査装置10のユーザによる、入力部16への所定の操作入力に基づき、第1の検出部12を起動する。制御部17により起動された第1の検出部12は、食品が発生するにおいの検出を開始する。制御部17は、第1の検出部12により検出されたにおいに関する情報を、第1の検出部12から取得する。
制御部17は、第2の検出部13を起動する。制御部17は、第2の検出部13の検出対象の成分及び検出方法等に基づいて、適宜のタイミングで第2の検出部13を起動する。例えば、制御部17は、ユーザによる入力部16への所定の操作入力に基づいて第2の検出部13を起動してもよい。例えば、制御部17は、第1の検出部12と同時に第2の検出部13を起動してもよい。例えば、制御部17は、第1の検出部12を起動する所定時間前又は第1の検出部12を起動した所定時間後に、第2の検出部13を起動してもよい。制御部17は、第2の検出部13を常時起動させていてもよい。本実施形態においては、制御部17は、第2の検出部13を常時起動させているとして、以下説明する。
本実施形態において、第2の検出部13は、収容部11内の水分(湿度)を常時検出する。制御部17は、第2の検出部13により検出された水分に関する情報を、第2の検出部13から取得する。制御部17による水分に関する情報の取得は、例えば常時行われていてもよく、また、例えば第1の検出部12によるにおい検出時にのみ行われてもよい。水分に関する情報は、例えば、湿度センサで検出される湿度であってよい。水分に関する情報は、例えば、水分子を検出する第2の検出部13からの出力信号であってよい。
制御部17は、第1の検出部12によるにおいの検出結果を、第2の検出部13が検出した収容部11内の水分に関する情報に基づいて補正する。制御部17は、例えば、第2の検出部13が検出した湿度に基づいて、補正係数を算出してもよい。制御部17は、例えば、第2の検出部13の出力信号に基づいて補正係数を算出してもよい。制御部17は、第1の検出部12から取得したにおいに関する情報を、算出された補正係数に基づいて補正してもよい。制御部17は、例えば、第1の検出部12の出力信号から第2の検出部13の出力信号を差し引くことにより、第1の検出部12から取得したにおいに関する情報を補正してもよい。これにより、制御部17は、第1の検出部12が検出したにおい検出のための成分に含まれる水分量を補正することができる。
制御部17は、補正したにおいの検出結果に基づいて、食品のクオリティを判定する。例えば、第1の検出部12は、エチレン系、アンモニア系、アルコール系、アルデヒド系、硫黄系のガス分子を吸着する複数の異なるにおいセンサを備えていてもよい。制御部17は、複数のにおいセンサが検出した複数の信号を補正し、補正された複数の信号に基づいて、食品のクオリティを判定してもよい。食品が発生するにおいの元となるガス分子の成分及び各成分の割合等は、各食品と、当該食品のクオリティとにより、それぞれ異なる。そのため、制御部17は、においに関する情報である、においの元となるガス分子の成分及び各成分の割合等に基づいて、食品のクオリティを判定する。例えば、制御部17は、補正された複数のにおいセンサの出力と出力の割合とに基づいて、食品のクオリティを判定してもよい。例えば、制御部17は、補正された複数のにおいセンサの応答の特徴量(出力値、時定数等)に基づいて、食品のクオリティを判定してもよい。例えば、第1の検出部12は、エチレン系、アルコール系、硫黄系、アンモニア系の複数のにおいセンサを備えていてもよい。例えば野菜のクオリティを判定する場合、制御部17は、補正された複数のにおいセンサの出力の中から、アルコール系、硫黄系、アンモニア系のにおいセンサの出力が所定値以上に増大すると、クオリティが低下した、と判定してもよい。
制御部17は、食品のクオリティの判定に際して、記憶部18に記憶された、食品が発生するにおいと当該食品のクオリティとを対応付けた情報(データ)を参照して、食品のクオリティを判定する。ここで食品のクオリティとは、食品に関する性質又は品質をいう。
例えば、食品のクオリティは、食品が腐っているか否かである。この場合、制御部17は、においに関する情報に基づき、食品が腐っているか否かを判定する。制御部17は、食品の腐敗の程度を判定してもよい。
例えば、食品のクオリティは、食品が食べごろか否かである。この場合、制御部17は、においに関する情報に基づき、食品が食べごろであるか否かを判定する。制御部17は、食品が食べごろになる時期を判定してもよい。
例えば、食品のクオリティは、食品の熟成度である。この場合、制御部17は、においに関する情報に基づき、食品の熟成度、つまり食品(例えば肉等)がどの程度熟成しているかを判定する。
例えば、食品のクオリティは、食品の鮮度である。この場合、制御部17は、においに関する情報に基づき、食品の鮮度、つまり食品がどの程度新鮮であるかを判定する。
例えば、食品のクオリティは、食品の産地である。この場合、制御部17は、においに関する情報に基づき、食品の産地を判定する。具体的には、制御部17は、例えば食品が国内産であるが外国産であるかを判定する。制御部17は、食品の具体的な産地を特定してもよい。
例えば、食品のクオリティは、食品の残留農薬の程度である。この場合、制御部17は、においに関する情報に基づき、食品の残留農薬の程度、つまり食品の残留農薬の量を判定する。
食品のクオリティは、上述の例に限られず、食品に関する他の任意の性質又は品質であってよい。制御部17は、主成分分析等の統計的手法、又はニューラルネットワークを用いてにおいを判定してもよい。制御部17は、あらかじめ食品のクオリティ毎に、複数のにおいセンサの応答の特徴量を抽出する学習プロセスを実施し、データを作成してもよい。制御部17は、記憶部18に学習済のデータを記憶させてもよい。制御部17は、記憶部18に記憶された学習済のデータと、第1の検出部12で検出されて補正されたデータとのマッチング度合いにより、食品のクオリティを判定してもよい。制御部17は、新たに検出されたデータを基に、記憶部18に記憶された学習済のデータを更新してもよい。
制御部17は、補正されたにおいの検出結果及びカメラ19によって撮像された被検物に関する情報に基づいて、食品のクオリティを判定してもよい。制御部17は、例えば、カメラ19によって撮像された被検物に関する情報に基づいて、食品の種類を推定する。記憶部18には、食品の種類ごとに、食品が発生するにおいと当該食品のクオリティとを対応付けた複数の情報(データ)が記憶されている。制御部17は、推定された食品の種類に対応する情報(データ)を参照して、食品のクオリティを判定してもよい。
制御部17は、においに関する情報及び入力部16の操作により入力された食品の種類に基づいて、食品のクオリティを判定してもよい。この場合、制御部17は、入力された食品の種類に対応する情報(データ)を参照して、食品のクオリティを判定してもよい。
制御部17は、判定した食品のクオリティに関する情報を、検査処理の結果として、報知部15から報知する。報知の方法は、上述の通り、被検者が認識可能な任意の方法であってよい。報知部15が図1に示すように、表示デバイスである場合には、制御部17は、表示デバイスにおける、画像、文字又は色彩の表示により、報知を行う。
制御部17は、判定した食品のクオリティに関する情報を、例えば履歴データとして、記憶部18に記憶させてよい。
制御部17は、第1の検出部12によるにおいの検出前又は検出後に、収容部11の内部のリフレッシュ処理を実行してもよい。リフレッシュ処理は、第1の検出部12によるにおいの検出において、検出誤差となり得る要因を低減するための処理である。制御部17は、例えば脱臭処理部14を起動して、収容部11の内部の脱気又は脱臭を行うことにより、リフレッシュ処理を行う。制御部17は、例えば第1の検出部12を初期化することにより、リフレッシュ処理を行ってもよい。第1の検出部12は、初期化されることによって、初期化された時点での収容部11の内部の状態を基準に、例えば新たに収容部11に収容された食品が発生するにおいによる収容部11の内部のにおいの変化を検出する。また、制御部17は、第2の検出部13による成分検出の原理上、初期化することにより、所定の成分の検出誤差を低減可能な場合には、リフレッシュ処理として、第2の検出部13を初期化してもよい。
制御部17は、においの検出前にリフレッシュ処理を行うことにより、においの検出精度を向上させることができる。制御部17は、においの検出後にリフレッシュ処理を行うことにより、次の検出処理におけるにおいの検出精度を向上させることができる。
記憶部18は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成することができ、各種情報及び検査装置10を動作させるためのプログラム等を記憶するとともに、ワークメモリとしても機能する。記憶部18は、例えば食品が発生するにおいと当該食品のクオリティとを対応付けた情報(データ)を記憶する。記憶部18は、例えば検査装置10による検出処理の結果を、履歴データとして記憶してもよい。
カメラ19は、収容部11内に収容された食品を撮像する。カメラ19は、撮像した食品に関する情報を、制御部17に送信する。検査装置10は、カメラ19の撮像時に、フラッシュ撮影をするための発光部をさらに備えていてもよい。
次に、検査装置10が検査処理を行う際に、制御部17が実行する処理の一例について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、制御部17が、第1の検出部12によるにおいの検出処理の前にリフレッシュ処理を行うとして説明する。
ユーザは、検査装置10を使用して食品のクオリティの検査を行う場合、まず、検査装置10の蓋11bを開けて、検査対象である食品を、収容部11に収容する。そして、ユーザは、蓋11bを閉めて、収容部11を密閉する。その後、ユーザは、入力部16への操作入力により(検査操作により)、検査装置10に検査処理を開始させる。
ユーザが上記所定の操作入力を行うと、制御部17は、図3に示すフローを開始する。
まず、制御部17は、例えば脱臭処理部14を起動する等して、リフレッシュ処理を実行する(ステップS11)。
次に、制御部17は、第1の検出部12を起動する(ステップS12)。制御部17による第1の検出部12の起動により、第1の検出部12は、収容部11に収容された食品が発生するにおいの検出を開始する。
制御部17は、第1の検出部12が取得したにおいに関する情報を、第1の検出部12から取得する(ステップS13)。
制御部17は、第2の検出部13が取得した収容部11内の雰囲気中における水分に関する情報を、第2の検出部13から取得する(ステップS14)。
制御部17は、取得した水分に関する情報に基づき、第1の検出部12によるにおいの検出結果を補正する(ステップS15)。
制御部17は、ステップS15において補正した結果に基づき、記憶部18に記憶されたデータを参照して、食品のクオリティを判定する(ステップS16)。
制御部17は、ステップS16で判定した食品のクオリティに関する情報を、報知部15から報知する(ステップS17)。ユーザは、報知部15における報知により、食品のクオリティを知ることができる。
制御部17は、ステップS16で判定した食品のクオリティに関する情報を、記憶部18に記憶する(ステップS18)。
制御部17は、ステップS16において食品のクオリティを判定する前に、カメラ19を用いて被検物を撮像し、撮像された被検物に関する情報に基づいて、食品の種類を推定してもよい。この場合、制御部17は、推定された食品の種類に対応する情報(データ)を参照して、食品のクオリティを判定してもよい。
このように、本実施形態に係る検査装置10は、検査操作に応じて収容部11に収容された食品が発生するにおいを第1の検出部12により検出する。検査装置10は、検出したにおいに基づいて、食品のクオリティを判定する。そのため、ユーザは、食品のクオリティを把握したいと考えた場合に、当該食品を収容部11に入れて、検査装置10により検査処理を実行させることにより、食品のクオリティをすぐに知ることができる。従って、検査装置10によれば、ユーザの必要性に応じて、食品のクオリティを検査できるため、従来の装置と比較して、利便性を向上可能である。
検査装置10は、第1の検出部12による物質の検出結果を、第2の検出部13が検出した水分に基づいて補正して、被検物のクオリティを判定する。そのため、第1の検出部12であるにおいセンサが、物質検出の原理上、例えば検出対象の物質とともに水分を検出する場合、検査装置10は、第1の検出部12による検出結果のみに基づいて被検物のクオリティを判定する場合と比較して、判定精度が向上する。
本実施形態に係る検査装置10によれば、収容部11に収容する食品を取り替えることにより、1つの検査装置10で複数の食品のクオリティを検査することができる。
上記第1実施形態に係る検査装置10は、においを検出する第1の検出部12と、水分を検出する第2の検出部13と、食品のクオリティを判定する制御部17とを備えると説明したが、におい及び水分を検出する機能部(検出部)とクオリティを判定する機能部とは、互いに通信可能なそれぞれ異なる装置が備えていてもよい。におい及び水分を検出する機能部とクオリティを判定する機能部とが、それぞれ異なる装置に備えられる場合について、第2実施形態として、図4を参照して説明する。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る検査システムの概略構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、検査システム20は、検出装置30と、検査装置40と備える。検出装置30と検査装置40とは、例えばインターネット回線、WAN(Wide Area Network)又はLAN(Local Area Network)等のネットワーク50を介して相互に通信可能に接続される。
検出装置30は、例えば図1に示す検査装置10と同様に、蓋を備える収容部として構成されている。検出装置30は、第1の検出部32と、第2の検出部33と、脱臭処理部34と、報知部35と、入力部36と、制御部37と、記憶部38と、通信部39と、カメラ41とを備える。第1の検出部32、第2の検出部33、脱臭処理部34、報知部35、入力部36及びカメラ41の機能は、図1を参照して説明した第1の検出部12、第2の検出部13、脱臭処理部14、報知部15、入力部16及びカメラ19の機能と、それぞれ同様であるため、ここでは、説明を省略する。
制御部37は、検出装置30の各機能ブロックをはじめとして、検出装置30の全体を制御及び管理する。制御部37は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサ37aを含んでよい。制御部37は、図2を参照して説明した制御部17とは異なり、食品のクオリティを判定しない。制御部37は、第1の検出部32から取得したにおいに関する情報と、第2の検出部33から取得した水分に関する情報とを、通信部39から検査装置40に送信する。制御部37は、カメラ41から取得した、撮像された被検物に関する情報を、通信部39から検査装置40に送信してもよい。
制御部37は、検査装置40から、検査装置40が判定した食品のクオリティに関する情報を取得する。制御部37は、食品のクオリティに関する情報を取得すると、食品のクオリティに関する情報を、報知部35から報知する。制御部37は、食品のクオリティに関する情報を、記憶部38に記憶する。
通信部39は、検査装置40と有線通信又は無線通信を行うことにより、各種情報の送受信を行う。通信部39は、例えば、検査装置40ににおいに関する情報を送信する。通信部39は、例えば、検査装置40から食品のクオリティに関する情報を受信する。検出装置30から検査装置40へのにおいに関する情報の送信は、例えば制御部37が第1の検出部32からにおいに関する情報を取得するたびに実行されてもよい。前記においに関する情報の送信は、例えばユーザにより検出装置30に対して所定の操作入力が行われた場合に実行されてもよい。通信部39は、例えば、検出装置30から、撮像された被検物に関する情報を受信してもよい。
検査装置40は、例えばサーバ装置として構成される。検査装置40は、制御部47と、記憶部48と、通信部49とを備える。
制御部47は、検査装置40の各機能ブロックをはじめとして、検査装置40の全体を制御及び管理する。制御部47は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサ47aを含んでよい。制御部47は、通信部49が検出装置30から受信したにおいに関する情報及び水分に関する情報に基づいて、第1の検出部32によるにおいの検出結果を、第2の検出部33が検出した収容部内の水分に関する情報に基づいて補正する。制御部47は、補正したにおいの検出結果に基づいて、食品のクオリティを判定する。このとき、制御部47は、記憶部48に記憶された、食品が発生するにおいと当該食品のクオリティとを対応付けた情報(データ)を参照して、食品のクオリティを判定する。制御部47は、判定した食品のクオリティに関する情報を、通信部49から検出装置30に送信する。制御部47は、撮像された被検物に関する情報に基づいて、食品の種類を推定した後に、食品のクオリティを判定してもよい。
通信部49は、ネットワーク50を介して検出装置30と通信を行うことにより、各種情報の送受信を行う。通信部49は、例えば、検出装置30からにおいに関する情報及び水分に関する情報を受信する。通信部49は、例えば、検出装置30に食品のクオリティに関する情報を送信する。
図4に一例として示した検査システム20において、ユーザは、図1及び図2を参照して説明した検査装置10の使用方法と同様の方法で、検出装置30を使用することにより、検出装置30ににおいに関する情報を検出させることができる。ユーザは、検出装置30の報知部35における報知により、食品のクオリティを知ることができる。
特に、検査システム20では、サーバ装置である検査装置40が食品のクオリティを判定するため、検査装置40の制御部47が参照する記憶部48内のデータを、必要に応じてアップデートすることができる。つまり、検査システム20によれば、アップデートされたデータに基づいて、食品のクオリティが判定される。
第2実施形態において、においの検出結果の補正処理と、食品のクオリティの判断処理とを、いずれも検査装置40の制御部47が実行すると説明したが、例えばいずれかの処理を、検出装置30の制御部37が実行してもよい。例えば、検出装置30の制御部37がにおいの検出結果の補正処理を実行し、検査装置40の制御部47は、補正処理された情報に基づいて、食品のクオリティの判断処理を実行してもよい。
本開示は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、各構成部、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、上記実施形態において、第1の検出部12は、食品が発生するにおいを検出するにおいセンサであると説明したが、第1の検出部12は、においセンサ以外のセンサであってもよい。例えば、第1の検出部12は、被検物が発生する無臭のガス分子を検出するガスセンサ等であってもよい。
上記実施形態において、第2の検出部13は、湿度センサであると説明したが、第2の検出部13は、検出対象の成分により、湿度センサ以外のセンサとすることができる。第2の検出部13は、例えば、第1の検出部12が検出するにおいとは異なるにおいを検出するにおいセンサでもよい。第1の検出部12が検出するガスとは異なるガスを検出するガスセンサでもよい。第2の検出部13は、例えば、第1の検出部12の検出においてノイズとなるにおい又はガス成分を検出してもよい。例えば、第2の検出部13が検出するガスは、アルコール、エステル、エチレン、二酸化炭素、硫黄、アンモニア、水素、窒素等であってもよい。
上記実施形態において、検査装置10はカメラ19を備えると説明したが、検査装置10は、例えば第1の検出部12及び制御部17の特性によっては、必ずしもカメラを備えていなくてもよい。
10、40 検査装置
11 収容部
11a 収容室
11b 蓋
12、32 第1の検出部
13、33 第2の検出部
14、34 脱臭処理部
15、35 報知部
16、36 入力部
17、37、47 制御部
17a、37a、47a プロセッサ
18、38、48 記憶部
19、41 カメラ
20 検査システム
30 検出装置
39、49 通信部
50 ネットワーク

Claims (9)

  1. 被検物を収容する収容部と、
    前記収容部に収容された前記被検物が発生する物質を検出する第1の検出部と、
    前記収容部内の雰囲気中における前記物質とは異なる成分を検出する第2の検出部と、
    前記被検物を撮像するカメラと、
    前記第1の検出部による前記物質の検出結果を、前記第2の検出部が検出した前記成分に基づいて補正し、前記補正された物質の検出結果と前記カメラにより撮像された前記被検物に関する情報に基づいて、前記被検物のクオリティを判定する制御部と、
    を備える検査装置。
  2. 前記成分は水分である、請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記第1の検出部が前記物質を検出する前に、前記収容部のリフレッシュ処理を実行する、請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
  4. 前記第1の検出部が前記物質を検出した後に、前記収容部のリフレッシュ処理を実行する、請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
  5. 前記リフレッシュ処理は、前記収容部の脱気及び脱臭、並びに前記第1の検出部及び前記第2の検出部の初期化の少なくとも一つを含む、請求項3又は請求項4に記載の検査装置。
  6. 被検物が発生する物質と該被検物のクオリティとを対応付けた情報を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記情報を参照して、前記収容部に収容された被検物のクオリティを判定する、
    請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の検査装置。
  7. 前記制御部が判定した前記クオリティに関する情報を報知する報知部をさらに備える、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の検査装置。
  8. 前記被検物は食品であり、
    前記制御部は、前記食品のクオリティとして、前記食品が腐っているか否か、前記食品が食べごろであるか否か、前記食品の熟成度、前記食品の鮮度、前記食品の産地又は前記食品の残留農薬の程度の少なくとも一つを判定する、
    請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の検査装置。
  9. 検出装置と検査装置とを備え、
    前記検出装置は、被検物を収容する収容部と、前記収容部に収容された前記被検物が発生する物質を検出する第1の検出部と、前記収容部内の雰囲気中における前記物質とは異なる成分を検出する第2の検出部と、前記被検物を撮像するカメラと、前記第1の検出部が検出した前記物質に関する情報前記第2の検出部が検出した前記成分に関する情報、及び前記カメラにより撮像された前記被検物に関する情報を前記検査装置に送信する通信部と、を備え、
    前記検査装置は、前記検出装置から前記物質に関する情報及び前記成分に関する情報を受信する通信部と、前記受信した前記物質に関する情報と前記成分に関する情報とに基づいて、前記検出装置による前記物質の検出結果を前記成分に基づいて補正し、前記補正された物質の検出結果と前記カメラにより撮像された前記被検物に関する情報に基づいて、前記被検物のクオリティを判定する制御部と、を備える、
    検査システム。
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