JP6513451B2 - 高温加熱装置、気相成長装置、及び気相成長方法 - Google Patents

高温加熱装置、気相成長装置、及び気相成長方法 Download PDF

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Description

本発明は、高温加熱装置、気相成長装置、及び気相成長方法に関する。
従来、基板の表面に気相成長膜を成長させる気相成長方法として、HVPE法やMOCVD法等が知られている。
特許文献1には、HVPE法に使用可能な気相成長装置が開示されている。特許文献1に開示された気相成長装置は、石英円筒状の石英反応チャンバー内に、基板を保持するカーボンサセプタ、及びガスを供給するガス導入ポート等が収容されており、石英反応チャンバーの外に配置された高周波加熱コイルで、基板を加熱する構成とされている。
気相成長膜を形成する場合、基板の表面を均一に、かつ効率良く加熱することが重要である。
一般に、GaAs系膜やInP系膜の成膜温度は800℃程度、GaN系膜の成膜温度は1000〜1100℃程度であるが、AlN膜、SiC膜、高速成長の反応を用いるGaN膜等では、さらに高い成膜温度が必要となる。
特許文献1に開示された気相成長装置では、反応炉を加熱する所謂ホットウォール型ではなく、基板の周辺を高周波、抵抗線、光等で加熱し、反応炉の温度上昇を抑えるコールドウォール型を用いている。
この場合、反応炉を介して、加熱源からの輻射熱(熱輻射エネルギー)を逃がすため、基板の加熱部におけるエネルギーロスが大きく、基板の表面を、均一に、効率良く、かつ高温に加熱することが困難であった。
特許文献2には、基板の表面をより高温に加熱するために、反応炉内に輻射熱を閉じ込めて、輻射熱をできるだけ外部に損失しないようした構成が開示されている。
また、特許文献2には、反応炉の温度上昇に対して、反応炉の外壁を冷媒で冷却して、コールドウォールを実現することが開示されている。
特許第5263839号公報 特開2006−284077号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示されたコールドウォールを採用した気相成長装置では、基板の表面のうち、中心部の温度よりも外周部の温度が低くなるため、基板の表面内の温度の均一性が悪くなってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、基板の表面内における温度の均一性を向上させることの可能な高温加熱装置、気相成長装置、及び気相成長方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、基板を加熱する高温加熱装置であって、前記基板の表面を露出させた状態で前記基板を保持するサセプタと、筒状とされ、前記サセプタを収容し、発熱により前記基板及び前記サセプタを加熱する発熱部と、前記発熱部の外側に配置され、前記発熱部を収容する反応炉と、前記反応炉の外側に配置され、該反応炉を冷却する冷却機構と、前記発熱部と前記反応炉との間に配置され、該反応炉内に輻射熱を閉じ込める輻射熱反射部と、を備えることを特徴とする高温加熱装置が提供される。
また、請求項2に係る発明によれば、前記反応炉が、前記輻射熱を通過可能な材料で構成されており、前記反応炉の外面に設けられた金属層を有することを特徴とする請求項1記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項3に係る発明によれば、基板を加熱する高温加熱装置であって、前記基板の表面を露出させた状態で前記基板を保持するサセプタと、筒状とされ、前記サセプタを収容し、発熱により前記基板及び前記サセプタを加熱する発熱部と、前記発熱部の外側に配置され、前記発熱部を収容する反応炉と、前記反応炉の外側に配置され、該反応炉を冷却する冷却機構とを備え、前記反応炉が、前記輻射熱を通過可能な材料で構成されており、前記反応炉の外面に設けられた金属層を有することを特徴とする高温加熱装置が提供される。
また、請求項4に係る発明によれば、前記発熱部は、耐熱性及び耐腐食性を有する導電性材料で構成することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項5に係る発明によれば、前記反応炉は、耐熱性及び耐腐食性を有する材料で構成することを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項6に係る発明によれば、前記発熱部は、電気抵抗により該発熱部自体が発熱する電気抵抗体であることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項7に係る発明によれば、前記冷却機構の外側に配置された高周波発生装置を有し、前記発熱部は、該高周波発生装置が発生させる高周波により発熱することを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項8に係る発明によれば、前記反応炉の形状は、前記発熱部と同じ方向に延在する筒形状とされており、前記金属層は、前記反応炉の円周方向において、該金属層を不連続にするスリットを有することを特徴とする請求項ないし7のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項9に係る発明によれば、前記輻射熱反射部の材料は、窒化ホウ素であることを特徴とする請求項1又は2記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項10に係る発明によれば、前記冷却機構は、前記反応炉との間に、前記反応炉を冷却するための冷媒を移動させるための空間が形成されるように、該反応炉の外側に配置された筒状部材を有し、前記反応炉及び前記筒状部材は、前記空間を気密する接続部材で接続されていることを特徴とする請求項1ないし9のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項11に係る発明によれば、前記サセプタは、前記基板の裏面と接触する基板載置面を有し、前記気相原料ガスの供給方向に対して、前記基板載置面が平行、直交、傾斜のうち、いずれかの姿勢で前記サセプタを支持するサセプタ支持部を有することを特徴とする請求項1ないし10のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項12に係る発明によれば、前記サセプタは、前記サセプタ支持部に対して回転可能な構成であることを特徴とする請求項11記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項13に係る発明によれば、前記反応炉は、前記基板の表面に気相原料ガスが供給された際、前記基板の表面に気相成長膜を形成する成膜炉であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項14に係る発明によれば、前記反応炉は、不活性ガスを主成分とするガスを流しながら、前記基板を昇温するアニール炉であることを特徴とする請求項1ないし12のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置が提供される。
また、請求項15に係る発明によれば、加熱した基板の表面に気相成長膜を形成する気相成長装置であって、請求項1ないし13のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置と、前記高温加熱装置の前段に設けられ、該高温加熱装置と接続された加熱炉用筒状部材、該加熱炉用筒状部材内に配置され、かつ固体原料を収容する容器、及び前記加熱炉用筒状部材を加熱する加熱部を含む加熱炉と、前記加熱炉の前段に設けられ、前記高温加熱装置の延在方向に対して、前記加熱炉を介して、前記高温加熱装置内に位置する前記基板の表面に気相原料ガスを供給するガス供給部と、を有することを特徴とする気相成長装置が提供される。
また、請求項16に係る発明によれば、請求項15記載の気相成長装置を用いた気相成長方法であって、前記発熱部の発熱により、前記基板及び前記サセプタを加熱するとともに、前記輻射熱反射部により、前記反応炉内に輻射熱を閉じ込めることで、前記基板を所定の温度に加熱維持する基板加熱工程と、前記基板加熱工程後、前記ガス供給部から前記加熱炉内に塩素系ガスを供給することで、前記固体原料と前記塩素系ガスとを反応させて該固体原料の塩化物を生成する工程と、前記反応炉内に前記固体原料の塩化物を供給するとともに、前記ガス供給部から前記反応炉に前記気相原料ガスとして水素化物を含むガスを供給することで、該固体原料の塩化物と該水素化物とを反応させるハイドライドVPE法により、前記基板の表面に前記気相成長膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする気相成長方法が提供される。
本発明によれば、高温加熱装置内に配置された基板の表面内における温度の均一性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る気相成長装置の概略構成を模式的に示す断面図である。 図1に示す高温加熱装置を拡大した断面図である。 図2に示す高温加熱装置をB1−B2線で切断した構造体をC視した図である。 比較例及び実施例1の装置を用いて、サセプタの加熱設定温度を約1300℃としたときの基板載置面の面内の温度分布を示すグラフである。 実施例1〜5の装置を構成する高周波発生用コイルに入力する電力とサセプタの基板載置面の温度との関係を示すグラフである。 加熱時間に対する反応炉の加熱設定温度とサセプタの基板載置面の温度との関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の高温加熱装置及び気相成長装置の寸法関係とは異なる場合がある。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る気相成長装置の概略構成を模式的に示す断面図である。図1に示すA方向は、気相原料ガスの供給方向を示している。
図1を参照するに、本実施の形態の気相成長装置10は、ガス供給部11と、加熱炉12と、高温加熱装置13と、を有する。
ガス供給部11は、加熱炉12を構成する加熱炉用筒状部材21の一端(加熱炉12の前段)に配置されている。
ガス供給部11は、板状接続部材14と、第1の気相原料ガス供給ライン15と、第2の気相原料ガス供給ライン16と、不活性ガス供給ライン17と、を有する。
板状接続部材14は、加熱炉用筒状部材21の一端と接続されている。これにより、板状接続部材14は、加熱炉用筒状部材21の一端側に位置する開放端を塞いでいる。また、板状接続部材14は、板状接続部材14を貫通する第1の気相原料ガス供給ライン15、第2の気相原料ガス供給ライン16、及び不活性ガス供給ライン17を支持する機能を有する。
第1の気相原料ガス供給ライン15は、高温加熱装置13まで延在している。第2の気相原料ガス供給ライン16は、加熱炉12まで延在している。第2の気相原料ガス供給ライン16は、加熱炉12を構成する容器22内に収容された固体原料23と反応し、塩化物を生成する塩素系ガスを供給する。不活性ガス供給ライン17は、その先端がガス供給部11内に配置されている。
例えば、気相成長装置10を用いて、気相成長膜として窒化ガリウム膜を形成する場合、第1の気相原料ガス供給ライン15からは水素化物を含むガスであるアンモニアガス(NH)、第2の気相原料ガス供給ライン16からは塩素系ガスである塩化水素ガス(HCl)、不活性ガス供給ライン17からは不活性ガス(例えば、窒素、水素、アルゴン等)をそれぞれ供給する。
また、例えば、窒化アルミニウム膜を形成する場合には、固体原料23としてガリウムに替えてアルミニウムを用いること以外は、窒化ガリウム膜を形成する際に使用するガスと同様なガスを用いることができる。
加熱炉12は、高温加熱装置13を構成する反応炉31の前段に設けられている。加熱炉12は、加熱炉用筒状部材21と、容器22と、加熱部24と、加熱部収容部25と、を有する。
加熱炉用筒状部材21は、気相原料ガスの供給方向(A方向)に延在している。加熱炉用筒状部材21の他端は、反応炉31の一端と接続されている。
例えば、基板35の表面35aに窒化アルミニウム膜を形成する場合、加熱炉用筒状部材21内は、750℃程度の温度まで加熱される。
容器22は、加熱炉用筒状部材21内に配置されている。容器22は、気相成長膜を形成する際に使用する固体原料23が収容されている。窒化アルミニウム膜を形成する場合、固体原料23としては、アルミニウムが用いられる。また、窒化ガリウム膜を形成する場合には、固体原料23としてガリウムが用いられる。
加熱部24は、加熱炉用筒状部材21の外側に配置されている。加熱部24は、加熱炉用筒状部材21を介して、加熱炉12内を加熱する。加熱部24は、固体原料23と第2の気相原料ガス供給ライン16から供給された塩素系ガスとが反応することで生成される塩化物を気体で維持可能な温度で加熱炉12内を加熱する。加熱部24としては、例えば、電気抵抗式環状加熱ヒータを用いることができる。
加熱部収容部25は、加熱炉用筒状部材21の外周側面に設けられている。加熱部収容部25は、加熱部24を収容する筐体である。
図2は、図1に示す高温加熱装置を拡大した断面図である。図3は、図2に示す高温加熱装置をB1−B2線で切断した構造体をC視した図である。図2及び図3において、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。また、図3に示すDは、反応炉31の周方向(以下、「周方向D」という)を示している。
図1〜図3を参照するに、高温加熱装置13は、反応炉31と、サセプタ支持部33と、サセプタ34と、サセプタ回転機構(図示せず)と、発熱部37と、第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43と、金属層45と、冷却機構47と、第1の接続部材51と、第2の接続部材52と、高周波発生装置55と、を有する。
反応炉31は、筒形状とされた部材であり、発熱部37を収容している。反応炉31は、発熱部37と同じ方向に延在している。反応炉31は、その一端が第1の接続部材51と接続されており、他端が第2の接続部材52と接続されている。
反応炉31は、気相原料ガス、気化した固体原料、及びキャリアガスを加熱により分解反応させるとともに、基板35の表面35aに気相成長膜(反応生成物)を成長させるための炉である。反応炉31内は、例えば、1200℃以上の温度(気相成長膜を形成時の温度)まで加熱される。
したがって、反応炉31は、例えば、耐熱性及び耐腐食性を有する材料(例えば、石英ガラス)で構成することが好ましい。反応炉31を耐熱性及び耐腐食性を有する材料で構成することで、反応炉31の破損を抑制可能になるとともに、気相成長膜の膜質を向上させることができる。
金属層45が形成される反応炉31の外周面31aは、一定の平滑度(例えば、表面粗さRaで0.1μm以下の平滑度)を有する。このように、反応炉31の外周面31aを表面粗さRaで0.1μm以下にすることで、反応炉31の外周面31aと接触する金属層45の面(輻射熱を伝える赤外線の熱線を反射する面)を平滑な面にすることが可能となるので、金属層45による熱線の反射効率を向上させることができる。
また、反応炉31は、例えば、輻射熱を通過可能な材料(例えば、石英ガラス)で構成するとよい。このように、輻射熱を透過可能な材料で反応炉31を構成することで、金属層45に輻射熱を伝える赤外線の熱線を効率良く透過させることが可能となるので、金属層45による該熱線の反射を効率良く行うことができる。
なお、図3では、反応炉31の形状として、円環形状を例に挙げて図示したが、反応炉31の形状は、ガスの流れが層流を成して気相原料ガスが基板35の表面35aに届き、かつ反応炉31の外側に配置された高周波発生用装置55から発生する高周波が発熱部37に届く形状であればよく、円環形状や四角形の筒形状等の形状に限定されない。
サセプタ支持部33は、第2の接続部材52を貫通し、反応炉31内に延在するように配置されている。サセプタ支持部33は、気相原料ガスの供給方向(A方向)に対して、サセプタ34の基板載置面35aが平行、直交、傾斜のうち、いずれかの姿勢でサセプタ34を支持する部材である。このようなサセプタ支持部33を有することで、気相原料ガスの供給方向に対する基板35の表面35aの向きを調整することができる。
サセプタ支持部33は、例えば、導電性を有する材料で構成することができる。このように、導電性を有する材料でサセプタ支持部33を構成することで、高周波発生用装置55から発生する高周波の誘導加熱により、サセプタ支持部33を加熱することが可能となる。これにより、サセプタ支持部33を介して、所定の温度に加熱されるサセプタ34の温度が低下することを抑制できる。
なお、図1及び図2では、一例として、気相原料ガスの供給方向(A方向)に対して、サセプタ34の基板載置面35aが直交する場合を例に挙げて図示しているが、基板載置面35aの姿勢は、これに限定されない。
サセプタ34は、反応炉31内に配置されたサセプタ支持部33の一端に固定されている。サセプタ34は、基板35の裏面と接触する基板載置面34aを有する。
サセプタ34は、表面35aを露出させた状態で基板35を保持する。サセプタ34は、導電性を有する材料で構成されている。
このように、導電性を有する材料でサセプタ34を構成することで、高周波発生用装置55から発生する高周波の誘導加熱により、サセプタ34を発熱させることが可能となり、該発熱により基板35が所定の温度となるように加熱することができる。
サセプタ回転機構(図示せず)は、サセプタ支持部33に内設されている。サセプタ回転機構(図示せず)は、サセプタ支持部33に対して、サセプタ34を回転させる。サセプタ34が回転することで、サセプタ34に保持された基板35もサセプタ34とともに回転する。
発熱部37は、円周方向に切れ目のない筒状の部材である。発熱部37は、反応炉31の延在方向と同じ方向に延在している。
発熱部37は、反応炉31内に配置されている。発熱部37は、基板35を保持するサセプタ34、及びサセプタ支持部33の先端部を収容している。
発熱部37は、耐熱性及び耐腐食性を有する導電性材料で構成されている。このように、耐熱性及び耐腐食性を有する材料で発熱部37を構成することで、発熱による発熱部37の破損や、気相原料ガスによる発熱部37の腐食を抑制できる。
また、導電性材料で構成され、反応炉31の内径よりも縮径された内径を有する筒状の発熱部37を、基板35を保持するサセプタ34の周囲方向を囲むように配置することで、気相原料ガスを基板35の表面35aに供給可能な状態で、発熱部37の発熱により、基板35及びサセプタ34を選択的に効率良く加熱することができる。
耐熱性及び耐腐食性を有し、かつ導電性を有する発熱部37の材料としては、例えば、シリコンカーバイド(SiC)またはタンタルカーバイド(TaC)で表面コートされたグラファイトを用いることができる。
上記構成とされた発熱部37の厚さは、例えば、5mm〜50mmの範囲内で適宜設定することができる。
なお、本実施の形態では、一例として、高周波発生用装置55からの誘導加熱によって発熱を促される発熱部37を例に挙げて説明したが、発熱部37は、これに限定されない。
例えば、発熱部37として、電気抵抗により発熱部37自体が発熱する電気抵抗体(例えば、ヒータ)を用いてもよい。この場合も、基板35及び反応炉31内が所定の温度となるように加熱することができる。
また、発熱部37の形状は、反応炉31内、特に基板35の周辺を均一に昇温することが可能な形状であればよく、図3に示す円環形状に限定されない。
さらに、本実施の形態では、1つの円環形状とされた導電性部材で発熱部37を構成した場合を例に挙げて説明したが、例えば、反応炉31の延在方向に対して、円環状の導電部材を複数配置させることで、発熱部37を構成してもよい。
また、発熱部37として、電気抵抗により発熱部37自体が発熱する電気抵抗体を用いる場合、基板35の周辺を効率良く昇温させる観点から、複数の電気抵抗体からなる発熱部37を設けてもよい。
第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43は、発熱部37の延在方向と同じ方向に延在する筒状の部材であり、発熱部37と反応炉31との間に設けられている。第1の輻射熱反射部41は、所定の隙間を介在させた状態で、発熱部37を収容している。
第1の輻射熱反射部41は、発熱部37、及び発熱部37の内部から発熱部37の外側に向かう赤外線の熱線(輻射熱を伝える赤外線の熱線)のうち、発熱部37の内側(具体的には、サセプタ34)に輻射熱を留める機能を有する。
第2の輻射熱反射部42は、第1の輻射熱反射部41の外側に設けられている。第2の輻射熱反射部42は、所定の隙間を介在させた状態で、第1の輻射熱反射部41を収容している。
第2の輻射熱反射部42は、発熱部37、及び発熱部37の内部から発熱部37の外側に向かう赤外線の熱線のうち、第1の輻射熱反射部41の外側に向かう熱線を反射することで、発熱部37の内側(具体的には、サセプタ34)に輻射熱を留める機能を有する。
第3の輻射熱反射部43は、第2の輻射熱反射部42の外側に設けられている。第3の輻射熱反射部43は、所定の隙間を介在させた状態で、第2の輻射熱反射部42を収容している。
第3の輻射熱反射部43は、発熱部37、及び発熱部37の内部から発熱部37の外側に向かう赤外線の熱線のうち、第2の輻射熱反射部42の外側に向かう熱線を反射することで、発熱部37の内側(具体的には、サセプタ34)に輻射熱を留める機能を有する。
第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43は、同心円状に配置されている。第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43の厚さは、例えば、1mm〜20mmとの範囲内で適宜設定することができる。
このように、発熱部37の外側に、筒状とされた第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43を設けることで、発熱部37、及び発熱部37の内部から発熱部37の外側に向かう赤外線の熱線を反応炉31の中央部に向かう方向に反射させることが可能となるので、発熱部37の内側(具体的には、基板35を保持するサセプタ34)に輻射熱を留めることができる。
第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43の材料としては、例えば、高熱伝導率で低熱膨張率であり、かつ熱衝撃抵抗に優れたセラミックスである窒化ホウ素を用いるとよい。
このように、第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43の材料として、窒化ホウ素を用いることで、1200℃以上の温度となるように反応炉31内を加熱した場合でも、第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43が破損することを抑制できる。
なお、図1〜図3では、一例として、3つの輻射熱反射部(第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43)を設けた場合を例に挙げて説明したが、反応炉31と発熱部37との間に配置する輻射熱反射部の数は、1つ以上であればよく、3つに限定されない。
金属層45は、反応炉31の外周面31aに設けられている。このように、反応炉31の外周面31aに金属層45を設けることで、輻射熱を伝える赤外線の熱線のうち、反応炉31の外側に向かう熱線を反射することが可能となるので、反応炉31内に輻射熱を留めることができる。
また、反応炉31の内壁面ではなく、外周面31aに金属層45を設けることで、反応炉31内に供給される気相原料ガスによる損傷や、発熱部37の発熱による溶融を抑制することができる。
金属層45は、反応炉31の周方向Dにおいて、不連続とするためのスリット45Aを有する。このように、反応炉31の周方向Dにおいて、金属層45を不連続とするスリット45Aを設けることで、高周波発生装置55が発生させる高周波の誘導により金属層45が加熱されることがなくなるため、金属層45の溶融を抑制できる。
金属層45としては、輻射熱を伝える赤外線の波長において、熱線の反射率が高く、かつ冷却機構47による冷却で融点に到達しない金属からなる膜を用いることが好ましい。このような金属層45としては、例えば、金膜(Au膜)、銅膜(Cu膜)、金箔、銅箔等を例示することができる。金膜及び銅膜の形成方法は、特に、限定されない。
金属層45として金膜を用いる場合、金を溶媒に分散させることで金分散液を作製し、該金分散液を形成領域に吹き付ける手法である溶射法を用いることができる。
金属層45の厚さは、例えば、数百μm以上にするとよい。
冷却機構47は、筒状部材61と、空間62と、冷媒64と、を有する。筒状部材61は、金属層45との間に空間62が形成されるように、反応炉31の外側に配置されている。
筒状部材61は、その一端が第1の接続部材51と接続されており、他端が第2の接続部材52と接続されている。
空間62は、金属層45及び反応炉31を冷却する冷媒64が移動するための冷媒用経路として機能する。つまり、冷媒64が導入された空間62は、冷却層として機能する。
冷媒64は、金属層45及び反応炉31が溶融或いは損傷しないように冷却を行う。冷媒64としては、例えば、水、或いは水に添加剤を添加したもの等を用いることができる。
なお、冷却機構47は、金属層45及び反応炉31を冷却可能なものであればよく、図1〜図3に示す構成とされた冷却機構47に限定されない。
また、図3では、筒状部材61の形状の一例として、円環形状を例に挙げて図示したが、筒状部材61の形状は、高周波発生装置55の邪魔になることなく、かつ冷媒64の経路となる空間を形成可能な形状であればよく、図3に示す形状に限定されない。
第1の接続部材51は、リング状とされた部材であり、加熱炉用筒状部材21の他端と反応炉31の一端とを接続している。また、第1の接続部材51は、空間62が形成された状態で、筒状部材61の一端と接続されている。
第1の接続部材51は、空間62に冷媒64を導入するための冷媒導入口51Aを有する。冷媒導入口51Aは、図示していない冷媒循環ラインの一端と接続されている。
第2の接続部材52は、板状とされた部材であり、反応炉52の他端、及び筒状部材61の他端と接続されている。第2の接続部材52は、反応炉52の他端側に位置する開放端を塞いでいる。
第2の接続部材52は、冷媒導出口52Aと、サセプタ本体33を挿入支持する挿入穴52Bと、を有する。
冷媒導出口52Aは、空間62から金属層45及び反応炉31の冷却に寄与した冷媒64を導出する。冷媒導出口52Aは、図示していない冷媒循環ラインの他端と接続されている。挿入穴52Bは、サセプタ本体33を反応炉31内に挿入するとともに、サセプタ本体33を支持する機能を有する。
上述したように、反応炉31及び筒状部材61は、空間62を気密する第1及び第2の接続部材51,52で接続されている。第1及び第2の接続部材51,52の材料としては、冷媒64への耐食性、強度、及び加工性の観点から、例えば、ステンレスを用いることができる。
高周波発生装置55は、高周波発生用コイル66と、コイル収容部67と、を有する。高周波発生用コイル66は、筒状部材61の外側に配置されている。高周波発生用コイル66は、導電材料よりなる発熱部37及びサセプタ34を誘導加熱する際に必要な高周波を発生させる。高周波発生用コイル66の形状は、例えば、螺旋形状とすることができるが、これに限定されない。
コイル収容部67は、高周波発生用コイル66を収容するように、筒状部材61の外側に設けられている。
本実施の形態の高温加熱装置13によれば、反応炉31の内径よりも縮径された内径を有し、基板35を保持するサセプタ34を収容し、高周波誘導で発熱する発熱部37と、発熱部37と反応炉31との間に配置された第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43と、を有することで、発熱部37により、基板35及びサセプタ34を選択的に効率良く加熱することが可能になるとともに、第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43により、発熱部37に向かう方向に輻射熱を伝える赤外線の熱線を反射することが可能となる。
これにより、気相成長膜が形成される基板35の表面35a内における温度ばらつきが小さくなるため、基板35の表面35aにおける温度の均一性を向上させることができる。
また、発熱部37及び第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43を有することで、従来よりも短時間の加熱で、基板35の表面35aの温度を所定の温度に到達させることができる。
また、本実施の形態の気相成長装置10は、高温加熱装置13が発熱部37を有することで、従来よりも短時間の加熱で、基板35の表面35aの温度を所定の温度に到達させることができるとともに、気相成長膜が形成される基板35の表面35a内における温度ばらつきが小さくして、基板35の表面35aにおける温度の均一性を向上させることができる。
また、基板35の表面35aにおける温度の均一性が向上することで、基板35の表面35aに均一な膜質とされた気相成長膜を形成することができる。
なお、本実施の形態では、高温加熱装置13を構成する反応炉31を、基板35の表面35aに気相成長膜を形成する成膜炉として用いた場合を例に挙げて説明したが、例えば、反応炉31を、不活性ガスを主成分とするガスを流しながら、基板35を昇温するアニール炉として用いてもよい。
この場合、不活性ガスを主成分とするガスとしては、例えば、不活性ガスである窒素、アルゴン、ヘリウム等を主成分とし、かつ微量の水素、酸素、亜酸化窒素等を含んだガスを用いることができる。この場合、反応炉31は、基板35の温度が600℃〜1700℃の範囲内の温度となるように、基板35を加熱する。
なお、1100℃を超える温度で加熱する場合には、発熱部37の他に、金属層45及び上述した輻射熱反射部等を設ける必要がある。
また、本実施の形態では、一例として、気相成長装置10がガス供給部11及び加熱炉12を備えた場合を例に挙げて説明したが、気相成長装置10は、少なくとも高温加熱装置13を備えていればよく、ガス供給部及び加熱炉の構成は、図1に示すガス供給部11及び加熱炉12の構造に限定されない。
次に、図1〜図3を参照して、図1に示す気相成長装置10を用いた本実施の形態の気相成長方法について簡単に説明する。
初めに、ガス供給部11から加熱炉12内及び反応炉31内に不活性ガスを供給することで、加熱炉12内及び反応炉31内を不活性ガスで置換しながら、発熱部37の発熱により、基板35及びサセプタ34を加熱するとともに、第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43により、反応炉31内に輻射熱を閉じ込めることで、基板35を所定の温度に加熱維持する(基板加熱工程)。
このとき、容器22内に収容された固体原料23の塩化物が塩化アルミニウムの場合、加熱炉12内は、750℃程度の温度となるように加熱し、反応炉31内は、1200℃以上の温度(気相成長膜を形成する際の温度)となるように加熱する。
加熱炉12内及び反応炉31内の温度が所定の温度になると、気相成長開始準備が完了する。
次いで、ガス供給部11から加熱炉12内に塩素系ガスを供給することで、固体原料23と塩素系ガスとを反応させて固体原料23の塩化物を生成する。
基板35の表面35aに形成する気相成長膜として、例えば、窒化アルミニウム膜を形成する場合、塩化物としては塩化アルミニウムが生成される。この場合、塩素系ガスとしては、塩化水素ガスを用いることができ、固体原料23としては、アルミニウムを用いることができる。
次いで、反応炉31内に固体原料23の塩化物を供給するとともに、ガス供給部11から反応炉31に気相原料ガスとして水素化物を含むガスを供給することで、固体原料23の塩化物と該水素化物とを反応させるハイドライドVPE法により、基板35の表面35aに気相成長膜を形成する。
例えば、気相成長膜として窒化アルミニウム膜を形成する場合、基板35の温度が700℃程度の温度で塩化アルミニウムの分解反応が発生し、基板35の温度が1300℃程度の温度で、良質な窒化アルミニウム膜を形成することができる。この場合、水素化物を含むガスとしては、例えば、アンモニアを用いることができる。
本実施の形態の気相成長方法によれば、発熱部37の発熱により、基板35及びサセプタ34を加熱するとともに、第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43により、反応炉31内に輻射熱を閉じ込めることで、基板35を所定の温度に加熱維持する基板加熱工程を有することで、発熱部37により、基板35及びサセプタ34を選択的に効率良く加熱することが可能になるとともに、第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43により、発熱部37に向かう方向に輻射熱を伝える赤外線の熱線を反射することが可能となる。
これにより、気相成長膜が形成される基板35の表面35a内における温度ばらつきが小さくなるため、基板35の表面35aにおける温度の均一性を向上させることができる。
したがって、基板35の表面35aに均一な膜質とされた気相成長膜を形成することが可能となる。
また、発熱部37及び第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43を用いることで、従来よりも短時間の加熱で、基板35の表面35aの温度を所定の温度に到達させることができる。
なお、本実施の形態では、ハイドライドVPE法を用いて、気相成長膜を形成する場合を例に挙げて説明したが、図1に示す気相成長装置10を用いて、ハイドライドVPE法以外の方法で、基板35の表面35aに気相成長膜を形成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、参考例及び実施例について、説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。
(実験例1)
実験例1では、図1に示す気相成長装置10の構成から、発熱部37、金属層45、及び第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43を除いた気相成長装置(以下、「比較例の装置E」という)と、図1に示す気相成長装置10の構成から、金属層45、及び第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43を除いた気相成長装置(以下、「実施例1の装置F」という)と、を用いて、サセプタ34の加熱設定温度を約1300℃としたときの基板載置面34aの面内の温度分布について調べた。この結果を図4に示す。
なお、発熱部37の材料としては、表面がシリコンカーバイド(SiC)でコーティングされたグラファイトを用いた。
図4は、比較例及び実施例1の装置を用いて、サセプタの加熱設定温度を約1300℃としたときの基板載置面の面内の温度分布を示すグラフである。
図4において、縦軸は、基板載置面34aの中心の温度を基準としたときの温度ばらつき(%)を示しており、横軸は、基板載置面34aの中心からの距離(mm)を示している。また、サセプタ34としては、直径が4インチ(10.16cm)の基板35を載置可能なものを用いた。サセプタ34の中心から最外周までの距離は、55mm程度であった。
図4を参照するに、比較例1の装置Eでは、基板載置面34aの中心から45mmまでの領域の温度ばらつきが約0.9%(温度差にすると約12℃)であった。
実施例1の装置Fでは、基板載置面34aの中心から45mmまでの領域の温度ばらつきが約0.3%(温度差にすると約4℃)であった。
この結果から、基板35を保持するサセプタ34の周辺にホットウォールを形成することで、サセプタ34の基板載置面34aの面内における温度差が小さくなり、安定して基板35の表面35aを加熱できることが確認できた。
(実験例2)
実験例2では、5つの気相成長装置を用いて、金属層45である金膜及び輻射熱反射部の有無の違いがサセプタ34を加熱した際の基板載置面34aの温度に及ぼす影響について調べる実験を行った。
上記5つの装置としては、上述した実施例1の装置Fと、
図1に示す気相成長装置10の構成から第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43を除いた装置(以下、この気相成長装置を「実施例2の装置G」という)と、
気相成長装置10の構成から第2及び第3の輻射熱反射部42,43を除いた装置(以下、この気相成長装置を「実施例3の装置H」という)と、
図1に示す気相成長装置10(以下、「実施例4の装置I」という)と、
図1に示す気相成長装置10から金属層45の構成を除いた装置(以下、「実施例5の装置J」という)と、を用いた。
実施例2〜4の装置G,H,Iでは、金属層45として、スリット45Aを有し、厚さが100μmとされた金膜を用いた。
実施例3の装置Hを構成する第1の輻射熱反射部41、並びに実施例4,5の装置I,Jを構成する第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43としては、窒化ホウ素よりなり、厚さが3mmとされた円環状の部材を用いた。
また、サセプタ34の加熱は、高周波発生用コイル66に入力する電力値(入力電力)を変化させることで行った。この結果を図5に示す。
図5は、実施例1〜5の装置を構成する高周波発生用コイルに入力する電力とサセプタの基板載置面の温度との関係を示すグラフである。
図5を参照するに、金膜及び輻射熱反射部を有していない実施例1の装置Fでは、入力電力が20kWにおいて、基板載置面34aの温度が1000℃を超え、その後、入力電力を45kWまで上昇させると、基板載置面34aの温度が1300℃まで上昇した。
金膜を有する実施例2の装置Gでは、入力電力が16kWで基板載置面34aの温度が1000℃程度まで昇温され、その後、入力電力を上げるにつれ、基板載置面34aの温度が曲線的に上昇し、1200℃を容易に超えた。また、入力電力を42kWにすると、基板載置面34aの温度は1500℃に到達した。
上記実施例1,2の結果から、反応炉31の外周面31aに金膜(金属層45)を設けることが、サセプタ34の基板載置面34aの温度を上昇させる点で有効であることが確認できた。
実施例3,4の装置H,Iの結果から、輻射熱反射部の数が増加すると、少ない入力電力で基板載置面34aを高温で加熱できることが確認された。
例えば、入力電力が20kwのときの基板載置面34aの温度に注目してみると、輻射熱反射部の無い実施例2の装置Gでは1100℃弱であるのに対して、第1の輻射熱反射部41を有する実施例3の装置Hでは1200℃弱、第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43を有する実施例4の装置Iでは1300℃程度まで加熱することが確認できた。
この結果から、輻射熱反射部を設けることで、反応炉31内のサセプタ34の周辺に、効率良く輻射熱(熱エネルギー)を保持できることが確認できた。
実施例5の装置J(金膜(金属層45)が無くて、発熱部37及び第1ないし第3の輻射熱反射部41〜43を有する装置)の結果から、金膜(金属層45)が無い場合でも、実施例1,2の装置F,Gを用いたときよりも、サセプタ34の基板載置面34aを効率良く、より高い温度まで加熱できることが確認できた。
(実験例3)
実験例3では、実施例4の装置Iを用いて、加熱時間に対する反応炉31の加熱設定温度とサセプタ34の基板載置面34aの温度との関係を調べた。この結果を図6に示す。
図6は、加熱時間に対する反応炉の加熱設定温度とサセプタの基板載置面の温度との関係を示すグラフである。
図6を参照するに、約60分かけて、反応炉31の加熱設定温度を1500℃まで上昇させると、その設定に追随して、サセプタ34の基板載置面34aの温度が1460℃まで上昇した。
その後、約120分間、反応炉31の加熱設定温度を1500℃で保持した。その結果、サセプタ34の基板載置面34aの温度は、1460℃で安定しつづけ、金膜が溶解、破損することなく、安定して加熱できることが確認できた。
本発明は、基板を加熱する高温加熱装置、気相成長装置、及び気相成長方法に適用可能である。
10…気相成長装置、11…ガス供給部、12…加熱炉、13…高温加熱装置、14…板状接続部材、15…第1の気相原料ガス供給ライン、16…第2の気相原料ガス供給ライン、17…不活性ガス供給ライン、21…加熱炉用筒状部材、22…容器、23…固体原料、24…加熱部、25…加熱部収容部、31…反応炉、31a…外周面、33…サセプタ支持部、34…サセプタ、34a…基板載置面、35…基板、35a…表面、37…発熱部、41…第1の輻射熱反射部、42…第2の輻射熱反射部、43…第3の輻射熱反射部、45…金属層、45A…スリット、47…冷却機構、51…第1の接続部材、51A…冷媒導入口、52…第2の接続部材、52A…冷媒導出口、55…高周波発生装置、61…筒状部材、62…空間、64…冷媒、66…高周波発生用コイル、67…コイル収容部、A…方向、D…周方向、M1…厚さ

Claims (16)

  1. 基板を加熱する高温加熱装置であって、
    前記基板の表面を露出させた状態で前記基板を保持するサセプタと、
    筒状とされ、前記サセプタを収容し、発熱により前記基板及び前記サセプタを加熱する発熱部と、
    前記発熱部の外側に配置され、前記発熱部を収容する反応炉と、
    前記反応炉の外側に配置され、該反応炉を冷却する冷却機構と
    前記発熱部と前記反応炉との間に配置され、該反応炉内に輻射熱を閉じ込める輻射熱反射部と、を備えることを特徴とする高温加熱装置。
  2. 前記反応炉は、前記輻射熱を通過可能な材料で構成されており、前記反応炉の外面に設けられた金属層を有することを特徴とする請求項記載の高温加熱装置。
  3. 基板を加熱する高温加熱装置であって、
    前記基板の表面を露出させた状態で前記基板を保持するサセプタと、
    筒状とされ、前記サセプタを収容し、発熱により前記基板及び前記サセプタを加熱する発熱部と、
    前記発熱部の外側に配置され、前記発熱部を収容する反応炉と、
    前記反応炉の外側に配置され、該反応炉を冷却する冷却機構とを備え
    前記反応炉は、前記輻射熱を通過可能な材料で構成されており、前記反応炉の外面に設けられた金属層を有することを特徴とする高温加熱装置。
  4. 前記発熱部は、耐熱性及び耐腐食性を有する導電性材料で構成することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  5. 前記反応炉は、耐熱性及び耐腐食性を有する材料で構成することを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  6. 前記発熱部は、電気抵抗により該発熱部自体が発熱する電気抵抗体であることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  7. 前記冷却機構の外側に配置された高周波発生装置を有し、
    前記発熱部は、該高周波発生装置が発生させる高周波により発熱することを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  8. 前記反応炉の形状は、前記発熱部と同じ方向に延在する筒形状とされており、
    前記金属層は、前記反応炉の円周方向において、該金属層を不連続にするスリットを有することを特徴とする請求項ないし7のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  9. 前記輻射熱反射部の材料は、窒化ホウ素であることを特徴とする請求項1又は2記載の高温加熱装置。
  10. 前記冷却機構は、前記反応炉との間に、前記反応炉を冷却するための冷媒を移動させるための空間が形成されるように、該反応炉の外側に配置された筒状部材を有し、
    前記反応炉及び前記筒状部材は、前記空間を気密する接続部材で接続されていることを特徴とする請求項1ないし9のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  11. 前記サセプタは、前記基板の裏面と接触する基板載置面を有し、
    前記気相原料ガスの供給方向に対して、前記基板載置面が平行、直交、傾斜のうち、いずれかの姿勢で前記サセプタを支持するサセプタ支持部を有することを特徴とする請求項1ないし10のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  12. 前記サセプタは、前記サセプタ支持部に対して回転可能な構成であることを特徴とする請求項11記載の高温加熱装置。
  13. 前記反応炉は、前記基板の表面に気相原料ガスが供給された際、前記基板の表面に気相成長膜を形成する成膜炉であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  14. 前記反応炉は、不活性ガスを主成分とするガスを流しながら、前記基板を昇温するアニール炉であることを特徴とする請求項1ないし12のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置。
  15. 加熱した基板の表面に気相成長膜を形成する気相成長装置であって、
    請求項1ないし13のうち、いずれか1項記載の高温加熱装置と、
    前記高温加熱装置の前段に設けられ、該高温加熱装置と接続された加熱炉用筒状部材、該加熱炉用筒状部材内に配置され、かつ固体原料を収容する容器、及び前記加熱炉用筒状部材を加熱する加熱部を含む加熱炉と、
    前記加熱炉の前段に設けられ、前記高温加熱装置の延在方向に対して、前記加熱炉を介して、前記高温加熱装置内に位置する前記基板の表面に気相原料ガスを供給するガス供給部と、
    を有することを特徴とする気相成長装置。
  16. 請求項15記載の気相成長装置を用いた気相成長方法であって、
    前記発熱部の発熱により、前記基板及び前記サセプタを加熱するとともに、前記輻射熱反射部により、前記反応炉内に輻射熱を閉じ込めることで、前記基板を所定の温度に加熱維持する基板加熱工程と、
    前記基板加熱工程後、前記ガス供給部から前記加熱炉内に塩素系ガスを供給することで、前記固体原料と前記塩素系ガスとを反応させて該固体原料の塩化物を生成する工程と、
    前記反応炉内に前記固体原料の塩化物を供給するとともに、前記ガス供給部から前記反応炉に前記気相原料ガスとして水素化物を含むガスを供給することで、該固体原料の塩化物と該水素化物とを反応させるハイドライドVPE法により、前記基板の表面に前記気相成長膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする気相成長方法。
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