JP2013149572A - 加熱装置 - Google Patents

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直史 堀尾
Toshiya Ide
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Abstract

【課題】
従来よりも信頼性の高い加熱装置を提供することにある。
【解決手段】
従来よりも信頼性の高い加熱装置は、発熱部、および、該発熱部の周縁部と接続する一対の端子を備える発熱機構と、前記一対の端子を支持し、前記発熱部の熱膨張に対応して前記一対の端子の間隔を変化させる端子支持機構と、を具備する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、加熱装置、特に半導体成長装置に用いられる加熱装置に関する。
レーザダイオード、発光ダイオード、そして電子デバイス等の産業分野において、半導体を結晶成長させる方法として、MOCVD(Metal−Organic Chemical Vapor Deposition)法が広く用いられている。MOCVD法は、加熱したサセプタ上に配置された基板に各種材料ガス等を吹き付け、その基板上に熱化学反応を利用して半導体を結晶成長させる方法である。
MOCVD法によって、たとえば、サファイア基板上にGaN等の窒化物半導体を結晶成長させることが可能である。GaNを結晶成長させる場合、材料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)やNH(アンモニア)などが用いられる。
基板を保持するサセプタは、発熱機構によって、たとえば400℃〜1100℃に加熱される。発熱機構は、一般的に、電力を供給することにより発熱する発熱部、および、その発熱部の周縁部と接続し、その発熱部に電力を供給する一対の電極端子によって構成される。発熱機構には、円盤状の発熱部を有し、サセプタを底面から加熱するもの(たとえば特許文献1)や、円筒状の発熱部を有し、サセプタを囲んで周縁部から加熱するもの(たとえば特許文献2)等がある。
発熱機構には、たとえば、カーボン(黒鉛)ヒータが用いられる。ヒータ基材のカーボンは、熱膨張係数が約4.2×10−6〜7.1×10−6と小さく、数百度以上の高温環境下でも形状変化が僅かである。ただし、数百度以上、特に約800℃以上の高温であって、かつ、NHなどが存在する環境下では、内部に気孔ができる等の腐食劣化が進行する。
そこで、一般的には、腐食耐性に優れたSiC(炭化珪素)がコーティングされたカーボンヒータが用いられる。SiCは、熱膨張係数が約4.4×10−6程度であり、カーボンの熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有する。また、カーボンとの密着性も良好であり、剥離やクラック等が発生することが殆どない。
特開平3−80530号公報 特開平7−206464号公報
本発明の目的は、従来よりも信頼性が高い加熱装置を提供することにある。
本発明の主な観点によれば、発熱部、および、該発熱部の周縁部と接続する一対の端子を備える発熱機構と、前記一対の端子を支持し、前記発熱部の熱膨張に対応して前記一対の端子の間隔を変化させる端子支持機構と、を具備する加熱装置、が提供される。
従来よりも信頼性が高い加熱装置が提供される。
図1Aは、第1の従来例によるMOCVD装置の反応容器部の構成を示す断面図であり、図1Bは、発熱機構30の発熱部32の形状例を示す平面図である。 図2Aは、第2の従来例によるMOCVD装置の反応容器部の構成を示す断面図であり、図2Bは、発熱機構30の発熱部32の形状例を示す側面図である。 図3は、作製した窒化物半導体の構成を示す断面図である。 図4Aおよび図4Bは、円盤状の発熱部32が円弧状にたわむ様子を示す断面図、および、円筒状の発熱部32が楕円状にたわむ様子を示す平面図である。 図5Aおよび図5Bは、第1の実施例による加熱装置を示す断面図である。 図6Aおよび図6Bは、第2の実施例による加熱装置を示す断面図である。 図7Aは、第3の実施例による加熱装置を示す断面図であり、図7Bは、実施例による加熱装置と、比較例による発熱機構との寿命を比較したテーブルである。
本発明者らは、第1および第2の従来例によるMOCVD装置を用いて、窒化物半導体を作製した。最初に、第1および第2の従来例によるMOCVD装置の構成について、以下に示す実施例と関連する部分を中心に説明する。
図1Aは、第1の従来例によるMOCVD装置の反応容器部の構成を概略的に示す断面図である。便宜的に、図面に示すようなXYZ直交座標系を定義する。
反応容器10を区画する隔壁には、材料ガス等を流入するための流入口11a〜11d、および、材料ガス等を排気するための排気口11x〜11zが設けられている。また、反応容器10の内部には、材料ガスを誘導するフローチャネル12と、材料ガスを吹き付けて半導体を結晶成長させるための基板90を保持するサセプタ20と、サセプタ20を底面から加熱する発熱機構30と、が設けられている。
発熱機構30には、たとえば、SiCコートカーボンヒータが用いられる。また、発熱機構30は、X軸方向に所定の間隔を置いて平行に配置される一対の電極端子31a,31bと、一対の電極端子31a,31bのZ軸正方向端部と接続する円盤状の発熱部32(図1B)を含む。発熱機構30の発熱部32は、遮熱板13で囲まれており、発熱部32の発熱によって高温となる領域は、隔壁14により高温室15として区画されている。一対の電極端子31a,31bは、遮熱板13を挿通して反応容器10の外部まで延在されており、その端部(Z軸負方向端部)が固定台に固定されている。また、そのZ軸負方向端部は、発熱部32に電力を供給して、発熱部32の発熱温度を制御する制御装置80と電気的に接続されている。なお、一対の電極端子31a,31bは、発熱部32の重さでたわまないように、所定の強度を有してZ軸方向(鉛直方向)に延在していることが好ましい。
サセプタ20は、基板90を保持する円盤状の保持部21、および、保持部21と接続し、保持部21に保持される基板90をZ軸に平行な回転軸の周囲に回転させる軸部22を含む。サセプタ20の軸部22は、発熱機構30の円盤状の発熱部32の中心部および遮熱板13を挿通して反応容器10の外部まで延在されており、モータ等の駆動機構23に接続されている。
フローチャネル12の上流側には、材料ガス等を流入するための流入口11a,11bが設けられている。フローチャネル12の下流側には、材料ガス等を排気するための排気口11xが設けられている。また、反応容器10の内部および高温室15の内部には、それぞれパージガス(たとえばN)を流入するための流入口11c,11dが設けられている。流入口11c,11dから流入されるパージガスは、排気口11y,11zから排気される。
図1Bは、発熱機構30の発熱部32の形状例を示す平面図である。発熱部32は、直径がDの円盤形状を有し、その中心部にサセプタ20の軸部22が挿通することができる構造を有する。一対の電極端子31a,31bは、発熱部32の周縁部であって、その中心に対して対称となる位置に接続されている。
図2Aは、第2の従来例によるMOCVD装置の反応容器部の構成を概略的に示す断面図である。第2の従来例によるMOCVD装置の構成は、サセプタ20の保持部21の形状および発熱機構30の発熱部32(図2Aにおいては図示されていない)の形状以外、第1の従来例によるMOCVD装置の構成と同等である。第2の従来例によるサセプタ20の保持部21は、円柱状の形状を有する。
図2Bは、発熱機構30の発熱部32の形状例を示す側面図である。第2の従来例による発熱機構30の発熱部32は、Z軸と平行な中心軸を有し、サセプタ20の保持部21の周りを囲むような直径がDの円筒形状を有する。
本発明者らは、このような構成を有する第1および第2の従来例によるMOCVD装置を用いて、窒化物半導体を作製した。
図3は、本発明者らが作製した窒化物半導体の構成を示す断面図である。この窒化物半導体は、サファイア基板90上に、低温GaN(ガリウム・窒素)層91、n型GaN層92、発光層93、p型AlGaN(アルミニウム・ガリウム・窒素)層94、および、p型GaN層95が積層された構成である。なお、発光層93は、GaNバリア層およびInGaN(インジウム・ガリウム・窒素)量子井戸層からなる多重量子井戸構造を有する。
次に、図1または図2を参照しながら、図3に示す窒化物半導体の作製方法について説明する。
[サファイア基板90熱処理工程]直径約2インチのサファイア基板90をサセプタ20の保持部21に設置する。サセプタ20の保持部21の温度を、発熱機構30の発熱部32により約1000℃まで加熱する。流入口11aからはキャリアガスとして水素および窒素をそれぞれ流量15L/minで供給し、流入口11bからはキャリアガスとして水素のみを流量10L/minで供給しながら、約10分間、サファイア基板90に熱処理を施す。
[低温GaN層91成長工程]その後、サセプタ20の保持部21の温度を約530℃にする。流入口11aからはキャリアガスとして水素および窒素をそれぞれ流量15L/minで供給し、流入口11bからはキャリアガスとして水素を、材料ガスとしてTMG(トリメチルガリウム)およびNH(アンモニア)を総流量10L/minで供給して、サファイア基板90上に、低温GaN層91を層厚約300Åで成長させる。
[低温GaN層91熱処理工程]次に、サセプタ20の保持部21の温度を約1050℃にする。流入口11aからはキャリアガスとして水素および窒素をそれぞれ流量15L/minで、流入口11bからはキャリアガスとして水素を、材料ガスとしてNHを総流量10L/minで供給しながら、約7分間、低温GaN層91に熱処理を施す。
[n型GaN層92成長工程]次に、サセプタ20の保持部21の温度を約1030℃にする。流入口11aからはキャリアガスとして水素および窒素をそれぞれ流量15L/minで供給し、流入口11bからはキャリアガスとして水素を、材料ガスとしてTMG、NHおよびSiH(モノシラン)を総流量10L/minで供給して、低温GaN層91上に、n型GaN層92を層厚約6μmで成長させる。
[発光層93形成工程]次に、サセプタ20の保持部21の温度を約760℃にする。流入口11aからはキャリアガスとして窒素を流量30L/minで供給し、流入口11bからはキャリアガスとして窒素を、材料ガスとしてTMGおよびNHを総流量10L/minで供給して、発光層93のバリア層であるGaN層を層厚約8nmで成長させる。
さらに、流入口11aからはキャリアガスとして窒素を流量30L/minで供給し、流入口11bからはキャリアガスとして窒素を、材料ガスとしてTMI(トリメチルインジウム)、TMG、NH、およびCp2Mg(ビスシクロペンタジエニエルマグネシウム)を総流量10L/minで供給して、発光層93の量子井戸層であるInGaN層を層厚約3nmで成長させる。
以上のようなバリア層および量子井戸層の形成を繰り返し、n型GaN層92上に、量子井戸層を6層、バリア層を7層含む発光層63を形成する。
[p型AlGaN層94成長工程]次に、サセプタ20の保持部21の温度を約900℃にする。流入口11aからはキャリアガスとして水素および窒素をそれぞれ流量15L/minで供給し、流入口11bからはキャリアガスとして水素を、材料ガスとしてTMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、NHおよびCp2Mgを総流量10L/minで供給して、発光層93上に、p型AlGaN層94を層厚約30nmで成長させる。
[p型GaN層95成長工程]次に、サセプタ20の保持部21の温度を約900℃にする。流入口11aからはキャリアガスとして水素および窒素をそれぞれ流量15L/minで供給し、流入口11bからはキャリアガスとして水素を、材料ガスとしてTMG、NHおよびCp2Mgを総流量10L/minで供給して、p型AlGaN層94上に、p型GaN層95を層厚約100nmで成長させる。
以上のように、第1および第2の比較例によるMOCVD装置を用いて、窒化物半導体を作製することができる。なお、たとえば、サセプタ20の保持部21の温度を約1030℃にするためには、発熱機構30の発熱部32の温度を1400℃程度に発熱する必要がある。
本発明者らは、第1および第2の比較例によるMOCVD装置を繰り返し使用して、複数の窒化物半導体を作製した。その際、発熱機構30の発熱部32が、比較的短期間のうちに、劣化して発熱しない状態になることがわかった。また、そのように発熱しなくなった発熱機構30を交換した後、そのMOCVD装置を数回使用しただけで、再び、発熱機構30の発熱部32が劣化して発熱しない状態になる場合が多々あることがわかった。本発明者らによる検討の結果、このような劣化は、熱膨張に伴う発熱部32のたわみに起因していることがわかった。なお、以降では、発熱機構30の発熱部32が、比較的短期間のうちに、発熱しない状態になることを異常劣化と呼び、数回の使用で発熱しない状態になることを突発劣化と呼ぶこととする。
図4Aおよび図4Bは、第1の比較例による発熱部32が円弧状にたわむ様子を示す断面図、および、第2の比較例による発熱部32が楕円状にたわむ様子を示す平面図である。
第1の比較例による発熱機構30において、円盤状の発熱部32の室温(ここでは0℃とする)における直径Dを60mm、熱膨張係数を4.4×10−6、とし、発熱部32を1400℃に発熱させた場合(第1の条件とする)、発熱部32の直径Dは約0.37mm(=直径×熱膨張係数×発熱温度)熱膨張しうる。このとき、発熱部32と接続する電極端子31a,31bは固定されているため、発熱部32は、図4Aに示すように、Z軸方向に円弧状にたわむ。この円弧たわみLは、理論的には、約2.89mm程度と算出される。
同様に、第2の比較例による発熱機構30において、円筒状の発熱部32の室温における直径Dを70mm、熱膨張係数を4.4×10−6、とし、発熱部32を1400℃に発熱させた場合(第2の条件とする)、発熱部32の円周は約1.36mm熱膨張しうる。このとき、発熱部32と接続する電極端子31a,31bは固定されているため、発熱部32は、図4Bに示すように、Y軸方向に楕円状にたわむ。この円周たわみ(楕円の長軸と短軸の差)Lは、理論的には、約0.43mm程度と算出される。
なお、円盤状ないし円筒状の発熱部32は複雑な形状を有し、また、若干の密度分布も有していると考えられる。そのため、実際の円弧たわみないし円周たわみは、理論値に対して、誤差があると考えられる。また、このようなたわみは、発熱部32の強度が比較的弱い部分に集中的にストレスを与える場合もあると考えられる。
発熱機構30には、SiCコートカーボンヒータが用いられる。円盤状ないし円筒状の発熱部32のたわみは、その発熱部32表面にコーティングされたSiCを劣化させると考えられる。そして、窒化物半導体を作製する際に材料ガスとして用いたNHが、発熱部32のSiCコートが劣化した部分から侵入し、ヒータ基材であるカーボンの腐食を進行させたものと考えられる。その結果、発熱部32の異常劣化ないし突発劣化が発生すると考えられる。
本発明者らは、発熱部32の異常劣化ないし突発劣化を抑制するために、発熱部32の熱膨張に対応して電極端子31a,31bの間隔を変化させて、発熱部32のたわみを緩和する加熱装置について検討を行った。
図5Aおよび図5Bは、本発明者らが検討を行った第1の実施例による加熱装置を示す断面図である。図5Aに、図5BにおけるVA−VA断面を示す。また、図5Bに、図5AにおけるVB−VB断面を示す。
第1の実施例による加熱装置は、図5Aに示すように、一対の電極端子31a,31b、および、円盤状の発熱部32を備える発熱機構30と、電極端子31a,31b各々を支持して、その電極端子31a,31bの間隔を変化させる端子支持機構40と、を含む構成である。なお、発熱機構30の構造は、第1の比較例による発熱機構の構造と同等である。
端子支持機構40は、電極端子31a,31b各々を支持する一対の絶縁ステー51a,51b、および、絶縁ステー51a,51b各々がX軸方向に沿って移動できるようガイド52a(図5B)が設けられたステージ52を具備する一対の可動端子台と、絶縁ステー51a,51b各々と連結し、絶縁ステー51a,51b間の距離を伸縮させる伸縮機構60と、を含む。なお、絶縁ステー51a,52bと、発熱機構30の電極端子31a,31bとは、ボルトなどを介して接続されている。絶縁ステーには、電気的絶縁性の高いアルミナを用いた。その他にも、BN(窒化ホウ素)、SiN(窒化ケイ素)等の絶縁性セラミック素材を用いることができる。
伸縮機構60は、図5Bに示すように、カム61と、内端側でカム61を狭持するとともに、外端側が絶縁ステー51a,51b各々と連結する一対のアーム62a,62bと、カム61を回転させる回転機構64(図5A)と、を含む。また、伸縮機構60は、一対のアーム62a,62bが確実にカム61を狭持するように付勢する付勢機構65も含む。なお、実施例では、カム61を、サセプタの軸部22(図1A)と重ならないようY軸方向にずらして配置しており、カム61を狭持する一対のアーム62a,62bは、Y軸方向に延びる連結部63a,63bにより、絶縁ステー51a,51bと連結している。
カム61は、Z軸に平行な回転軸の周囲に回転させることにより、X軸方向における幅が変化する構造を有する。回転機構64が、カム61を回転させることにより、カム63を狭持する一対のアーム62a,62bのX軸方向における長さ(一対のアーム62a,62bの外端部間の長さ)が変化する。その結果、一対のアーム62a,62bに連結する絶縁ステー51a,51bの間隔が変化し、絶縁ステー51a,51bが支持する発熱機構30の一対の電極端子31a,31bの間隔を調整することができる。
第1の実施例による加熱装置には、さらに、発熱部32の熱膨張に対応して、カム61の回転角度を制御する制御装置80(図5A)が設けられている。制御装置80は、発熱部32の常温時のサイズ、発熱温度および熱膨張係数に基づいて、発熱部32のサイズの変化量を算出する。また、そのサイズの変化量に基づいて、回転機構64にカム61の回転角度を設定する。カム61の回転角度を制御することにより、アーム62a,62bの外端部間の長さを制御することができる。なお、制御装置80が算出に用いる発熱部32の温度は、熱伝対などにより直接計測した温度を用いても、発熱部32に供給する電力に基づいた温度を用いてもかまわない。
たとえば、上述した第1の条件において、カム61に、回転軸から最短の周縁部までの長さrが10mmであり、回転軸から最長の周縁部までの長さr+aが10.45mmである偏芯カムを用いた場合を想定する、このとき、発熱部32の直径Dは約0.37mm熱膨張する。偏芯カム61の回転軸から最短の周縁部の位置を基準(0°)としたとき、制御装置80は、偏芯カム61を約74°回転させれば、アーム62a,62bの外端部間の長さを約0.37mm伸長させることができる。このような構成を有する加熱装置を用いることにより、熱膨張に伴う発熱部32のたわみを緩和することが可能となる。
なお、カム61および一対のアーム62a,62bは、発熱部32からの輻射熱などにより、X軸方向に熱伸縮する可能性がある。そのため、カム61および一対のアーム62a,62bは、温度変化に対する伸縮量がより小さいことが望ましい。つまり、カム61および一対のアーム62a,62bの熱膨張係数は小さいことが好ましく、たとえば、発熱部32の熱膨張係数よりも小さいことが好ましい。実施例では、熱膨張係数が1×10−6以下であるスーパーインバーを用いた。その他にも、インバー、コバール等を用いることができる。
図6Aおよび図6Bは、本発明者らが検討を行った第2の実施例による加熱装置を示す断面図である。図6Aに、図6BにおけるVIA−VIA断面を示す。また、図6Bに、図6AにおけるVIB−VIB断面を示す。第2の実施例による加熱装置は、伸縮機構以外、第1の実施例による加熱装置とほぼ同等の構成を有する。ただし、発熱機構30は、第2の比較例で用いた円筒状の発熱部を備える発熱機構を用いている。
第2の実施例による伸縮機構70は、X軸方向に延在する棒状形状を有し、両端部が絶縁ステー51a,51b各々と連結するプランジャ71と、プランジャ71を覆い、プランジャ71を加熱してX軸方向に熱伸縮させるヒータ72と、を含む。また、プランジャ71の中央部は、支持ステー73により支持されている。なお、第2の実施例による加熱装置でも、プランジャ71を、サセプタの軸部22と重ならないようY軸方向にずらして配置しており、プランジャ71は、Y軸方向に延びる連結部74a,74bにより、絶縁ステー51a,51bと連結している。
ヒータ72が、プランジャ71を加熱することにより、プランジャ71のX軸方向における長さが変化する。その結果、プランジャ71に連結する絶縁ステー51a,51bの間隔が変化し、絶縁ステー51a,51bが支持する発熱機構30の一対の電極端子31a,31bの間隔を調整することができる。
第2の実施例による加熱装置には、発熱部32の熱膨張に対応して、ヒータ72がプランジャ71を加熱する温度を制御する制御装置80が設けられている。制御装置80は、発熱部32のサイズ、温度および熱膨張係数に基づいて、発熱部32のサイズの変化量を算出する。また、そのサイズの変化量に基づいて、ヒータ72がプランジャ71を加熱する温度を設定する。ヒータ72の加熱温度を制御することにより、プランジャ71のX軸方向における長さを制御することができる。
たとえば、上述した第2の条件において、プランジャ71に線熱膨張係数が25×10−6であり、X軸方向における長さが90mmのアルミ合金を用いた場合を想定する。このとき、発熱部32の直径Dは約0.43mm熱膨張する。制御装置80は、ヒータ72によりプランジャ71を約191℃に加熱すれば、プランジャ71のX軸方向における長さを約0.43mm伸長させることができる。このような構成を有する加熱装置を用いることにより、熱膨張に伴う発熱部32のたわみを緩和することが可能となる。
なお、プランジャ71は、高温環境下で長期間使用すると劣化・変形等生じる可能性があるため、より低温で用いられることが望ましく、そのため、温度変化に対する伸縮量がより大きいことが望ましい。つまり、プランジャ71の熱膨張係数は、より大きいことが好ましく、たとえば、発熱部32の熱膨張係数よりも大きいことが好ましい。したがって、プランジャー71には、熱膨張係数が大きいアルミまたはアルミ合金(熱膨張係数:20〜25×10−6)、銅または銅合金(熱膨張係数:16〜20×10−6)、ステンレス鋼(SUS、熱膨張係数:10〜18×10−6)等を用いることが好ましい。また、プランジャ71のX軸方向における長さは、より長いことが好ましく、たとえば、円盤状の発熱部32の直径Dよりも長いことが好ましい。
図7Aは、第2の実施例による加熱装置を応用した第3の実施例による加熱装置を示す断面図である。この加熱装置は、伸縮機構の配置位置以外、第2の実施例による加熱装置とほぼ同等の構成を有する。ただし、発熱機構30は、第1の比較例で用いた円盤状の発熱部を備える発熱機構を用いている。
第3の実施例による伸縮機構70は、X軸方向に延在する棒状形状を有し、両端部が絶縁ステー51a,51b各々と連結するプランジャ71を含む。そして、プランジャ71は、発熱部32の近傍に配置されている。なお、プランジャ71の配置位置(高さ)に合わせて、連結部74a,74bおよび支持ステー73は、第2の実施例による加熱装置の場合よりもZ軸方向に延長されている。
第3の実施例による伸縮機構70には、第2の実施例にはあったプランジャを加熱するヒータおよびヒータの加熱温度を制御する制御装置80が設けられていない。これは、発熱部32近傍に配置されるプランジャ71が、発熱部32からの輻射熱によって熱伸縮するためであり、プランジャ71を適当な位置(高さ)に配置することにより自律的に一対の電極端子31a,31bの間隔を調整することができるためである。
たとえば、上述した第1の条件において、プランジャ71に線熱膨張係数が18×10−6であり、X軸方向における長さが90mmのSUS304を用いた場合を想定する。このとき、発熱部32の直径Dは約0.37mm熱膨張する。発熱部が1400℃まで発熱したときに、プランジャ71を約228℃となる位置に配置すれば、プランジャ71のX軸方向における長さを約0.37mm伸長させることができる。このような構成を有する加熱装置を用いることにより、熱膨張に伴う発熱部32のたわみを緩和することが可能となる。
なお、第3の実施例による加熱装置の場合、プランジャ71は、必然的に、発熱部32の発熱温度よりも低い温度となる位置(高さ)に配置されることになる。そのため、プランジャ71の温度変化に対する伸縮量が、発熱部32の温度変化に対する熱膨張量よりも大きくなければ、発熱部32の熱膨張に対応して電極端子31a,31bの間隔を調整することは困難である。したがって、プランジャ71は、温度変化に対する伸縮量がより大きいことが望ましい。つまり、プランジャ71の熱膨張係数は、発熱部32の熱膨張係数よりも大きいことが好ましく、また、プランジャ71のX軸方向における長さは、円筒状の発熱部32の直径Dよりも長いことが好ましい。
本発明者らは、第1〜第3の実施例による加熱装置を組み込んだMOCVD装置を繰り返し使用して、図3に示した窒化物半導体を複数作製した。
図7Bは、実施例による加熱装置を組み込んだMOCVD装置と、比較例によるMOCVD装置との寿命を比較したテーブルである。ここで寿命とは、実施例および比較例において、発熱部が発熱しなくなるまでに窒化物半導体を作製できた回数比として定義する。
第1の実施例による加熱装置を組み込んだ第1のMOCVD装置(実施例1)は、第1の比較例によるMOCVD装置(比較例1)よりも約3.2倍多く窒化物半導体を作製することができた。実施例1および比較例1は、円盤状の発熱部を採用している。熱膨張に伴う円盤状の発熱部のたわみは、円弧たわみが支配的であると考えられる。円弧たわみは、発熱部表面にコーティングされるSiCにより大きなストレスを与えうる。実施例1は、第1の実施例による加熱装置を用いたことにより、比較例1よりも、発熱部にかかるストレスを大幅に低減し、発熱部の寿命をより長期化できたと考えられる。
第2の実施例による加熱装置を組み込んだMOCVD装置(実施例2)は、第2の比較例によるMOCVD装置(比較例2)よりも約1.8倍多く窒化物半導体を作製することができた。実施例2および比較例2は、円筒状の発熱部を採用している。熱膨張に伴う円盤状の発熱部のたわみは、円周たわみが支配的であると考えられる。円周たわみは、円弧たわみよりも、発熱部表面にコーティングされるSiCに与えるストレスが小さいと考えられる。したがって、実施例2は、第2の実施例による加熱装置を用いることにより、比較例2よりも発熱部の寿命をより長期化できたものの、比較例1に対する実施例1の寿命比のような顕著な違いが見られなかったと考えられる。
第3の実施例による加熱装置を組み込んだMOCVD装置(実施例3)は、比較例1よりも約2.7倍多く窒化物半導体を作製することができた。比較例1に対する実施例3の寿命比が、比較例1に対する実施例1の寿命比(3.2倍)よりも小さい理由としては、第3の実施例による加熱装置においてプランジャの配置位置が最適化されていなかったためだと考えられる。プランジャの配置位置を最適化することにより、比較例1に対する実施例3の寿命比を、比較例1に対する実施例1の寿命比と同程度にすることができると考えられる。
なお、第1〜第3の実施例による加熱装置において、突発劣化が発生することは殆どなかった。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、発熱部の形状と伸縮機構のタイプの組合せは、実施例に示した組合せに限られない。円筒状の発熱部とカムを用いた伸縮機構とを組み合わせた加熱装置であってもかまわない。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 反応容器、
11a〜11d 流入口、
11x〜11z 排気口、
12 フローチャネル、
13 遮熱板、
14 隔壁、
15 高温室、
20 サセプタ、
21 保持部、
22 軸部、
23 駆動機構、
30 発熱機構、
31a,31b 電極端子、
32 発熱部、
40 端子支持機構、
51a,51b 絶縁ステー、
52 ステージ、
52a ガイド、
60 伸縮機構、
61 カム、
62a,62b アーム、
63a,63b 連結部、
64 回転機構、
65 付勢機構、
70 伸縮機構、
71 プランジャ、
72 ヒータ、
73 支持ステー、
74a,74b 連結部、
80 制御装置、
90 サファイア基板、
91 低温GaN層、
92 n型GaN層、
93 発光層、
94 p型AlGaN層、
95 p型GaN層。

Claims (10)

  1. 発熱部、および、該発熱部の周縁部と接続する一対の端子を備える発熱機構と、
    前記一対の端子を支持し、前記発熱部の熱膨張に対応して前記一対の端子の間隔を変化させる端子支持機構と、
    を具備する加熱装置。
  2. 前記端子支持機構は、
    前記一対の端子各々を支持して、該一対の端子を結ぶ方向である第1の方向にそれぞれ移動することができる一対の可動端子台と、
    前記一対の可動端子台各々と連結し、該一対の可動端子台間の距離を伸縮させる伸縮機構と、
    を含む請求項1記載の加熱装置。
  3. 前記伸縮機構は、前記第1の方向に延在する形状を有し、両端部が前記一対の可動端子台各々と連結するプランジャを含む請求項2記載の加熱装置。
  4. 前記プランジャは、前記発熱部が生じる熱によって熱伸縮する位置に配置されている請求項3記載の加熱装置。
  5. 前記プランジャは、前記発熱部の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する請求項4記載の加熱装置。
  6. 前記伸縮機構は、さらに、前記プランジャを加熱して熱伸縮させるヒータを含む請求項3記載の加熱装置。
  7. 前記伸縮機構は、回転することにより前記第1の方向における幅が変化するカム、内端部で該カムを狭持し、外端部が前記一対の可動端子台各々と連結する一対のアーム、該カムを回転させることにより、該一対のアームの外端部間の距離を伸縮させる回転機構を含む請求項2記載の加熱装置。
  8. 前記一対の可動端子台は、前記一対の端子各々を支持する一対の絶縁ステー、および、該一対の絶縁ステー各々が前記第1の方向に移動できるようにガイドが設けられたステージを含む請求項2〜7いずれか1項記載の加熱装置。
  9. 前記発熱機構において、
    前記発熱部は、円盤状の形状を有し、
    前記一対の端子は、鉛直方向に延在する形状を有し、一端側が前記発熱部の周縁部であって、該発熱部の中心に対して対称となる位置に接続され、他端側が前記端子支持機構に支持される請求項1〜8いずれか1項記載の加熱装置。
  10. 前記発熱機構において、
    前記発熱部は、円筒状の形状を有し、
    前記一対の端子は、鉛直方向に延在する形状を有し、一端側が前記発熱部の周縁部であって、該発熱部の中心軸に対して対称となる位置に接続され、他端側が前記端子支持機構に支持される請求項1〜8いずれか1項記載の加熱装置。
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