JP2014187113A - 気相成長装置および気相成長方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】p型不純物とn型不純物の共ドープを容易にできる気相成長装置を提供する。
【解決手段】実施形態の気相成長装置は、反応室と、反応室にSi(シリコン)のソースガスを供給する第1のガス供給路と、反応室にC(炭素)のソースガスを供給する第2のガス供給路と、反応室にn型不純物のソースガスを供給する第3のガス供給路と、反応室にp型不純物のソースガスを供給する第4のガス供給路と、n型不純物とp型不純物のソースガスの量を所定の割合に制御し反応室に導入する制御部と、を備える。そして、p型不純物を元素A、n型不純物を元素Dとする場合に、元素Aと元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせである。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、気相成長装置および気相成長方法に関する。
次世代のパワー半導体デバイス用の材料としてSiC(炭化珪素)が期待されている。SiCはSi(シリコン)と比較して、バンドギャップが3倍、破壊電界強度が約10倍、および熱伝導率が約3倍と優れた物性を有する。この特性を活用すれば低損失かつ高温動作可能なパワー半導体デバイスを実現することができる。
SiCは、例えば、枚葉式のCVD法により、ウェハ上にエピタキシャル成長により形成される。また、例えば、高温CVD法により、種結晶上にエピタキシャル成長により形成される。
もっとも、従来の気相成長装置では、p型不純物とn型不純物の両方を同時にドープする共ドープが困難であった。
特開2012−31014号公報 特開2009−167047号公報
本発明が解決しようとする課題は、p型不純物とn型不純物の共ドープを容易にできる気相成長装置および気相成長方法を提供することにある。
実施形態の気相成長装置は、反応室と、反応室にSi(シリコン)のソースガスを供給する第1のガス供給路と、反応室にC(炭素)のソースガスを供給する第2のガス供給路と、反応室にn型不純物のソースガスを供給する第3のガス供給路と、反応室にp型不純物のソースガスを供給する第4のガス供給路と、n型不純物とp型不純物のソースガスの量を所定の割合に制御し反応室に導入する制御部と、を備える。そして、p型不純物を元素A、n型不純物を元素Dとする場合に、元素Aと元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせである。
第1の実施形態の気相成長装置の模式断面図である。 共ドープの作用を説明する図である。 共ドープの作用を説明する図である。 共ドープの作用を説明する図である。 共ドープの作用を説明する図である。 共ドープの作用を説明する図である。 n型SiCの場合のAlとNの濃度とシート抵抗の関係を示す図である。 p型SiCの場合のNとAlの濃度とシート抵抗の関係を示す図である。 第3の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第4の実施形態の気相成長装置の模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
また、以下の説明において、n、n、nおよび、p、p、pの表記は、各導電型における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわちnはnよりもn型の不純物濃度が相対的に高く、nはnよりもn型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に高く、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。なお、n型、n型を単にn型、p型、p型を単にp型と記載する場合もある。
(第1の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、SiC成長用の装置である。そして、反応室と、反応室にSi(シリコン)のソースガスを供給する第1のガス供給路と、反応室にC(炭素)のソースガスを供給する第2のガス供給路と、反応室にn型不純物のソースガスを供給する第3のガス供給路と、反応室にp型不純物のソースガスを供給する第4のガス供給路と、n型不純物とp型不純物のソースガスの量(流量)を所定の割合に制御し反応室に導入する制御部と、を備える。ここで、p型不純物を元素A、n型不純物を元素Dとする場合に、元素Aと元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせである。以下、元素AがAl(アルミニウム)、元素DがN(窒素)である場合を例に説明する。
図1は、本実施形態の気相成長装置の模式断面図である。本実施形態の気相成長装置は、枚葉型のエピタキシャル成長装置である。
図1に示すように、本実施形態のエピタキシャル成長装置100は、例えばステンレス製で円筒状中空体の反応室10を備えている。そして、この反応室10上部に配置され、反応室10内に、ソースガス等のプロセスガスを供給するガス供給部12を備えている。
また、反応室10内のガス供給部12下方に設けられ、半導体ウェハ(基板)Wを載置可能な支持部14を備えている。支持部14は、例えば、中心部に開口部が設けられる環状ホルダー、または、半導体ウェハW裏面のほぼ全面に接する構造のサセプタである。
また、支持部14をその上面に配置し回転する回転体ユニット16を、支持部14下方に備えている。また、支持部14に載置されたウェハWを輻射熱により加熱する加熱部18としてヒーターを、支持部14下方に備えている。
ここで、回転体ユニット16は、その回転軸20が、下方に位置する回転駆動機構22に接続される。そして、回転駆動機構22により、半導体ウェハWをその中心を回転中心として、例えば、300rpm〜1000rpmの高速回転させることが可能となっている。
また、円筒状の回転軸20は中空の回転体ユニット16内を排気するための真空ポンプ(図示せず)に接続される。真空ポンプの吸引により、半導体ウェハWが支持部14に真空吸着する構成になっていてもよい。なお、回転軸20は、反応室10の底部に真空シール部材を介して回転自在に設けられている。
そして、加熱部18は、回転軸20の内部に貫通する支持軸24に固定される支持台26上に固定して設けられる。この支持台26には半導体ウェハWを環状ホルダー14から脱着させるための、例えば突き上げピン(図示せず)が設けられている。
さらに、半導体ウェハW表面等でソースガスが反応した後の反応生成物および反応室10の残留ガスを反応室10外部に排出するガス排出部28を、反応室10底部に備える。なお、ガス排出部28は真空ポンプ(図示せず)に接続してある。
そして、本実施形態のエピタキシャル成長装置100は、反応室10にSi(シリコン)のソースガスを供給する第1のガス供給路31と、反応室10にC(炭素)のソースガスを供給する第2のガス供給路32と、反応室10にN(窒素)のソースガスを供給する第3のガス供給路33と、反応室にAl(アルミニウム)のソースガスを供給する第4のガス供給路34を備える。
第1のガス供給路31は第1のガス供給源41に、第2のガス供給路32は第2のガス供給源42に、第3のガス供給路33は第3のガス供給源43に、第4のガス供給路34は第4のガス供給源44に、接続されている。第1ないし第4のガス供給源は41〜44は、例えば、それぞれのソースガスが充填されたガスボンベである。
Si(シリコン)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとするモノシラン(SiH)である。また、C(炭素)のソースガスは、例えば、水素ガスをキャリアガスとするプロパン(C)である。また、N(窒素)のソースガスは、例えば、窒素ガス(N)である。そして、Al(アルミニウム)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)でバブリングされ、水素ガス(H)をキャリアガスとするトリメチルアルミニウム(TMA)である。
さらに、本実施形態の気相成長装置100は第1のガス供給源41に接続されSi(シリコン)のソースガスの流量を調整するマスフローコントローラ51と、第2のガス供給源42に接続されC(炭素)のソースガスの流量を調整するマスフローコントローラ52と、第3のガス供給源43に接続されN(窒素)のソースガスの流量を調整するマスフローコントローラ(第1の調節部)53と、第4のガス供給源44に接続されAl(アルミニウム)のソースガスの流量を調整するマスフローコントローラ(第2の調節部)54を備える。
そして、第1の調節部53と第2の調節部54に流量を指定する制御信号を与える制御信号生成部60を備える。第1の調節部53と第2の調節部54と、制御信号生成部60が、NのソースガスとAlのソースガスとの流量を所望の流量となるよう調整する制御部を構成する。
制御信号生成部60は、例えば、成膜されるSiC中のNとAlの濃度比を実現するNのソースガスとAlのソースガスの流量を演算する機能を備えたコンピュータである。例えば、制御信号生成部60に、外部入力装置から入力される実現すべきSiC中のNとAlの濃度比を基に、NのソースガスとAlのソースガスに要求される流量を演算して制御信号を生成する。
なお、制御部は、第1の調節部53と第2の調節部54自身が、上記制御信号生成部60の機能を備える構成とすることも可能である。
本実施形態の気相成長装置100によれば、n型不純物であるN(窒素)のソースガスとp型不純物であるAl(アルミニウム)のソースガスとを同時に供給してSiCを成膜することが可能となる。したがって、n型不純物であるN(窒素)とp型不純物であるAl(アルミニウム)が共ドープされたエピタキシャルSiC膜を成膜することが可能となる。
さらに、NのソースガスとAlのソースガスとの流量を調整する制御部によって、NのソースガスとAlのソースガスとの流量を所望の流量に制御することが可能となる。したがって、成長するSiC中のAlの濃度とNの濃度の比を所望の比率に制御することが可能である。
このように、n型不純物であるN(窒素)とp型不純物であるAl(アルミニウム)が所定の比率で共ドープされることにより、低抵抗なSiCが実現される。
特に、制御部が、成長するSiC中のAlの濃度のNの濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さく、または、成長するSiC中のNの濃度のAlの濃度に対する比が0.33より大きく1.0より小さくなるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整する構成となっていることが望ましい。
以下、本実施形態の気相成長装置により製造可能なn型不純物とp型不純物が共ドープされた低抵抗SiCについて詳述する。
発明者らによる検討の結果、SiCに対し、p型不純物(p型ドーパント)のAlと、n型不純物(n型ドーパント)のNとを共ドープすることにより、AlとNのペアリングをおこさせることができることがわかった。このペアリング状態では、キャリアが補償され、キャリアがゼロの状態になる。
図2および図3は、共ドープの作用を説明する図である。図2がn型SiCの場合、図3がp型SiCの場合である。発明者らが行なった第一原理計算によれば、SiC中で、AlはSi(シリコン)サイトに、NはC(炭素)サイトに、AlとNが隣接するように入ることで、より系として安定化することが明らかになった。
すなわち、図2および図3に示すように、AlとNとが未結合でばらばらになっている状態に比べ、AlとNが結合し、Al−Nペア構造を形成することで、エネルギー的に2.9eV安定になる。Al量とN量とが一致した場合には、両者の全てがペア構造になった状態が最も安定である。
ここで、第一原理計算は、超ソフト擬ポテンシャルを用いた計算である。超ソフト擬ポテンシャルは、バンダービルトらによって開発された、擬ポテンシャルの一種である。例えば、格子定数は、1%以下の誤差で実験値を実現できる高い精度を備える。不純物(ドーパント)を導入して、構造緩和を行い、安定状態の全エネルギーを計算する。系の全エネルギーを、変化の前後で比較することで、いずれの構造が安定状態か、否かを判定する。安定状態では、バンドギャップ中で不純物の準位が、どのエネルギー位置にあるかを示すことが出来る。
図2に示すように、NがAlよりも多く存在する場合、すなわち、n型SiCの場合、余分にあるNが、Al−Nペア構造の近傍のCサイトに入り、N−Al−Nの3量体となることで更に系が安定化することが明らかになった。第一原理計算からは、3量体となることで、ペア構造とNとが別々に存在する場合に比べ、系が0.3eV安定になる。
同様に、図3に示すように、AlがNよりも多く存在する場合、すなわちp型SiCの場合、余分にあるAlが、Al−Nペア構造の近傍のSiサイトに入り、Al−N−Alの3量体となることで更に安定化することが明らかになった。第一原理計算からは、3量体となることで、Al−Nペア構造とAlとが別々に存在する場合に比べ、系が0.4eV安定になる。
次に、AlとN以外のドーパントの組み合せについて、考察する。B(ボロン)とN(窒素)の場合について計算を行った場合を例に、計算結果を説明する。
BはSiサイトに、NはCサイトに入る。第一原理計算によると、B−N−B、あるいは、N−B−Nという3量体構造は形成できないことがわかった。つまり、B−Nのペア構造は形成されるが、近傍にBやNが来ると系のエネルギーが高くなる。したがって、余分なBやNは、ペア構造から離れた位置に独立に存在する方が、系がエネルギー的に安定であった。
第一原理計算によると、余分なBが3量体を形成すると、B−NペアとBが独立に存在する場合に比べて、系のエネルギーが0.5eV高かった。また、余分なNが3量体を形成すると、B−NペアとNが独立に存在する場合に比べて、系のエネルギーが0.3eV高かった。このため、いずれの場合も、3量体が出来ると系がエネルギー的に不安定になる。
図4は、共ドープの作用を説明する図である。図4では、各元素の共有結合半径を示す。図の右手上方に向かうほど共有結合半径が小さくなり、左手下方に向かうほど共有結合半径が大きくなる。
BとNの場合に、3量体が出来ると不安定になることは、共有結合半径の大きさにより理解できる。Bの共有結合半径はSiの共有結合半径より小さく、かつ、Nの共有結合半径はCの共有結合半径より小さい。このため、BがSiサイトに、NがCサイトに入ると、歪が溜まり3量体が形成できない。
ドーパントとなるp型不純物とn型不純物の組み合わせとして、「共有結合半径がSiより大きな元素(Al、Ga、In)」と「共有結合半径がCより小さい元素(N)」の組み合わせ、あるいは、その逆の、「共有結合半径がCより大きな元素(B)」と「共有結合半径がSiより小さい元素(P)」の組み合わせの場合以外は、3量体が形成出来ないことが判明した。
B、Pの共有結合半径はSiの共有結合半径とCの共有結合半径の中間にあることから、B、およびPは、Siサイト、Cサイトのどちらにも入りえる。しかし、他の不純物(Al、Ga、In、N、As)は、基本的に片方のサイトに偏る。Al、Ga、In、AsはSiサイトに入り、NはCサイトに入ると考えて良い。
さらに、両不純物が共にSiサイト、あるいは共にCサイトに入る場合は、考える必要がない。それは、p型不純物とn型不純物が最近接に来ないと歪が緩和し難いためである。よって、p型不純物を元素A、n型不純物を元素Dとする場合に、元素Aと元素Dとの組み合わせ(元素Aと元素D)が、(AlとN)、(GaとN)、(InとN)、(BとP)という4つの組み合わせ以外では、3量体を形成することは困難である。
このペア構造、あるいは3量体構造は、原子間に相互作用が無ければ形成できない。第一原理計算による4H−SiC構造中の不純物準位(ドーパント準位)は、c軸方向にユニットセルが10個程度あると、相互作用が見えなくなり、不純物準位が平らな状態となる。すなわち、分散が十分に抑制され、10meVオーダー程度になる。
つまり、不純物間の距離が10nm以上では相互作用が殆どないと考えられる。よって、不純物同士の相互作用があるためには、不純物濃度が1×1018cm−3以上であることが望ましい。
この値は、SiC材料が既に形成されている場合に、イオン注入などによって局所的な不純物の分布を形成する場合に望まれる不純物濃度の下限となる。
なお、半導体SiCに、共ドープによる効果が発現されるためには、n型不純物濃度とp型不純物濃度の比率を特定の範囲の比率にする必要がある。後に記述する製造方法において、イオン打ち込みによって導入するn型、p型のそれぞれの不純物の比率を上記特定の範囲の比率になるように、初めから導入することが重要である。相互作用が届く範囲が10nm未満と小さいが、その範囲にあれば、互いの引力により3量体が形成可能となる。しかも、引力が働くので、不純物の活性化アニールの温度が、共ドープしない場合の1700℃―1900℃から、1500℃−1800℃に低温化できると考えられる。
ただし、この3量体形成に望ましい不純物濃度は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによる気相からの結晶成長などでは、低減させることが可能である。これは、原料を表面にてフローさせることが出来るため、不純物同士の相互作用が低濃度でも生じやすくなるためである。
気相成長では、三量体を形成可能な不純物濃度の領域が、1×1015cm−3以上1×1022cm−3以下と、イオン注入に比較して拡大する。気相成長ではSiCの不純物濃度を、例えば、1×1016cm−3程度と薄くすることも、例えば、1×1021cm−3程度と濃くすることも可能である。特に、濃度の薄い領域は、イオン注入による形成が困難である。したがって、特に濃度の薄い領域では、気相成長による不純物領域の形成が有効である。さらに、気相成長では、共ドープされた、例えば、5nm程度の極薄膜を形成することも可能である。
また、気相成長では不純物の濃度の濃い領域で、結晶中の欠陥が生じにくいという利点もある。すなわち、イオン注入では、導入する不純物量が大きくなるにつれ結晶中の欠陥量が増大し、熱処理等による回復も困難となる。気相成長では成長中に3量体が形成され、不純物導入による欠陥も生じにくい。この観点から、例えば、不純物濃度が1×1019cm−3以上、さらには1×1020cm−3以上の領域で、気相成長による不純物領域の形成が有効である。
このように、気相成長では、イオン注入では得られない効果がある。もっとも、イオン注入では、局所的に共ドープされた不純物領域を形成することが可能である。また、低コストで共ドープされた不純物領域を形成することが可能である。よって、必要性に応じて、気相成長とイオン注入とを使い分ければ良い。
気相からの結晶成長時において、3量体形成を形成する場合、p型およびn型の不純物濃度は1×1015cm−3以上であることが望ましい。さらに、3量体形成を容易にする観点からは、不純物濃度は1×1016cm−3以上あることがより望ましい。
次に不純物濃度の上限であるが、3量体を形成した場合には、3量体を形成しない場合の固溶限を超えることも可能である。3量体を作ると、結晶中の歪が緩和され不純物が固溶されやすくなるためである。
3量体を形成しない場合の不純物の固溶限は、Nの場合は1019cm−3オーダー、Alの場合でも1021cm−3オーダーである。他の不純物は、およそ1021cm−3オーダー程度である。
不純物が一種類の場合、不純物の大きさが小さい側、あるいは大きい側に偏る。このため、歪が蓄積されて、不純物が格子点に入り難くなり、活性化できないためである。特にイオン注入では欠陥を多く形成するので、余計に固溶限が低くなる。
しかし、3量体を形成すれば、Al、Nのどちらも1022cm−3オーダー程度まで、導入が可能となる。(AlとN)、(GaとN)、(InとN)、(BとP)という4つの組み合わせにおいて、3量体を形成することで、歪を緩和することが出来るため、固溶限の拡大が可能となる。その結果、1022cm−3オーダーまで不純物の固溶限の拡張が可能である。
不純物がB、Al、Ga、In、Pである場合は、1×1020cm−3以上、特に、6×1020cm−3以上では、歪が多く、欠陥が多量に入っている状態となる。その結果、シート抵抗または比抵抗は非常に大きな値となる。
しかし、p型不純物とn型不純物との共ドープによれば、このような不純物濃度の高い領域でも、欠陥が抑制できる。
不純物がNである場合は、さらに固溶限が一桁小さく2×1019cm−3程度である。第一原理計算によれば、不活性な格子間Nの欠陥が発生するためと考えられる。
N濃度の上限が、1019cm−3オーダーだったものが、3量体を形成することにより、1022cm−3オーダーに大幅に拡大する。従来、高濃度にドープされたn型領域を形成する場合、窒素を使うことが出来ず、例えばPを1020cm−3程度、イオン注入することにより形成している。しかし、本実施形態を用いれば、例えば、Nを2×1020cm−3、Alを1×1020cm−3導入するというように、窒素を用いて高濃度にドープされたn型領域を形成できる。つまり、従来は窒素を使うこと自体が困難だったが、それが可能になる。
以上、p型不純物とn型不純物を両方とも導入し、かつ、共有結合半径の組み合わせを適切に選ぶことにより、上記の3量体を形成することが可能となる。そして、構造が安定化して、歪を低減することが出来る。
その結果、(1)各不純物が格子点に入りやすくなる。(2)プロセスの低温化が可能となる。少なくとも100℃程度の低温化は期待できる。(3)活性化可能な不純物量(上限の拡大)が増加する。(4)3量体、あるいはペア構造のような安定構造が出来る。この構造でエントロピーを稼ぎ、結晶欠陥量が低減する。(5)3量体が安定なので、p型不純物とn型不純物を結ぶボンドの周りに回転することが難しくなり、構造が固定化する。したがって、通電破壊耐性が大幅にアップする。例えば、pnジャンクションのp型不純物領域、n型不純物領域の少なくとも一部に3量体構造を導入すれば、通電破壊が抑制され、高抵抗化が避けられる。その結果、電流を一定量だけ流すときに必要な印加電圧(Vf)が増加してしまう劣化現象(Vf劣化)を抑制可能となる。
以上、p型不純物のAlとn型不純物のNを共ドープすることにより、AlとNのペアリングをおこさせることが出来ることを示した。さらに、この際、アクセプタ準位およびドナー準位を、ともに浅く出来ることが、第一原理計算により明らかになっている。
図5、図6は、共ドープの作用の説明図である。図5はn型SiCの場合、図6はp型SiCの場合である。白丸は準位が電子で埋まっていない空の準位、黒丸は準位が電子で埋まっている状態を示す。
ドナー準位が浅くなる理由は、図5に示すように、アクセプタであるAlの伝導帯の内側にある空の準位と、Nのドナー準位とが相互作用したことにより、ドナー準位が引き上げられたためである。同様に、アクセプタ準位が浅くなる理由は、図6に示すように、ドナーであるNの価電子帯の内側にある電子が埋った準位と、Alのアクセプタ準位とが相互作用したことにより、アクセプタ準位が引き下げられたためである。
一般に、n型不純物のNやP(リン)は42meV〜95meVの深いドナー準位を形成する。p型不純物のB、Al、Ga、Inは160meV〜300meVの非常に深いアクセプタ準位を形成する。それに対し、3量体を形成すると、n型不純物では35meV以下のドナー準位を形成し、p型不純物では、100meV以下のアクセプタ準位を形成することが可能となる。
3量体が完全に形成された最良の状態では、n型のNやPでは、およそ20meV程度となり、p型のB、Al、Ga、Inでは40meV程度となる。このように浅い準位を形成するので、活性化した不純物の多くがキャリア(自由電子、自由正孔)となる。したがって、バルク抵抗が共ドープを行わない場合に比べ、桁違いに低抵抗化する。
n型SiCの場合、キャリア発生に寄与するドナー準位が40meV以下となることで、共ドープしない場合と比較して、抵抗が低減する。また、35meV以下となることで抵抗が約一桁、20meV以下とすることにより抵抗が約二桁低減する。但し、歪緩和効果、ドープ上限拡大効果なども含む。
p型SiCの場合、キャリア発生に寄与するアクセプタ準位が150meV以下となることで、共ドープしない場合と比較して、抵抗が低減する。また、100meV以下となることで抵抗が約一桁、40meV以下とすることにより抵抗が約二桁低減する。但し、歪緩和効果、ドープ上限拡大効果なども含む。
Al濃度とN濃度とが一致した場合(N:Al=1:1)には、浅い準位はあっても、キャリアが無いため、絶縁体になってしまう。Al濃度とN濃度の差分だけキャリアが存在することになる。低抵抗の半導体になるには、濃度差が必要となる。
N濃度がAl濃度よりも多い場合(N濃度>Al濃度)、相互作用によりAl−Nペアが出来た余りのNもまた、Al−Nペアの近傍のCを置換することで安定化する。このため、浅いドナー準位が形成される。また、歪も緩和するので、3量体を形成しない場合よりもNの濃度を増やすことが出来る。
図7は、n型SiCの場合のAlとNの濃度とシート抵抗の関係を示す図である。N濃度は、2×1020cm−3としている。単体でNを導入した場合は、1×1019cm−3以上いれても、シート抵抗は低減できない。その値がおよそ300Ω/□である。
N濃度:Al濃度が1:1から2:1になるまでは、歪が入らずに3量体ができ、浅いドナー準位に入っているキャリア電子数が増加する。したがって、シート抵抗が急激に低下する。
そして、2:1に達したとき、最大量のキャリアが使えるので、最もシート抵抗が低い状態となる。シート抵抗は、図7に示すように、1.5Ω/□程度まで低減できる。n型SiCへのコンタクト抵抗も、N濃度:Al濃度=2:1になるようにし、N濃度とAl濃度の差分を1020cm−3から1022cm−3と増やすことで、10−5Ωcm程度から、10−7Ωcm程度まで低減可能である。
さらに、2:1よりN濃度の割合が上がると、N濃度:Al濃度=2:1より過剰なNにより、元の深いドナー準位が形成されることになる。そして、このドナー準位がキャリア電子を受け取ることになり、3量体によって形成された浅いドナー準位が空となってしまう。N濃度:Al濃度=2:1よりずれた分のNは、単体で導入された場合に近いので、歪の緩和が困難である。したがって、図7に示すように、シート抵抗が急激に増加していくことになる。
図7では、n型不純物のN(窒素)を、Alを共ドープしない場合に固溶限近傍まで入れた場合のシート抵抗(この場合は約300Ω/□)を比較対象とし、N濃度:Al濃度=2:1からずらした場合にどのようにシート抵抗の値が変化するかを示している。
3量体構造が出来たAl濃度/N濃度=0.5を中心に考えることにする。Al濃度/N濃度を0.47以上、0.60(8×1019cm−3以上のキャリアが100%自由キャリアとなる)以下とした場合、つまり、n型不純物に対し、p型不純物を47%〜60%入れた場合、Alを共ドープしない場合のシート抵抗に比較して2桁落ちのシート抵抗となり、非常に有効である。0.5未満では、浅い準位が減少し、かつ、歪が入るので、自由キャリア数が減り、0.47程度で、8×1019cm−3相当のキャリアとなる。
そこから幅を両側に広げて、Al濃度/N濃度を0.45以上、0.75(5×1019cm−3以上のキャリアが100%自由キャリアとなる)以下とした場合、すなわち、AlをNに対し45%〜75%入れた場合、2桁落ちからその3倍程度の大きさとなる。0.5未満では、浅い準位が減少し、かつ、歪が入るので、自由キャリア数が減り、0.45程度で、5×1019cm−3相当のキャリアとなる。さらに幅を両側に広げて、Al濃度/N濃度を0.40より大きく0.95(1×1019cm−3以上のキャリアが100%自由キャリアとなる)より小さくした場合、すなわち、AlをNに対し40%〜95%入れた場合、1桁落ちのシート抵抗となる。0.5未満では、浅い準位が減少し、かつ、歪が入るので、自由キャリア数が減り、0.40程度で、1×1019cm−3相当のキャリアとなる。
AlをNに対し50%以上入れた側の方が特性がよいのは、歪が十分に緩和するためである。1つのAlに対し2つのNがクラスター化して3量体が形成された状態が50%の状態である。50%未満の場合、3量体が出来た状態に加え、更に余分なNが存在することになる。つまり、3量体になれないNがあるので、その分だけ歪が溜まることになる。3量体になれないNは、単体で入ったのも同然であり、直ぐに歪の限界に達してしまう。こうして、Alの量が50%を割った場合は、歪が急激に発生して、格子欠陥が増加することになる。このため、歪が緩和できる50%以上の場合に比較して、50%未満の方が、シート抵抗が急激に悪化する。
なお、Al濃度/N濃度=0.995で、キャリア数が共ドープしない場合とほぼ同等になる。2×1020cm−3の0.5%分の1×1018cm−3以上のキャリアが100%自由キャリアとなるので、従来の窒素ドープのシート抵抗が実現可能となる。このため、シート抵抗が共ドープしない場合と、およそ一致することになる。また、Al濃度/N濃度=0.33、すなわち、N濃度:Al濃度=3:1の場合、キャリア電子がすべて、3量体によって形成される浅いドナー準位ではなく、余剰のNで形成される深いドナー準位に受け取られことになる。このため、シート抵抗が共ドープしない場合と、およそ一致することになる。したがって、共ドープにより抵抗が低減するのは、Al濃度/N濃度を0.33より大きく0.995より小さくした場合、すなわち、AlをNに対し33%〜99.5%入れた場合となる。誤差も考えると、33%より大きく、100%未満と考えればよい。
Al濃度がN濃度よりも多い場合(Al濃度>N濃度)、相互作用によりAl−Nペアが出来た余りのAlもまた、Al−Nペアの近傍のSiを置換することで安定化する。このため、浅いアクセプタ準位が形成される。また、歪も緩和するので、3量体を形成しない場合よりもAlの濃度を増やすことが出来る。この場合も、N濃度>Al濃度の場合と同様に考えればよい。
図8は、p型SiCの場合のNとAlの濃度とシート抵抗の関係を示す図である。Al濃度は、2×1020cm−3としている。
Al濃度:N濃度が1:1から2:1になるまでは、歪が入らずに3量体ができ、浅いアクセプタ準位に入っているキャリア正孔数が増加する。したがって、シート抵抗が低下する。
そして、2:1に達したとき、最大量のキャリアが使えるので、最もシート抵抗が低い状態となる。シート抵抗としては、図8に示すように、40Ω/□程度まで低減できる。p型SiCへのコンタクト抵抗も、Al濃度:N濃度=2:1になるようにし、Al濃度とN濃度の差分を1020cm−3から1022cm−3と増やすことで10−5Ωcm程度から、10−7Ωcm程度まで低減可能である。
さらに、2:1よりAl濃度の割合が上がると、Al濃度:N濃度=2:1より過剰なAlにより、元の深いアクセプタ準位が形成されることになる。そして、このアクセプタ準位がキャリア正孔を受け取ることになり、3量体によって形成された浅いアクセプタ準位が電子で埋まってしまう。Al濃度:N濃度=2:1よりずれた分のAlは、単体で導入された場合に近いので、歪の緩和が困難である。したがって、図8に示すように、シート抵抗が急激に増加していくことになる。
図8では、p型不純物のAl(アルミニウム)を、Nを共ドープしない場合に固溶限近傍まで入れた場合のシート抵抗(この場合は約10KΩ/□)を比較対象とし、Al濃度:N濃度=2:1からずらした場合にどのようにシート抵抗の値が変化するかを示している。
3量体構造が出来たN濃度/Al濃度=0.5を中心に考えることにする。N濃度/Al濃度を0.47以上、0.60(8×1019cm−3以上のキャリアが100%自由キャリアとなる)以下とした場合、つまり、p型不純物に対し、n型不純物を47%〜60%入れた場合、Nを共ドープしない場合のシート抵抗に比較して2桁落ちのシート抵抗となり、非常に有効である。0.5未満では、浅い準位が減少し、かつ、歪が入るので、自由キャリア数が減り、0.47程度で、8×1019cm−3相当のキャリアとなる。
そこから幅を両側に広げて、N濃度/Al濃度を0.45以上、0.75(5×1019cm−3以上のキャリアが100%自由キャリアとなる)以下とした場合、すなわち、NをAlに対し45%〜75%入れた場合、2桁落ちからその3倍程度の大きさとなる。0.5未満では、浅い準位が減少し、かつ、歪が入るので、自由キャリア数が減り、0.45程度で、5×1019cm−3相当のキャリアとなる。さらに幅を広げて、N濃度/Al濃度を0.40より大きく0.95(1×1019cm−3以上のキャリアが100%自由キャリアとなる)より小さくした場合、すなわち、NをAlに対し40%〜95%入れた場合、1桁落ちのシート抵抗となる。0.5未満では、浅い準位が減少し、かつ、歪が入るので、自由キャリア数が減り、0.40程度で、1×1019cm−3相当のキャリアとなる。
NをAlに対して50%以上入れた側の方が特性がよいのは、歪が緩和するためである。それに対し、Nが50%未満の場合、1つのNに対し2つのAlがクラスター化して3量体が形成された状態が50%の状態であり、そこに更にAlが存在することになる。つまり、3量体になれないAlがあるので、その分だけ歪が溜まることになる。こうして、50%を割った場合は、歪が急激に発生して、格子欠陥が増加することになる。このため、歪が緩和できる50%以上の場合に比較して、50%未満の場合の方が、シート抵抗が急激に悪化する。
なお、N濃度/Al濃度=0.995で、キャリア数が共ドープしない場合とほぼ同等になる。2×1020cm−3の0.5%分の1×1018cm−3以上のキャリアが100%自由キャリアとなるので、従来のAlドープのシート抵抗が実現可能となる。このため、シート抵抗が共ドープしない場合と、およそ一致することになる。また、N濃度/Al濃度=0.33、すなわちAl濃度:N濃度=3:1の場合、キャリア正孔がすべて、3量体によって形成される浅いアクセプタ準位ではなく、余剰のAlで形成される深いアクセプタ準位に受け取られことになる。このため、シート抵抗が共ドープしない場合と、およそ一致することになる。したがって、共ドープの抵抗低減効果が得られるのは、N濃度/Al濃度を0.33より大きく0.995より小さくした場合、すなわち、NをAlに対し33%〜99.5%入れた場合となる。誤差も考えると、33%より大きく、100%未満と考えればよい。
共ドープしない場合には、1×1018cm−3以下の低濃度の不純物を使った低抵抗SiC半導体材料は存在し難い。しかし、共ドープによれば、3量体を形成することで、浅い準位が形成され、キャリア数が増加する。したがって、少量の不純物でも低抵抗化が可能である。
以上のように、p型不純物とn型不純物を適切な割合で共ドープすることにより、少なくとも2つの顕著な効果が得られることになる。
第一に、歪が緩和して、歪の少ないSiCを形成可能である。共ドープしない場合に比べて、歪が少なくなり、欠陥が少なく、多くの不純物を導入することが可能になる。すなわち、不純物の固溶限を高くすることができる。したがって、シート抵抗が低減し、比抵抗が低減し、コンタクト抵抗が低減する。イオン注入法であれ、エピタキシャル成長法であれ、欠陥が少なくなるので、不純物の高ドーズ化が可能となる。
第二に、浅い準位を形成することが可能となる。共ドープしない場合と比較して、少ない不純物を用いるだけで、低抵抗な材料を作成することが可能になる。あるいは、同じ不純物量の場合に、桁違いに小さいシート抵抗が得られることになる。エピタキシャル成長にて形成可能な低ドーズの領域を考えた時、共ドープを用いない場合、高抵抗になってしまう。しかし、共ドープを使えば、低抵抗なSiCを形成することが可能となる。これにより、より低オン抵抗のSiC半導体装置を製造することも可能となる。
次に、本実施形態の気相成長装置を用いた気相成長方法について図1を参照しつつ、説明する。まず、n型SiCの成長方法について説明する。
本実施形態のn型SiCの気相成長方法は、反応室内で、基板または種結晶に、Si(シリコン)のソースガス、C(炭素)のソースガス、n型不純物のソースガス、および、p型不純物のソースガスを同時に供給してn型SiCを成長させる。p型不純物を元素A、n型不純物を元素Dとする場合に、元素Aと元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせであり、成長するn型SiC中の組み合わせを構成する元素Aの濃度の元素Dの濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さくなるようp型不純物のソースガスとn型不純物のソースガスの量(流量)を制御する。
また、本実施形態の気相成長方法で成膜されるn型SiCの元素Dの濃度は、例えば、1×1015cm−3以上1×1022cm−3以下の範囲である。
例えば、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)の第1の組み合わせの場合、元素Aが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)から選ばれる1種の元素であってもかまわない。また、Al(元素A)とGa(元素A)等の2種の元素、あるいは、Al(元素A)、Ga(元素A)、In(元素A)の3種の元素で構成されていてもかまわない。複数の元素の場合、2種または3種の元素をあわせて組み合わせを構成する元素Aと考え、上記元素Aの濃度の元素Dの濃度に対する比、元素Dの濃度の条件が充足されれば良い。
また、第1の組み合わせと第2の組み合わせの両者が共存することも可能である。しかし、上記元素Aの濃度の元素Dの濃度に対する比、元素Dの濃度の条件は、すくなくとも、第1の組み合わせ、第2の組み合わせのいずれか一方を構成する元素で充足されなければならない。いいかえれば、第1の組み合わせと第2の組み合わせは、個別に元素比、元素濃度を満たさなければならない。これは、第1の組み合わせの不純物と第2の組み合わせの不純物の間では、後に詳述する3量体が形成されないためである。
以下、元素AがAl(アルミニウム)、元素DがN(窒素)である場合を例に説明する。
まず、反応室10内の支持部14に半導体ウェハWを載置する。半導体ウェハWは、例えば、n型不純物としてP(リン)またはN(窒素)を不純物濃度5×1018cm−3程度含み、例えば、厚さ300μmであり、4H−SiCの低抵抗のn型のSiC基板である。
ここで、例えば、反応室10のウェハ出入口のゲートバルブ(図示せず)を開きハンドリングアームにより、ロードロック室内の半導体ウェハWを反応室10内に搬送する。そして、半導体ウェハWは例えば突き上げピン(図示せず)を介して支持部14に載置され、ハンドリングアームはロードロック室に戻され、ゲートバルブは閉じられる。
そして、図示しない真空ポンプを作動して反応室10内のガスをガス排出部28から排気して所定の真空度にする。ここで、支持部14に載置した半導体ウェハWは、加熱部18により所定温度に予備加熱している。さらに、加熱部18の加熱出力を上げて半導体ウェハWをSiCのエピタキシャル成長温度に昇温させる。成長温度は、例えば、1600℃〜1750℃である。
そして、上記真空ポンプによる排気を続行すると共に、回転体ユニット16を所要の速度で回転させる。そして、第1ないし第4のガス供給源41〜44から供給され、マスフローコントローラ51〜52で流量を調整されたSi(シリコン)、C(炭素)、N(窒素)、Al(アルミニウム)のソースガスを混合して、ガス供給部12から噴出する。なお、ソースガスは、例えば、それぞれ異なるノズルから反応室内に噴出され、反応室で混合してもかまわない。
Si(シリコン)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとするモノシラン(SiH)である。また、C(炭素)のソースガスは、例えば、水素ガスをキャリアガスとするプロパン(C)である。また、N(窒素)のソースガスは、例えば、水素ガスで希釈された窒素ガス(N)である。そして、Al(アルミニウム)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)でバブリングされ、水素ガス(H)をキャリアガスとするトリメチルアルミニウム(TMA)である。
ソースガスを供給する際、制御信号生成部60で、成長するSiC中のAlの濃度のNの濃度に対する比(Al濃度/N濃度)が0.40より大きく0.95より小さくなるよう流量が規定された制御信号が生成される。
ガス供給部12から、噴出されたSi(シリコン)、C(炭素)、N(窒素)、Al(アルミニウム)のソースガスの混合ガスは、半導体ウェハW上に整流状態で供給される。これにより、半導体ウェハW表面に、n型SiCの単結晶膜がエピタキシャル成長により形成される。
そして、エピタキシャル成長終了時には、ガス供給部12からのソースガスの噴出を停止し、半導体ウェハW上へのソースガスの供給が遮断され、単結晶膜の成長が終了される。
成膜後は、半導体ウェハWの降温を始める。ここでは、例えば、回転体ユニット16の回転を停止させ、単結晶膜が形成された半導体ウェハWを支持部12に載置したままにして、加熱部16の加熱出力を初期値に戻し、予備加熱の温度、例えば600℃以下に低下するよう調整する。
次に、半導体ウェハWが所定の温度に安定した後、例えば突き上げピンにより半導体ウェハWを支持部14から脱着させる。そして、再びゲートバルブを開いてハンドリングアームを挿入し、その上に半導体ウェハWを載せる。そして、半導体ウェハWを載せたハンドリングアームをロードロック室に戻す。
以上のようにして、一回の半導体ウェハWに対する成膜が終了し、例えば、引き続いて他の半導体ウェハWに対する成膜を上述したのと同一のプロセスシーケンスに従って行うことも可能である。
本実施形態の気相成長方法で成膜されるn型SiCのN(窒素)濃度は、例えば、1×1015cm−3以上1×1022cm−3以下の範囲である。本実施形態の気相成長方法によれば、NとAlが所定の割合で共ドープされる。これにより、Nの固溶限が上がり、かつ、ドナー準位が浅くなり、低抵抗なn型SiCが実現される。さらに、欠陥の発生が抑制され高品質なn型SiCが実現される。
本実施形態では、n型SiCの成長を気相から行っている。気相中での拡散は固相中に比べると遥かに大きいため、NとAlの相互作用が固相中よりも生じやすい。したがって、SiC中での3量体形成が生じやすい。よって、共ドープによる効果の発現が促進される。
特に、本実施形態は、イオン注入での共ドープでは3量体が形成しにくいNの濃度が比較的低い範囲、すなわち、Nの濃度が1×1015cm−3以上1×1018cm−3以下の範囲でも、共ドープの効果の発現を促進することが出来る。
特に、Nの濃度が1×1015cm−3以上1×1018cm−3以下の低濃度の範囲では、ドナー準位が浅くできることで、ドナー準位が深い共ドープを行わない場合と比較して、SiCとしての耐圧を維持した状態で低抵抗化を実現することが可能となる。したがって、本実施形態では、例えば、縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)や縦型IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のドリフト層への応用に適したSiC膜が成膜可能である。
なお、より低抵抗なn型SiCを形成する観点から、成長するn型SiC中のAlの濃度のNの濃度に対する比が0.45以上0.75以下となるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整することが望ましい。さらに、Alの濃度のNの濃度に対する比が0.47以上0.60以下となるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整することが望ましい。
次に、p型SiCの成長方法について説明する。
本実施形態のp型SiCの気相成長方法は、反応室内で、基板または種結晶に、Si(シリコン)のソースガス、C(炭素)のソースガス、n型不純物のソースガス、および、p型不純物のソースガスを同時に供給してp型SiCを成長させる。p型不純物を元素A、n型不純物を元素Dとする場合に、元素Aと元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせであり、成長するp型SiC中の組み合わせを構成する元素Dの濃度の元素Aの濃度に対する比が0.33より大きく1.0より小さくなるようp型不純物のソースガスとn型不純物のソースガスの量(流量)を制御する。
また、本実施形態の気相成長方法で成膜されるp型SiCの元素Aの濃度は、例えば、1×1015cm−3以上1×1022cm−3以下の範囲である。
例えば、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)の第1の組み合わせの場合、元素Aが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)から選ばれる1種の元素であってもかまわない。また、Al(元素A)とGa(元素A)等の2種の元素、あるいは、Al(元素A)、Ga(元素A)、In(元素A)の3種の元素で構成されていてもかまわない。複数の元素の場合、2種または3種の元素をあわせて組み合わせを構成する元素Aと考え、上記元素Dの濃度の元素Aの濃度に対する比、元素Aの濃度の条件が充足されれば良い。
また、第1の組み合わせと第2の組み合わせの両者が共存することも可能である。しかし、上記元素Dの濃度の元素Aの濃度に対する比、元素Aの濃度の条件は、すくなくとも、第1の組み合わせ、第2の組み合わせのいずれか一方を構成する元素で充足されなければならない。いいかえれば、第1の組み合わせと第2の組み合わせは、個別に元素比、元素濃度を満たさなければならない。これは、第1の組み合わせの不純物と第2の組み合わせの不純物の間では、3量体が形成されないためである。
以下、元素AがAl(アルミニウム)、元素DがN(窒素)である場合を例に説明する。
p型SiCの気相成長方法は、n型SiCの気相成長方法に対して、N(窒素)のソースガス、Al(アルミニウム)のソースガスの流量が異なる点で、相違する。n型SiCの気相成長方法と重複する点については記述を省略する。
ソースガスを供給する際、制御信号生成部60で、成長するp型SiC中のNの濃度のAlの濃度に対する比(N濃度/Al濃度)が0.33より大きく1.0より小さくなるよう流量が規定された制御信号が生成される。
p型SiCの気相成長では、ガス供給部12から、噴出されたSi(シリコン)、C(炭素)、N(窒素)、Al(アルミニウム)のソースガスの混合ガスは、半導体ウェハW上に整流状態で供給される。これにより、半導体ウェハW表面に、p型SiCの単結晶膜がエピタキシャル成長により形成される。
本実施形態の気相成長方法で成膜されるp型SiCのAl(アルミニウム)濃度は、例えば、1×1015cm−3以上1×1022cm−3以下の範囲である。本実施形態の気相成長方法によれば、NとAlが所定の割合で共ドープされる。これにより、Alの固溶限が上がり、かつ、アクセプタ準位が浅くなり、低抵抗なp型SiCが実現される。さらに、欠陥の発生が抑制され高品質なp型SiCが実現される。
本実施形態では、p型SiCの成長を気相から行っている。気相中での拡散は固相中に比べると遥かに大きいため、NとAlの相互作用が固相中よりも生じやすい、したがって、SiC中での3量体形成が生じやすい。よって、共ドープによる効果の発現が促進される。
特に、本実施形態は、イオン注入での共ドープでは3量体が形成しにくいAlの濃度が比較的低い範囲、すなわち、Alの濃度が1×1015cm−3以上1×1019cm−3以下の範囲でも、共ドープの効果の発現を促進することが出来る。そして、イオン注入での共ドープでは、さらに3量体が形成しにくいAlの濃度が比較的より低い範囲、すなわち、Alの濃度が1×1015cm−3以上1×1018cm−3以下の範囲でも、共ドープの効果の発現を促進することが出来る。
特に、Alの濃度が1×1015cm−3以上1×1018cm−3以下の低濃度の範囲では、アクセプタ準位が浅くできることで、アクセプタ準位が深い共ドープを行わない場合と比較して、SiCとしての耐圧を維持した状態で低抵抗化を実現することが可能となる。
なお、より低抵抗なp型SiCを形成する観点から、成長するp型SiC中のNの濃度のAlの濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さくなるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整することが望ましい。さらに、Nの濃度のAlの濃度に対する比が0.45以上0.75以下となるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整することが望ましい。そして、Nの濃度のAlの濃度に対する比が0.47以上0.60以下となるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整することが一層望ましい。
(第2の実施形態)
本実施形態のSiCの気相成長方法は、n型SiC上にp型SiC、または、p型SiC上にn型SiCを連続して形成する点で、第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態と重複する内容については、記述を省略する。
本実施形態の気相成長方法は、例えば、図1に示すエピタキシャル成長装置100によって行う。図1に示すエピタキシャル成長装置100は、n型不純物、例えば、N(窒素)のソースガス、p型不純物、例えば、Al(アルミニウム)のソースガスのいずれも反応室10に供給可能となっている。したがって、同一の反応室10内で、連続して、n型、p型両タイプのSiC膜を成長することが可能となる。
まず、n型SiC上にp型SiCを成膜する形態について説明する。まず、第1の実施形態で説明したn型SiCの成長方法により、反応室内10に保持される半導体ウェハW(基板)に、Si(シリコン)のソースガス、C(炭素)のソースガス、n型不純物、例えばN(窒素)のソースガス、および、p型不純物、例えばAl(アルミニウム)のソースガスを同時に供給してn型SiCを成長させる。成長するn型SiC中のp型不純物の濃度のn型不純物の濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さくなるようp型不純物のソースガスとn型不純物のソースガスとの流量を調整してn型SiCを成長させる。
そして、n型SiCを成長させた後に、同一の反応室10内で、n型SiC上に、p型SiCを成長させる。この際、成長するp型SiC中のn型不純物の濃度のp型不純物の濃度に対する比が0.33より大きく1.0より小さくなるようn型不純物のソースガスとp型不純物のソースガスとの流量を調整してp型SiCを成長させる。
本実施形態によれば、同一反応室10内で、n型SiC上にp型SiCを連続して成膜する。したがって、半導体ウェハWを反応室10から搬出、搬送するための降温工程が不要となる。よって、低抵抗なn型SiCとp型SiCの積層構造を、高いスループットで製造することが可能となる。
また、連続成膜のため、搬送中に付着する膜中のダスト等が低減され高品質なSiCが製造可能となる。
次に、p型SiC上にn型SiCを成膜する形態について説明する。まず、第1の実施形態で説明したp型SiCの成長方法により、反応室10内に保持される半導体ウェハW(基板)に、Si(シリコン)のソースガス、C(炭素)のソースガス、n型不純物、例えばN(窒素)のソースガス、および、p型不純物、例えば、Al(アルミニウム)のソースガスを同時に供給する。そして、成長するSiC中のn型不純物の濃度のp型不純物の濃度に対する比が0.33より大きく1.0より小さくなるようNのソースガスとAlのソースガスとの流量を調整してp型SiCを成長させる。
そして、p型SiCを成長させた後に、同一の反応室内10で、p型SiC上にn型SiCを成膜する。この際、成長するn型SiC中のp型不純物の濃度のn型不純物の濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さくなるようp型不純物のソースガスとn型不純物ソースガスとの流量を調整してn型SiCを成長させる。
なお、p型不純物を元素A、n型不純物を元素Dとする場合に、元素Aと元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせである点については、第1の実施の形態と同様である。
本実施形態によれば、同一反応室10内で、p型SiC上にn型SiCを連続して成膜する。したがって、半導体ウェハWを反応室10から搬出、搬送するための降温工程が不要となる。よって、低抵抗なp型SiCとn型SiCの積層構造を、高いスループットで製造することが可能となる。
また、連続成膜のため、搬送中に付着する膜中のダスト等が低減され高品質なSiCが製造可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1または第2の実施形態の気相成長方法を用いた半導体装置の製造方法である。第1および第2の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
以下、元素AがAl(アルミニウム)、元素DがN(窒素)である場合を例に説明する。
図9は、本実施形態で製造される半導体装置の模式断面である。半導体装置200は、メサ型のPiNダイオードである。
このPiNダイオード200は、第1と第2の面を有するn+型SiC基板(炭化珪素基板)82を備えている。図9においては、第1の面とは図の上側の面であり、第2の面とは図の下側の面である。
SiC基板82は、不純物濃度5×1018〜1×1019cm−3程度の、例えば、N(窒素)をn型不純物として含む4H−SiC基板(n基板)である。第1の面は、例えば、(0001)面に対し4度傾斜する面である。
このSiC基板82の第1の面上には、Nの濃度1×1018〜5×1018cm−3程度のn型SiC層(バッファ層)84が形成されている。n型SiC層84の膜厚は、例えば、0.5〜3μm程度である。
n型SiC層84には、Al(アルミニウム)とN(窒素)が共ドープされている。Alの濃度のNの濃度に対する比が、0.40より大きく0.95より小さい
n型SiC層84上には、Nの不純物濃度1×1015〜2×1016cm−3程度のn型SiC層86が形成されている。n型SiC層86の膜厚は、例えば5〜50μm程度である。
型SiC層86の表面には、Alの不純物濃度1×1017〜1×1018cm−3程度のp型SiC層88を備えている。p型SiC層88は、N(窒素)とAl(アルミニウム)が共ドープされている。そして、Nの濃度のAlの濃度に対する比が、0.33より大きく1.0より小さい。p型SiC層88の膜厚は、例えば、0.5〜3μm程度である。
p型SiC層88の表面には、Alの不純物濃度1×1019〜1×1020cm−3程度のp型SiC層90を備えている。p型SiC層90は、N(窒素)とAl(アルミニウム)が共ドープされている。そして、Nの濃度のAlの濃度に対する比が、0.33より大きく1.0より小さい。p型SiC層90の膜厚は、例えば、0.2〜1μm程度である。
そして、p型SiC層90と電気的に接続される導電性のアノード電極94を備えている。アノード電極94は、例えば、Ni(ニッケル)のバリアメタル層94aと、バリアメタル層94a上のAlのメタル層94bとで構成される。
また、n+型SiC基板82の第2の面側には、導電性のカソード電極96が形成されている。カソード電極96は、例えば、Niである。
次に、PiNダイオード200の製造方法の一例について説明する。
まず、例えば、n型の不純物濃度5×1018cm−3のn+型SiC基板82を準備する。
次に、例えば、図1に示すエピタキシャル成長装置100を用いて、n+型SiC基板82上に、例えば、膜厚1μmのn型SiC層84を形成する。エピタキシャル成長温度は、例えば、1630℃である。
Si(シリコン)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとする10%希釈のモノシラン(SiH)である。また、C(炭素)のソースガスは、例えば、水素ガスをキャリアガスとする10%希釈のプロパン(C)である。また、N(窒素)のソースガスは、例えば、水素ガスで10%に希釈された窒素ガス(N)である。そして、Al(アルミニウム)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとするトリメチルアルミニウム(TMA)である。トリメチルアルミニウム(TMA)は、例えば、15℃の恒温槽から水素ガス(H)のバブリングで供給される。C/Si比は、例えば、0.9とする。
この際、エピタキシャル成長装置100の制御部により、例えば、成長するn型SiC層84中のAlの濃度が1×1018cm−3、Nの濃度が2×1018cm−3(Al濃度/N濃度=0.5)となるようAlのソースガスとNのソースガスの流量を調整する。
次に、同一の反応室10内で、n型SiC層84上に、例えば、膜厚40μmのn型SiC層86を形成する。形成条件は、ソースガスの流量以外はn型SiC層84の場合と同様である。
この際、制御部により、例えば、成長するn型SiC層86中のAlの濃度が3×1015cm−3、Nの濃度が6×1015cm−3(Al濃度/N濃度=0.5)となるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整する。
次に、同一の反応室10内で、n型SiC層86上に、例えば、膜厚1.5μmのp型SiC層88を形成する。エピタキシャル成長温度は、例えば、1630℃である。
Si(シリコン)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとする10%希釈のモノシラン(SiH)である。また、C(炭素)のソースガスは、例えば、水素ガスをキャリアガスとする10%希釈のプロパン(C)である。また、N(窒素)のソースガスは、例えば、水素ガスで10%に希釈された窒素ガス(N)である。そして、Al(アルミニウム)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとするトリメチルアルミニウム(TMA)である。トリメチルアルミニウム(TMA)は、例えば、15℃の恒温槽から水素ガス(H)のバブリングで供給される。C/Si比は、例えば、1.1とする。
この際、制御部により、例えば、成長するp型SiC層88のNの濃度が1×1017cm−3、Alの濃度が2×1017cm−3(N濃度/Al濃度=0.5)となるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整する。
次に、同一の反応室10内で、p型SiC層88上に、膜厚0.5μmのp型SiC層90を形成する。形成条件は、ソースガスの流量以外はp型SiC層88の場合と同様である。
この際、制御部により、例えば、成長するp型SiC層90のNの濃度が1×1019cm−3、Alの濃度が2×1019cm−3(N濃度/Al濃度=0.5)となるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整する。
その後、公知のプロセスによりメサ構造を形成する。さらに、公知のプロセスによりアノード電極94とカソード電極96を形成して、PiNダイオード200が完成する。
本実施形態によれば、共ドープのエピタキシャル成長により形成したエピタキシャルウェハを用いて、PiNダイオード200が形成される。したがって、高性能、高耐圧のPiNダイオード200が実現される。
また、同一反応室10内で、連続してn型とp型のエピタキシャル膜を成膜することで、PiNダイオード200の製造時間を短縮することが可能である。例えば、工程時間が1時間半程度短縮される。
(第4の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、SiC成長用の装置である。そして、反応室と、反応室にSi(シリコン)のソースガスを供給する第1のガス供給路と、反応室にC(炭素)のソースガスを供給する第2のガス供給路と、反応室にn型不純物のソースガスを供給する第3のガス供給路と、反応室にp型不純物のソースガスを供給する第4のガス供給路と、n型不純物とp型不純物のソースガスの量(流量)を所定の割合に制御し反応室に導入する制御部と、を備える。ここで、p型不純物を元素A、n型不純物を元素Dとする場合に、元素Aと元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせである。
なお、n型不純物とp型不純物が所定の割合で共ドープされたSiCの効果等については、第1の実施形態と同様であるので、記述を省略する。また、以下、元素AがAl(アルミニウム)、元素DがN(窒素)である場合を例に説明する。
図10は、本実施形態の気相成長装置の模式断面図である。本実施形態の気相成長装置は、高温CVD(HTCVD)法を用いる気相成長装置である。本実施形態の気相成長装置は、種結晶からエピタキシャル成長によりn型またはp型のSiC単結晶を形成する。
図10に示すように、本実施形態の気相成長装置300は、例えば、石英ガラス製で、円筒状中空体の反応室110を備えている。そして、この反応室110下部に配置され、反応室110内に、プロセスガスを供給するガス供給部112を備えている。
また、反応室110内上部には、SiCの種結晶Sが回転可能に保持される構造となっている。また、反応室110の周囲には、種結晶Sおよびソースガスを輻射熱により加熱する加熱部114としてヒーターを備えている。
さらに、種結晶S上でソースガスが反応した後の反応生成物および反応室110の残留ガスを反応室110外部に排出するガス排出部116を、反応室110上部に備える。
そして、本実施形態の気相成長装置300は、反応室110にSi(シリコン)のソースガスを供給する第1のガス供給路31と、反応室110にC(炭素)のソースガスを供給する第2のガス供給路32と、反応室10にN(窒素)のソースガスを供給する第3のガス供給路33と、反応室にAl(アルミニウム)のソースガスを供給する第4のガス供給路34を備える。
第1のガス供給路31は第1のガス供給源41に、第2のガス供給路32は第2のガス供給源42に、第3のガス供給路33は第3のガス供給源43に、第4のガス供給路34は第4のガス供給源44に、接続されている。第1ないし第4のガス供給源は41〜44は、例えばそれぞれのソースガスが充填されたガスボンベである。
Si(シリコン)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとするモノシラン(SiH)である。また、C(炭素)のソースガスは、例えば、水素ガスをキャリアガスとするプロパン(C)である。また、N(窒素)のソースガスは、例えば、水素ガスで10%に希釈された窒素ガス(N)である。そして、Al(アルミニウム)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)でバブリングされ、水素ガス(H)をキャリアガスとするトリメチルアルミニウム(TMA)である。
さらに、本実施形態の気相成長装置300は第1のガス供給源41に接続されSi(シリコン)のソースガスの流量を調整するマスフローコントローラ51と、第2のガス供給源42に接続されC(炭素)のソースガスの流量を調整するマスフローコントローラ52と、第3のガス供給源43に接続されN(窒素)のソースガスの流量を調整するマスフローコントローラ(第1の調節部)53と、第4のガス供給源44に接続されAl(アルミニウム)のソースガスの流量を調整するマスフローコントローラ(第2の調節部)54を備える。
そして、第1の調節部53と第2の調節部54に流量を指定する制御信号を与える制御信号生成部60を備える。第1の調節部53と第2の調節部54と、制御信号生成部60が、NのソースガスとAlのソースガスとの流量比を所望の流量となるよう調整する制御部を構成する。
制御信号生成部60は、例えば、成膜されるSiC中のNとAlの濃度比を実現するNのソースガスとAlのソースガスの流量を演算する機能を備えたコンピュータである。例えば、制御信号生成部60に、外部入力装置から入力される実現すべきSiC中のNとAlの濃度比を基に、NのソースガスとAlのソースガスに要求される流量を演算して制御信号を生成する。
次に、気相成長装置300を用いたSiC単結晶の製造方法について説明する。まず、n型SiC単結晶の成長方法について説明する。
本実施形態のn型SiCの気相成長方法は、反応室110内に保持される種結晶に、Si(シリコン)のソースガス、C(炭素)のソースガス、N(窒素)のソースガス、および、Al(アルミニウム)のソースガスを同時に供給してSiCを成長させる。成長するn型SiC中のAlの濃度のNの濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さくなるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整してn型SiCを成長させる。
まず、反応室110内にSiC単結晶の種結晶Sを保持し、回転させる。そして、加熱部114の加熱出力を上げて種結晶Sを昇温させる。温度は、例えば、1900℃〜2300℃である。
そして、第1ないし第4のガス供給源41〜44から供給され、マスフローコントローラ51〜52で流量を調整されたSi(シリコン)、C(炭素)、N(窒素)、Al(アルミニウム)のソースガスを混合して、ガス供給部112から噴出する。
Si(シリコン)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)をキャリアガスとするモノシラン(SiH)である。また、C(炭素)のソースガスは、例えば、水素ガスをキャリアガスとするプロパン(C)である。また、N(窒素)のソースガスは、例えば、窒素ガス(N)である。そして、Al(アルミニウム)のソースガスは、例えば、水素ガス(H)でバブリングされ、水素ガス(H)をキャリアガスとするトリメチルアルミニウム(TMA)である。
ソースガスを供給する際、制御信号生成部60で、成長するSiC中のAlの濃度のNの濃度に対する比(Al濃度/N濃度)が、例えば、0.5になるよう流量が指定された制御信号が生成される。
ガス供給部112から、噴出されたSi(シリコン)、C(炭素)、N(窒素)、Al(アルミニウム)のソースガスの混合ガスは、種結晶S上に整流状態で供給される。これにより、種結晶S表面に、n型SiCの単結晶がエピタキシャル成長により形成される。種結晶S上に成長したn型SiCの単結晶は、例えば、反応室110内で鉛直方向に伸長していく。
そして、エピタキシャル成長終了時には、ガス供給部112からのソースガスの噴出を停止し、種結晶S上へのソースガスの供給が遮断され、SiC単結晶の成長が終了される。SiC成膜後は、SiC単結晶の降温を始める。
なお、p型SiC単結晶の成長方法については、ソースガスの流量以外はn型SiC単結晶の成長と同様である。
成長するp型SiC中のNの濃度のAlの濃度に対する比が、0.33より大きく0.90より小さくなるようNのソースガスとAlのソースガスとの流量を調整してp型SiCを成長させる。例えば、Nの濃度のAlの濃度に対する比が0.5になるようにする。
本実施形態の気相成長装置300によれば、n型不純物であるN(窒素)のソースガスとp型不純物であるAl(アルミニウム)のソースガスとを同時に供給してSiCを製造することが可能となる。したがって、n型不純物であるN(窒素)とp型不純物であるAl(アルミニウム)が共ドープされたSiC単結晶を製造することが可能となる。
さらに、NのソースガスとAlのソースガスとの流量比を調整する制御部によって、NのソースガスとAlのソースガスとの流量を所望の流量に制御することが可能となる。したがって、成長するSiC中のAlの濃度とNの濃度の比を所望の比率に制御することが可能である。
このように、n型不純物であるN(窒素)とp型不純物であるAl(アルミニウム)が所定の比率で共ドープされることにより、低抵抗なSiCが実現される。
特に、制御部が、成長するSiC中のAlの濃度のNの濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さく、または、SiC中のNの濃度のAlの濃度に対する比が0.33より大きく1.0より小さくなるようAlのソースガスとNのソースガスとの流量を調整する構成となっていることが望ましい。
以上、実施形態では、SiC(炭化珪素)の結晶構造として4H−SiCの場合を例に説明したが、本発明は6H−SiC、3C−SiC等、その他の結晶構造のSiCに適用することも可能である。
また、実施形態では、p型不純物とn型不純物の組み合わせとして、Al(アルミニウム)とN(窒素)の組み合わせの場合を例に説明したが、この組み合わせに限らず、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の組み合わせであれば、同様の効果を得ることが可能である。
また、実施形態では、SiC上にSiCを成長させるホモエピタキシャル成長を例に説明したが、SiCと異なる材質の基板上にSiCを成長させるヘテロエピタキシャル成長に本発明を適用することも可能である。
また、実施形態では、気相成長装置として、枚葉型のエピタキシャル成長装置とHTCVD法装置を例に説明したが、例えば、プラネタリー方式等、その他の気相成長装置にも本発明を適用することが可能である。
また、第1および第4の実施形態の気相成長装置では、NおよびAlのガス供給路をそれぞれ1系統ずつとする場合を例に説明した。しかし、例えば、ガス供給路を2系統ずつ備える構成とすることも可能である。この場合、例えば、それぞれの系統のマスフローコントローラを、大流量用と小流量用とすることで、広い濃度範囲で精度の高い濃度制御を実現することが可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換えまたは変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 反応室
12 ガス供給部
31 第1のガス供給路
32 第2のガス供給路
33 第3のガス供給路
34 第4のガス供給路
53 第1の調節部
54 第2の調節部
60 制御信号生成部
100 気相成長装置
110 反応室
112 ガス供給部
300 気相成長装置

Claims (11)

  1. 反応室と、
    前記反応室にSi(シリコン)のソースガスを供給する第1のガス供給路と、
    前記反応室にC(炭素)のソースガスを供給する第2のガス供給路と、
    前記反応室にn型不純物のソースガスを供給する第3のガス供給路と、
    前記反応室にp型不純物のソースガスを供給する第4のガス供給路と、
    前記n型不純物と前記p型不純物のソースガスの量を所定の割合に制御し反応室に導入する制御部と、を備え、
    前記p型不純物を元素A、前記n型不純物を元素Dとする場合に、前記元素Aと前記元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせであることを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記制御部が、成長するSiC中の、前記組み合わせを構成する前記元素Aの濃度の前記元素Dの濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さく、または、成長するSiC中の、前記組み合わせを構成する前記元素Dの濃度の前記元素Aの濃度に対する比が0.33より大きく1.0より小さくなるよう前記p型不純物のソースガスと前記n型不純物のソースガスの量を制御することを特徴とする請求項1記載の気相成長装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第3のガス供給路に接続される第1の調節部と、
    前記第4のガス供給路に接続される第2の調節部と、
    前記第1の調節部と前記第2の調節部に、ソースガスの量を指定する制御信号を与える制御信号生成部と、で構成されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の気相成長装置。
  4. 基板または種結晶に、Si(シリコン)のソースガス、C(炭素)のソースガス、n型不純物のソースガス、および、p型不純物のソースガスを供給してn型SiCを成長させる気相成長方法であって、
    前記p型不純物を元素A、前記n型不純物を元素Dとする場合に、前記元素Aと前記元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせであり、
    成長する前記n型SiC中の前記組み合わせを構成する前記元素Aの濃度の前記元素Dの濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さくなるよう前記p型不純物のソースガスと前記n型不純物のソースガスの量を制御することを特徴とする気相成長方法。
  5. 成長する前記n型SiC中の前記元素Aの濃度の前記元素Dの濃度に対する比が0.45以上0.75以下となるよう前記p型不純物のソースガスと前記n型不純物のソースガスの量を制御することを特徴とする請求項4記載の気相成長方法。
  6. 前記元素Dの濃度が、1×1015cm−3以上1×1018cm−3以下であることを特徴とする請求項4または請求項5記載の気相成長方法。
  7. 前記n型SiCを成長させた後に、同一の反応室内で、前記n型SiC上に、成長するp型SiC中の、前記組み合わせを構成する前記元素Dの濃度の前記元素Aの濃度に対する比が0.33より大きく1.0より小さくなるよう前記p型不純物のソースガスと前記n型不純物のソースガスの量を制御してp型SiCを成長させることを特徴とする請求項4ないし請求項6いずれか一項記載の気相成長方法。
  8. 基板または種結晶に、Si(シリコン)のソースガス、C(炭素)のソースガス、n型不純物のソースガス、および、p型不純物のソースガスを供給してp型SiCを成長させる気相成長方法であって、
    前記p型不純物を元素A、前記n型不純物を元素Dとする場合に、前記元素Aと前記元素Dとの組み合わせが、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)またはIn(インジウム)とN(窒素)、B(ボロン)とP(リン)の少なくとも一方の組み合わせであり、
    成長する前記p型SiC中の前記組み合わせを構成する前記元素Dの濃度の前記元素Aの濃度に対する比が0.33より大きく1.0より小さくなるよう前記p型不純物のソースガスと前記n型不純物のソースガスの量を制御することを特徴とする気相成長方法。
  9. 成長する前記p型SiC中の前記元素Dの濃度の前記元素Aの濃度に対する比が0.45より大きく0.95より小さくとなるよう前記p型不純物のソースガスと前記n型不純物のソースガスの量を制御することを特徴とする請求項8記載の気相成長方法。
  10. 前記元素Aの濃度が、1×1015cm−3以上1×1018cm−3以下であることを特徴とする請求項8または請求項9記載の気相成長方法。
  11. 前記p型SiCを成長させた後に、同一の反応室内で、前記p型SiC上に、成長するn型SiC中の、前記組み合わせを構成する前記元素Aの濃度の前記元素Dの濃度に対する比が0.40より大きく0.95より小さくなるよう前記p型不純物のソースガスと前記n型不純物のソースガスの量を制御してn型SiCを成長させることを特徴とする請求項8ないし請求項10いずれか一項記載の気相成長方法。
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