JP2014027028A - SiCエピタキシャル基板製造装置、SiCエピタキシャル基板の製造方法、SiCエピタキシャル基板 - Google Patents

SiCエピタキシャル基板製造装置、SiCエピタキシャル基板の製造方法、SiCエピタキシャル基板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、生産性を悪化させることなく、エピタキシャル層への基底面転位の伝播を低減することが可能な、SiCエピタキシャル基板製造装置、SiCエピタキシャル基板の製造方法、及びSiCエピタキシャル基板の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のSiCエピタキシャル基板製造装置1は、SiC基板14上にエピタキシャル層を形成する。SiCエピタキシャル基板製造装置1は、複数の温度領域と、SiC基板14の全体を複数の温度領域間で移動させる移動機構とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、SiCエピタキシャル基板製造装置、SiCエピタキシャル基板の製造方法、及びSiCエピタキシャル基板に関する。
炭化珪素(SiC)は、珪素(Si)に比べてバンドギャップが大きく、また絶縁破壊電界強度、飽和電子速度および熱伝導度などの物性値が優れており、半導体パワーデバイス材料として優れた性質を有する。特に、このSiCを用いたパワーデバイスでは電力損失の大幅な低減・小型化等が可能となり、電源電力変換時の省エネルギー化が実現できるため、電気自動車の高性能化、太陽電池システム等の高機能化等、低炭素社会実現の上で、キーデバイスとなる可能性を有している。
SiCパワーデバイスを製造するにあたり、予めCVD法(熱化学気相堆積法)等によりSiCバルク基板上に半導体デバイスの活性領域をエピタキシャル成長することが必須である。ここで活性領域とは、結晶中におけるドーピング濃度及び膜厚が精密に制御された上で作りこまれている成長方向軸を含む断面領域を指す。バルク基板に加えて、このようなエピタキシャル成長層が必要とされる理由は、デバイスの設計仕様によりドーピング濃度及び膜厚がほぼ規定されるからであり、また、通常、バルク基板のドーピング濃度より一層の高精度の制御性が求められるためである。
SiC単結晶基板には多くの貫通転位が存在しており、これらは貫通螺旋転位、貫通刃状転位、基底面転位の3種類に大別される。貫通螺旋転位、貫通刃状転位はc軸(<0001>)方向に進行する転位であり、基底面転位はc面((0001)面)に平行して存在している転位を指す。これらの転位の内、基底面転位がエピタキシャル成長層へ引き継がれてデバイスの駆動領域に存在すると、通電によって基底面転位が積層欠陥に拡張し、SiCデバイスの信頼性に悪影響を与える(非特許文献1)。
通常、SiCのエピタキシャル成長基板は、オフ角を有するSiC基板上にステップフロー成長法により製造される。現状では、生産性などを考慮してオフ角には1°以上4°以下が採用されている。オフ角基板を用いるため、基底面転位がエピタキシャル成長層へ引き継がれてしまう。オフ角の無い基板、即ちon−axis基板を用いれば基底面転位はエピタキシャル成長層に伝播しないが、ステップフロー成長が起こり難くなり、良好な結晶性を有するエピタキシャル成長層が得られない。そのため、現状で用いられている1°以上4°以下のオフ角を有するSiC基板に対して、基底面転位を低減しながらエピタキシャル成長を行う技術が必要となっている。
前述したように、通常、エピタキシャル成長層の基底面転位はSiC基板から引き継がれ、形成される。この基底面転位の伝播を抑制するために、これまで様々な方法が検討されている。例えば、特許文献1では、エピタキシャル成長中に、成長ガスを30分程度停止し、その後成長を再開することにより、エピタキシャル膜との相互作用によって基底面転位を貫通刃状転位に変換する方法が提案されている。
また、特許文献2では、成長中、もしくは成長初期段階において、繰り返し設定成長温度を200℃程度変化させることによって熱ストレスを印加し、基底面転位をデバイス特性に影響のない貫通刃状転位へ変換する方法が提案されている。
特開2008−115034号公報 特開2011−219299号公報
A.Galeckas et al., Recombination-enhanced extension of stacking faults in 4H-SiC p-i-n diodes under forward bias, Applied Physics Letters, 2002, Vol.81, pp.883-885
特許文献1が提案する基底面転位の低減方法では、エピタキシャル成長に寄与しない時間が30分と長時間にわたるため、生産性が悪化するという問題がある。
また、特許文献2が提案する基底面転位の低減方法では、高温成長時と低温成長時との成長温度差が200℃と非常に大きいため、ドーピング濃度の膜厚方向への均一性が悪化し、デバイス特性に悪影響を与えてしまう。成長温度を変化させた際に形成されたエピタキシャル層をデバイス動作に寄与しないバッファ層として用い、その後、一定温度でデバイス動作層を成長させた場合には、デバイス特性への影響は少ないものの、成長時間が増大し、生産性が悪化するという問題がある。
本発明は上述の問題点に鑑み、生産性を悪化させることなく、エピタキシャル層への基底面転位の伝播を低減することが可能な、SiCエピタキシャル基板製造装置、SiCエピタキシャル基板の製造方法、及びSiCエピタキシャル基板の提供を目的とする。
本発明に係るSiCエピタキシャル基板製造装置は、SiC基板上にエピタキシャル層を形成するSiCエピタキシャル基板製造装置であって、複数の温度領域と、SiC基板の全体を複数の温度領域間で移動させる移動機構とを備える。
本発明に係るSiCエピタキシャル基板製造装置は、SiC基板上にエピタキシャル層を形成するSiCエピタキシャル基板製造装置であって、複数の温度領域と、SiC基板の全体を複数の温度領域間で移動させる移動機構とを備える。炉内の設定温度を時間的に変化させないため、生産性を悪化させることなくSiC基板の温度が変化し、熱ストレスにより基底面転位を減らすことが出来る。
実施形態1のSiCエピタキシャル基板製造装置の構成図である。 実施形態1のSiCエピタキシャル基板製造装置の要部上面図である。 実施形態1のSiCエピタキシャル基板製造装置における温度分布図である。 実施形態1のSiCエピタキシャル基板製造装置における温度分布図である。
<A.実施の形態1>
<A−1.構成>
図1は、実施の形態1のSiCエピタキシャル基板製造装置1の構成図である。SiCエピタキシャル基板製造装置1は、SiCエピタキシャル成長を行うための成長炉2を備えている。成長炉2の側面には、成長炉2内に材料ガスとキャリアガスを導入するための導入ノズル3が接続され、成長炉の下面には、成長炉2外へ材料ガスとキャリアガスを排出するためのガス排出部である排出ノズル6が接続されている。
また、SiCエピタキシャル基板製造装置1は、材料ガス供給源20、キャリアガス供給源21、キャリアガス純化器22、及びガス混合制御系23を備えている。キャリアガス供給源21から供給されるキャリアガスは、混入不純物ガス成分を除去するためにキャリアガス純化器22を通り、ガス混合制御系23で材料ガス供給源20から供給された材料ガスと混合して、導入ノズル3から成長炉2に導入される。
また、排出ノズル6には排気ポンプ4が接続されており、排気ポンプ4により成長炉2内を真空引きすることが可能である。排気ポンプ4の排出ノズル6と反対側にはガス除害装置25が接続されており、成長炉2外に排出されたガスは、ガス除害装置25により除害処理を施される。
成長炉2は、少なくともその外周領域が石英を含む材料のような耐熱性材料で形成されていることが好ましい。成長炉2内には、材料ガス及びキャリアガスが導入ノズル3から排出ノズル6へ流れる流路16が形成されている。また、流路16の下流側にあたる成長炉2の側面には取り出しドア5が開閉可能に設置されており、取り出しドア5を介して、SiC基板14を設置した基板ホルダ11の出し入れが出来るようになっている。取り出しドア5の成長炉2に対する取り付け位置にはOリング等が設けられ、成長炉2内の気密性が確保されている。なお、基板ホルダ11の出し入れは成長炉2内を大気圧にした状態で行うので、取り出しドア5にリークバルブを装着しても良い。
成長炉2の中央付近の外面には、成長炉2を囲むように、加熱装置である誘導加熱コイル7が設けられる。誘導加熱コイル7自体が高温になると近傍領域が高温化してしまうため、誘導加熱コイル7に冷却水用チューブを設けることによってこれを防止しても良い。
誘導加熱コイル7の間に位置する成長炉2内には、処理対象物であるSiC基板14を加熱するための筒状のサセプタ10が設置される。サセプタ10の内部が流路16となる。サセプタ10は、1500℃程度以上の熱処理に耐え得ることが好ましい。また、サセプタ10は、SiC基板14の電気伝導性に出来るだけ影響を与えにくい物質で形成されることが好ましいので、例えばアルミニウムや窒素を出来るだけ含まないことが好ましい。誘導加熱コイル7の作用によってサセプタ10に誘導電流が流れ、サセプタ10が加熱される。
サセプタ10と誘導加熱コイル7との間には、断熱材8,9が設置される。流路16の上流側に設けられる断熱材8と、流路16の下流側に設けられる断熱材9は、断熱性能が異なる。そのため、成長炉2内に温度分布が形成される。断熱材8に比べて断熱材9の断熱性能が低いとすれば、流路16の上流側は下流側に比べて高温になる。通常、断熱材8,9にはグラファイト製の固形断熱材が用いられるが、固形断熱材の密度を変えることで断熱性能を調整することが可能である。
また、成長炉2内の温度は、装置に設置されたパイロメーター等の測温装置によって測定され、管理される。図1では、流路16の上流側と下流側で異なる断熱材8,9を用いることにより温度分布を形成しているが、流路16の上流側と下流側でそれぞれ独立した誘導過熱コイルを用い、夫々に流れる電流値を変えることで、温度分布を形成しても良い。勿論この場合には、上流側と下流側で同一の断熱材を用いる。
図2は、成長炉2内の基板ホルダ11を示す上面図である。基板ホルダ11はサセプタ10上に設置される。基板ホルダ11は例えば図2に示すように、同心円状に複数のSiC基板14を載置することが可能な円形ステージである。また、基板ホルダ11は図1に示すようにシャフト13によって回転機構12と接続されており、回転機構12の駆動によって載置面の中心を軸に回転する。
基板ホルダ11は、約1500℃以上の熱処理に耐え得ることが好ましい。また、SiC基板14の電気伝導性に出来るだけ影響を与えにくい物質で形成されることが好ましいので、例えばアルミニウムや窒素を出来るだけ含まないことが好ましい。また、基板ホルダ11に導電性の材料を用いれば、誘導加熱コイル7の作用によって基板ホルダ11に誘導電流が流れて基板ホルダ11が直接加熱されるので、基板ホルダ11を効率的に加熱することができる。また、SiC基板14を安定させるため、基板ホルダ11は載置面に凹部を有し、凹部にSiC基板14を載置しても良い。
また図2には、基板ホルダ11の温度分布を示している。図1に示すように断熱材8,9の境界は基板ホルダ11の中央に位置するため、基板ホルダ11の中央を境にして、図2上の左半分が温度T1の高温領域、右半分が温度T2の低温領域となる。
本実施の形態のSiCエピタキシャル基板製造装置1では、エピタキシャル成長中に基板ホルダ11を回転させることで、SiC基板14が高温領域と低温領域を行き来し、SiCエピタキシャル成長温度が時間と共に変化する。すなわち、回転機構12、シャフト13、及び基板ホルダ11は、SiC基板14の全体を複数の温度領域間で移動させる移動機構として動作する。そのため、成長温度を変化させるために成長炉2の設定温度を変化させる必要が無く、SiC基板14に対して容易に熱ストレスを与えることができる。
<A−2.動作>
次に、SiCエピタキシャル基板製造装置1を用いたSiCエピタキシャル基板の製造方法を説明する。
SiC結晶にはポリタイプと呼ばれる特有の周期性が存在する。即ち、化学量論比的組成はSiとCとで一対一であり、かつ、結晶格子が六方最密充填構造であっても、本構造におけるc軸に沿って原子配列に別種の周期性が存在し、この原子スケールでの周期および結晶格子の対称性によって、SiCの物性は規定される。現在デバイス応用の観点から最も注目を集めているのは、4H−SiCと呼ばれるタイプである。4H−SiCを用いたパワーデバイスでは、主に原材料費を低減するという観点から、<0001>面から<11−20>方向に5°程度よりも小さな角度で傾斜させ、かつ、Si原子がC原子に比べてより安定に配置し得る面を表面とするエピタキシャルウェハを用いるのが主流である。
よって、ここでは、4H−SiCタイプで、<0001>面から<11−20>方向に5°程度よりも小さな角度で傾けた仕様のSiC基板14を使用する場合について述べる。しかし、傾斜方向は<11−20>方向に厳密に限定されるものではなく、他の方向に傾斜した仕様としても良い。また、ポリタイプは4Hに限らず、例えば6Hや3C等の他のポリタイプでもよい。
まず、SiC基板14を、機械研磨および酸性又はアルカリ性を呈する薬液を用いて化学機械研磨(CMP)により平坦化処理する。その後、アセトン等を用いて超音波洗浄を施し、表面に付着した有機物を除去する。さらに、硫酸と過酸化水素水とを体積比率で5:1に混合し約130℃(±5℃)に加熱した混合溶液中に、SiC基板14を浸漬することにより、主に金属付着物を除去する。そして、王水によりSiC基板14の残留金属付着物を除去する。
次に、SiC基板14にRCA洗浄と呼ばれるウェット薬液洗浄を行う。具体的には、75℃(±5℃)に加熱したアンモニア水と過酸化水素水の混合溶液(1:9)中に10分間浸した後、75℃(±5℃)に加熱した塩酸と過酸化水素水の混合溶液(1:9)に浸す。さらに、体積比率で5%程度のフッ酸を含む水溶液に浸した後、純水により置換処理を施して、SiC基板14の表面洗浄を行う。以上の工程により、SiC基板14のエピタキシャル成長前処理が完了する。
次に、SiCエピタキシャル基板製造装置1の取り出しドア5を開き、基板ホルダ11を成長炉2外へ取り出す。そして、基板ホルダ11の各凹部にSiC基板14をエピタキシャル成長用の面が上方を向くようにそれぞれ載置する。その後、SiC基板14が載置された基板ホルダ11を成長炉2内へ導入する。これにより、SiC基板14のエピタキシャル成長用の面がガスの流路16に接する。そして、成長炉2内に残存する意図しない分子あるいは原子状の不純物による影響を抑制するために、排気ポンプ4によって成長炉2内を約1×10−7kPa程度にまで真空引きする。
次に、成長炉2内にキャリアガスとして、例えば水素ガスを導入する。キャリアガス供給源21から供給されるガスは、キャリアガス純化器22を通って混入不純物ガスを除去された後、ガス混合制御系23および導入ノズル3を経て、成長炉2内へ導入される。成長炉2内に導入されたキャリアガスは、ガスの流路16を通って排出ノズル6から成長炉2外へ排出される。
SiC基板14のエピタキシャル成長用の面にキャリアガスが接する状態で、成長炉2内の真空度が例えば1kPaから25kPa程度で一定に保持されるように圧力を制御する。
そして、誘導加熱コイル7へ通電することによってサセプタ10および基板ホルダ11を加熱し、SiC基板14を所定の処理温度、例えば1550℃程度に加熱する。そして、この状態を180秒間維持する。これにより、キャリアガスとして水素ガスを用いる場合、基板表面に付着し、ウェット処理で除去できないSiC塵の表面が水素ガスの有する還元性によって水素置換され、除去される。
次に、キャリアガスである水素ガス雰囲気中で、同一圧力を保持しつつ成長炉2内の温度を下げてSiC基板14を降温し、所定の結晶成長温度に到達した後、原料ガスを供給する事によって、エピタキシャル成長が開始される。
このときの成長温度T1及びT2は、1400℃以上1700℃以下が好ましい。1400℃以下では、成長中の原子マイグレーションが不足し、高品質な4H−SiCの結晶成長が困難となる。また、1700℃以上では、原子マイグレーションが過剰になり、エピタキシャル成長層表面に、ステップバンチングと呼ばれる表面凹凸が形成され、SiCデバイスに悪影響を及ぼす。また、高温領域と低温領域の温度差T1−T2は50℃以上、100℃以下が好ましい。50℃以下では成長中の熱ストレスが小さく、基底面転位の変換が起こりにくい。一方、100℃以上では、高温領域で成長したエピタキシャル成長層と低温領域で成長したエピタキシャル成長層との間で、取り込まれる不純物濃度に差が生じ、膜厚方向の不純物ドーピング濃度の均一性が阻害される。
また、原料ガスの好適な流量は、成長炉2の構造や圧力によって決まり、成長速度によっても大きく変化するため、一律に規定はできない。しかし、本実施の形態のSiCエピタキシャル基板製造装置1では、少なくとも、シリコン原子を含むガスとして例えば水素で90%希釈されたシランを50sccmから1000sccm、炭素原子を含むガスとして例えばプロパンを1sccmから40sccmの流量で同時に供給し始めるシーケンスによって、エピタキシャル成長を行うことができる。
また、必要に応じてN型ドーピング用のNガスを同時に供給しても良いし、あるいはP型ドーピング用のAl、B、Beを含む有機金属材料を同時に供給しても良い。さらに、成長速度の高速化を図るためHClガスを併用しても良い。
また、エピタキシャル成長中は、回転機構12を駆動して基板ホルダ11を回転させることにより、SiC基板14が高温領域と低温領域を行き来するようにする。基板ホルダ11の回転により、SiC基板14の成長温度が変化し、温度変化による熱ストレスによって基底面転位が貫通刃状転位に変換される。高温領域から低温領域への移動、及び、低温領域から高温領域への移動は、1秒から5秒程度が望ましく、基板ホルダ11の回転速度は、SiC基板14に適切な熱ストレスを与えるために、例えば12rpm以上30rpm以下が良い。12rpm以下であると温度変化率が小さくなり、適切な熱ストレスを与えられない。逆に30rpm以上でも、回転速度が速すぎて成長炉2内の温度と実効的な成長温度に乖離が生じ、適切な熱ストレスを与えられないためである。
所望の成長膜厚が得られる時間だけエピタキシャル成長を続けた後、キャリアガス以外のガス供給を停止し、エピタキシャル成長を終了する。
<A−3.変形例>
以上の説明では、流路16の上流側を高温領域とし、下流側を低温領域としたが、反対であっても良い。基板ホルダ11の回転に合わせてSiC基板14が複数の温度領域を通過すれば良いので、図3に示すように、温度T1の高温領域と温度T2の低温領域の間に温度T3の中温領域を設けても良い。また、中温領域は基板ホルダ11上のどこに設けても良い。また、図4に示すように、流路16の上流側の温度T1から下流側の温度T2にかけて、徐々に温度を変化させても良い。
また、SiC基板14の移動経路に複数の温度領域が存在すれば良いので、流路16に対して並行に温度変化を形成する必要はなく、垂直に温度変化を形成しても良い。
また、SiC基板14が複数の温度領域を行き来する方法として、基板ホルダ11に同心円状にSiC基板14を載置し、基板ホルダ11を回転させる方法を示した。しかし、基板ホルダ11は回転運動に限らず、例えば高温領域と低温領域を直線的に往復する動作を行っても良い。
また、SiCエピタキシャル基板製造装置1では、誘導加熱コイル7を成長炉2の外面に設置したが、誘導加熱コイル7の設置位置はこれに限らず、成長炉2の内部であってもよい。さらに、加熱装置は誘導加熱コイル7に限らない。しかし、誘導加熱コイル7は広い範囲を均一に加熱することが可能であるため、多くのSiC基板14に対してエピタキシャル成長を行う場合は、誘導加熱コイルを用いることが好ましい。
また、導入ノズル3の接続位置は、成長炉2の側面に限らず、上面や下面など成長炉2の他の箇所でも良い。また、排出ノズル6の接続位置は、成長炉2の下面に限らず他の箇所でも良い。
また、導入ノズル3の個数は1個に限らず、複数でも良い。例えば、微細なノズルを多数、密集させて導入ノズル3として設けると、ガスに乱流が発生することを抑制することができる。同様に、排出ノズル6を複数設けてもよい。
<A−4.効果>
本実施の形態のSiCエピタキシャル基板製造装置1は、SiC基板14上にエピタキシャル層を形成するSiCエピタキシャル基板製造装置であって、複数の温度領域と、SiC基板14の全体を複数の温度領域間で移動させる移動機構とを備える。装置自体の設定温度を変えることなく、SiC基板14の温度を上下させることが可能であるので、生産性を悪化させることなくSiC基板14に熱ストレスを加え、エピタキシャル層中の転位を減らすことが出来る。
また、設定温度を変化させる場合に比べ、温度変化率が格段に向上し容易に熱ストレスを加えることが出来ることから、SiCエピタキシャル基板製造装置1内の温度領域間の最大温度差を50℃以上100℃以下とすることができ、膜厚方向の不純物ドーピング濃度を均一に保ちながら、基底面転位を貫通刃状転位に変換することが可能である。そのため、バッファ層を形成する必要がないことからも、良好な生産性が得られる。
また、SiCエピタキシャル基板製造装置1の複数の温度領域の温度は、1400℃以上1700℃以下であるので、原子マイグレーションを適切に保ちながらエピタキシャル成長を行うことが可能である。
また、SiC基板14の移動機構は、隣接する複数の温度領域間の移動を1秒以上5秒以下で行うので、SiC基板14に適切な熱ストレスを与えることが出来る。
また、SiC基板14の移動機構は、SiC基板14を載置する載置面を有し、載置面の中心を軸に回転する円形ステージであり、円形ステージの回転速度は12rpm以上30rpm以下であるので、SiC基板14に適切な熱ストレスを与えることが出来る。
また、誘導加熱コイル7(熱源)と、誘導加熱コイル7とSiC基板14の間に設けられた断熱材8,9とをさらに備え、断熱材8,9の密度により、SiCエピタキシャル基板製造装置1内に温度の異なる複数の温度領域が形成される。
本実施の形態のSiCエピタキシャル基板の製造方法は、(a)複数の温度領域を有するSiCエピタキシャル基板製造装置1を準備する工程と、(b)SiCエピタキシャル基板製造装置1内にSiC基板14を投入する工程と、(c)SiC基板14の全体を複数の温度領域間で移動しながら、SiC基板14上にエピタキシャル成長を行う工程とを備える。装置自体の設定温度を変えることなく、SiC基板14の温度を上下しながらエピタキシャル成長を行うので、生産性を悪化させることなくSiC基板14に熱ストレスを加え、エピタキシャル層中の転位を減らすことが出来る。
また、工程(a)では、最大温度差が50℃以上100℃以下である複数の温度領域を有するSiCエピタキシャル基板製造装置を準備するので、膜厚方向の不純物ドーピング濃度を均一に保ちながら、基底面転位を貫通刃状転位に変換することが可能である。そのため、バッファ層を形成する必要がないことからも、良好な生産性が得られる。
また、工程(a)では、1400℃以上1700℃以下の複数の温度領域を有するSiCエピタキシャル基板製造装置を準備するので、原子マイグレーションを適切に保ちながらエピタキシャル成長を行うことが可能である。
また、工程(c)では、複数の温度領域間の移動を1秒以上5秒以下で行うので、SiC基板14に適切な熱ストレスを与えることが出来る。
また、工程(b)は、載置面の中心を軸に回転可能なステージにSiC基板14を載置する工程であり、工程(c)は、12rpm以上30rpm以下で基板ホルダ11(ステージ)を回転させた状態で、SiC基板14上にエピタキシャル成長を行う工程であるので、SiC基板14に適切な熱ストレスを与えることが出来る。
本実施の形態のSiCエピタキシャル基板は、SiCエピタキシャル基板製造装置1を用いて製造するので、エピタキシャル層における転位が少ない。
本実施の形態のSiCエピタキシャル基板は、本実施の形態のSiCエピタキシャル基板の製造方法により製造するので、エピタキシャル層における転位が少ない。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 SiCエピタキシャル基板製造装置、2 成長炉、3 導入ノズル、4 排気ポンプ、6 排出ノズル、7 誘導加熱コイル、8,9 断熱材、10 サセプタ、11 基板ホルダ、12 回転機構、13 シャフト、14 SiC基板、16 流路、20 材料ガス供給源、21 キャリアガス供給源、22 キャリアガス純化器、23 ガス混合制御系、25 ガス除害装置。

Claims (13)

  1. SiC基板上にエピタキシャル層を形成するSiCエピタキシャル基板製造装置であって、
    複数の温度領域と、
    前記SiC基板の全体を前記複数の温度領域間で移動させる移動機構とを備える、
    SiCエピタキシャル基板製造装置。
  2. 前記複数の温度領域間の最大温度差は、50℃以上100℃以下である、
    請求項1に記載のSiCエピタキシャル基板製造装置。
  3. 前記複数の温度領域の温度は、1400℃以上1700℃以下である、
    請求項1又は2に記載のSiCエピタキシャル基板製造装置。
  4. 前記移動機構は、隣接する前記複数の温度領域間の移動を1秒以上5秒以下で行う、
    請求項1〜3のいずれかに記載のSiCエピタキシャル基板製造装置。
  5. 前記移動機構は、前記SiC基板を載置する載置面を有し、前記載置面の中心を軸に回転する円形ステージであり、
    前記円形ステージの回転速度は12rpm以上30rpm以下である、
    請求項4に記載のSiCエピタキシャル基板製造装置。
  6. 熱源と、
    前記熱源と前記SiC基板の間に設けられた断熱材とをさらに備え、
    前記複数の温度領域の温度は、前記断熱材の密度により規定される、
    請求項1〜5のいずれかに記載のSiCエピタキシャル基板製造装置。
  7. (a)複数の温度領域を有するSiCエピタキシャル基板製造装置を準備する工程と、
    (b)前記SiCエピタキシャル基板製造装置内にSiC基板を投入する工程と、
    (c)前記SiC基板の全体を前記複数の温度領域間で移動しながら、前記SiC基板上にエピタキシャル成長を行う工程とを備える、
    SiCエピタキシャル基板の製造方法。
  8. 前記工程(a)は、最大温度差が50℃以上100℃以下である前記複数の温度領域を有するSiCエピタキシャル基板製造装置を準備する工程である、
    請求項7に記載のSiCエピタキシャル基板の製造方法。
  9. 前記工程(a)は、1400℃以上1700℃以下の前記複数の温度領域を有するSiCエピタキシャル基板製造装置を準備する工程である、
    請求項7又は8に記載のSiCエピタキシャル基板の製造方法。
  10. 前記工程(c)は、前記複数の温度領域間の移動を1秒以上5秒以下で行う工程である、
    請求項7〜9のいずれかに記載のSiCエピタキシャル基板の製造方法。
  11. 前記工程(b)は、載置面の中心を軸に回転可能なステージにSiC基板を載置する工程であり、
    前記工程(c)は、12rpm以上30rpm以下で前記ステージを回転させた状態で、前記SiC基板上にエピタキシャル成長を行う工程である、
    請求項10に記載のSiCエピタキシャル基板の製造方法。
  12. 請求項1〜6のいずれかに記載のSiCエピタキシャル基板製造装置を用いて製造したSiCエピタキシャル基板。
  13. 請求項7〜11のいずれかに記載のSiCエピタキシャル基板の製造方法により製造したSiCエピタキシャル基板。
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