図1は、本実施形態に係る旋回駆動装置40が組み込まれるショベルを示す側面図である。
下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端には、アーム5が取り付けられ、アーム5の先端には、バケット6が取り付けられている。アタッチメントとしてのブーム4、アーム5、及びバケット6は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。上部旋回体3には、オペレータ(操作者)が搭乗するキャビン10が設けられ、且つエンジン11(図2参照)等の動力源が搭載される。
図2は、図1に示すショベルの駆動系の構成を示すブロック図である。図2において、機械的動力系は二重線、高圧油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御系は細い実線でそれぞれ示される。
機械式駆動部(メイン駆動部)であるエンジン11と、アシスト駆動部である電動発電機12は、減速機13の2つの入力軸にそれぞれ接続される。減速機13の出力軸には、メインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続される。即ち、メイン駆動部であるエンジン11と、アシスト駆動部である電動発電機12は、減速機13を介して、メインポンプ14、パイロットポンプ15を駆動する。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続される。また、パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続される。また、電動発電機12には、インバータ18を介して、キャパシタ等の蓄電器を含む蓄電系120が接続される。
エンジン11は、本実施形態に係るショベルの主たる動力源としての内燃機関であり、例えば、ディーゼルエンジンである。エンジン11は、本実施形態に係るショベルの起動中において、常時運転される。
電動発電機12は、蓄電系120から供給される電力により電動アシスト運転が可能な電動機の機能と、エンジン11の動力により発電運転が可能な発電機の機能の双方を有する。本実施形態における電動発電機12は、インバータ20により交流駆動される。
メインポンプ14は、高圧油圧ライン16を介して作動油をコントロールバルブ17に供給する油圧ポンプであり、例えば、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
パイロットポンプ15は、パイロットライン25を介して各種油圧制御機器にパイロット圧を供給するための油圧ポンプである。
コントロールバルブ17は、本実施形態に係るショベルにおける油圧系の制御を行う油圧制御装置である。下部走行体1用の油圧モータ1A(右用)、1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9は、高圧油圧ラインを介してコントロールバルブ17に接続される。また、コントロールバルブ17には、油圧ライン27を介して操作装置26が接続され、操作装置26の操作量に応じて調整されたパイロット圧(2次側パイロット圧)が供給される。コントロールバルブ17は、操作装置26から供給されるパイロット圧に応じて、油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の一部又は全部に対して、メインポンプ14から供給される作動油を選択的に供給する。以下、油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9を集合的に「油圧アクチュエータ」と称する場合がある。
操作装置26は、各種アクチュエータ(油圧アクチュエータ、及び後述する電動アクチュエータとしての旋回用電動機21)を操作するための操作手段である。操作装置26は、パイロットライン25から供給されるパイロット圧(1次側のパイロット圧)をオペレータによる操作量、操作方向等の操作内容に応じたパイロット圧(2次側のパイロット圧)に変換して出力する。操作装置26は、油圧ライン27、28を介して、コントロールバルブ17、圧力センサ29にそれぞれ接続される。
なお、コントロールバルブ17は、操作装置26から出力される2次側のパイロット圧に応じて、各油圧アクチュエータに対応するスプール弁を動かし、メインポンプ14が吐出する作動油を各油圧アクチュエータに供給する。圧力センサ29は、操作装置26から入力される2次側のパイロット圧を電気信号に変換し、かかる電気信号を後述するコントローラ30に出力する。
操作装置26は、レバー26A、26B、及びペダル26Cを含む。例えば、レバー26A、26Bにより旋回機構2(後述する旋回用電動機21)、ブーム4(ブームシリンダ7)、アーム5(アームシリンダ8)、及びバケット6(バケットシリンダ9)の操作が行われてよい。また、ペダル26Cにより下部走行体1(油圧モータ1A、1B)の操作が行われてよい。
また、本実施形態に係るショベルは、旋回機構2が電動化され、旋回機構2(上部旋回体3)を旋回駆動する旋回用電動機21を有する。電動アクチュエータである旋回用電動機21は、インバータ20を介して蓄電系120に接続される。旋回用電動機21の出力軸21bには、レゾルバ22、及び旋回減速機24が接続され、旋回減速機24の出力軸24Aにはメカニカルブレーキ23が接続される。旋回機構2(上部旋回体3)を旋回駆動する本実施形態に係る旋回駆動装置40は、旋回用電動機21、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、旋回減速機24等を含んで構成される。
なお、本図では、簡単のため、旋回減速機24とメカニカルブレーキ23を別のブロック要素として記載するが、後述するように、本実施形態におけるメカニカルブレーキ23は、旋回減速機24の筐体(後述する第1ギヤケース50等)内に収容される。
旋回用電動機21は、旋回機構2を旋回駆動する力行運転と、旋回機構2を回生制動(回生電力を発生させて旋回制動)する回生運転の双方を実現可能に構成される。旋回用電動機21は、例えば、IPM(Interior Permanent Magnetic)モータ等により構成することができる。
レゾルバ22は、旋回用電動機21の回転位置(回転角)、回転速度を検出する既知の検出手段の一例である。レゾルバ22は、旋回用電動機21の回転位置、回転速度に対応する検出信号をコントローラ30に出力する。
なお、旋回用電動機21の回転位置、回転速度を検出する検出手段としては、既知の各種センサを任意に適用することができる。
メカニカルブレーキ23は、後述するブレーキディスク60(ブレーキ回転板)とブレーキプレート62(ブレーキ固定板)との摩擦係合(面接触)により、旋回機構2(上部旋回体3)を旋回制動する機械的なブレーキ装置である。メカニカルブレーキ23は、オペレータによる操作装置26の操作が行われない場合に、旋回用電動機21の回転軸21Aを機械的に停止させ、旋回機構2(上部旋回体3)の停止状態を保持する機能を実現する。また、メカニカルブレーキ23は、所定の条件に応じて、旋回状態にある旋回機構2(上部旋回体3)を旋回制動し、減速・停止させる。メカニカルブレーキ23の詳細については、後述する。
旋回減速機24は、旋回用電動機21の出力(トルク)を減速させることにより、増力させる(トルクを増大させる)手段である。旋回減速機24は、旋回用電動機21の出力を減速させて、旋回機構2に出力する。即ち、旋回用電動機21は、旋回減速機24を介して、旋回機構2(上部旋回体3)を旋回駆動する。旋回減速機24の詳細については、後述する。
コントローラ30は、本実施形態に係るショベルの駆動制御を行う主たる制御装置である。コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、CPU上で内部メモリに格納される各種プログラムを実行することにより各種駆動制御を実現する。
コントローラ30は、圧力センサ29から供給される信号を速度指令に変換し、旋回用電動機21の駆動制御を行う。圧力センサ29から供給される信号は、操作装置26で旋回機構2を旋回させる操作が行われる場合における操作量を示す信号に相当する。
なお、コントローラ30は、レゾルバ22から旋回用電動機21の回転位置、回転速度等に関する信号を受信すると共に、かかる各種信号に基づき、旋回用電動機21の駆動制御を行う。
また、コントローラ30は、電動発電機12の運転制御(力行運転(アシスト運転)及び発電運転の切り替え制御)を行うと共に、蓄電系120に含まれる昇降圧コンバータを駆動制御することにより蓄電系120内の蓄電器(キャパシタ等)の充放電制御を行う。コントローラ30は、蓄電器の充電状態、電動発電機12の運転状態(アシスト運転又は発電運転)、及び旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)等に関する情報の一部又は全部に基づき、昇降圧コンバータの昇圧動作と降圧動作の切替制御を行う。これにより、蓄電器の充電又は放電を切り替える充放電制御を行うことができる。
次に、本実施形態に係る旋回駆動装置40の構成について、説明する。
図3は、本実施形態に係る旋回駆動装置40の構成を示すブロック図である。上述の如く、旋回駆動装置40は、駆動力源としての旋回用電動機21と旋回用電動機21の回転位置等を検出するレゾルバ22を含む。旋回用電動機21の出力軸側に旋回減速機24が接続される。
旋回減速機24は、第1旋回減速機24−1、第2旋回減速機24−2、及び第3旋回減速機24−3の3段構成を有する。第1旋回減速機24−1、第2旋回減速機24−2、及び第3旋回減速機24−3は、それぞれ、遊星歯車減速機で構成される。より具体的に説明すると、第1段の第1旋回減速機24−1は、旋回用電動機21の出力軸に設けられるメカニカルブレーキ23を間に挟んで、旋回用電動機21に組み付けられる。また、第2段の第2旋回減速機24−2は、第1旋回減速機24−1に組み付けられ、第3段の第3旋回減速機24−3は、第2旋回減速機24−2に組み付けられる。そして、第3旋回減速機24−3の出力軸が旋回駆動装置40の出力軸40Aとなる。後述するように、メカニカルブレーキ23と第1旋回減速機24−1は、同一の収容部材(第1ギヤケース50、第2ギヤケース52等)で密閉された収容空間に収容され、高速段減速機150を構成する。また、第2旋回減速機24−2と第3旋回減速機24−3は、同一の収容部材(第3ギヤケース54等)により密閉された収容空間に収容され、低速段減速機200を構成する。
なお、図示は省略するが、旋回駆動装置40の出力軸40Aは、旋回機構2に接続され、出力軸40Aの回転力により旋回機構2が駆動される。
図4、図5を更に参照しながら、旋回駆動装置40の具体的な構成について説明する。
図4は、旋回駆動装置40の上面図であり、図中の破線は、第1旋回減速機24−1の主要構成部品のかくれ線を表す。
図4を参照するに、かくれ線で表される主要構成部品は、第1旋回減速機24−1の遊星歯車機構と、かかる遊星歯車機構の外周部に設けられるメカニカルブレーキ23のスプリング66である。遊星歯車機構は、第1旋回減速機の軸心に設けられる太陽歯車42と、太陽歯車42に噛み合う3つの遊星歯車44と、遊星歯車44に噛み合う内歯歯車48が表される。
また、図5は、図4のV−V線断面図であり、旋回駆動装置40のうち、メカニカルブレーキ23、第1旋回減速機24−1、第2旋回減速機24−2、及び第3旋回減速機24−3を構成する部分の断面図である。高速段減速機150に含まれるメカニカルブレーキ23及び第1旋回減速機24−1は、第1ギヤケース50、第2ギヤケース52等により構成される収容空間に収容される。また、低速段減速機200に含まれる第2旋回減速機24−2及び第3旋回減速機24−3は、第3ギヤケース54等により構成される収容空間に収容される。そして、高速段減速機150(第2ギヤケース52)と低速段減速機200(第3ギヤケース54)は、図示しない締結ボルト等により結合される。
まず、高速段減速機150(メカニカルブレーキ23、第1旋回減速機24−1)について説明をする。
図5を参照するに、高速段減速機150は、出力軸21b、エンドプレート21a、第1ギヤケース50、第2ギヤケース52、及び遊星キャリア46で密閉される空間SP1を内部に有する。具体的には、出力軸21bには、図示しないオイルシールが装着され、遊星キャリア46には、ベアリング56の下(低速段減速機200側)にオイルシール57が装着されることにより、空間SP1は密閉される。空間SP1は、細かいドットパターンで表される潤滑油LB1で潤滑されるブレーキディスク60、ブレーキプレート62、ピストン64、太陽歯車42、遊星歯車44、及び遊星キャリア46等を収容する。
メカニカルブレーキ23を構成するディスクブレーキは、固定部である第2ギヤケース52と旋回用電動機21の出力軸21bの間に形成される。出力軸21bのうち、軸方向において部分的に外径を拡大した円盤部21cの外周(側面)から回転半径方向外側に向けてブレーキディスク60が延在する。ブレーキディスク60は、出力軸21b(円盤部21c)に対して回転はできないが、出力軸21bの軸方向には移動可能な態様で、例えば、スプライン結合のような結合構造を介して出力軸21b(円盤部21c)に結合される。
ブレーキディスク60の上下両側には、ブレーキプレート62が配置される。ブレーキプレート62は、固定部である第2ギヤケース52に対して回転できないが、遊星キャリア46の軸方向には移動可能な状態で、例えば、スプライン結合のような結合構造を介して第2ギヤケース52の内面側に結合される。本実施形態では、2枚のブレーキプレート62の間に1枚のブレーキディスク60が挟まれる構成を採用する。しかしながら、ディスクブレーキは、かかる構成に限定されるものではない。例えば、3枚以上のブレーキプレート62のそれぞれの間に2枚以上のブレーキディスク60が挟まれる構成であってもよい。
最も高い(最も上方)位置にあるブレーキプレート62の上には、ピストン64が、出力軸21bの軸方向に移動可能な態様で配置される。図中、ピストン64は、スプリング66により押圧されて最も高い位置にあるブレーキプレート62に押し付けられている。本実施形態では、スプリング66としてコイルスプリングを用いるが、小さな変位で高出力を得ることが可能な多段重ねの皿バネ等を用いてもよい。
なお、図4に示すとおり、スプリング66は、旋回駆動装置40の周方向に等角度間隔(図4の例では、30°間隔で12個設けられる)で全周配置されており、ピストン64も同様に配置される。
ブレーキディスク60及びブレーキプレート62は、上述の如く、出力軸21bの軸方向に移動可能である。そのため、上側のブレーキプレート62がピストン64により押圧されると、ブレーキディスク60は、上下のブレーキプレート62により挟まれて押圧される。ブレーキディスク60とブレーキプレート62の少なくとも一方の表面は摩擦係数の大きな被膜(摩擦材)に覆われている。そして、ブレーキディスク60がブレーキプレート62により挟まれて押圧されること、即ち、ブレーキディスク60とブレーキプレート62との摩擦係合により、ブレーキディスク60の回転を阻止しようとするブレーキ力がブレーキディスク60に作用する。また、ブレーキディスク60は、出力軸21bに対して回転できないように結合されている。そのため、ブレーキディスク60に作用するブレーキ力が出力軸21bに加わるブレーキ力となる。これにより、上部旋回体3の旋回停止状態の保持を安定させたり、旋回状態にある上部旋回体3を減速・停止させたりすることができる。
ピストン64と第2ギヤケース52との間には、作動油を給排可能な油圧空間68が形成され、油圧空間68にブレーキ解除ポート69が接続される。また、ピストン64と第2ギヤケース52との間にはOリング等のシール部材(不図示)が配置され、油圧空間68内の作動油が漏れ出ないようにシールしている。パイロットポンプ15からパイロットライン25、油圧ライン25a(図2参照)等を介して油圧空間68に作動油(パイロット圧)が供給されると、ピストン64が油圧により押し上げられてブレーキプレート62を押圧する力が無くなる。これにより、メカニカルブレーキ23は、解除される。
また、第1ギヤケース50の上面には、リング状の凹部が形成され、かかるリング状の凹部の底面に複数の貫通孔が形成される。この貫通孔のそれぞれに上述のスプリング66が挿入されている。各スプリング66の下端は、第1ギヤケース50の貫通孔から突出し、ピストン64に形成される穴の底面に当接する。そして、第1ギヤケース50のリング状の凹部には、スプリング押さえ部材90が嵌合する。スプリング押さえ部材90は、複数のボルト(不図示)により第1ギヤケース50に締め付けられて固定される。
スプリング押さえ部材90が第1ギヤケース50のリング状の凹部内に固定される前は、各スプリング66の上端はリング状の凹部の底面から上方に突出している。従って、スプリング押さえ部材90を第1ギヤケース50のリング状の凹部内に固定する際に、各スプリング66はスプリング押さえ部材90により押圧されて圧縮される。スプリング押さえ部材90を第1ギヤケース50のリング状の凹部内に固定すると、各スプリング66は、スプリング押さえ部材90とピストン64との間に挟まれて圧縮された状態となる。このときの各スプリング66の復元力が、ピストン64(すなわち、ブレーキプレート62)をブレーキディスク60に押し付ける力となり、出力軸21bに加わるブレーキ力となる。即ち、パイロットポンプ15からの作動油の供給が停止されると共に、油圧空間68から作動油が排出されることにより、ピストン64がスプリング66の作用により押し下がり、ブレーキプレート62を押圧する。これにより、ブレーキプレート62がブレーキディスク60に押し付けられてブレーキ力が発生し、メカニカルブレーキ23は、作動される。
スプリング押さえ部材90が第1ギヤケース50のリング状の凹部内に固定された状態では、スプリング押さえ部材90全体がリング状の凹部内に収容される。そのため、スプリング押さえ部材90は、旋回用電動機21のエンドプレート21a(フランジとも称する場合もある)に当接する第1ギヤケース50の合わせ面から突出することはない。従って、第1ギヤケース50の合わせ面のみが旋回用電動機21のエンドプレート21aに当接する。ただし、スプリング押さえ部材90の上面にはOリング等のシール部材(不図示)が配置され、第1ギヤケース50内の遊星歯車44を潤滑・冷却する潤滑油LB1が漏れ出ないようにシールしている。また、スプリング押さえ部材90の下面にもOリング等のシール部材(不図示)が配置され、スプリング66が収容される部分に充填される潤滑油LB1が漏れ出ないようにシールしている。同様に、第1ギヤケース50と第2ギヤケース52との間にもOリング等のシール部材(不図示)が配置され、スプリング66が収容される部分に充填される潤滑油LB1が漏れ出ないようにシールしている。
引き続き、図5を参照して、第1旋回減速機24−1について説明する。
第1旋回減速機24−1を構成する遊星歯車減速機の太陽歯車42は、旋回用電動機21の出力軸21bのうち、ブレーキディスク60が設けられる円盤部21cよりも下方の部分に固定される。また、太陽歯車42は、図示しないベアリングを介して遊星キャリア46に回転可能な態様で支持される。また、太陽歯車42は、3つの遊星歯車44のそれぞれに係合する。遊星歯車44は、それぞれ、保持ピン44aを介して第1旋回減速機24−1の出力軸を構成する遊星キャリア46に回転可能な態様で支持される。そして、各遊星歯車44は、第2ギヤケース52の内面に形成される内歯歯車48に係合する。
内歯歯車48が形成される第2ギヤケース52は、第1ギヤケース50を介して、旋回用電動機21のエンドプレート21aに固定されるため、自ら回転することはできない。一方、出力軸を構成する遊星キャリア46は、第2ギヤケース52に対して、ベアリング56を介して回転可能に支持される。
第1旋回減速機24−1に含まれる太陽歯車42、遊星歯車44、及び内歯歯車48は、例えば、はすば歯車として構成されてよい。第1旋回減速機24−1は、旋回用電動機21の回転駆動力が入力され、回転速度が比較的速い状態であるため、はすば歯車とすることにより歯当たりによる騒音を低減することができる。
なお、第1旋回減速機24−1は、各歯車を潤滑するための潤滑油LB1が、旋回用電動機21のエンドプレート21a、出力軸21b、第1ギヤケース50、第2ギヤケース52、及び遊星キャリア46等によって密閉される構造になっている。
以上のような構成の第1旋回減速機24−1において、旋回用電動機21の出力軸21bが回転して太陽歯車42が回転すると、遊星歯車44が回転(自転)する。遊星歯車44は第2ギヤケース52の内面に形成される内歯歯車48に係合しており、遊星歯車44の回転力で内歯歯車48が形成される第2ギヤケース52が回転しようとする。ところが、第2ギヤケース52は、第1ギヤケース50を介して、旋回用電動機21のエンドプレート21aに固定されているので、回転することができない。その結果、遊星歯車44を支持しながら自ら回転可能に支持される遊星キャリア46が回転する。即ち、3つの遊星歯車44は、それぞれ、自転しながら公転することによって遊星キャリア46を回転させる。かかる歯車作用により、旋回用電動機21の出力軸21bの回転が減速されて遊星キャリア46から出力される。
次に、低速段減速機200(第2旋回減速機24−2、第3旋回減速機24−3)について説明をする。
低速段減速機200は、遊星キャリア46、第2ギヤケース52、第3ギヤケース54、及び遊星キャリア106で密閉される空間SP2を有する。具体的には、遊星キャリア46には、太陽歯車82の上(高速段減速機150側)にオイルシール57が装着され、遊星キャリア106には、図示しないオイルシールが装着されることにより、空間SP2は密閉される。空間SP2は、粗いドットパターンで表される潤滑油LB2で潤滑される太陽歯車82、102、遊星歯車84、104、及び、遊星キャリア86、106等を収容する。
なお、潤滑油LB2は、オイルシール57によって潤滑油LB1から隔離される。また、潤滑油LB2は、潤滑油LB1と同じ種類の潤滑油であってもよいし、異なる種類の潤滑油であってもよい。例えば、旋回駆動装置40は、高回転用の潤滑油LB1を、低回転用の潤滑油LB2とは異なる種類の潤滑油としてもよい。
第2旋回減速機24−2を構成する遊星歯車減速機の太陽歯車82は、第1旋回減速機24−1の出力軸としての遊星キャリア46に固定される。また、太陽歯車82は、3つの遊星歯車84のそれぞれに係合する。遊星歯車84は、それぞれ、保持ピン84aを介して第2旋回減速機24−2の出力軸を構成する遊星キャリア86に回転可能な態様で支持される。そして、各遊星歯車84は、第3ギヤケース54の内面に形成される内歯歯車88に係合する。
内歯歯車88が形成される第3ギヤケース54は、上述の如く、第2ギヤケース52に固定されており、自ら回転することはできない。一方、出力軸を構成する遊星キャリア86は、第3ギヤケース54には支持固定されず、後述する第3旋回減速機24−3の太陽歯車102を介して遊星歯車104と係合することにより回転可能となっている。
第2旋回減速機24−2に含まれる太陽歯車82、遊星歯車84、及び内歯歯車88は、平歯車として構成される。第2旋回減速機24−2には、旋回用電動機21の回転駆動力を第1旋回減速機24−1により減速した動力が入力されるため、回転速度は減速され、歯当たりによる騒音は低減される。よって、平歯車を用いることによりコストを抑制することができる。
以上のような構成の第2旋回減速機24−2において、第1旋回減速機24−1の出力軸としての遊星キャリア46が回転して太陽歯車82が回転すると、遊星歯車84が回転(自転)する。遊星歯車84は、第3ギヤケース54の内面に形成される内歯歯車88に係合しており、遊星歯車84の回転力で内歯歯車88が形成される第3ギヤケース54が回転しようとする。ところが、第3ギヤケース54は、第2ギヤケース52に固定されているので、回転することができない。その結果、遊星歯車84を支持しながら自ら回転可能に支持される遊星キャリア86のほうが回転する。即ち、3つの遊星歯車84は、それぞれ、自転しながら公転することによって遊星キャリア86を回転させる。かかる歯車作用により、第1旋回減速機24−1の出力軸としての遊星キャリア46の回転が減速されて遊星キャリア86から出力される。
なお、遊星キャリア86は、第2旋回減速機24−2の出力軸を構成する。
第3旋回減速機24−3を構成する遊星歯車減速機の太陽歯車102は、第2旋回減速機24−2の出力軸としての遊星キャリア86に固定される。また、太陽歯車102は、3つの遊星歯車104のそれぞれに係合する。遊星歯車104は、それぞれ、保持ピン104aを介して第3旋回減速機24−3の出力軸を構成する遊星キャリア106に回転可能な態様で支持される。そして、各遊星歯車104は、第3ギヤケース54の内面に形成される内歯歯車108に係合する。
内歯歯車108が形成される第3ギヤケース54は、上述の如く、第2ギヤケース52に固定されており、自ら回転することはできない。一方、出力軸を構成する遊星キャリア106は、第3ギヤケース54に対して、ベアリング110を介して回転可能に支えられる。
第3旋回減速機24−3に含まれる太陽歯車102、遊星歯車104、及び内歯歯車108は、平歯車として構成される。第3旋回減速機24−3には、旋回用電動機21の回転駆動力を第1旋回減速機24−1、第2旋回減速機24−2により減速した動力が入力されるため、回転速度は更に減速され、歯当たりによる騒音は更に低減される。よって、平歯車を用いることによりコストを抑制することができる。
以上のような構成の第3旋回減速機24−3において、第2旋回減速機24−2の出力軸としての遊星キャリア86が回転して太陽歯車102が回転すると、遊星歯車104が回転(自転)する。遊星歯車104は、第3ギヤケース54の内面に形成される内歯歯車108に係合しており、遊星歯車104の回転力で内歯歯車108が形成される第3ギヤケース54が回転しようとする。ところが、第3ギヤケース54は、第2ギヤケース52に固定されているので、回転することができない。その結果、遊星歯車104を支持しながら自ら回転可能に支持される遊星キャリア106のほうが回転する。即ち、3つの遊星歯車104は、それぞれ、自転しながら公転することによって遊星キャリア106を回転させる。かかる歯車作用により、第2旋回減速機24−2の出力軸としての遊星キャリア86の回転が減速されて遊星キャリア106から出力される。
なお、遊星キャリア106は、第3旋回減速機24−3の出力軸、即ち、旋回減速機24の出力軸40Aを構成する。
かかる構成により、旋回駆動装置40は、旋回用電動機21の出力軸21bの回転速度を減じて出力軸40Aのトルクを増大させることができる。
具体的には、出力軸21bの時計回りの高速・低トルクの回転に応じて、遊星歯車44を反時計回りに自転させながら時計回りに公転させ、遊星キャリア46を時計回りに回転させる。そして、旋回駆動装置40は、遊星キャリア46の時計回りの回転に応じて、遊星歯車84を反時計回りに自転させながら時計回りに公転させ、遊星キャリア86を時計回りに回転させる。さらに、旋回駆動装置40は、遊星キャリア86の時計回りの回転に応じて、遊星歯車104を反時計回りに自転させながら時計回りに公転させ、遊星キャリア106、すなわち、出力軸40Aを時計回りに低速・高トルクで回転させる。出力軸21bが反時計回りに回転する場合も、各歯車の回転方向が逆になることを除き、同様である。
ここで、図6に示す比較例に係る旋回駆動装置40Cと比較しながら、本実施形態に係るメカニカルブレーキ23の特徴について説明する。
図6は、比較例に係る旋回駆動装置40Cの断面図である。
なお、比較例に係る旋回駆動装置40Cは、本実施形態と同様の性能(制動性能等)を有し、上述した高速段減速機150の代わりに、高速段減速機150Cを備える点において、本実施形態に係る旋回駆動装置40と異なる。
図6に示すように、比較例に係る旋回駆動装置40Cは、旋回用電動機21の駆動力を、第1旋回減速機24−1及びメカニカルブレーキ23Cを含む高速段減速機150Cと低速段減速機200で減速して上部旋回体3を旋回駆動する構成を有する。
高速段減速機150Cは、本実施形態と異なり、メカニカルブレーキ23Cが第1旋回減速機24−1C(太陽歯車42C、遊星歯車44C、内場歯車48C)の後段に設けられる。即ち、メカニカルブレーキ23Cは、第1旋回減速機24−1Cの出力軸である遊星キャリア46Cと固定部である第2ギヤケース52Cの間に設けられる。
メカニカルブレーキ23Cは、遊星キャリア46Cの外周面(円盤部の側面)から回転半径方向外側に延在するブレーキディスク60Cと、第2ギヤケース52Cから回転半径方向内側に延在するブレーキプレート62Cを含む。ブレーキディスク60Cの上下両面には、ブレーキプレート62Cが配置され、本実施形態と同様、最も高い位置にあるブレーキプレート62Cが、スプリング66Cの付勢力に応じてピストン64Cで押圧されることにより、遊星キャリア46Cにブレーキ力を加える。これにより、上部旋回体3を旋回制動することができる。
なお、本実施形態と同様、ブレーキディスク60C及びブレーキプレート62Cの少なくとも一方の表面は、摩擦材に覆われている。
このように、比較例に係る旋回駆動装置40Cにおけるメカニカルブレーキ23Cは、本実施形態と異なり、第1旋回減速機24−1Cの出力軸(遊星キャリア46C)の減速された回転を制動する構成を有する。よって、遊星キャリア46Cから出力されるトルクは、旋回用電動機21の出力軸21bよりも増大するため、メカニカルブレーキ23Cは、出力軸21bの回転を制動する場合よりも大きな制動トルクを発生させる必要が生じる。そのため、メカニカルブレーキ23Cは、本実施形態に係るメカニカルブレーキ23よりも必然的に大型化する。
例えば、図6に示すように比較例では、より大きな制動トルクを発生させるため、比較的外径の大きいブレーキディスク60C及びブレーキプレート62Cを採用する必要がある。また、比較例では、摩擦係合面を増加させるため、3枚のブレーキプレート62Cのそれぞれの間に2枚のブレーキディスク60Cが挟まれる構成を採用する必要がある、即ち、より多くのブレーキディスク60C、ブレーキプレート62Cを配置する必要がある。また、比較例では、ブレーキプレート62Cをブレーキディスク60Cに向けて押圧する力を増加させるため、比較的大きなピストン64Cやスプリング66Cを採用する必要がある。
これに対して、本実施形態に係るメカニカルブレーキ23では、第1旋回減速機24−1により減速される前の出力軸21bの回転を制動する構成を採用するため、比較的小さい制動トルクが発生できればよい。そのため、メカニカルブレーキ23を小型化することができる。
例えば、図5に示すように、本実施形態では、ブレーキディスク60及びブレーキプレート62の外径を比較的小さくすることができる。また、本実施形態では、1枚のブレーキディスク60及びかかるブレーキディスク60を挟む2枚のブレーキプレート62のように、簡素な構成を採用することができる。また、本実施形態では、比較的小さいピストン64、スプリング66を採用することができる。
次に、図7、8を参照しながら、旋回駆動装置40における潤滑油の動きについて説明する。
図7は、旋回用電動機21の出力軸21bが静止する状態を示す、本実施形態に係る旋回駆動装置40の断面図(図4のVI−VI線断面図)である。図8は、旋回用電動機21の出力軸21bが回転する状態を示す、本実施形態に係る旋回駆動装置40の断面図(図4のVI−VI線断面図)である。
旋回駆動装置40は、上述の如く、出力軸21b、エンドプレート21a、第1ギヤケース50、第2ギヤケース52、及び遊星キャリア46で密閉される空間SP1を有する。かかる空間SP1は、第1連通路72a及び第2連通路72bを含む循環路72を介してバッファタンク70に接続される。
第1連通路72aは、空間SP1の下部から第2ギヤケース52の外部に連通し、バッファタンク70の下部に接続する潤滑油LB1の流路である。第1連通路72aは、遊星キャリア46と同等の高さ位置で空間SP1と接続される。
第2連通路72bは、空間SP1の上部から第1ギヤケース50の外部に連通し、バッファタンク70の上部に接続する潤滑油LB1の流路である。第2連通路72bは、油面レベルL1よりも高い位置でバッファタンク70に接続され、メカニカルブレーキ23の配置される位置(ブレーキディスク60及びブレーキプレート62)よりも高い位置で空間SP1と接続される。
なお、バッファタンク70における第2連通路72bの接続位置は、調整可能に構成されてもよい。
図7に示すように、出力軸21bが静止している場合におけるバッファタンク70内の潤滑油LB1の油面に相当する油面レベルL1は、エンドプレート21aの底面よりも高い位置にある。即ち、出力軸21bが静止している場合、空間SP1は、潤滑油LB1で満たされる状態にある。
一方、図8に示すように、出力軸21bが回転している場合、空間SP1内の潤滑油LB1は、回転する遊星キャリア46による遠心ポンプ作用により、空間SP1の下部に形成される流出孔を通じて循環路72(第1連通路72a)に送り込まれる。そして、第1連通路72aに送り込まれた潤滑油LB1は、バッファタンク70に排出される。
なお、図8の破線矢印は、潤滑油LB1の流れを表す。
また、空間SP1は、潤滑油LB1の一部が第1連通路72aを通じてバッファタンク70に排出されるため、第2連通路72bを通じてバッファタンク70内の空気を引き込む。その結果、空間SP1内の潤滑油LB1は、旋回用電動機21の出力軸21bの回転によって撹拌されて、すり鉢状の油面L2を形成する。
その後、空間SP1から排出される潤滑油LB1によって、バッファタンク70内の潤滑油LB1の油面は、第2連通路72bより上の油面レベルL3に達する。この場合、バッファタンク70内の潤滑油LB1は、第2連通路72b及び空間SP1の上部に形成される流入孔を通じて空間SP1に流入する。
なお、バッファタンク70から空間SP1に流入する潤滑油LB1は、ブレーキディスク60、ブレーキプレート62、内歯歯車48、遊星歯車44、太陽歯車42、及び遊星キャリア46を潤滑した後、すり鉢状の油面L2を形成する空間SP1内の潤滑油LB1に合流する。
その後、出力軸21bの回転が停止すると、すり鉢状の油面L2を形成していた空間SP1内の潤滑油LB1は、空間SP1内で水平な油面を形成する。そして、遊星キャリア46による遠心ポンプ作用が消失するため、バッファタンク70内の潤滑油LB1は、その油面が油面レベルL3より低くなるまで、第1連通路72a及び第2連通路72bを通って空間SP1に戻る。また、バッファタンク70内の潤滑油LB1は、その油面が油面レベルL3より低くなった後は、その油面が油面レベルL1(図6参照)に達するまで、第1連通路72aを通って空間SP1に戻る。バッファタンク70内の潤滑油LB1の油面が油面レベルL1に達すると、空間SP1は潤滑油LB1で満たされた状態となり、太陽歯車42、遊星歯車44、遊星キャリア46、及び内歯歯車48は潤滑油LB1に完全に浸された状態となる。
このように、本実施形態に係る旋回駆動装置40は、旋回用電動機21の出力軸21bが回転する際に空間SP1内の潤滑油LB1をバッファタンク70に排出して空間SP1内の潤滑油LB1の量を減少させる。これにより、上述の如く、空間SP1の上部に空気が引き込まるため、空間SP1の上部に位置するブレーキディスク60及びブレーキプレート62は、大部分が空気内に含まれる態様で回転することができる。即ち、ブレーキディスク60及びブレーキプレート62が旋回用電動機21の出力軸21bと一体に高速回転する態様であっても、潤滑油LB1による粘性抵抗を大きく抑制することができる。そのため、本実施形態のように、高速回転する旋回用電動機21の出力軸21bの回転を制動するメカニカルブレーキ23の構成を採用する場合であっても、潤滑油LB1の粘性抵抗によるエネルギー効率の低下を抑制することができる。つまり、本実施形態に係る旋回駆動装置40は、エネルギー効率の低下を抑制しつつ、メカニカルブレーキ23を小型化することができる。
また、旋回駆動装置40は、遊星キャリア46等の回転による遠心ポンプ作用により、空間SP1の下部にある潤滑油LB1をバッファタンク70に排出する。そして、旋回駆動装置40は、バッファタンク70内の潤滑油LB1を空間SP1の上部に戻す。その結果、旋回駆動装置40は、空間SP1内の潤滑油LB1の量を過度に減少させることなく、太陽歯車42、遊星歯車44、遊星キャリア46、及び内歯歯車48を確実に潤滑できる。
また、第2連通路72bと空間SP1の接続部分である潤滑油LB1の流入口は、ブレーキディスク60及びブレーキプレート62より上方に位置するため、第2連通路72bから空間SP1流入する潤滑油LB1がブレーキディスク60、ブレーキプレート62も潤滑する。そのため、ブレーキディスク60及びブレーキプレート62の油膜切れにより、メカニカルブレーキ23の旋回制動性能が低下するような事態も回避することができる。
なお、旋回用電動機21の出力軸21bが停止すると、上述の如く、ブレーキディスク60及びブレーキプレート62は、潤滑油LB1に浸る状態に戻るため、かかる点においても油膜切れが防止される。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るショベルは、旋回駆動装置を駆動する電力を供給する蓄電装置を有するショベルであるが、かかる構成には限定されず、外部電源から旋回駆動装置を駆動する電力が供給される電気駆動式ショベルであってもよい。
また、上述した実施形態では、メカニカルブレーキ23(ブレーキディスク60、ブレーキプレート62)が潤滑油に満たされる潤滑油室(空間SP1)には、第1旋回減速機24−1も収容されるが、かかる構成には限定されない。即ち、潤滑油室内には、少なくともブレーキディスク60及びブレーキプレート62が含まれ、旋回駆動装置40の回転による遠心ポンプ作用により、かかる潤滑油室の上部に空気が引き込まれる作用が実現されればよい。例えば、ブレーキディスク60及びブレーキプレート62が収容される潤滑油室と、第1旋回減速機24−1(太陽歯車42、遊星歯車44、内場歯車48)が収容される潤滑油室は、分離されてもよい。また、ブレーキディスク60及びブレーキプレート62が収容される潤滑油室には、第1旋回減速機24−1のみならず、第2旋回減速機24−2(太陽歯車82、遊星歯車84、内場歯車88)、第3旋回減速機24−3(態様歯車102、遊星歯車104、内場歯車108)が含まれてもよい。