JP6246554B2 - ショベル、及び減速機 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキ装置が組み込まれた減速機、及び該減速機が含まれる旋回駆動装置を備えるショベルに関する。
一般に、ショベルの上部旋回体を旋回させる旋回駆動装置は、電動モータ等の動力源と減速機等から構成され、内部に旋回駆動装置の旋回停止状態を保持するためのブレーキ装置が組み込まれる。
従来、旋回駆動装置の回転軸に一体として回転可能に設けられ、回転半径外側に延在するディスクと、旋回駆動装置の収容部材に設けられ、ディスクにバネの付勢力により押圧されるプレート等により構成されるブレーキ装置が知られている。(例えば、特許文献1)。
特開2012−189185号公報
ところで、ショベルの上部旋回体は、キャビンやブーム、アーム、バケット等の作業要素が設けられ、非常に大きな重量を有する。よって、該上部旋回体の旋回に必要な出力のため、動力源としての電動モータ等の外径は大型化する場合が多い。また、電動モータ、減速機等の旋回駆動装置の構成要素は、軸方向にボルト締結されるため、ほぼ同一の外径とされる場合が多い。即ち、動力源の外径に併せて旋回駆動装置全体の外径も大型化する場合が多い。
この際、内部に組み込まれたブレーキ装置のディスク及びプレートは、ブレーキトルクの増大及びディスクの周速度の抑制との相反する要求に対応する形で、旋回駆動装置の半径方向における中央部付近の潤滑油内に配置される場合が多い。その結果、ディスク及びプレートが形成されている軸方向位置における収容部材の半径方向の厚みは他の部分よりも厚くなる場合が多い。
しかしながら、ブレーキ解除状態において、旋回駆動装置の回転軸と一体に回転するディスクは、潤滑油を攪拌しながら回転するため、潤滑油の油温上昇が生じる。ここで、ディスク及びプレートが形成されている軸方向位置における収容部材の半径方向の厚みが他の部分より厚いため、潤滑油の熱エネルギーが収容部材を通じて外部に伝達しにくい状態となり、潤滑油の変質を生じてしまう場合がある。潤滑油が変質した場合、潤滑油としての機能を果たすことができないため、最終的には、旋回停止に至り、ショベルの作業効率の低下を招くおそれがある。
そこで、上記課題に鑑み、組み込まれたブレーキ装置のディスクによる潤滑油の攪拌に起因した油温上昇を抑制することが可能な旋回駆動装置を備えるショベル等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、一実施形態において、ショベルは、
旋回用電動機と、該旋回用電動機の回転駆動力を旋回体に伝達する旋回減速機と、前記旋回体を旋回停止状態に保持するブレーキ装置とを有する旋回駆動装置を搭載するショベルであって、
潤滑油で潤滑される前記旋回減速機及び前記ブレーキ装置を収容する空間を構成するケースを備え、
前記ブレーキ装置は、前記旋回減速機の入力軸、又は出力軸と共に一体で回転可能に設けられたブレーキディスクを含み、
前記ケースの外側には、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に凹部が設けられ
前記ケースの半径方向外端部には、前記ケースを固定するボルトであって、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置を含む範囲で前記ケースを軸方向に貫通するボルトが設けられ、
前記ボルトは、前記ケースの全周に亘って複数設けられ、
前記凹部は、前記ケースの周方向位置のうち、前記ボルトが設けられない周方向位置だけに設けられることを特徴とする。
また、他の実施形態において、ショベルは、
旋回用電動機と、該旋回用電動機の回転駆動力を旋回体に伝達する旋回減速機と、前記旋回体を旋回停止状態に保持するブレーキ装置とを有する旋回駆動装置を搭載するショベルであって、
潤滑油で潤滑される前記旋回減速機及び前記ブレーキ装置を収容する空間を構成するケースを備え、
前記ブレーキ装置は、前記旋回減速機の入力軸、又は出力軸と共に一体で回転可能に設けられたブレーキディスクを含み、
前記ケースの外側には、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に凹部が設けられ、
前記凹部の深さは、軸方向位置に応じた前記ケースの内径が小さくなるほど深くなるように、変化することを特徴とする。
また、一実施形態において、減速機は、
入力された回転駆動力を減速して出力する減速機構部と、該減速機構部の出力軸を回転停止状態に保持するブレーキ装置とを有する減速機であって、
潤滑油で潤滑される前記減速機構部及び前記ブレーキ装置を収容する空間を構成するケースを備え、
前記ブレーキ装置は、
前記減速機構部の入力軸、又は出力軸と共に一体で回転可能に設けられたブレーキディスクを含み、
前記ケースの外側には、
前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に凹部が設けられ
前記ケースの半径方向外端部には、前記ケースを固定するボルトであって、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置を含む範囲で前記ケースを軸方向に貫通するボルトが設けられ、
前記ボルトは、前記ケースの全周に亘って複数設けられ、
前記凹部は、前記ケースの周方向位置のうち、前記ボルトが設けられない周方向位置だけに設けられることを特徴とする。
また、他の実施形態において、減速機は、
入力された回転駆動力を減速して出力する減速機構部と、該減速機構部の出力軸を回転停止状態に保持するブレーキ装置とを有する減速機であって、
潤滑油で潤滑される前記減速機構部及び前記ブレーキ装置を収容する空間を構成するケースを備え、
前記ブレーキ装置は、前記減速機構部の入力軸、又は出力軸と共に一体で回転可能に設けられたブレーキディスクを含み、
前記ケースの外側には、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に凹部が設けられ、
前記凹部の深さは、軸方向位置に応じた前記ケースの内径が小さくなるほど深くなるように、変化することを特徴とする。
本実施の形態によれば、組み込まれたブレーキ装置のディスクによる潤滑油の攪拌に起因した油温上昇を抑制することが可能な旋回駆動装置を備えるショベル等を提供することができる。
一実施形態によるショベルの側面図である。 一実施形態によるショベルの構成を示すブロック図である。 一実施形態によるショベルの旋回駆動装置を示すブロック図である。 旋回駆動装置の上面図である。 ブレーキ装置が組み込まれた旋回駆動装置の一例を示す断面図(図4のV−V線断面図)である。 ブレーキ装置が組み込まれた旋回駆動装置の他の例を示す断面図(図4のV−V線断面図)である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。
まず、本発明の一実施形態による旋回駆動装置が組み込まれたショベルの全体構成及び駆動系の構成について説明する。
図1は本発明の一実施形態による旋回駆動装置が組み込まれたショベルを示す側面図である。なお、ショベルは建設機械の一例であり、本発明の一実施形態による旋回駆動装置は、旋回体を旋回する機構を有する建設機械に組み込むことができる。
図1に示すショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端には、アーム5が取り付けられ、アーム5の先端には、バケット6が取り付けられている。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。上部旋回体3には、キャビン10が設けられ、且つエンジン等の動力源が搭載される。
なお、図1に示すショベルは、旋回駆動装置に供給する電力を蓄積する蓄電装置を有するショベルである。しかしながら、本発明は、電動旋回を採用したショベルであれば、例えば外部電源から充電電力が供給される電気駆動式ショベルにも適用され得る。
図2は、図1に示すショベルの駆動系の構成を示すブロック図である。図2において、機械的動力系は二重線、高圧油圧ラインは太い実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御系は細い実線でそれぞれ示されている。
機械式駆動部としてのエンジン11と、アシスト駆動部としての電動発電機12は、変速機13の2つの入力軸にそれぞれ接続されている。変速機13の出力軸には、油圧ポンプとしてメインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。また、パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続されている。
コントロールバルブ17は、ハイブリッド式ショベルにおける油圧系の制御を行う制御装置である。下部走行体1用の走行用油圧モータ1A(右用)、1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9は、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17に接続される。また、コントロールバルブ17には、油圧ライン27を介して操作装置26が接続され、パイロットポンプ15の出力圧を元圧として、操作装置26の操作量に応じて調整されたパイロット圧(信号圧)が供給される。コントロールバルブ17は、供給されたパイロット圧に応じて、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行用油圧モータ1A(右用)、及び走行用油圧モータ1B(左用)のうちの一又は複数のものに対し、メインポンプ14から供給された作動油を選択的に供給する。なお、以下の説明では、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、走行用油圧モータ1A(右用)、及び走行用油圧モータ1B(左用)を集合的に「油圧アクチュエータ」と呼ぶ場合がある。
電動発電機12には、インバータ18を介して、蓄電器としてのキャパシタを含む蓄電系(蓄電装置)120が接続される。蓄電系120には、インバータ20を介して電動作業要素としての旋回用電動機21が接続されている。旋回用電動機21の出力軸21bには、レゾルバ22、及び旋回減速機24が接続される。旋回減速機24の出力軸24Aにはメカニカルブレーキ23が接続される。旋回用電動機21と、レゾルバ22と、メカニカルブレーキ23と、旋回減速機24とにより、負荷駆動系としての旋回駆動装置40が構成される。ここで、旋回用電動機21は、上部旋回体3を旋回駆動するための旋回用電動モータに相当し、メカニカルブレーキ23は、上部旋回体3を旋回停止状態に保持するために上部旋回体3に機械的にブレーキをかけるブレーキ装置に相当する。なお、本図においては、簡単のため、メカニカルブレーキ23と旋回減速機24とを別のブロック要素として記載したが、後述するように、本実施形態におけるメカニカルブレーキ23は、旋回減速機24に含まれる複数の減速機の間に組み込まれて構成される。メカニカルブレーキ23と旋回減速機24の詳細については、後述する。
操作装置26は、レバー26A、26B、及びペダル26Cを含む。レバー26A、26B、及びペダル26Cは、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及び圧力センサ29にそれぞれ接続される。圧力センサ29は、電気系の駆動制御を行うコントローラ30に接続されている。
コントローラ30は、ハイブリッド式ショベルの駆動制御を行う主制御部としての制御装置である。コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、CPUが内部メモリに格納された駆動制御用のプログラムを実行することにより実現される装置である。
コントローラ30は、圧力センサ29から供給される信号を速度指令に変換し、旋回用電動機21の駆動制御を行う。圧力センサ29から供給される信号は、旋回機構2を旋回させるために操作装置26を操作した場合の操作量を表す信号に相当する。なお、コントローラ30は、レゾルバ22から旋回用電動機21の回転位置(旋回用電動機21内のロータの位置や旋回用電動機21の回転角速度等)に関する信号を受信し、該信号に基づき、上記駆動制御を行う。
コントローラ30は、電動発電機12の運転制御(電動(アシスト)運転又は発電運転の切り替え)を行うとともに、蓄電系120に含まれる昇降圧コンバータを駆動制御することによりキャパシタの充放電制御を行う。コントローラ30は、キャパシタの充電状態、電動発電機12の運転状態(電動(アシスト)運転又は発電運転)、及び旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づいて、蓄電系120に含まれる昇降圧コンバータの昇圧動作と降圧動作の切替制御を行い、これによりキャパシタの充放電制御を行う。また、コントローラ30は、キャパシタに充電する量(充電電流又は充電電力)の制御も行なう。
上述のような構成のショベルによる作業では、上部旋回体3を旋回駆動するために、インバータ20を介して供給される電力により旋回用電動機21が駆動される。旋回用電動機21の出力軸21bの回転力は、旋回減速機24とメカニカルブレーキ23を介して旋回駆動装置40の出力軸40Aに伝達される。
図3は本発明の一実施形態による旋回駆動装置40の構成を示すブロック図である。上述のように、旋回駆動装置40は、駆動源としての電動モータである旋回用電動機21と旋回用電動機21(電動モータ)の回転位置を検出するレゾルバ22とを含む。旋回用電動機21の出力軸側に旋回減速機24が接続される。
具体的には、旋回減速機24は、第1旋回減速機24−1、第2旋回減速機24−2、及び第3旋回減速機24−3の3段構成を有する。第1旋回減速機24−1、第2旋回減速機24−2、及び第3旋回減速機24−3は、それぞれ遊星歯車減速機で構成される。より具体的には、第1段の第1旋回減速機24−1は、旋回用電動機21に組み付けられる。また、第1旋回減速機24−1の出力軸となる遊星キャリア46には、メカニカルブレーキ23としてのディスクブレーキが設けられる。また、第2段の第2旋回減速機24−2は、メカニカルブレーキ23を間に挟んで第1旋回減速機24−1に組み付けられ、第3段の第3旋回減速機24−3は第2旋回減速機24−2に組み付けられる。そして、第3旋回減速機24−3の出力軸が旋回駆動装置40の出力軸40Aとなる。後述するように、第1旋回減速機24−1とメカニカルブレーキ23とは、同一の収容部材(第1ギヤケース50、第2ギヤケース52等)で密閉された収容空間に収容され、高速段減速機150を構成する。また、第2旋回減速機24−2と第3旋回減速機24−3とは、同一の収容部材(第3ギヤケース54等)により密閉された収容空間に収容され、低速段減速機200を構成する。なお、図示はしないが、旋回駆動装置40の出力軸40Aは旋回機構2に接続され、出力軸40Aの回転力により旋回機構2が駆動される。
次に、図4及び図5を参照しながら、旋回駆動装置40の具体的な構成について説明する。
図4は、旋回駆動装置40の上面図であり、図4中の破線は、第1旋回減速機24−1の主要構成部品のかくれ線を表す。
図4を参照するに、かくれ線で表された主要構成部品は、第1旋回減速機24−1の遊星歯車機構と、遊星歯車機構の外周部に設けられるメカニカルブレーキ23のスプリング66である。遊星歯車機構は、第1旋回減速機の軸心に設けられる太陽歯車42と、太陽歯車42に噛み合う3つの遊星歯車44と、遊星歯車44に噛み合う内歯歯車48が表されている。
また、図5は、ブレーキ装置が組み込まれた旋回駆動装置の一例を示す断面図であり、図4のV−V線断面図である。図5は、旋回駆動装置40のうち、第1旋回減速機24−1、メカニカルブレーキ23、第2旋回減速機24−2、及び第3旋回減速機24−3を構成する部分の断面図を示している。高速段減速機150に含まれる第1旋回減速機24−1及びメカニカルブレーキ23は、第1ギヤケース50、第2ギヤケース52等により構成される収容空間に収容される。また、低速段減速機200に含まれる第2旋回減速機24−2及び第3旋回減速機24−3は、第3ギヤケース54等により構成される収容空間に収容される。また、高速段減速機150(第2ギヤケース52)と低速段減速機200(第3ギヤケース54)とは、アダプタリング58を介して結合される。具体的には、高速段減速機150に含まれる第2ギヤケース52と低速段減速機200に含まれる第3ギヤケース54との間にアダプタリング58を介在させ、第2ギヤケース52と第3ギヤケース54との結合形状の差異をアダプタリング58に吸収させる。なお、アダプタリング58と第2ギヤケース52、及び第3ギヤケース54とは、ボルト締結される。
まず、高速段減速機150(第1旋回減速機24−1、メカニカルブレーキ23)について説明をする。
図5を参照するに、第1旋回減速機24―1を構成する遊星歯車減速機の太陽歯車42が、旋回用電動機21の出力軸21bに固定されている。また、太陽歯車42は、遊星キャリア46とベアリング51を介して回転可能に支えられている。また、太陽歯車42は、3つの遊星歯車44のそれぞれに係合している。遊星歯車44のそれぞれは、保持ピン44aを介して第1旋回減速機24−1の出力軸を構成する遊星キャリア46に回転可能に支持されている。そして、各遊星歯車44は、第1ギヤケース50の内面に形成された内歯歯車48に係合している。なお、保持ピン44aは、遊星歯車44の旋回用電動機21側の端面から軸方向に突出し、突出した部分の径を遊星歯車44に貫通する部分の径より大きくすることによって、遊星歯車44の軸方向の移動を規制している。
内歯歯車48が形成された第1ギヤケース50は、旋回用電動機21のエンドプレート21aに固定されており、自ら回転することはできない。一方、出力軸を構成する遊星キャリア46は、第1ギヤケース50に固定された第2ギヤケース52に対して、ベアリング56を介して回転可能に支えられている。
また、遊星キャリア46は、第1ギヤケース50に固定された第2ギヤケース52に対して、ベアリング56を介してフローティング支持(遊星キャリア46の径方向、軸方向に移動可能に支持)されている。これにより、各歯車(太陽歯車42、遊星歯車44、及び内歯歯車48)の噛合反力によって遊星歯車44(遊星キャリア46)をセンタリングさせ、各歯車の分担荷重の均一化を図ることができる。遊星キャリア46は、例えば、ベアリング56が第2ギヤケース52にスプライン結合される等によりフローティング支持されてよい。
第1旋回減速機24−1に含まれる太陽歯車42、遊星歯車44、及び内歯歯車48は、例えば、はすば歯車として構成されてよい。第1旋回減速機24−1は、旋回用電動機21の回転駆動力が入力され、回転速度が速い状態であるため、はすば歯車とすることにより歯当たりによる騒音を低減することができる。
なお、上述の第1旋回減速機24−1は、各歯車を潤滑するための潤滑油が、旋回用電動機21のエンドプレート21a、出力軸21b、第1ギヤケース50、第2ギヤケース52、及び遊星キャリア46によって密閉される構造となっている。
以上のような構成の第1旋回減速機24−1において、旋回用電動機21の出力軸21bが回転して太陽歯車42が回転すると、遊星歯車44が回転(自転)する。遊星歯車44は第1ギヤケース50の内面に形成された内歯歯車48に係合しており、遊星歯車44の回転力で内歯歯車48が形成された第1ギヤケース50が回転しようとする。ところが、第1ギヤケース50は旋回用電動機21のエンドプレート21aに固定されているので、回転することはできない。その結果、遊星歯車44を支持しながら自ら回転可能に支持されている遊星キャリア46のほうが回転する。即ち、3つの遊星歯車44のそれぞれは、自転しながら公転することによって遊星キャリア46を回転させる。以上のような歯車作用により、旋回用電動機21の出力軸21bの回転が減速されて遊星キャリア46から出力される。なお、遊星キャリア46は、第1旋回減速機24−1の出力軸を構成する。
次に、メカニカルブレーキ23を構成するディスクブレーキの構造について説明する。ディスクブレーキは固定部である第2ギヤケース52と出力軸である遊星キャリア46との間に形成される。遊星キャリア46の外周から遊星キャリア46の回転半径方向外側に向けてブレーキディスク60が延在する。ブレーキディスク60は、遊星キャリア46に対して回転はできないが、遊星キャリア46の軸方向には移動可能な状態で、例えば、スプライン結合のような結合構造を介して遊星キャリア46に結合されている。
ブレーキディスク60の上下両側には、ブレーキプレート62が配置されている。ブレーキプレート62は、固定部である第2ギヤケース52に対して回転はできないが、遊星キャリア46の軸方向には移動可能な状態で、例えば、スプライン結合のような結合構造を介して第2ギヤケース52の内面側に結合されている。本実施形態では、3枚のブレーキプレート62のそれぞれの間に2枚のブレーキディスク60が挟まれる構成を採用する。しかしながら、ディスクブレーキは、当該構成に限定されるものではない。例えば、2枚のブレーキプレート62の間に1枚のブレーキディスク60が挟まれる構成であってもよく、4枚以上のブレーキプレート62のそれぞれの間に3枚以上のブレーキディスク60が挟まれる構成であってもよい。
最も高い位置にあるブレーキプレート62の上には、ピストン64が、遊星キャリア46の軸方向に移動可能な状態で配置されている。ピストン64はスプリング66により押圧されて最も高い位置にあるブレーキプレート62に押し付けられている。本実施形態では、スプリング66としてコイルスプリングを用いているが、小さな変位で高出力を得ることのできる多段重ねの皿バネを用いることもできる。なお、図4に示したとおり、スプリング66は、旋回駆動装置40の周方向に等角度間隔(図4の例では、30°間隔で12個設けられる)で全周配置されており、ピストン64も同様に配置されている。
ブレーキプレート62とブレーキディスク60とは、遊星キャリア46の軸方向に移動可能である。そのため、上側のブレーキプレート62がピストン64により押圧されると、ブレーキディスク60は上下のブレーキプレート62により挟まれて押圧される。ブレーキプレート62とブレーキディスク60の表面は摩擦係数の大きな被膜に覆われている。そして、ブレーキディスク60がブレーキプレート62により挟まれて押圧されることで、ブレーキディスク60の回転を阻止しようとするブレーキ力がブレーキディスク60に作用する。また、ブレーキディスク60は遊星キャリア46に対して回転できないように接続されている。そのため、ブレーキディスク60に作用するブレーキ力が遊星キャリア46に加わるブレーキ力となる。これにより、上部旋回体3の旋回停止状態の保持を安定させることができる。
ピストン64と第2ギヤケース52との間には、作動油が供給可能な油圧空間68が形成され、油圧空間68にブレーキ解除ポート69が接続されている。また、ピストン64と第2ギヤケース52との間にはOリング等のシール部材91が配置され、油圧空間68内の作動油が漏れ出ないようにシールしている。パイロットポンプ15から操作装置26、油圧ライン27a(図2参照)及びブレーキ解除ポート69を介して油圧空間68に油圧が供給されると、ピストン64が油圧により押し上げられてブレーキプレート62を押圧する力が無くなり、ブレーキは解除される。
以上のような構成の第1旋回減速機24−1において、本実施形態では、第1ギヤケース50の上面にリング状の凹部が形成され、リング状の凹部の底面に複数の貫通孔が形成されている。この貫通孔のそれぞれに上述のスプリング66が挿入されている。各スプリング66の下端は、第1ギヤケース50の貫通孔から突出し、ピストン64に形成された穴の底面に当接している。そして、第1ギヤケース50のリング状の凹部には、スプリング押さえ部材90が嵌合している。スプリング押さえ部材90は、複数のボルト92により第1ギヤケース50に締め付けられて固定されている。
スプリング押さえ部材90が第1ギヤケース50のリング状の凹部内に固定される前は、各スプリング66の上端はリング状の凹部の底面から上方に突出している。したがって、スプリング押さえ部材90を第1ギヤケース50のリング状の凹部内に固定する際に、各スプリング66はスプリング押さえ部材90により押圧されて圧縮される。スプリング押さえ部材90を第1ギヤケース50のリング状の凹部内に固定すると、各スプリング66は、スプリング押さえ部材90とピストン64との間に挟まれて圧縮された状態となっている。このときの各スプリング66の復元力(スプリング付勢力)が、ピストン64(すなわち、ブレーキプレート62)をブレーキディスク60に押し付ける力となり、遊星キャリア46に加わるブレーキ力となる。
スプリング押さえ部材90が第1ギヤケース50のリング状の凹部内に固定された状態では、スプリング押さえ部材90全体がリング状の凹部内に収容される。そのため、スプリング押さえ部材90は、旋回用電動機21のエンドプレート21a(フランジとも呼ぶ場合もある)に当接する第1ギヤケース50の合わせ面から突出することはない。したがって、第1ギヤケース50の合わせ面のみが旋回用電動機21のエンドプレート21aに当接する。ただし、スプリング押さえ部材90の上面にはOリング等のシール部材93が配置され、第1ギヤケース50内の遊星歯車44を潤滑・冷却する潤滑油が漏れ出ないようにシールしている。また、スプリング押さえ部材90の下面にもOリング等のシール部材94が配置され、スプリング66が収容された部分に充填された潤滑油が漏れ出ないようにシールしている。同様に、第1ギヤケース50と第2ギヤケース52との間にもOリング等のシール部材95が配置され、スプリング66が収容された部分に充填された潤滑油が漏れ出ないようにシールしている。
次に、低速段減速機200(第2旋回減速機24−2、第3旋回減速機24−3)について説明をする。
第2旋回減速機24−2を構成する遊星歯車減速機の太陽歯車82は、第1旋回減速機24−1の出力軸としての遊星キャリア46に固定されている。また、太陽歯車82は、3つの遊星歯車84のそれぞれに係合している。遊星歯車84のそれぞれは、保持ピン84aを介して第2旋回減速機24−2の出力軸を構成する遊星キャリア86に回転可能に支持されている。そして、各遊星歯車84は、第3ギヤケース54の内面に形成された内歯歯車88に係合している。なお、保持ピン84aは、遊星歯車84の第1旋回減速機24−1側の端面から軸方向に突出し、突出した部分の径を遊星歯車84に貫通する部分の径より大きくすることによって、遊星歯車84の軸方向の移動を規制している。
また、遊星キャリア86は、フローティング支持(遊星キャリア86の径方向、軸方向に移動可能に支持)されている。具体的には、遊星キャリア86は、遊星歯車84を介して、フローティング支持された太陽歯車82(遊星キャリア46)に係合し、第3旋回減速機24−3の太陽歯車102を介して、フローティング支持された遊星歯車104(遊星キャリア106)に係合する。なお、第3旋回減速機24−3の遊星キャリア106のフローティング支持の詳細については、後述する。これにより、各歯車(太陽歯車82、遊星歯車84、及び内歯歯車88)の噛合反力によって遊星歯車84(遊星キャリア86)をセンタリングさせ、各歯車の分担荷重の均一化を図ることができる。
内歯歯車88が形成された第3ギヤケース54は、上述したとおり、アダプタリング58を介して、第2ギヤケース52に固定されており、自ら回転することはできない。一方、出力軸を構成する遊星キャリア86は、第3ギヤケース54には支持固定されず、後述する第3旋回減速機24−3の太陽歯車102を介して遊星歯車104と係合することにより回転可能となっている。
第2旋回減速機24−2に含まれる太陽歯車82、遊星歯車84、及び内歯歯車88は、平歯車として構成される。第2旋回減速機24−2には、旋回用電動機21の回転駆動力を第1旋回減速機24−1により減速した動力が入力されるため、回転速度は減速され、歯当たりによる騒音は低減される。よって、平歯車を用いることによりコストを抑制することができる。
以上のような構成の第2旋回減速機24−2において、第1旋回減速機24−1の出力軸としての遊星キャリア46が回転して太陽歯車82が回転すると、遊星歯車84が回転(自転)する。遊星歯車84は第3ギヤケース54の内面に形成された内歯歯車88に係合しており、遊星歯車84の回転力で内歯歯車88が形成された第3ギヤケース54が回転しようとする。ところが、第3ギヤケース54はアダプタリング58を介して第2ギヤケース52に固定されているので、回転することはできない。その結果、遊星歯車84を支持しながら自ら回転可能に支持されている遊星キャリア86のほうが回転する。即ち、3つの遊星歯車84のそれぞれは、自転しながら公転することによって遊星キャリア86を回転させる。以上のような歯車作用により、第1旋回減速機24−1の出力軸としての遊星キャリア46の回転が減速されて遊星キャリア86から出力される。なお、遊星キャリア86は、第2旋回減速機24−2の出力軸を構成する。
第3旋回減速機24−3を構成する遊星歯車減速機の太陽歯車102は、第2旋回減速機24−2の出力軸としての遊星キャリア86に固定されている。また、太陽歯車102は、3つの遊星歯車104のそれぞれに係合している。遊星歯車104のそれぞれは、保持ピン104aを介して第3旋回減速機24−3の出力軸を構成する遊星キャリア106に回転可能に支持されている。そして、各遊星歯車104は、第3ギヤケース54の内面に形成された内歯歯車108に係合している。なお、保持ピン104aは、遊星歯車104の第2旋回減速機24−2側の端面から軸方向に突出し、突出した部分の径を遊星歯車104に貫通する部分の径より大きくすることによって、遊星歯車104の軸方向の移動を規制している。
また、遊星キャリア106は、第3ギヤケース54に対して、ベアリング110を介してフローティング支持(遊星キャリア106の径方向、軸方向に移動可能に支持)されている。これにより、各歯車(太陽歯車102、遊星歯車104、及び内歯歯車108)の噛合反力によって遊星歯車104(遊星キャリア106)をセンタリングさせ、各歯車の分担荷重の均一化を図ることができる。遊星キャリア106は、例えば、ベアリング110が第3ギヤケース54にスプライン結合される等によりフローティング支持されてよい。
内歯歯車108が形成された第3ギヤケース54は、上述したとおり、アダプタリング58を介して、第2ギヤケース52に固定されており、自ら回転することはできない。一方、出力軸を構成する遊星キャリア106は、第3ギヤケース54に対して、ベアリング110を介して回転可能に支えられている。
第3旋回減速機24−3に含まれる太陽歯車102、遊星歯車104、及び内歯歯車108は、平歯車として構成される。第3旋回減速機24−3には、旋回用電動機21の回転駆動力を第1旋回減速機24−1、第2旋回減速機24−2により減速した動力が入力されるため、回転速度は更に減速され、歯当たりによる騒音は更に低減される。よって、平歯車を用いることによりコストを抑制することができる。
以上のような構成の第3旋回減速機24−3において、第2旋回減速機24−2の出力軸としての遊星キャリア86が回転して太陽歯車102が回転すると、遊星歯車104が回転(自転)する。遊星歯車104は第3ギヤケース54の内面に形成された内歯歯車108に係合しており、遊星歯車104の回転力で内歯歯車108が形成された第3ギヤケース54が回転しようとする。ところが、第3ギヤケース54はアダプタリング58を介して第2ギヤケース52に固定されているので、回転することはできない。その結果、遊星歯車104を支持しながら自ら回転可能に支持されている遊星キャリア106のほうが回転する。即ち、3つの遊星歯車104のそれぞれは、自転しながら公転することによって遊星キャリア106を回転させる。以上のような歯車作用により、第2旋回減速機24−2の出力軸としての遊星キャリア86の回転が減速されて遊星キャリア106から出力される。なお、遊星キャリア106は、旋回減速機24の出力軸40Aを構成する。
上述の構成により、旋回駆動装置40は、旋回用電動機21の出力軸21bの回転速度を減じて出力軸40Aのトルクを増大させる。
具体的には、旋回駆動装置40は、出力軸21bの時計回りの高速・低トルクの回転に応じて、遊星歯車44を反時計回りに自転させながら時計回りに公転させ、遊星キャリア46を時計回りに回転させる。そして、旋回駆動装置40は、遊星キャリア46の時計回りの回転に応じて、遊星歯車84を反時計回りに自転させながら時計回りに公転させ、遊星キャリア86を時計回りに回転させる。さらに、旋回駆動装置40は、遊星キャリア86の時計回りの回転に応じて、遊星歯車104を反時計回りに自転させながら時計回りに公転させ、遊星キャリア106、すなわち、出力軸40Aを時計回りに低速・高トルクで回転させる。出力軸21bが反時計回りに回転する場合も、各歯車の回転方向が逆になることを除き、同様である。
また、旋回駆動装置40は、出力軸21b、エンドプレート21a、第1ギヤケース50、第2ギヤケース52、及び遊星キャリア46で密閉される空間SP1を有する。なお、出力軸21bには、図示しないオイルシールが装着される。また、遊星キャリア46には、ベアリング56の下にオイルシール57が装着される。空間SP1は、細かいドットパターンで表される潤滑油LB1で潤滑される太陽歯車42、遊星歯車44、遊星キャリア46、ブレーキディスク60、ブレーキプレート62、及びピストン64等を収容する。
また、旋回駆動装置40は、遊星キャリア46、第2ギヤケース52、第3ギヤケース54、アダプタリング58、及び遊星キャリア106で密閉される空間SP2を有する。なお、遊星キャリア106には、図示しないオイルシールが装着される。空間SP2は、粗いドットパターンで表される潤滑油LB2で潤滑される太陽歯車82、102、遊星歯車84、104、及び、遊星キャリア86、106等を収容する。なお、潤滑油LB2は、オイルシール57によって潤滑油LB1から隔離されている。また、潤滑油LB2は、潤滑油LB1と同じ種類の潤滑油であってもよく、異なる種類の潤滑油であってもよい。例えば、旋回駆動装置40は、高回転用の潤滑油LB1を、低回転用の潤滑油LB2とは異なる種類の潤滑油としてもよい。
以上のような構成の旋回駆動装置40において、ブレーキディスク60は、遊星キャリア46と共に一体で回転可能とされているため、旋回用電動機21の回転に伴う遊星キャリア46の回転により潤滑油を攪拌することになる。そして、ブレーキディスク60による潤滑油の攪拌よって、ブレーキディスク60付近の潤滑油の油温は上昇する。また、ブレーキディスク60は、上下方向で近接したブレーキプレート62に挟まれた状態にあるため、ブレーキディスク60が遊星キャリア46と共に回転する際に、ブレーキディスク60とブレーキプレート62との間の潤滑油に大きなせん断力が生じる。そのため、該せん断力に起因して、更に、ブレーキディスク60付近の潤滑油の油温は上昇する。
このとき、潤滑油の油温上昇による潤滑油の変質を回避するため、ブレーキディスク60付近の潤滑油の熱エネルギーが外気と接触する第2ギヤケース52等を通じて、外気に放出されることにより、潤滑油が冷却されることが好ましい。
しかしながら、発生させたいブレーキトルクと、ブレーキディスク60の周速度とのバランスからブレーキディスク60は、第2ギヤケースの外径に対して、半径方向の中央部付近に設けられる。具体的には、大きなブレーキトルクを発生させるため、ブレーキディスク60は、半径方向外側に配置されることが好ましい。また、ブレーキディスク60の周速度が大きくなると、攪拌による潤滑油の大きな油温上昇を招くことになるため、ブレーキディスク60は、半径方向内側に配置されることが好ましい。そこで、これらのバランスを図り、ブレーキディスク60は、第2ギヤケース52の外径に対して、半径方向の中央部付近に設けられる。よって、ブレーキディスク60(ブレーキプレート62)が設けられる部分(軸方向位置)における第2ギヤケース52の半径方向の厚みが他の部分(軸方向位置)より厚くなり、潤滑油の熱エネルギーが第2ギヤケース52を通じて外気に伝達されにくくなる可能性がある。そのため、ブレーキディスク60付近の潤滑油は、継続して油温が上昇することになり、変質するおそれがある。その結果、潤滑油が本来の機能を果たすことができなくなるため、旋回停止に至り、ショベルの作業効率を低下させるおそれがある。
そこで、本実施形態では、第2ギヤケース52のブレーキディスク60が設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に外側から凹部を設けるとよい。以下、当該凹部の構造について、図5を用いて説明をする。
図5を参照するに、第2ギヤケース52に、ブレーキディスク60が設けられた軸方向位置を含む軸方向位置に凹部52bが設けられている。該凹部52bの深さは、例えば、第2ギヤケースの内面に対して、強度構造上において最低限必要な厚みが確保されるように設定されるとよい。なお、第2ギヤケース52は、鋳造により形成されてよく、凹部52bも鋳造型に当該凹部52bの形状を反映させておくことにより形成される。
また、第2ギヤケース52には、第1ギヤケース50、第2ギヤケース52、及びアダプタリング58を締結するためのボルト53を貫通させるための貫通孔(ボルト穴)52aが設けられる。貫通孔52aは、第2ギヤケース52の半径方向外端部に設けられ、第2ギヤケース52の軸方向に貫通している。同様に、第1ギヤケース50にも半径方向外端部に設けられ、軸方向に貫通する貫通孔50aが貫通しており、アダプタリング58にも半径方向外端部に設けられ、上端から軸方向に所定の深さを有するボルト穴58aが開けられている。ボルト53は、貫通孔50a、52a、及びボルト穴58aにねじ込まれることにより第1ギヤケース50、第2ギヤケース52、及びアダプタリング58を締結(固定)する。ボルト53は、第2ギヤケース52の周方向において、例えば、所定角度間隔で、全周にわたって複数設けられる。
第2ギヤケースの周方向位置のうち、ボルト53が設けられる周方向位置には、上述した凹部52bは、設けられない。即ち、凹部52bは、第2ギヤケース52の周方向位置のうち、ボルト53が設けられない周方向位置に設けられる。もし、ボルト53が設けられる周方向位置に凹部を設けると、ボルト53が露出し、錆びる等の問題が生じる場合があり、このような問題の発生を回避するためである。
このように、第2ギヤケース52のブレーキディスク60が設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に外側から凹部52bを設けることにより、当該位置における第2ギヤケース52の厚みが薄くなり、熱エネルギーが外気に逃げやすくなる。即ち、ブレーキディスク60の回転による潤滑油の攪拌に起因して発生する熱エネルギーを、第2ギヤケース52を通じて逃がすことが容易になり、油温上昇による潤滑油の変質等を防止することが可能となる。
また、具体的には、第2ギヤケースの周方向位置のうち、ボルト53が設けられない周方向位置に凹部52bを設け、ボルト53が設けられる周方向位置には凹部52bを設けない。これにより、油温上昇の抑制と第2ギヤケースの締結との両立を図ることができる。
ここで、図5の例において、凹部52bは、第2ギヤケース52の半径方向内側に一様な深さを有していたが、半径方向内側への深さを第2ギヤケース52の内面に対応して変化させてもよい。
図6は、ブレーキ装置が組み込まれた旋回駆動装置40の他の例を示す断面図であり、図4のV−V線断面図である。なお、第2ギヤケース52の凹部52bの形状以外は、図5の例と同様であるため、第2ギヤケース52の凹部52bの形状を中心に説明をする。
図6を参照するに、図5の例と同様、第2ギヤケース52のブレーキディスク60が設けられた軸方向位置を含む軸方向位置に凹部52bが設けられている。但し、図5の例と異なり、該凹部52bは、第2ギヤケース52の半径方向内側への異なる深さの部分を有し、凹部52bの底面が断形状となっている。凹部52bの底面の断形状は、第2ギヤケース52の内面の形状に対応している。即ち、第2ギヤケース52の内面の内径は、軸方向位置によって異なっており、例えば、ピストン64が設けられる軸方向位置における第2ギヤケース52の内径は、ブレーキプレート62が設けられる軸方向位置における第2ギヤケースの内径よりも大きい。そのため、第2ギヤケースの軸方向位置によって、凹部52bの半径方向内側への深さを変化させて、段形状等にするとよい。これにより、第2ギヤケース52の内面に対応して、強度構造上において必要な厚みが確保されるように凹部52bを設定することができるため、潤滑油の冷却に加えて、効率的に第2ギヤケースの軽量化を図ることが可能となる。
また、凹部52bの半径方向内側への深さが最も深い部分の軸方向範囲は、ブレーキディスク60(ブレーキプレート62)が設けられる軸方向範囲を一部含んでよい。これにより、ブレーキディスク60付近の潤滑油の冷却性能を更に向上させることができる。
なお、第2ギヤケース52は、図5の例の場合と同様、鋳造により形成されてよく、凹部52bも鋳造型に当該凹部52bの形状を反映させておくことにより形成される。
以上、本発明を実施するための形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
上述した実施形態において、ディスクブレーキは、第1旋回減速機24−1の出力軸(遊星キャリア46)と第2ギヤケース52との間に設けられるが、入力軸と第1ギヤケース50との間に設けられてもよい。即ち、ブレーキディスク60は、第1旋回減速機24−1の入力軸に設けられてもよい。
また、上述した実施形態において、ディスクブレーキは、高速段減速機150に組み込まれているが、低速段減速機200に組み込まれてもよい。例えば、低速段減速機200の入力軸と第3ギヤケース54との間にディスクブレーキが設けられてもよい。即ち、ブレーキディスク60は、第2旋回減速機24−2の入力軸に設けられてもよい。
1 下部走行体
1A、1B 走行用油圧モータ
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
11 エンジン
12 電動発電機
13 変速機
14 メインポンプ
15 パイロットポンプ
16 高圧油圧ライン
17 コントロールバルブ
18、20 インバータ
21 旋回用電動機
21a エンドプレート
21b 出力軸
22 レゾルバ
23 メカニカルブレーキ
24 旋回減速機
24−1 第1旋回減速機
24−2 第2旋回減速機
24−3 第3旋回減速機
25 パイロットライン
26 操作装置
26A、26B レバー
26C ペダル
27、27a、28 油圧ライン
29 圧力センサ
30 コントローラ
40 旋回駆動装置
40A 出力軸
42 太陽歯車
44 遊星歯車
44a 保持ピン
46 遊星キャリア
48 内歯歯車
50 第1ギヤケース
50a 貫通孔
51 ベアリング
52 第2ギヤケース
52a 貫通孔
53 ボルト
54 第3ギヤケース
56 ベアリング
57 オイルシール
58 アダプタリング
58a ボルト穴
60 ブレーキディスク
62 ブレーキプレート
64 ピストン
66 スプリング
68 油圧空間
69 ブレーキ解除ポート
82 太陽歯車
84 遊星歯車
84a 保持ピン
86 遊星キャリア
88 内歯歯車
90 スプリング押さえ部材
91 シール部材
92 ボルト
93、94、95 シール部材
102 太陽歯車
104 遊星歯車
104a 保持ピン
106 遊星キャリア
108 内歯歯車
110 ベアリング
120 蓄電系
150 高速段減速機
200 低速段減速機
LB1、LB2 潤滑油

Claims (5)

  1. 旋回用電動機と、該旋回用電動機の回転駆動力を旋回体に伝達する旋回減速機と、前記旋回体を旋回停止状態に保持するブレーキ装置とを有する旋回駆動装置を搭載するショベルであって、
    潤滑油で潤滑される前記旋回減速機及び前記ブレーキ装置を収容する空間を構成するケースを備え、
    前記ブレーキ装置は、前記旋回減速機の入力軸、又は出力軸と共に一体で回転可能に設けられたブレーキディスクを含み、
    前記ケースの外側には、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に凹部が設けられ
    前記ケースの半径方向外端部には、前記ケースを固定するボルトであって、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置を含む範囲で前記ケースを軸方向に貫通するボルトが設けられ、
    前記ボルトは、前記ケースの全周に亘って複数設けられ、
    前記凹部は、前記ケースの周方向位置のうち、前記ボルトが設けられない周方向位置だけに設けられることを特徴とする、
    ショベル。
  2. 旋回用電動機と、該旋回用電動機の回転駆動力を旋回体に伝達する旋回減速機と、前記旋回体を旋回停止状態に保持するブレーキ装置とを有する旋回駆動装置を搭載するショベルであって、
    潤滑油で潤滑される前記旋回減速機及び前記ブレーキ装置を収容する空間を構成するケースを備え、
    前記ブレーキ装置は、前記旋回減速機の入力軸、又は出力軸と共に一体で回転可能に設けられたブレーキディスクを含み、
    前記ケースの外側には、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に凹部が設けられ
    前記凹部の深さは、軸方向位置に応じた前記ケースの内径が小さくなるほど深くなるように、変化することを特徴とする、
    ショベル。
  3. 前記凹部の最も深い部分が形成されている軸方向範囲は、
    前記ブレーキディスクが設けられた軸方向範囲を含むことを特徴とする、
    請求項に記載のショベル。
  4. 入力された回転駆動力を減速して出力する減速機構部と、該減速機構部の出力軸を回転停止状態に保持するブレーキ装置とを有する減速機であって、
    潤滑油で潤滑される前記減速機構部及び前記ブレーキ装置を収容する空間を構成するケースを備え、
    前記ブレーキ装置は、前記減速機構部の入力軸、又は出力軸と共に一体で回転可能に設けられたブレーキディスクを含み、
    前記ケースの外側には、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に凹部が設けられ
    前記ケースの半径方向外端部には、前記ケースを固定するボルトであって、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置を含む範囲で前記ケースを軸方向に貫通するボルトが設けられ、
    前記ボルトは、前記ケースの全周に亘って複数設けられ、
    前記凹部は、前記ケースの周方向位置のうち、前記ボルトが設けられない周方向位置だけに設けられることを特徴とする、
    減速機。
  5. 入力された回転駆動力を減速して出力する減速機構部と、該減速機構部の出力軸を回転停止状態に保持するブレーキ装置とを有する減速機であって、
    潤滑油で潤滑される前記減速機構部及び前記ブレーキ装置を収容する空間を構成するケースを備え、
    前記ブレーキ装置は、前記減速機構部の入力軸、又は出力軸と共に一体で回転可能に設けられたブレーキディスクを含み、
    前記ケースの外側には、前記ブレーキディスクが設けられた軸方向位置において、周方向の少なくとも一部に凹部が設けられ
    前記凹部の深さは、軸方向位置に応じた前記ケースの内径が小さくなるほど深くなるように、変化することを特徴とする、
    減速機。
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