JP6513318B1 - 自走式掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダストの取りこぼしを低減し、吸い込み性能を向上させることができる自走式掃除機を提供すること。【解決手段】吸込口が形成された底板に沿って回転するよう吸込口の左右両側の少なくとも一方に設けられたサイドブラシと、床面上のダストを吸込口を通して集塵するよう筐体内に設けられた集塵部と、を備え、底板の床面と対向する面には、サイドブラシの回転領域内であって吸込口を前方に投影した領域に位置し、サイドブラシで掻き集めたダストを吸込口へ向かって誘導するダスト誘導部が設けられており、ダスト誘導部は、筐体の直進方向に対して前方から後方へ向かうにつれ内側に向かうように形成された第一ダスト誘導部と、第一ダスト誘導部の後方であって筐体の直進方向に沿うように形成された第二ダスト誘導部とからなることを特徴とする自走式掃除機【選択図】図6

Description

本発明は、自走式掃除機に関する。
自走式掃除機として、特許文献1には、吸込口が形成された底板を有する筐体と、前記吸込口に回転可能に設けられたメインブラシと、前記底板における吸込口の左右両側に回転可能に設けられたサイドブラシと、前記底板に設けられて前記筐体を支持しかつ走行させる駆動輪と、前記筐体内に設けられた集塵部とを備えた自走式掃除機が提案されている。
特開2013−230199号公報
前記自走式掃除機は、回転する左右一対のサイドブラシによって筐体の左右両側にある床面上のダストを吸込口へ掻き込むように構成されているが、ダストの取りこぼしが生じる場合があった。特に、部屋の隅や壁際にはダストが溜まり易く、このような場所でのダストの取りこぼしが多かった。さらに、床面が絨毯の場合、駆動輪が絨毯に少し沈み込むため、筐体と絨毯との間の隙間が狭くなり、比較的大きなダスト(例えば塵埃)の塊をサイドブラシにて吸込口の方へ掻き込むと、筐体の前部にダストの塊の一部が引っ掛かって取りこぼしする場合があった。
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、ダストの取りこぼしを低減し、吸い込み性能を向上させることができる自走式掃除機を提供することを目的とする。
本発明によれば、吸込口が形成された底板を有する筐体と、前記筐体を床面上で支持しながら前後方向への直進および左右方向への旋回をさせる駆動輪と、前記底板に沿って回転するよう前記吸込口の左右両側の少なくとも一方に設けられたサイドブラシと、床面上のダストを前記吸込口を通して集塵するよう前記筐体内に設けられた集塵部と、を備え、前記底板の床面と対向する面には、前記サイドブラシの回転領域内であって前記吸込口を前方に投影した領域に位置し、前記サイドブラシで掻き集めたダストを前記吸込口へ向かって誘導するダスト誘導部が設けられており、前記ダスト誘導部は、前記筐体の直進方向に対して前方から後方へ向かうにつれ内側に向かうように形成された第一ダスト誘導部と、前記第一ダスト誘導部の後方であって前記筐体の直進方向に沿うように形成された第二ダスト誘導部とからなることを特徴とする自走式掃除機が提供される。
本発明の自走式掃除機によれば、ダストを効率よくダスト誘導部に通過させて吸込口へ誘導することができ、ダストの取りこぼしを低減し、吸い込み性能を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る自走式掃除機の電気的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態1に係る自走式掃除機の平面図である。 図1に示される自走式掃除機の正面図である。 図1に示される自走式掃除機の側面図である。 図1に示される自走式掃除機の背面図である。 図1に示される自走式掃除機の底面図である。 図1に示される自走式掃除機の平断面図である。 図1に示される自走式掃除機の別の平断面図である。 図1に示される自走式掃除機の側断面図である。 図1に示される自走式掃除機の別の側断面図である。 図6で示された自走式掃除機の筐体におけるダスト誘導部の断面図である。 (A)は本発明の実施形態2の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図であり、(B)は(A)のIII-III矢視断面図である。 (A)は本発明の実施形態3の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図であり、(B)は(A)のIV-IV矢視断面図である。 本発明の実施形態4の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図である。 本発明の実施形態5の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図である。 本発明の実施形態6の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図である。 本発明の実施形態7の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図である。 (A)は図15のV-V矢視断面図であり、(B)は実施形態8の自走式掃除機における筐体前部の断面形状を説明する図18(A)対応図である。
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る自走式掃除機の電気的な構成を示すブロック図である。また、図2は本発明の実施形態1に係る自走式掃除機の平面図であり、図3は図1に示される自走式掃除機の正面図であり、図4は図1に示される自走式掃除機の側面図であり、図5は図1に示される自走式掃除機の背面図であり、図6は図1に示される自走式掃除機の底面図である。また、図7は図1に示される自走式掃除機の平断面図であり、図8は図1に示される自走式掃除機の別の平断面図である。また、図9は図1に示される自走式掃除機の側断面図であり、図10は図1に示される自走式掃除機の側断面図である。
≪自走式掃除機の構成≫
図1〜図10に示すように、実施形態1に係る自走式掃除機1は、吸込口31が形成された底板2aを有する筐体2と、底板2aに設けられて筐体2を床面上で支持しながら前後方向への直進および左右方向への旋回をさせる駆動輪22L、22Rと、底板2aに沿って回転するよう吸込口31の左右両側の少なくとも一方に設けられたサイドブラシ10と、床面上のダストを吸込口31を通して集塵するよう筐体2内に設けられた集塵部15とを備え、底板2aの床面と対向する下面には、サイドブラシ10の回転領域内に吸込口31へ向かってダストを誘導するダスト誘導部5が設けられている。なお、実施形態1の場合、筐体2は円盤形であるが、これに限定されず、平面的に視た形状は楕円形あるいは四角形、五角形、六角形等の多角形であってもよい。
筐体2は、底部に設けられた吸込口31、第1排気口32および外周部に設けられた第2排気口33を有する。
筐体2内には、第2排気口33と電動送風機115の間に筐体2の外周部後半の内面に沿って第2排気風路35が形成されると共に、第1排気口32と電動送風機115の間に第1排気風路34が形成される。
第2排気口33は、筐体2の外周部における左右側部のうちの少なくとも一方に配置されて前方へ向かって開口し、第2排気風路35からの空気流を前方へ向けて吹き出すように構成されている。なお、ここで言う「前方」とは、自走式掃除機が直進する方向と平行方向を意味するが、厳密に平行方向でなくてもよく、多少の斜め方向も含まれる。
詳しく説明すると、筐体2は、底部を構成する底板2aと、天部を構成する天板2bと、外周部を構成する側板2cと、底板2a、天板2bおよび側板2cにて覆われる内部構造壁2dとを含む。なお、内部構造壁2dは複数の構造部材を組み合わせて構成される。
図6に示すように、底板2aは、円形に形成されており、内部構造壁2dの下面に取り付けられている。底板2aは、その前半部には、長方形の前記吸込口31と、吸込口31の左右斜め前方位置に形成された後述するサイドブラシ10を収容する一対の円形孔部21a1と、吸込口31の左右斜め後方位置に形成された後述する左右一対の駆動輪22L、22Rを収容する一対の開口部2a2とが設けられている。また、底板2aの後半部の左右中間位置には後輪26を回転自在に収容する凹部2a3が設けられている。なお、図4と図6と図9においては、後輪26が前方へ180°回動した状態を二点差線で記している。
さらに、図6と図11に示すように、底板2aの下面には、吸込口31の前方であって左右のサイドブラシ10の回転領域内にダスト誘導部5が設けられている。実施形態1の場合、各ダスト誘導部5は、各サイドブラシ10の回転領域に沿った円弧形であって、底板2aの下面に形成された複数の凹溝5aからなる。また、吸込口31の周囲には枠体6が着脱可能に嵌め込まれており、その枠体6の前縁には左右のダスト誘導部5の複数の凹溝5aと連携する複数の凹溝6aが配置されている。なお、図11は図6で示された自走式掃除機の筐体におけるダスト誘導部の断面図である。
実施形態1の場合、自走式掃除機1の左右(図6の紙面に向かって右側と左側)のダスト誘導部5はそれぞれ4本の凹溝5aを有している。また、枠体6の左右側(図6の紙面に向かって右側と左側)にはそれぞれ3本と4本の凹溝6aが設けられている。なお、枠体6の複数の凹溝6aは省略してもよい。
清掃時、各サイドブラシ10は、外側から内側へ向かってそれぞれ矢印IおよびII方向に回転するため、自走式掃除機1は床面上を走行しながら各サイドブラシ10によって左右側のダストを外側から内側へ掻き集める。各サイドブラシ10のこの動作により、ダストは各ダスト誘導部5の複数の凹溝5aに沿って移動して吸込口31へ誘導され、吸込口31から内部の集塵部15内へ吸い込まれる。
図2に示すように、筐体2の天板2bは、円形に形成されており、内部構造壁2dの上面に取り付けられている。天板2bは、その前部を構成する前板部2b1と、中間部から
後部に亘って構成する蓋部2b2とによって分割可能に構成されている。蓋部2b2における前板部2b1との境界側の端部には、蓋部2b2を開閉可能に支持する図示しない一対のヒンジ部が設けられており、各ヒンジ部は天板2bに枢着されている。
図1、図4および図6に示すように、側板2cは、それぞれ円弧形の前半部2c1と後
半部2c2とに分割された状態で内部構造壁2dに取り付けられており、前半部2c1はバ
ンパーとして機能するよう図示しない弾発部材を介して内部構造壁2dに取り付けられている。前半部2c1には、前半部2c1の衝突を検出する衝突センサ14Cが内部に設けられている。さらに、前半部2c1には、前方および左右斜め前方の3箇所に超音波受信部
14Aが配置されると共に、3箇所の超音波受信部14Aの間の2箇所に超音波送信部14Bが配置されている。誘導信号受信部24および充電用接続部13は、筐体2の前部表面の外部から視認できる位置に設けられている。
この自走式掃除機1は、吸込口31に回転可能に設けられた回転ブラシ9、前記サイドブラシ10、制御部11を有する回路基板11S、充電池12、前記充電用接続部13、障害検出部14、前記集塵部15を備えると共に、ジャイロセンサ20、動力部21、前記左右一対の駆動輪22L、22R、前記誘導信号受信部24、前記後輪26を備える。さらにまた、入力部51、記憶部61、前記電動送風機115、ブラシモータ119およびイオン発生器120を備える。
自走式掃除機1は、設置された場所の床面を自走しながら、床面(走行面)上の塵埃を含む空気を吸い込み、塵埃を除去した空気を排気することにより床面上を掃除する。自走式掃除機1は、障害検出部14により検出された障害物を自律的に回避して走行し、掃除が終了すると自律的に図示しない充電ステーションに帰還する機能を有する。
また、筐体2の底板2aにおける前方中央位置と左右のサイドブラシ10の軸心位置には床面検出センサ18がそれぞれ配置されている。
自走式掃除機1は、右駆動輪22Rおよび左駆動輪22Lが同一方向に正回転して前進し、中央の超音波受信部14Aが配置されている前方へ走行する。また、左右の駆動輪22L、22Rが同一方向に逆回転して後退し、互いに逆方向に回転しまたは互いに異なる速度で回転することにより旋回する。一方の駆動輪のみが停止する場合を含む。例えば、自走式掃除機1は、障害検出部14の各センサにより掃除領域の周縁に到達した場合左右の駆動輪を減速させた後に停止させる。その後、左右の駆動輪22L、22Rを互いに逆方向に回転させて90°旋回し吸込口31の大きさに略等しい距離だけ進んでさらに90°旋回して元の進路と逆方向へ進む。
また、進路上に障害物を検出した場合、自走式掃除機1は減速もしくは停止した後に旋回して障害物を避けるように向きを変え、その障害物が検知されなくなると元の進路の延長に近づくように旋回して走行を続ける。また、各床面検出センサ18が床面を検知しないときに一旦停止して後退および/または旋回し階段等から落下しないように走行する。このようにして、自走式掃除機1は、設置場所の全体あるいは所望範囲全体に渡って障害物を避けながら自走する。
ここで、前方とは、自走式掃除機1の前進方向(図2において、紙面に沿う上方)をいうものとし、後方とは、自走式掃除機1の後退方向(図2において、紙面に沿う下方)いうものとする。
さらに、自走式掃除機1は、充電台201の誘導信号送信部203から出射される信号を誘導信号受信部24で検知し、充電台201のある方向を認識する。そして、掃除が終了した場合、充電池12の充電残量が少なくなった場合、あるいは予め定められた清掃作業の期間が経過した場合などに、充電台201のある方向のルートを自律的に走行して、充電台201まで帰還する。ただし、障害物があれば、それを避けながら充電台201の方向へ移動する。
以下、図1に示す各構成要素を説明する。
図1の制御部11は、自走式掃除機1の各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータ
によって実現される。制御部11は、自走式掃除機1の走行を制御する走行制御部11aの機能を含む。
制御部11を含む回路基板11Sは、集塵部15より前の内部構造壁11dの前部に設置されている。それに伴い、筐体2の天板2bの前板部2b1の前端部には、回路基板1
1Sの熱を逃がす複数の空気孔2b11が設けられている。
CPUは、後述する記憶部61に予め格納されRAMに展開された制御プログラムに基づいて処理を実行し、各ハードウェアを有機的に動作させてこの発明の清掃機能、走行機能などを実行する。
充電池12は、自走式掃除機1の各機能要素に対して電力を供給する部分であり、主として、清掃機能および走行制御を行うための電力を供給する部分である。たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、Ni−Cd電池、などの充電池が用いられる。
充電池12の充電は、自走式掃除機1を充電台201にドッキングさせた状態で、自走式掃除機1の充電用接続部13と充電台201の充電端子部202とを接触させて行う。
障害検出部14、特に超音波受信部および送信部14A、14Bは、自走式掃除機1が走行中に、室内の壁や机、いすなどの障害物に接触又は近づいたことを検出する部分であり、壁面や障害物を検出しながらそれに沿って自走式掃除機1が走行するために用いられる。障害検出部14は、超音波受信部および送信部14A、14Bを用いて障害物への近接を検出する。超音波受信部および送信部14A、14Bに代えて、あるいは超音波受信部および送信部14A、14Bと共に、赤外線測距センサなど他の方式の非接触センサを用いてもよい。
衝突センサ14Cは、自走式掃除機1が走行時に障害物と接触したことを検出するために、例えば、筐体2の側板2cの内部に配置される。CPUは、衝突センサ14Cからの出力信号に基づいて側板2cが障害物に衝突したことを知る。
各床面検出センサ18は下り階段等の大きな段差を検出する。
CPUは、障害検出部14から出力された信号に基づいて、障害物や段差の存在する位置を認識する。認識された障害物や段差の位置情報に基づいて、その障害物や段差を避けて次に走行すべき方向を決定する。なお、左右の床面検出センサ18は、前方の床面検出センサ18が段差の検出に失敗した場合や故障した場合に下り階段を検出し、自走式掃除機1の下り階段への落下を防止する。
ジャイロセンサ20は、自走式掃除機1が走行するとき走行方向の情報を走行制御部11aに提供する。
動力部21は、自走式掃除機1の左右の駆動輪を回転および停止させる駆動モータによって走行を実現する部分である。この実施形態においては左右の駆動輪を独立して正逆両方向に回転させ得るように駆動モータを構成することにより、自走式掃除機1の前進、後退、旋回、加減速などの走行状態を実現している。
誘導信号受信部24は、赤外線を受信するための赤外線センサであり、筐体2の前方部に配置される。誘導信号受信部24は、充電台201の誘導信号送信部203から出射される位置標識信号(ビーコン)等を受信する。
吸込口31、第1および第2排気口32、33は、それぞれ清掃のための空気の吸気および排気を行う部分である。特に、第2排気口33は、そこから前方に向かって空気を吹き出すことによって壁際の塵埃を隅部へ集め、かつ隅部の塵埃を壁際へ移動させるエアーブラシを発生させる箇所でもある。
集塵部15は、室内のゴミやちりを集める清掃機能を実行する部分であり、主として、図示しない集塵容器15aと、フィルター部15bと、集塵容器15aおよびフィルター部15bを覆うカバー部15cとを備える。また、集塵容器15aには、吸込口31と連通する流入路に通じる流入口15a1と、電動送風機115と連通するダクト部114に
通じる排気口15a2とを有する。
筐体2の内部において、集塵部15の後方には充電池12および電動送風機115が配置されている。
電動送風機115は、その上部にダクト部114と接続された上方開口状の吸気孔を有すると共に、外周部に第1排気孔115aと第2排気孔115bとを有しており、その軸心を垂直方向に向けた状態で集塵部15の後方の右寄りに配置されている。電動送風機115は、吸込口31から空気を吸い込み、その空気を、流入路を介して集塵容器15a内に導き、集塵後の空気を、ダクト部114、電動送風機115、第1および第2排気風路34、35を介して第1および第2排気口32、33から外部へ放出する気流を発生させる。
筐体2の内部において、電動送風機115の第1排気孔115aは第1排気風路34を介して第1排気口32と連通し、電動送風機115の第2排気孔115bは第2排気風路35を介して第2排気口33と連通している。
第2排気風路35は、筐体2の外周部後半の内面、すなわち、側板2cの後半部2c2
の内面と、この内面に沿って設けられたリブとによって形成されている。なお、リブは、筐体2の内部構造壁2dを構成するリブ2d1、2d2や天板2cの下面に設けられたリブ等である。また、第2排気口33は、側板2cの後半部2c2の右側端部2c21を開放端
とすることにより縦長の形状に形成されている。一方、側板2cの後半部2c2の左側端
部2c22はL形に折れ曲がり、側板2cの前半部2c1の左側端部の内側に隙間をもって
重ねられている。
このように、第2排気口33は、側板2cの前半部2c1と後半部2c2との境界付近における後半部2c2に配置されている。これに伴い、図3と図4と図8に示すように、側
板2cの前半部2c1の右側端部における第2排気口33と対向する位置に凹部2c11
設けられている。この凹部2c11によって第2排気口33は前半部2c1の右側端部によ
って塞がれることなく前方へ開口している。なお、凹部2c11は前方へ向かうにつれて浅くなる形状である。
図3に示すように、実施形態1の場合、第2排気口33は、筐体2の厚み方向の下部に配置されているため、第2排気口33が床面に近くなっている。これにより、床面と平行に近い空気流を床面に対して吹き付けることができる。この結果、床面上から上方への塵埃の舞い上がりを抑制しながら少ない風量でも効率よく前方へ吹き飛ばすことが可能となる。
一方、第1排気口32は、側板2cの後半部2c2における後部左寄りに形成されている。そして、筐体2内における第1排気口32と電動送風機155の第1排気孔115aとの間の空間が、第1排気風路34とされている。この第1排気風路34にはイオン発生器120が配置されているため、第1排気口32から外部へ放出される空気流中にはイオン発生器120にて発生させたイオンが含まれる。
吸込口31の奥には、底面と平行な軸心廻りに回転する回転ブラシ9が設けられており、吸込口31の左右両側には垂直な回転軸心廻りに回転するサイドブラシ10が設けられている。回転ブラシ9は、回転軸であるローラの外周面に螺旋状にブラシやブレードを植設することにより形成されている。サイドブラシ10は、左右の床面検出センサ18を覆うように回転可能に設けられた円筒部材10xの下端にブラシ束を放射状に設けることにより形成されている。なお、回転ブラシ9の回転軸および一対のサイドブラシ10の円筒部材10xの回転軸は、筐体2の底板2aの一部に枢着されると共に、その付近に設けられたブラシモータ119とプーリおよびベルト等を含む動力伝達機構を介して連結されている。これは、一例であり、サイドブラシ10を回転させる専用の駆動モータを設けてもよい。
この発明に係る吸塵機構は、以上に説明した集塵部15、回転ブラシ9、サイドブラシ10、ブラシモータ119、電動送風機115を含む。吸塵機構は、回転ブラシ9の回転によって床等の走行面上の塵埃を吸込口31内へ取り込み、それに合わせて吸込口31から空気を吸気して集塵部15の集塵容器15aに吸引された塵埃を取り込む。
図7、図8および図10中の矢印AおよびBに示されるように、吸引された空気は、集塵容器15aに配されたフィルター15bを通過してダクト部114に流入する。なお、図7において、集塵部15はカバー15cおよびフィルター15bが取り外された状態で示されている。
ダクト部114に流入した空気は、電動送風機115の上方開口部から内部へ流入し、図2および図7中の矢印CおよびDで示されるように、電動送風機115の第1排気孔115aから第1排気風路34を通過して第1排気口32から外部へ放出され、かつ電動送風機115の第2排気孔115bから第2排気風路35を通過して第2排気口33から外部へ放出される。なお、第1排気口32から放出される空気の風量と第2排気口33から放出される空気の風量の比率は任意であり、実施形態1の場合はほぼ1:1に設定されている。
入力部51は、ユーザが、自走式掃除機1の動作を指示入力する部分であり、自走式掃除機1の筐体2の表面に、操作パネル、あるいは操作ボタンとして設けられる。
さらに、前述の掃除機本体に設けられた操作パネルや操作ボタンとは別にリモコンユニットが設けられており、このリモコンユニットも入力部51に相当する。このリモコンユニットに設けられた操作ボタンを押すと、リモコンユニットから赤外線や無線電波信号が送出され、無線通信により動作の指示入力を行う。
入力部51は、主電源スイッチ52M、電源スイッチ52Sおよび起動スイッチ53を含む。主電源スイッチ52Mは、充電池12から制御部11等への給電を回路的にオン/オフするスイッチである。電源スイッチ52Sは、自走式掃除機1の電源をオン/オフするスイッチである。起動スイッチ53は、清掃作業をスタートさせるスイッチである。入力部51としては、その他のスイッチ(例えば、充電要求スイッチ、運転モードスイッチ、タイマスイッチ)がさらに設けられる。入力部51としてのリモコンがユーザからの指示を受けると、制御部11はこの指示に応答し、例えば動力部21を制御してユーザが指示する方向へ走行させあるいは走行を停止させる。
記憶部61は、自走式掃除機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムを記憶する部分であり、フラッシュメモリ等不揮発性の半導体記憶素子やハードディスク等の記憶媒体が用いられる。
記憶部61には、例えば、充電池12の残容量等の状態を示す電池情報62、自走式掃除機1の走行経路の履歴、現在位置および方向を示す位置情報63、自走式掃除機1の動作モードを示す動作モード情報71を格納する。動作モード情報71は、運転モード72
、スタンバイモード73およびスリープモード74を格納する。運転モード72は、清掃作業中であることを示すデータである。スタンバイモード73は、自走式掃除機の状態が起動スイッチ53に応答して掃除を開始できるスタンバイモードであることを示すデータである。スリープモード74は、節電状態のスリープモードであることを示すデータである。
充電台201は、充電端子部202および誘導信号送信部203を備える。充電台201の充電端子部202と自走式掃除機1の充電用接続部13とを電気的に接触することにより、自走式掃除機1は充電台201からの電力の供給を受け、自走式掃除機1の充電池12が充電される。誘導信号送信部203は、ビーコン信号を生成する信号生成回路と生成された信号を放射するLEDからなる。
この自走式掃除機1によれば、走行モードが壁際走行の場合、自走式掃除機1は壁面に沿って走行を続け、部屋の各隅部のダストをエアーブラシで除去し、サイドブラシ10で吸込口31へ集めて集塵部15に集塵する。このとき、部屋の隅部に比較的大きな塵埃の塊があっても、塵埃をサイドブラシでダスト誘導部5に運んで効率よく吸込口31へ誘導することができ、塵埃の取りこぼしを抑えることができる。
(実施形態2)
図12(A)は本発明の実施形態2の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図であり、図12(B)は図12(A)のIII-III矢視断面図である。なお、図12(
A)および(B)において、図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。また、図12(A)では、サイドブラシのブラシ毛は図示省略しているが、点線はサイドブラシの回転範囲を示している。
実施形態2の場合、ダスト誘導部105は、筐体2の底板2aの下面に形成された複数の凸条105aの間の溝105bにて構成されている。実施形態2の場合、ダスト誘導部105は、4本の凸条105aの間の3本の溝105bにて構成されている。また、吸込口31の枠体106にも、ダスト誘導部105の3本の溝105bと連携するように、4本の凸条106aの間に3本の溝105bが形成されている。この場合、複数の凹溝105bと複数の凹溝106bとは連続的に接続している。このようにしても実施形態1のダスト誘導部5と同様に、ダストをサイドブラシでダスト誘導部105に運んで効率よく吸込口31へ誘導することができ、塵埃の取りこぼしを抑えることができる。
(実施形態3)
図13(A)は本発明の実施形態3の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図であり、図13(B)は図13(A)のIV-IV矢視断面図である。なお、図12(A
)および(B)において、図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。また、図12(A)では、サイドブラシのブラシ毛は図示省略しているが、点線はサイドブラシの回転範囲を示している。
実施形態3の場合、ダスト誘導部205は、筐体2の底板2aの下面に形成された段205aにて構成されている。実施形態3の場合、ダスト誘導部205は、サイドブラシの方へ向かうにつれて低くなる5つの段205aにて構成されている。また、吸込口31の枠体206にも、ダスト誘導部205の5つの段205aと連続的に接続するように、5つの段206aが形成されている。
(実施形態4)
図14は本発明の実施形態4の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図である。なお、図14において、図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。また、図14では、サイドブラシのブラシ毛は図示省略しているが、点線はサイドブラシ
の回転範囲を示している。
実施形態4の場合、ダスト誘導部305は、サイドブラシの回転方向(矢印I方向)に形成された幅の広い1本の凹溝305aにて構成されている。また、吸込口31の枠体306にも、ダスト誘導部305の幅の広い凹溝305aと連続的に接続するように、幅の広い凹溝306aが形成されている。
(実施形態5)
図15は本発明の実施形態5の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図である。なお、図15において、図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。また、図15では、サイドブラシのブラシ毛は図示省略しているが、点線はサイドブラシの回転範囲を示している。
実施形態5の場合、ダスト誘導部405は、サイドブラシの回転方向(矢印I方向)に一部沿った筐体2の直進方向に形成された幅の広い1本の凹溝405aにて構成されている。また、吸込口31の枠体406にも、ダスト誘導部405の幅の広い凹溝405aと連続的に接続するように、幅の広い凹溝406aが形成されている。
(実施形態6)
図16は本発明の実施形態6の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図である。なお、図16において、図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。また、図15では、サイドブラシのブラシ毛は図示省略しているが、点線はサイドブラシの回転範囲を示している。
実施形態6の場合、ダスト誘導部505は、サイドブラシの回転方向(矢印I方向)回転方向に一部沿いかつ筐体2の直進方向に対して斜め方向に形成された幅の広い1本の凹溝505aにて構成されている。また、吸込口31の枠体506にも、ダスト誘導部505の幅の広い凹溝505aと連続的に接続するように、幅の広い凹溝506aが形成されている。
(実施形態7)
図17は本発明の実施形態7の自走式掃除機におけるダスト誘導部を示す部分底面図である。なお、図17において、図6中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。また、図17では、サイドブラシのブラシ毛は図示省略しているが、点線はサイドブラシの回転範囲を示している。
実施形態7の場合、ダスト誘導部605は、実施形態5の凹溝305aと実施形態6の凹溝405aとが合わさった形の幅の広い1本の凹溝605aにて構成されている。また、吸込口31の枠体606にも、ダスト誘導部605の幅の広い凹溝605aと連続的に接続するように、幅の広い凹溝606aが形成されている。
(実施形態8)
図18(A)は図15のV-V矢視断面図であり、図18(B)は実施形態8の自走式掃
除機における筐体前部の断面形状を説明する図18(A)対応図である。
図18(A)に示すように、実施形態1〜7では、床面Fと平行な筐体2の底板2aの下面にダスト誘導部405を形成した場合を例示したが、図18(B)に示すように、ダスト誘導部705の凹溝705aが設けられた筐体702の底板702aの下面が、前方から後方へ向かって床面F側へ傾斜してもよい。
このようにすれば、吸込口31の周囲に枠体706が取り付けられて盛り上がった場合でも、ダスト誘導部705と枠体706との間の段差をより滑らかにすることができるため、ダストを吸込口31へスムーズに誘導することができる。なお、図18(B)において、符号706aは枠体706に設けた凹溝を表している。
(他の実施形態)
1.ダスト誘導部は、実施形態4の円弧状凹溝305aと実施形態5の直線状凹溝405aとが合わさった形の幅の広い1本の凹溝にて構成されてもよい。
2.実施形態5〜7における幅の広い1本の凹溝を、実施形態1〜3のように複数の凹溝5a、複数の凸条の間の溝、または複数の段にしてもよい。
(まとめ)
本発明の自走式掃除機は、吸込口が形成された底板を有する筐体と、前記底板に設けられて前記筐体を床面上で支持しながら前後方向への直進および左右方向への旋回をさせる駆動輪と、前記底板に沿って回転するよう前記吸込口の左右両側の少なくとも一方に設けられたサイドブラシと、床面上のダストを前記吸込口を通して集塵するよう前記筐体内に設けられた集塵部とを備え、前記底板の床面と対向する下面には、前記サイドブラシの回転領域内に前記吸込口へ向かってダストを誘導するダスト誘導部が設けられている。
本発明の自走式掃除機は、次のように構成されてもよい。
(1)前記サイドブラシが前記底板における吸込口の左右両側に設けられると共に、前記ダスト誘導部が前記吸込口の前方であって各サイドブラシの回転領域内に設けられてもよい。
このようにすれば、左右両側のサイドブラシで掻き集めたダストを効率よく吸込口へ誘導することができる。
(2)前記ダスト誘導部が、前記底板の下面に形成された凹溝、前記底板の下面に形成された複数の凸条の間の溝、および前記底板の下面に形成された段のうちの少なくとも1つによって形成されてもよい。
このようにすれば、サイドブラシの回転領域内にダストを吸込口の方へ導く筋状の溝または段部をダスト誘導部として形成することができる。
(3)前記ダスト誘導部が、前記サイドブラシの回転方向、前記回転方向に一部沿った前記筐体の直進方向、または前記回転方向に一部沿いかつ前記直進方向に対して斜め方向に形成された凹溝であってもよい。
このようにすれば、ダスト誘導部の全部および一部の方向がサイドブラシの回転方向と一致するためよりスムーズにダストを吸込口へ誘導することができる。
(4)前記ダスト誘導部が設けられた前記底板の下面が、前方から後方へ向かって下方へ傾斜してもよい。
このようにすれば、ダスト誘導部と吸込口との間に急な段差が形成されなくなるためスムーズにダストを吸込口へ誘導することができる。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
〔付記事項1〕
本発明の一態様に係る発明は、吸込口が形成された底板を有する筐体と、前記底板に設けられて前記筐体を床面上で支持しながら前後方向への直進および左右方向への旋回をさせる駆動輪と、前記底板に沿って回転するよう前記吸込口の左右両側の少なくとも一方に設けられたサイドブラシと、床面上のダストを前記吸込口を通して集塵するよう前記筐体内に設けられた集塵部とを備え、前記底板の床面と対向する下面には、前記サイドブラシの回転領域内に前記吸込口へ向かってダストを誘導するダスト誘導部が設けられている自走式掃除機が提供される。
〔付記事項2〕
本発明の一態様に係る発明は、吸込口が形成された底板を有する筐体と、前記筐体を床面上で支持しながら前後方向への直進および左右方向への旋回をさせる駆動輪と、前記底板に沿って回転するよう前記吸込口の左右両側の少なくとも一方に設けられたサイドブラシと、床面上のダストを前記吸込口を通して集塵するよう前記筐体内に設けられた集塵部とを備え、前記底板の床面と対向する下面には、前記サイドブラシの回転領域内であって前記吸込口の前方に位置し、前記サイドブラシで掻き集めたダストを前記吸込口へ向かって誘導するダスト誘導部が設けられていることを特徴とする自走式掃除機が提供される。
本発明の自走式掃除機によれば、サイドブラシによって掻き集めたダストをダスト誘導部に通過させて効率よく吸込口へ誘導することができる。この際、従来であれば、比較的大きなダスト(例えば塵埃)の塊をサイドブラシにて吸込口の方へ掻き込むと、筐体の前部にダストの塊の一部が引っ掛かって取りこぼしする場合があったが、本発明ではそのようなダストの塊であってもダスト誘導部に沿って吸込口へスムーズに誘導することができる。この結果、ダストの取りこぼしを低減し、吸い込み性能を向上させることができる。
2、702 筐体
2a、702a 底板
5、105、205、305、405、505、605、705 ダスト誘導部
5a、305a、405a、505a、605a、705a 凹溝
10 サイドブラシ
15 集塵部
22L、22R 駆動輪
31 吸込口
105a 凸条
105b 溝
205a 段

Claims (5)

  1. 吸込口が形成された底板を有する筐体と、
    前記筐体を床面上で支持しながら前後方向への直進および左右方向への旋回をさせる駆動輪と、
    前記底板に沿って回転するよう前記吸込口の左右両側の少なくとも一方に設けられたサイドブラシと、
    床面上のダストを前記吸込口を通して集塵するよう前記筐体内に設けられた集塵部と、を備え、
    前記底板の床面と対向する面には、前記サイドブラシの回転領域内であって前記吸込口を前方に投影した領域に位置し、前記サイドブラシで掻き集めたダストを前記吸込口へ向かって誘導するダスト誘導部が設けられており、
    前記ダスト誘導部は、前記筐体の直進方向に対して前方から後方へ向かうにつれ内側に向かうように形成された第一ダスト誘導部と、前記第一ダスト誘導部の後方であって前記筐体の直進方向に沿うように形成された第二ダスト誘導部とからなることを特徴とする自走式掃除機。
  2. 前記吸込口の斜め前方に前記サイドブラシを設けることを特徴とする請求項1に記載の自走式掃除機。
  3. 前記吸込口の左右両側に前記サイドブラシを設けることを特徴とする請求項1または2に記載の自走式掃除機。
  4. 前記サイドブラシが前記駆動輪の前方に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の自走式掃除機。
  5. 前記駆動輪の一部は、前記床面から垂直な方向に見た場合に、前記サイドブラシの回転領域内に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自走式掃除機。
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