JP6512628B2 - 湯水混合栓 - Google Patents
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Description
湯水混合栓100は、外筺となる筒状に形成したケース101内に、ケーシング102がカートリッジ状に組み込まれている。このケーシング102の周壁には、湯流入口Hと水流入口Cとが軸方向に並列に設けられている。
また、前記湯流入口Hと水流入口Cの内面側に、湯弁座103と水弁座104が軸方向に並列に、かつ軸線に対して互いに向き合うように形成されている。
この制御弁体107は、ケーシング102に支承せしめた感温バネ108の先端側に当接している。また前記制御弁体107には、バイアスバネ110の他端が当接している。このバイアスバネ110の一端は、調整ネジ111に取り付けられた支持シャフト109のフランジ109aの一端に当接している。
即ち、この制御弁体107は、前記感温バネ108とバイアスバネ110とのバネの釣り合いにより、軸方向に移動可能に構成されている。
その結果、この制御弁体107も軸方向(図4の左方)に移動し、湯弁105と水弁106は所定の開度になされ、混合水の温度が所定温度(設定温度)になされ、吐出口Mから所定温度の混合水が導出される。
この感温バネ108のばね定数が変化することによって(バイアスバネ110のばね定数は一定)、制御弁体107(湯弁105と水弁106)は軸方向に移動し、湯流入口Hと水流入口Cとから流入する湯量と水量との制御が行われ、混合水の温度が設定温度に維持される。
尚、前記温調ハンドル112には、突起112aが設けられ、例えば、温度40℃の基準点Pを示している。また、使用者は前記突起112aに指を掛けて、温調ハンドル112を操作する。
即ち、湯水混合栓からは、温調ハンドル112を約340度回動させることにより、例えば、20℃〜50℃の温度の温水が得られるように、設定することができるように構成されている。
また、温調ハンドル112の小さな角度の回動で、20℃〜50℃の温度の温水が得られるように構成した場合、僅かな回転で温度変化が生じる。そのため、温調ハンドル112を操作した際に、混合水の温度が急激に高温もしくは低温になるという技術的課題があった。
また、温調ハンドル112の回動角度を小さくした際に生じる、僅かな角度で混合水の温度が急激に高温もしくは低温になるという新たな課題について、従来と同様な温度変化となるように、鋭意研究し、本発明を完成するに至った。
また、前記温調ハンドルの回動角度に対する、温度上昇率の最大値が回動角度1度で0.2℃/度以下(38〜42℃の吐水温度領域)になるように構成されているため、温調ハンドルを操作した際にも、急激な混合水の温度上昇を抑制することができる。
尚、好ましくは、前記温調ハンドルが、基準温度を基点として一方側に90度以下回動することによって、前記制御弁体が前記湯流入口を完全に開き、かつ、他方側に90度以下回動することによって、前記制御弁体が前記湯流入口を完全に閉じるように構成するのが良い。
このように、最低温度状態と最高温度状態を維持する領域として、温調ハンドルは少なくとも各20度を有している。
そのため、前記温調ハンドルを回動させた際、急激な温度上昇あるいは急激な温度下降がなく、使用し易く、操作も容易である。
図1に示すように、湯水混合栓1は、外筺となる筒状に形成したケース(図示せず)内に、ケーシング2がカートリッジ状に組み込まれている。このケーシング2の周壁には、湯流入口Hと水流入口Cとが軸方向に並列に設けられている。
また、前記湯流入口Hと水流入口Cの内面側に、湯流入口Hおよび水流入口Cの開閉割合を変化させる湯弁座3と水弁座4が軸方向に並列に、かつ軸線に対して互いに向き合うように形成されている。
前記湯弁5と水弁6は、前記制御弁体7の筒状部7aの外周面に形成され、制御弁体7の筒状部7aの外側底面は、ケーシング2に支承せしめた感温バネ8の端部が当接している。
また前記制御弁体7の筒状部7aの内側底面は、バイアスバネ9の一端が当接している。このバイアスバネ9の他端は、支持シャフト10に形成された第1のフランジ10aに当接している。
即ち、この制御弁体7は、前記感温バネ8とバイアスバネ9との釣り合いにより、軸方向(図1の左右方向)に移動可能に構成されている。
また、前記温調ハンドル112の回転軸12には、前記第1の調整ねじ体11と螺合する第2の調整ねじ体13が設けられている。
前記第2の調整ねじ体13は、温調ハンドル112の回転軸12を回動させることにより一体に回動し、この第2の調整ねじ体13と螺合する第1の調整ねじ体11を、支持シャフト10に沿って移動させる(図1において第1の調整ねじ体11は、左右方向に移動する)。
一方、前記第1の調整ねじ体11の底面11aが、支持シャフト10の第2のフランジ10bに当接した後は、前記支持シャフト10は移動し、バイアスバネ9を圧縮し、制御弁体7を移動させる。
これにより、湯弁5及び水弁6が移動し、湯流入口Hおよび前記水流入口Cの開閉割合を変化させる。
この引き上げバネ14は、温調ハンドル112の回転軸12を元の状態へ回動させた際、前記支持シャフト10を引き上げ、元の状態に復帰させるためのものである。
また、第1の調整ネジ体11が、引き上げられている状態から最も移動している状態(図1において最も右に移動している状態)のときには、制御弁体7が水流入口Cを閉め切り、高温の湯を吐出する設定となるように構成されている。
そして、制御弁機構が、利用者の望む設定温度の混合水を吐出させるように制御弁体7の位置を設定している状態において、水圧の低下などで流入してくる水の流量が減少し、それにより混合室15内における混合水の温度が上昇したとすると、以下のように制御弁体7を制御する。
これにより、湯弁座3と湯弁5との間隔が狭くなり湯の流入量を減少させる。また、一方、水弁座4と水弁6との間隔が広くなり水の流入量を増加させる。この結果、制御弁機構は、混合水の温度を低下させる。
具体的には、水圧の上昇などで流入してくる水の流量が増大し、混合室15内の混合水の温度が低下してきた場合、それを感知するバネである感温バネ8が発生荷重を小さくするように作動する。そして、感温バネ8が発生荷重を小さくするよう作動すると、減少した荷重分だけバイアスバネ9が伸び出して制御弁体7を水弁座4側に付勢する。
これにより、湯弁座3と湯弁5との間隔が広くなり湯の流入量を増加させる。また、一方、水弁座4と水弁6との間隔が狭く、水の流入量を減少させる。これにより低下してきた混合水の温度を上昇させる。
好ましくは、前記温調ハンドル112(回転軸12)が、基準温度を基点Pとして一方向に90度以下回動することによって、前記制御弁体7が前記湯流入口Hを完全に閉じ、かつ、他方向に90度以下回動することによって、前記制御弁体7が前記湯流入口Hを完全に開くように構成するのが良い。
即ち、吐出される混合水が、温調ハンドル112の200度以下の角度を回動させることにより、例えば、20℃〜50℃の温度の混合水(水〜混合水〜湯)が得られるように、設定される。
このように、最低温度状態と最高温度状態を維持する領域として、温調ハンドル112はθ3、θ4(少なくとも各20度)を有している。そのため、前記温調ハンドル112を回動させた際、急激な温度上昇あるいは急激な温度下降がなく、使用し易く、操作も容易である。
即ち、この距離寸法L1は、温調ハンドル112を回動させた際、急激な温度上昇がないように設けられており、この距離寸法L1を全く形成しないことは好ましくない。この最低温度状態(水のみが供給される状態)を維持する領域として、温調ハンドル112の回動角度として、少なくとも20度形成することによって、操作性が向上し、不用意に急激な温度上昇となることを抑制することができる。
即ち、温調ハンドル112の僅かの回動で、制御弁体7を大きく移動させることができ、前記距離寸法L1に要する回動角度を小さくすることができる。
即ち、第1のフランジ10aの厚さをより厚くすることにより、温調ハンドルの僅かの回動でバイアスバネ9を圧縮することができる。(高温設定ができる)
しかしながら、この第1のフランジ10aの厚さは、バイアスバネ9の圧縮量を考慮して、前記温調ハンドル112の僅かな回動角度の変化によって、急激な温度変化をもたらすことがないように設定される。
このように条件を満足するように設定されている場合には、温調ハンドル112を操作した際にも、急激な混合水の温度上昇を抑制することができる。
しかしながら、バイアスバネ9の定数は、前記温調ハンドル112の僅かな回動角度の変化によって、急激な温度変化をもたらすことがないように、上記したように、温度上昇率の最大値が回動角度1度で0.2℃/度以下(38〜42℃の吐水温度領域)となるように、バイアスバネ9の定数を設定する必要がある。
しかしながら、前記温調ハンドル112の僅かな回動角度の変化によって、急激な温度変化をもたらすため、上記したように温度上昇率の最大値が回動角度1度で0.2℃/度以下(38〜42℃の吐水温度領域)となるように、前記間隔寸法L2を設定する必要がある。
また、比較例において、第1のフランジの厚さを、1.5mmのものに交換し、その他は比較例と同一の部品を用いた湯水混合栓を作成した(比較例)。
そして、湯水混合栓に供給される水の温度を20℃、湯の温度を50℃とし、温調ハンドル112の回動角度と、混合水温度の関係を確認した。
その結果を、図3に示す。
一方、実施例では、温度40℃を温調ハンドル112の回動角度0度として、温調ハンドル112を−80度回動させることにより、湯が混合されていない状態の20℃の水が導出される状態になった。
また、実施例における38〜42℃の吐水温度領域では、前記温調112の回動角度に対する、温度上昇率の最大値が回動角度1度で0.2℃/度以下であり、比較例では、回動角度1度で0.3℃/度以下であった。
これから分かるように、実施例の方が回動角度1度あたりの温度変化が少なく、好適に使用できることが確認された。
2 ケーシング
3 湯弁座
4 水弁座
5 湯弁
6 水弁
7 制御本体
8 感温バネ
9 バイアスバネ
10 支持シャフト
10a 第1のフランジ
10b 第2のフランジ
11 第1の調整ねじ体
12 回転軸
13 第2の調整ねじ体
14 引き上げバネ
15 混合室
C 水流入口
H 湯流入口
Claims (3)
- 温度調節の操作を受け付ける温調ハンドルと、前記温調ハンドルの操作により湯水の温度を調整する制御弁機構と、前記制御弁機構が収容されると共に、湯流入口および水流入口が形成されたケーシングとを備えた本体部とを有し、
前記制御弁機構が、
ばね定数が一定の材質の素材よりなるバイアスバネと、
温度変化に応じて伸縮作動する感温バネと、
前記バイアスバネおよび前記感温バネから受ける荷重のバランスにより、前記湯流入口および前記水流入口の開閉割合を変化させる制御弁体と、
を備えた湯水混合栓であって、
吐出温度の基準温度の基点を示す突起が前記温調ハンドルの周面に設けられ、
前記突起が、前記本体部が取り付けられる壁面から最も離れた位置にある場合に、吐出温度が基準温度とされ、
前記突起を、前記本体部が取り付けられる壁面から最も離れた位置から一方側に100度以下回動することによって、前記制御弁体が前記湯流入口を完全に開き、かつ、他方側に100度以下回動することによって、前記制御弁体が前記湯流入口を完全に閉じ、
更には、水流入口に供給される水の温度を20℃、湯流入口に供給される湯の温度を50℃とした際、
38〜42℃の吐水温度領域における、前記温調ハンドルの回動角度に対する、温度上昇率の最大値が、20℃〜38℃未満の吐水温度領域における前記温調ハンドルの回動角度に対する温度上昇率の最大値よりも小さく、回動角度1度で0.2℃/度以下であることを特徴とする湯水混合栓。 - 前記温調ハンドルは、前記制御弁体が前記湯流入口を完全に閉じた状態で更に少なくとも20度回動し、かつ、前記制御弁体が前記湯流入口を完全に開いた状態で更に少なくとも20度回動することを特徴とする請求項1記載の湯水混合栓。
- 前記温調ハンドルの回動域が240度以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の湯水混合栓。
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