JP6511326B2 - 着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置 - Google Patents

着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置に関する。
着色組成物は、カラーフィルタ等の製造に用いられている。近年、カラーフィルタは、液晶表示素子用途においてモニターのみならずテレビへと用途が拡大する傾向にある。この用途拡大の傾向に伴い、カラーフィルタには、輝度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途のカラーフィルタにおいても、同様に色ムラの低減、色分解能の向上など色特性の更なる向上が求められるようになっている。
近年の色度要請を充足するため、着色剤として染料を利用する技術が開発されている(例えば、特許文献1、2)。このうち、青色の色相を持つカラーフィルタについては、トリアリールメタン染料を着色剤として用いる技術が提案されている(例えば、特許文献3〜5)。
また、トリアリールメタン染料を多量体化して不溶化する手法も提案されている(特許文献6)。
また、特許文献7には、蛍光染料に、有機顔料骨格またはアミノベンゼン骨格に、塩基性官能基、酸性官能基またはフタルイミド骨格を有する官能基が結合した化合物からなる消光剤を添加して、コントラストを高める技術が提案されている。
特許第3387541号公報 特開2008−292970号公報 国際公開第2011/162217号 特開2011−70171号公報 特開2011−116802号公報 特開2013−57053号公報 特開2013−101166号公報
特許文献1〜2には、着色剤として染料を用いることが記載されているが、トリアリールメタン染料に関する記載はない。
一方、特許文献3〜5には、トリアリールメタン染料を用いる技術が開示されているが、特許文献3〜5に開示された方法では、輝度やコントラストが不十分であった。
また、特許文献6では、トリアリールメタン染料を多量体化して不溶化し、膜中での移動度を抑制している。しかしながら、本発明者らの検討によれば、トリアリールメタン染料を不溶化することで、分子状態での発色という染料の特性が失われ、良好な輝度やコントラストを得ることが難しいことが分かった。
また、特許文献7では、蛍光染料に消光剤を添加してコントラスト向上を図っているが、本発明者らの検討によれば、輝度およびコントラストが不十分であることが分かった。
よって、本発明の目的は、輝度およびコントラストが良好な膜を形成できる、着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置を提供することにある。
本発明者らが、鋭意検討した結果、特定のトリアリールメタン構造を有する繰り返し単位を少なくとも1種有するポリマーであるトリアリールメタン染料と、分子量が1000以下の非共有電子対を含む電子供与性化合物とを併用することで、トリアリールメタン染料の膜中での凝集を抑制でき、輝度およびコントラストが良好な膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は以下を提供する。
<1> トリアリールメタン染料と、非共有電子対を含む電子供与性化合物と、溶剤とを含み、
トリアリールメタン染料は、一般式(TP1)、および、一般式(TP2)から選ばれるトリアリールメタン構造を有する繰り返し単位Aを少なくとも1種有するポリマーであり、
非共有電子対を含む電子供与性化合物は、分子量が1000以下であり、かつ、ラジカル開始剤、連鎖移動剤および重合性化合物以外の化合物である、着色組成物;
一般式(TP1)および(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp5、Rtp6、Rtp8、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表す;Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表す;Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp10は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す;a、b、cおよびdが2以上の場合、Rtp5同士、Rtp6同士、Rtp8同士およびRtp9同士は、互いに連結して環を形成してもよい;Xはアニオンを表すか、Xは存在せずにRtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも1つがアニオンを含む;Rtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72のいずれかが繰り返し単位Aとの結合部位を表す。
<2> 非共有電子対を含む電子供与性化合物は、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含む化合物である、<1>に記載の着色組成物。
<3> 非共有電子対を含む電子供与性化合物は、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含むヘテロ環を有する化合物である、<1>または<2>に記載の着色組成物。
<4> ヘテロ環は、窒素原子を2個以上有する、<3>に記載の着色組成物。
<5> ヘテロ環は、芳香族環である、<3>または<4>に記載の着色組成物。
<6> ヘテロ環は、縮合環である、<3>〜<5>のいずれかに記載の着色組成物。
<7> 非共有電子対を含む電子供与性化合物は、1級水酸基または2級水酸基を有する化合物である、<1>に記載の着色組成物。
<8> トリアリールメタン染料と、非共有電子対を含む電子供与性化合物と、溶剤とを含み、
トリアリールメタン染料は、一般式(TP1)、および、一般式(TP2)から選ばれるトリアリールメタン構造を有する繰り返し単位Aを少なくとも1種有するポリマーであり、
非共有電子対を含む電子供与性化合物は、分子量が1000以下であり、かつ、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含む芳香族ヘテロ環を有する化合物である、着色組成物;
一般式(TP1)および(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp5、Rtp6、Rtp8、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表す;Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表す;Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp10は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す;a、b、cおよびdが2以上の場合、Rtp5同士、Rtp6同士、Rtp8同士およびRtp9同士は、互いに連結して環を形成してもよい;Xはアニオンを表すか、Xは存在せずにRtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも1つがアニオンを含む;Rtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72のいずれかが繰り返し単位Aとの結合部位を表す。
<9> Xが、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、下記一般式(A1)で表される構造および下記一般式(A2)で表される構造から選択される少なくとも1種の構造を有するアニオンである、<1>〜<8>のいずれかに記載の着色組成物;
一般式(A1)
一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す;
一般式(A2)
一般式(A2)中、R3は、−SO2−または−CO−を表す;R4およびR5はそれぞれ独立して−SO2−、−CO−または−CNを表す。
<10> トリアリールメタン染料は、更に、重合性基を含む繰り返し単位を有する、<1>〜<9>のいずれかに記載の着色組成物。
<11> 更に、重合性化合物および光重合開始剤を含む、<1>〜<10>のいずれかに記載の着色組成物。
<12> 更に、アルカリ可溶性樹脂を含む、<1>〜<11>のいずれかに記載の着色組成物。
<13> カラーフィルタの着色層形成用である、<1>〜<12>のいずれかに記載の着色組成物。
<14> <1>〜<13>のいずれかに記載の着色組成物を硬化してなる硬化膜。
<15> <14>に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ。
<16> <1>〜<13>のいずれかに記載の着色組成物を用いて基材上に着色組成物層を形成する工程と、着色組成物層をパターン状に露光する工程と、着色組成物層の未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程と、を含むカラーフィルタの製造方法。
<17> <15>に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
<18> <15>に記載のカラーフィルタを有する画像表示装置。
本発明によれば、輝度およびコントラストが良好な膜を形成できる、着色組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置を提供することが可能となった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、全固形分とは、着色組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また、固形分濃度は、特に述べない限り25℃における濃度をいう。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
本明細書におけるモノマーは、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、特に述べない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算値として定義する。
<着色組成物>
本発明の着色組成物は、トリアリールメタン染料と、非共有電子対を含む電子供与性化合物と、溶剤とを含む。トリアリールメタン染料は、後述する特定のトリアリールメタン構造を有する繰り返し単位Aを少なくとも1種有するポリマーである。また、非共有電子対を含む電子供与性化合物は、分子量が1000以下であり、かつ、重合開始剤、連鎖移動剤および重合性化合物以外の化合物である。
このような構成とすることにより、トリアリールメタン染料である上記ポリマー(以下トリアリールメタン染料ポリマーともいう)の膜中での凝集を抑制でき、輝度およびコントラストが良好な膜を形成することが可能となった。このような効果が得られるメカニズムとしては次によるものと推測している。
トリアリールメタン染料を、アクリルモノマーなどと重合して、トリアリールメタン染料の、溶剤に対する溶解性を保持したままポリマー化することで、膜中でトリアリールメタン染料ポリマーが捕らえられ易くなるため、分子状態での発色と言う特性を保持したままで溶出を抑制することが可能である。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、溶剤に対する溶解性を有したトリアリールメタン染料ポリマーを用いたとしても、ポリマー化による分子量の増大により、膜中でトリアリールメタン染料ポリマーが凝集し易くなり、輝度やコントラストが低下しやすいことが分かった。この原因は完全に明らかではないが、トリアリールメタン染料のポリマー化によって、トリアリールメタン染料の電気的性質が変わるためと推定している。その仮説を以下に述べる。
一般的にトリアリールメタン染料は、カチオン染料として存在し、アニオンとの相互作用によって電荷を中和している。ここで、トリアリールメタン染料のポリマー化に伴い、トリアリール染料モノマーと共重合した成分の存在などによって、トリアリールメタン周辺の立体障害が増加して、アニオンとの相互作用が起こり難くなり、電荷の中和が不完全になると考えられる。電荷の中和が不完全な状態では、溶剤に対する溶解性が低下する傾向にある。これにより、トリアリールメタン染料ポリマーが、膜中で凝集しやすくなったと考えられる。
このように、膜中では、トリアリールメタン染料ポリマーは、膜中の成分の影響により、アニオンとの相互作用が阻害されて、トリアリールメタン染料ポリマーが凝集しやすいと考えられていたが、上記電子供与性化合物を用いることにより、膜中におけるトリアリールメタン染料ポリマーの正電荷の中和不足を緩和できると考えられる。その結果、膜中における他の成分との相溶性が改善して、分子状態での発色と言う染料としての特性を維持でき、輝度およびコントラストが良好な膜を形成することが可能となったと考えられる。更には、上記電子供与性化合物は、分子量が1000以下であるため、質量あたりの電子供与性基当量が高く、少量でも優れた効果が得られる。
更には、本発明によれば、優れた耐熱性も得ることができる。詳細なメカニズムは不明であるが、トリアリールメタン染料の凝集が解消されたことでトリアリールメタンとアニオンが近接し易くなり、トリアリールメタンカチオンの電荷の中和が促進されたことが要因と考えられる。本発明者らの検討によれば、トリアリールメタン染料の熱分解は、色素構造の中心部分にある炭素が求核的攻撃を受け、周辺の結合が切断されることによると推定する。トリアリールメタン染料の電荷中和が不十分であると、トリアリールメタンは求核攻撃を受け易いため、耐熱性が低下すると推測される。本発明によれば、上記電子供与性化合物により、トリアリールメタン染料の電荷の中和不足を緩和できるため、トリアリールメタン染料が求核攻撃を受けにくくなり、耐熱性が向上したと推測する。
以下、本発明の着色組成物の各成分について詳細に説明する。
<<トリアリールメタン染料>>
本発明におけるトリアリールメタン染料は、一般式(TP1)、および、一般式(TP2)から選ばれるトリアリールメタン構造を有する繰り返し単位Aを少なくとも1種有するポリマーである。
本発明で用いるトリアリールメタン染料は、本発明の着色組成物に含まれる溶剤(25℃)に対する溶解度が1(g/100g−solvent)以上であることが好ましく、3(g/100g−solvent)以上であることがより好ましい。
なお、本発明における溶解度の値は、後述する実施例に示す方法で測定した値である。本発明の着色組成物が溶剤を2種類以上含む場合、上記トリアリールメタン染料の溶解度は、本発明の着色組成物が含有する溶剤のうち、最も含有量の多い溶剤に対する値とする。また、2種類以上の溶剤が同じ質量する場合は、それぞれの溶剤に対する値を意味する。
また、本発明で用いるトリアリールメタン染料は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(25℃)に対する溶解度が1(g/100g−solvent)以上であることが好ましく、3(g/100g−solvent)以上であることがより好ましい。
<<<繰り返し単位A>>>
本発明におけるトリアリールメタン染料が有する繰り返し単位Aは、下式一般式(A)で表される構造が好ましい。繰り返し単位Aは、ポリマーの全繰り返し単位中に10〜100質量%含むことが好ましい。上限は、95質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。下限は、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。繰り返し単位Aの含有量が上記範囲であれば、輝度およびコントラストがより良好となる。
一般式(A)中、X1は、繰り返し単位の主鎖を表す。L1は単結合または2価の連結基を表す。DyeIは、後述する一般式(TP1)、または、一般式(TP2)で表されるトリアリールメタン構造を表す。
一般式(A)中、X1は、繰り返し単位の主鎖を表し、通常、重合反応で形成される連結基を表し、例えば、(メタ)アクリル基、スチレン基、ビニル基、エーテル基を有する化合物由来の主鎖が好ましい。また、主鎖環状のアルキレン基を有する態様も好ましい。なお、2つの*で表された部位で他の繰り返し単位と結合している。
1としては、公知の重合可能なモノマーから形成される連結基であれば得に制限ないが、特に下記(XX−1)〜(X−24)で表される連結基が好ましく、(XX−1)および(XX−2)で表される(メタ)アクリル系連結鎖、(XX−10)〜(XX−17)で表されるスチレン系連結鎖、(XX−18)および(XX−19)、並びに、(XX−24)で表されるビニル系連結鎖から選択されることがより好ましく、(XX−1)および(XX−2)で表される(メタ)アクリル系連結鎖、(XX−10)〜(XX−17)で表されるスチレン系連結鎖、(XX−24)で表されるビニル系連結鎖から選択されることがより好ましく、(XX−1)および(XX−2)で表される(メタ)アクリル系連結鎖および(XX−11)で表されるスチレン系連結鎖がより好ましい。
(XX−1)〜(X−24)中、*で示された部位でL1と連結していることを表す。Meはメチル基を表す。また、(XX−18)および(XX−19)中のRは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはフェニル基を表す。
また、X1およびL1の組み合わせの具体例としては以下も好ましい。下記具体例中、nは、1〜9の整数を表す。また、*で示された部位でDyeIと連結していることを表す。
一般式(A)中、L1は単結合または2価の連結基を表す。L1が2価の連結基を表す場合、2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−CH=CH−、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−CONR−、−COO−、−OCO−、−SO2−およびこれらを2以上組み合わせた連結基が好ましい。ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
アルキレン基の炭素数は、1〜30が好ましい。上限は、25以下がより好ましく、20以下が更に好ましい。下限は、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、5以上が特に好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アリーレン基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。
1は、アルキレン基、アリーレン基、−NH−、−CO−、−O−、−COO−、−OCO−およびこれらを2以上組み合わせた連結基が好ましく、アルキレン基、アリーレン基および、これらと、−O−、−COO−および−OCO−から選ばれる1種以上とを組み合わせてなる2価の基がより好ましく、アルキレン基、または、アルキレン基同士が−O−、−COO−および−OCO−から選ばれる1種以上を介して連結されている連結基がさらに好ましい。
1は、X1とDyeIとをつなぐ鎖を構成する原子の数は、1以上であることが好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、5以上が特に好ましい。上限は、例えば、20以下が好ましい。この態様によれば、ポリマーTPの合成の際に、未反応または、反応が不十分な低分子のトリアリールメタン化合物を効果的に抑制できる。例えば、以下の場合、X1とDyeIとをつなぐ鎖を構成する原子の数は10個である。なお、構造式に併記した数字は、X1とDyeIとをつなぐ鎖を構成する原子の数である。
なお、L1が単結合を表す場合、X1は、一般式(TP1)および(TP2)中のRtp1〜Rtp11、Rtp71及びRtp72のいずれかと結合しており、Rtp71またはRtp72と結合していることが好ましい。
1が2価の連結基を表す場合、L1は、一般式(TP1)および(TP2)中のRtp1〜Rtp11、Rtp71及びRtp72のいずれかと結合しており、Rtp71またはRtp72と結合していることが好ましい。
<<<<トリアリールメタン構造>>>>
次に、繰り返し単位Aが有するトリアリールメタン構造について説明する。
繰り返し単位Aは、一般式(TP1)、および、一般式(TP2)から選ばれるトリアリールメタン構造を有する。
一般式(TP1)および(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp5、Rtp6、Rtp8、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表す;Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表す;Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp10は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す;a、b、cおよびdが2以上の場合、Rtp5同士、Rtp6同士、Rtp8同士およびRtp9同士は、互いに連結して環を形成してもよい;X-はアニオンを表すか、X-は存在せずにRtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも1つがアニオンを含む;Rtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72のいずれかが繰り返し単位Aとの結合部位を表す。
一般式(TP1)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。Rtp1およびRtp2のいずれか一方がアルキル基で、他方がアリール基であることが好ましい。Rtp3およびRtp4のいずれか一方がアルキル基で、他方がアリール基であることが好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状または分岐状が好ましい。アルキル基は、無置換が好ましい。置換基としては、後述する置換基Aの項で挙げた置換基および後述する一般式(P)で置換された構造が挙げられる。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、後述する置換基Aの項で挙げた置換基および後述する一般式(P)で置換された構造が挙げられる。
一般式(TP1)中、Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表し、水素原子またはNRtp71Rtp72が好ましく、NRtp71Rtp72がより好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、後述する置換基Aの項で挙げた置換基および後述する一般式(P)で置換された構造が挙げられる。アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。
Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、環状が好ましい。アルキル基は、置換されていてもよい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、後述する置換基Aの項で挙げた置換基および後述する一般式(P)で置換された構造が挙げられる。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。アリール基が有していてもよい置換基は、後述する置換基Aの項で挙げた置換基および後述する一般式(P)で置換された構造が挙げられる。
一般式(TP1)中、Rtp5、Rtp6およびRtp8は、それぞれ独立して置換基を表す。置換基としては、後述する置換基Aの項で挙げた置換基および後述する一般式(P)で置換された構造が挙げられる。特に、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、炭素数6〜15のアリール基、カルボキシル基またはスルホ基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐のアルキル基、炭素数1〜5のアルケニル基、フェニル基またはカルボキシル基がさらに好ましい。特に、Rtp5およびRtp6は、それぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。また、Rtp8は、2つのアルケニル基が互いに結合して、環を形成していることが好ましい。環は、ベンゼン環が好ましい。
一般式(TP1)中、a、bおよびcは、それぞれ独立して0〜4の整数を表し、特にaおよびbは、0または1を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。cは、0〜2を表すことが好ましい。
一般式(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表し、一般式(TP1)中のRtp1〜Rtp4と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(TP2)中、Rtp5およびRtp6は、それぞれ独立して置換基を表し、一般式(TP1)中のRtp5およびRtp6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(TP2)中、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表し、後述する置換基Aの項で挙げた置換基を用いることができる。
Rtp9は、アリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましく、フェニル基がより好ましい。
Rtp11は、アルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖状または分岐状が好ましく、直鎖状がより好ましい。
一般式(TP2)中、Rtp10は、置換基を表し、後述する置換基Aの項で挙げた置換基および後述する一般式(P)で置換された構造を用いることができる。特に、Rtp10は、炭素数6〜12のアリール基がより好ましく、フェニル基がより好ましい。
一般式(TP2)中、a、bおよびdは、それぞれ独立して0〜4の整数を表し、特にaおよびbは、0または1を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。dは、0〜2を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。
一般式(TP1)および一般式(TP2)において、Rtp1〜Rtp11、Rtp71及びRtp72のいずれかが繰り返し単位との結合部位を表し、特に、Rtp71またはRtp72が繰り返し単位との結合部位であることが好ましい。
一般式(TP1)および一般式(TP2)において、Rtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも1つは、アニオンを含んでいてもよい。
アニオンとしては、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、ビス(スルホニル)イミドアニオン、トリス(スルホニル)メチドアニオンおよびテトラアリールボレートアニオンが好ましく、ビス(スルホニル)イミドアニオン、トリス(スルホニル)メチドアニオンおよびテトラアリールボレートアニオンがより好ましく、ビス(スルホニル)イミドアニオンおよびトリス(スルホニル)メチドアニオンが更に好ましい。
具体的には、Rtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも1つが、一般式(P)で置換された構造が挙げられる。
一般式(P)
一般式(P)中、Lは単結合または2価の連結基を表し、X1は、アニオンを表す。
一般式(P)中、Lは単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、−NR10−、−O−、−SO2−、フッ素原子を含むアルキレン基、フッ素原子を含むアリーレン基またはこれらの組み合わせからなる基を表すことが好ましい。特に、−NR10−と−SO2とフッ素原子を含むアルキレン基との組み合わせからなる基、−O−とフッ素原子を含むアリーレン基との組み合わせからなる基、または、−NR10−と−SO2とフッ素原子を含むアルキレン基との組み合わせからなる基が好ましい。
−NR10−において、R10は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、水素原子が好ましい。
フッ素原子を含むアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。これらのアルキレン基は、パーフルオロアルキレン基がより好ましい。フッ素置換アルキレン基の具体例としては、ジフルオロメチレン基、テトラフルオロエチレン基、ヘキサフルオロプロピレン基などが挙げられる。
フッ素原子を含むアリーレン基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。フッ素原子を含むアリーレン基の具体例としては、テトラフルオロフェニレン基、ヘキサフルオロ−1−ナフチレン基、ヘキサフルオロ−2−ナフチレン基などが挙げられる。
一般式(P)中、X1は、アニオンを表し、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、下記一般式(A1)で表される構造を含む基および下記一般式(A2)で表される構造を含む基から選択される少なくとも1種から選択されることが好ましい。
一般式(A1)
一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。
一般式(A2)
一般式(A2)中、R3は、−SO2−または−CO−を表す。R4およびR5はそれぞれ独立して−SO2−、−CO−または−CNを表す。
一般式(A1)で表される構造を含む基は、一般式(A1)中、R1およびR2の一方の末端に、フッ素置換アルキル基を有することが好ましく、R1およびR2の一方が直接フッ素置換アルキル基と結合していることがより好ましい。フッ素置換アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1または2がよりさらに好ましく、1が特に好ましい。これらのアルキル基は、パーフルオロアルキル基がより好ましい。フッ素置換アルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基が好ましい。
一般式(A2)で表される構造を含む基は、一般式(A2)中、R3〜R5の少なくともいずれかの末端に、フッ素置換アルキル基を有することが好ましく、R3〜R5の少なくともいずれかが直接フッ素置換アルキル基と結合していることがより好ましい。特に、R3〜R5の少なくとも2つの末端に、フッ素置換アルキル基を有することが好ましく、R3〜R5の少なくとも2つが直接フッ素置換アルキル基と結合していることがより好ましい。フッ素置換アルキル基は、一般式(A1)で表される構造を含む基で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。
その他、X1の具体例としては、後述する対アニオンAが挙げられる。この場合、対アニオンAを構成するいずれか1つの水素原子またはハロゲン原子が一般式(P)中のLと結合している。
一般式(TP1)および(TP2)中、一般式(P)で置換されている部分は1箇所だけ存在していてもよいし、2箇所以上存在していてもよい。一般式(P)で置換されている部分が2箇所以上存在している場合、ポリマーには、トリアリールメタン構造に含まれるカチオン以外に、アニオンの数に対応する数のカチオンが存在することが好ましい。
一般式(TP1)および一般式(TP2)において、Xはアニオンを表す。一般式(TP1)および一般式(TP2)において、Xは存在していてもよく、存在していなくてもよい。
一般式(TP1)および一般式(TP2)において、Xが存在している場合は、アニオンは、トリアリールメタン構造の分子外に有していることを意味する。また、アニオンが、トリアリールメタン構造の分子外に有するとは、トリアリールメタン構造とアニオンが共有結合を介して結合せず、別化合物として存在している場合をいう。以下、トリアリールメタン構造の分子外のアニオンを対アニオンともいう。
対アニオンとしては、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、シアン化物イオン、過塩素酸アニオン、ボレートアニオン(BF4-等)、PF6-およびSbF6-等が挙げられる。
ボレートアニオンとしては、B(R104-で表される基であり、R10は、フッ素原子、シアノ基、フッ化アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が例示される。
対アニオンは、アニオン部を有する化合物であってもよい。すなわち、アニオン部が化合物の構造の一部として含まれていてもよい。アニオン部が化合物の構造の一部として含まれる場合としては、繰り返し単位を有する重合体(ポリマー)の一部に含まれていても、分子量が2000以下の、いわゆる低分子化合物に含まれていても良い。低分子化合物の場合、アニオン部と共に、アルキル基、アリール基および重合性基の少なくとも1種が含まれる態様が例示される。
本発明において、対アニオンの分子量は、2000以下が好ましく、1500以下がより好ましい。下限は、例えば、17以上が好ましい。なお、本発明において、多価アニオンの分子量は、構造式から求めた理論値である。
また、対アニオンは、タングステン、ケイ素、リンおよびアルミニウムから選ばれる元素を含まないことも好ましい。これらの元素を含まない対アニオンを用いることで、トリアリールメタン染料のレーキ化を抑制して、溶解性を高めることができる。
対アニオンが、アニオン部を有する化合物である場合、アニオン部は、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、下記一般式(A1)で表される構造および下記一般式(A2)で表される構造から選択される少なくとも1種が好ましい。
一般式(A1)
(一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。)
一般式(A1)中、R1およびR2の少なくとも1つが−SO2−を表すことが好ましく、R1およびR2の両方が−SO2−を表すことがより好ましい。
上記一般式(A1)は、下記一般式(A1−1)で表されることがより好ましい。
一般式(A1−1)
(一般式(A1−1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す。X1およびX2は、それぞれ独立してアルキレン基またはアリーレン基を表す。)
一般式(A1−1)中、R1およびR2は、一般式(A1)中のR1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1がアルキレン基を表す場合、アルキレン基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。X1がアリーレン基を表す場合、アリーレン基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましく、6がさらに好ましい。X1が置換基を有する場合、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
2は、アルキレン基またはアリーレン基を表し、アルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素数は、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1が特に好ましい。X2が置換基を有する場合、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
一般式(A2)
(一般式(A2)中、R3は、−SO2−または−CO−を表す。R4およびR5はそれぞれ独立して−SO2−、−CO−または−CNを表す。)
一般式(A2)中、R3〜R5の少なくとも1つが−SO2−を表すことが好ましく、R3〜R5の少なくとも2つが−SO2−を表すことがより好ましい。
対アニオンが、アニオン部を有する化合物である場合の具体例としては、R−SO3 -、R−COO-またはR−PO4 -であって、Rが、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基である場合も例示される。
また、上記一般式(A1)で表される基を含む化合物の具体例としては、R1がハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基と結合している化合物が例示される。
また、上記一般式(A2)で表される基を含む化合物の具体例としては、R4およびR5が、それぞれ、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基である場合が例示される。
対アニオンが、アニオン部を有する化合物である場合、対アニオンは、スルホニルイミドアニオンを含む化合物、スルホニルメチドアニオンを含む化合物またはスルホン酸アニオンを含む化合物が好ましい。
スルホニルイミドアニオン含む化合物は、モノマーであってもよいし、ポリマーであってもよい。スルホニルイミドアニオン含む化合物は、下記一般式(AN1)で表されることが好ましい。
一般式(AN1)
式(AN1)中、R1およびR2は、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基を表す。X1とX2は結合して環を形成していてもよい。
1は、アルキル基またはアリール基を表す。アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基は、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。フッ素原子で置換されたアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。特に、パーフルオロアルキル基が好ましく、パーフルオロメチル基がより好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。アリール基は、フッ素原子で置換されたアリール基が好ましい。
2は、R1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
スルホニルイミドアニオン含む化合物の具体例としては、ビストリフルオロメタンスルホニルイミドが好ましい。このような構成とすることにより、耐熱性をより向上させることができる。
スルホニルメチドアニオンを含む化合物は、下記一般式(AN2)で表される化合物が好ましい。
一般式(AN2)
式(AN2)中、R3〜R5は、それぞれ独立してアルキル基またはアリール基を表す。
3は、アルキル基またはアリール基を表す。アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基は、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。フッ素原子で置換されたアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。特に、パーフルオロアルキル基が好ましく、パーフルオロメチル基がより好ましい。
アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。アリール基は、フッ素原子で置換されたアリール基が好ましい。
4は、R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
5は、R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
スルホニルメチドアニオン含む化合物の具体例としては、トリストリフルオロメタンスルホニルメチドが好ましい。
スルホン酸アニオン含む化合物は、下記一般式(AN3)で表されることが好ましい。
一般式(AN3)
R−SO3 -
式(AN3)中、Rは、アルキル基またはアリール基を表す。Rがアルキル基を表す場合、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。特に、パーフルオロアルキル基が好ましく、パーフルオロメチル基がより好ましい。
Rがアリール基を表す場合、フッ素原子で置換されたアリール基が好ましい。アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。
スルホン酸アニオン含む化合物の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸アニオンが好ましい。
その他の対アニオンの具体例としては、以下が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。本明細書において、以下のその他の対アニオンの具体例を「対アニオンA」という。
次に、対アニオンが、重合性基を含む化合物である場合について、説明する。
重合性基としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性基が挙げられる。具体的には、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、環状エーテル基および−C−O−Rで表される基(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す)が挙げられ、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基および環状エーテル基から選択される少なくとも1種が好ましく、(メタ)アクリロイル基、スチリル基およびビニル基から選択される1種がより好ましく、(メタ)アクリロイル基またはスチリル基がさらに好ましい。
重合性基を含む化合物中の重合性基の数は、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
また、重合性基と対アニオンとの間は、直接結合していてもよいし、連結基を介して結合していてもよいが、連結基を介して結合していることが好ましい。
対アニオン重合性基を含む化合物である場合の具体例は、下記一般式(B)で表されることが好ましい。
一般式(B)
(一般式(B)中、Pは重合性基を表す。Lは単結合または2価の連結基を表す。anionは、上記対アニオンを表す。)
一般式(B)中、Pは重合性基を表し、上述した重合性基が挙げられる。
一般式(B)中、Lが2価の連結基を表す場合、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基、ヘテロ環連結基、−CH=CH−、−O−、−S−、−C(=O)−、−CO−、−NR−、−CONR−、−OC−、−SO2−およびこれらを2以上組み合わせた連結基が好ましい。ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
特に、連結基は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−NH−、−CO−、−O−および−SO2−を2以上組み合わせた連結基が好ましい。
対アニオンが重合性基を含む化合物である場合、重合性基以外の他の官能基を有していてもよい。他の官能基としては、酸基等が挙げられる。酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基が例示される。対アニオンが更に酸基を有する場合、化合物中の酸基の数は1〜3が好ましく、1がより好ましい。
対アニオンが重合性基を含む化合物である場合の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
重合性基を含む化合物の分子量は200〜2000が好ましく、200〜500がより好ましい。
次に、対アニオンが、アニオン部を有する繰り返し単位を含むポリマー(以下、アニオン多量体ともいう)である場合について、説明する。
アニオン多量体は、繰り返し単位の側鎖にアニオン部を有していてもよいし、繰り返し単位の主鎖にアニオン部を有していてもよし、主鎖および側鎖の両方にアニオン部を有していてもよい。
アニオン多量体は、下記一般式(C)および/または下記一般式(D)で表されることが好ましい。
一般式(C)
(一般式(C)中、X1は、繰り返し単位の主鎖を表す。L1は単結合または2価の連結基を表す。anionは、アニオン部を表す。)
一般式(C)中、X1は、繰り返し単位の主鎖を表し、通常、重合反応で形成される連結基を表し、例えば、(メタ)アクリル系、スチレン系、ビニル系等が好ましい。なお、2つの*で表された部位が繰り返し単位となる。
1が2価の連結基を表す場合、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基、ヘテロ環連結基、−CH=CH−、−O−、−S−、−COO−、−CO−、−NR−、−CONR−、−OCO−、−SO2−およびこれらを2以上組み合わせた連結基が好ましい。ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
1は、単結合、または、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−NH−、−CO2−、−O−および−SO2−を2以上組み合わせた2価の連結基がより好ましい。
アニオン多量体は、下記一般式(AN4)で表されることが好ましい。
一般式(AN4)
式(AN4)中、X1は、繰り返し単位の主鎖を表す。L1は単結合または2価の連結基を表す。R1は、アルキル基またはアリール基を表す。
1およびL1は上記一般式(C)中のX1およびL1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
1は、アルキル基またはアリール基を表す。アルキル基は、直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基は、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。フッ素原子で置換されたアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基は置換基を有していてもよい。特に、パーフルオロアルキル基が好ましく、パーフルオロメチル基がより好ましい。アリール基の炭素数は、6〜18が好ましく、6〜12がより好ましい。アリール基は、フッ素原子で置換されたアリール基が好ましい。
一般式(D)
(一般式(D)中、L2およびL3は、それぞれ独立して単結合または2価の連結基を表す。anionは、アニオン部を表す。)
一般式(D)中、L2およびL3が2価の連結基を表す場合、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基、ヘテロ環連結基、−CH=CH−、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−NR−、−CONR−、−OCO−、−SO2−およびこれらを2以上組み合わせた連結基が好ましい。ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
2は、炭素数6〜12のアリーレン基(特にフェニレン基)が好ましい。炭素数6〜30のアリーレン基は、フッ素原子で置換されていることが好ましい。
3は、炭素数6〜12のアリーレン基(特にフェニレン基)と−O−との組み合わせからなる基が好ましく、少なくとも1種の炭素数6〜12のアリーレン基がフッ素原子で置換されていることが好ましい。
アニオン多量体は、重合性基を有する繰り返し単位を含有してもよい。重合性基を有する繰り返し単位を含有する場合、その量は、全繰り返し単位100モルに対し、例えば、10〜50モルが好ましく、10〜30モルがより好ましい。
また、アニオン多量体は、酸基を有する繰り返し単位を含有してもよい。酸基を有する繰り返し単位を含有する場合、その量は、全繰り返し単位100モルに対し、例えば、10〜50モルが好ましく、10〜30モルがより好ましい。
アニオン多量体の重量平均分子量は、1,000〜30,000が好ましく、より好ましくは重量平均分子量が3,000〜20,000である。
アニオン多量体を形成する場合、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタンが好ましく、炭素数4以上以下のアルキルメルカプタン、カルボキシル基またはエーテル基、エステル基で置換されたアルキルメルカプタンが好ましい。
アニオン多量体に含まれるハロゲンイオン含有量としては、10〜3000ppm以下が好ましく、10〜2000ppmがより好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
アニオン多量体の具体例としては、特開2015−030742号公報の段落番号0034〜0035に記載された構造が挙げられ、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
本発明の着色組成物がアニオン多量体を含有する場合、アニオン多量体の含有量は、トリアリールメタン構造を有する繰返し単位100モルに対し、90〜200モルが好ましく、100〜150モルがより好ましい。
一般式(TP1)で表されるトリアリールメタン構造、および、一般式(TP2)で表されるトリアリールメタン構造は、カチオンが以下のように非局在化して存在しており、下記の構造は同義であり、いずれも本発明に含まれるものとする。
トリアリールメタン構造は、下記一般式(TP3)で表されることが好ましい。
一般式(TP3)中、Rtp21は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す;Rtp22は、炭素数6〜10のアリール基を表す;Rtp40は、置換基を表す;Rtp71は、アルキル基またはアリール基を表す;c1は、0または1を表す;Xはアニオンを表すか、Xは存在せずにRtp21、Rtp22、Rtp40およびRtp71の少なくとも1つがアニオンを含む;Rtp21、Rtp22およびRtp71のいずれかが繰り返し単位Aとの結合部位を表す。
式(TP3)中、Rtp21は炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。アルキル基の炭素数は1〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。アルキル基が有していてもよい置換基としては、後述する置換基Aの項で挙げた置換基が挙げられる。このような構成とすることにより、耐光性をより向上させることができる。
式(TP3)中、Rtp22は、炭素数6〜10のアリール基を表す。Rtp22は、少なくともオルト位に置換基を有するアリール基が好ましい。アリール基が有していてもよい置換基は、後述する置換基Aの項で挙げた置換基が挙げられ、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。このような構成とすることにより、耐熱性をより向上させることができる。また、Xは存在しない場合は、後述する一般式(P)で置換された構造を有する基を置換基として有してもよい。
式(TP3)中、Rtp40は置換基を表す。置換基は、後述する置換基Aの項で挙げた置換基、および、後述する一般式(P)で置換された構造を有する基が挙げられる。
Rtp71は、アルキル基又はアリール基を表し、アルキル基が好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、環状が好ましい。アルキル基の炭素数は1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。アリール基の炭素数は6〜12が好ましく、6〜10がより好ましい。アルキル基およびアリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基は、後述する置換基Aの項で挙げた置換基、および、後述する一般式(P)で置換された構造を有する基が挙げられる。
Rtp21、Rtp22及びRtp71のいずれかが繰り返し単位との結合部位を表し、Rtp71が繰り返し単位との結合部位であることが好ましい。
置換基A:
置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。置換基Aの詳細については、特開2015−034966号公報の段落番号0174〜0185の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
<<<<繰り返し単位Aの好ましい態様>>>>
繰り返し単位Aは、下記一般式(TP3−1)で表されることが好ましい。
一般式(TP3−1)中、Rtp21はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rtp22は、それぞれ独立して炭素数6〜10のアリール基を表し、Rtp40は、置換基を表し、Rtp71aは、アルキレン基またはアリーレン基を表す;c1は、0または1を表す;L1は炭素数2〜30の2価の連結基を表し、Rtp31は水素原子またはメチル基を表す;Xはアニオンを表すか、Xは存在せずにRtp21、Rtp22、Rtp40およびRtp71aの少なくとも1つがアニオンを含む。
Rtp21、Rtp22およびRtp40は、上述した式(TP3)中のRtp21、Rtp22およびRtp40と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Rtp71aは、アルキレン基またはアリーレン基を表し、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、環状が好ましい。アルキレン基の炭素数は1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。アリーレン基の炭素数は6〜12が好ましく、6〜10がより好ましい。アルキレン基およびアリーレン基は置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。置換基としては、上述した置換基Aで説明した置換基、および、後述する一般式(P)で置換された構造が挙げられる。
1は単結合または2価の連結基を表す。L1は上述した一般式(A)中のL1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(TP3−1)において、「−Rtp71a−L1−」部分における、繰り返し単位Aの主鎖と、トリアリールメタン構造のRtp71aが結合する窒素原子とをつなぐ鎖を構成する原子の数は、1以上であることが好ましく、2以上がより好ましく、3以上が更に好ましく、5以上が特に好ましい。上限は、例えば、20以下が好ましい。この態様によれば、ポリマーの合成の際に、未反応または、反応が不十分な低分子のトリアリールメタン化合物を抑制できる。その結果、耐熱性および耐溶剤性を向上することができる。
繰り返し単位Aは、下記一般式(TP3−2)で表されることが好ましい。
一般式(TP3−2)中、Rtp23およびRtp24はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rtp25は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rtp71aは、アルキレン基またはアリーレン基を表す;Rtp31は、水素原子またはメチル基を表す;L1は、単結合または2価の連結基を表す;Xはアニオンを表す。
Rtp23は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖状が好ましい。
Rtp24は、それぞれ独立して炭素数1または2のアルキル基が好ましい。
Rtp25が炭素数1〜3のアルキル基を表す場合、アルキル基の炭素数は、1または2が好ましい。
Rtp71aは、上述した一般式(TP3−1)中のRtp71aと同義であり、好ましい範囲も同様である。
1は、上述した一般式(TP3−1)中のL1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
繰り返し単位Aは、下記一般式(TP4)または(TP5)で表されることが好ましい。
式(TP4)中、Rtp21はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rtp22は、それぞれ独立して炭素数6〜10のアリール基を表し、Rtp31は水素原子もしくはメチル基を表し、Xはアニオンを表すか、Xは存在せずにRtp21およびRtp22の少なくとも1つがアニオンを含む。Rtp21およびRtp22は、上述した式(TP3)中のRtp21およびRtp22と同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(TP5)中、Rtp21はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rtp22は、それぞれ独立して炭素数6〜10のアリール基を表し、Xはアニオンを表すか、Xは存在せずにRtp21およびRtp22の少なくとも1つがアニオンを含む。Rtp21およびRtp22は、上述した式(TP3)中のRtp21およびRtp22と同義であり、好ましい範囲も同様である。
繰り返し単位Aは、下記一般式(TP6)で表されることが好ましい。
式(TP6)中、Rtp23およびRtp24はそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rtp25は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。Rtp31は水素原子もしくはメチル基を表す。Xはアニオンを表す。
Rtp23は、それぞれ独立して炭素数の1〜3のアルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖状が好ましい。
Rtp24は、それぞれ独立して炭素数の1または2のアルキル基が好ましい。
Rtp25が炭素数1〜3のアルキル基を表す場合、アルキル基の炭素数は、1または2が好ましい。
繰り返し単位Aの具体例として以下の構造を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、繰り返し単位Aの具体例には、後述するトリアリールメタン構造を有するモノマー由来の繰り返し単位も含まれる。Xはアニオンを表す。
<<<繰り返し単位B>>>
トリアリールメタン染料は、重合性基を有する繰り返し単位Bを含むことが好ましい。繰り返し単位Bは、ポリマーの全繰り返し単位中に10〜50質量%含むことが好ましい。上限は、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。下限は、15質量%以上がより好ましい。繰り返し単位Bの含有量が上記範囲であれば、耐熱性および耐溶剤性が特に優れる。
重合性基としては、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性基を用いることができ、例えば、エチレン性不飽和結合を含む基、環状エーテル基(エポキシ基、オキセタニル基)、オキサゾリン基、−C−O−Rで表される基(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す)およびカーボネート基等が挙げられる。エチレン性不飽和結合を含む基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ジシクロペンテン基などが挙げられる。カーボネート基としては、シクロカーボネート基が好ましい。
重合性基は、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、−C−O−Rで表される基(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す)、カーボネート基、(メタ)アクリロイル基、および、ビニル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましい。
繰り返し単位Bとしては、以下のような具体例が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<<<他の繰り返し単位>>>
トリアリールメタン染料は、上記繰り返し単位AおよびB以外の他の繰り返し単位を更に有していてもよい。他の繰り返し単位としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸アミドの少なくとも1種に由来する繰り返し単位が例示される。
具体的には、酸基を有する繰り返し単位が挙げられる。酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基が例示され、カルボキシル基が好ましい。トリアリールメタン染料が酸基を有する繰り返し単位をさらに有することにより、着色組成物の現像性能をより向上させることができる。トリアリールメタン染料が、酸基を有する繰り返し単位を含有する場合、酸基を有する繰り返し単位を含有する繰り返し単位の割合は、ポリマーの全繰り返し単位中に、例えば、10〜80質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。
他の繰り返し単位は、ラクトン、酸無水物、アミド、−COCH2CO−、シアノ基等の現像促進基、長鎖および環状アルキル基、アラルキル基、アリール基、ポリアルキレンオキシド基、ヒドロキシル基、マレイミド基、アミノ基等の親疏水性調整基等の官能基を有していてもよい。
以下に、他の繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
トリアリールメタン染料は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸アミドの少なくとも1種に由来する繰り返し単位を含む構造が好ましい。例えば、上述した繰り返し単位Aおよび/または繰り返し単位Bが(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸アミドの少なくとも1種に由来する繰り返し単位である態様、上述した他の繰り返し単位が(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよび(メタ)アクリル酸アミドの少なくとも1種に由来する繰り返し単位である態様が挙げられる。
本発明において、トリアリールメタン染料の重量平均分子量は、2000以上が好ましく、3000以上がより好ましい。上限は、例えば、1000000以下が好ましい。
トリアリールメタン染料の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定によるポリスチレン換算値であり、具体的には、後述する実施例に記載の方法で測定した値である。
トリアリールメタン染料は、一般式(TP7)で表される繰り返し単位を含むポリマーであることが好ましい。
一般式(TP7)中、R1はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R4は水素原子もしくはメチル基を表し、R1aは、アルキレン基またはアリーレン基を表し、L11は、単結合、または、炭素数1〜30の2価の連結基を表す;L12およびL13は、単結合、または、炭素数1〜30の2価の連結基を表す;R2は炭素数1〜10の炭化水素基を表す;R3は重合性基を表す;Xは、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオンまたはスルホン酸アニオンを含む化合物を表す;a〜dは繰り返し単位の質量比であって、aは0を超える数を表し、b、cおよびdはそれぞれ独立して0以上の数を表す。
式(TP7)中、R1はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜3が好ましい。アルキル基は直鎖状が好ましい。
2は炭素数1〜10の炭化水素基を表す。炭化水素基は、直鎖状、分岐状または環状であってもよく、直鎖状または環状が好ましい。炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましく、アルキル基が好ましい。特に、R2は、炭素数5〜10の環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖状のアルキル基または炭素数3〜8の分岐状のアルキル基が好ましい。環状のアルキル基の炭素数は、6〜8が好ましく、6がより好ましい。直鎖状のアルキル基の炭素数は1または2が好ましく、1がより好ましい。分岐状のアルキル基の炭素数は3〜8が好ましい。炭化水素基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはヒドロキシ基が好ましい。炭化水素基が置換基を有する場合の例としては、ヒドロキシエチル基が好ましい。
3は重合性基を表す。重合性基は、エチレン性不飽和結合を含む基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、−C−O−Rで表される基(ただし、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す)およびカーボネート基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
4は水素原子もしくはメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
1aは、アルキレン基またはアリーレン基を表し、アルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状、分岐状および環状のいずれであってもよく、環状が好ましい。アルキレン基の炭素数は1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。アリーレン基の炭素数は6〜12が好ましく、6〜10がより好ましい。アルキレン基およびアリーレン基は置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。無置換が好ましい。置換基としては、上述した置換基Aで説明した置換基が挙げられる。
11は、単結合、または、炭素数1〜30の2価の連結基を表す。2価の連結基は、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、これらと−CO−、−OCO−、−O−、−NH−および−SO2−から選ばれる1種とを組み合わせてなる基が挙げられる。2価の連結基は、アルキレン基、または、アルキレン基、または、アルキレン基同士が−O−、−COO−および−OCO−から選ばれる1種以上を介して連結されている連結基が好ましい。
12およびL13は、単結合、または、炭素数1〜30の2価の連結基を表す。2価の連結基は、炭素数1〜30のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、これらと−CO−、−OCO−、−O−、−NH−および−SO2−から選ばれる1種とを組み合わせてなる基が挙げられる。アルキレン基およびアリーレン基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。置換基としては、上述した置換基Aが挙げられる。なかでもヒドロキシル基が好ましい。
式(TP7)中、Xは、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオンまたはスルホン酸アニオンを含む化合物を表し、スルホニルイミドアニオン含む化合物が好ましい。スルホニルイミドアニオン含む化合物は、単量体であってもよいし、多量体であってもよい。スルホニルイミドアニオン含む化合物は、上述した一般式(AN1)で表される化合物が好ましい。
スルホニルメチドアニオン含む化合物は、上述した一般式(AN2)で表される化合物が好ましい。
スルホン酸アニオン含む化合物は、上述した一般式(AN3)で表される化合物が好ましい。
a〜dは繰り返し単位の質量比であって、aは0を超える数を表し、b、cおよびdはそれぞれ独立して0以上の数を表す。a〜dの合計を1としたとき、aは、0.1〜1が好ましい。bは、0以上の整数を表し、0〜0.5が好ましい。cは、0以上の整数を表し、0〜0.5が好ましい。dは、0以上の整数を表し、0〜0.5が好ましい。
トリアリールメタン染料は、一般式(TP8)で表される繰り返し単位を含むポリマーであることが好ましい。
一般式(TP8)中、R1はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す;L12およびL13は、単結合、または、炭素数1〜30の2価の連結基を表す;R2は炭素数1〜10の炭化水素基を表す;R3は重合性基を表す;Xは、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオンまたはスルホン酸アニオンを含む化合物を表す;a〜dは繰り返し単位の質量比であって、aは0を超える数を表し、b、cおよびdはそれぞれ独立して0以上の数を表す。
一般式(TP8)のR1、R2、R3、L12、L13、a、b、c、dおよびXは、一般式(TP7)のR1、R2、R3、L12、L13、a、b、c、dおよびXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
<トリアリールメタン染料の製造方法>
本発明のトリアリールメタン染料は、一般式(TP1a)、および、一般式(TP2a)から選ばれる少なくとも1種で表されるトリアリールメタン構造を有するモノマー(トリアリールメタンモノマーともいう)を少なくとも含む原料モノマーを重合して製造できる。原料モノマーは、更に酸基を有するモノマーや、上述した他の繰り返し単位で説明した官能基を有するモノマーを含んでいてもよい。
一般式(TP1a)および(TP2a)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp5、Rtp6、Rtp8、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表す;Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表す;Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp10は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す;a、b、cおよびdが2以上の場合、Rtp5同士、Rtp6同士、Rtp8同士およびRtp9同士は、互いに連結して環を形成してもよい;Xはアニオンを表すか、Xは存在せずにRtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも1つがアニオンを含む;PRtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも一つが重合性基を有する。
一般式(TP1a)、および、一般式(TP2a)のRtp1〜Rtp11、Rtp71、Rtp72およびXは、一般式(TP1)、および、一般式(TP2)のRtp1〜Rtp11、Rtp71、Rtp72およびXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(TP1a)および(TP2a)において、Rtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも一つが重合性基を有する。Rtp71およびRtp72の少なくとも一つが重合性基を有することが好ましい。重合性基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
トリアリールメタンモノマーの具体例を以下に示す。
重合に際し連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタンが好ましく、炭素数4以上のアルキルメルカプタンまたはカルボキシル基、エーテル基、エステル基で置換されたアルキルメルカプタンが好ましい。特に、臭気の観点からドデシルメルカプタン、ジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート、更に現像性を促進する観点からチオリンゴ酸、メルカプトプロピオン酸が好ましい。
<<<トリアリールメタン染料の具体例>>>
以下に、トリアリールメタン染料の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。以下において、Xはアニオンを表す。
また、下記表に示す原料モノマーを重合してなるポリマーも挙げられる。
本発明の着色組成物は、トリアリールメタン染料の含有量が、本発明の着色組成物の全固形分に対して、5〜60質量%が好ましい。上限は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。下限は、10質量%が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。
<<他の着色剤>>
本発明の着色組成物は、上述したトリアリールメタン染料以外の他の着色剤を1種または2種以上含んでいてもよい。他の着色剤としては、染料、顔料およびそれらの分散物が挙げられる。
染料としては、着色画像の色相に影響を与えないものであればどのような構造であってもよく、例えば、アゾ系(例えば、ソルベントイエロー162)、アントラキノン系(例えば、特開2001−10881号公報に記載のアントラキノン化合物)、フタロシアニン系(例えば、米国特許2008/0076044A1に記載のフタロシアニン化合物)、キサンテン系(例えば、シー・アイ・アシッド・レッド289(C.I.Acid.Red 289))、メチン染料、などが挙げられる。
顔料としては、ペリレン、ペリノン、キナクリドン、キナクリドンキノン、アントラキノン、アントアントロン、ベンズイミダゾロン、ジスアゾ縮合、ジスアゾ、アゾ、インダントロン、フタロシアニン、トリアリールカルボニウム、ジオキサジン、アミノアントラキノン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、イソインドリン、イソインドリノン、ピラントロンもしくはイソビオラントロン等が挙げられる。さらに詳しくは、例えば、ピグメント・レッド190、ピグメント・レッド224、ピグメント・バイオレット29等のペリレン化合物顔料、ピグメント・オレンジ43、もしくはピグメント・レッド194等のペリノン化合物顔料、ピグメント・バイオレット19、ピグメント・バイオレット42、ピグメント・レッド122、ピグメント・レッド192、ピグメント・レッド202、ピグメント・レッド207、もしくはピグメント・レッド209のキナクリドン化合物顔料、ピグメント・レッド206、ピグメント・オレンジ48、もしくはピグメント・オレンジ49等のキナクリドンキノン化合物顔料、ピグメント・イエロー147等のアントラキノン化合物顔料、ピグメント・レッド168等のアントアントロン化合物顔料、ピグメント・ブラウン25、ピグメント・バイオレット32、ピグメント・オレンジ36、ピグメント・イエロー120、ピグメント・イエロー180、ピグメント・イエロー181、ピグメント・オレンジ62、もしくはピグメント・レッド185等のベンズイミダゾロン化合物顔料、ピグメント・イエロー93、ピグメント・イエロー94、ピグメント・イエロー95、ピグメント・イエロー128、ピグメント・イエロー166、ピグメント・オレンジ34、ピグメント・オレンジ13、ピグメント・オレンジ31、ピグメント・レッド144、ピグメント・レッド166、ピグメント・レッド220、ピグメント・レッド221、ピグメント・レッド242、ピグメント・レッド248、ピグメント・レッド262、もしくはピグメント・ブラウン23等のジスアゾ縮合化合物顔料、ピグメント・イエロー13、ピグメント・イエロー83、もしくはピグメント・イエロー188等のジスアゾ化合物顔料、ピグメント・レッド187、ピグメント・レッド170、ピグメント・イエロー74、ピグメント・イエロー150、ピグメント・レッド48、ピグメント・レッド53、ピグメント・オレンジ64、もしくはピグメント・レッド247等のアゾ化合物顔料、ピグメント・ブルー60等のインダントロン化合物顔料、ピグメント・グリーン7、ピグメント・グリーン36、ピグメント・グリーン37、ピグメント・グリーン58、ピグメント・ブルー16、ピグメント・ブルー75、もしくはピグメント・ブルー15等のフタロシアニン化合物顔料、ピグメント・ブルー56、もしくはピグメント・ブルー61等のトリアリールカルボニウム化合物顔料、ピグメント・バイオレット23、もしくはピグメント・バイオレット37等のジオキサジン化合物顔料、ピグメント・レッド177等のアミノアントラキノン化合物顔料、ピグメント・レッド254、ピグメント・レッド255、ピグメント・レッド264、ピグメント・レッド272、ピグメント・オレンジ71、もしくはピグメント・オレンジ73等のジケトピロロピロール化合物顔料、ピグメント・レッド88等のチオインジゴ化合物顔料、ピグメント・イエロー139、ピグメント・オレンジ66等のイソインドリン化合物顔料、ピグメント・イエロー109、もしくはピグメント・オレンジ61等のイソインドリノン化合物顔料、ピグメント・オレンジ40、もしくはピグメント・レッド216等のピラントロン化合物顔料、またはピグメント・バイオレット31等のイソビオラントロン化合物顔料が挙げられる。
本発明では緑からシアン色の色材が好ましく、ピグメント・グリーン7、ピグメント・グリーン36、ピグメント・グリーン37、ピグメント・グリーン58、ピグメント・ブルー16、ピグメント・ブルー75、もしくはピグメント・ブルー15等のフタロシアニン化合物顔料、ピグメント・ブルー56、もしくはピグメント・ブルー61等のトリアリールカルボニウム化合物顔料、ピグメント・バイオレット23、もしくはピグメント・バイオレット37等のジオキサジン化合物顔料、ピグメント・レッド177等のアミノアントラキノン化合物顔料、ピグメント・レッド254、ピグメント・レッド255、ピグメント・レッド264、ピグメント・レッド272、ピグメント・オレンジ71、もしくはピグメント・オレンジ73等のジケトピロロピロール化合物顔料、ピグメント・レッド88等のチオインジゴ化合物顔料、ピグメント・イエロー139、ピグメント・オレンジ66等のイソインドリン化合物顔料、ピグメント・イエロー109、もしくはピグメント・オレンジ61等のイソインドリノン化合物顔料、ピグメント・オレンジ40、もしくはピグメント・レッド216等のピラントロン化合物顔料、またはピグメント・バイオレット31等のイソビオラントロン化合物顔料が好ましい。
本発明の着色組成物が他の着色剤を含有する場合、本発明の着色組成物の全固形分に対して、0.5〜70質量%であることが好ましい。また、吸収強度比(450nmの吸収/650nmの吸収)が、0.95〜1.05の範囲となるように、着色組成物に添加することが好ましい。
また、上述したトリアリールメタン染料と、他の着色剤との質量比は、1.0:0.10〜1.0:2.0が好ましく、1.0:0.2〜1.0:0.8がより好ましい。
<<非共有電子対を含む電子供与性化合物>>
本発明の着色組成物は、非共有電子対を含む電子供与性化合物(以下、電子供与性化合物Aともいう)を含有する。上記電子供与性化合物Aを含有することにより、トリアリールメタン染料の凝集を抑制でき、輝度およびコントラストが良好な膜を形成できる。
なお、本発明における、電子供与性化合物Aは、ラジカル開始剤、連鎖移動剤および重合性化合物以外の化合物である。すなわち、本発明の着色組成物は、ラジカル開始剤、連鎖移動剤および重合性化合物以外の、非共有電子対を含む電子供与性化合物を含有する。
ここで、ラジカル開始剤とは、光または熱によりラジカルを発生する化合物を意味する。また、連鎖移動剤とは、ラジカルの存在下でラジカルを発生しうる化合物を意味する。また、重合性化合物とは、ラジカル、酸、熱により架橋可能な化合物を意味する。具体的には、ラジカル、酸、熱により架橋可能な官能基(重合性基)を有する化合物を意味する。
電子供与性化合物Aとしては、例えば、ヘテロ環を有する化合物、非共有電子対を含む電子供与性基を有する化合物が挙げられる。
ヘテロ環を有する化合物は、ヘテロ環のみからなる化合物であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基Aで説明した置換基、および、後述する非共有電子対を含む電子供与性基が挙げられる。置換基は、ベンズイミダゾールなどの立体障害の小さい基が好ましい。
電子供与性化合物Aとしては、非共有電子対を含む電子供与性基を有する化合物が挙げられる。
非共有電子対を含む電子供与性基としては、ヘテロ環基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基が挙げられる。
上記電子供与性基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基としては、上述した置換基Aで説明した置換基が挙げられる。また、一分子中に上記電子供与性基を2以上含む場合は、複数の電子供与性基は、同一であってもよく、異なってもよい。また、上記電子供与性基が化合物構造の末端に存在する場合、電子供与性基の効果を高めるため、周辺の立体障害が小さいことが好ましい。この観点から、水酸基等は1級ないし2級であることが好ましい。
電子供与性化合物Aは、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含む化合物、もしくは、1級水酸基または2級水酸基を有する化合物が好ましく、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含む化合物が好ましく、窒素原子を有する化合物が更に好ましい。
窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子を含む化合物としては、ヘテロ環基、ニトロ基、ヘテロ環オキシ基、ニトロ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基およびヘテロ環アゾ基から選ばれる少なくとも1種の基を有する化合物が好ましく、ヘテロ環基、ニトロ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基およびヘテロ環チオ基から選ばれる少なくとも1種を有する基を有する化合物がより好ましく、ヘテロ環基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)およびヘテロ環チオ基から選ばれる少なくとも1種を有する基を有する化合物がさらに好ましく、ヘテロ環基、およびヘテロ環チオ基から選ばれる少なくとも1種を有する基を有する化合物が特に好ましい。
ヘテロ環を構成するヘテロ原子の種類は、窒素原子、硫黄原子および酸素原子が挙げられ、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、窒素原子を含むことが更に好ましい。また、ヘテロ環は、窒素原子を2個以上有することが好ましい。この態様によれば、トリアリールメタン染料の凝集を効果的に抑制でき、輝度およびコントラストを効果的に向上できる。
ヘテロ環は、非芳香族環であってもよく、芳香族環であってもよいが、芳香族環(芳香族ヘテロ環)であることが好ましい。詳細な理由は不明であるが、芳香族ヘテロ環とすることで、輝度およびコントラストを効果的に向上できる。なかでも、電子供与性化合物Aは、芳香族ヘテロ環のみからなる化合物が好ましい。
ヘテロ環は、単環または縮合環のいずれでもよいが、縮合環が好ましい。縮合環とすることで、トリアリールメタン染料の凝集を効果的に抑制でき、輝度およびコントラストを効果的に向上できる。縮合環の縮合数は、2〜8が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3が更に好ましく、2が特に好ましい。
ヘテロ環を構成するヘテロ原子の数は、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。ヘテロ環は、5員環または6員環が好ましい。
電子供与性化合物Aの分子量は、1000以下が好ましく、600以下がより好ましく、500以下が更に好ましい。電子供与性化合物Aの分子量を1000以下とすることで、質量あたりの電子供与性基当量が高く、少量でも優れた効果が期待できる。更には、電子供与性基周辺の立体障害が小さく、トリアリールメタン染料の正電荷と相互作用しやすい。また、上記電子供与性化合物Aは、硬化膜の形成時のベークによって気化しやすいので、上記電子供与性化合物による輝度やコントラストへの影響を抑制することもできる。
電子供与性化合物Aの具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
窒素原子または硫黄原子を有する化合物として、イミダゾリン、トリアゾリン、ピラゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、トリアジン、ビピリジン、インドレニン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、ベンゾチアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チオフェン、これらのヘテロ環構造を少なくとも1種以上有する化合物、アルキル置換アミン(ジメチルアミノエチルフェノール、メタクリル酸ジメチルアミノエチル)、アルキル置換アミンを置換基として有する化合物等が挙げられる。
水酸基を含有する化合物として、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、tert−ブチルアルコール、グリセリンジメタクリレート、下記構造の化合物などが挙げられる。
式中、Rはそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、2つのRは同一であっても異なっていても良い。
電子供与性化合物Aの含有量は、着色組成物の全固形分に対して、1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜15が更に好ましく、1〜10が特に好ましい。電子供与性化合物Aの含有量が上記範囲であれば、トリアリールメタン染料の凝集を効果的に抑制できる。また、電子供与性化合物Aによる着色も抑制できる。
電子供与性化合物Aの含有量は、トリアリールメタン染料100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、1〜80質量部がより好ましく、1〜50質量部が更に好ましく、1〜30質量部が特に好ましい。
<<溶剤>>
本発明の着色組成物は、溶剤を含有する。
溶剤は、上述したトリアリールメタン染料を溶解するものを用いる。トリアリールメタン染料の溶解度としては、25℃の溶剤に対して、1[g/100g−solvent]以上であることが好ましく、3[g/100g−solvent]以上であることが更に好ましい。溶解度の上限は、着色組成物としての使用に問題がない限り、特に定まらない。
溶剤は、トリアリールメタン染料の溶解度が上記範囲となるものを選択して用いることができる。溶剤としては、エステル類、エーテル類、ケトン類、芳香族炭化水素類が用いられ、具体的には、特開2012−032754号公報の段落番号0161〜0162に記載のものが例示される。例えば、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
これらの溶剤は、各成分の溶解性向上、沸点調整による塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートとジエチレングリコールメチルエチルエーテルとの混合溶剤などが挙げられる。
溶剤の着色組成物中における含有量としては、組成物中の全固形分濃度が10〜80質量%になる量が好ましく、15〜60質量%になる量がより好ましい。
本発明の着色組成物は、溶剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<重合性化合物>>
本発明の着色組成物は、重合性化合物を含有することが好ましい。重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を挙げることができる。
具体的には、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は、この産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物並びにそれらの(共)重合体などの化学的形態のいずれであってもよい。モノマーが好ましい。
モノマーおよびその(共)重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの(共)重合体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、および不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの(共)重合体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの化合物の具体例としては、特開2014−208808号公報の段落番号0156〜0159を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれることとする。
また、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造も好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
これらの重合性化合物について、その構造や、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。また、着色組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
着色組成物の全固形分中における重合性化合物の含有量は、本発明の効果をより効果的に得る観点から、10〜80質量%が好ましく、10〜75質量%がより好ましく、15〜60質量%が特に好ましい。
本発明の組成物は、重合性化合物を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<光重合開始剤>>
本発明の着色組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、重合性化合物を重合させ得るものであれば、特に制限はなく、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト等の観点で選ばれるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物およびハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも1つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、オキシム化合物、等が挙げられる。光重合開始剤の具体例については、特開2004−295116号公報の段落〔0070〕〜〔0077〕に記載のものが挙げられる。中でも、重合反応が迅速である点等から、オキシム化合物またはビイミダゾール系化合物が好ましい。
オキシム系化合物(以下、「オキシム系光重合開始剤」ともいう。)としては、特に限定はなく、例えば、特開2000−80068号公報、WO02/100903A1、特開2001−233842号公報等に記載のオキシム系化合物が挙げられる。
オキシム系化合物の具体的な例としては、特開2013−182215号公報の段落0053の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明においては、感度、径時安定性、後加熱時の着色の観点から、オキシム化合物として、下記一般式(1)または一般式(2)で表される化合物がより好ましい。
(一般式(1)中、RおよびXは、それぞれ、1価の置換基を表し、Aは、2価の有機基を表し、Arは、アリール基を表す。nは、1〜5の整数である。)
Rとしては、高感度化の点から、アシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トルイル基が好ましい。
Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、パラ−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
Arとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換または無置換のフェニル基が好ましい。置換フェニル基の場合、その置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基が好ましい。
Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオキシ基、アリールチオキシ基またはアミノ基が好ましい。また、一般式(1)におけるnは1〜2の整数が好ましい。
一般式(2)中、R101はアルキル基、アルカノイル基、アルケノイル基、アリーロイル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基、ヘテロ環チオカルボニル基またはCO−CO−Rfを表す。Rfは炭素環式芳香族基またはヘテロ環式芳香族基を表す。
102はアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を示し、これらは置換されていても良い。
103およびR104は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を示し、これらの基は、さらにハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基等で置換されていても良い。
105〜R111は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリーロイル基、ヘテロアリーロイル基、アルキルチオ基、アリーロイルチオ基、ヘテロアリーロイル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、ヘテロ環カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、ニトロ基、アミノ基、スルホン酸基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、アミド基、カルバモイル基またはシアノ基を表す。
105〜R111のうちの、一つまたは二つが電子吸引性の置換基、即ち、ニトロ基、シアノ基、ハロゲンノ基、アルキルカルボニル基またはアリールカルボニル基であることが、一段と高い硬化性を有する着色組成物が得られるので、好ましい。
上記一般式(2)で表されるフルオレン構造を有する化合物の具体例としては、特開2014−177502号公報の段落番号0087〜0088に記載された化合物が挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれることとする。
上記一般式(2)で表されるフルオレン構造を有する化合物は、例えばWO2014−050738号公報に記載された合成方法に準じて合成することができる。
オキシム系光重合開始剤の市販品としては、IRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司社製)、アデカアークルズNCI−831(ADEKA社製)、アデカアークルズNCI−930(ADEKA社製)等を用いることができる。
ビイミダゾール系化合物の具体例としては、特開2013−182213号公報段落0061〜0070の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明の着色組成物には、上記の光重合開始剤のほかに、特開2004−295116号公報の段落番号0079に記載の他の公知の光重合開始剤を使用してもよい。
本発明は、光重合開始剤として、フッ素原子を有するオキシム化合物を用いることもできる。フッ素原子を有するオキシム化合物の具体例としては、特開2010−262028号公報記載の化合物、特表2014−500852号公報記載の化合物24、36〜40、特開2013−164471号公報記載の化合物(C−3)などが挙げられる。この内容は本明細書に組み込まれることとする。
光重合開始剤の着色組成物の全固形分中における含有量は、本発明の効果をより効果的に得る観点から、1〜20質量%が好ましく、1〜18質量%がより好ましく、1〜15質量%が特に好ましい。
本発明の組成物は、光重合開始剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<アルカリ可溶性樹脂>>
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含んでいることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性を有すること以外は、特に限定はなく、好ましくは、耐熱性、現像性、入手性等の観点から選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体で、且つ、溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
上述したものの他、アルカリ可溶性樹脂としては、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、等も有用である。また、線状有機高分子重合体は、親水性を有するモノマーを共重合したものであってもよい。この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級若しくは3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐若しくは直鎖のブチル(メタ)アクリレート、または、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。その他、親水性を有するモノマーとしては、テトラヒドロフルフリル基、燐酸基、燐酸エステル基、4級アンモニウム塩基、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸基およびその塩由来の基、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
アルカリ可溶性樹脂は、下記式(b1)および(b2)に示すようなマレイミドとエチレンオキサイドの共重合体も好ましく用いることが出来る。
(式(b1)中、R1は、水素原子、アリール基、またはアルキル基を表す。)
1がアルキル基を表す場合のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数3〜10の分岐鎖を有するアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキル基などが挙げられる。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、アルキル基に導入可能な置換基としては、フェニル基、カルボニル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基などが挙げられる。
1がアリール基を表す場合のアリール基としては、単環構造のアリール基、多環構造のアリール基、縮環構造のアリール基、ヘテロ原子を含むヘテロアリール基などが挙げられる。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられる。
アリール基は、置換基を有していてもよく、アリール基に導入可能な置換基としては、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられる。
(式(b2)中、R2は、水素原子またはメチル基を表す。R3は、炭素数2または3のアルキレン基であり、R4は、水素原子、アリール基、またはアルキル基を表し、mは、1〜15の整数を表す。)
4がアルキル基を表す場合のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数1〜20の分岐鎖を有するアルキル基、炭素数5〜20の環状アルキル基などが挙げられる。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、アルキル基に導入可能な置換基としては、フェニル基、カルボニル基、アルコキシ基などが挙げられる。
4がアリール基を表す場合のアリール基としては、単環構造のアリール基、多環構造のアリール基、縮環構造のアリール基、ヘテロ原子を含むヘテロアリール基などが挙げられる。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ビフェニル基、ベンゾイミダゾリル基、インドリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、カルバゾリル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられる。
アリール基は、置換基を有していてもよく、アリール基に導入可能な置換基としては、ノニル基、メチル基、エチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、クロロ基、ブロモ基などが挙げられる。
また、アルカリ可溶性樹脂は、重合性基を側鎖に有してもよく、例えば、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等も有用である。
これら各種アルカリ可溶性樹脂の中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
特に、下記一般式(2)で示すような繰り返し単位と酸性基を有する共重合体が好ましく、より好ましくは一般式(2)と酸性基に加え、一般式(3)で表される構造単位を有する共重合体が挙げられる。
(一般式(2)中、R20は、水素原子またはメチル基を表し、R21〜R25は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、またはアリール基を表す。)
(一般式(3)中、R11は、水素原子またはメチル基を表す。R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子または不飽和二重結合を部分構造として含む炭素数3〜20のカルボニル基を表し、R12およびR13の双方が水素原子であることはない。R12およびR13の少なくとも一方が不飽和二重結合を部分構造として含む炭素数3〜20のカルボニル基を表す場合、さらにカルボキシ基を部分構造として含んでいてもよい。)
アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体(例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体)や、市販品のKSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂は、下記式(X)で化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。
一般式(X)
式(X)において、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数2〜10のアルキレン基を表し、R3は、水素原子またはベンゼン環を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基を表す。nは1〜15の整数を表す。
上記式(X)において、R2のアルキレン基の炭素数は、2〜3が好ましい。また、R3のアルキル基の炭素数は1〜20であるが、より好ましくは1〜10であり、R3のアルキル基はベンゼン環を含んでもよい。R3で表されるベンゼン環を含むアルキル基としては、ベンジル基、2−フェニル(イソ)プロピル基等を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂は、現像性、液粘度等の観点から、重量平均分子量(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1,000〜200,00であることが好ましく、2,000〜100,000がより好ましく、5,000〜50,000が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、10〜1000mg/KOHが好ましく、50〜300mg/KOHがより好ましく、50〜200mg/KOHがさらに好ましく、105〜200mg/KOHが特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の含有量は、着色組成物の全固形分の10〜80質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。
本発明の着色組成物は、アルカリ可溶性樹脂を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<界面活性剤>>
本発明の着色組成物は、界面活性剤を含んでいても良い。界面活性剤は、ノニオン系、カチオン系、アニオン系のいずれでもよいが、エチレンオキサイド構造を持つ界面活性剤、フッ素系界面活性剤が好ましい。特にHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が9.2〜15.5の範囲にあるエチレンオキサイド構造を持つ界面活性剤もしくは特開平2−54202号公報記載のフッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤のフッ素含有率は、3〜40質量%が好ましい。下限は、5質量%以上が好ましく、7質量%以上が更に好ましい。上限は、30質量以下%が好ましく、25質量%以下が更に好ましい。フッ素含有率が上述した範囲内である場合は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)、PF636、PF656、PF6320、PF6520、PF7002(OMNOVA社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としてブロックポリマーを用いることもでき、具体例としては、例えば特開2011−89090号公報に記載されたが化合物が挙げられる。
また、下記化合物も本発明で用いられるフッ素系界面活性剤として例示される。
上記の化合物の重量平均分子量は、例えば、14,000である。
本発明の着色組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、着色組成物の全固形分に対して、0.0001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
本発明の着色組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<その他成分>>
本発明の着色組成物は、更に必要に応じて、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、充填材、凝集防止剤、増感剤、光安定剤等を含有していても良い。
これら添加物は、市販されている化合物(例えば、酸化防止剤としてADEKA製 アデカスタブシリーズ、架橋剤としてダイセル製 セロキサイドシリーズおよびEHPEシリーズ、硬化剤として旭化成ケミカルズ製 デュラネートシリーズ、等)に加え、例えば特開2004−295116号公報、特開平2−54202号公報、Harry H.wasserman,“Singlet Oxygen”,5章、Academic Press(1979)、Nicholas J.Turro,“”Modern Molecular Photochemistry“”,14章、The Benjamin Cummings Publishing Co.,Inc.(1978)、CMC社発行 カラー写真感光材料用高機能ケミカルス,7章(2002)、CMC社発行 高分子添加剤ハンドブック(2010)等、公知の文献に挙げられるものから、本発明の目的に適合する限りにおいて、自由に選択することが出来る。
<着色組成物の調製方法>
本発明の着色組成物は、前述の各成分を混合することで調整できる。
着色組成物の調製に際しては、着色組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
本発明の着色組成物は、異物の除去や欠陥の低減などの目的で、フィルタでろ過することが好ましい。フィルタとしては、従来からろ過用途等に用いられているものであれば特に限定されることなく用いることができる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂(高密度、超高分子量を含む)等によるフィルタが挙げられる。これら素材の中でもポリプロピレン(高密度ポリプロピレンを含む)が好ましい。
フィルタの孔径は、0.01〜7.0μm程度が適しており、好ましくは0.01〜3.0μm程度、さらに好ましくは0.05〜0.5μm程度である。この範囲とすることにより、後工程において均一及び平滑な着色組成物の調製を阻害する、微細な異物を確実に除去することが可能となる。
フィルタを使用する際、異なるフィルタを組み合わせてもよい。その際、第1のフィルタでのフィルタリングは、1回のみでもよいし、2回以上行ってもよい。
また、上述した範囲内で異なる孔径の第1のフィルタを組み合わせてもよい。ここでの孔径は、フィルタメーカーの公称値を参照することができる。市販のフィルタとしては、例えば、日本ポール株式会社、アドバンテック東洋株式会社、日本インテグリス株式会社(旧日本マイクロリス株式会社)又は株式会社キッツマイクロフィルタ等が提供する各種フィルタの中から選択することができる。
第2のフィルタは、上述した第1のフィルタと同様の材料等で形成されたものを使用することができる。
例えば、第1のフィルタでのフィルタリングは、分散液のみで行い、他の成分を混合した後で、第2のフィルタリングを行ってもよい。
本発明の着色組成物は、輝度およびコントラストに優れた硬化膜を形成することができるため、画像表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタなどの着色層形成用の着色組成物として好適に用いることができる。また、印刷インキ、インクジェットインキ、および塗料の用途として好適に用いることもできる。
<硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法>
本発明の硬化膜は、本発明の着色組成物を硬化してなる。かかる硬化膜はカラーフィルタに好ましく用いられる。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色組成物を基材上に適用して硬化された着色領域(着色パターン)を形成できる方法であれば、いずれの方法で形成されてもよい。好ましくは、本発明の着色組成物を用いて作製される。
また、本発明の着色組成物を用いて固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合には、特開2011−252065号公報の段落0359〜0371に記載されている製造方法を採用することもできる。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明の着色組成物を用いて基材上に着色組成物層を形成する工程と、着色組成物層をパターン様に露光する工程と、着色組成物層の未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程と、を含むことが好ましい。さらに、必要に応じて、着色組成物層をベークする工程(プリベーク工程)、および、現像された着色パターンをベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。
<<着色組成物層を形成する工程>>
着色組成物層を形成する工程では、基材上に、本発明の着色組成物を適用して着色組成物層を形成する。
基材としては、例えば、液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス基板、ナトリウムガラス基板、パイレックス(登録商標)ガラス基板、石英ガラス基板、およびこれらに透明導電膜を付着させた基板や、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えば、シリコン基板や、プラスチック基板等が挙げられる。また、これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリックスが形成されていたり、密着促進等のために透明樹脂層が設けられたりしていてもよい。また、基板上には必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
また、プラスチック基板は、その表面に、ガスバリヤー層および/または耐溶剤性層を有していることが好ましい。
このほか、基板として、薄膜トランジスター(TFT)方式カラー液晶表示装置の薄膜トランジスター(TFT)が配置された駆動用基板(以下、「TFT方式液晶駆動用基板」という。)を用い、この駆動用基板上にも、本発明の着色組成物を用いてなる着色パターンを形成し、カラーフィルタを作製することができる。
TFT方式液晶駆動用基板における基板としては、例えば、ガラス、シリコーン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。例えば、TFT方式液晶駆動用基板の表面に、窒化ケイ素膜等のパッシベーション膜を形成した基板を用いることができる。
着色組成物の適用方法としては、塗布が好ましく、回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布、バー塗布、インクジェット等の方法により塗布することが好ましい。
基材上に形成した着色組成物層は、乾燥(プリベーク)することが好ましい。プリベークは、ホットプレート、オーブン等を用いて50℃〜140℃の温度範囲で、10秒〜900秒の条件にて行うことが好ましい。なお、プリベークは、高周波処理などを併用してもよい。高周波処理は単独でも使用可能である。必要によっては、プリベーク前に真空処理を施すこともできる。真空乾燥の条件は、真空度が、13〜133Paが好ましく、26〜66.5Paがより好ましい。
着色組成物により形成される着色組成物層の厚みは、目的に応じて適宜選択される。例えば、0.1〜5.0μmが好ましく、0.5〜4.0μmがより好ましく、1.0μm〜3.0μmがさらに好ましい。なお、着色組成物層の厚みは、プリベーク後の膜厚である。
<<露光する工程>>
続いて、本発明のカラーフィルタの製造方法では、基材上に前述のようにして形成された着色組成物からなる膜(着色組成物層)に対し、例えばフォトマスクを介して露光が行なわれる。露光に適用し得る光もしくは放射線としては、g線、h線、i線、j線、KrF光、ArF光が好ましく、g線、i線等の紫外線がより好ましく、i線が特に好ましい。照射量(露光量)は、5〜500mJ/cm2が好ましく10〜400mJ/cm2がより好ましく、20〜300mJ/cm2が更に好ましい。
また、その他の露光光線としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視および紫外の各種レーザー光源、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も使用できる。
レーザー光源を用いた露光工程
レーザー光源を用いた露光方式では、光源として紫外光レーザーを用いることが好ましい。照射光は、波長が300nm〜380nmの範囲である波長の範囲の紫外光レーザーが好ましく、300nm〜360nmの範囲の波長である紫外光レーザーがより好ましい。具体的には、特に出力が大きく、比較的安価な固体レーザーのNd:YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザーの第三高調波(355nm)や、エキシマレーザーのXeCl(308nm)、XeF(353nm)を好適に用いることができる。
被露光物(パターン)の露光量としては、1〜100mJ/cm2が好ましく、1〜50mJ/cm2がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
露光装置としては、特に制限はないが市販されているものとしては、Callisto(ブイテクノロジー株式会社製)やEGIS(ブイテクノロジー株式会社製)やDF2200G(大日本スクリーン(株)製)などが使用可能である。また上記以外の装置も好適に用いられる。
液晶表示装置用のカラーフィルタを製造する際には、プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機により、主として、h線、i線を使用した露光が好ましく用いられる。また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する際には、ステッパー露光機にて、主として、i線を使用することが好ましい。なお、TFT方式液晶駆動用基板を用いてカラーフィルタを製造する際には、用いられるフォトマスクは、画素(着色パターン)を形成するためのパターンの他、スルーホールなどの窪みを形成するためのパターンが設けられているものが使用される。
上記のようにして露光された着色組成物層は加熱することができる。
また、露光は、着色組成物層中の色材の酸化褪色を抑制するために、チャンバー内に窒素ガスを流しながら行なうことができる。
<<着色パターンを形成する工程>>
続いて、露光後の着色組成物層に対して、現像液にて現像が行なわれる。これにより、ネガ型もしくはポジ型の着色パターン(レジストパターン)を形成することができる。現像工程では、露光後の塗布膜の未硬化部を現像液に溶出させ、硬化分のみを基材上に残存させる。
現像液は、未硬化部における着色組成物の塗布膜(着色組成物層)を溶解する一方、硬化部を溶解しないものであれば、いずれのものも用いることができる。現像液は、下地の撮像素子や回路などにダメージを起さない、アルカリ性水溶液(アルカリ現像液)が好ましい。
アルカリ現像液に用いられるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ現像液は、これらのアルカリ剤を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が好ましく使用される。
また、アルカリ剤は、無機アルカリを用いてもよい。無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが好ましい。
現像温度は、20℃〜30℃が好ましい。現像時間は、20〜180秒が好ましい。残渣が多い場合は、120〜180秒が好ましい。残渣が少ない場合は、20〜90秒が好ましい。また、より残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返してもよい。
現像は、デイップ方式、シャワー方式、スプレー方式などいずれでもよく、これにスウィング方式、スピン方式、超音波方式などを組み合わせてもよい。現像液に触れる前に、被現像面を予め水等で湿しておいて、現像ムラを防ぐこともできる。また、基材を傾斜させて現像することもできる。
また、固体撮像素子用のカラーフィルタを製造する場合にはパドル現像も用いられる。
現像処理後は、余剰の現像液を洗浄除去するリンス処理を行うことが好ましい。
リンス処理は、通常は純水で行なうが、省液のために、最終洗浄で純水を用い、洗浄初期は使用済の純水を使用したり、また、基材を傾斜させて洗浄したり、超音波照射を併用したりする方法を用いてもよい。
リンス処理後は、乾燥を施した後、硬化を完全なものとするために、加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。ポストベークでの加熱温度は、100〜240℃が好ましく、200℃〜240℃がより好ましく、230〜240℃が更に好ましい。
ポストベークは、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、必要に応じ、上記以外の工程として、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法として公知の工程を有していてもよい。例えば、上述した、着色組成物層を形成する工程、露光工程およびパターン形成工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、塗布装置吐出部のノズルや配管部の目詰まり、塗布機内への着色組成物の付着、沈降または乾燥による汚染等を効率よく洗浄するためには、本発明の着色組成物に関する溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液を好適に用いることができる。溶剤は、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートおよびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。また、溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1が好ましく、10/90〜90/10がより好ましく、20/80〜80/20が更に好ましい。なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その質量比が60/40であることが特に好ましい。また、汚染物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には上述した本発明の着色組成物に関する界面活性剤を添加してもよい。
このようにして得られた着色パターンは、カラーフィルタにおける画素を構成する。複数の色相の画素を有するカラーフィルタの作製においては、上記の各工程を所望の色数に合わせて繰り返せばよい。
また、本発明の着色組成物は、ドライエッチング工程を含むカラーフィルタの製造方法にも適用することが可能である。このような製造方法の一例としては、本発明の着色組成物を用いて着色層を形成する工程と、
着色層上にフォトレジスト層を形成する工程と、露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程と、レジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程とを含む製造方法が挙げられる。
本発明のカラーフィルタの製造方法により得られたカラーフィルタ(本発明のカラーフィルタ)は、本発明の着色組成物を用いていることから、輝度およびコントラストに優れている。
本発明のカラーフィルタは、画像表示装置や固体撮像素子に用いることが可能であり、特に液晶表示装置の用途に好適である。液晶表示装置に用いた場合、良好な色相を達成しながら、分光特性およびコントラストに優れた画像の表示が可能になる。
本発明のカラーフィルタは、例えば、電荷結合素子(CCD)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)を構成する各画素の受光部と、集光するためのマイクロレンズと、の間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
本発明のカラーフィルタにおける着色パターン(硬化膜)の膜厚は、3.0μm以下が好ましく、2.5μm以下がより好ましい。下限は、例えば、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1.0μm以上が更に好ましい。
<画像表示装置>
本発明の画像表示装置は、本発明のカラーフィルタを備えてなるものである。画像表示装置としては、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置などが挙げられる。特に液晶表示装置の用途に好適である。本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
画像表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT(Thin Film Transistor)方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明はIPS(In Plane Switching)などの横電界駆動方式、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)などの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN(Super−Twist Nematic)、TN(Twisted Nematic)、VA(Vertical Alignment)、OCS(on−chip spacer)、FFS(fringe field switching)、および、R−OCB(Reflective Optically Compensated Bend)等にも適用できる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color−filter On Array)方式にも供することが可能である。
本発明のカラーフィルタを画像表示装置に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、さらに、赤、緑、青の発光ダイオード光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な画像表示装置を提供することができる。
<固体撮像素子>
本発明の固体撮像素子は、上述した本発明のカラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明のカラーフィルタを備え、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
基材上に、固体撮像素子(CCD(電荷結合素子)イメージセンサ、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサ等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコーン等からなる転送電極を有し、上記フォトダイオードおよび上記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコーン等からなるデバイス保護膜を有し、上記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
更に、上記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(基材に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
<トリアリールメタン染料の重量平均分子量(Mw)の測定方法(GPC測定)>
サンプル(ポリマー)から溶剤を除去し、得られた固形分をテトラヒドロフランにて0.1質量%に希釈し、HLC−8020GPC(東ソー(株)製)にて、TSKgel α―M(東ソー(株)製、7.8mm(内径)×30cm)を2本直列につないだものをカラムとして測定した。測定条件は、試料濃度を0.35質量%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、流速を0.3mL/min、サンプル注入量を10μL、測定温度を40℃とし、紫外線検出器を用いて行った値である。
<着色剤の溶剤に対する溶解度の測定方法>
着色剤を25℃高温槽内に保持した溶剤100gに添加し、撹拌しながら24時間放置した。24時間後、液を採取し動的光散乱計(大塚電子製 FPAR-1000)にて散乱粒子系を測定し、散乱光が得られなくなる最大濃度を溶解度とした。
(着色組成物Aの製造)
下記成分を混合して、着色組成物Aを調整した
・表2に記載の着色剤:20.0質量部
・表2に記載の成分A:表2に記載の質量部
・成分B(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)):表2に記載の質量部
(着色剤)
TAM1(トリアリールメタン染料):下記構造(Mw=5500、繰り返し単位に併記の数値は、質量比である。25℃のPGMEAに対する溶解度は、33.7(g/100g−solvent))
TAM2(トリアリールメタン染料):下記構造(Mw=4800、繰り返し単位に併記の数値は、質量比である。25℃のPGMEAに対する溶解度は、28.2(g/100g−solvent))
TAM3(トリアリールメタン染料):下記構造(Mw=6600、繰り返し単位に併記の数値は、質量比である。25℃のPGMEAに対する溶解度は、15.0(g/100g−solvent))
色材A:下記構造(特開2013−57053号公報の段落0189に記載に基づいて製造した。25℃のPGMEAに対する溶解度は、0.022(g/100g−solvent))
(成分A)
A1:tert−ブチルアルコール
A2:ベンズイミダゾール
A3:イミダゾール
A4:ベンゾトリアゾール
A5:ベンゾチアゾール
A6:チアゾール
A7:イソチアゾール
A8:グリセリンジメタクリレート(共栄社化学株式会社 ライトエステルG−101P)
Bp−1:特開2013−101166号公報の表3に記載の化合物Bp−1
(着色組成物B−1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27)
下記成分を混合して、着色組成物(硬化性組成物)を調製した。
・表3に記載の着色組成物A 21質量部
・重合性化合物(KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)) : 6.0質量部
・アルカリ可溶性樹脂(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(85/15[質量比]共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40.0質量%)酸価(100mgKOH/g)) : 12.7質量部
・光重合開始剤(IRGACURE−OXE02(BASF製)) : 0.6質量部
・溶剤1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 47.2質量部
・溶剤2:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル : 12.6質量部
・界面活性剤1(下記混合物(Mw=14000)) : 0.01質量部
(着色組成物B−2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、31)
下記成分を混合して、着色組成物(硬化性組成物)を調製した。
・表3に記載の着色組成物A 21質量部
・重合性化合物(KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)) : 6.0質量部
・アルカリ可溶性樹脂(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(85/15[質量比]共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40.0質量%)酸価(100mgKOH/g)) : 10.7質量部
・光重合開始剤(IRGACURE−OXE02(BASF製)) : 0.6質量部
・溶剤1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 49.2質量部
・溶剤2:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル : 12.6質量部
・界面活性剤1(上記混合物(Mw=14000)) : 0.01質量部
(着色組成物B−29)
下記成分を混合して、着色組成物(硬化性組成物)を調製した。
・着色組成物A−29 : 21質量部
・重合性化合物(KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)) : 6.0質量部
・アルカリ可溶性樹脂(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(85/15[質量比]共重合体(重量平均分子量:12,000)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分40.0質量%)酸価(100mgKOH/g) : 13.2質量部
・光重合開始剤(IRGACURE−OXE02(BASF製)) : 0.6質量部
・溶剤1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 46.7質量部
・溶剤2:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル : 12.6質量部
・界面活性剤1(上記混合物(Mw=14000)) : 0.01質量部
(着色層の製造)
ガラス(Eagle−XG;コーニング社製)基板上に、上記で調製した各着色組成物をスピンコート法で塗布した。その後、室温で15分間乾燥させ、さらに80℃のホットプレートで2分間乾燥させて揮発成分を揮発させた。これにより着色層Aを得た。なお塗布時の膜厚は、下記に述べる着色層Bを得た際にC光源での色相がBy=0.95となるように調整した。
次に、着色層Aにフォトマスクを介さない全面露光のi線(波長365nm)を照射し、潜像を形成させた。i線の光源には超高圧水銀ランプを用い、平行光としてから照射した。このとき、照射光量を40mJ/cm2とした。次いで、この潜像が形成された着色層に対して、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウムの水溶液(濃度2.4%)を用いて26℃で45秒間現像し、次いで、流水で20秒間リンスした後、スプレーで乾燥した。乾燥後の膜をクリーンオーブンで230℃×20分焼成し、着色層Bを得た。
得られた着色層Bを更にクリーンオーブンで230℃×120分焼成し、着色層Cを得た。
(コントラストの評価)
上記で得た着色層Aを2枚の偏光フィルムの間に挟み、2枚の偏光フィルムの偏光軸が平行な場合、および垂直な場合の輝度の値を、色彩輝度計(トプコン(株)製、型番:BM−5A)を使用して測定し、2枚の偏光フィルムの偏光軸が平行な場合の輝度を垂直な場合の輝度で除して、得られた値をコントラストとして求めた。膜中に凝集体のような散乱成分が少ないほど、高いコントラストを得ることが出来る。
(輝度の評価)
上記で得た着色層Bの透過スペクトルを測光システム(大塚電子(株)製MCPD−3700)を用いて測定した。得られた透過スペクトルを吸収スペクトルに変換し、C光源でBy=0.95となるときの輝度を求めた。
(耐熱性)
着色層Bと着色層Cの吸収スペクトルより、トリアリールメタンの吸収ピーク(500〜700nm)の面積を求めた。100×(着色層Cの吸収スペクトル面積)/(着色層Bの吸収スペクトル面積)の計算式により、着色層の耐熱性を評価した。値が100に近いほど、ポストベークでの色材分解が少ないことを表しており、カラーフィルタとしては93以上であることが望ましく、95以上が更に好ましい。
上記結果より、実施例は、比較例に比べて、高いコントラストと輝度を得ることが出来た。実施例は、電子供与性化合物を配合したことによりトリアリールメタン染料の凝集が抑制され、コントラスト向上したのみならず、散乱による透過光の減衰が抑制されたため、輝度が向上したと考えられる。
また、実施例は耐熱性も優れていた。電子供与性化合物を配合したことにより、トリアリールメタン染料の凝集が解消されてトリアリールメタンとアニオンが近接し易くなり、トリアリールメタンは求核攻撃を受け難くなったため、優れた耐熱性が得られたと考えられる。
一方、非共有電子対を含む電子供与性化合物を使用していない比較例B−27、29、溶剤に不溶な染料(レーキ顔料化した染料)を用いた比較例B−28は、輝度およびコントラストが不十分であった。

Claims (13)

  1. トリアリールメタン染料と、非共有電子対を含む電子供与性化合物と、溶剤とを含み、
    前記トリアリールメタン染料は、一般式(TP1)、および、一般式(TP2)から選ばれるトリアリールメタン構造を有する繰り返し単位Aを少なくとも1種有するポリマーであり、
    前記非共有電子対を含む電子供与性化合物は、分子量が500以下であり、かつ、窒素原子を含む芳香族ヘテロ環のみからなる化合物である、着色組成物;
    一般式(TP1)および(TP2)中、Rtp1〜Rtp4は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp5、Rtp6、Rtp8、Rtp9およびRtp11は、それぞれ独立して置換基を表す;Rtp7は、水素原子、アルキル基、アリール基またはNRtp71Rtp72を表す;Rtp71およびRtp72は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;Rtp10は、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す;a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0〜4の整数を表す;a、b、cおよびdが2以上の場合、Rtp5同士、Rtp6同士、Rtp8同士およびRtp9同士は、互いに連結して環を形成してもよい;Xはアニオンを表すか、Xは存在せずにRtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72の少なくとも1つがアニオンを含む;Rtp1〜Rtp11、Rtp71およびRtp72のいずれかが前記繰り返し単位Aとの結合部位を表す。
  2. 前記非共有電子対を含む電子供与性化合物の含有量が着色組成物の全固形分に対して、1〜30質量%である、請求項1に記載の着色組成物。
  3. 前記非共有電子対を含む電子供与性化合物の含有量が前記トリアリールメタン染料の100質量部に対し1〜30質量部である、請求項1または2に記載の着色組成物。
  4. 前記Xが、−SO3 -、−COO-、−PO4 -、下記一般式(A1)で表される構造および下記一般式(A2)で表される構造から選択される少なくとも1種の構造を有するアニオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色組成物;
    一般式(A1)
    一般式(A1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して−SO2−または−CO−を表す;
    一般式(A2)
    一般式(A2)中、R3は、−SO2−または−CO−を表す;R4およびR5はそれぞれ独立して−SO2−、−CO−または−CNを表す。
  5. 前記トリアリールメタン染料は、更に、重合性基を含む繰り返し単位を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の着色組成物。
  6. 更に、重合性化合物および光重合開始剤を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色組成物。
  7. 更に、アルカリ可溶性樹脂を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色組成物。
  8. カラーフィルタの着色層形成用である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の着色組成物を硬化してなる硬化膜。
  10. 請求項9に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて基材上に着色組成物層を形成する工程と、
    前記着色組成物層をパターン状に露光する工程と、
    前記着色組成物層の未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程と、を含むカラーフィルタの製造方法。
  12. 請求項10に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子。
  13. 請求項10に記載のカラーフィルタを有する画像表示装置。
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