JP6510814B2 - 食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食品の製造方法に関する。詳しくは、従来のさつまいもかりんとうなどの類似する食品に比べて軽く柔らかな食感を有すると共に、食品中の脂質含量が抑えられた食品の製造方法である。
一般的に「かりんとう」とは、小麦粉を砂糖・水・イーストや食塩・重曹などと共に練り合わせて棒状に成形した生地を、植物油で揚げ、黒砂糖や白砂糖で作った蜜をからめて乾燥させたものをいう。
また、既に市販されている、さつまいもを用いた菓子は、さつまいもを加熱調理したものに小麦粉等いろいろな素材を入れて、成形した後、油で揚げたり、焼成するなどしている。
一方、でん粉質の食材の一つであるサツマイモを原料とした菓子である、「さつまいもかりんとう」は、生のさつまいもをカットし、油で揚げたものに糖蜜をからめて乾燥したものをいう。さつまいもかりんとうの原料は、さつまいも、油、砂糖のみであって、小麦粉は用いられていない点において、上記の「かりんとう」や、さつまいもを用いた菓子とは異なる。
このため、さつまいもかりんとうは、サツマイモそのものの味を楽しむことができる菓子として、昔から年齢を問わず広く食され、親しまれている。
しかし、さつまいもかりんとうは、油で揚げることで含水率を5%程度まで下げ、更に蜜掛けしているため、硬く歯ごたえがあり、特に高齢者にとっては、食べづらさを感じる食品である。また、柔らかい食品に慣れた若年層にとっても、さつまいもかりんとうの硬さに食べづらさを感じることもあった。
また、所定の形状にカットしたサツマイモを、複数回に分けて揚げるなどして、約5%の含水率になるまで油で揚げ、更に蜜掛けしていたため、カロリーが高くなり、健康ブームの昨今においては、敬遠されがちな食品となってしまっている。
このため、近年では、さつまいもかりんとうの需要は横這い状態であり、さつまいもかりんとうと同様に、サツマイモなどのでん粉質の食材を素材として活かした新しい食品の開発が望まれていた。
そこで、特許文献1には、粉末状の高融点油脂を添加することによって、かりんとう生地のグルテンの成形阻害を行うと共に、微細な空隙が生地内に生成されて均一な膨化を起こすため、さつまいもかりんとうのように硬くなく、サクサクとした食感を持つ、かりんとうの製造方法が記載されている。
特許文献2には、生地にからませる糖蜜の、砂糖と油の混合比を適宜変えて油分を少なくすることにより、脂質含量を抑えた、カロリーの低い、かりんとうの製造方法が記載されている。
特許第3873479号明細書 特許第4628265号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の高融点油脂は、粉末状である必要があるとされており、この粉末状の高融点油脂を作るには、溶解した油脂を冷却塔(チラー)の中へ噴霧して粉末化するなどしなければならず、製造設備を整える必要があり、製造業者にとっては負担となる。
また、特許文献2に記載の製造方法の「焼き入れ」は、油を含まない、かりんとう体を焼く工程である。一般に、油は熱伝導率が良いため、油を入れることでかりんとう体の内部の温度を高くすることができ、生焼けになることを防ぐことができるとされている。このため、油を含まない、かりんとう体に焼き入れを施しても、内部にまで充分に熱が伝わらず、生焼けになってしまう可能性があった。
また、上記したようなさつまいもかりんとうは、サツマイモを細長い形状にカットしてつくられていたので、切れ端部分が生じてしまい、この部分については製品化できず、廃棄処分とせざるを得ないという課題もあった。
また、上記したように、さつまいもかりんとうは油で揚げ、蜜掛けをしているため、硬さのある食品となっており、咀嚼する力が弱い、例えば高齢者などは、さつまいもかりんとうに食べづらさを感じていた。
本発明は、以上の点に鑑みて発明されたものであり、従来のさつまいもかりんとうなどの類似する食品に比べて軽く柔らかな食感を有すると共に、食品中の脂質含量が抑えられた食品の製造方法を提供することを目的とする。
上記問題を達成するために、本発明の食品の製造方法は、でん粉質の食材を油で揚げて所要の含水率にする工程と、前記油で揚げた、前記でん粉質の食材を潰す工程と、潰した前記でん粉質の食材から生地を生成する工程と、前記生地から、所要の形状を有する成形生地体を成形する工程と、前記成形した成形生地体を焼成して所要の含水率にする工程とを備える。
ここで、でん粉質の食材を油で揚げて所要の含水率にする工程によって、でん粉質の食材からある程度の水分を除去し、後の工程で含水率を最終的に調整しやすい状態にすることができる。
また、油で揚げた、でん粉質の食材を潰す工程によって、でん粉質の食材が滑らかな状態になり、後の工程で成形しやすい状態にすることができる。
また、油で揚げた、でん粉質の食材を潰す工程によって、咀嚼する力が弱い、例えば高齢者などにも、食べづらさを感じることのない食品を製造することができる。
また、潰したでん粉質の食材から生地を生成する工程によって、後に行う、成形生地体を成形する工程を行いやすくなる。
また、生地から、所要の形状を有する成形生地体を成形する工程によって、様々な形状の食品を製造することができる。
また、成形した成形生地体を焼成して所要の含水率にする工程によって、長期保存に適した食品とすることができる。
また、一旦潰したものを成形し、焼成しているので、硬くなく、軽く柔らかな食感を有しており、咀嚼する力が弱い高齢者でも食べやすい。
また、油で揚げるのが潰す前の工程の一度だけで、揚げ時間も短くなるので、油が含まれる量も少なくなり、カロリーを抑えることができる。
上記問題を達成するために、本発明の食品の製造方法は、でん粉質の食材を油で揚げて所要の含水率にする工程と、前記油で揚げた、前記でん粉質の食材を潰す工程と、潰した前記でん粉質の食材に甘味料を配合して、生地を生成する工程と、前記生地から、所要の形状を有する成形生地体を成形する工程と、前記成形した成形生地体を焼成して所要の含水率にする工程とを備える。
ここで、でん粉質の食材を油で揚げて所要の含水率にする工程によって、でん粉質の食材からある程度の水分を除去し、後の工程で含水率を最終的に調整しやすい状態にすることができる。
また、油で揚げた、でん粉質の食材を潰す工程によって、でん粉質の食材が滑らかな状態になり、後の工程で成形しやすい状態にすることができる。
また、油で揚げた、でん粉質の食材を潰す工程によって、咀嚼する力が弱い、例えば高齢者などにも、食べづらさを感じることのない食品を製造することができる。
また、潰したでん粉質の食材に甘味料を配合して、生地を生成する工程によって、後の工程で蜜掛け等の工程を経ることなく、甘味を付与した食品を製造することができる。
また、生地から、所要の形状を有する成形生地体を成形する工程によって、様々な形状の食品を製造することができる。
また、成形した成形生地体を焼成して所要の含水率にする工程によって、長期保存に適した食品とすることができる。
また、一旦潰したものを成形し、焼成しているので、硬くなく、軽く柔らかな食感を有しており、咀嚼する力が弱い高齢者でも食べやすい。
また、油で揚げるのが潰す前の工程の一度だけで、揚げ時間も短くなるので、油が含まれる量も少なくなり、カロリーを抑えることができる。
また、甘味料が15〜25重量%となるように、でん粉質の食材に甘味料を混ぜ合わせる場合には、適度な甘さが感じられる食品を製造することができる。
なお、甘味料が25重量%を超える場合には、甘味料が配合される量が多くなり、甘さが強すぎて、でん粉質の食材が持つ甘味が消されてしまい、風味が損なわれる傾向がある。また、甘味料が15重量%未満の場合には、甘味料が配合される量が少なくなり、充分な甘みを感じることができず、食品としてのおいしさが損なわれてしまう傾向がある。
また、でん粉質の食材を油で揚げて30〜50重量%の含水率にする場合には、後の工程で潰しやすい硬さにすることができる。
なお、含水率が30重量%未満の場合には、でん粉質の食材が硬くなり過ぎて、潰しにくくなってしまう。また、含水率が50重量%を超える場合には、後の工程で生成される生地が柔らかくなってしまい、生地を所要の形状に成形しにくくなる。
また、生地を成形する作業は、ほぼ常温で行われることになるので、常温で半固形状である、油を使用してでん粉質の食材を揚げる場合には、油が半固形状の状態を維持しようとする力を利用して、生地を成形した成形生地体の形状を焼成工程へ送られるまで維持できるようにすると共に、焼成後の製品としての食品の形状を安定的に揃えることができる。
また、成形生地体を焼成して5重量%以下の含水率にする場合には、長期保存に適した食品を製造することができる。
なお、焼成後の含水率が、5重量%を超える場合には、水分が多すぎるため保存性に劣り、長期の保存がしにくくなる傾向がある。
また、成形生地体を焼成して10〜15重量%の脂質含有率にする場合には、カロリーが抑えられた、健康に良い食品を製造することができる。
なお、焼成後の脂質含有率が10重量%未満の場合は、食品の内部まで充分に熱が伝わりにくいため、生焼けの状態になりやすい傾向がある。また、焼成後の脂質含有率が15重量%を超える場合には、カロリーが高くなり、一般需要者の求める健康志向にそぐわない食品となってしまう傾向がある。
また、でん粉質の食材がサツマイモである場合には、サツマイモ特有の甘みを味わうことができ、また、サツマイモに豊富に含まれる食物繊維も摂取することができ、健康に良い食品を製造することができる。
また、でん粉質の食材がジャガイモである場合には、甘味料を加えないことで、ジャガイモの素材そのものの風味を味わうことができる。
また、でん粉質の食材がサツマイモ又はジャガイモである場合には、揚げたサツマイモ又はジャガイモを潰すため、全部を材料として使用でき、無駄なく使い切ることができる。
また、上記問題を達成するために、本発明の食品は、油で揚げたでん粉質の食材に甘味料を配合して生成された生地を成形したものを焼成して製造される。
ここで、油で揚げたでん粉質の食材に甘味料を配合することによって、程よい甘味の食品を製造することができる。
また、生地から成形したものを焼成して製造されることによって、所要の形状の食品を製造することができる。
本発明は、従来のさつまいもかりんとうなどの類似する食品に比べて軽く柔らかな食感を有すると共に、食品中の脂質含量が抑えられた食品の製造方法を提供できる。
本発明に係る食品の製造方法の一実施例を示す工程図である。 従来の食品と本発明に係る食品の脂質含量を比較した表である。 従来の食品と本発明に係る食品の硬さを比較した表である。 本発明に係る食品の形状を示した図であり、(a)は薄い円形でチップ状の形状を有する芋菓子であり、(b)は、いわゆるシェル状の形状を有する芋菓子であり、(c)は、いわゆるツイスト状の形状を有する芋菓子である。
以下、本発明の実施の形態について図1ないし図4を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
(製造方法)
図1を参照して、本発明の食品の製造方法の一例である、芋菓子1の製造方法について説明する。
(1)でん粉質の食材の一例であるサツマイモを洗浄する(S1参照)。
ここで、本実施の形態で用いるサツマイモの品種は、特に限定されるものではない。なお、芋菓子1を他の一般的なサツマイモの皮特有の赤紫色に着色させないようにしたい場合には、皮が白いコガネセンガンという品種のサツマイモを用いることが好ましい。しかし、芋菓子1が赤紫色やその他の色に着色されても良い場合には、他の品種のサツマイモを用いてもよい。
また、でん粉質の食材は、サツマイモに限られない。カボチャやジャガイモなどの食材も用いることができる。特に、ジャガイモについては、甘味料を加えないことで、ジャガイモの素材そのものの風味を味わうことができる。
(2)サツマイモを所要の大きさにカットする(S2参照)。
ここで、芋菓子1を他の一般的なサツマイモの皮特有の赤紫色に着色しないようにしたい場合には、サツマイモの皮を剥く。なお、例えば皮が白いコガネセンガンという品種のサツマイモを原料として使用すると、皮を混ぜても色が付かないので、サツマイモの皮を剥く手間がかからず、効率よく製造することができる。
なお、他の品種のサツマイモを用いた場合であっても、サツマイモをカットする際、サツマイモの皮を予め剥いて、後述する次の工程(S3)に移ることで、芋菓子1を赤紫色等に着色しないようにすることもできる。
カットする形状は、特に限定されるものではない。さつまいもかりんとうは、サツマイモをカットする工程において、通常は細長い形状にすることが必要であったが、本実施例では、後の工程(S4)で、揚げたサツマイモを潰すので、揚げるときの形状は特に限定しない。
(3)カットされたサツマイモを油で揚げる(S3参照)。
ここで、油で揚げた後の含水率が、約40%程度となるように、揚げる温度と揚げる時間を調整する。本実施例においては、油を160℃の温度にして、例えば約3分間揚げる。
サツマイモを揚げる際に用いる油は、パーム油を使用する。パーム油は常温で半固形状であり、芋菓子の成形は常温下で行われるため、パーム油が固まろうとする作用により、生地を成形した成形生地体の形状を焼成工程(S7参照)へ送られるまで維持できるようにすると共に、焼成後の製品としての食品の形状を安定的に揃えることができる。
ここで、でん粉質の食材を揚げる際に用いる油はパーム油に限られるものではなく、常温で半固形状である油であれば、例えばショートニングなども用いることができる。なお、油は、必ずしも常温で半固形状である必要はなく、例えば、日常的に用いられるサラダ油などを用いてもよい。
(4)揚げたサツマイモを、電動ミンサーなどを用いて潰す(S4参照)。
このとき、サツマイモは油で揚げる工程で熱が加えられて柔らかくなっているため、潰しやすい。
また、さつまいもかりんとうを製造する際は、切れ端の部分が生じてしまい、無駄があったが、芋菓子1の製造方法では、サツマイモ全体を使用することができるので、廃棄する部分が非常に少なく、経済的である。
(5)潰されたサツマイモ約1キログラムに、甘味料の一例である砂糖200グラムを加え、生地を生成する(S5参照)。
ここで、砂糖の量は、潰されたサツマイモの重量の約20%に相当する量(サツマイモ83重量%に対し、砂糖17重量%)とすることが好ましい。この配合とすることで、程よい甘味のある芋菓子を製造することができる。
なお、サツマイモと砂糖との配合は、上記の配合に限定するものではなく、サツマイモ自体が有する甘みを勘案するなどして、適宜変更することができる。
なお、潰されたサツマイモに加える甘味料は砂糖に限るものではなく、サツマイモに甘味を加えることができる食材であれば良い。例えば、はちみつやトレハロースなどを用いることもできる。
(6)生地から、約1ミリ程度の薄さであり、丸い薄い板状の形状を有する成形生地体(図示せず)を成形する(S6参照)。
ここで、成形生地体の形状は特に限定されるものではなく、他にも図4(b)及び(c)に示すように、いわゆるツイスト状の形状を有する成形生地体2や、いわゆるシェル状の形状を有する成形生地体3とすることができる。
また、成形生地体を成形する際、形状が不完全な、いわゆる不良品が生成されても、潰されたサツマイモ(S4参照)に混ぜ合わせることで、生地(S5参照)として再利用することができる。
(7)成形生地体を焼成する(S7参照)。
ここで、本実施例では、オーブンを用いて、135℃で約22分間焼いた。なお、オーブンで芋菓子体を焼く時間と温度は、135℃で約22分間に限られるものではなく、成形生地体の含水率を約5%になるように焼き上げることができればよい。
また、焼成の工程(S7参照)には、オーブンによる焼成だけでなく、例えば煎餅焼き機によるプレス(表面温度が130℃前後となる)を用いることもできる。
(製造方法の作用)
ここで、上記の各工程(S1〜S7参照)を経ることで、図4(a)に示すような、芋菓子1が製造される。
また、各工程(S1〜S7参照)の作業は、それぞれ分業して行うことができるので、ライン化生産方式により生産することができ、量産性がある。
また、製造工程が複雑でなく、工程のほとんどを人の手によって行うことができるので、小規模な工場であっても製造することができる。
また、さつまいもかりんとうは、サツマイモを収穫して間もない時期に製造しなければ、揚げた後の色がくすんでしまっていたが、本実施の形態で示した、芋菓子1の製造方法では、貯蔵したサツマイモでも製造することができる。
なお、サツマイモは、所要期間貯蔵することで甘みが増すことが知られているが、このように貯蔵したものを原料として使用することにより、使用する砂糖の量を少なくすることが可能になる。
また、さつまいもかりんとうを製造する際の蜜掛けでは、添加する甘味の調整はできないが,成形さつまいもかりんとうの甘味は,原料さつまいも自体の甘みに応じて、添加する甘味料の量を調整することによって、適度な甘みを持たせたり、あるいは甘味を抑えた成形さつまいもかりんとうを製造することができる。
また、原料もサツマイモと砂糖のみであり、しかも高価な機器を設置することなく製造することができるので、製造コストが抑えられた芋菓子1を製造することができる。
(芋菓子)
図2ないし図4を参照して、本発明の食品の一例である、上記の製造方法により製造された、芋菓子1について説明する。
油で揚げることで約40%の含水率にしたサツマイモを潰し、これに砂糖を混ぜ合わせて作られた生地を、薄い円形状に成形し、焼成することで、図4(a)に示された芋菓子1は製造される。
なお、芋菓子1の材料は、サツマイモに限られるものではなく、馬鈴薯やカボチャなども材料として使用できる。
(作用)
サツマイモを油で揚げる工程では、含水率を約40%とすることから、さつまいもかりんとうの製造方法に比べて油で揚げる時間が短くなるので、芋菓子1に含まれる脂質含量を減らすことができる。
ここで、さつまいもかりんとうと、芋菓子1の脂質含量の試験結果について述べる。図2は、さつまいもかりんとうと芋菓子1の脂質含量を比較した図である。なお、脂質含量は、ソックスレー脂肪抽出装置B−811(柴田科学株式会社製)を用いて、細かく砕いたサンプルをエチルエーテルで抽出し、定量した。
図2の表から分かるように、さつまいもかりんとうは、脂質含量が24%であるのに対し、芋菓子1は、12%であり、さつまいもかりんとうに比べて、脂質含量が約半分であることが明らかである。
これにより、芋菓子1は、脂質含量がさつまいもかりんとうよりも少ないので、需要者の求める健康志向に合う食品とすることができる。
また、油で揚げたサツマイモを潰して生地を生成していることから、さつまいもかりんとうに比べて柔らかい食感を持たせることができるので、咀嚼する力が弱い高齢者だけでなく、若年層にとっても食べやすい芋菓子1とすることができ、新たに購入層が拡がることが期待できる。
次に、さつまいもかりんとうと、芋菓子1の硬さの違いについて述べる。図3は、さつまいもかりんとうと芋菓子1の硬さを比較した図である。
なお、図3に示す最大荷重に関する試験は、以下のように行った。
従来のかりんとう、及び本発明にかかる芋菓子1の硬さをテクスチャーアナライザー(TA−XTplus英弘精機製)を用いてHDP/BSブレードセットで下記の条件下で測定した。測定は10反復行い、最大荷重値の平均を求めた。
<測定条件>
テストスピード :2mm/秒
引き金荷重 :5gf
プランジャー :HDP/BSブレード
試験片 :さつまいもかりんとうは、一辺が5mmの立方体
芋菓子1は、直径5mm、高さ5mmの円柱
この試験を行った結果、さつまいもかりんとうは、最大荷重が約6.8kgfであるのに対し、芋菓子1は、約2.1kgfであった。芋菓子1は、さつまいもかりんとうに比べて約3分の1の硬さであることが明らかとなった。
このような最大荷重に関する試験を行った結果、芋菓子1はさつまいもかりんとうに比べて、軽く柔らかな食感を有することが分かった。
また、サツマイモに砂糖を混ぜ合わせて生地を生成することから、程よい甘さを感じる芋菓子を製造することができる。
また、サツマイモを潰して生成された生地から薄い円形状の成形生地体を成形することで、さつまいもかりんとうと比べて軽く柔らかな食感を有し、食べやすい芋菓子1とすることができる。
また、成形された成形生地体を焼成する(S7参照)ようにしているので、油で揚げた(S3参照)際のサツマイモの含水率が、仮に40%程度にならず、多少外れたとしても、芋菓子1の焼き加減を調整して、約5%の含水率の製品とすることは、比較的容易にできる。
また、成形された成形生地体を焼成(S7参照)し、約5%の含水率とすることで、長期間の保存に適した芋菓子1を製造することができる。
なお、焼成後の芋菓子1の含水率は、約5%に限られるものではなく、賞味期限との兼ね合いにより任意に定めることができる。
また、芋菓子1の材料は、サツマイモ、油及び砂糖のみであるので、素材の風味が感じられる芋菓子を製造することができる。
このように、本発明は、以上の点を鑑みて発明されたものであり、従来のさつまいもかりんとうなどの類似する食品に比べて軽く柔らかな食感を有すると共に、食品中の脂質含量が抑えられた食品の製造方法を提供することができる。
1 薄い円形でチップ状の形状を有する芋菓子
2 ツイスト状の形状を有する芋菓子
3 シェル状の形状を有する芋菓子

Claims (6)

  1. サツマイモ、カボチャ又はジャガイモを常温で半固形状である油で揚げて30〜50重量%の含水率にする工程と、
    前記油で揚げて30〜50重量%の含水率にした前記サツマイモ、カボチャ又はジャガイモを潰す工程と、
    潰した前記サツマイモ、カボチャ又はジャガイモから生地を生成する工程と、
    前記生地から、所要の形状を有する成形生地体を成形する工程と、
    前記成形した成形生地体を焼成して所要の含水率にする工程とを備える
    食品の製造方法。
  2. サツマイモ、カボチャ又はジャガイモを常温で半固形状である油で揚げて30〜50重量%の含水率にする工程と、
    前記油で揚げて30〜50重量%の含水率にした前記サツマイモ、カボチャ又はジャガイモを潰す工程と、
    潰した前記サツマイモ、カボチャ又はジャガイモに甘味料を配合して、生地を生成する工程と、
    前記生地から、所要の形状を有する成形生地体を成形する工程と、
    前記成形した成形生地体を焼成して所要の含水率にする工程とを備える
    食品の製造方法。
  3. 前記甘味料が15〜25重量%となるように、潰した前記サツマイモ、カボチャ又はジャガイモに同甘味料を混ぜ合わせる
    請求項2に記載の食品の製造方法。
  4. 前記成形生地体を焼成して5重量%以下の含水率にする
    請求項1、請求項2又は請求項3に記載の食品の製造方法。
  5. 前記成形生地体を焼成して10〜15重量%の脂質含有率にする
    請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の食品の製造方法。
  6. 常温で半固形状である油で揚げて30〜50重量%の含水率にしたサツマイモ、カボチャ又はジャガイモを潰し甘味料を配合して生成された生地を成形したものを焼成して製造する
    食品の製造方法。
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