JP2001017070A - ベーカリー製品の製造方法 - Google Patents

ベーカリー製品の製造方法

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JP2001017070A
JP2001017070A JP11195977A JP19597799A JP2001017070A JP 2001017070 A JP2001017070 A JP 2001017070A JP 11195977 A JP11195977 A JP 11195977A JP 19597799 A JP19597799 A JP 19597799A JP 2001017070 A JP2001017070 A JP 2001017070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小麦粉や他の穀粉、デンプン類を用いたベー
カリー類では得られない、軽い食感や香ばしさを有し、
口溶けの良さが極めて良好で、従来にない食感と風味を
もったベーカリー製品を製造する方法を提供する。 【解決手段】 米を主成分とする穀類原料を蒸煮して該
米をアルファ化した後、焙焼して前記米をさらにアルフ
ァ化する。このアルファ化した米を主成分とする穀類原
料を粉砕して微粉状物とする。この微粉状物を主原料と
して卵類、砂糖、水分とともに混練して生地とし、この
生地を成形した後、加熱して生地を焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、米を主原料とした
ベーカリー製品の製造方法に関し、特に食感が良好で消
化吸収が良く、米特有の香味を有するベーカリー製品の
製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、小麦粉あるいは
小麦粉以外の穀粉やデンプンを主成分とし、これに牛乳
または乳製品、卵、香料、着色料、膨張剤などを混捏し
て成形した後、焙焼などの加熱を施すことによりビスケ
ットやクッキーなどの焼き菓子を製造したり、焙焼パ
ン、揚げパン、蒸しパン、あるいはワッフルなどのパン
類を製造したりしている。これらの小麦粉を主原料とし
た焼き菓子類やパン類などのベーカリー製品において
は、焼き菓子は、サクサクとして食感が軽く、口溶けの
よいものが求められており、パン類などにおいては、表
面はサクサクとしており、ひきが弱く、ソフトで口溶け
の良いものが求められている。
【0003】このようなベーカリー製品の食感などを改
善することを目的としてベーカリー製品に米粉を用いる
ことが種々提案されている。
【0004】特開昭61−12249号公報には、原料
に生米粉を使用して卵、砂糖、牛乳を添加した米粉クレ
ープと米粉ワッフルの製造方法が開示されている。ま
た、特開平8−228662号公報には、ベーカリ製品
である焼き菓子の風味を損なう諸原料の異臭を除去する
ために「香り米」として知られている米を粉にしてベー
カリー製品用粉に含有させ、ビスケットなどを製造して
品質を改良する技術が開示されている。これらの従来技
術はいずれも主原料に生米粉を使用したものである。
【0005】一方、特開昭62−205745号公報に
は、粘性を調節した小麦粉主原料のクッキー種に焙焼米
菓生地を包含せしめ、そのまま焼き上げた軽い食感の米
菓包装クッキーの製造方法が開示されており、特開平1
−179640号公報には、市販の味付き米菓を細かい
あられ状に破砕し、小麦粉主原料のクッキー種と混合し
て焼き上げた、米菓の歯ごたえや風味などが残る焼き菓
子の製造方法が開示されている。これらの従来技術は焙
焼した米菓を小麦粉主体のクッキー種に添加することに
より食感の軽い菓子を製造するものである。
【0006】以上のようにビスケットやクッキーなどの
ベーカリー製品の製造方法においては、食感や風味など
の品質改善などに重点を置き、米粉や米菓を用いること
が行われているが、例えば、特開昭61−12249号
公報に記載された技術は、小麦粉を一切使用せず、味が
淡白で重味のある生米粉を100%主原料として、より
美味なワッフルなどを製造することを目的とするもので
あり、主原料として小麦粉ではなく生米粉を用いている
ので、この方法によりビスケットやクッキーのような軽
い食感で低水分の製品を製造した場合には、サックリと
した軽快な食感を得られないという問題点がある。
【0007】また、特開平8−228662号公報に
は、焼き菓子などのベーカリ製品の風味を損なう諸原料
の異臭を除去するために「香り米」として知られている
米を粉にしてベーカリー製品用粉に含有させ、ビスケッ
トなどを製造して品質を改良することが開示されてお
り、この公開公報の実施例においては、ウルチ米粉を含
有した小麦粉と小麦粉のみで作られたビスケットの品質
を比較した結果、風味、食感、焼き色が前者の方が良好
であることが示されている。しかしながら、生米粉を小
麦粉に添加して製造したビスケットは、小麦粉のみで作
られたビスケットよりも老化が促進され日持ちの面にお
いて品質的に劣ってしまうという問題点がある。これ
は、生米粉を添加した場合、小麦粉中のグルテンが希釈
されてデンプン含量が高くなり、小麦粉のみの場合と比
較すると吸水性が劣り、アルファ化に必要な水分量が不
十分となるために老化が速く進んでしまうためである。
【0008】このように小麦粉の代わりに生米粉を使用
した場合には、サックリとした軽快な食感や口溶けの良
いビスケットやクッキーを得ることができず、また、得
られた製品は日持ちが悪いという問題点があった。
【0009】一方、特開昭62−205745号公報及
び特開平1−179640号公報には、焙焼された米菓
生地をクッキー種と組み合わせて、極めて食感が軽く、
香ばしい風味の菓子を製造することが開示されている
が、これらの従来技術は基本的にはそれぞれ別製品であ
る米菓とクッキーとを組み合わせた製品に過ぎず、それ
によって小麦粉生地中も米菓粒などが存することによ
り、食感の良好な製品は得られるもののビスケットやク
ッキーなどとは異なる製品である。
【0010】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、小麦粉や他の穀粉、デンプン類を用いたベーカ
リー類では得られない、軽い食感や香ばしさを有し、口
溶けの良さが極めて良好で、従来にない食感と風味をも
ったベーカリー製品を製造する方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み本発明者
らは、米を原料として、食感が良好で香ばしく、口溶け
の良好なベーカリー製品を製造するため種々研究を行っ
た結果、焙焼した米を粉にして主原料とし、これを小麦
粉などの代わりに用いてベーカリー製品を製造すればあ
る程度食感や口溶けが改善されるが、未だ改善の余地が
大きいことがわかった。そこで、さらに研究した結果、
食感が良好で香ばしく、口溶けの良好なベーカリー製品
を米を原料として製造するには、主原料として使用する
米のアルファ化度が十分に高い必要があり、単に焙焼し
た米ではアルファ化度が必ずしも十分でないことがわか
った。そこで、米主体の原料を蒸煮などにより一度アル
ファ化したものをさらに焙焼してアルファ化度を高めた
米を主原料とし、バター、マーガリン、ショートニング
等の油脂、砂糖、卵類、水分、膨張剤などとともに混捏
した生地を、所定の形状に成形して加熱し膨化させれ
ば、食感が良好で香ばしく、口溶けの良好なベーカリー
製品が得られ、しかも従来の小麦粉や他の穀粉、デンプ
ンを主原料としたものよりも火の通りがよく、厚く成形
しても焼きムラや生焼けの虞のない、立体感のあるベー
カリー製品を製造できることを見出した。特に、アルフ
ァ化度を高めた米を80〜250メッシュに粉砕して微
粉状とすれば、一層、食感が良好で香ばしく、口溶けの
良好なベーカリー製品が得られることを見出した。これ
らに基づき本発明に想到した。
【0012】本発明の請求項1記載のベーカリー製品の
製造方法は、米を主成分とする穀類原料を蒸煮して該米
をアルファ化した後、焙焼して前記米をさらにアルファ
化し、続いてこのアルファ化した米を主成分とする穀類
原料を粉砕して微粉状物とし、前記微粉状物を主原料と
して卵類、砂糖、水分とともに混練した生地を成形した
後加熱して前記生地を焼成するものである。
【0013】また、請求項2記載のベーカリー製品の製
造方法は、前記請求項1において、前記アルファ化した
米を主成分とする穀類原料を80〜250メッシュに粉
砕して微粉状物とするものである。
【0014】さらに、請求項3記載のベーカリー製品の
製造方法は、前記請求項1又は2において、前記水分が
調味液及び/又は液状の乳製品であるものである。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明のベーカリー製品の製
造方法について、クッキー類、クラッカー、ビスケット
などの焼き菓子の場合を例に詳細に説明する。
【0016】まず、米を主成分とする穀類原料について
説明する。本発明において使用する米は米菓の原料とな
るものと同じものであり、モチ米、ウルチ米などを所望
とする風味、食感等に応じて適宜選択して用いたり、あ
るいは両者を併用することができる。これらの米原料
に、必要に応じてとうもろこし、馬鈴薯、小麦などの穀
類の粉末の1種又は2種以上を混合したものを、米特有
の風味や食感を損なわない範囲で配合したものを穀類原
料とすることができる。
【0017】上述したような米を主成分とする穀類原料
を蒸煮することにより米中に含まれるデンプンをアルフ
ァ化する(第1のアルファ化工程)。蒸煮は、モチ米、
ウルチ米などを蒸籠、蒸練機等により蒸煮することによ
り行えばよい。この蒸煮した後の米を主成分とする穀類
原料は、圧延ロールを通過させて引き伸ばしたり、ニー
ダなどで混捏して所定の形状に成形した後乾燥させる。
この乾燥は通常の通気乾燥等どのような方法によっても
よい。
【0018】そして、蒸煮により第1のアルファ化工程
を経た穀類原料を焙焼して再度アルファ化する(第2の
アルファ化工程)。この焙焼は、セラミックバーナ、赤
外線バーナ、熱風焼成等どのような方法で行ってもよ
い。
【0019】このようにして2段階で米中の澱粉質をア
ルファ化することにより、そのアルファ化度を80%以
上、好ましくは約90%以上と極めて高いものとするこ
とができる。これにより、以下のような効果を得ること
ができる。
【0020】すなわち、米菓と小麦製品のアルファ化度
を比較すると、下記表1に示すとおりであり、米菓は9
0%前後の極めて高いアルファ化度を示す。
【0021】
【表1】
【0022】米菓の製造においては米を蒸してから焙焼
することにより少なくとも2回加熱していることから、
基本的には本実施例のように蒸煮と焙焼により2度にわ
たりアルファ化するのと同じである。したがって、本実
施例における米を主成分とする穀類原料も同様に90%
前後の極めて高いアルファ化度を示すといえる。このよ
うに蒸煮した後焙焼することで極めて高いアルファ化度
を示すのは、米を蒸してモチ状にする際に、適量の水
分が与えられてデンプンが十分にアルファ化され、さ
らに焙焼により加熱されることによってアルファ化度が
高められるとともに水分が蒸発して2%前後となるので
老化によるアルファ化度の減少が抑制され、この高いア
ルファ化された状態のまま保持できるためである。
【0023】一方、クッキー、クラッカーなどの小麦粉
を使用した焼き菓子類は、焙焼後の水分は米菓と同程度
であるにもかかわらずアルファ化度が低く、クラッカー
で20%、クッキー類で10〜50%程度である。この
ように小麦粉を使用した焼き菓子類のアルファ化度が低
いのは製造後の老化ではなく、製造時に十分にアルファ
化されていないためであると推測され、その原因として
は添加物の影響やアルファ化に関与する水分の不足等が
挙げられる。すなわち、クラッカーやクッキー類には砂
糖が添加されるが、砂糖は親水性であるため、アルファ
化後には保水効果により製品の劣化防止に寄与する。し
かしながら、アルファ化の際にデンプンと砂糖とが水を
奪いあい、その結果、水が不足してデンプンのアルファ
化が充分に行われず、また、バター、マーガリンなどの
油脂分を多く含むと該油脂分は疎水性であるのでデンプ
ンの吸水を妨げ、これらによりアルファ化が阻害される
と考えられる。さらに、クラッカーやクッキー類などの
製造工程では水を加える量自体も少ないので、絶対的な
水分量が不足することもアルファ化度の低い原因である
と考えられる。したがって、通常のクラッカーやクッキ
ー類などのベーカリー類の製造工程において、小麦粉な
どの穀粉の代わりに単に生米粉を用いただけでは、同様
の理由により生米粉を本実施例のように高いアルファ化
度とすることはできず、このことが米粉を用いたベーカ
リー製品の食感や口当たりの向上を妨げる原因となって
いた。また、本実施例のように2度のアルファ化により
アルファ化度を高めるとともに焙焼工程により乾燥させ
ることでデンプン粒が破壊されるために、デンプンが吸
水したり、デンプン分子の会合が起こりにくくなるた
め、老化が起こりにくく、日持ちの面において改善が見
られるのである。しかも、アルファ化度の高いデンプン
は酵素に作用され易いので非常に消化・吸収が良いとい
う効果を奏する。これらの効果により本実施例において
は米菓を用いたクッキーなどの焼き菓子における老化の
進行を改善するとともに、食感及び口当たりを改善する
ことができるのである。
【0024】次に、この焙焼によりアルファ化した焙焼
生地を80〜250メッシュ、特に200メッシュ程度
に粉砕することにより微粉状物とする。このようにアル
ファ化した焙焼生地を80〜250メッシュ程度の細か
い粒度に粉砕することにより、一層アルファ化した米デ
ンプンの老化を抑制することができて好ましい。また、
通常の小麦粉の粒度は100メッシュ以上であるので、
80〜250メッシュに粉砕することにより、米粉を小
麦粉の粒度に近づけるとともに、さらに細かい粉末にす
ることで油脂、砂糖、水分などの他の原料とともに均一
に空気を包含させることができ、後述するように生地の
調製においてクリーム状の生地とすることができ、この
ように均一に空気を包含したクリーム状の生地を加熱し
て膨化させることにより、口溶けの極めて良い焼き菓子
とすることができる。なお、小麦粉を原料とした焼き菓
子の場合、グルテンの影響により生地の粘性が高くなり
食感が重くなってしまうが、本実施例の米を用いた焼き
菓子では、アルファ化度が極めて高く、しかもアルファ
化度を低下させる要因もないため食感が軽く、かつ消化
のよい焼き菓子を提供することができるという効果も奏
する。
【0025】上述したような粒度に粉砕した焙焼生地の
微粉状物(焙焼米粉)を、油脂、砂糖、卵類、水分及び
必要に応じて調味料類、膨張剤などとともに混捏して成
形し、クッキーなどの焼き菓子としての生地を調製す
る。上記油脂としては、バター、マーガリン、ショート
ニング等の固形の油脂の1種又は2種以上を組み合わせ
て用いることができる。卵類としては、生全卵、生卵白
などに限らず、冷凍全卵、冷凍卵白、さらには粉末状に
乾燥した卵白などを用いることができる。また、膨張剤
としては、重曹、炭酸アンモニウム、ベーキングパウダ
ー等の1種又は2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。また、水分はミキシング時のぱさつきの抑制と、
成形時の保形性のために必要であるが、「水」である必
要はなく、水分を含んでいれば醤油、その他の調味液、
あるいは練乳、牛乳、生クリーム、ヨーグルトなどの液
状の乳製品などの1種又は2種以上を代替物として使用
することができる。さらに、焙焼米粉となる生地として
は、醤油主体の旨味のある調味液で味付けし乾燥させた
味付き米菓生地を粉砕したものを用いたり、あるいはゴ
マやドライフルーツ、ナッツ類、チョコチップ、香料な
どを添加して種々の風味を付与した生地を用いることが
できる。
【0026】具体的には、例えばバターケーキに代表さ
れる製法の一つであるシュガーバッター法の応用により
製造することができる。すなわち、まず油脂40〜6
0重量部(好ましくは50重量部)をミキシングしやす
いようにほぐしておき、これに砂糖30〜50重量部
(好ましくは48重量部)を加えてクリーム状に練る。
次に卵10〜20重量部(好ましくは15重量部)と
水(または調味液や液状の乳製品)10〜25重量部
(好ましくは15重量部)を数回に分けてに加えよく
混合する。そして、焙焼米粉90〜100重量部、膨
張剤0.5〜1重量部、及び必要に応じて硬さ調整ため
10重量部以下のグルテンを加えて混合する。このと
き、通常のクッキー等の小麦粉製品の場合はグルテンの
粘りを出さないように、練らずにさっくりと混ぜ合わせ
程度であるが、本実施例ではグルテンを含まないか、あ
るいはグルテンを添加するにしても少量で良いので、全
ての原料をクリーム状に練り合わせることができ、これ
により良好な口溶け感と食感とを得ることが可能とな
る。
【0027】このようにして生地を調製したら、型抜き
などにより所定の形状に成形した後、例えば180〜1
90℃で11〜12分加熱して膨化させることによりク
ッキーを製造することができる。
【0028】このような本実施例のベーカリー製品であ
る焼き菓子の製造方法においては、極めて高いアルファ
化度を有する米菓焙焼生地を微粉状物として、これを主
原料としているので、火の通りが極めて良好で、厚く成
形しても焼きムラ等の問題が生じることがなく、食感の
軽い消化性や口溶けのよいクッキーなどの焼き菓子を製
造することができる、また、米、特に焙焼した米を主原
料としているので、米独特の風味を呈し従来にはない香
ばしさを有する焼き菓子を提供することが可能となる。
【0029】さらに、原料の水の代わりに醤油を加えて
焼成すれば、醤油独特の香ばしい風味を有する米菓風焼
き菓子が得られる。同様に牛乳、生クリーム、ヨーグル
トなどの液状の乳製品などと代替したり、酒、みりん、
酸などの調味液類やそれらの混合物、果汁などと代替す
ることにより種々の風味を付与することができる。ま
た、原材料となる焙焼米粉として醤油などを主体とした
調味液で味付けした米菓を粉砕したものを用いることに
より、従来にない風味及び味質の焼き菓子を製造するこ
とができる。さらに、ゴマやドライフルーツ、ナッツ類
などの副材料を添加することにより、バリエーション豊
な味を表現できる。
【0030】その上、米菓の製造工程中においては、焼
きムラが生じてしまったり、割れたりすることで、品質
的にはなんら問題がないものの、製品としての煎餅など
の米菓としては不良品を生ずることは避けられない。そ
こで、米菓においては米などの原料は蒸煮した後焙焼さ
れていることから、この品質において問題のない不良品
を回収し、粉砕すれば本発明のベーカリー製品の製造方
法における原料として再利用を図ることができ、総合的
な生産ラインにおけるリサイクル面においても効果があ
り、ひいては省資源・省エネルギーなどにも寄与できる
という効果も奏する。
【0031】以上、本発明のベーカリー製品の製造方法
について、クッキー類、クラッカー、ビスケットなどの
焼き菓子の場合を例に説明してきたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、ワッフルなどのパン類にも適
用可能である。この場合には、ひきが弱く、ソフトで口
溶けが良く、焙焼された表面はサクサクとした食感を有
する製品を製造することができる。
【0032】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例に基き、より詳
細に説明する。実施例1 マーガリン50.0重量部をミキシングしやすいように
ほぐしておき、砂糖48重量部を加えてクリーム状に練
り、これに全卵15重量部と水15重量部を数回に分け
て加え、よく混合した。この混合物に、ウルチ米を主体
とした原料を蒸煮、乾燥した後焙焼した焙焼米菓生地を
200メッシュに粉砕した焙焼米粉(アルファ化米粉)
100.0重量部、食塩0.5重量部、重曹0.4重量
部、炭酸アンモニウム0.5重量部を加えて混合し、ク
リーム状に練り合わせて生地とした。この生地を所定形
状に成形した後、電気オーブンにより約185℃で10
分間加熱焙焼して膨化させることによりクッキーを得
た。
【0033】この実施例1で得られたクッキーに対し、
口溶け、風味及び食感に関する官能評価を行った。結果
を原料の配合とともに表2に示す。また、比較のために
小麦粉を原料として製造した通常のクッキー(比較例
1)に対する同様の官能評価の結果を原料の配合ととも
に表2にあわせて示す。
【0034】実施例2 実施例1において生地を薄く成形すことを目的として、
破損を抑え保形性を保つためにグルテンを添加し、表2
に示す配合として、同様にして実施例1よりも厚さの薄
いクッキーを製造した。
【0035】この実施例2で得られたクッキーに対し、
口溶け、風味及び食感に関する官能評価を実施例1と同
様にして行った。結果を原料の配合とともに表2に示
す。
【0036】
【表2】
【0037】表2から明らかなように、実施例1のクッ
キーは、通常の小麦粉製品である比較例1と比べて口溶
け、食感において極めて優れた評価であった。また、そ
の製造に際しては火の通りが良く厚く成形しても焼きム
ラや生焼けの心配がなく、立体感のある製品とすること
ができた。これは、小麦粉製品によるビスケットやクッ
キーと比較して原料自体がすでにアルファ化されている
ためであると考えられる。また、実施例2のクッキー
は、実施例1のものよりはグルテンの作用によりやや固
く、口溶け、食感においてやや劣るものであったが、比
較例よりは軽い食感で、口当たりもよいものであった。
【0038】実施例3 原材料の配合をモチ米を主体とした原料を蒸煮、乾燥し
た後焙焼した焙焼米菓生地を200メッシュに粉砕した
焙焼米粉(アルファ化米粉)100.0重量部、マーガ
リン50.0重量部、砂糖48.0重量部、全卵15.
0重量部、重曹0.4重量部、炭酸アンモニウム0.5
重量部、水15.0重量部として実施例1と同様にして
クッキーを製造した。
【0039】このようにして得られたクッキーは、ウル
チ米を主体とした焙焼米粉を使用した実施例1のクッキ
ーとは異なりモチ米特有の風味を呈し、美味であった。
【0040】実施例4 原材料の配合をモチ米を主体とした原料を蒸煮、乾燥し
た後焙焼した焙焼米菓生地を200メッシュに粉砕した
焙焼米粉(アルファ化米粉)50.0重量部、ウルチ米
を主体とした原料を蒸煮、乾燥したのち焙焼した焙焼米
菓生地を250メッシュに粉砕した焙焼米粉(アルファ
化米粉)50.0重量部、マーガリン50.0重量部、
砂糖48.0重量部、全卵15.0重量部、重曹0.4
重量部、炭酸アンモニウム0.5重量部、水15.0重
量部として実施例1と同様にしてクッキーを製造した。
【0041】このようにして得られたクッキーは、米菓
のような香ばしさを有し、風味、食感の良好なものであ
った。
【0042】実施例5 原材料の配合をウルチ米を主体とした原料を蒸煮、乾燥
した後焙焼した焙焼米菓生地を200メッシュに粉砕し
た焙焼米粉(アルファ化米粉)100.0重量部、マー
ガリン50.0重量部、砂糖48.0重量部、全卵1
5.0重量部、重曹0.4重量部、炭酸アンモニウム
0.5重量部、醤油10.0重量部として実施例1と同
様にして焼き菓子を製造した。
【0043】このように水の代わりに醤油を用いて製造
した実施例5の焼き菓子は、焼成時に醤油特有の香ばし
い匂いがし、実施例1とは異なり従来にない醤油味の米
菓風の焼き菓子であった。
【0044】実施例6 原材料の配合をウルチ米を主体とした原料を蒸煮、乾燥
したのち焙焼した焙焼米菓生地を200メッシュに粉砕
した焙焼米粉(アルファ化米粉)70.0重量部、この
焙焼米菓生地に醤油を主体とすいる旨味のある調味液を
付着させた醤油味米菓を200メッシュに粉砕した味付
き焙焼米粉30.0重量部、マーガリン50.0重量
部、砂糖48.0重量部、全卵15.0重量部、重曹
0.4重量部、炭酸アンモニウム0.5重量部、水1
5.0重量部として実施例1と同様にして焼き菓子を製
造した。
【0045】このように焙焼米粉の一部として醤油を主
体とする調味液により味付けした米菓を粉砕した米粉を
用いて製造した実施例6の焼き菓子は、醤油を用いた実
施例5とはまた異なった醤油の風味を有する米菓風の焼
き菓子であった。
【0046】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のベーカリー製品
の製造方法は、蒸煮と焙焼による2度のアルファ化によ
りアルファ化度の極めて高い米を主成分とする穀類原料
を粉砕した微粉状物を主原料として用いているので、米
粉の老化による品質の問題が改善されており、しかもア
ルファ化度が高いので焼成時の火の通りが良好で、厚く
成形しても焼きムラや生焼け等のない均質な製品を提供
でき、これにより焼成工程における能率を高め、不良品
の発生を抑制することができる。また、このようにして
得られる本発明のベーカリー製品は、焙焼した米粉を微
粉末状にして用いているので焙焼した米粉に特有の香ば
しさを有し、口溶け、食感が極めて良好である。しかも
アルファ化度が高いので消化吸収が良いという利点も有
する。
【0047】また、請求項2記載のベーカリー製品の製
造方法は、前記請求項1において、前記アルファ化した
米を主成分とする穀類原料を80〜250メッシュに粉
砕して微粉状物とするものである。このため、一層食感
に優れたベーカリー製品を提供することができる。
【0048】さらに、請求項3記載のベーカリー製品の
製造方法は、前記請求項1又は2において、前記水分が
調味液及び/又は液状の乳製品であるものである。この
ため、米粉の風味、食感と相俟って従来にない種々の風
味、味を有するベーカリー製品を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B014 GG03 GG07 GG10 GG11 GK03 GL10 GP14 GP15 GP27 4B032 DB01 DB21 DB23 DB24 DG08 DG14 DK12 DK41 DK47 DP02 DP06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 米を主成分とする穀類原料を蒸煮して該
    米をアルファ化した後、焙焼して前記米をさらにアルフ
    ァ化し、続いてこのアルファ化した米を主成分とする穀
    類原料を粉砕して微粉状物とし、前記微粉状物を主原料
    として卵類、砂糖、水分とともに混練した生地を成形し
    た後加熱して前記生地を焼成することを特徴とするベー
    カリー製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記アルファ化した米を主成分とする穀
    類原料を80〜250メッシュに粉砕して微粉状物とす
    ることを特徴とする請求項1記載のベーカリー製品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記水分が調味液及び/又は液状の乳製
    品であることを特徴とする請求項1又は2記載のベーカ
    リー製品の製造方法。
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