JP6510597B2 - タッチパネル式かご操作盤システム - Google Patents

タッチパネル式かご操作盤システム

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Description

本発明の実施の形態は、タッチパネル式かご操作盤システムに関する。
エレベータ装置のかご内には、かご操作盤が設けられている。かご操作盤には押しボタン式とタッチパネル式とがある。押しボタン式のかご操作盤は、エレベータ装置の通常運転時に利用者が目的階を登録するための、行先階ボタンを有する。タッチパネル式のかご操作盤は、エレベータ装置の通常運転時に利用者が目的階の登録を行うことができるよう、行先階を表示する表示部を有する。このようなかご操作盤に関し、目的階として登録可能な行先階の設定を行うことが可能なかご操作盤が知られている。目的階として登録可能な行先階の設定は、次の方法により、特定の者(例えばエレベータ装置のかごが着床する各階の管理者)のみが行うことができるようになっている。すなわち、押しボタン式のかご操作盤の場合、各行先階ボタンの横に設けられた鍵穴に鍵を差し込んで鍵を回すことで、当該鍵穴に対応した行先階ボタンを操作可能あるいは不可能にする。タッチパネル式のかご操作盤の場合は、このよう鍵穴を設けることが困難であるため、かご操作盤の表示部に、目的階として登録可能な行先階の設定を行うための設定画面を表示させる。設定画面は、カード等に記憶された識別情報をかご操作盤に読み取らせることにより、表示することができるようになっている。このようにして、鍵やカード等を利用可能な者のみが、目的階として登録可能な行先階の設定を行うことができるようになっている。
特開2009−256008号公報
しかしながら、上述の方法は、鍵やカード等を必要とし、鍵やカード等を忘れた場合や紛失した場合には、目的階として登録可能な行先階の設定を行うことができない。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、鍵やカード等を用いることなく、特定の者のみが目的階として登録可能な行先階の設定を行うことが可能なタッチパネル式かご操作盤システムを提供すること、を目的とする。
一実施の形態によるタッチパネル式かご操作盤システムは、かごの行先階を登録するタッチパネル式かご操作盤システムであって、第1識別情報を保持する識別情報保持部と、エレベータ装置のかご内に設けられたタッチパネル式表示部であって、通常運行時に利用者が目的階として登録可能な行先階を表示する行先階登録画面と、第2識別情報が入力される識別情報入力画面と、行先階登録画面に表示される行先階を設定する行先階設定画面と、を表示可能なタッチパネル式表示部と、タッチパネル式表示部を制御する表示部制御部と、識別情報保持部に保持された第1識別情報と、識別情報入力画面に入力された第2識別情報と、が一致しているか否かを判定する判定部と、を備えている。そして、表示部制御部は、判定部において第1識別情報と第2識別情報とが一致したと判定された場合に、タッチパネル式表示部に、行先階設定画面を表示させ、行先階設定画面で設定された行先階を行先階登録画面に表示させる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるエレベータ装置の構成を示す概略図である。 図2は、図1に示すエレベータ装置に含まれるかごの内部を示す斜視図である。 図3は、図2に示すかごに設けられたタッチパネル式表示部を含むタッチパネル式かご操作盤システムの全体的な構成を示すブロック図である。 図4は、図2に示すタッチパネル式表示部に表示される行先階登録画面の一例を示す図である。 図5は、図2に示すタッチパネル式表示部に表示される識別情報入力画面の一例を示す図である。 図6は、図2に示すタッチパネル式表示部に表示される行先階設定画面の一例を示す図である。 図7は、図2に示すタッチパネル式表示部に表示される行先階登録画面の他の一例を示す図である。 図8は、図3に示すタッチパネル式かご操作盤システムによる、行先階登録画面に表示される行先階の設定方法を示すフローチャートである。 図9は、本発明の第2の実施の形態におけるタッチパネル式かご操作盤システムの全体的な構成を示すブロック図である。 図10は、図9に示すタッチパネル式かご操作盤システムの変形例の全体的な構成を示すブロック図である。 図11は、本発明の第3の実施の形態におけるタッチパネル式かご操作盤システムの全体的な構成を示すブロック図である。 図12は、図11に示すタッチパネル式かご操作盤システムにおいて、第1識別情報を発行させるように識別情報発行部を操作する方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
まず、図1および図2を参照して、第1の実施の形態によるエレベータ装置について説明する。図1には、第1の実施の形態におけるエレベータ装置の構成が示されている。また、図2には、図1に示すエレベータ装置に含まれるかごの内部が示されている。
図1に示すように、エレベータ装置1は、昇降路2内を昇降自在なかご3と、かご3に主ロープ4を介して連結された釣合錘5と、主ロープ4を介してかご3及び釣合錘5を昇降させる巻上機(昇降駆動部)6と、エレベータ装置1の各部を制御する制御盤7と、を備えている。主ロープ4は、巻上機6に連結されたトラクションシーブ8に巻き掛けられている。このような構成において、巻上機6がトラクションシーブ8を回転駆動することにより、主ロープ4が巻き上げられ、かご3及び釣合錘5がそれぞれ昇降し、かご3が、建物に設けられた複数の階床9のうちの任意の階床9に着床して、利用者が乗降可能になっている。
図2に示すように、かご3内には、タッチパネル式かご操作盤11が設けられている。タッチパネル式かご操作盤11は、タッチパネル式表示部12を有している。
次に、図3乃至図7を用いて、タッチパネル式かご操作盤システム10について説明する。図3には、図2に示すタッチパネル式表示部12を含むタッチパネル式かご操作盤システム10の全体的な構成が示されている。さらに、図4乃至図7には、図2に示すタッチパネル式表示部12が表示可能な画面が示されている。
図3に示すように、タッチパネル式かご操作盤システム10は、エレベータ装置1のかご3内に設けられたタッチパネル式表示部12と、タッチパネル式表示部12を制御する表示部制御部22と、を備えている。タッチパネル式表示部12は、通常運行時に利用者が目的階として登録可能な行先階を表示する行先階登録画面(図4および図7参照)と、識別情報入力画面(図5参照)と、行先階登録画面に表示される行先階を設定する行先階設定画面(図6参照)と、を表示することができる。タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されることにより、行先階登録画面と、識別情報入力画面と、行先階設定画面とを、選択的に表示する。以下では、行先階登録画面に表示される行先階の設定を、「行先階表示設定」と称する。
また、図3に示すように、タッチパネル式かご操作盤システム10は、第1識別情報を保持する識別情報保持部21を備えている。第1識別情報は、行先階表示設定を行おうとするユーザが行先階表示設定を行う権限を有するか否かの判定を行うために用いられる。識別情報保持部21が保持する第1識別情報は、予めエレベータ装置1を管理する管理者等によって設定されている。図3に示す例においては、第1識別情報はパスワードである。また、この第1識別情報としてのパスワードは、エレベータ装置毎に設定された固定のパスワードである。より具体的には、このパスワードは、有効期限を持たない永続的なパスワードになっている。なお、所定の権限を有する者によって、パスワードは変更可能になっていてもよい。
以下の説明では、第1識別情報は、上述の行先階登録画面に表示可能な行先階(以下の例では1階〜6階)のうち特定の行先階(以下の例では1階および2階)について行先階表示設定を行う権限を有するか否か、の判定を行うために用いられる。もちろん、第1識別情報は、行先階登録画面に表示可能な全ての行先階(以下の例では1階〜6階)について行先階表示設定を行う権限を有するか否か、の判定を行うために用いられてもよい。
また、図3に示すように、タッチパネル式かご操作盤システム10は、識別情報保持部21に保持された第1識別情報と、タッチパネル式表示部12に入力された第2識別情報と、が一致しているか否かを判定する判定部23を備えている。第2識別情報は、行先階表示設定を行おうとするユーザによって入力される。行先階表示設定を行う権限を有するユーザには予め第1識別情報が知らされているので、行先階表示設定を行おうとするユーザには、第2識別情報として第1識別情報と同じ識別情報を入力することが期待される。そして、識別情報保持部21に保持された第1識別情報と、ユーザが入力した第2識別情報と、が一致しているか否かを判定することにより、第2識別情報を入力したユーザが行先階表示設定を行う権限を有するか否か、を判定する。
なお、図3に示す例において、識別情報保持部21と表示部制御部22と判定部23とは、エレベータ装置1の制御盤7に設けられている。
以下、図4〜図7を参照して、タッチパネル式表示部12に表示される各画面について詳述する。
図4は、タッチパネル式表示部12に表示される行先階登録画面の一例を示す図である。また、図7は、タッチパネル式表示部12に表示される行先階登録画面の他の一例を示す図である。行先階登録画面は、通常運転時に利用者が目的階として登録可能な行先階を表示する画面である。行先階登録画面には、利用者が目的階の登録を行うための行先階キー31と、かご3のドアを開閉するための開キー32および閉キー33と、タッチパネル式表示部12が表示する画面を図5に示す識別情報入力画面に切り替えるための切替キー34と、が表示される。タッチパネル式表示部12において、利用者が目的階として登録可能な行先階は、行先階キー31として示されている。図4の行先階登録画面には、行先階登録画面が表示し得る全ての行先階(1階〜6階)が、行先階キー31a,31b,31c,31d,31e,31fとして表示されている。一方、図7の行先階登録画面には、行先階登録画面が表示し得る全ての行先階(1階〜6階)のうち、2階以外の行先階が、行先階キー31a,31c,31d,31e,31fとして表示されている。行先階登録画面にいずれの行先階キー31a,31b,31c,31d,31e,31fが表示されるかは、後述する行先階設定画面でなされた行先階表示設定の内容による。
図5は、タッチパネル式表示部12に表示される識別情報入力画面の一例を示す図である。識別情報入力画面は、第2識別情報が入力される画面である。上述のように、識別情報入力画面には、第2識別情報として、第1識別情報と同じ情報が入力されることが期待されている。このため、図5に示す識別情報入力画面には、第2識別情報としてのパスワードを入力するためのパスワード入力用キー群41と、入力した第2識別情報としてのパスワードを表示するパスワード表示欄42と、完了キー43が表示される。
図6は、タッチパネル式表示部12に表示される行先階設定画面の一例を示す図である。行先階設定画面は、行先階登録画面に表示される行先階を設定する画面である。行先階設定画面には、図5に示す識別情報入力画面に第2識別情報を入力したユーザが行先階表示設定を行う権限を有する行先階キー31a,31bと、完了キー51と、が表示される。行先階設定画面に表示される行先階キー31a,31bは、例えば、識別情報入力画面に入力された第2識別情報(あるいは当該第2識別情報に一致する第1識別情報)に基づいて決定される。ユーザは、行先階設定画面に表示された行先階キー31a,31bの中から任意の行先階キーに接触することにより、行先階登録画面に表示される行先階キーを設定することができるようになっている。例えば、ユーザは、図6に示す行先階設定画面に表示された行先階キー31a,31bのうち行先階キー31bに接触することにより、行先階キー31a,31bのうち行先階キー31aのみが行先階登録画面に表示されるように行先階表示設定を行うことができる(図7参照)。
なお、上述のように、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22の制御を受けて、上述の行先階登録画面と識別情報入力画面と行先階設定画面とを、選択的に表示する。具体的には、エレベータ装置1の通常運行時には、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、図4または図7に示す行先階登録画面を表示する。また、行先階登録画面の切替キー34が接触された場合、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、図5に示す識別情報入力画面を表示する。また、判定部23が識別情報入力画面に入力された第2識別情報と識別情報保持部21が保持する第1識別情報とが一致していると判定した場合、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、図6に示す行先階設定画面を表示する。さらに、行先階設定画面の完了キー51が接触された場合、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、図4または図7に示す行先階登録画面を表示する。
次に、このような構成からなる第1の実施の形態の作用について、図3〜図8を参照しながら説明する。
まず、タッチパネル式表示部12が表示する行先階登録画面に、ユーザが行先階表示設定を行う権限を有する行先階キー31a,31bのいずれもが表示されるよう設定されている場合(図4参照)において、当該ユーザが行先階キー31a,31bのうちの一方31aのみを行先階登録画面に表示させるよう行先階表示設定を行う場合(図7参照)について説明する。ユーザには、予め第1識別情報としてのパスワードが知らされている。
図8に示すように、通常運行時、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、行先階登録画面を表示する(図8のステップS1)。このとき、行先階登録画面には、図4に示すように、ユーザが行先階表示設定を行う権限を有する行先階キー31a,31bのいずれもが表示される。
この状態において、ユーザが行先階登録画面に表示された切替キー34に接触すると(図8のステップS2)、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、図5に示す識別情報入力画面を表示する(図8のステップS3)。
識別情報入力画面において、ユーザがパスワード入力用キー群41を用いて第2識別情報としてのパスワードを入力し、完了キー43に接触すると(図8のステップS4)、判定部23において、入力された第2識別情報と、識別情報保持部21に保持された第1識別情報と、が一致しているか否かの判定が行われる。第1識別情報と第2識別情報とが一致している場合(図8のステップS5のYES)、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、図6に示す行先階設定画面を表示する。このとき、行先階設定画面には、行先階設定画面に表示され得る全ての行先階キー31のうち、ユーザが行先階表示設定を行う権限を有する行先階キー31a,31bのみが表示される(図8のステップS6)。ここで、行先階設定画面に表示される行先階キー31a,31bの決定は、識別情報入力画面に入力された第2識別情報に基づいて行われる。
次に、ユーザが、図6に示す行先階設定画面に表示された行先階キー31a,31bのうち、行先階キー31bに接触し、完了キー51に接触する(図8のステップS7)。ユーザが完了キー51に接触すると、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、行先階登録画面を表示する(図8のステップS8)。このとき、図7に示すように、行先階登録画面には、ユーザが行先階表示設定を行う権限を有する行先階キー31a,31bのうち、図6に示す行先階設定画面で接触されなかった行先階キー31aのみが表示される。
なお、図8に示すステップS5において、識別情報保持部21が保持する第1識別情報と、識別情報入力画面に入力された第2識別情報と、が一致しないと判断された場合(図8のステップS5のNO)、タッチパネル式表示部12は、表示部制御部22に制御されて、図4に示す行先階登録画面を表示する。
なお、ユーザが行先階表示設定を行う権限を有する行先階キー31a,31bのうち一方31aのみが行先階登録画面に表示されるように行先階表示設定がなされている場合において(図7参照)、行先階キー31bを行先階登録画面に表示させるように行先階表示設定を行う場合も、同様の方法により行先階表示設定を行うことができる。この場合も、図8に示すステップS5において、行先階登録画面にはユーザが行先階表示設定を行う権限を有する行先階キー31a,31bが表示される。ただし、行先階登録画面に表示されないように行先階表示設定がなされている行先階キー31bは、行先階登録画面に表示されるように行先階表示設定がなされている行先階キー31aとは異なる色や濃淡、形状、明るさで表示される。そして、ユーザは、行先階キー31bに接触することにより、行先階キー31bが行先階登録画面に表示されるよう、行先階表示設定を行うことができる。
なお、識別情報保持部21が保持する第1識別情報は、パスワード以外の識別情報であってもよい。例えば、第1識別情報は、エレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有するユーザの顔写真や指紋等であってもよい。この場合、タッチパネル式かご操作盤11は、カメラを有し、識別情報入力画面を操作することにより、ユーザの顔写真が撮影されて第2識別情報として入力されるようになっていてもよい。あるいは、タッチパネル式かご操作盤11は、指紋センサを有し、識別情報入力画面を操作することにより、指紋センサでユーザの指紋が読み取られて第2識別情報として入力されるようになっていてもよい。
このように第1の実施の形態によれば、かご3の行先階を登録するタッチパネル式かご操作盤システム10は、第1識別情報を保持する識別情報保持部21と、エレベータ装置1のかご3内に設けられたタッチパネル式表示部12であって、通常運行時に利用者が目的階として登録可能な行先階を表示する行先階登録画面と、第2識別情報が入力される識別情報入力画面と、行先階登録画面に表示される行先階を設定する行先階設定画面と、を表示可能なタッチパネル式表示部12と、タッチパネル式表示部12を制御する表示部制御部22と、識別情報保持部21に保持された第1識別情報と、識別情報入力画面に入力された第2識別情報と、が一致しているか否かを判定する判定部23と、を備えている。表示部制御部22は、判定部23において第1識別情報と第2識別情報とが一致したと判定された場合に、タッチパネル式表示部12に、行先階設定画面を表示させ、行先階設定画面で設定された行先階を行先階登録画面に表示させる。なお、タッチパネル式表示部12は、行先階登録画面と、識別情報入力画面と、行先階設定画面とを、選択的に表示する。
このようなタッチパネル式かご操作盤システム10では、識別情報保持部21が保持する第1識別情報と、ユーザがタッチパネル式表示部12に入力する第2識別情報と、を用いて、ユーザが行先階表示設定を行う権限を有するか否かの判定を行う。すなわち、第1の実施の形態のタッチパネル式かご操作盤システム10によれば、鍵や識別情報を保持したカード等を用いることなく、ユーザが行先階表示設定を行う権限を有しているか否かの判定を行うことができる。そして、タッチパネル式表示部12は、第1識別情報と第2識別情報とが一致したと判定された場合に、行先階表示設定を行うための行先階設定画面を表示する。これにより、行先階表示設定を行う権限を有するユーザ以外の者が行先階表示設定を行う、ということを防止することができる。
また、第1の実施の形態によれば、第1識別情報はパスワードである。また、パスワードは、エレベータ装置毎に設定された固定のパスワードである。この場合、判定部23において、第1識別情報と第2識別情報とが一致するか否かの判定を行うことが容易である。
(第2の実施の形態)
次に、図9を参照して、第2の実施の形態におけるタッチパネル式かご操作盤システムについて説明する。図9には、第2の実施の形態におけるタッチパネル式かご操作盤システムの全体的な構成が示されている。
図9に示すタッチパネル式かご操作盤システム100は、図3に示すタッチパネル式かご操作盤システム10と比較して、識別情報保持部21がエレベータ装置1にインターネット60を介して接続されたサーバ61に設けられている点と、識別情報保持部21が保持する第1識別情報を変更可能である点が異なっている。また、図9に示す例において、タッチパネル式かご操作盤システム100は、識別情報保持部21にインターネット60を介してアクセス可能な管理者端末62を備えている。他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。図9に示す第2の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
管理者端末62は、エレベータ装置1を管理する管理者の端末であり、サーバ61の識別情報保持部21にアクセスして第1識別情報を変更することができる。管理者端末62は、一例として、PC(Personal Computer)、スマートフォン、または、タブレットなどである。管理者端末62がサーバ61にアクセスすると、管理者端末62には、サーバ61の提供するWebサービスに応じた画面が表示される。
図9に示す例において、識別情報保持部21は、インターネット60を介して、エレベータ装置1の制御盤7に設けられた判定部23と通信可能である。
図9に示す例において、判定部23は、図5に示す識別情報入力画面に第2識別情報が入力されると、インターネット60を介して、識別情報保持部21から第1識別情報を取得する。そして、識別情報保持部21から取得した第1識別情報と、識別情報入力画面に入力された第2識別情報と、が一致しているか否かの判定を行う。
なお、管理者端末62を用いた第1識別情報の変更は、以下の方法により行う。まず、管理者端末62がサーバ61にアクセスすると、管理者端末62にログイン入力画面が表示される。管理者がログイン入力画面に予め設定されたログインIDとログインパスワードを入力することにより、管理者端末62に、新たな第1識別情報を設定するための識別情報設定画面が表示される。識別情報設定画面には、エレベータ装置の固有情報を入力する欄と、行先階を入力する欄と、第1識別情報を入力する欄と、が表示される。これらの欄に管理者が、エレベータ装置1の固有情報と、任意の行先階と、新たな第1識別情報と、を入力することにより、サーバ61の識別情報保持部21に保持された第1識別情報を、新たな第1識別情報に変更することができる。このとき、識別情報保持部21では、識別情報設定画面に入力されたエレベータ装置の固有情報および行先階に対応した第1識別情報が、新たな第1識別情報に変更される。
なお、図9に示す例では、識別情報保持部21と判定部23のうち、識別情報保持部21のみがサーバ61に設けられているが、これに限られない。図10に示すように、識別情報保持部21だけでなく判定部23もサーバ61に設けられていてもよい。この場合、判定部23は、インターネット60を介して表示部制御部22と通信可能である。また、図10に示す例において、表示部制御部22は、図5に示す識別情報入力画面に入力された第2識別情報を判定部23に送信し、判定部23における判定結果を、インターネット60を介して取得する。
図10に示す例においても、図9に示す場合と同様の方法により、識別情報保持部21に保持される第1識別情報を変更可能である。
このように第2の実施の形態によれば、表示部制御部22および判定部23は、エレベータ装置1に設けられている。そして、識別情報保持部21は、エレベータ装置1にインターネット60を介して接続されたサーバ61に設けられて、判定部23と通信可能である。あるいは、表示部制御部22は、エレベータ装置1に設けられている。そして、識別情報保持部21および判定部23は、エレベータ装置1にインターネット60を介して接続されたサーバ61に設けられており、判定部23は、表示部制御部22と通信可能である。
識別情報保持部21がエレベータ装置1にインターネット60を介して接続されたサーバ61に設けられていることにより、識別情報保持部21に保持される第1識別情報を変更することが容易である。定期的に第1識別情報が変更されることにより、行先階表示設定を行う権限を有するユーザ以外の者が行先階表示設定を行うことを、より確実に防止することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図11を参照して、第3の実施の形態におけるタッチパネル式かご操作盤システムについて説明する。図11には、第3の実施の形態におけるタッチパネル式かご操作盤システムの全体的な構成が示されている。
図11に示すタッチパネル式かご操作盤システム200は、図3に示すタッチパネル式かご操作盤システム10と比較して、識別情報保持部21に保持される第1識別情報を発行する識別情報発行部70を更に備え、識別情報発行部70が所定期間内のみ有効な第1識別情報を発行する点が異なっている。また、図11に示す例において、タッチパネル式かご操作盤システム200は、第1識別情報の有効期間を測定するためのタイマー25を備えている。また、図11に示す例において、タッチパネル式かご操作盤システム200は、識別情報発行部70とインターネット60を介して通信可能なユーザ端末80を更に備えている。さらに、図11に示す例において、タッチパネル式かご操作盤システム200は、図9に示す第2の実施の形態のタッチパネル式かご操作盤システム100と同様に、識別情報保持部21にインターネット60を介してアクセス可能な管理者端末62を備えている。その他の構成は、図1乃至図8に示す第1の実施の形態と略同一である。図11に示す第3の実施の形態において、図1乃至図8に示す第1の実施の形態および図9に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
ユーザ端末80は、識別情報発行部70にアクセスして第1識別情報を発行させるように識別情報発行部70を操作可能である。ユーザ端末80は、一例として、PC(Personal Computer)、スマートフォン、または、タブレットなどである。ユーザ端末80がサーバ61にアクセスすると、ユーザ端末80には、サーバ61の提供するWebサービスに応じた画面が表示される。
図11に示す例において、識別情報発行部70は、エレベータ装置1にインターネット60を介して接続されたサーバ61に設けられている。識別情報発行部70は、各種情報を保持するデータベース71と、設定権限者判定部72と、第1識別情報を生成する識別情報生成部73と、を有している。識別情報生成部73は、毎回異なる第1識別情報を生成する。
データベース71は、エレベータ装置1の固有情報と、エレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有する設定権限者の個人情報と、当該設定権限者が設定権限を有する行先階に関する情報と、を保持している。これらの情報は、エレベータ装置1を管理する管理者によって予め登録されている。
設定権限者判定部72は、ユーザ端末80によりサーバ61にアクセスしたユーザが、エレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有するか否かの判定を行う。そして、当該ユーザがエレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有すると判定した場合、識別情報生成部73に第1識別情報を生成させる。そして、設定権限者判定部72は、生成された第1識別情報およびその有効期間に関する情報を、ユーザ端末80に表示させる。また、設定権限者判定部72は、生成された第1識別情報およびその有効期間に関する情報を、当該第1識別情報で行先階表示設定を行うことが可能な行先階に関する情報と共に、エレベータ装置1の識別情報保持部21に渡す。一方、当該ユーザがエレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有する者でないと判定した場合、設定権限者判定部72は、ユーザ端末80にエラー画面を表示させる。
なお、設定権限者判定部72における上述の判定は、サーバ61にアクセスしたユーザ端末80により入力されたユーザの個人情報(あるいはこれに対応する情報)とエレベータ装置1の固有情報とが、対応しているか否かを判定することにより行われる。図示の例では、以下の方法により行われる。
まず、ユーザ端末80がインターネット60を介してサーバ61にアクセスすると、ユーザ端末80にログイン入力画面が表示される。ユーザがログイン入力画面に予め設定されたログインIDとログインパスワードを入力してログインすると、ユーザ端末80に、エレベータ装置の固有情報を入力するためのエレベータ情報入力画面が表示される。ログインIDおよびログインパスワードの設定は、予めサーバ61のデータベース71にユーザの個人情報を登録することにより行われる。したがって、図示の例では、データベース71は、ユーザ端末80にエレベータ情報入力画面を表示させるためのログインIDおよびパスワード、並びに当該ログインIDに対応するユーザの個人情報と、を保持している。
ユーザがエレベータ情報入力画面にエレベータ装置1の固有情報を入力すると、設定権限者判定部72は、データベース71に格納された情報を参照して、ユーザがエレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有するか否かの判定を行う。具体的には、データベース71に格納された情報を参照して、ログイン入力画面に入力されたログインIDに対応するユーザの個人情報と、管理者によって予め登録された設定権限者の個人情報とを対比し、さらに、当該設定権限者が行先階表示設定を行う権限を有するエレベータ装置の固有情報と、エレベータ情報入力画面に入力されたエレベータ装置1の固有情報と、を対比することにより行われる。
図11に示す例において、識別情報保持部21は、第1識別情報の有効期間が経過すると当該第1識別情報を無効化するようになっている。具体的には、制御盤7には識別情報保持部21に保持された第1識別情報の有効期間を計測するタイマー25が設けられている。有効期間が経過すると、識別情報保持部21は、第1識別情報を破棄する。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について、図12を参照しながら説明する。ここでは、ユーザ端末が識別情報発行部にアクセスして第1識別情報を発行させるように識別情報発行部を操作する方法について説明する。
まず、識別情報発行部70のデータベース71には、エレベータ装置1の固有情報と、当該エレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有する設定権限者の個人情報と、当該設定権限者が行先階表示設定を行う権限を有する行先階に関する情報と、が予めエレベータ装置1の管理者によって登録されている。また、データベース71は、ユーザ端末80にエレベータ情報入力画面を表示させるためにユーザが使用するログインIDおよびパスワード、並びに当該ログインIDに対応する当該ユーザの個人情報と、を保持している。
このような状態において、ユーザ端末80がサーバ61にアクセスすると、ユーザ端末80にログイン入力画面が表示される。ユーザがログイン入力画面にログインIDとパスワードを入力してログインすると(ステップS11)、ユーザ端末80にエレベータ情報入力画面が表示される。ユーザがエレベータ情報入力画面にエレベータ装置1の固有情報を入力すると(ステップS12)、設定権限者判定部72において、ユーザがエレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有するか否かの判定が行われる(ステップS13)。判定は、データベース71に格納された情報を参照して、ログイン入力画面に入力されたログインIDに対応する個人情報と、管理者によって予め登録された設定権限者の個人情報と、を比較し、更に、当該設定権限者が設定権限を有するエレベータ装置の固有情報と、エレベータ情報入力画面に入力されたエレベータ装置1の固有情報と、を比較することにより行われる。設定権限者判定部72において、ユーザがエレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有しないと判断された場合(ステップS13のNO)、設定権限者判定部72によって、ユーザ端末80にエラー画面が表示される(ステップS24)。一方、設定権限者判定部72において、ユーザがエレベータ装置1において行先階表示設定を行う権限を有すると判断された場合(ステップS13のYES)、識別情報生成部73によって、第1識別情報が生成される。また、生成された第1識別情報およびその有効期間に関する情報が、ユーザ端末80に表示される。また、生成された第1識別情報およびその有効期間に関する情報が、当該第1識別情報で行先階表示設定を行うことが可能な行先階に関する情報と共に、エレベータ装置1の識別情報保持部21に通知される(ステップS14)。
このように第3の実施の形態によれば、識別情報保持部21に保持される第1識別情報を発行する識別情報発行部70を更に備え、識別情報発行部70は、所定期間内にのみ有効な第1識別情報を発行する。この場合、第1識別情報は所定期間内にのみ有効であるため、行先階表示設定を行う権限を有するユーザ以外の者が第1識別情報を知得しても、当該ユーザ以外の者によって行先階表示設定が行われる虞が少ない。また、第1識別情報は所定期間内にのみ有効であるため、第1識別情報として桁数の少ないパスワードを採用しても、行先階表示設定を行う権限を有するユーザ以外の者によって当該パスワードが割り出されて行先階表示設定が行われる虞が少ない。
また、第3の実施の形態によれば、タッチパネル式かご操作盤システム200は、識別情報発行部70とインターネット60を介して通信可能なユーザ端末80を更に備えている。そして、ユーザ端末80は、識別情報発行部70にアクセスして、第1識別情報を発行させるように識別情報発行部を操作可能である。この場合、行先階表示設定を行う権限を有するユーザは、必要なときに第1識別情報の発行を受けることが可能である。
本発明の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述の新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述の実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1:エレベータ装置、2:昇降路、3:かご、11:タッチパネル式かご操作盤、12:タッチパネル式表示部、21:識別情報保持部、22:表示部制御部、23:判定部、31:行先階キー、60:インターネット、61:サーバ、70:識別情報発行部

Claims (6)

  1. かごの行先階を登録するタッチパネル式かご操作盤システムであって、
    第1識別情報を保持する識別情報保持部と、
    エレベータ装置のかご内に設けられたタッチパネル式表示部であって、通常運行時に利用者が目的階として登録可能な行先階を表示する行先階登録画面と、第2識別情報が入力される識別情報入力画面と、前記行先階登録画面に表示される行先階を設定する行先階設定画面と、を表示可能なタッチパネル式表示部と、
    前記タッチパネル式表示部を制御する表示部制御部と、
    前記識別情報保持部に保持された前記第1識別情報と、前記識別情報入力画面に入力された前記第2識別情報と、が一致しているか否かを判定する判定部と、
    前記識別情報保持部に保持される前記第1識別情報を発行する識別情報発行部と、
    前記識別情報発行部とインターネットを介して通信可能なユーザ端末と、を備え、
    前記ユーザ端末は、前記識別情報発行部にアクセスして、前記第1識別情報を発行させるように前記識別情報発行部を操作可能であり、
    前記識別情報発行部は、所定期間内にのみ有効な第1識別情報を発行し、
    前記表示部制御部は、前記判定部において前記第1識別情報と前記第2識別情報とが一致したと判定された場合に、前記タッチパネル式表示部に、前記行先階設定画面を表示させ、前記行先階設定画面で設定された行先階を前記行先階登録画面に表示させることを特徴とする、タッチパネル式かご操作盤システム。
  2. 前記第1識別情報は、パスワードであることを特徴とする、請求項1に記載のタッチパネル式かご操作盤システム。
  3. 前記パスワードは、前記エレベータ装置毎に設定された固定のパスワードであることを特徴とする、請求項2に記載のタッチパネル式かご操作盤システム。
  4. 前記表示部制御部および前記判定部は、前記エレベータ装置に設けられており、
    前記識別情報保持部は、前記エレベータ装置にインターネットを介して接続されたサーバに設けられて、前記判定部と通信可能であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル式かご操作盤システム。
  5. 前記表示部制御部は、前記エレベータ装置に設けられており、
    前記識別情報保持部および前記判定部は、前記エレベータ装置にインターネットを介して接続されたサーバに設けられており、
    前記判定部は、前記表示部制御部と通信可能であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のタッチパネル式かご操作盤システム。
  6. 前記タッチパネル式表示部は、前記行先階登録画面と、前記識別情報入力画面と、前記行先階設定画面とを、選択的に表示することを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のタッチパネル式かご操作盤システム。
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