JP6510466B2 - スライディングゲート - Google Patents

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Description

本発明は、固定プレートとスライドプレートとの間に面圧を負荷すると共に、その面圧負荷を解除することが可能なスライディングゲートに関する。
従来、溶鋼容器の底面の出湯口に設けられた、固定プレートとスライドプレートとの間に面圧を負荷することが可能なスライディングゲートが知られている(例えば、特許文献1参照)。固定プレート及びスライドプレートにはそれぞれ、溶鋼容器内の溶鋼が流通する貫通孔が設けられている。上記のスライディングゲートは、固定プレートとスライドプレートとの間に面圧を負荷しながら、スライド装置としてのシリンダによるスライドプレートのスライド移動によって両プレートを相対的に移動させて両プレートの貫通孔の開閉を行うことで、溶鋼容器の出湯口に挿入されたノズルの流出口の開閉すなわち溶鋼流量を制御するものである。
上記のスライディングゲートは、面圧負荷機構を備えている。面圧負荷機構は、スプリングによる面圧を受ける面圧バーをシリンダで進退させることによって、固定プレートとスライドプレートとの間にスプリングによる面圧を負荷すると共に、その面圧負荷を解除することが可能である。具体的には、この面圧負荷機構は、スライディングゲートでの溶鋼流量の制御中は、両プレート間からの溶鋼漏れを防止するため、面圧バーをシリンダで後退させて両プレート間に面圧を負荷する。また、プレートの交換を行うときは、面圧バーをシリンダで前進させて両プレート間の面圧負荷を解除する。
上記したスライディングゲートにおいて、面圧バーがシリンダで後退されると、面圧バーの係合部が、スプリングを内蔵したスプリングケースに設けられたローラに係合することで、そのスプリングによる面圧が固定プレートとスライドプレートとの間に負荷される。また、面圧バーがシリンダで前進されると、面圧バーの係合部とスプリングケースのローラとの係合が解除されることで、上記したスプリングによる面圧の負荷が解除される。
特開2011−212702号
上記の如く、ノズルの流出口の開閉のためにシリンダで面圧バーが進退されると共に、プレート交換のためにシリンダで面圧バーが前進されるスライディングゲートでは、ノズルの流出口の開閉制御中に面圧負荷が解除される事態が生じないようにすることが必要である。かかる構成が施されないと、ノズルの流出口の開閉制御中に不意に面圧バーが前進されることで、その面圧バーの係合部とスプリングケースのローラとの係合が解除されて、ノズルの流出口の開閉制御中に誤って、固定プレートとスライドプレートとの間のスプリングによる面圧負荷が解除される可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、固定プレートとスライドプレートとの間に面圧を負荷した状態でのノズル流出口の開閉とその面圧負荷の解除とを同じスライド装置によるスライド移動により簡素な構成で実現しつつ、その面圧負荷の解除がノズル流出口の開閉制御中に行われるのを確実に回避することが可能なスライディングゲートを提供することを目的とする。
上記した課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、溶鋼容器のノズル流出口に取り付け固定されている固定プレートと、前記固定プレートに対してスライド移動される、前記ノズル流出口を開閉するためのスライドプレートと、前記スライドプレートが着脱可能に保持されるスライダーケースを前記ノズル流出口の開閉方向へスライド移動させるスライド装置と、前記スライド装置による前記スライダーケースのスライド移動が通常スライド範囲内に規制されている場合に前記固定プレートと前記スライドプレートとの間に面圧を負荷し、一方、前記スライド装置による前記スライダーケースの前記通常スライド範囲を超えたスライド移動が許可されている場合に前記面圧の負荷を解除する面圧負荷機構と、前記スライダーケースのスライド移動を前記通常スライド範囲内に規制する状態と前記スライダーケースの前記通常スライド範囲を超えたスライド移動を許可する状態とを選択的に切り替えるべく位置移動されるストッパ機構と、を備え、前記面圧負荷機構は、前記スライダーケースが前記スライド装置により前記通常スライド範囲を超えてスライド移動された場合に前記スライダーケースに押圧されることにより解除方向に回転するローラレバーと、前記ローラレバーにリンクを介して連結され、該ローラレバーの解除方向への回転に伴って解除方向に回転するカムと、を有し、前記カムの解除方向への回転により前記面圧の負荷を解除することを特徴とするスライディングゲートである。
この構成によれば、ストッパ機構の位置移動によりスライド装置によるスライダーケースのスライド移動が通常スライド範囲内に規制されているときは、固定プレートとスライドプレートとの間に面圧が負荷される。一方、ストッパ機構の位置移動によりスライド装置によるスライダーケースの通常スライド範囲を超えたスライド移動が許可されているときは、固定プレートとスライドプレートとの間の面圧負荷が解除される。具体的には、ローラレバーが通常スライド範囲を超えてスライド移動されたスライダーケースに押圧されて解除方向に回転して、カムが解除方向に回転することで、固定プレートとスライドプレートとの間の面圧の負荷を解除することができる。このため、ノズル流出口の開閉と面圧負荷の解除とを同じスライド装置によるスライド移動により簡素な構成で実現することができる。また、面圧負荷の解除がノズル流出口の開閉制御中に行われるのを確実に回避することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のスライディングゲートにおいて、前記ストッパ機構は、前記スライダーケースのスライド移動を前記通常スライド範囲内に規制して前記スライダーケースの前記通常スライド範囲を超えたスライド移動を禁止する第1位置と、前記スライダーケースの前記通常スライド範囲を超えたスライド移動を許可する前記第1位置とは異なる第2位置と、に位置移動されるスライディングゲートである。
この構成によれば、ストッパ機構を第1位置と第2位置とに位置移動させることで、スライダーケースのスライド範囲を切り替えることができる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のスライディングゲートにおいて、前記ストッパ機構は、前記第1位置と前記第2位置との間で位置移動されて前記スライダーケースに当接され得るストッパブロックと、前記ストッパブロックを前記第1位置と前記第2位置との間で位置移動させるレバーと、を有するスライディングゲートである。
この構成によれば、スライダーケースに当接され得るストッパブロックをレバーにより第1位置と第2位置との間で位置移動させることで、スライダーケースのスライド範囲を切り替えることができる。
請求項記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項記載のスライディングゲートにおいて、前記面圧負荷機構は、前記カムの回転位置が所定回転位置である場合に前記固定プレートと前記スライドプレートとの間に面圧を負荷するためのバネ力を発生すると共に、前記カムの解除方向への回転により前記バネ力の発生が解除されるスプリングを有し、前記スプリングによる前記バネ力の発生の解除により前記面圧の負荷を解除するスライディングゲートである。
この構成によれば、カムの回転位置が所定回転位置である場合にスプリングのバネ力により固定プレートとスライドプレートとの間に面圧を負荷すると共に、カムの解除方向への回転によりその面圧負荷を解除することができる。
請求項記載の発明は、請求項記載のスライディングゲートにおいて、前記固定プレートを着脱可能に保持すると共に、前記スプリングを収容するスプリングボックスを回動可能に支持するマウンティングプレートと、前記マウンティングプレートに回動可能に支持された、前記スライダーケースをスライド移動可能に保持するボトムプレートと、前記スプリングボックスを、前記スライドプレートを前記スライダーケースから取り出し禁止となる第1の所定禁止位置と取り出し可能となる第1の所定可能位置との間で回動させる第1回動機構と、前記ボトムプレートを、前記スライドプレートを前記スライダーケースから取り出し禁止となる第2の所定禁止位置と取り出し可能となる第2の所定可能位置との間で回動させる第2回動機構と、を備えるスライディングゲートである。
この構成によれば、第1回動機構による回動によりスプリングボックスを第1の所定禁止位置に位置させかつ第2回動機構による回動によりボトムプレートを第2の所定禁止位置に位置させることで、スライダーケースからのスライドプレートの取り出しを禁止することができ、また、第1回動機構による回動によりスプリングボックスを第1の所定可能位置に位置させかつ第2回動機構による回動によりボトムプレートを第2の所定可能位置に位置させることで、スライダーケースからのスライドプレートの取り出しを可能とすることができる。
また、請求項記載の発明は、請求項記載のスライディングゲートにおいて、前記ボトムプレートに移動可能に支持された、前記第1回動機構による前記スプリングボックスの前記第1の所定禁止位置から前記第1の所定可能位置への回動を許可/規制するストッパ部材を備えるスライディングゲートである。
この構成によれば、ボトムプレートに移動可能に支持されたストッパ部材により、スプリングボックスの第1の所定禁止位置から第1の所定可能位置への回動を許可/規制することができる。
本発明の一実施形態に係るスライディングゲートの構成図である。 本実施形態に係るスライディングゲートが備える面圧負荷機構の面圧負荷時における状態を表した図である。 本実施形態に係るスライディングゲートが備える面圧負荷機構の面圧解除時における状態を表した図である。 本実施形態に係るスライディングゲートが備えるストッパ機構の当接可能位置における状態を表した図である。 本実施形態に係るスライディングゲートが備えるストッパ機構の非当接位置における状態を表した図である。 本実施形態に係るスライディングゲートの正面図である。 本実施形態に係るスライディングゲートの要部側面図である。
以下、本発明のスライディングゲートの具体的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスライディングゲート10の構成図を示す。尚、図1(A)にはスライディングゲート10の注湯位置での断面図を、図1(B)にはスライディングゲート10の注湯停止位置での断面図を、また、図1(C)にはスライディングゲート10の面圧解除位置での断面図を、それぞれ示す。
本実施形態に係るスライディングゲート10は、取鍋やタンディッシュなどの溶鋼容器12に取り付けられる装置である。溶鋼容器12は、鋳造用の高温の溶融金属である溶鋼が収容される例えば鉄板製の容器である。溶鋼容器12の容器内側には、耐火材としてのマスれんがが配設されている。
溶鋼容器12の底部には、収容された溶鋼を流出させるための出湯口16が設けられている。出湯口16には、インサートノズル18が取り付け固定されている。インサートノズル18は、出湯口16に挿入されている注湯用ノズルである。以下、インサートノズル18を上部ノズル18と称す。上部ノズル18は、高い耐火性を有する材料(例えば、アルミナやカーボンなど)により形成された、連続鋳造を可能とする部材である。
スライディングゲート10は、上部ノズル18に対応して設けられている。スライディングゲート10は、固定プレート20と、スライドプレート22と、を備えている。スライディングゲート10は、スライドプレート22が固定プレート20に対してスライド移動されて後述のノズル孔26,32同士の連通を制御することにより上部ノズル18からの溶鋼の流出を制御する機能を有する。固定プレート20及びスライドプレート22はそれぞれ、板状に形成されたれんが部材である。固定プレート20とスライドプレート22とは、互いに上下に重ねられて配置されている。スライドプレート22は、固定プレート20に対して対向面に沿って摺動しながらスライド移動可能である。
固定プレート20は、マウンティングプレート24を介して溶鋼容器12に対して固定される上部プレートであって、マウンティングプレート24ひいては溶鋼容器12に対して着脱可能に取り付けられる。固定プレート20は、溶鋼が流通するノズル孔26を有している。ノズル孔26は、溶鋼容器12に収容された溶鋼を外部の鋳型などに注湯するために設けられている。ノズル孔26は、上部ノズル18の流出口28の内径とほぼ同じ内径を有している。溶鋼容器12への固定プレート20の固定は、ノズル孔26が上部ノズル18の流出口28に連通する位置関係が成立するように行われる。尚、固定プレート20は、マウンティングプレート24との接触面に緩衝材としてのクッション材やブリキ板が取り付けられたものであってよい。
スライドプレート22は、固定プレート20ひいては溶鋼容器12に対してスライド移動可能な下部プレートであって、溶鋼容器12及びスライド装置30に対して着脱可能に取り付けられる。スライド装置30は、スライドプレート22を溶鋼容器12ひいては固定プレート20に対してスライド移動させる機構である。スライド装置30は、スライドプレート22のスライド移動を、油圧シリンダ或いはモータを用いて行うものである。スライド装置30によるスライドプレート22のスライド移動は、対向面に沿って直線的に行われる。
スライドプレート22は、溶鋼が流通するノズル孔32を有している。ノズル孔32は、溶鋼容器12に収容された溶鋼を外部の鋳型などに注湯するために設けられている。ノズル孔32は、上部ノズル18の流出口28及び固定プレート20のノズル孔26の内径とほぼ同じ内径を有している。
スライド装置30は、スライドプレート22を、そのノズル孔32を固定プレート20のノズル孔26に連通させる位置(以下、注湯位置Aと称す。)と、そのノズル孔32をノズル孔26に連通させない位置(以下、注湯停止位置Bと称す。)と、にスライド移動させることが可能である。
スライドプレート22には、注湯用ノズル36が取り付け固定されている。注湯用ノズル36は、スライドプレート22の、固定プレート20とは反対側の面側に配置されている。以下、注湯用ノズル36を下部ノズル36と称す。下部ノズル36は、高い耐火性を有する材料(例えば、アルミナやカーボンなど)により形成された、連続鋳造を可能とする部材である。
下部ノズル36は、溶鋼が流通する流出口38を有している。流出口38は、上部ノズル18の流出口28などの内径とほぼ同じ内径を有している。スライドプレート22に対する下部ノズル36の固定は、流出口38がスライドプレート22のノズル孔32に連通する位置関係が成立するように行われる。
次に、本実施形態のスライディングゲート10の通常動作を説明する。
溶鋼が収容された溶鋼容器12からその溶鋼を流出させることによる鋳造が要求されると、スライド装置30がスライドプレート22を注湯位置Aにスライド移動させる。かかる注湯位置Aでは、スライドプレート22のノズル孔32が、溶鋼容器12の出湯口16に挿入された上部ノズル18の流出口28及び固定プレート20のノズル孔26に連通される。この場合、溶鋼容器12に収容された溶鋼は、上部ノズル18の流出口28から固定プレート20のノズル孔26、スライドプレート22のノズル孔32、及び下部ノズル36の流出口38を介して流出されて注湯される。従って、スライド装置30によりスライドプレート22のノズル孔32を固定プレート20のノズル孔26ひいては上部ノズル18の流出口28に連通させることで、溶鋼容器12内の溶鋼を流出させて鋳造を実現することができる。
また、上記した鋳造の停止が要求されると、スライド装置30がスライドプレート22を注湯位置Aから注湯停止位置Bへスライド移動させる。スライドプレート22が注湯停止位置Bに位置する場合は、スライドプレート22のノズル孔32が固定プレート20のノズル孔26に連通されず、上部ノズル18の流出口28が閉じられるので、溶鋼容器12に収容された溶鋼の流出は停止されて上記の鋳造は停止される。
次に、図2乃至図7を参照して、本実施形態のスライディングゲート10が備える面圧負荷機構及びその面圧負荷機構に付随する機構を説明する。
図2は、本実施形態のスライディングゲート10が備える面圧負荷機構40の面圧負荷時における状態を表した図を示す。図3は、本実施形態のスライディングゲート10が備える面圧負荷機構40の面圧解除時における状態を表した図を示す。尚、図2(A)及び図3(A)にはスライディングゲート10の側面図を、また、図2(B)及び図3(B)にはスライディングゲート10の下面図を、それぞれ示す。
図4は、本実施形態のスライディングゲート10が備えるストッパ機構の当接可能位置における状態を表した図を示す。図5は、本実施形態のスライディングゲート10が備えるストッパ機構の非当接位置における状態を表した図を示す。尚、図4(A)及び図5(A)にはスライディングゲート10の上面図を、また、図4(B)及び図5(B)にはスライディングゲート10の側面図を、それぞれ示す。
図6は、本実施形態のスライディングゲート10の正面図を示す。尚、図6(A)には面圧負荷時における状態を、また、図6(B)には面圧解除時における状態を、それぞれ示す。また、図7は、本実施形態のスライディングゲート10の要部側面図を示す。尚、図7(A)にはスプリングボックスの回動を規制した状態を、また、図7(B)にはスプリングボックスの回動を許可した状態を、それぞれ示す。
本実施形態のスライディングゲート10は、面圧負荷機構40を備えている。面圧負荷機構40は、固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧を負荷すると共に、その面圧負荷を解除するための機構である。面圧負荷機構40は、スライディングゲート10の通常動作時、スライドプレート22が注湯位置A及び注湯停止位置Bを含みその両位置間でスライド移動される場合に固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧を負荷する。この負荷される面圧の大きさは、両プレート20,22間からの溶鋼漏れを防止しつつ固定プレート20に対するスライドプレート22の相対移動を許容するものである。
面圧負荷機構40は、スライドプレート22が一方側の端位置(以下、面圧負荷位置Dと称す。)に到達してからその面圧負荷位置Dとは反対側の端位置(以下、面圧解除位置Cと称す。)に到達するまでの間、上記の面圧を負荷する。また、面圧負荷機構40は、スライドプレート22が面圧解除位置Cに到達してから面圧負荷位置Dに到達するまでの間、上記の面圧の負荷を解除する。
尚、以下では、注湯位置A及び注湯停止位置Bを含むその注湯位置Aと注湯停止位置Bとの間を適宜、通常スライド範囲と称す。この通常スライド範囲に面圧解除位置Cは含まれない。面圧解除位置Cは、図1に示す如く注湯停止位置Bを挟んで注湯位置Aとは反対側の位置である。また、面圧負荷位置Dは、上記の通常スライド範囲の一端に含まれてもよいし、その通常スライド範囲に含まれないものとしてもよいが、面圧解除位置Cから注湯停止位置Bまでの範囲(尚、この範囲は、面圧解除位置C自体を含まず、注湯停止位置B自体を含むものである。)内の位置であればよい。
固定プレート20は、マウンティングプレート24を介して溶鋼容器12に対して固定されている。マウンティングプレート24は、溶鋼容器12に取り付け固定されている。溶鋼容器12へのマウンティングプレート24の取り付けは、ボルトやブラケットを用いて行われればよい。マウンティングプレート24には、固定プレート20を収納する凹みが設けられている。固定プレート20は、マウンティングプレート24に着脱可能に保持されている。
スライドプレート22は、箱型のスライダーケース42に着脱可能に保持されている。スライダーケース42には、スライドプレート22を収納する凹み44が設けられている。スライダーケース42は、凹み44にてスライドプレート22を着脱可能に保持する。スライダーケース42は、ボトムプレート46にスライド移動可能に保持されている。スライダーケース42は、ロッド48を介してスライド装置30に連結されている。スライド装置30は、ボトムプレート46上においてロッド48を移動させることで、スライドプレート22を保持するスライダーケース42をマウンティングプレート24ひいては固定プレート20に対してスライド移動させる。
ボトムプレート46は、マウンティングプレート24にヒンジピン50を中心にして回動可能に支持されている。ヒンジピン50は、スライダーケース42のスライド方向に延びる軸を有している。ボトムプレート46は、スライダーケース42を保持しつつスライド装置30を含めてヒンジピン50を中心にしてマウンティングプレート24に対して回動することが可能である。ボトムプレート46の回動は、スライドプレート22が水平に保たれた状態(すなわち、閉状態)とスライドプレート22の短辺側がほぼ鉛直に立つ状態(すなわち、開状態)との間で行われるものとすればよい。ボトムプレート46は、閉状態では、スライドプレート22をスライダーケース42から取り出し禁止となる位置にある。また、ボトムプレート46は、開状態では、スライドプレート22をスライダーケース42から取り出し可能となる位置にある。
スライディングゲート10は、また、ストッパ機構52を備えている。ストッパ機構52は、スライダーケース42のスライド移動を通常スライド範囲内に規制する状態と、スライダーケース42の通常スライド範囲を超えた面圧解除位置Cまでのスライド移動を許可する状態とを選択的に切り替えるための機構である。ストッパ機構52は、スライダーケース42に対して左右対称に設けられ、そのスライダーケース42のそのスライド移動の方向と直交する方向の両端側それぞれに設けられている。
各ストッパ機構52は、ストッパブロック54と、レバー56と、を有している。ストッパブロック54は、ブロック状に形成された部材であって、マウンティングプレート24などに移動可能に支持されている。ストッパブロック54は、スライダーケース42がスライド移動する方向に対して直交する直交方向に移動可能であって、スライダーケース42の動きを制御するための部材である。ストッパブロック54は、スライダーケース42のスライド移動を通常スライド範囲内に規制するために、スライダーケース42に当接されることが可能な位置(以下、当接可能位置と称す。)まで前進移動される(図2に示す状態)。また、ストッパブロック54は、スライダーケース42の通常スライド範囲を超えたスライド移動を許可するために、スライダーケース42に当接されない位置(以下、非当接位置と称す。)まで後退移動される(図3に示す状態)。
レバー56は、作業者による手動操作可能なアーム状に形成された部材であって、ボトムプレート46に回動可能に支持されている。レバー56は、ストッパブロック54に連結されており、その回動操作によりストッパブロック54を上記の直交方向に移動させることが可能である。レバー56は、スライダーケース42のスライド移動を通常スライド範囲内に規制するために、第1方向への回動操作によりストッパブロック54を当接可能位置まで移動させる。また、レバー56は、スライダーケース42の通常スライド範囲を超えたスライド移動を許可するために、第2方向への回動操作によりストッパブロック54を非当接位置まで移動させる。
ストッパ機構52におけるレバー56の回動、並びに、その回動操作によるストッパブロック54の前進移動及び後退移動は、レバー56にコッターピン57や安全ピン58が取り付けられてそのレバー56がボトムプレート46側に支持されている場合に禁止され、レバー56からコッターピン57や安全ピン58などが抜かれた場合に許可されるものである。
面圧負荷機構40は、ローラレバー60,62を有している。ローラレバー60,62はそれぞれ、スライダーケース42に当接されて押圧されることにより回転するレバーである。ローラレバー60は、スライダーケース42が通常スライド範囲を超えてスライド移動されて面圧解除位置Cに達した場合にそのスライダーケース42に押圧されることにより、固定プレート20とスライドプレート22との間の面圧負荷を解除する方向に回転する。また、ローラレバー62は、上記の面圧負荷が解除された後、スライダーケース42が通常スライド範囲内に戻ってスライド移動されて面圧負荷位置Dに達した場合にそのスライダーケース42に押圧されることにより、上記の面圧を負荷する方向に回転する。
以下、適宜、ローラレバー60を面圧解除用ローラレバー60と、ローラレバー62を面圧負荷用ローラレバー62と、それぞれ称す。面圧解除用ローラレバー60は、スライダーケース42のスライド移動の方向に対して直交する直交方向に延びるローラシャフト64に一体的に取り付け固定されている。面圧解除用ローラレバー60は、ローラシャフト64に2つ設けられている。面圧負荷用ローラレバー62は、上記の直交方向に延びるローラシャフト66に一体的に取り付け固定されている。面圧負荷用ローラレバー62は、ローラシャフト66に2つ設けられている。
ローラシャフト64,66はそれぞれ、ボトムプレート46の側面に軸支されている。ローラシャフト64のボトムプレート46への軸支は、スライダーケース42が面圧解除位置Cに到達した際に面圧解除用ローラレバー60に当接する位置で行われる。面圧解除用ローラレバー60は、ローラシャフト64の軸を中心にして回転可能である。また、ローラシャフト66のボトムプレート46への軸支は、スライダーケース42が面圧解除位置Cとは反対側の端位置に到達した際に面圧負荷用ローラレバー62に当接する位置で行われる。面圧負荷用ローラレバー62は、ローラシャフト66の軸を中心にして回転可能である。
スライダーケース42のスライド移動する方向の端部には、当接部68,70が設けられている。当接部68は、スライダーケース42の一方側端部に設けられた面である。また、当接部70はスライダーケース42の他方側端部に設けられた面である。当接部68は、ローラシャフト64に設けられた面圧解除用ローラレバー60に当接してその面圧解除用ローラレバー60を押圧する押圧部位である。当接部70は、ローラシャフト66に設けられた面圧負荷用ローラレバー62に当接してその面圧負荷用ローラレバー62を押圧する押圧部位である。
面圧解除用ローラレバー60と面圧負荷用ローラレバー62とは、リンク72を介して互いに連結されている。リンク72は、スライダーケース42のスライド移動の方向と直交する直交方向の両端側それぞれに設けられている。各リンク72は、スライダーケース42のスライド方向に延びている。各リンク72のスライド方向の両端は、ボトムプレート46の側面にローラシャフト64,66の軸支位置と同じ位置で軸支されている。面圧解除用ローラレバー60と面圧負荷用ローラレバー62とは、リンク72を介して互いに連動して回転する。
面圧負荷機構40は、また、カム74を有している。カム74は、リンク72ごとに2つずつ設けられている。各カム74は、外周の一部が他の部位に比べて長い外径(長径)を有するように凸状に形成された部材である。カム74は、ボトムプレート46の側面に軸支されている。各リンク72の2つのカム74は、スライダーケース42のスライド方向に並んで配置されている。各カム74は、リンク72に一体的に連結されており、ローラレバー60,62にリンク72を介して連結されている。各カム74は、ローラレバー60,62の回転に伴ってリンク72の作用により回転する。
面圧負荷機構40は、また、スプリングボックス76及びトグルフックバー78を有している。スプリングボックス76及びトグルフックバー78は、リンク72ごとに設けられている。各リンク72のスプリングボックス76は、マウンティングプレート24にヒンジピン80を中心にして回動可能に支持されている。ヒンジピン80は、スライダーケース42のスライド方向に延びる軸を有している。
各スプリングボックス76には、スプリング82が複数、収容されている。各スプリングボックス76は、複数のスプリング82を収容可能に箱状に形成されている。複数のスプリング82は、スプリングボックス76内に並列に並んで配置されている。スプリング82は、固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧を負荷するためのバネ力を発生し得る弾性体である。
各スプリングボックス76はそれぞれ、スプリング82を収容しつつヒンジピン80を中心にしてマウンティングプレート24に対して回動することが可能である。スプリングボックス76の回動は、スプリング82が上下方向に延在する状態(すなわち、閉状態)とスプリング82がほぼ水平方向に延在する状態(すなわち、開状態)との間で行われる。スプリングボックス76は、閉状態では、スライドプレート22をスライダーケース42から取り出し禁止となる位置にある。また、スプリングボックス76は、開状態では、スライドプレート22をスライダーケース42から取り出し可能となる位置にある。
尚、スプリングボックス76の回動は、ボトムプレート46の回動と干渉しないように行われることが好適である。例えば、スプリングボックス76の閉状態から開状態への回動は、ボトムプレート46が閉状態になければすなわち開状態へ回動される前でなければ実現されないようにしてもよい。
各スプリングボックス76はそれぞれ、スプリング82の一端が固定される固定部84と、スプリング82の他端が固定される板状の可動部86と、からなる。スプリングボックス76は、固定部84側でマウンティングプレート24にヒンジピン80を中心にして回動可能に支持されている。可動部86は、固定部84に対してスプリング82が伸縮する方向に僅かに変位することが可能である。固定部84と可動部86との間には、スプリング82の発生するバネ力が作用し得る。
可動部86には、支持バー88を介してトグルフックバー78が連結されている。トグルフックバー78は、固定部84に対して可動部86とは反対側に配置されている。支持バー88は、可動部86の、スライダーケース42のスライド方向の両端に一つずつ取り付けられており、固定部84を貫通してスプリング82の伸縮方向に延びている。トグルフックバー78は、スライド方向両端の2本の支持バー88を繋ぐようにそれらの支持バー88に取り付けられている。トグルフックバー78は、スライダーケース42のスライド方向に延びた棒状の部材であって、スプリング82の伸縮方向に変位することが可能である。
ボトムプレート46側に変位可能に取り付けられているトグルフックバー78には、ボトムプレート46に軸支されている上記のカム74が係合することが可能である。カム74のトグルフックバー78への係合は、スライダーケース42が面圧解除位置Cに到達してローラレバー60を押圧することにより回転された場合に解除されると共に、スライダーケース42が面圧負荷位置Dに到達して面圧負荷用ローラレバー62を押圧することにより回転された場合に実現される。
カム74がトグルフックバー78に係合していない場合は、そのカム74によりトグルフックバー78をスプリング82の収縮方向に変位させる力が作用せず、スプリング82が常態に維持される。この場合は、固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧が負荷されない。一方、カム74がトグルフックバー78に係合している場合は、そのカム74によりトグルフックバー78をスプリング82の収縮方向に変位させる力が作用して、スプリング82が収縮される。この場合は、固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧が負荷される。
ボトムプレート46には、ストッパプレート90が移動可能に支持されている。ストッパプレート90は、スライダーケース42のスライド方向に延びる板状部材である。ストッパプレート90は、スライダーケース42のスライド方向と直交する直交方向の両端側それぞれに設けられている。各ストッパプレート90は、ボトムプレート46に移動可能に、具体的には、2つのカム74のうちの一方と同じ軸を中心にして回動可能に支持されている。
ストッパプレート90は、スプリングボックス76のヒンジピン80を中心にした回動、具体的には、スプリングボックス76の閉状態とスプリングボックス76の開状態との間の回動を許可/規制するために設けられている。ストッパプレート90は、スプリングボックス76の閉状態時は、そのスプリングボックス76に対応するトグルフックバー78に引っ掛かる位置に押し下がっている。ストッパプレート90は、トグルフックバー78に引っ掛かる位置にあることで、そのスプリングボックス76の回動を規制する。ストッパプレート90は、上記の回動規制状態から作業者によりトグルフックバー78に引っ掛からない位置まで回動された場合は、スプリングボックス76の回動を許可する。
次に、本実施形態のスライディングゲート10が備える面圧負荷機構40の動作について説明する。
スライディングゲート10の通常動作中、すなわち、スライド装置30によるスライドプレート22のスライド移動が注湯位置Aと注湯停止位置Bとの間の通常スライド範囲内に規制される場合は、面圧負荷機構40は、固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧を負荷する。この面圧負荷機構40による面圧負荷は、スライダーケース42がスライド装置30により面圧負荷位置Dまでスライド移動されることで実現される。
具体的には、スライダーケース42が面圧負荷位置Dまでスライド移動されると、その当接部70が面圧負荷用ローラレバー62に嵌合して当接しその面圧負荷用ローラレバー62を押圧して回転させる。この場合には、面圧負荷用ローラレバー62の回転に伴ってリンク72が作動してカム74が回転し、そのカム74の長径部がトグルフックバー78に係合してトグルフックバー78がスプリングボックス76に対して押し下がる。かかる押し下げが行われると、スプリング82の収縮によるバネ力が発生することで、上記の面圧が負荷される。
かかる面圧負荷が実現されているときは、ストッパ機構52のストッパブロック54が当接可能位置まで前進移動された状態にある。ストッパブロック54が当接可能位置にあるときは、スライダーケース42のスライド移動がストッパブロック54に当接するまでの範囲に規制されるので、そのスライダーケース42の通常スライド範囲を超えたスライド移動は禁止される。このため、上記の面圧負荷が実現された後、スライディングゲート10の通常動作中、すなわち、スライドプレート22が注湯位置Aと注湯停止位置Bとの間の通常スライド範囲内でスライド移動されているときは、固定プレート20とスライドプレート22との間の面圧負荷が維持される。
かかる面圧負荷の状態から固定プレート20及びスライドプレート22の交換が要求された場合は、その交換を実現するために、面圧負荷機構40による面圧負荷を解除することが必要である。面圧負荷機構40は、かかる交換要求に従って、固定プレート20とスライドプレート22との間の面圧負荷を解除する。
具体的には、上記の交換要求後、まず、作業者の手動操作によりストッパ機構52のレバー56の回動を許可すべく、そのレバー56に取り付けられたコッターピン57や安全ピン58などが外されると共に、その後、レバー56が回動されることでストッパブロック54が非当接位置まで後退移動される。ストッパブロック54が非当接位置まで後退移動された場合は、スライダーケース42の通常スライド範囲を超えたスライド移動が許可される。そして、ストッパブロック54が非当接位置まで後退移動されると、次に、スライダーケース42がスライド装置30により通常スライド範囲を超えて面圧解除位置Cまでスライド移動される。
スライダーケース42が面圧解除位置Cに達すると、その当接部68が面圧解除用ローラレバー60に嵌合して当接しそのローラレバー60を押圧して回転させる。この場合には、面圧解除用ローラレバー60の回転に伴ってリンク72が作動してカム74が回転し、そのカム74のトグルフックバー78への係合が解除されてトグルフックバー78がスプリングボックス76に対して引き寄せられて持ち上がる。かかる持ち上げが行われると、スプリング82の収縮によるバネ力が消滅することで、上記の面圧負荷が解除される。
上記の如く固定プレート20とスライドプレート22との間の面圧負荷が解除されると、次に、作業者の手動操作によりストッパプレート90がトグルフックバー78に引っ掛からない箇所まで回動される。かかる回動が実現された場合は、スプリングボックス76の回動が許可される。そして、ストッパプレート90がトグルフックバー78に引っ掛からない箇所まで回動されると、次に、スプリングボックス76が作業者の手動操作により閉状態から開状態へ向けて回動される。スプリングボックス76が開状態に回動されると、次に、ボトムプレート46が作業者の手動操作により閉状態から開状態へ向けて回動される。
ボトムプレート46が開状態に回動された場合は、そのボトムプレート46とマウンティングプレート24とが大きく離間するので、ボトムプレート46に保持されているスライダーケース42のスライドプレート22、及び、マウンティングプレート24に保持されている固定プレート20の脱着が可能となり、それらのプレート20,22の交換が可能となる。
そして、上記の如くプレート20,22の交換が行われた後は、上記の手順とは逆の手順で固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧が負荷される。具体的には、プレート20,22の交換後、ボトムプレート46が開状態から閉状態へ向けて回動され、その後、ストッパプレート90がトグルフックバー78に引っ掛からない箇所まで回動された状態でスプリングボックス76が開状態から閉状態へ向けて回動される。そして、ストッパプレート90がトグルフックバー78に引っ掛かる箇所まで回動される。この場合、スプリングボックス76の開状態への回動は禁止される。上記の如くボトムプレート46及びスプリングボックスそれぞれが閉状態に回動されると、次に、面圧負荷機構40は、固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧を負荷する。
具体的には、スライダーケース42がスライド装置30により面圧負荷位置Dまでスライド移動される。かかるスライド移動が行われると、スライダーケース42が面圧負荷用ローラレバー62を回転させて、リンク72の作動によりカム74が回転しその長径部がトグルフックバー78に係合する。かかる係合状態では、トグルフックバー78がスプリングボックス76に対して押し下がるので、スプリング82の収縮によるバネ力が発生して、上記の面圧が負荷される。
かかる面圧負荷後、作業者の手動操作によりストッパ機構52のレバー56が回動されることでストッパブロック54が当接可能位置まで前進移動されると共に、その後、そのレバー56にコッターピン57や安全ピン58などが取り付けられる。ストッパブロック54が当接可能位置まで前進移動された場合は、スライダーケース42のスライド移動がストッパブロック54に当接するまでの範囲に規制されるので、そのスライダーケース42の通常スライド範囲を超えたスライド移動は禁止される。
このように、本実施形態のスライディングゲート10においては、ストッパ機構52のストッパブロック54がレバー56の操作に伴う前進移動により当接可能位置にある場合、スライド装置30によるスライダーケース42のスライド移動を通常スライド範囲内に規制して、そのスライダーケース42が面圧解除位置Cに到達するのを禁止することができる。この場合は、スライディングゲート10において、マウンティングプレート24の固定プレート20とボトムプレート46のスライドプレート22との間に所望の面圧が負荷されつつ、スライド装置30によりスライダーケース42が通常スライド範囲内でスライド移動されて上部ノズル18の流出口28の開閉制御が行われる。
一方、ストッパブロック54がレバー56の操作に伴う後退移動により非当接位置にある場合、スライド装置30によるスライダーケース42のスライド範囲を通常スライド範囲よりも広くして、その通常スライド範囲を超えたスライド移動を許容し、そのスライダーケース42が面圧解除位置Cに到達するのを許容することができる。そして、スライド装置30によりスライダーケース42が通常スライド範囲を超えてスライドされて面圧解除位置Cに到達した場合に、マウンティングプレート24の固定プレート20とボトムプレート46のスライドプレート22との間の面圧負荷を解除することができる。
従って、固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧を負荷した状態でのスライダーケース42の通常スライド範囲内のスライド移動に伴う上部ノズル18の流出口の開閉とその面圧負荷の解除とを、同じスライド装置30によるスライダーケース42のスライド移動により実現することができる。すなわち、そのスライド移動を通常スライド範囲内に規制すればノズル流出口を開閉させることができ、また、その通常スライド範囲を超えたスライド移動を許容すれば上記の面圧負荷を解除させることができる。このため、ノズル流出口の開閉と面圧負荷の解除とを全体として簡素な構成で実現することができる。
また、本実施形態のスライディングゲート10において、スライド装置30によるスライダーケース42のスライド移動の範囲切替は、ストッパ機構52のストッパブロック54をレバー56の操作により当接可能位置と非当接位置との間で位置移動させてスライダーケース42がストッパブロック54に当接可能であるか否かを切り替えることによって実現される。
具体的には、ストッパブロック54が当接可能位置にある場合は、スライダーケース42が通常スライド範囲を超えてスライド移動しようとしても、そのストッパブロック54に当接することで、スライド装置30によるスライダーケース42のスライド移動が通常スライド範囲内に規制されて、その通常スライド範囲を超えたスライド移動が禁止される。一方、ストッパブロック54が非当接位置にある場合は、スライダーケース42が通常スライド範囲を超えてスライド移動しようとした際にそのストッパブロック54に当接しないので、スライダーケース42の通常スライド範囲を超えたスライド移動が許容される。
ストッパブロック54の移動(特に、後退移動)は、レバー56から安全ピン58などが抜かれていること、及び、その抜き後にそのレバー56が手動で回動操作されることにより実現される。このため、ストッパブロック54の移動ひいてはそのストッパブロック54の移動に伴うスライダーケース42のスライド範囲の切替を実現するうえでは、レバー56の回動操作によるストッパブロック54の移動だけで十分であるので、作業負荷の低減が図られている。また、上記のストッパブロック54の移動ひいてはスライダーケース42のスライド範囲の切替を実現するうえでは、別途の面圧負荷/解除用ツールを設けることは不要であるので、コスト低減及び作業負荷の低減が図られている。
また、安全ピン58などがレバー56から外されず、或いは、レバー56がストッパブロック54を後退移動させる方向に回動操作されなければ、ストッパブロック54は後退移動されず、スライダーケース42が面圧解除位置Cに達することはない。また、固定プレート20とスライドプレート22との間に面圧が負荷されている場合においてストッパブロック54が後退移動されてスライダーケース42が通常スライド範囲を超えて面圧解除位置Cに達したときに限り、その面圧負荷が解除される。このため、固定プレート20とスライドプレート22との間の面圧負荷の解除が、ノズル流出口の開閉制御中に行われるのを確実に回避することができる。
従って、本実施形態のスライディングゲート10によれば、ノズル流出口の開閉と面圧負荷の解除とを同じスライド装置30によるスライド移動により簡素な構成で実現しつつ、その面圧負荷の解除がノズル流出口の開閉制御中に行われるのを確実に回避することができる。
ところで、上記の実施形態においては、当接可能位置が特許請求の範囲に記載した「第1位置」に、非当接位置が特許請求の範囲に記載した「第2位置」に、ヒンジピン80が特許請求の範囲に記載した「第1回動機構」に、ヒンジピン50が特許請求の範囲に記載した「第2回動機構」に、ストッパプレート90が特許請求の範囲に記載した「ストッパ部材」に、それぞれ相当している。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
10 スライディングゲート
12 溶鋼容器
18 上部ノズル
20 固定プレート
22 スライドプレート
24 マウンティングプレート
28 流出口
30 スライド装置
40 面圧負荷機構
42 スライダーケース
46 ボトムプレート
50,80 ヒンジピン
52 ストッパ機構
54 ストッパブロック
56 レバー
60 面圧解除用ローラレバー
62 面圧負荷用ローラレバー
64,66 ローラシャフト
72 リンク
74 カム
76 スプリングボックス
78 トグルフックバー
82 スプリング
90 ストッパプレート

Claims (6)

  1. 溶鋼容器のノズル流出口に取り付け固定されている固定プレートと、
    前記固定プレートに対してスライド移動される、前記ノズル流出口を開閉するためのスライドプレートと、
    前記スライドプレートが着脱可能に保持されるスライダーケースを前記ノズル流出口の開閉方向へスライド移動させるスライド装置と、
    前記スライド装置による前記スライダーケースのスライド移動が通常スライド範囲内に規制されている場合に前記固定プレートと前記スライドプレートとの間に面圧を負荷し、一方、前記スライド装置による前記スライダーケースの前記通常スライド範囲を超えたスライド移動が許可されている場合に前記面圧の負荷を解除する面圧負荷機構と、
    前記スライダーケースのスライド移動を前記通常スライド範囲内に規制する状態と前記スライダーケースの前記通常スライド範囲を超えたスライド移動を許可する状態とを選択的に切り替えるべく位置移動されるストッパ機構と、
    を備え
    前記面圧負荷機構は、前記スライダーケースが前記スライド装置により前記通常スライド範囲を超えてスライド移動された場合に前記スライダーケースに押圧されることにより解除方向に回転するローラレバーと、前記ローラレバーにリンクを介して連結され、該ローラレバーの解除方向への回転に伴って解除方向に回転するカムと、を有し、前記カムの解除方向への回転により前記面圧の負荷を解除することを特徴とするスライディングゲート。
  2. 前記ストッパ機構は、前記スライダーケースのスライド移動を前記通常スライド範囲内に規制して前記スライダーケースの前記通常スライド範囲を超えたスライド移動を禁止する第1位置と、前記スライダーケースの前記通常スライド範囲を超えたスライド移動を許可する前記第1位置とは異なる第2位置と、に位置移動されることを特徴とする請求項1記載のスライディングゲート。
  3. 前記ストッパ機構は、前記第1位置と前記第2位置との間で位置移動されて前記スライダーケースに当接され得るストッパブロックと、前記ストッパブロックを前記第1位置と前記第2位置との間で位置移動させるレバーと、を有することを特徴とする請求項2記載のスライディングゲート。
  4. 前記面圧負荷機構は、前記カムの回転位置が所定回転位置である場合に前記固定プレートと前記スライドプレートとの間に面圧を負荷するためのバネ力を発生すると共に、前記カムの解除方向への回転により前記バネ力の発生が解除されるスプリングを有し、前記スプリングによる前記バネ力の発生の解除により前記面圧の負荷を解除することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載のスライディングゲート。
  5. 前記固定プレートを着脱可能に保持すると共に、前記スプリングを収容するスプリングボックスを回動可能に支持するマウンティングプレートと、
    前記マウンティングプレートに回動可能に支持された、前記スライダーケースをスライド移動可能に保持するボトムプレートと、
    前記スプリングボックスを、前記スライドプレートを前記スライダーケースから取り出し禁止となる第1の所定禁止位置と取り出し可能となる第1の所定可能位置との間で回動させる第1回動機構と、
    前記ボトムプレートを、前記スライドプレートを前記スライダーケースから取り出し禁止となる第2の所定禁止位置と取り出し可能となる第2の所定可能位置との間で回動させる第2回動機構と、
    を備えることを特徴とする請求項記載のスライディングゲート。
  6. 前記ボトムプレートに移動可能に支持された、前記第1回動機構による前記スプリングボックスの前記第1の所定禁止位置から前記第1の所定可能位置への回動を許可/規制するストッパ部材を備えることを特徴とする請求項記載のスライディングゲート。
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