JP6509876B2 - 高分子圧電フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、高分子圧電フィルムに関する。
近年、ヘリカルキラル高分子圧電体のフィルムをセンサーやアクチュエータ等のデバイスへ応用をすることが検討されている。このようなデバイスを量産する際は、生産性の観点からロール状に巻き取った長尺のフィルムやロール体にしたヘリカルキラル高分子圧電体が用いられている。
例えば、圧電性を有さない二軸延伸のヘリカルキラル高分子フィルムやロール体について、表面粗度をコントロールしてブロッキングを防止することが知られている(例えば、文献1〜3参照)。
文献1 特開2000−044701号公報
文献2 特開2001−059029号公報
文献3 特開2009−285865号公報
しかしながら、高分子圧電フィルムでは、単に高分子圧電フィルムの表面粗度が大きくても、フィルム間での滑りが良いためブロッキング性は良くなるが、外観特性が極端に悪化することが本発明者らによって見出された。具体的には、フィルムを張り合わせる際に張り合わせの界面に、エアーの噛みこみにより外観を悪化する場合があることが見出された。
一方で、高分子圧電フィルムの表面粗度を小さくした場合、高分子圧電フィルムは応力がかかると圧電特性に起因する表面電荷が発生する。その結果、高分子圧電フィルムにごみなどが吸着しやすく、品質の低下が懸念される。
また、高分子圧電フィルムを、例えばセンサーやアクチュエータとして用いた場合、エアーの噛みこみやごみのような異物により、外観が悪化するだけでなく、センサーやアクチュエータの動作不良が発生するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、表面電荷の発生が抑制され、貼り合わせ後の外観に優れた高分子圧電フィルムを提供することを目的とする。
課題を解決するための具体的手段は、例えば以下の通りである。
<1> 重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700であり、少なくとも一つの面の表面粗さが共焦点型レーザー顕微鏡で測定される非接触三次元表面粗度Saで0.040μm〜0.105μmである、高分子圧電フィルム。
<2> 可視光線に対する内部ヘイズが40%以下であり、且つ25℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14が1pC/N以上である、<1>に記載の高分子圧電フィルム。
<3> 可視光線に対する内部ヘイズが20%以下である、<1>又は<2>に記載の高分子圧電フィルム。
<4> 前記規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が40〜700である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の高分子圧電フィルム。
<5> 前記ヘリカルキラル高分子(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の高分子圧電フィルム。


<6> 前記ヘリカルキラル高分子(A)は、光学純度が95.00%ee以上である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の高分子圧電フィルム。
<7> 前記ヘリカルキラル高分子(A)の含有量が80質量%以上である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の高分子圧電フィルム。
<8> 可視光線に対する内部ヘイズが1%以下である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の高分子圧電フィルム。
本発明によれば、表面電荷の発生が抑制され、貼り合わせ後の外観に優れた高分子圧電フィルムを提供することができる。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているものだけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているものをも包含する概念である。
[高分子圧電フィルム]
以下、本発明の一実施形態に係る高分子圧電フィルムについて説明する。本実施形態に係る高分子圧電フィルムは、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700であり、少なくとも一つの面の表面粗さが共焦点型レーザー顕微鏡で測定される非接触三次元表面粗度Saで0.040μm〜0.105μmである。
本実施形態の高分子圧電フィルムは、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700であることにより、配向結晶の生成性、機械的強度、寸法安定性、および透明性に優れる。更に、この態様では、本実施形態の高分子圧電フィルムについて、ある程度高い圧電性が維持される。
さらに、本実施形態の高分子圧電フィルムは、非接触三次元表面粗度Saが0.105μm以下であることにより、高分子圧電フィルムを貼り合わせる際に、貼り合わせの表面の間に空気のかみ込みが発生せず、貼り合わせ後の外観に優れる。さらに、本実施形態の高分子圧電フィルムは、非接触三次元表面粗度Saが0.040μm以上であることにより、高分子圧電フィルムに応力がかかった際に発生する圧電特性に起因する表面電荷が抑制され、その結果、表面にごみなどが付着することが抑制され、高い品質を維持することができる。
<非接触三次元表面粗度Sa>
本実施形態の高分子圧電フィルムは、少なくとも一つの面の表面粗さが共焦点型レーザー顕微鏡で測定される非接触三次元表面粗度Saで0.040μm〜0.105μmである。これにより、高分子圧電フィルムを他の部材(例えば、OCA;Optical Clear Adhesive)と貼り合わせたときに大きな空気のかみ込みが抑制され、外観に優れる。
本実施形態の高分子圧電フィルムの非接触三次元表面粗度Saとしては、0.040μm〜0.102μmが好ましく、0.040μm〜0.100μmがより好ましく、0.042μm〜0.098μmがさらに好ましく、0.045μm〜0.095μmが特に好ましい。
非接触三次元表面粗度Saは、以下のようにして算出することができる。
本実施形態の高分子圧電フィルムの測定面にスパッタリング装置(アルバック社製J−1000)を用いて白金をスパッタした後、共焦点型レーザー顕微鏡(オリンパス社製LEXT OLS4000、対物レンズ×20)を用いて645μm×644μmの面積内の画像解析の結果から、ISO25178準拠にして非接触三次元表面粗度Saを算出する。具体的には、この測定をフィルム測定面内で3点実施して平均した値を非接触三次元表面粗度Saとする。ここで、フィルム測定面は、主面を指し、また、高分子圧電フィルム作製時にてロールなどの部材と接触する面、粗化処理、平滑化処理などの表面処理がなされる面、高分子圧電フィルムにおけるハードコート層が形成された面などが該当する。高分子圧電フィルムの一面にハードコート層を形成した場合、その面がフィルム測定面となるが、高分子圧電フィルムの両面にハードコート層を形成した場合、どちらの面をフィルム測定面としてもよい。
本実施形態の高分子圧電フィルムは、二つの主面のうち、非接触三次元表面粗度Saの大きい面のSaが0.040μm〜0.105μmであることが好ましい。これにより、高分子圧電フィルムを他の部材(例えば、OCA;Optical Clear Adhesive)と貼り合わせたときに大きな空気のかみ込みが抑制され、より外観に優れる。なお、非接触三次元表面粗度Saの小さい面については、表面粗度は特に限定されず、非接触三次元表面粗度Saの大きい面のSaが0.040μm〜0.105μmであることにより、ブロッキングを好適に抑制でき、貼り合わせ後の外観に優れる。
表面粗度を測定する方法は、本実施形態の非接触式のほかに、接触式がある。接触式では試料に接触する必要があり、被測定物表面に汚染や損傷が発生するおそれがあるが、非接触式では、そのような被測定物表面の汚染や損傷を抑制できるため好ましい。また、ヘリカルキラル高分子を含む高分子圧電フィルムの表面硬度は低いため、非接触式を採用することでより正確な評価が可能となる。
非接触三次元表面粗度Saは、例えば、高分子圧電フィルムを作製する際の、添加剤の添加、溶融後の冷却条件(冷却温度、冷却時に接触する部材の表面粗度)、延伸前(予熱)及び/又は延伸後(アニール)の加熱処理条件(例えば、加熱方式、加熱温度、加熱時間、加熱時に接触する部材の表面粗度)、延伸条件(例えば、延伸倍率、延伸温度、延伸速度)、高分子圧電フィルムへの表面処理などによって制御しうる。
添加剤としては、例えば、無機物(フィラー等)、有機物(滑材や核剤等)、高分子圧電フィルムに含まれる高分子とは異なる高分子材料が挙げられる。これらの添加剤が高分子圧電フィルム表面に存在してドメインを形成することで、表面粗度を制御することができる。フィルム中での分散性およびフィルムの透明性を高める観点から、添加剤の粒子径は、添加剤が高度に分散状態となる範囲であることが好ましく、例えば、0.01μm〜0.5μm程度であることが好ましい。
冷却条件としては、例えば、高分子圧電フィルムを溶融成形し、溶融後に冷却する際の冷却温度、冷却時に接触する部材(例えばキャストロール)の表面粗度が挙げられる。一般的に冷却温度が高い方が、冷却時に接触する部材の表面粗度の影響を受けやすい。表面粗度の影響を受けやすいとは、接触する部材の表面粗度が高ければ高分子圧電フィルムの表面粗度も高くなりやすく、接触する部材の表面粗度が低ければ高分子圧電フィルムの表面粗度も低くなりやすい傾向があることをいう。
加熱方式としては、ロール加熱、IR加熱等の光加熱、炉内での熱風加熱などが挙げられる。一般的にロール加熱では、フィルムはロールの表面粗度の影響を受けやすいのに対し、光加熱や炉内での熱風加熱は中空で加熱を行うため、ロールツーロールにおいても加熱前後のロールの表面粗度の影響を受けにくく、表面粗度も低い傾向にある。
延伸条件としては、延伸倍率、延伸温度、延伸速度等が挙げられ、これらによって高分子圧電フィルムの最表面の弾性率が変化し、ロールの表面粗度からの影響の受け方も変化する。
また、高分子圧電フィルムへの表面処理としては、粗化処理、平滑化処理などが挙げられる。粗化処理としては、サンドブラスト処理、高分子圧電フィルム表面を溶解もしくは膨潤する液体でエッチングする処理、表面粗度の高い部材に高分子圧電フィルムを高分子圧電フィルムのガラス転移点以上の温度で接触させる処理などが挙げられる。平滑化処理としては、研磨処理、表面粗度の低い部材に高分子圧電フィルムを高分子圧電フィルムのガラス転移点以上で接触させる処理、高分子圧電フィルムへのコーティング層形成処理などが挙げられる。
コーティング層とは、高分子圧電フィルムの表面側に存在し且つ少なくとも一部が高分子圧電フィルムに接触する層を指す。コーティング層の材質としては、特に限定されるものではないが、例えばアクリル系化合物、メタクリル系化合物、ビニル系化合物、アリル系化合物、ウレタン系化合物、エポキシ系化合物、エポキシド系化合物、グリシジル系化合物、オキセタン系化合物、メラミン系化合物、セルロース系化合物、エステル系化合物、シラン系化合物、シリコーン系化合物、シロキサン系化合物、シリカ−アクリルハイブリット化合物、シリカ−エポキシハイブリット化合物、金属、及び金属酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含むことが好ましい。これらの中でも、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、シラン系化合物、金属酸化物がより好ましい。
コーティング層は2層以上が積層されていてもよい。またコーティング層は高分子圧電フィルムの表面を平滑化する以外にも機能を有していてもよく、このような機能層としては例えば、易接着層、ハードコート層、屈折率調整層、アンチリフレクション層、アンチグレア層、易滑層、アンチブロック層、保護層、接着層、粘着層、帯電防止層、放熱層、紫外線吸収層、アンチニュートンリング層、光散乱層、偏光層、ガスバリア層、色相調整層などが挙げられる。コーティング層を形成する方法としては、従来一般的に用いられていた公知の方法が適宜使用できるが、例えばウェットコート法が挙げられる。
例えば、アクリル系化合物、メタクリル系化合物、ビニル系化合物、アリル系化合物、ウレタン系化合物、エポキシ系化合物、エポキシド系化合物、グリシジル系化合物、オキセタン系化合物、メラミン系化合物、セルロース系化合物、エステル系化合物、シラン系化合物、シリコーン系化合物、シロキサン系化合物、シリカ−アクリルハイブリット化合物、シリカ−エポキシハイブリット化合物、金属、金属酸化物などの材料が分散または溶解されたコート液を塗布し、必要に応じて不要な溶剤を乾燥除去することで、コーティング層が形成される。
さらに必要に応じて、上記の通り塗布された前記材料に対して熱や活性エネルギー線(紫外線、電子線、放射線等)照射によりコーティング層を硬化させる。なお、コーティング層が硬化性化合物の硬化物を含む場合、硬化性化合物の重合性官能基の当量を小さくすることで(つまり、前記硬化性化合物の単位分子量当たりに含まれる重合性官能基の数を増やすことで)架橋密度が高められる。また、コーティング層に含まれる材料としては、上記硬化物の中でも、三次元架橋構造を有する硬化物が好ましい。このような三次元架橋構造を有するコーティング層として、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリル化合物を含むことが好ましい。本明細書中において、「(メタ)アクリル基」とは、アクリル基及びメタクリル基の少なくとも一方を表す。
<帯電圧>
本実施形態の高分子圧電フィルムは、上記非接触三次元表面粗度Saが0.040μm〜0.105μmであるため、貼り合わせの外観に優れるだけでなく、表面電荷の発生が抑制されている。高分子圧電フィルムの表面電荷の発生が抑制されていることは、以下のような方法で高分子圧電フィルムの帯電圧を測定することにより判断できる。
まず、ロール状の高分子圧電フィルムから100mm角フィルム2枚を切り出し、ヒューグルエレクトロニクス社製イオナイザーMODEL10/10にてフィルム表面の電荷をキャンセルした後、フィルム2枚を表面と裏面が接触するように重ねて2kg荷重ロールで一定方向へ10回圧着する。その後、2枚のフィルムを20℃×40%RHの雰囲気下、10m/minの速度で引き剥がし、春日電機社製デジタル静電電位測定器KSD−1000にてフィルムの帯電圧(kV)を測定する。
上記のようにして測定された帯電圧としては、6.8kV以下であることが好ましく、6.5kV以下であることがより好ましく、6.0kV以下であることがさらに好ましく、5.0kV以下であることが特に好ましい。帯電圧が上記数値範囲にあることにより、高分子圧電フィルムの表面にごみなどが付着することが抑制される。
また、帯電圧の下限値は特に限定されないが、帯電圧の数値が小さくなると非接触三次元表面粗度Saの数値が大きくなり、高分子圧電フィルムの貼り合わせの表面の間に空気のかみ込みが発生しやすくなるおそれがあるため、1.0kV以上であることが好ましく、1.5kV以上であることがより好ましく、2.0kV以上であることがさらに好ましく、2.2kV以上であることが特に好ましい。
<規格化分子配向MORc>
上記規格化分子配向MORcは、ヘリカルキラル高分子(A)の配向の度合いを示す指標である「分子配向度MOR」に基づいて定められる値である。
ここで、分子配向度MOR(Molecular Orientation Ratio)は、以下のようなマイクロ波測定法により測定される。すなわち、高分子圧電フィルムを、周知のマイクロ波分子配向度測定装置(マイクロ波透過型分子配向計ともいう)のマイクロ波共振導波管中に、マイクロ波の進行方向に高分子圧電フィルムの面(フィルム面)が垂直になるように配置する。そして、振動方向が一方向に偏ったマイクロ波を試料に連続的に照射した状態で、高分子圧電フィルムをマイクロ波の進行方向と垂直な面内で0〜360°回転させて、試料を透過したマイクロ波強度を測定することにより分子配向度MORを求める。
規格化分子配向MORcは、基準厚さtcを50μmとしたときの分子配向度MORであって、下記式により求めることができる。
MORc=(tc/t)×(MOR−1)+1
(tc:補正したい基準厚さ、t:高分子圧電フィルムの厚さ)
規格化分子配向MORcは、公知の分子配向計、例えば王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−2012AやMOA−6000等により、4GHzもしくは12GHz近傍の共振周波数で測定することができる。
前述のとおり、本実施形態の高分子圧電フィルムは、上記規格化分子配向MORcが3.5〜15.0であることが好ましい。
規格化分子配向MORcが3.5以上であることにより、高分子圧電フィルム中において、分子配向するヘリカルキラル高分子(A)の分子鎖が多くなり、その結果、高分子圧電フィルムの圧電性が高く維持される。
また、規格化分子配向MORcが15.0以下であることにより、分子配向するヘリカルキラル高分子(A)の分子鎖が多すぎることによる透明性の低下が抑制され、その結果、高分子圧電フィルムの透明性が高く維持される。
規格化分子配向MORcは、3.5〜10.0であることがより好ましく、4.0〜8.0であることがさらに好ましい。
規格化分子配向MORcは、例えば、高分子圧電フィルムが延伸フィルムである場合には、延伸前の加熱処理条件(加熱温度および加熱時間)、延伸条件(延伸温度および延伸速度)等によって制御されうる。
なお、規格化分子配向MORcは、位相差量(レターデーション)をフィルムの厚さで除した複屈折率Δnに変換することもできる。具体的には、レターデーションは大塚電子株式会社製RETS100を用いて測定することができる。またMORcとΔnとは大凡、直線的な比例関係にあり、かつΔnが0の場合、MORcは1になる。
例えば、ヘリカルキラル高分子(A)がポリ乳酸系高分子であり、かつ、高分子圧電フィルムの複屈折率Δnを測定波長550nmで測定した場合、規格化分子配向MORcの好ましい範囲の下限である2.0は、複屈折率Δn 0.005に変換できる。また、後述する、高分子圧電フィルムの規格化分子配向MORcと結晶化度との積の好ましい範囲の下限である40は、高分子圧電フィルムの複屈折率Δnと結晶化度との積が0.1に変換することができる。
<結晶化度>
本実施形態において、高分子圧電フィルムの結晶化度は、DSC法によって求められるものである。
前述のとおり、本実施形態の高分子圧電フィルムの結晶化度は、20%〜80%である。
結晶化度が20%以上であることにより、高分子圧電フィルムの圧電性が高く維持される。
結晶化度が80%以下であることにより、高分子圧電フィルムの透明性が高く維持され、また、結晶化度が80%以下であることにより、延伸時に白化や破断がおきにくいので、高分子圧電フィルムを製造しやすい。
従って、高分子圧電フィルムの結晶化度は20%〜80%であるが、上記結晶化度は、より好ましくは25%〜70%であり、さらに好ましくは30%〜50%である。
<規格化分子配向MORcと結晶化度との積>
前述のとおり、高分子圧電フィルムの規格化分子配向MORcと結晶化度との積は、25〜700である。上記の積が25〜700の範囲にあれば、高分子圧電フィルムの圧電性と透明性とのバランスが良好であり、かつ寸法安定性も高く、後述する圧電素子として好適に用いることができる。
高分子圧電フィルムの規格化分子配向MORcと結晶化度との積は、好ましくは40〜700、より好ましくは75〜680、さらに好ましくは90〜660、さらにより好ましくは125〜650、特に好ましくは150〜350である。
例えば、高分子圧電フィルムを製造する際の結晶化および延伸の条件を調整することにより、上記の積を上記範囲に調整することができる。
また、本実施形態の高分子圧電フィルムの厚さには特に制限はないが、10μm〜400μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましく、20μm〜100μmが更に好ましく、20μm〜80μmが特に好ましい。
<光学活性を有するヘリカルキラル高分子(光学活性高分子)>
本実施形態に係る高分子圧電フィルムは、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(以下、「光学活性高分子」ともいう)を含有する。
ここで、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(光学活性高分子)とは、分子構造が螺旋構造である分子光学活性を有する高分子をいう。
光学活性高分子としては、例えば、ポリペプチド、セルロース誘導体、ポリ乳酸系高分子、ポリプロピレンオキシド、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等を挙げることができる。
前記ポリペプチドとしては、例えば、ポリ(グルタル酸γ−ベンジル)、ポリ(グルタル酸γ−メチル)等が挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、例えば、酢酸セルロース、シアノエチルセルロース等が挙げられる。
光学活性高分子は、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましく、96.00%ee以上であることがより好ましく、99.00%ee以上であることがさらに好ましく、99.99%ee以上であることがさらにより好ましい。望ましくは100.00%eeである。
光学活性高分子の光学純度を上記範囲とすることで、高分子圧電フィルム中での高分子結晶のパッキング性が高くなる。その結果、高分子圧電フィルムの圧電性(圧電定数)をより向上させることができる。
上記光学活性高分子の光学純度は、下記式にて算出した値である。
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
すなわち、『「光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕との量差(絶対値)」を「光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕との合計量」で割った(除した)数値』に、『100』をかけた(乗じた)値を、光学純度とする。
なお、光学活性高分子のL体の量〔質量%〕と光学活性高分子のD体の量〔質量%〕は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法により得られる値を用いる。
光学活性高分子としては、光学純度を上げる観点(および、フィルムを圧電フィルムとして用いた場合に圧電性を向上させる観点)から、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有する高分子が好ましい。


前記式(1)で表される繰り返し単位を主鎖とする高分子としては、ポリ乳酸系高分子が挙げられる。中でも、ポリ乳酸が好ましく、L−乳酸のホモポリマー(PLLA)又はD−乳酸のホモポリマー(PDLA)が最も好ましい。なお、本実施形態における前記ポリ乳酸系高分子とは、「ポリ乳酸(L−乳酸およびD−乳酸から選ばれるモノマー由来の繰り返し単位のみからなる高分子化合物)」、「L−乳酸又はD−乳酸と、該L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」、又は、両者の混合物をいう。
前記「ポリ乳酸」は、乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった高分子であり、ラクチドを経由するラクチド法と、溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させる直接重合法などによって製造できることが知られている。前記「ポリ乳酸」としては、L−乳酸のホモポリマー、D−乳酸のホモポリマー、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むブロックコポリマー、ならびに、L−乳酸およびD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むグラフトコポリマーが挙げられる。
前記「L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物」としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸、グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸、およびこれら多価カルボン酸の無水物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール、セルロース等の多糖類、α−アミノ酸等のアミノカルボン酸等を挙げることができる。
前記「L−乳酸又はD−乳酸と、該L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」としては、らせん結晶を生成可能なポリ乳酸シーケンスを有する、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーが挙げられる。
また光学活性高分子中のコポリマー成分に由来する構造の濃度は20mol%以下であることが好ましい。例えば光学活性高分子がポリ乳酸系高分子の場合、前記光学活性高分子中の乳酸に由来する構造と乳酸と共重合可能な化合物(コポリマー成分)に由来する構造のモル数の合計に対して、前記コポリマー成分が20mol%以下であることが好ましい。
前記ポリ乳酸系高分子は、例えば、特開昭59−096123号公報、および特開平7−033861号公報に記載されている乳酸を直接脱水縮合して得る方法や、米国特許2,668,182号および4,057,357号等に記載されている乳酸の環状二量体であるラクチドを用いて開環重合させる方法などにより製造することができる。
さらに、前記の各製造方法により得られた高分子は、光学純度を95.00%ee以上とするために、例えば、ポリ乳酸をラクチド法で製造する場合、晶析操作により光学純度を95.00%ee以上の光学純度に向上させたラクチドを、重合することが好ましい。
ポリ乳酸系高分子としては、市販のポリ乳酸を用いてもよく、例えば、PURAC社製のPURASORB(PD、PL)、三井化学社製のLACEA(H−100、H−400)、NatureWorks LLC社製のIngeoTM biopolymer、等が挙げられる。
光学活性高分子としてポリ乳酸系高分子を用いるときに、ポリ乳酸系高分子の重量平均分子量(Mw)を5万以上とするためには、ラクチド法、又は直接重合法によりポリ乳酸系高分子を製造することが好ましい。
本実施形態の高分子圧電フィルムにおいて、光学活性高分子の含有量は、高分子圧電フィルムの全量に対し、80質量%以上であることが好ましい。
また、光学活性高分子は、重量平均分子量が5万〜100万であることが好ましい。
光学活性高分子の重量平均分子量が5万以上であると、フィルムの機械的強度がより向上する。光学活性高分子の重量平均分子量は、10万以上であることが好ましく、15万以上であることがさらに好ましい。
一方、光学活性高分子の重量平均分子量が100万以下であると、光学活性高分子を(例えば、押出成型などにより)フィルム形状に成形することが難しくなる。光学活性高分子の重量平均分子量は、80万以下であることが好ましく、30万以下であることがさらに好ましい。
また、光学活性高分子の分子量分布(Mw/Mn)は、フィルムの強度の観点から、1.1〜5であることが好ましく、1.2〜4であることがより好ましい。さらに1.4〜3であることが好ましい。
なお、光学活性高分子の重量平均分子量Mwおよび分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、測定される。
−GPC測定装置−
Waters社製GPC−100
−カラム−
昭和電工社製、Shodex LF−804
−サンプルの調製−
光学活性高分子を40℃で溶媒(例えば、クロロホルム)へ溶解させ、濃度1mg/mLのサンプル溶液を準備する。
−測定条件−
サンプル溶液0.1mLを溶媒〔クロロホルム〕、温度40℃、1mL/分の流速でカラムに導入する。
カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定する。ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、光学活性高分子の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を算出する。
<内部ヘイズ>
本実施形態に係る高分子圧電フィルムの透明性は、例えば、目視観察やヘイズ測定により評価することができる。
本実施形態の高分子圧電フィルムは、可視光線に対する内部ヘイズ(以下、単に「内部ヘイズ」ともいう)が40%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、2%以下であることが特に好ましく、1%以下であることがもっとも好ましい。
本実施形態の高分子圧電フィルムの内部ヘイズは、低ければ低いほどよいが、圧電定数などとのバランスの観点からは、0.01%〜15%であることが好ましく、0.01%〜10%であることがさらに好ましく、0.1%〜5%であることが特に好ましい。
本実施形態において、「内部ヘイズ」とは、高分子圧電フィルムの外表面の形状によるヘイズを除外したヘイズを指す。
また、ここでいう「内部ヘイズ」は、高分子圧電フィルムに対して、JIS−K7105に準拠して、25℃で測定したときの値である。
より詳細には、内部ヘイズ(以下、「内部ヘイズH1」ともいう)は、以下のようにして測定された値を指す。
即ち、まず、シリコンオイルで満たした光路長10mmのセルについて、光路長方向のヘイズ(以下、「ヘイズH2」ともいう)を測定した。次いで、このセルのシリコンオイルに本実施形態の高分子圧電フィルムを、セルの光路長方向とフィルムの法線方向とが平行となるように浸漬させ、高分子圧電フィルムが浸漬されたセルの光路長方向のヘイズ(以下、「ヘイズH3」ともいう)を測定する。ヘイズH2およびヘイズH3は、いずれもJIS−K7105に準拠して25℃で測定する。
測定されたヘイズH2およびヘイズH3に基づき、下記式に従って内部ヘイズH1を求める。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
ヘイズH2およびヘイズH3の測定は、例えばヘイズ測定機〔(有)東京電色製、TC−HIII DPK〕を用いて行うことができる。
また、シリコンオイルとしては、例えば、信越化学工業(株)製の「信越シリコーン(商標)、型番KF−96−100CS」を用いることができる。
<OCA貼合品内部ヘイズ>
本実施形態において、「OCA貼合品内部へイズ」とは、高分子圧電フィルムの2つの主面にOCAを貼りあわせて、光学用PETフィルム、OCA、高分子圧電フィルム、OCA、光学用PETフィルムの五層からなるOCA貼合品としたときのOCA貼合品の外表面の形状によるヘイズを除去したヘイズを指す。
なお、本明細書において、「主面」とは、高分子圧電フィルムの表面の中で、最も面積の大きい面をいう。本実施形態の高分子圧電フィルムは、主面を2つ以上有してもよい。例えば、高分子圧電フィルムが、長さ10mm×幅0.3mmの面Aと、長さ3mm×幅0.3mmの面Bと、長さ10mm×幅3mmの面Cと、をそれぞれ2面ずつ有する板状体である場合、当該高分子圧電フィルムの主面は面Cであり、2つの主面を有する。
本実施形態のOCA貼合品は、可視光線に対するOCA貼合品内部ヘイズが40%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、5%以下であることがさらに好ましく、2%以下であることが特に好ましく、1%以下であることがもっとも好ましい。
また、OCA貼合品内部ヘイズは、低ければ低いほどよいが、圧電定数などとのバランスの観点からは、0.1%〜10%であることが好ましく、0.3%〜5%であることがより好ましく、0.4%〜3%であることがさらに好ましく、0.5%〜2%であることが特に好ましい。
OCA貼合品内部ヘイズは、上述の高分子圧電フィルムの内部ヘイズの測定方法と同様の方法で測定すればよい。
<圧電定数d14(応力−電荷法)>
高分子圧電フィルムの圧電性は、例えば、高分子圧電フィルムの圧電定数d14を測定することによって評価することができる。
以下、応力−電荷法による圧電定数d14の測定方法の一例について説明する。
まず、高分子圧電フィルムを、延伸方向(MD方向)に対して45°なす方向に150mm、45°なす方向に直交する方向に50mmにカットして、矩形の試験片を作製する。次に、昭和真空SIP−600の試験台に得られた試験片をセットし、アルミニウム(以下、Alとする)の蒸着厚が約50nmとなるように、試験片の一方の面にAlを蒸着する。次いで試験片の他方の面に同様に蒸着して、試験片の両面にAlを被覆し、Alの導電層を形成する。
両面にAlの導電層が形成された150mm×50mmの試験片を、高分子圧電フィルムの延伸方向(MD方向)に対して45°なす方向に120mm、45°なす方向に直交する方向に10mmにカットして、120mm×10mmの矩形のフィルムを切り出す。これを、圧電定数測定用サンプルとする。
得られたサンプルを、チャック間距離70mmとした引張試験機(AND社製、TENSILON RTG−1250)に、弛まないようにセットする。クロスヘッド速度5mm/minで、印加力が4Nと9N間を往復するように周期的に力を加える。このとき印加力に応じてサンプルに発生する電荷量を測定するため、静電容量Qm(F)のコンデンサーをサンプルに並列に接続し、このコンデンサーCm(95nF)の端子間電圧Vを、バッファアンプを介して測定する。以上の測定は25℃の温度条件下で行う。発生電荷量Q(C)は、コンデンサー容量Cmと端子間電圧Vmとの積として計算する。圧電定数d14は下式により計算される。
14=(2×t)/L×Cm・ΔVm/ΔF
t:サンプル厚(m)
L:チャック間距離(m)
Cm:並列接続コンデンサー容量(F)
ΔVm/ΔF:力の変化量に対する、コンデンサー端子間の電圧変化量比
圧電定数d14は高ければ高いほど、高分子圧電フィルムに印加される電圧に対する高分子圧電フィルムの変位、逆に高分子圧電フィルムに印加される力に対し発生する電圧が大きくなり、高分子圧電フィルムとしては有用である。
具体的には、本実施形態における高分子圧電フィルムにおいて、25℃における応力−電荷法で測定した圧電定数d14は、1pC/N以上であり、3pC/N以上が好ましく、4pC/N以上がより好ましい。また圧電定数d14の上限は特に限定されないが、透明性などのバランスの観点からは、ヘリカルキラル高分子を用いた高分子圧電フィルムでは50pC/N以下が好ましく、30pC/N以下がより好ましい。
また、同様に透明性とのバランスの観点からは共振法で測定した圧電定数d14が15pC/N以下であることが好ましい。
なお、本明細書中において、「MD方向」とはフィルムの流れる方向(Machine Direction)である。
本実施形態の高分子圧電フィルムは、透明性および圧電性をより効果的に両立させる観点から、可視光線に対する内部ヘイズが40%以下であり、且つ、25℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14が1pC/N以上であることが特に好ましい。
<安定化剤>
本実施形態に係る高分子圧電フィルムは、安定化剤として、カルボジイミド基、エポキシ基、およびイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の化合物を含むことが好ましい。
これにより、光学活性高分子(ヘリカルキラル高分子)の加水分解反応を抑制し、得られるフィルムの耐湿熱性をより向上させることができる。
安定化剤については、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0039〜0055の記載を適宜参照できる。
<酸化防止剤>
また、本実施形態に係る高分子圧電フィルムは、酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物およびチオエーテル系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
また、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系化合物又はヒンダードアミン系化合物を用いることが好ましい。これにより、耐湿熱性および透明性にも優れる高分子圧電フィルムを提供することができる。
<その他の成分>
本実施形態に係る高分子圧電フィルムは、本発明の効果を損なわない限度において、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂に代表される公知の樹脂、シリカ、ヒドロキシアパタイト、モンモリロナイト等の無機フィラー、フタロシアニン等の公知の結晶核剤等、その他の成分を含有していてもよい。
無機フィラー、結晶核剤等のその他の成分については、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0057〜0060の記載を適宜参照できる。
なお、高分子圧電フィルムがヘリカルキラル高分子(A)以外の成分を含む場合、ヘリカルキラル高分子(A)以外の成分の含有量は、高分子圧電フィルム全質量中に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
なお、高分子圧電フィルムは、透明性の観点からは、ヘリカルキラル高分子(A)以外の成分を含まないことが好ましい。
[高分子圧電フィルムの製造方法]
本実施形態に係る高分子圧電フィルムを製造する方法には特に制限はない。
本実施形態に係る高分子圧電フィルムの製造方法としては、例えば、ヘリカルキラル高分子(A)と上記安定化剤とを含む非晶状態のシートを結晶化して予備結晶化シート(結晶化原反ともいう)を得る第一の工程と、前記予備結晶化シートを主として1軸方向に延伸する第二の工程と、(さらに、必要に応じ、アニール処理をする工程と、)を含む、製造方法によって製造されうる。このような高分子圧電フィルムの製造方法については、例えば、国際公開第2013/054918号パンフレットの段落0065〜0099に記載の製造方法が挙げられる。
非接触三次元表面粗度Saは、高分子圧電フィルムを作製する際の冷却条件によって制御することができる。一般的に冷却温度が高い方が、冷却時に接触する部材の表面粗度の影響を受けやすい。表面粗度の影響を受けやすいとは、接触する部材の表面粗度が高ければ高分子圧電フィルムの表面粗度も高くなりやすく、接触する部材の表面粗度が低ければ高分子圧電フィルムの表面粗度も低くなりやすい傾向にあることをいう。
また、非接触三次元表面粗度Saは、延伸前(予熱)及び/又は延伸後(アニール)の加熱処理条件(例えば、加熱方式、加熱温度、加熱時間、加熱時に接触する部材の表面粗度)によって制御することができる。加熱方式としては、ロール加熱、IR加熱等の光加熱、炉内での熱風加熱などが挙げられる。一般的にロール加熱では、フィルムはロールの表面粗度の影響を受けやすいのに対し、光加熱や炉内での熱風加熱は中空で加熱を行うため、ロールツーロールにおいても加熱前後のロールの表面粗度の影響を受けにくく、表面粗度も低い傾向にある。
また、非接触三次元表面粗度Saは、高分子圧電フィルムへの表面処理によって制御することもできる。高分子圧電フィルムへの表面処理としては、粗化処理や平滑化処理が挙げられる。粗化処理としては、サンドブラスト処理、高分子圧電フィルム表面を溶解もしくは膨潤する液体でエッチングする処理、表面粗度の高い部材に高分子圧電フィルムを高分子圧電フィルムのガラス転移点以上の温度で接触させる処理などが挙げられる。平滑化処理としては、研磨処理、表面粗度の低い部材に高分子圧電フィルムを高分子圧電フィルムのガラス転移点以上の温度で接触させる処理、高分子圧電フィルムへのコーティング層形成処理などが挙げられる。
コーティング層とは、高分子圧電フィルムの表面側に存在し且つ少なくとも一部が高分子圧電フィルムに接触する層を指す。コーティング層の材質としては、特に限定されるものではないが、アクリル系化合物、メタクリル系化合物、ビニル系化合物、アリル系化合物、ウレタン系化合物、エポキシ系化合物、エポキシド系化合物、グリシジル系化合物、オキセタン系化合物、メラミン系化合物、セルロース系化合物、エステル系化合物、シラン系化合物、シリコーン系化合物、シロキサン系化合物、シリカ−アクリルハイブリット化合物、シリカ−エポキシハイブリット化合物、金属、金属酸化物などが挙げられ、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、シラン系化合物、金属酸化物がより好ましい。コーティング層を形成する方法としては、従来一般的に用いられていた公知の方法が適宜使用できるが、例えばウェットコート法が挙げられる。
例えば、コーティング層の材質として例示した上記の材料が分散または溶解されたコート液を塗布し、必要に応じて不要な溶剤を乾燥除去することで、コーティング層が形成される。
さらに必要に応じて、上記の通り塗布された前記材料に対して熱や活性エネルギー線(紫外線、電子線、放射線等)照射によりコーティング層を硬化させる。なお、コーティング層が硬化性化合物の硬化物を含む場合、硬化性化合物の重合性官能基の当量を小さくすることで(つまり、前記硬化性化合物の単位分子量当たりに含まれる重合性官能基の数を増やすことで)架橋密度が高められる。また、コーティング層に含まれる材料としては、上記硬化物の中でも、三次元架橋構造を有する硬化物が好ましい。このような三次元架橋構造を有するコーティング層として、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリル化合物を含むことが好ましい。
[高分子圧電フィルムの用途など]
本実施形態の高分子圧電フィルムは、例えば、圧電フィルムとして好適に用いることができる。
また、本実施形態の高分子圧電フィルムは、圧電フィルム以外にも、表示装置などに用いられる光学フィルム等として用いることができる。
本実施形態の高分子圧電フィルムは、例えば、スピーカー、ヘッドホン、タッチパネル、リモートコントローラー、マイクロホン、水中マイクロホン、超音波トランスデューサ、超音波応用計測器、圧電振動子、機械的フィルター、圧電トランス、遅延装置、センサー、加速度センサー、衝撃センサー、振動センサー、感圧センサー、触覚センサー、電界センサー、音圧センサー、ディスプレイ、ファン、ポンプ、可変焦点ミラー、遮音材料、防音材料、キーボード、音響機器、情報処理機、計測機器、医用機器などの種々の分野で利用することができる。
また、本実施形態の高分子圧電フィルムは、少なくとも2つの主面を有し、当該主面に電極が備えられた圧電素子として用いられることが好ましい。
電極は、高分子圧電フィルムの少なくとも2つの面に備えられていればよい。また、電極と高分子圧電フィルムの間に粘接着層や基材層が備えられていてもよい。前記電極としては、特に制限されないが、例えば、ITO、ZnO、IGZO、導電性ポリマー等が用いられる。
また高分子圧電フィルムと電極を繰り返し重ねて積層圧電素子として用いることもできる。例としては電極と高分子圧電フィルムとのユニットを繰り返し重ね、最後に電極で覆われていない高分子圧電フィルムの主面を電極で覆ったものが挙げられる。具体的にはユニットの繰り返しが2回のものは、電極、高分子圧電フィルム、電極、高分子圧電フィルム、電極をこの順で重ねた積層圧電素子である。積層圧電素子に用いられる高分子圧電フィルムはそのうち1層の高分子圧電フィルムが本実施形態に係る高分子圧電フィルムであればよく、その他の層は本実施形態に係る高分子圧電フィルムでなくてもよい。
また積層圧電素子に複数の高分子圧電フィルムが含まれる場合は、ある層の高分子圧電フィルムに含まれるヘリカルキラル高分子(A)の光学活性がL体ならば、他の層の高分子圧電フィルムに含まれるヘリカルキラル高分子(A)はL体であってもD体であってもよい。高分子圧電フィルムの配置は圧電素子の用途に応じて適宜調整することができる。
例えば、L体のヘリカルキラル高分子(A)を主たる成分として含む高分子圧電フィルムの第1の層が電極を介してL体のヘリカルキラル高分子(A)を主たる成分として含む第2の高分子圧電フィルムと積層される場合は、第1の高分子圧電フィルムの一軸延伸方向(主たる延伸方向)を、第2の高分子圧電フィルムの一軸延伸方向(主たる延伸方向)と交差、好ましくは直交させると、第1の高分子圧電フィルムと第2の高分子圧電フィルムの変位の向きを揃えることができ、積層圧電素子全体としての圧電性が高まるので好ましい。
一方、L体のヘリカルキラル高分子(A)を主たる成分として含む高分子圧電フィルムの第1の層が電極を介してD体のヘリカルキラル高分子(A)を主たる成分として含む第2の高分子圧電フィルムと積層される場合は、第1の高分子圧電フィルムの一軸延伸方向(主たる延伸方向)を、第2の高分子圧電フィルムの一軸延伸方向(主たる延伸方向)と略平行となるように配置すると第1の高分子圧電フィルムと第2の高分子圧電フィルムの変位の向きを揃えることができ、積層圧電素子全体としての圧電性が高まるので好ましい。
特に高分子圧電フィルムの主面に電極を備える場合には、透明性のある電極を備えることが好ましい。ここで、電極について、透明性があるとは、具体的には、内部ヘイズが20%以下、全光線透過率が80%以上であることをいう。
本実施形態に係る高分子圧電フィルムを用いた前記圧電素子は、スピーカーやタッチパネル、圧力センサー等、上述の種々の圧電デバイスに応用することができる。特に、透明性のある電極を備えた圧電素子は、スピーカー、タッチパネル、圧力センサー、アクチュエータ等への応用に好適である。
以下、本発明の実施形態を実施例により更に具体的に説明するが、本実施形態はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、表面粗度Raは、JIS−B−0601(2001)に規定される算術平均粗さを指す。
〔実施例1〕
<高分子圧電フィルムの作製>
ヘリカルキラル高分子としての、NatureWorks LLC社製のポリ乳酸(PLA)(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D、重量平均分子量Mw:20万)を押出成形機ホッパーに入れて、220℃〜230℃に加熱しながら幅2000mmのTダイから押し出し、50℃のキャストロール(表面粗度Ra=0.05μm)に0.5分間接触させて、厚さ150μmの予備結晶化フィルムを製膜した(成形工程)。
得られた予備結晶化フィルムを70℃に加熱したロールに接触させて加熱しながらロールツーロールで、延伸速度1650mm/分で延伸を開始し、3.5倍までMD方向に一軸延伸し、一軸延伸フィルムを得た(延伸工程)。
その後、一軸延伸フィルムを、ロールツーロールで、130℃に加熱したロール(表面粗度Ra=0.2μm)上に78秒間接触させアニール処理した後、50℃に設定したロールで急冷し、フィルム幅方向の両端部を均等にスリットして切り落とし、幅1500mmのフィルムとし、さらにロール状に巻き取ることで、フィルム状の高分子圧電フィルムを得た(アニール工程)。
得られた高分子圧電フィルムの厚さは50μmであった。なお、本実施例では、ロール(表面粗度Ra=0.2μm)に接していた面を非接触三次元表面粗度Saの測定面とした。
(ヘリカルキラル高分子の重量平均分子量および分子量分布)
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、下記GPC測定方法により、上記高分子圧電フィルムに含まれるヘリカルキラル高分子(ポリ乳酸)の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
その結果、Mwは20万であり、Mw/Mnは1.9であった。
−GPC測定方法−
・測定装置
Waters社製GPC−100
・カラム
昭和電工社製、Shodex LF−804
・サンプル溶液の調製
上記高分子圧電フィルムを溶媒〔クロロホルム〕に溶解させ、濃度1mg/mLのサンプル溶液を準備した。
・測定条件
サンプル溶液0.1mLを溶媒(クロロホルム)、温度40℃、1mL/分の流速でカラムに導入し、カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定した。ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン標準試料に基づいて作成したユニバーサル検量線に基づき、算出した。
(ヘリカルキラル高分子の光学純度)
上記高分子圧電フィルムに含まれるヘリカルキラル高分子(ポリ乳酸)の光学純度を、以下のようにして測定した。
まず、50mLの三角フラスコに1.0gのサンプル(上記高分子圧電フィルム)を秤り込み、ここに、IPA(イソプロピルアルコール)2.5mLおよび5.0mol/L水酸化ナトリウム溶液5mLを加え、サンプル溶液とした。
次に、このサンプル溶液が入った三角フラスコを温度40℃の水浴に入れ、ポリ乳酸が完全に加水分解するまで、約5時間攪拌した。
上記約5時間の撹拌後のサンプル溶液を室温まで冷却した後、1.0mol/L塩酸溶液を20mL加えて中和し、三角フラスコを密栓してよくかき混ぜた。
次に、上記でかき混ぜたサンプル溶液の1.0mLを25mLのメスフラスコに取り分け、ここに下記組成の移動相を加え、25mLのHPLC試料溶液1を得た。
得られたHPLC試料溶液1をHPLC装置に5μL注入し、下記HPLC測定条件にてHPLC測定を行った。得られた測定結果から、ポリ乳酸のD体に由来するピークの面積とポリ乳酸のL体に由来するピークの面積とを求め、L体の量とD体の量とを算出した。
得られた結果に基づき、光学純度(%ee)を求めた。
その結果、光学純度は、97.0%eeであった。
−HPLC測定条件−
・カラム
光学分割カラム、(株)住化分析センター製 SUMICHIRAL OA5000
・HPLC装置
日本分光社製 液体クロマトグラフィ
・カラム温度
25℃
・移動相の組成
1.0mM−硫酸銅(II)緩衝液/IPA=98/2(V/V)
(この移動相において、硫酸銅(II)、IPA、および水の比率は、硫酸銅(II)/IPA/水=156.4mg/20mL/980mLである。)
・移動相流量
1.0mL/分
・検出器
紫外線検出器(UV254nm)
(フィルム単体内部ヘイズ)
以下の方法により、上記高分子圧電フィルム(フィルム単体)の内部ヘイズ(H1)を測定した。
まず、ガラス板2枚の間に、シリコンオイル(信越化学工業株式会社製信越シリコーン(商標)、型番:KF96−100CS)のみを挟んだ積層体を準備し、この積層体の厚さ方向のヘイズ(以下、ヘイズ(H2)とする)を測定した。
次に、上記のガラス板2枚の間に、シリコンオイルで表面を均一に塗らした高分子圧電フィルムを挟んだ積層体を準備し、この積層体の厚さ方向のヘイズ(以下、ヘイズ(H3)とする)を測定した。
次に、下記式のようにこれらの差をとることにより、高分子圧電フィルムの内部ヘイズ(H1)を得た。
内部ヘイズ(H1)=ヘイズ(H3)−ヘイズ(H2)
ここで、ヘイズ(H2)およびヘイズ(H3)の測定は、それぞれ、下記測定条件下で下記装置を用いて行った。
測定装置:東京電色社製、HAZE METER TC−HIIIDPK
試料サイズ:幅30mm×長さ30mm
測定条件:JIS−K7105に準拠
測定温度:室温(25℃)
(規格化分子配向MORc)
王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−6000を用い、上記高分子圧電フィルムの規格化分子配向MORcを測定した。基準厚さtcは、50μmに設定した。
(結晶化度)
上記高分子圧電フィルムを10mg正確に秤量し、秤量した高分子圧電フィルム10mgについて、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製DSC−1)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、融解吸熱曲線を得た。得られた融解吸熱曲線から結晶化度を得た。
(圧電定数d14
前述した応力−電荷法(25℃)による圧電定数d14の測定方法の一例に従い、上記高分子圧電フィルムの圧電定数d14を測定した。
(非接触三次元表面粗度)
以下の方法により、上記高分子圧電フィルムの非接触三次元表面粗度Saを測定した。
まず、高分子圧電フィルムの測定面にスパッタリング装置(アルバック社製J−1000)を用いて白金をスパッタした後、共焦点型レーザー顕微鏡(オリンパス社製LEXT OLS4000、対物レンズ×20)を用いて645μm×644μmの面積内の画像解析の結果から、ISO25178準拠にして非接触三次元表面粗度Saを算出した。具体的には、この測定をフィルム測定面内で3点実施して平均した値を非接触三次元表面粗度Saとした。
(帯電圧)
ロール状の高分子圧電フィルムから100mm角フィルム2枚を切り出し、ヒューグルエレクトロニクス社製イオナイザーMODEL10/10にてフィルム表面の電荷をキャンセルした後、前記フィルム2枚を表面(Saの測定面)と裏面が接触するように重ねて2kg荷重ロールで一定方向へ10回圧着した。その後、前記2枚の圧着フィルムを20℃×40%RHの雰囲気下、10m/minの速度で引き剥がし、春日電機社製デジタル静電電位測定器KSD−1000にてフィルムの帯電圧(kV)を測定した。
<OCA貼合品の作製>
次に、上記のように作製した高分子圧電フィルムの2つの主面に、積水化学工業社製OCA(Optical Clear Adhesive)(銘柄:5402A−50)を2kgロールで貼り合わせた。またOCAの高分子圧電フィルムとは反対側に配置されている離型フィルムを剥離して光学用PETフィルム(東レ製、ルミラーU34#50)を2kgロールで貼り合わせた。これにより、光学用PETフィルム、OCA、高分子圧電フィルム、OCA、光学用PETフィルムの五層からなるOCA貼合品を得た。
(OCA貼合品内部ヘイズ)
上述のフィルム単体の内部ヘイズの測定方法と同様の方法で上記OCA貼合品の内部ヘイズ(H1)を測定した。
(貼り合わせ後外観)
次に、OCAを貼リ合わせたときの外観を目視して評価した。評価基準は以下のとおりである。
A:目視できる空気のかみ込みがなく、透過光の歪みも見られず、外観がよい。
B:目視できる空気のかみ込みは見られず、透過光が僅かに歪むものの、外観上問題はない。
C:目視できる空気のかみ込みが点在して、さらに透過光が大きく歪み、外観上大きな問題がある。
〔実施例2〕
成形工程において、表面粗度Ra=0.1μmのキャストロールに変更したこと以外は実施例1と同様にして高分子圧電フィルムを作製した。
得られた高分子圧電フィルムおよび、このフィルムから実施例1と同様にして作製したOCA貼合品について、実施例1と同様の測定および評価を行なった。
〔実施例3〕
実施例1で作製した高分子圧電フィルムの主面に、アクリル系樹脂コート液(東洋インキ製、アンチブロックハードコートLIODURAS TYAB−014)をロールツーロールで塗工し、80℃の加熱炉で乾燥、積算光量500mJ/cmの紫外線を照射して厚み2μmのハードコート層を形成した。さらに高分子圧電フィルムのもう一方の主面にも同様にして厚み2μmのハードコート層を形成して、両面にハードコート層を形成した高分子圧電フィルムを得た。
得られた高分子圧電フィルムおよび、このフィルムから実施例1と同様にして作製したOCA貼合品について、実施例1と同様の測定および評価を行なった。なお、本実施例では、高分子圧電フィルムの両面に同様のハードコート層が形成されているため、一方の面を非接触三次元表面粗度Saの測定面とした。
〔比較例1〕
ヘリカルキラル高分子としての、NatureWorks LLC社製のポリ乳酸(PLA)(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D、重量平均分子量Mw:20万)を押出成形機ホッパーに入れて、220〜230℃に加熱しながらTダイから押し出し、50℃のキャストロール(表面粗度Ra=0.05μm)に0.3分間接触させ厚さ230μmの予備結晶化シートを製膜した(成形工程)。 得られた予備結晶化シートを80℃に加熱しながら、テンター方式でTD方向に4.4倍、MD方向に2.0倍まで同時2軸延伸を行い、フィルムを得た(延伸工程)。
前記延伸工程の後のフィルムを、145℃に加熱した炉内でアニール処理し、急冷して、高分子圧電フィルムを作製した(アニール処理工程)。なお、前記急冷は、アニール処理後のフィルムを20℃〜30℃の大気に接触させ、さらにフィルム巻取機の金属ロールに接触させることにより、フィルム温度を急速に室温近傍に降温させることによって行った。 得られた高分子圧電フィルムおよび、このフィルムから実施例1と同様にして作製したOCA貼合品について、実施例1と同様の測定および評価を行なった。
〔比較例2〕
成形工程において表面粗度Ra=0.02μmのキャストロールに変更し、かつ、アニール工程において表面粗度Ra=0.02μmのロールに変更し、さらに予備結晶化フィルムの加熱を、ロール加熱からIRヒーター加熱(IRヒーターにより放射温度計で測定するフィルム実温が70℃になるように加熱)に変更したこと以外は実施例1と同様にして高分子圧電フィルムを作製した。
得られた高分子圧電フィルムおよび、このフィルムから実施例1と同様にして作製したOCA貼合品について、実施例1と同様の測定および評価を行なった。
〔比較例3〕
成形工程において、表面粗度Ra=1.0μmのキャストロールに変更したこと以外は実施例1と同様にして高分子圧電フィルムを作製した。
得られた高分子圧電フィルムおよび、このフィルムから実施例1と同様にして作製したOCA貼合品について、実施例1と同様の測定および評価を行なった。
〔比較例4〕
ヘリカルキラル高分子としての、NatureWorks LLC社製のポリ乳酸(PLA)(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D、重量平均分子量Mw:20万)を押出成形機ホッパーに入れて、220℃〜230℃に加熱しながら幅2000mmのTダイから押し出し、50℃のキャストロール(表面粗度Ra=0.2μm)に0.5分間接触させて、厚さ50μmの未延伸フィルムを製膜した(成形工程)。
得られた未延伸フィルムおよび、このフィルムから実施例1と同様にして作製したOCA貼合品について、実施例1と同様の測定および評価を行なった。
〔参考例〕
成形工程において、ポリ乳酸に平均粒径1.3μmのシリカ(東ソー・シリカ社製AZ−204)を0.1質量部添加した後に押出成形機ホッパーに入れたこと以外は実施例1と同様にして高分子圧電フィルムを作製した。
得られた高分子圧電フィルムについて、実施例1と同様に非接触三次元表面粗度Saの測定を行なった。
実施例1〜3、比較例1〜4、参考例について、測定および評価の結果を表1に示す。
表1に示すように、非接触三次元表面粗度Saについて0.040μm〜0.105μmを満たす実施例1〜3では、表面電荷の発生(帯電圧)が抑制され、貼り合わせ後の外観に優れていた。一方、非接触三次元表面粗度Saについて0.040μm未満である比較例1、2では、表面電荷の値が高く、非接触三次元表面粗度Saについて0.105μm超である比較例3では、OCAを貼り合わせた後のOCA貼合品内部ヘイズの値が高く、かつOCAを貼り合わせた後にOCAと高分子圧電フィルムとの間に大きな空気のかみ込みが点在して外観上の欠点がみられた。
また、結晶化度が20%未満であり、かつ、規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25未満である比較例4(未延伸フィルム)では、圧電定数が0であり、高分子圧電フィルムとして使用できないことが分かった。
また、ポリ乳酸にあらかじめ無機フィラーであるシリカを添加した参考例では、フィルム成形時の表面粗度は良好であるが、実施例1〜3と比較して内部ヘイズが高いことが分かった。
2014年8月22日に出願された日本国特許出願2014−169671の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (7)

  1. 重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が25〜700であり、少なくとも一つの面の表面粗さが共焦点型レーザー顕微鏡で測定される非接触三次元表面粗度Saで0.040μm〜0.105μmであり、可視光線に対する内部ヘイズが1%以下である、高分子圧電フィルム。
  2. 5℃において応力−電荷法で測定した圧電定数d14が1pC/N以上である、請求項1に記載の高分子圧電フィルム。
  3. 前記規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が40〜700である、請求項1又は請求項2に記載の高分子圧電フィルム。
  4. 前記ヘリカルキラル高分子(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の高分子圧電フィルム。
  5. 前記ヘリカルキラル高分子(A)は、光学純度が95.00%ee以上である、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の高分子圧電フィルム。
  6. 前記ヘリカルキラル高分子(A)の含有量が80質量%以上である、請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の高分子圧電フィルム。
  7. 帯電圧が1.0kV以上6.8kV以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の高分子圧電フィルム。
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