JP6509580B2 - 増幅器およびそれを備える放射線検出器と放射線撮像パネル - Google Patents

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Description

本発明は、増幅器およびそれを備える放射線検出器と放射線撮像パネル、特にX線検出器とX線撮像パネルとに関し、より詳細には光子数の計測機能を備えた放射線検出器と放射線検出パネルとを実現する技術に関するものである。
入射した放射線の光子数を計測する、フォトンカウンティング型の放射線検出器として、光子に応じた電気信号を出力するセンサ素子とCMOS集積回路で作られた増幅器とを利用したものが知られている。(非特許文献1、2)
光子に応じた電気信号を出力するセンサ素子としては、放射線を直接電気信号に変換する直接変換型や、放射線をシンチレーターにより光に変換してから光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型のものが使われている。
センサ素子からの電気信号を増幅器により増幅してパルスを作り、発生したパルスの数を一定時間カウントして放射線検出を行うことができる。
R. Ballabriga, et.al., "The Medipix3 Prototype, a Pixel Readout Chip Working in Single Photon Counting Mode With Improved Spectrometric Performance,"IEEE Transactions on NUCLEAR SCIENCE, VOL. 54, NO. 5, OCTOBER 2007 B. Dierickx, et.al., "Indirect X-ray Photon-Counting Image Sensor with 27T Pixel and 15erms Accurate Threshold," IEEE ISSCC, February 2011.
上記非特許文献1、2に記載の放射線検出器(Medipix1〜3,our pixel)はCMOS(相補型金属酸化膜半導体)集積回路により作製されているので、回路素子が小さく、移動度が大きい。このため、撮像パネルのピクセルあたりの回路素子の数が大きく、ピクセルの備える増幅器の増幅率が大きい。このように、上記非特許文献1、2に記載の放射線検出器の増幅器についてはCMOS回路を構成するMOSトランジスタ以外のトランジスタで構成されることが想定されていない。
本発明の目的は、MOSトランジスタ以外のトランジスタを用いることが可能な増幅器を提供することである。
本発明の増幅器は、上記課題を解決するために奇数段縦続接続された反転器からなる反転器群と、上記反転器群の入力部と出力部とを接続する帰還トランジスタと、上記帰還トランジスタの制御端子に印加される電圧を上記反転器群の発振が停止するように調整する調整回路と、上記帰還トランジスタの制御端子に印加される電圧を保持する電圧保持部と、を備え、上記帰還トランジスタと上記反転器群に含まれるトランジスタとが全て薄膜トランジスタであることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、MOSトランジスタ以外の薄膜トランジスタを用い増幅器を実現できる。
本発明の一実施形態に係る調整回路付き増幅器の概略構成を示す回路図である。 図1に示した調整回路付き増幅器の制御を概略的に示す信号図である。 本発明の一実施形態に係る増幅器の概略構成を示す回路図である。 本発明の一実施形態に係る増幅器の概略構成を示す回路図である。 図1に示した調整回路付き増幅器を備える放射線検出器の概略構成を示す回路図である。 図1に示した増幅器を備えるピクセルの概略構成を示す回路図である。 図6に示したピクセルを備える撮像パネルの概略構成を示すブロック図である。 図7に示した撮像パネルの制御を概略的に示すタイミング図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などはあくまで一実施形態に過ぎず、これらによってこの発明の範囲が限定解釈されるべきではない。
本発明の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明すれば以下のとおりである。
〔実施の形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図2に基づいて説明する。
(調整回路つき増幅器の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る調整回路付き増幅器26の概略構成を示す回路図である。
調整回路付き増幅器26は切り替え器11、緩衝器12、増幅器21、および調整回路24を備える。そして、増幅器21の出力端子と調整回路24の入力端子との間には、切り替え器11と緩衝器12とが介在する。
切り替え器11(スイッチ)は調整回路24を作動させるか否かを切り替える。詳しく述べると、第1制御信号C1がハイレベルのとき、切り替え器11は通電状態になり、第1制御信号C1がローレベルのとき、切り替え器11は遮断状態になる。
緩衝器12(バッファー)は後段の調整回路24に入力される信号のレベルが低下することを防止するために設けられている。また、緩衝器12は緩衝器出力信号Bufferを調整回路24へ出力する。
増幅器21は、調整回路付き増幅器26に入力された電圧を増幅して出力する。そして増幅器21の出力が、調整回路付き増幅器26の出力となる。また、増幅器21の出力は、切り替え器11を介して、緩衝器12へ入力される。
調整回路24は、増幅器21の帰還量を調整する。詳しく述べると、増幅器21の出力が発振状態にあるか否かに基づき、増幅器21の帰還量を調整する信号Rampを出力する。このため、増幅器21は出力が発振しない状態に調整される。
(増幅器の構成)
増幅器21は、第1反転器1、第2反転器2、第3反転器3、帰還トランジスタ4、切り替えトランジスタ5、および蓄積容量素子6(電圧保持部、第1静電容量)を備える。また以降、第1反転器1、第2反転器2および第3反転器3を纏めて、反転器1〜3(反転器群)と総称する。
反転器1〜3は縦続接続されており、増幅器21の入力部が第1反転器1の入力部になり、第3反転器3の出力部が増幅器21の出力部になる。詳しく述べると、第1反転器1の出力は第2反転器2へ入力され、第2反転器2の出力は第3反転器3へ入力される。
反転器1〜3は、アンバッファードタイプのインバータである。入出力信号が反転される閾値付近の線形な反転器1〜3の入出力特性を利用して、入力電圧が増幅される。
なお、増幅器21の備える反転器は奇数段縦続接続されるが、その段数は、奇数段であれば何段でもよい。また、反転器の増幅率と反転器の縦続接続の段数とが主に、増幅器21の増幅率を決定する。従って、増幅器21の増幅率を大きくするためには、反転器の縦続接続の段数を増やすことが好ましい。同時に、反転器の縦続接続の段数を増やすと、増幅器21が不安定になりやすい。従って、増幅器21を発振させないためには、反転器の縦続接続の段数を増やさないことが好ましい。本実施の形態においては、増幅器21の増幅率と安定性とを考慮して、反転器の縦続接続の段数を3段にした。
帰還トランジスタ4は反転器1〜3の出力を入力に帰還(フィードバック)する。具体的には、帰還トランジスタ4のドレイン電極は第3反転器の出力端子に接続され、帰還トランジスタ4のソース電極は第1反転器の入力端子に接続されている。従って、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値の調整により、第3反転器3の出力端子から第1反転器1の入力端子への帰還量が調整される。
なお、反転器1〜3の縦続接続の段数は奇数段なので、位相遅れを無視すると、反転器1〜3と帰還トランジスタ4とは負帰還増幅器を形成する。また、帰還トランジスタ4による帰還が位相遅れを考慮すると正帰還になる周波成分において、正帰還の利得(ゲイン)が1以上になる場合、増幅器21の出力が発振する。
切り替えトランジスタ5は帰還トランジスタ4のゲート電極の電圧を書き込む。具体的には、切り替えトランジスタ5のドレイン電極へは調整回路24の出力が入力され、切り替えトランジスタ5のソース電極は帰還トランジスタ4のゲート電極に接続され、切り替えトランジスタ5のゲート電極へは第1制御信号C1が入力される。そして、第1制御信号C1がハイレベルのとき切り替えトランジスタ5は通電状態になり、第1制御信号C1がローレベルのとき切り替えトランジスタ5は遮断状態になる。
この構成により、切り替えトランジスタ5が通電状態であるとき、帰還トランジスタ4のゲート電極の電圧が調整回路24により調整されるので、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値が調整される。これにより、第3反転器3の出力端子から第1反転器1の入力端子への帰還量が、増幅器21の出力が発振しないように調整される。
蓄積容量素子6の一方の電極は帰還トランジスタ4のゲート電極に接続され、蓄積容量素子6の他方の電極は接地されている。この構成により、切り替えトランジスタ5が通電状態の間に、蓄積容量素子6に電荷が蓄えられるので、切り替えトランジスタ5が遮断状態の間は、蓄えられた電荷により蓄積容量素子6の電極間の電圧差、すなわち帰還トランジスタ4のゲート電圧が保持される。これにより、切り替えトランジスタ5が遮断状態のとき、増幅器21が発振しない状態が保持される。
増幅器21の時間的分解能は、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値に依存する。詳しく述べると、帰還トランジスタ4の抵抗値が低いほど、高周波成分が第3反転器3の出力端子から第1反転器1の入力端子に帰還しやすいので、増幅器21の入力に対する出力応答の復帰が早くなる。逆に、帰還トランジスタ4の抵抗値が高いほど、高周波成分が第3反転器3の出力端子から第1反転器1の入力端子に帰還しにくいので、増幅器21の入力に対する出力応答の復帰が遅くなる。従って、増幅器21に連続して入力された入力パルスを分離して検知するためには、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値は、増幅器21が発振しない範囲でなるべく低いことが望ましい。
なお、増幅器21の時間的分解能とは、増幅器21に時間的に連続して入力された入力パルスを分離(分解)して、増幅できる限度(能力)のことである。従って、増幅器21の時間的分解能よりも短い時間間隔で連続して、増幅器21に入力パルスが入力された場合、入力パルスは歪んだ状態で増幅される。
増幅器21の発振しやすさも、同様に、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値に依存する。詳しく述べると、帰還トランジスタ4の抵抗値が低いほど、帰還トランジスタ4による帰還が位相遅れを考慮すると正帰還になる周波数において、正帰還の利得が1以上になりやすい。従って、増幅器21の出力を発振させないためには、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値は高いことが望ましい。
(調整回路の構成)
調整回路24は、発振検出器13と傾斜波発生器14とを備える。
発振検出器13は切り替え器11と緩衝器12とを介して、増幅器21の出力が発振しているか否かを監視し、傾斜波発生器14を制御する。また発振検出器13は、傾斜波発生器14による傾斜波信号Rampの出力を制御するための傾斜波制御信号を、傾斜波発生器14へ出力する。
傾斜波発生器14は発振検出器13を介して、増幅器21の出力が発振しているか否かに応じて、帰還トランジスタ4のゲート電極の電圧を調整する。また、傾斜波発生器14は、帰還トランジスタ4による増幅器21の帰還量を調整するための傾斜波信号Rampを、切り替えトランジスタ5のドレイン電極へ出力する。
具体的には、緩衝器出力信号Bufferが発振状態にあるとき、発振検出器13は傾斜波制御信号をハイレベルにする。そして、傾斜波発生器14は傾斜波信号Rampを変化させて、帰還トランジスタ4の帰還量を減少させる。一方、緩衝器出力信号Bufferが発振状態でなくなると、発振検出器13は傾斜波制御信号をローレベルにする。そして所定時間後、傾斜波発生器14は傾斜波信号Rampの変化を停止させて、帰還トランジスタ4の帰還量を保持する。
傾斜波信号Rampについて詳しく述べると、傾斜波発生器14は傾斜波制御信号がハイレベルの間、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値が十分に低くなるような帰還トランジスタ4のゲート電圧から、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値が十分に高くなるような帰還トランジスタ4のゲート電圧へ向かって、傾斜波信号Rampの電圧を徐々に変化させる。そして、傾斜波制御信号がハイレベルからローレベルに立ち下がってから所定時間の間、同様に傾斜波発生器14は傾斜波信号Rampの電圧を徐々に変化させる。そして所定時間後、傾斜波発生器14は傾斜波信号Rampの電圧の変化を停止させ、傾斜波信号Rampの電圧を保持する。
この構成により、傾斜波制御信号がハイレベルであるとき、傾斜波発生器14は一定の傾きで傾斜した電圧波形(ランプ電圧)を示す傾斜波信号Rampを出力する。また、傾斜波制御信号がハイレベルからローレベルに変わると、所定時間傾斜波の電圧波形を出力した後、所定時間後の電圧を保持して、定電圧を出力する。
なお、傾斜波制御信号がハイレベルであるときの傾斜波信号Rampは、徐々に変化すればよく、傾きが一定でなくてもよい。
第1制御信号C1は、増幅器21を調整回路24により調整するか否かを切り替える。まず、第1制御信号C1はハイレベルになり、切り替えトランジスタ5および切り替え器11が同時に通電状態になる。そして、調整回路24が増幅器21の帰還量を調整し、増幅器21が発振を停止した後、第1制御信号C1はローレベルになり、切り替えトランジスタ5および切り替え器11が同時に遮断状態になる。
(調整回路による増幅器の調整)
図2は図1に示した調整回路付き増幅器26の制御を概略的に示す信号図である。図2においては、上から順に第1制御信号C1、傾斜波信号Ramp、緩衝器出力信号Buffer、および傾斜波制御信号の信号波形の概形を示し、縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示す。
調整回路付き増幅器26の制御は、調整フェーズ(キャリブレーションフェーズ)および感知フェーズ(センシングフェーズ)から成り、調整フェーズは発振期間、余裕期間、待機期間から成る。
調整フェーズにおいて、第1制御信号C1がハイレベルであるので、調整回路24が増幅器21の帰還量を調整する。具体的には、帰還トランジスタ4による帰還量が大きい状態にすることにより、増幅器21の出力を発振させる。そして、帰還トランジスタ4による帰還量を徐々に小さくすることにより、増幅器21の出力の発振を抑制する。そして、増幅器21の帰還量の調整が完了すると、調整回路付き増幅器26の制御は感知フェーズに移る。
調整フェーズのうち、増幅器21の出力が発振している期間を、発振期間と称する。また、調整フェーズのうち、増幅器21の出力の発振が停止したけれども、増幅器21に動作上の余裕(マージン)を持たせるために、傾斜波信号Rampを変化させている期間を余裕期間と称する。また、調整フェーズのうち、増幅器21の調整が終了し、第1制御信号C1がローレベルになるのを待っている期間を待機期間と称する。
感知フェーズにおいて、第1制御信号C1がローレベルであるので、調整回路24が増幅器21から電気的に遮断される。これにより、増幅器21のみが動作して、調整回路付き増幅器26が増幅器として動作する。
以下に、調整フェーズにおける、調整回路付き増幅器26の動作を詳細に説明する。
(発振期間)
傾斜波発生器14は、最初、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値が最も低くなるような、帰還トランジスタ4のゲートの動作する電圧範囲内の電圧を、傾斜波信号Rampの開始電圧として出力する。従って、帰還トランジスタ4による帰還量は、発振期間の最初において最大である。これにより、第3反転器3の出力端子から第1反転器1の入力端子への高周波成分の帰還が、利得が1以上の正帰還となる。このため、増幅器21の出力は発振し、調整フェーズは発振期間から始まる。また、高周波成分が帰還しやすいので、増幅器21の時間分解能も高い。
発振期間において、緩衝器12が出力する緩衝器出力信号Bufferは発振している。発振検出器13は、緩衝器出力信号Bufferの発振状態を検出して、傾斜波制御信号をハイレベルにする。そして、傾斜波発生器14は、傾斜波信号Rampの電圧を徐々に変化させる。
傾斜波信号Rampの電圧が変化するに従い、帰還トランジスタ4のゲート電圧も変化する。これにより、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値が増大し、第3反転器3の出力から第1反転器1の入力への帰還の高周波成分の帰還量が減少する。また、高周波成分が帰還しにくくなるので、増幅器21の時間分解能も低下していく。
そして、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値がある抵抗値を超えると、第3反転器3の出力端子から第1反転器1の入力端子へ正帰還する全ての周波成分の正帰還の利得が1未満になる。これにより、増幅器21の出力の発振が停止し、緩衝器出力信号Bufferの発振も停止する。
従って、調整回路付き増幅器26の制御は調整フェーズの発振期間から、余裕期間に移行する。
なお、増幅器21の出力の発振が停止するような、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値は、増幅器21の動作条件(温度、電源電圧など)により変動する。また、傾斜波信号Rampの開始電圧は、上述に限らず、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値が十分に低くなればよい。
(余裕期間)
余裕期間において、増幅器21の出力の発振が停止しているので、緩衝器12が出力する緩衝器出力信号Bufferは発振しておらず、発振検出器13は、傾斜波制御信号をローレベルにする。しかし、傾斜波発生器14は、傾斜波信号Rampの電圧を徐々に降下させている。
これは、増幅器21の帰還トランジスタ4のゲート電圧に動作上の余裕(マージン)をとるためである。詳しく述べると、発振検出器13が発振の停止を検出した瞬間に、傾斜波信号Rampの電圧の降下を停止すると、増幅器21の動作条件(温度、電源電圧など)が変動した場合に、増幅器21の出力が発振する恐れがある。このような発振の恐れを低減するために、余裕として、帰還トランジスタ4のゲート電圧を少し余分に下げる。
従って、帰還トランジスタ4のゲート電圧の余裕が大きいほど、増幅器21は動作条件の変動に対して、発振しにくくなる。
ただし、帰還トランジスタ4のゲート電圧の余裕が大きいほど、増幅器21の入力に対する出力応答の復帰が遅くなる。従って、増幅器21の時間分解能が低くならないように、帰還トランジスタ4のゲート電極の電圧の余裕は小さいことが好ましい。
なお、余裕期間の長さは、帰還トランジスタ4のゲート電圧の余裕に応じて、予め設定される。
また、傾斜波信号Rampを変化させる傾きは、余裕期間の長さを設定しやすいように、緩やかであることが好ましい。例えば、傾斜波信号Rampの開始電圧が10Vの場合、傾斜波信号Rampを変化させる傾きを−10V/100msecにする。
なお、余裕期間の長さではなく、帰還トランジスタ4のゲート電極の電圧の余裕を設定してもよい。
(待機期間)
余裕期間が終わると、調整回路付き増幅器26の制御は待機期間に移行する。
待機期間において、第1制御信号C1はハイレベルを維持している。そして、緩衝器12の出力する緩衝器出力信号Bufferは発振しておらず、発振検出器13の出力する傾斜波制御信号はローレベルであり、傾斜波発生器14の出力する傾斜波信号Rampは余裕期間の終了時の電圧を維持している。
従って、調整回路24による増幅器21の帰還量の調整は完了しているので、感知フェーズに移行可能である。
なお、単一の調整回路付き増幅器26の制御において、調整フェーズに待機期間は省略されてよい。つまり、調整フェーズの余裕期間から、直接、感知フェーズに移行してもよい。なぜならば、待機期間は、複数の調整回路付き増幅器26を、一斉に制御するために必要となる期間だからである。
複数の調整回路付き増幅器26を一斉に制御する場合、調整回路付き増幅器26それぞれにおいて、調整回路24が増幅器21の帰還量を調整に要する時間(図2の発振期間と余裕期間とに相当)は異なる。従って、調整回路24が増幅器21の帰還量を調整に要する時間の最大値を、調整フェーズの長さに設定し、複数の調整回路付き増幅器26の切り替えトランジスタ5と切り替え器11とを一斉に制御する。
そして、調整回路付き増幅器26それぞれにおいて、調整回路24が増幅器21の帰還量を調整し終えてから、調整フェーズが終わるまでの間が、待機期間になる。
なお、調整回路24が増幅器21の帰還量の調整に要する時間の最大値は、少なくとも、次の2つの時間を合計した時間よりも長い。1つは、傾斜波信号Rampの開始電圧から、帰還トランジスタ4のドレイン‐ソース間の抵抗値が最も高くなるような帰還トランジスタ4のゲートの動作する電圧範囲内の電圧まで、傾斜波発生器14が傾斜波信号Rampを変化させるのに要する時間である。もう1つは、調整フェーズにおける余裕期間である。
(効果)
以上のように、調整回路24により、帰還トランジスタ4のゲート電圧が調整されことで、増幅器21の帰還量が調整される。これにより、増幅器21の時間分解能は、増幅器21の増幅率を維持したまま、増幅器21が発振しない最高の分解能に調整される。この調整は、反転器1〜3に含まれるトランジスタと帰還トランジスタ4との閾値電圧と移動度とが変動した場合であっても、反転器1〜3に含まれるトランジスタと帰還トランジスタ4との閾電圧と移動度とがばらついている場合であっても、増幅器21の時間分解能を、増幅器21の増幅率を維持したまま、増幅器21が発振しないように行われる。
従って、反転器1〜3に含まれるトランジスタと帰還トランジスタ4とに、MOSトランジスタ以外の閾値電圧と移動度とがばらつきやすいトランジスタTFT(Thin Film Transistor、薄膜トランジスタ)を用いることが可能になる。
また、MOSトランジスタ以外のトランジスタを用いることで、MOSトランジスタでは構成できない、帰還量の制御が難しい3段縦続接続の反転器1〜3を用いているので、少ない回路素子(トランジスタなど)で増幅器21の増幅率を大きくすることが可能である。
また、反転器1〜3にアンバッファードタイプのインバータを用いているので、少ない回路素子(トランジスタなど)で増幅器21の増幅率を大きくすることが可能である。
〔実施の形態2〕
以下、本発明の別の一実施形態について、図3に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施の形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図3は、本発明の一実施形態に係る増幅器22の概略構成を示す回路図である。増幅器22は、実施の形態1の増幅器21と同様に、第1反転器1、第2反転器2、第3反転器3、帰還トランジスタ4、切り替えトランジスタ5、および蓄積容量素子6を備える。さらに、増幅器22は、帰還容量素子7を備える。
帰還容量素子7(第2静電容量)は増幅器22の入力に対する増幅器22の出力の増幅率および増幅する周波数帯域を調整する。また、帰還容量素子7の一方の電極は第3反転器3の出力端子と接続され、他方の電極は第1反転器1の入力端子と接続されている。
例えば、前記実施の形態の増幅器21の出力パルスの時間幅が狭すぎるために、計数器が増幅器21の出力パルスのパルス数を計数(カウント)できない場合を想定する。この場合、前記実施の形態1の増幅器21を、本実施の形態の増幅器22に交換すると、計数器は増幅器22の出力のパルス数を計数可能になる。
なぜならば、本実施の形態の増幅器22においては、帰還容量素子7が増幅器22の出力パルスの時間幅を広げるからである。これにより、計数器が増幅器22の出力パルスのパルス数を計数可能になる。
ただし、増幅器22の出力パルスの時間幅を広げる一方で、帰還容量素子7は増幅器22の出力パルスの波高を下げ、増幅器22の増幅率を下げる。また増幅器22の出力電圧のパルスの時間幅が広がるので、増幅器22の時間分解能が低下する。なお、増幅器22の時間分解能とは、増幅器22に時間的に連続して入力された入力パルスを、分離して増幅する増幅器22の限界である。
このように、帰還容量素子7の静電容量が大きいほど、帰還容量素子7は増幅器22の出力パルスの時間幅を広げ、増幅器22の出力パルスの波高を下げる。従って、帰還容量素子7の静電容量は、増幅器22の増幅率および時間的分解能を考慮して、適切に設定する必要がある。
(効果)
増幅器22において、帰還容量素子7により増幅器22の入力に対する増幅器22の出力の増幅率および増幅帯域が調整される。
また、調整回路24および増幅器22を備える調整回路付き増幅器においては、前記実施の形態の調整回路付き増幅器26と同様に、増幅器22の増幅率を維持したまま、増幅器22が発振しないように増幅器22が調節される。
〔実施の形態3〕
以下、本発明の別の一実施形態について、図4に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施の形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図4は、本発明の一実施形態に係る増幅器23の概略構成を示す回路図である。増幅器23は、前記実施の形態1と同様に、第1反転器1、第2反転器2、第3反転器3、帰還トランジスタ4、および切り替えトランジスタ5を備える。
本実施の形態の増幅器23は、前記実施の形態の増幅器21と比較して、蓄積容量素子6を備えない。切り替えトランジスタ5が遮断状態のときに、蓄積容量素子6がなくても、帰還トランジスタ4のゲート電極の電圧が保持されるならば、蓄積容量素子6は必要ない。
増幅器23においては、帰還トランジスタ4のゲートの寄生容量が十分に大きいので、切り替えトランジスタ5が遮断状態のときに帰還トランジスタ4のゲート電極の電圧が保持される。
(効果)
増幅器23において、蓄積容量素子6が存在しないことにより、増幅器23の素子数が減少し、増幅器23の回路面積の削減が可能になる。
また、調整回路24および増幅器23を備える調整回路付き増幅器においては、前記実施の形態の調整回路付き増幅器26と同様に、増幅器23の増幅率を維持したまま、増幅器23が発振しないように増幅器23が調節される。
〔実施の形態4〕
以下、本発明の別の一実施形態について、図5に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施の形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図5は、図1に示した調整回路付き増幅器26を備える検出器31の概略構成を示す回路図である。検出器31は光子計数型(フォトンカウンティング型)放射線検出器であるまた、検出器31はセンサ素子15、調整回路付き増幅器26、比較器16および計数器17を備える。
センサ素子15は放射線センサ素子であり、放射線が入射した線量に基づいた電気信号を発生する。具体的には、センサ素子15の一方の端子は調整回路付き増幅器26の入力端子に接続され、他方の端子にはバイアス電圧Vs_bが印加されている。この構成により、センサ素子15は、放射線が入射したときに電気信号を調整回路付き増幅器26に出力する。
調整回路付き増幅器26の出力は比較器16の非反転入力端子へ入力される。この構成により、増幅器26はセンサ素子15において発生した電気信号を増幅して、比較器16に出力する。
なお、調整回路付き増幅器26の増幅器21は、前記実施の形態の増幅器22または増幅器23に置換されてよい。
比較器16は2値出力の比較器であり、センサ素子15が放射線の入射により出力した電気信号に応じて、矩形状のバルスを出力する。また、比較器16の反転入力端子には固定電圧Vrが印加され、比較器16の出力は計数器17へ入力される。この構成により、比較器16は、調整回路付き増幅器26の出力電圧が固定電圧Vr以上であるとき、ハイレベルの比較信号を出力し、調整回路付き増幅器26の出力電圧が固定電圧Vr未満であるとき、ローレベルの比較信号を出力する。従って、調整回路付き増幅器26の出力電圧が固定電圧Vr以上であれば一定振幅のパルスを出力する。
なお、固定電圧Vrは、調整回路付き増幅器26の出力電圧のノイズの最大値よりも大きいことが好ましい。なぜならば、極大値が固定電圧Vr未満であるパルスは、比較器16により遮断されるからである。従って、固定電圧Vrが、調整回路付き増幅器26の出力電圧のノイズの最大値よりも大きい場合、計数器17に調整回路付き増幅器26の出力電圧のノイズが入力されない。つまり、検出器31のNS比(ノイズ/シグナル比)を下げることが可能になる。
計数器17は入力されたパルス列のパルス数を数える。従って、計数器17は、比較器16の出力パルス列のパルス数を計数した数(以降、計数値Countと称する)を、出力する。また、計数値Countは検出器31の出力として、出力される。
そして、計数器17が出力する計数値Countが、センサ素子15に入射して電気信号に変換された放射線の光子の数であると推定される。
〔実施の形態5〕
以下、本発明の別の一実施形態について、図5〜図7に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、前記実施の形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(ピクセル)
図6は、本発明の一実施形態に係るピクセル32の概略構成を示す回路図である。ピクセル32はアクティブピクセルであり、センサ素子15、増幅器21、切り替え器11、緩衝器12、比較器16、および計数器17を備える。また、ピクセル32は、第1制御端子34、第2制御端子35、傾斜波信号端子36、緩衝器出力端子37、および計数器出力端子38を備える。なお、ピクセル32は、増幅器21の代わりに、増幅器22または増幅器23を備えてよい。
第1制御端子34は、増幅器21の切り替えトランジスタ5のゲート電極および切り替え器11の制御端子に接続されている。この構成により第1制御端子34から入力される第1制御信号C1に応じて、切り替えトランジスタ5および切り替え器11は両方同時に、通電状態または遮断状態になる。
第2制御端子35は、計数器17の制御端子に接続されている。この構成により第2制御端子35から入力される第2制御信号C2に応じて、計数器17は計数値Countを、計数器出力端子38に出力する。詳しく述べると、第2制御信号C2が立ち上がると、計数器17は計数値Countを出力し、計数値Countを0にリセットする。計数器17は計数値Countを0にリセットすると、再度0から、比較器16の出力するパルス列のパルス数を計数し始める。
傾斜波信号端子36は、増幅器21の切り替えトランジスタ5のドレイン電極に接続され、切り替えトランジスタ5を介して帰還トランジスタ4のゲート電極に傾斜波信号Rampが入力される。この構成により、傾斜波信号Rampに従って、帰還トランジスタ4のゲート電圧が調整される。これにより、増幅器21の帰還量が調整される。
緩衝器出力端子37は、緩衝器12の出力端子に接続され、緩衝器出力信号Bufferを出力する出力端子になる。
計数器出力端子38は、計数器17の出力端子に接続され、計数値Countを出力する出力端子になる。また、計数器出力端子38はピクセル32の出力端子でもある。
ピクセル32の大きさは、ピクセル32の備えるトランジスタすなわち、反転器1〜3の備えるトランジスタ、帰還トランジスタ4、切り替えトランジスタ5、切り替え器11、緩衝器12に含まれるトランジスタ、比較器16に含まれるトランジスタ、および計数器17に含まれるトランジスタがTFTである場合、およそ100〜200μm角が可能である。また、100〜200μm角のピクセルの中に、加工精度およそ5μmで、30〜40個のトランジスタが配置されている。
なお、同程度の大きさであるMedipix1(非特許文献1に記載の放射線検出器)のピクセルと比べると、ピクセルの備えるトランジスタの数が1桁少ない。これは加工精度の悪いTFTを用いるために、ピクセルの回路を工夫してトランジスタの数を減らしたためである。詳しく述べると、3段の縦続接続したアンバッファードタイプのインバータである反転器1〜3により増幅することで、少ない回路素子で増幅器21の増幅率が大きくなるようにした。
なお、CMOSで増幅器を構成する場合(非特許文献1、2に記載の放射線検出器の場合)、回路素子が小さく、移動度が高いので、位相補償を内蔵した差動アンプ(オペアンプ、差分増幅器)および位相補償が不要な1段アンプなどの増幅器が用いられる。
(撮像パネル)
図7は、図6に示したピクセル32を備える撮像パネル41の概略構成を示す配線図である。撮像パネル41は放射線撮像パネルであり、複数のピクセル32、N個の調整回路24、制御回路33、M本の第1制御信号線34_1〜34_M、M本の第2制御信号線35_1〜35_M、N本の傾斜波信号線36_1〜36_N、N本の緩衝器出力線37_1〜37_N、N本の計数器出力線38_1〜38_N、および基板39を備える。ただし、NおよびMは自然数である。
基板39の上には、複数のピクセル32がM行N列の行列状に、複数配置されている。また、基板39の上には、制御回路33、およびN個の調整回路24が配置されている。
図面上側からm番目(m≦M:自然数)の図面横方向に並ぶピクセル32(m行)は第1制御信号線34_mおよび第2制御信号線35_mを介して、制御回路33に接続される。また、図面左側からn番目(n≦N:自然数)の図面縦方向に並ぶピクセル32(n列)は傾斜波信号線36_nおよび緩衝器出力線37_nを介して、図面左側からn番目の調整回路24に接続される。また、n列であるピクセル32は計数器出力線38_nを介して撮像パネル41の出力端子42に接続される。調整回路24は、列毎にピクセル32に共有されている。あるいは、調整回路24は、図示はしないが、行毎にピクセル32に共有されていてもよい。
図面上側からm番目かつ図面左側からn番目にあるピクセル32(m行n列)においては、第1制御端子34、第2制御端子35、傾斜波信号端子36、緩衝器出力端子37、計数器出力端子38はそれぞれ、第1制御信号線34_m、第2制御信号35_m、傾斜波信号線36_n、緩衝器出力線37_n、計数器出力線38_nに接続される。
図面左側からn番目の調整回路24において、調整回路24の入力端子は緩衝器出力線37_nを介して、n列であるピクセル32の緩衝器出力端子37に接続される。また、図面左側からn番目の調整回路24において、調整回路24の出力端子は傾斜波信号線36_nを介して、n列であるピクセル32の傾斜波信号端子36に接続される。
制御回路33は、第1制御信号C1_1〜C1_Mを生成する。さらに、制御回路33は、第2制御信号C2_1〜C2_Mを生成する。そして、制御回路33は第1制御信号C1_mを、第1制御信号線34_mを介してm行に並ぶピクセル32の第1制御端子34に第1制御信号C1として出力する。また、制御回路33は第2制御信号C2_mを、第2制御信号線35_mを介してm行に並ぶピクセル32の第2制御端子35に第2制御信号C2として出力する。
(撮像パネルの制御)
図8は、図7に示した撮像パネル41の制御を概略的に示すタイミング図である。図8においては、上から順に、第1制御信号C1_1、C1_2、……、C1_N、および、第2制御信号C2_1、C2_2、……、C2_Nの信号波形の概形を示し、縦軸が電圧を示し、横軸が時間を示す。
撮像パネル41の制御は、調整フェーズおよび感知フェーズから成る。そして、感知フェーズは複数回繰り返し行われる。
調整フェーズにおいて、第1制御信号C1_1、C1_2、……、C1_Nが順にハイレベルになる。これにより、撮像パネル41が備えるすべてのピクセル32において、増幅器21の帰還量が順に調整される。細かくは、第1制御信号C1_mがハイレベルであるとき、m行に並ぶN個のピクセル32が同時にN個の調整回路24に接続され、それぞれ調整される。また、第1制御信号C1_mがハイレベルであるとき、m行以外の行に並ぶピクセル32は調整回路24から遮断されている。
調整フェーズ終了後、撮像パネル41の制御は感知フェーズに移行する。
1回の感知フェーズにおいて、第2制御信号C2_1、C2_2、……、C2_Nが順にハイレベルになる。これにより、撮像パネル41の備えるすべてのピクセル32において、計数器17の計数値Countが順に出力され、0にリセットされる。細かくは、第2制御信号C2_mがハイレベルであるとき、m行に並ぶN個のピクセル32の計数器17が同時に計数値Countを出力する。また、第2制御信号C2_mがハイレベルであるとき、m行以外の行に並ぶピクセル32の計数器17は計数値Countを出力しない。
調整フェーズ後最初の感知フェーズ(図8のframe_0)における、撮像パネル41の出力は有意な画像情報にならない。なぜならば、最初の感知フェーズの計数値Countの出力以前には、計数器17がリセットされていないからである。そして、調整フェーズ後リセットされていない計数器17の計数値Countは、センサ素子15に入射して電気信号に変換された放射線の光子数に対応していない。
一方、調整フェーズ後2回目以降の感知フェーズ(図8のframe_1〜frame_4)における、撮像パネル41の出力は有意な画像情報である。なぜならば、前回の感知フェーズ(図8のframe_0〜frame_3)において計数器17がリセットされているからである。従って、調整フェーズ後リセットされた計数器17の計数値Countは、前回のリセット後にセンサ素子15に入射して電気信号に変換された放射線の光子数に対応する。
(参考例)
非特許文献1、2に記載の放射線検出器(Medipix1〜3、our pixel)の撮像パネルは、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)集積回路により作製されている。このため、回路素子が小さく、移動度が大きい。従って、撮像パネルのピクセルあたりの回路素子の数の上限が高く、ピクセルの備える増幅器の増幅率が大きい。
同時に、CMOSのウェハサイズの制約により、撮像パネルの受光面積(露光面積)を広げることが困難である。そして、可視光を用いる光学機器と異なり、放射線を用いる光学機器においては、レンズなどを用いた光学系による撮像対象とする領域の拡大縮小が困難である。従って、上記非特許文献1、2に記載の放射線検出器の撮像パネルの構成においては、撮像対象とする領域を広げることが困難である。
(効果)
これに対し、本実施の形態は、大型の撮像パネルを提供することが可能である。
なぜならば、ピクセル32の備えるトランジスタがTFTである場合、基板39にガラスなどの絶縁基板を用いることが可能になるからである。これにより、撮像パネル41の大きさの上限はシリコンウェハの大きさに制約されなくなる。
〔まとめ〕
本発明の態様1における増幅器は、奇数段縦続接続された反転器からなる反転器群と、上記反転器群の入力部と出力部とを接続する帰還トランジスタと、上記帰還トランジスタの制御端子に印加される電圧を上記反転器群の発振が停止するように調整する調整回路と、上記帰還トランジスタの制御端子に印加される電圧を保持する電圧保持部と、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、上記増幅器の出力が発振しない、最高の分解能に上記増幅器の分解能は調整される。この調整は、上記反転器群に含まれるトランジスタと上記帰還トランジスタとの閾値電圧と移動度とが変動した場合であっても、上記反転器群に含まれるトランジスタと上記帰還トランジスタとの閾値電圧と移動度とがばらついている場合であっても、上記増幅器の時間分解能を、上記増幅器の増幅率を維持したまま、上記増幅器が発振しないように行われる。
従って、反転器群に含まれるトランジスタと帰還トランジスタとに、MOSトランジスタ以外の閾値電圧と移動度とがばらつきやすいトランジスタを用いることが可能になる。
また、MOSトランジスタ以外のトランジスタを用いることで、MOSトランジスタでは構成できない、帰還量の制御が難しい奇数段縦続接続の反転器を用いても、少ない回路素子(トランジスタなど)で増幅器の増幅率を大きくすることが可能である。
本発明の態様2における増幅器は、上記態様1において、上記帰還トランジスタと上記反転器群に含まれるトランジスタとが全て薄膜トランジスタであることが好ましい。
上記構成によれば、閾値電圧と移動度とがばらつきやすい薄膜トランジスタによって構成された上記増幅器をMOSトランジスタが形成されるシリコン基板以外の絶縁基板上に設けることが可能になる。
本発明の態様3における増幅器は、上記態様1または2において、上記電圧保持部として第1静電容量を備えることが好ましい。
本発明の態様4における増幅器は、上記態様1〜3のいずれか1態様において、上記反転器群の入力部と出力部とを接続する第2静電容量を備えることが好ましい。
上記構成によれば、上記第2静電容量により上記増幅器の増幅率および増幅帯域が調整される。
本発明の態様5における増幅器は、上記態様1〜4のいずれか1態様において、上記電圧保持部が上記帰還トランジスタの寄生容量であることが好ましい。
上記構成によれば、上記電圧保持部に含まれる素子数が減少するので、上記増幅器の回路面積の削減が可能になる。
本発明の態様6における放射線検出器は、入射した放射線の線量に基づいた電気信号を発生させるセンサ素子と、上記電気信号が入力される上記態様1〜5の何れか1態様に記載の増幅器と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、絶縁基板上に設けることができる放射線検出器を実現できる。
本発明の態様7における放射線撮像パネルは、上記態様6に記載の放射線検出器が基板の上に、行列状に複数配置されていることを特徴とする。
上記構成によれば、絶縁基板上に設けることができる放射線撮像パネルを実現できる。
本発明の態様8における放射線撮像パネルは、上記態様7において、上記調整回路が行毎または列毎に上記放射線検出器に共有されていることが好ましい。
上記構成によれば、上記調整回路の数を減らすことにより、放射線撮像パネルの小型化が可能になる。
本発明の態様9における放射線撮像パネルは、上記態様7または8において、上記基板が絶縁基板であることが好ましい。
上記構成によれば、放射線撮像パネルが、シリコンウェハなどのウェハサイズの制約を超えて、大型化することが可能になる。
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、増幅器、増幅器を備える放射線検出器、および増幅器を備える撮像パネルに好適に用いることができる。
1 第1反転器(反転器)
2 第2反転器(反転器)
3 第3反転器(反転器)
4 帰還トランジスタ
5 切り替えトランジスタ
6 蓄積容量素子(電圧保持部、第1静電容量)
7 帰還容量素子(第2静電容量)
11 切り替え器
12 緩衝器
13 発振検出器
14 傾斜波発生器
15 センサ素子
16 比較器
17 計数器
21〜23 増幅器
24 調整回路
26 調整回路付き増幅器(増幅器)
31 検出器(放射線検出器)
32 ピクセル(放射線検出器)
33 制御回路
34 第1制御端子
34_1〜34_M 第1制御信号線
35 第2制御端子
35_1〜35_M 第2制御信号線
36 傾斜波信号端子
36_1〜36_N 傾斜波信号線
37 緩衝器出力端子
37_1〜37_N 緩衝器出力線
38 計数器出力端子
38_1〜38_N 計数器出力線
39 基板
41 撮像パネル(放射線撮像パネル)
C1,C1_1〜C1_M 第1制御信号
C2,C2_1〜C2_M 第2制御信号
Buffer 緩衝器出力信号
Count 計数値
Ramp 傾斜波信号

Claims (4)

  1. 奇数段縦続接続された反転器からなる反転器群と、
    上記反転器群の入力部と出力部とを接続する帰還トランジスタと、
    上記帰還トランジスタの制御端子に印加される電圧を上記反転器群の発振が停止するように調整する調整回路と、
    上記帰還トランジスタの制御端子に印加される電圧を保持する電圧保持部と、を備え
    上記帰還トランジスタと上記反転器群に含まれるトランジスタとが全て薄膜トランジスタであることを特徴とする増幅器。
  2. 入射した放射線の線量に基づいた電気信号を発生させるセンサ素子と、
    上記電気信号が入力される請求項1に記載の増幅器と、を備えることを特徴とする放射線検出器。
  3. 請求項2に記載の放射線検出器が基板の上に、行列状に複数配置されていることを特徴とする放射線撮像パネル。
  4. 上記調整回路が行毎または列毎に上記放射線検出器に共有されていることを特徴とする請求項3に記載の放射線撮像パネル。
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