JP6509088B2 - 封口ハニカム成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、封口されたハニカム成形体の製造方法に関する。
従来より、ハニカム成形体の貫通孔を封口する方法として、封口すべき貫通孔にプラグ(栓)を設けるのではなく、封口すべき貫通孔に隣接する他の複数の貫通孔に傾斜面を有する傾斜部材を挿入し、流路の壁を傾斜面に沿って変形させて封口すべき貫通孔を封口することが知られている。
特開2014−141063号公報
ところで、傾斜部材によって形成される壁の変形部は、ハニカム成形体の貫通孔(流路)の軸方向、即ちガスの流入方向に対して傾斜する。ガスの抵抗(圧力損失)抑制の観点から、壁の変形部と流路の軸とがなす角を小さく設計する場合がある。壁の変形部と流路の軸とがなす角を小さくするには、流路の軸となす角度が小さい傾斜面を有する傾斜部材を挿入すればよい。
しかしながら、従来の方法では、以下の二つの問題がある。第一の問題は、傾斜部材を挿入して壁を傾斜させて壁同士を密着させて封口し、その後、傾斜部材を引き抜いた後に、壁の傾斜が少し元に戻り、密着させたハニカム成形体の壁同士が再び互いに離れて開口してしまうことがある点である。壁の傾斜の戻りを抑制するためには、封口すべき端面に水を与えて軟化させる場合があるが、これによって端面の外周の変形や、後述するハニカム成形体の壁の一部の剥がれにつながるという問題がある。第二の問題は、流路の軸となす角度が小さい傾斜面を有する傾斜部材を用いると、挿入後の傾斜面とハニカム成形体との接触面積が大きくなるため、傾斜部材をハニカム成形体から引き抜く際にハニカム成形体の一部が剥がれて傾斜部材の傾斜面に付着することがある点である。
本発明は上記課題の少なくとも1つを解決することを目的としてなされたものであり、壁の変形部と流路の軸とがなす角度が小さい場合であっても封口工程の歩留まりを向上できる封口ハニカム成形体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の封口ハニカム成形体の製造方法は、第1温度の傾斜面を有する傾斜部材をハニカム成形体の複数の流路にそれぞれ挿入して前記複数の流路の壁を前記傾斜面に沿って変形させ、前記複数の流路に隣接する他の流路を封口する(a)工程と、
前記(a)工程後に、前記複数の流路に挿入された前記傾斜部材の前記傾斜面を第2温度に加熱する(b)工程と、
前記(b)工程後に、前記傾斜部材を前記複数の流路から引き抜く(c)工程と、を備える。
前記ハニカム成形体は、セラミック原料、及び、加熱するとゲル化するバインダーを含有して、前記ハニカム成形体のゲル化温度を超えるとゲル化し、前記第1温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも低く、前記第2温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも高い。
本発明によれば、(a)工程において傾斜部材の傾斜面の温度がハニカム成形体のゲル化温度よりも低いので傾斜面と接触する部分が柔らかく保たれ、各流路の壁を傾斜面に沿って変形させてこれらに隣接する他の流路を封口することが容易である。一方、(b)工程の加熱により、傾斜面と接触する壁の変形部分がゲル化により固くなるので、(c)工程において傾斜部材をハニカム成形体の流路から引き抜く際に、傾斜面にハニカム成形体の一部が付着してハニカム成形体から剥がれることを抑制できる。
本発明に係る第2の封口ハニカム成形体の製造方法は、第1温度の第1傾斜面を有する第1傾斜部材をハニカム成形体の複数の流路にそれぞれ挿入して前記複数の流路の壁を前記第1傾斜面に沿って変形させ、前記複数の流路に隣接する他の流路の径を狭める(a)工程と、
前記複数の流路から前記第1傾斜部材を抜く(b)工程と、
第2温度の第2傾斜面を有する第2傾斜部材を前記ハニカム成形体の前記複数の流路に挿入して、前記複数の流路の壁を前記第2傾斜面に沿って変形させ、前記複数の流路に隣接する前記他の流路を封口する(c)工程と、
前記複数の流路から前記第2傾斜部材を抜く(d)工程と、を備える。
前記ハニカム成形体は、セラミック原料、及び、加熱するとゲル化するバインダーを含有して、前記ハニカム成形体のゲル化温度を超えるとゲル化し、前記第1温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも低く、前記第2温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも高く、前記第2傾斜面が前記流路の軸となす角度は、前記第1傾斜面が前記流路の軸となす角度よりも小さい。
本発明によれば、(a)工程では流路の軸となす角度が相対的に大きい第1傾斜面を用いるので、変形後の変形部分と第1傾斜面とのとの接触面積が小さくなり、第1傾斜面の温度がゲル化温度より低くても(b)工程で第1傾斜部材をハニカム成形体の流路から引き抜く際に、第1傾斜面にハニカム成形体の一部が付着してハニカム成形体から剥がれることを抑制でき、かつ第2傾斜面を最初から挿入する場合よりも封口部の頂点壁を密着させることができる。また、(c)工程では、流路の軸となす角度が相対的に小さい第2傾斜面を有する第2傾斜部材を挿入することにより変形部分の軸方向長さを長くでき、しかも、第2傾斜面の温度がゲル化温度よりも高いので変形部分がゲル化し、(d)工程において第2傾斜部材をハニカム成形体の流路から引き抜く際に、第2傾斜面にハニカム成形体の一部が付着してハニカム成形体から剥がれることが抑制される。
なお、(a)及び(b)工程を経ることなく、最初から(c)工程を行うことも考えられるが、高温の傾斜部材と接触した壁がゲル化するまでの時間は短いことから、ハニカム成形体を一度に大きく変形させることは困難であり、本発明のように変形工程を低温変形と高温変形の2つに分けることにより、(c)工程での変形量が低減されるため、高温の傾斜部材を挿入しても封口を適切に行いやすい。
ここで上述の2発明において、前記第1温度を前記ハニカム成形体のゲル化温度より10℃以上低くすることができる。第1温度が前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも10℃以上低いと、(a)工程での変形がよりいっそう容易となる。
また上述の2発明において、前記第2温度を前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも10℃以上高くすることができる。
本発明によれば、壁の変形部と流路の軸とがなす角度が小さい場合であっても封口工程の歩留まりを向上できる封口ハニカム成形体の製造方法が提供される。
図1は、第1実施形態で使用するハニカム成形体の斜視図である。 図2は、図1の軸に垂直な断面図である。 図3の(a)及び(b)はそれぞれ第1実施形態の工程を順に説明する断面模式図である。 図4の(a)は第1実施形態で得られる封口ハニカム成形体の端面図、図4の(b)は(a)のb−b断面図である。 図5の(a),(b),(c)は、それぞれ第2実施形態の工程を順に説明する断面模式図である。 図6の(a),(b)は、それぞれ第2実施形態の工程を順に説明する図5の(c)に続く断面模式図である。
図面を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、図1及び図2に示すような、互いに平行な多数の貫通する流路70を備えるハニカム成形体10を製造する。具体的には、例えば、ハニカム成形体の原料を押出成形機により押出成形すればよい。ハニカム成形体10は、入口側端面10Ein及び出口側端面10Eoutを有する。
ハニカム成形体10の原料は、焼成後に多孔質セラミックを与えるセラミック原料と、所定温度に加熱されるとゲル化するバインダーとを含む。ハニカム成形体は、これら以外に、水などの溶媒、及び各種添加剤を含むことができる。
セラミック原料は、セラミックを構成する元素を含有する粉末及び造孔剤を含む。セラミックの例は、チタン酸アルミニウム、炭化ケイ素、コージェライトである。チタン酸アルミニウムは、マグネシウムやケイ素などを含むことができる。セラミックを構成する元素を含有する粉末は、当該元素の単体粉末、当該元素の酸化物粉末、セラミック粉末等であることができる。造孔剤の例は、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイスなどが挙げられる。焼成後のセラミックの空隙率を、例えば、40〜70%とするように造孔剤を添加できる。
バインダーは、所定温度(ゲル化温度)を超えるとゲル化する性質を有する。このようなバインダーの例は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテルである。これらの水溶性セルロースエーテルのゲル化温度の一例は30℃〜70℃である。
なお、ハニカム成形体は他の材料を含むため、ハニカム成形体のゲル化温度は必ずしもバインダー自身のゲル化温度と一致しない。ハニカム成形体のゲル化温度は、加熱しながらハニカム成形体の粘度を回転粘度計や音叉型粘度計で測定し、粘度が減少から増加に転じる変曲点をゲル化温度とすることができる。上記バインダーは、ゲル化温度を超えるとゲル化し、再びゲル化温度未満に冷却されると再び非ゲル状態に可逆的に戻るものであってもよい。上に例示したバインダーはこのような性質を有する。
セラミック原料の含有率は60〜83wt%とすることができる。バインダーの含有率は、2〜8wt%とすることができる。溶媒の含有率は、15〜35wt%とすることができる。
ハニカム成形体は、他に、離型剤(例えば、シリコーン)などの他の添加剤を含むことができる。添加剤の量は1wt%以下とすることができる。
図2は、ハニカム成形体10の断面である。各流路70は、断面が六角形状であり、各辺同士が対向するように配置されている。ここで、流路70の内、この後の封口工程において出口側端面10Eoutが封口され入口側端面10Einが封口されない流路を入口流路70Hinとよび、入口側端面10Einが封口され出口側端面10Eoutが封口されない流路を出口流路70Houtとよぶ。
本実施形態では、1つの入口流路70Hinが、3つの他の入口流路70Hinと隣接し、かつ、3つの出口流路70Houtと隣接するように、入口流路70Hin及び出口流路70Houtが規則的に配置されている。1つの出口流路70Houtは6つの入口流路70Hinと隣接し、他の出口流路70Houtとは隣接しない。各流路70は、合計6つの他の流路70とそれぞれ隔壁Wを介して隣接する。隔壁Wの厚みは、例えば、0.10〜0.35mmとすることができる。入口流路70Hinと出口流路70Houtとを隔てる隔壁をWioとし、入口流路70Hin間を隔てる隔壁をWiiとする。流路70の密度は、例えば、150〜400cpsiとすることができる。
ハニカム成形体10の外径は、例えば、50〜250mmとすることができる。ハニカム成形体10の軸方向長さは、例えば、50〜300mmとすることができる。
続いて、ハニカム成形体10のまず入口側の一端面を封口する。
(a)工程
まず、図3に示す封口治具400を用意する。封口治具400は、傾斜面422を有する複数の傾斜部材420と、これらの傾斜部材420を固定する板状の台座410を有する。各傾斜部材420は、それぞれ入口流路70Hinに対向して台座410に固定されている。傾斜面422は、各流路70Hの軸に対して角度θをなす。θは、2〜35°が好ましい。傾斜面422は、入口流路70Hinと出口流路70Houtとを隔てる隔壁Wioの上に配置され、傾斜面422の先端が入口流路70Hinの上に、傾斜面422の台座側が出口流路70Houtの上に配置される。また、入口流路70Hin間を隔てる隔壁Wii上には傾斜面は設けられず、隔壁Wiiを収容できる隙間423が設けられる。
台座410及び傾斜部材420は、例えば、ステンレススチールなどの金属により形成できる。
台座410には温度調節器430が設けられており、傾斜部材420すなわち傾斜面422の温度を第1温度に維持することができる。この工程では、第1温度を、ハニカム成形体のゲル化温度よりも低く維持する。具体的には、第1温度は、ハニカム成形体のゲル化温度よりも10℃以上低いことが好ましい。第1温度は通常、0℃以上である。バインダーが、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテルである場合には、第1温度は15℃以下が好ましい。
この封口治具400の各傾斜部材420を、ハニカム成形体10の入口側端面10Einから流路70Hの軸に沿って各入口流路70Hinに挿入すると、図3に示すように、傾斜面422と接触することによって隔壁Wioが傾斜面422の表面に沿って、隣接する出口流路70Houtに向かって傾斜する。そして、1つの出口流路70Houtと当該出口流路70Houtに隣接する各入口流路70Hinとを隔てる各隔壁Wioが出口流路70Houtの軸に向かって傾斜するように変形するので、各隔壁Wioの変形部Gの先端(頂点壁)同士が結合し、各変形部Gにより各出口流路70Houtが封口される。これにより、入口流路70Hinの径が拡大する。なお、入口流路70Hin間を隔てる隔壁Wiiは変形しない。
得られたハニカム成形体の変形部Gの軸方向長さHは、例えば、4〜20mmとすることができる。
なお、封口治具400の挿入前のハニカム成形体の端面に、水などの溶媒を噴霧することもできる。これにより、変形部のひび割れなどを抑制できる。
(b)工程
続いて、傾斜部材420を挿入した状態で、温度調節器430により傾斜面422の温度をハニカム成形体のゲル化温度よりも高い第2温度にする。具体的には、第2温度はハニカム成形体のゲル化温度よりも8℃以上高いことが好ましく、10℃以上高いことがより好ましい。通常、ハニカム成形体のゲル化温度と第2温度との温度差は50℃以下である。バインダーが、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテルの場合には、この第2温度を60℃以上、100℃以下とすることが好ましい。
これにより、変形部Gのハニカム成形体がゲル化する。したがって、傾斜面422と変形部Gとの接着性が減じられる。
(c)工程
続いて、封口治具400を流路70の軸方向に移動させ、封口治具400をハニカム成形体の入口流路70Hinから引き抜く。これにより、図4の(a)及び(b)に示すように、ハニカム成形体10の入口側端面10Einの封口が終了し、一端が封口されたハニカム成形体10が完成する。
出口側端面の封口工程
続いて、同様の封口治具を各出口流路70Houtに挿入し、加熱し、引き抜くことにより、各隔壁Wioを入口流路70Hinに向かって傾斜させて入口流路70Hinを封口し、出口側端面10Eoutの封口を完了させる。これにより、両端が成形された封口ハニカム成形体が完成する。
その後、ハニカム成形体を乾燥させ(溶媒の除去)、焼成することにより、ハニカムフィルタが得られる。
本発明に係る封口ハニカム成形体の製造方法によれば、(a)工程において傾斜部材420の傾斜面422の温度がハニカム成形体のゲル化温度よりも低いので傾斜面422と接触する部分が柔らかく保たれ、入口流路70Hinと出口流路70Houtとの間の隔壁Wioを変形させて隣接する出口流路70Houtを封口することが容易である。ハニカム成形体を柔らかくするために必要な水などの溶媒の端面への事前噴霧、及び/又は、ハニカム成形体の材料への離型剤(例えば、シリコーンなど)の添加量も低減できる。
一方、(b)工程の加熱により、傾斜面422と接触する変形部Gがゲル化するので、(c)工程において傾斜面422を有する傾斜部材420をハニカム成形体10の入口流路70Hinから引き抜く際に、傾斜面422にハニカム成形体の一部が付着して剥がれることが抑制できる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る封口ハニカム成形体の製造方法を説明する。
(a)工程
図5の(a)に示すように、第1実施形態と同様のハニカム成形体10を用意する。続いて、図5の(a)に示す封口治具400’を用意する。この封口治具400’は、傾斜面(第1傾斜面)422’の好適な角度θが10〜55°である以外は、第1実施形態の封口治具400と同様である。続いて、図5の(b)に示すように、第1実施形態と同様に各傾斜部材(第1傾斜部材)420を、ハニカム成形体10の入口側端面10Einから流路70Hの軸に沿って各入口流路70Hinに挿入し、傾斜面422’によって変形部Gを形成し、変形部Gにより各入口流路70Hinを封口する。好適な、変形部Gの軸方向長さHgは、2mm〜8mmである。
(b)工程
その後、図5の(c)に示すように、傾斜部材420を流路70Hから引き抜く。(a)及び(b)工程は、傾斜面422’を第1実施形態における第1温度に維持したまま行う。
(c)工程
図6の(a)に示す封口治具400を用意する。この封口治具400は、第1実施形態の封口治具400と同じである。そして、封口治具400の傾斜部材(第2傾斜部材)420の傾斜面(第2傾斜面)422の角度θは、(a)工程で使用した封口治具400’の傾斜面422’の角度θよりも小さい。封口治具400の角度θと封口治具400’の角度θの好ましい角度差θ−θは、1〜35°であり、より好ましくは8〜30°である。封口治具400の好ましいθの範囲は、2〜35°である。そして、傾斜部材420の傾斜面の温度を挿入前に予め第1実施形態における第2温度、すなわち、ハニカム成形体のゲル化温度よりも高くする。続いて、図6の(b)に示すように、第1実施形態と同様に各傾斜部材420を、ハニカム成形体10の入口側端面10Einから流路70Hの軸に沿って各入口流路70Hinに挿入し、変形部Gの傾斜角度を変化させて、変形部Gの軸方向長さHgを増大する。好適な、(c)工程後の変形部Gの軸方向長さHは、4mm〜20mmである。
(d)工程
その後、傾斜部材420を流路70Hから引き抜く。(d)工程は、傾斜面422を第2温度に維持したまま行うことが好ましい。
本実施形態によれば、(a)工程では流路の軸となす角度θが相対的に大きい傾斜面422’(第1傾斜面)を用いるので、変形後の変形部Gと傾斜面422’とのとの接触面積が小さくなり、傾斜面422’の温度がハニカム成形体のゲル化温度より低くても(b)工程で傾斜面422’をハニカム成形体の流路から引き抜く際に、傾斜面422’にハニカム成形体の一部が付着してハニカム成形体から剥がれることを抑制できる。また、(c)工程では、流路の軸となす角度θが相対的に小さい傾斜面(第2傾斜面)422を有する傾斜部材420を挿入することにより変形部Gの軸方向長さHを長くでき、しかも、挿入時に傾斜面422の温度がハニカム成形体のゲル化温度よりも高いので変形部Gがゲル化し、(d)工程において傾斜面422を有する傾斜部材420をハニカム成形体10の流路70Hから引き抜く際に、傾斜面422にハニカム成形体の一部が付着してハニカム成形体10から剥がれることが抑制され、かつ、第2傾斜面を最初から挿入する場合よりも封口部の頂点壁を密着させることができる。
なお、(a)及び(b)工程を経ることなく、最初から(c)工程を行うことも考えられるが、ゲル化したハニカム成形体を大きく変形させることは困難であり、本実施形態のように変形工程を低温変形((a)工程)と高温変形((c)工程)の2つに分けることにより、(c)工程での変形量が低減されるため、(c)工程で高温の傾斜面422を挿入しても封口を適切に行いやすい。また、挿入後に傾斜部材を昇温せずに、予め高温にされた傾斜部材を挿入すればよいので、昇温時間を短縮できる。
また、封口治具400’及び/又は封口治具400の挿入前のハニカム成形体の端面に、水などの溶媒を噴霧することもできる。これにより、変形封口部の密着性を確実なものとすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず様々な変形態様が可能である。
例えば、傾斜部材の形状は特に限定されず、各隔壁Wioを封口すべき流路に向かって傾斜させ、結合させる傾斜面を有していればよい。例えば、傾斜面の詳細な形状は、各流路の断面形状、流路の配置に応じて適宜変形できる。
また、入口流路及び出口流路の配置、すなわち各流路に隣接する流路の数も、上記実施形態に限定されない。例えば、1つの入口流路70Hinが、4つの他の入口流路70Hinと隣接し、かつ、2つの出口流路70Houtと隣接するように、及び、1つの出口流路70Houtが、6つの入口流路70Hinと隣接し、他の出口流路70Houtとは隣接しないように、各流路が配置されることができる。なお、本明細書において、「2つの流路が隣接する」ことは、2つの流路が1つの隔壁を介して隔壁の厚み方向に隔てられることを意味することができる。
また、流路の断面形状も特に上記実施形態に限定されず、四角形、八角形等の多角形、円形等が可能である。
さらに、フィルタの外形形状も円柱体でなくてもよく、例えば、四角柱でもよい。
また、本実施形態に係る封口方法は、ハニカム成形体の一端面のみに対して行うこともできる。
また、第2実施形態では、(a)工程にて、出口流路70Houtを封口しているが、(c)工程において出口流路70Houtの封口ができるので、(a)工程においては、出口流路70Houtを完全に封口せず、ある程度出口流路70Houtの径を狭くする程度の壁の変形でも実施は可能である。
(実施例1)
上記第1実施形態の図1及び図2に示すような構造を有するハニカム成型体を用意した。成形体の原料は、セラミック(チタン酸アルミニウム)の原料としてアルミナ、酸化チタンの混合物を70wt%、バインダーとしてメチルセルロース(信越化学(株)製メトローズ65SH−75000)を5wt%、溶媒として水を25wt%含んでいた。このハニカム成形体のゲル化温度は約50℃であった。ハニカム成形体のゲル化温度は、接触式温度計により測定した。
流路の形状は六角形であり、ハニカム成形体の外径は120mm、長さは110mm、セル密度は360cpsi、壁厚みは10mil(0.25mm)であった。
図5の(a)に示す封口治具400’を用意した。傾斜面の角度θは45°とした。ハニカム成形体の入口側端面に20gの量の水を噴霧した。その後、傾斜面の温度を5℃として、封口治具400’の封口部材を入口流路に挿入し、変形部を形成して出口流路を封口した。その後、封口治具400’を引き抜いた。引き抜き時に傾斜面にハニカム成形体の付着は生じなかった。
続いて、図6の(a)に示す封口治具400を用意した。傾斜面の角度θは20°とし、傾斜面の温度を60℃とした。この封口治具400を、ハニカム成形体の入口流路に挿入し、変形部の長さを増大させた。その後、封口治具400をハニカム成形体から引き抜いた。引き抜き時に傾斜面にハニカム成形体の付着は生じなかった。また、光透過検査によれば、封口部に穴は無かった。
(実施例2)
封口治具400’の挿入前にハニカム成形体の入口側端面に噴霧する水の量を3.3gとする以外は、実施例1と同様にした。封口治具400’及び封口治具400の引き抜き時に傾斜面にハニカム成形体の付着は生じなかった。また、光透過検査によれば、封口部に穴は無かった。
(比較例1)
封口治具400’及び封口治具400の傾斜面の温度を25℃に維持する以外は、実施例1と同様とした。封口治具400の引き抜き時に傾斜面にハニカム成形体の付着が生じ、封口ができなかった。
結果を表1に示す。
Figure 0006509088
10…ハニカム成形体、420…傾斜部材(第1傾斜部材、第2傾斜部材)、422…傾斜面(第2傾斜面)、422’…傾斜面(第1傾斜面)、420…傾斜部材、70H…流路、Wio、Wii…隔壁。

Claims (4)

  1. 第1温度の傾斜面を有する傾斜部材をハニカム成形体の複数の流路にそれぞれ挿入して前記複数の流路の壁を前記傾斜面に沿って変形させ、前記複数の流路に隣接する他の流路を封口する(a)工程と、
    前記(a)工程後に、前記複数の流路に挿入された前記傾斜部材の前記傾斜面を第2温度に加熱する(b)工程と、
    前記(b)工程後に、前記傾斜部材を前記複数の流路から引き抜く(c)工程と、
    を備え、
    前記ハニカム成形体は、セラミック原料、及び、加熱するとゲル化するバインダーを含有し、前記ハニカム成形体のゲル化温度を超えるとゲル化し、
    前記第1温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも低く、
    前記第2温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも高い、封口ハニカム成形体の製造方法。
  2. 第1温度の第1傾斜面を有する第1傾斜部材をハニカム成形体の複数の流路にそれぞれ挿入して前記複数の流路の壁を前記第1傾斜面に沿って変形させ、前記複数の流路に隣接する他の流路の径を狭める(a)工程と、
    前記複数の流路から前記第1傾斜部材を抜く(b)工程と、
    第2温度の第2傾斜面を有する第2傾斜部材を前記ハニカム成形体の前記複数の流路に挿入して、前記複数の流路の壁を前記第2傾斜面に沿って変形させ、前記複数の流路に隣接する前記他の流路を封口する(c)工程と、
    前記複数の流路から前記第2傾斜部材を抜く(d)工程と、を備え、
    前記ハニカム成形体は、セラミック原料、及び、加熱するとゲル化するバインダーを含有し、前記ハニカム成形体のゲル化温度を超えるとゲル化し、
    前記第1温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも低く、
    前記第2温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも高く、
    前記第2傾斜面が前記流路の軸となす角度は、前記第1傾斜面が前記流路の軸となす角度よりも小さい、封口ハニカム成形体の製造方法。
  3. 前記第1温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも10℃以上低い、請求項1又は2記載の封口ハニカム成形体の製造方法。
  4. 前記第2温度は前記ハニカム成形体のゲル化温度よりも10℃以上高い、請求項1〜3のいずれか1項記載の封口ハニカム成形体の製造方法。
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