JP6508054B2 - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、成膜方法及び成膜装置に関する。より詳しくは、機能性フィルムのフィルム特性を維持しつつ、シワの発生を抑制する成膜方法及び成膜装置に関する。
近年、軽い、割れにいくといったことから、プラスチックフィルムやシートのようなフレキシブル樹脂基材上に薄膜層を成膜した機能性フィルムが種々提案されている。例えば、金属や金属酸化物を成膜したガスバリアー性フィルムは、水蒸気や酸素等の遮断を必要とする物品の包装用途、特に、食品、工業用品、医薬品等の変質防止のための包装用途に広く用いられ、また、液晶表示素子、光電変換素子(太陽電池)、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)等の電子デバイスにおいても使用されている。
このような機能性フィルムは、生産性の向上を図るため、長尺の樹脂基材を搬送しながら、連続的に、樹脂基材上に機能性層を薄膜として形成することにより、製造されている。
例えば、真空プロセスを用いてガスバリアー層を作製する方法(例えば、特許文献1参照。)、密着性を向上させるため、任意の層における密度分布が傾斜構造を有するガスバリアー性フィルムを作製する方法(例えば、特許文献2参照。)、真空チャンバー内への皮膜堆積を抑制するため、閉じた磁気回路を形成する磁場発生装置を有する成膜ローラーを用いて皮膜を形成する方法(例えば、特許文献3参照。)等が知られている。
しかしながら、ガスバリアー性能を向上させるために投入するエネルギーを大きくすると、樹脂基材が熱負けを起こしてシワが発生し、これに伴って樹脂基材上に成膜されたガスバリアー層の組成が変化して所望のガスバリアー性能が得られず、また、シワのない正常部との色味が異なってしまい、その結果、生産性(収率)が著しく低下するという問題があった。
特開2009−196155号公報 特許第4821610号公報 特許第4268195号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、機能性フィルムのフィルム特性を維持しつつ、シワの発生を抑制することのできる成膜方法及び成膜装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、薄膜層が形成された樹脂基材の所定の領域におけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、薄膜層のシワのない部位における炭素成分比率の平均値に対して、薄膜層の任意の部位における炭素成分比率の平均値の差の絶対値が2%未満となるように制御することにより、機能性フィルムのフィルム特性を維持しつつ、シワの発生を抑制することのできる成膜方法及び成膜装置を提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.真空チャンバー内において、樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する成膜方法であって、
少なくとも一組の下記工程(1)〜(5)を有し
前記一対の成膜ローラーが、それぞれ磁場発生装置を内蔵し、当該一対の成膜ローラーの磁力を、前記樹脂基材の搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に大きくし、かつ、
前記一組の工程において投入する電力を前記樹脂基材幅1mあたり1kW以上としたとき、前記薄膜層が形成された前記樹脂基材の幅手方向両端部から10cmの領域を除いた内側の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、前記測定点におけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各前記測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することを特徴とする成膜方法。
工程(1):対向配置させる前記樹脂基材間の対向空間に成膜ガスを供給する工程
工程(2):前記対向空間に膨らんだ無終端のトンネル状の磁場を形成する工程
工程(3):前記対向空間にプラズマを発生させる工程
工程(4):前記樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する工程
工程(5):前記対向空間の成膜ガスを排気する工程
材上に薄膜層を形成する工程
2.前記薄膜層を形成する工程前に、前記樹脂基材を加温する工程を有し、成膜直前の前記樹脂基材温度と、前記薄膜層を形成する工程における前記樹脂基材との温度差を10℃以下とすることを特徴とする第1項に記載の成膜方法。
3.各前記成膜ローラーの表面温度を、搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に高くすることを特徴とする第1項又は第2項に記載の成膜方法。
.前記成膜ローラーの表面温度を、軸方向端部から中央部に向かって低くすることを
特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の成膜方法。
.前記成膜ローラーの磁力を、軸方向端部から中央部に向かって小さくすることを特徴とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の成膜方法。
.前記成膜ローラーの断面径が、軸方向中央部から端部に向かって小さいことを特徴
とする第1項から第項までのいずれか一項に記載の成膜方法。
.真空チャンバー内において、樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する成膜装置であって、
少なくとも一組の下記工程(1)〜(5)を有し
前記一対の成膜ローラーが、それぞれ磁場発生装置を内蔵し、当該一対の成膜ローラーの磁力を、前記樹脂基材の搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に大きくし、かつ、
前記一組の手段において投入する電力を前記樹脂基材幅1mあたり1kW以上としたとき、前記薄膜層が形成された前記樹脂基材の幅手方向両端部から10cmの領域を除いた内側の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、前記3点以上の測定点におけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各前記測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することを特徴とする成膜装置。
手段(1):対向配置させる前記樹脂基材間の対向空間に成膜ガスを供給する供給口
手段(2):前記対向空間に膨らんだ無終端のトンネル状の磁場を形成する磁場発生装置
手段(3):前記対向空間にプラズマを発生させる電源
手段(4):前記樹脂基材上に薄膜層を形成する一対の成膜ローラー
手段(5):前記対向空間の前記成膜ガスを排気する排気口
.前記樹脂基材を前記一対の成膜ローラーに搬送する前に、前記樹脂基材を加温する
加温装置を有し、成膜直前の前記樹脂基材温度と、前記一対の成膜ローラーを用いて薄膜
層を形成する工程における前記樹脂基材との温度差を10℃以下とすることを特徴とする
項に記載の成膜装置。
.各前記成膜ローラーの表面温度が、搬送方向の上流側から下流側に向かって段階
的に高くなっていることを特徴とする第項又は第項に記載の成膜装置。
.前記成膜ローラーの表面温度が、軸方向端部から中央部に向かって低くなっていることを特徴とする第項から第項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
.前記成膜ローラーの磁力が、軸方向端部から中央部に向かって小さくなっていることを特徴とする第項から第1項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
.前記成膜ローラーの断面径が、軸方向中央部から端部に向かって小さくなっていることを特徴とする第項から第1項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
本発明の上記手段により、機能性フィルムのフィルム特性を維持しつつ、シワの発生を抑制することのできる成膜方法及び成膜装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
樹脂基材は、薄膜で、フレキシブルである等の特徴を有している反面、急激な温度変化により局所的に熱収縮し、その結果、樹脂基材上に形成される機能性層の組成変化を誘発し、フィルム特性を低下させてしまうといった問題がある。特に、樹脂基材の幅手方向中心部ではストレスがたまりやすく、同様に機能性層の組成変化を誘発してしまう。
機能性層の膜の深さ方向における任意の元素組成分布を分析する方法として、X線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)による測定と希ガスイオンスパッタとを併用した、いわゆるXPSデプスプロファイル測定が知られている。なお、XPSデプスプロファイルにおいて、エッチング時間は、機能性層表面からの距離に対応している。
図5Aは、XPSデプスプロファイル測定を用いて、シワのない樹脂基材上のガスバリアー層における炭素成分比率を測定したものである。これに対し、図5Bは、シワのある樹脂基材上のガスバリアー層における炭素成分比率を測定したものである。なお、本発明における「シワ」とは、目視した際、樹脂基材が線状に折れる、又は変形していることをいう。
図5A及びBからもわかるように、シワのある樹脂基材上のガスバリアー層は、炭素成分比率が変化し、ガスバリアー層表面は面として不均一になっているものと考えられ、その結果、ガスバリアー性能も不均一となっていると推測される。加えて、不均一となっている部位では、正常部との色味が異なっており、これらの理由から生産性を低下させてしまっている。
本発明では、薄膜層が形成された樹脂基材の所定の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、該測定点おけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することにより、機能性フィルムのフィルム特性を維持しつつ、シワの発生を抑制することができたものと考えられる。
第1の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す模式図 ガスバリアー性フィルムの概略構成を示す断面図 第2の実施形態に係る成膜装置の概略構成を示す模式図 機能性フィルムの均一性評価方法の一例を示す模式図 ガスバリアー層の炭素分布曲線の一例を示すグラフ ガスバリアー層の炭素分布曲線の一例を示すグラフ
本発明の成膜方法及び成膜装置は、真空チャンバー内において、樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する成膜方法及び成膜装置であって、前記一対の成膜ローラーが、それぞれ磁場発生装置を内蔵し、当該一対の成膜ローラーの磁力を、前記樹脂基材の搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に大きくするものであって、かつ、薄膜層が形成された樹脂基材の所定の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、該測定点おけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することを特徴とする。この特徴は、下記各実施態様に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、急激な熱変化による局所的熱収縮を抑制する観点から、薄膜層を形成する工程前に、樹脂基材を加温する工程を有し、成膜直前の樹脂基材温度と、薄膜層を形成する工程における樹脂基材との温度差を10℃以下とすること、各成膜ローラーの表面温度を、搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に高くすることが好ましい。
また、樹脂基板上のシワは幅手方向中央部に発生しやすいことから、成膜ローラーの表面温度を軸方向端部から中央部に向かって低くすること、成膜ローラーの磁力を軸方向端部から中央部に向かって小さくすること、又は成膜ローラーの断面径を軸方向中央部から端部に向かって小さくすることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
[第1の実施形態]
≪成膜方法≫
本発明の成膜方法は、真空チャンバー内において、樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する成膜方法であって、少なくとも一組の下記工程(1)〜(5)を有し、前記一対の成膜ローラーが、それぞれ磁場発生装置を内蔵し、当該一対の成膜ローラーの磁力を、前記樹脂基材の搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に大きくし、かつ、前記一組の工程において投入する電力を前記樹脂基材幅1mあたり1kW以上としたとき、前記薄膜層が形成された前記樹脂基材の幅手方向両端部から10cmの領域を除いた内側の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、前記測定点におけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各前記測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することを特徴とする。
工程(1):対向配置させる樹脂基材間の対向空間に成膜ガスを供給する工程
工程(2):対向空間に膨らんだ無終端のトンネル状の磁場を形成する工程
工程(3):対向空間にプラズマを発生させる工程
工程(4):樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する工程
工程(5):対向空間の成膜ガスを排気する工程
各測定点における炭素成分比率の平均値の最大値と最小値との差の絶対値が2%以上になると、水蒸気透過度の不均一性が顕著になり、製品の仕様から外れ、実用上問題がある。
制御方法としては、具体的には、薄膜層を形成する工程前に、樹脂基材を加温する工程を有し、成膜直前の樹脂基材温度と、薄膜層を形成する工程における樹脂基材との温度差を10℃以下とする。これにより、熱による急激な樹脂基材の膨張を低減し、シワの発生を抑制することができる。その結果、シワ部に局所的に熱がかかって膜質が変化することを抑制でき、炭素成分比率の平均値のうち、最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となる。
なお、本発明において、幅手方向に沿って設けられる3点以上の測定点は、より精度を高くする観点から、長尺の機能性フィルム上に複数設けられ(例えば、機能性フィルムの長手方向の両端部近傍と中央部、あるいは長手方向に所定の間隔で設けてもよい。)、それらの測定点の炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となることが好ましい。
以下、本実施形態に係る成膜方法の好ましい態様として、薄膜層を形成する工程前に加温する工程を有する成膜方法について説明する。
(i)成膜ガスを供給する工程(工程(1))
成膜ガスを供給する工程では、対向配置させる樹脂基材間の対向空間に機能性層の成膜ガスを供給する。例えば、ケイ素化合物を酸化させてケイ素酸化物からなるガスバリアー層を形成する場合には、ケイ素化合物のガス(原料ガス)と酸素ガス(反応用ガス)とを成膜ガスとして供給する。供給する成膜ガスは、必要に応じて、キャリアガスを用いることができ、また、プラズマの生成を促進するためにプラズマ生成用ガスを供給することもできる。キャリアガスとしては、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン等の希ガスや窒素ガス等が挙げられ、プラズマ生成用ガスとしては、水素等が挙げられる。
なお、本発明において「対向空間」とは、後述する一対の成膜ローラー21及び22間の空間をいう(図1参照。)。また、樹脂基材における「対向配置」とは、薄膜層が形成される樹脂基材表面を互いに向き合うように配置することをいう。
(ii)磁場を形成する工程(工程(2))
磁場を形成する工程では、成膜ローラー21及び22の周面のうち、対向空間に面する領域付近に磁力線が膨らんだ磁場を発生させる。これにより、プラズマが収束されやすくなるため、機能性層の成膜効率を向上させることができる。
(iii)プラズマを発生させる工程(工程(3))
プラズマを発生させる工程では、従来公知の電源を用いて、成膜ローラー21及び22に電力を供給することにより発生させる。プラズマは、工程(2)で発生させた磁場の磁力線に沿って生成される。そのため、放電空間(対向空間)における電場と磁場によって電子が放電空間内に閉じ込められ、高密度のプラズマが生成され、成膜レートが向上する。
(iv)加温する工程
加温する工程では、一対の成膜ローラー21及び22によって薄膜層を形成する直前の樹脂基材と、薄膜層を形成する工程における樹脂基材との温度差が10℃以下となるように加温する。これにより、樹脂基材が急激な熱変化によって、局所的に熱収縮するのを抑制することができる。
(v)薄膜層を形成する工程(工程(4))
樹脂基材上に薄膜層を形成する工程では、一対の成膜ローラー21及び22の対向空間に形成されたプラズマにより、供給された原料ガスのプラズマが生成され、樹脂基材上に原料成分が堆積することにより、機能性層の薄膜を形成する。
(vi)成膜ガスを排気する工程(工程(5))
成膜ガスを真空排気する工程では、供給された成膜ガスのうち、樹脂基材上に機能性層の薄膜を形成するのに用いられなかった残留ガスを真空チャンバー内から排気する。
続いて、本発明の成膜方法に用いられる成膜装置について説明する。
≪成膜装置≫
本発明の成膜装置は、真空チャンバー内において、樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する成膜装置であって、少なくとも一組の下記工程(1)〜(5)を有し、前記一対の成膜ローラーが、それぞれ磁場発生装置を内蔵し、当該一対の成膜ローラーの磁力を、前記樹脂基材の搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に大きくし、かつ、前記一組の手段において投入する電力を前記樹脂基材幅1mあたり1kW以上としたとき、前記薄膜層が形成された前記樹脂基材の幅手方向両端部から10cmの領域を除いた内側の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、前記3点以上の測定点におけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各前記測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することを特徴とする。
手段(1):対向配置させる樹脂基材間の対向空間に成膜ガスを供給する供給口
手段(2):対向空間に膨らんだ無終端のトンネル状の磁場を形成する磁場発生装置
手段(3):対向空間にプラズマを発生させる電源
手段(4):樹脂基材上に薄膜層を形成する一対の成膜ローラー
手段(5):対向空間の成膜ガスを排気する排気口
制御方法としては、具体的には、樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送する前に、樹脂基材を加温する加温装置を有し、成膜直前の樹脂基材温度と、一対の成膜ローラーを用いて薄膜層を形成する工程における樹脂基材との温度差を10℃以下とする。
より具体的には、成膜装置としては、プラズマCVD法を用いた対向ローラー型の成膜装置が用いられる。
図1に示すように、成膜装置Aは、真空チャンバー10内に、一対の成膜ローラー21及び22(手段(4))、当該一対の成膜ローラー21及び22内部に設けられた磁場発生装置23及び24(手段(2))、電源25(手段(3))、供給口26(手段(1))及び排気口27(手段(5))を備えた成膜領域20を少なくとも一組有している。
一対の成膜ローラー21及び22の搬送方向Xの上流側には、加温装置31が配設されている。
真空チャンバー10内の搬送方向Xの上流側には、元巻きローラー41が回転自在に配設され、搬送方向Xの下流側には、巻取りローラー42が回転自在に配設されている。各部材間には、適宜搬送ローラーが配設されている(搬送ローラー43〜46)。
成膜装置Aは、減圧下において、成膜ローラー21及び22と搬送ローラー43〜46とにより長尺の樹脂基材1を搬送し、搬送される樹脂基材1上に成膜ローラー21及び22により機能性層を連続的に形成する。
長尺の樹脂基材1は、機能性フィルムの基板であり、1層以上の機能性層が既に形成されていてもよい。
真空チャンバー10は、機能性層の形成時、真空ポンプ50によって内部の圧力が減圧下に調整される。なお、減圧下とは、真空チャンバー50内の圧力が0.01〜20Paの範囲内にあるこという。
一対の成膜ローラー21及び22は、プラズマCVD法により、樹脂基材1上に機能性層を薄膜として形成する。
対向配置された一対の成膜ローラー21及び22間には、成膜ガスを供給する供給口26と、当該成膜ガスを真空排気する排気口27と、一対の成膜ローラー21及び22に接続された電源25と、が配設されている。
各成膜ローラー21及び22は、樹脂基材1を搬送するローラーであり、一対の電極としても機能する。
また、各成膜ローラー21及び22は、それぞれ磁場発生装置23及び24を内蔵している。
磁場発生装置23及び24は、成膜ローラー21及び22の回転によって回転しないように、各成膜ローラー21及び22内に固定されている。
磁場発生装置23及び24としては、通常の永久磁石を用いることができる。
一対の成膜ローラー21及び22は、電源25により電圧が印加されると、一対の成膜ローラー21及び22間に放電空間を形成する。供給口26により放電空間内に成膜ガス(原料ガス及び反応用ガス)が供給されると、原料ガスのプラズマが生成され、放電空間に面する樹脂基材1上に原料成分が堆積する。一対の成膜ローラー21及び22は、それぞれ内蔵する磁場発生装置23及び24により磁場を形成しているので、プラズマはこの磁場の磁力線に沿って生成される。すなわち、放電空間における電場と磁場によって、電子が放電空間内に閉じ込められ、高密度のプラズマが生成されるため、成膜レートが向上する。
また、各成膜ローラー21及び22は、回転軸が同一平面上において平行となるように対向配置され、機能性層が形成される面が対向するように樹脂基材1を搬送する。そのため、搬送方向Xの上流側の成膜ローラー21により樹脂基材1上に機能性層を形成した後、搬送方向Xの下流側の成膜ローラー22により樹脂基材1上に更に機能性層を形成することができ、成膜レートをより向上させることができる。
各成膜ローラー21及び22は、薄膜を効率よく形成する観点から、直径が同一であることが好ましい。
各成膜ローラー21及び22の直径としては、放電条件の最適化、真空チャンバー10内のスペース削減等の観点から、直径φが100〜1000mmの範囲内であることが好ましく、100〜700mmの範囲内であることがより好ましい。
直径φが100mm以上であれば、十分な大きさの放電空間を形成することができ、生産性の低下を防ぐことができる。また、短時間の放電で十分な層厚を得ることができ、放電時に樹脂基材1に加えられる熱量を抑えて、残留応力を抑えることができる。直径φが1000mm以下であれば、放電空間の均一性を維持することができ、装置設計において実用的である。
電源25は、一対の成膜ローラー21及び22に電力を供給する。
電源25としては、プラズマ生成用として従来公知の電源を用いることができるが、各成膜ローラー21及び22の極性を交互に反転させることができる交流電源であることが、成膜レートを向上させることから好ましい。
電源25が一対の成膜ローラー21及び22に供給する電力量としては、樹脂基材幅1mあたり、0.1〜10kWの範囲内であることが好ましい。0.1kW/m幅以上であれば、パーティクルの発生を抑えることができる。また、10kW/m幅以下であれば、発生する熱量を抑えることができ、温度上昇による樹脂基材1のシワの発生を抑えることができる。また、交流電源とする場合、交流の周波数は50Hz〜1MHzの範囲内であることが好ましい。
供給口26は、成膜ローラー21及び22間に形成された放電空間に、機能性層の成膜ガスを供給する。
供給口26は、成膜ローラー21及び22から等距離で、かつ放電空間よりも上方に配設されており、排気口27は成膜ローラー21及び22から等距離で、かつ真空チャンバー10の底面11のうち、放電空間の下方領域に配設されている。これにより、供給口26から供給される成膜ガスは、成膜ローラー21及び22間の放電空間を通過して排気口27から排出されるようになっている。
元巻きローラー41は、アンワインダーとも呼ばれ、樹脂基材1のロール体を巻き出す。
搬送ローラー43〜46は、ガイドローラーとも呼ばれ、巻き出された樹脂基材1を元巻きローラー41から一対の成膜ローラー21及び22へ、一対の成膜ローラー21及び22から巻取りローラー42へと連続的に搬送する。
巻取りローラー42は、ワインダーとも呼ばれ、成膜された樹脂基材1を巻き取る。
各ローラーとしては、従来公知のものを使用することができ、例えば、金属製又は合金製のローラーを用いることができる。各ローラー表面には、コート層が設けられていてもよい。
加温装置31としては、樹脂基材1を、成膜直前の樹脂基材1と、一対の成膜ローラー21及び22を用いて薄膜層を形成する工程(後述)における樹脂基材1との温度差を10℃以下となるように加温することができれば特に制限されず、ヒーター等の従来公知のものを使用することができる。
上記構成の成膜装置Aは、機能性層を形成後、各ローラーの回転方向を逆転させて、樹脂基材1の搬送方向Xを逆方向とし、その他の機能性層を更に形成することもできる。
≪機能性フィルムの製造方法≫
次に、上記成膜装置Aを用いた成膜方法について説明する。
最初に、樹脂基材1のロール体を元巻きローラー41にセットする。元巻きローラー41から樹脂基材1を一部巻き出して、各搬送ローラー43〜46、成膜ローラー21及び22に架け渡し、巻取りローラー42により巻き取る。
その後、真空ポンプ50により排気を行い、真空チャンバー10内を減圧する。
真空チャンバー10内を十分に減圧した後、各搬送ローラー43〜46、成膜ローラー21及び22により、樹脂基材1の搬送を開始する。
樹脂基材1の搬送速度(ライン速度ともいう。)は、成膜ガスの種類や真空チャンバー10内の圧力等に応じて適宜調整することができる。
実用的には、樹脂基材1の搬送速度は、0.25〜100m/minの範囲内であり、0.5〜30m/minの範囲内とすることが好ましい。0.25m/min以上であれば、熱に起因して樹脂基板1にシワが生じることを防止でき、100m/min以下であれば、形成する機能性層の厚さを所望の範囲内とすることが容易になる。
生産性向上の観点からは、樹脂基材1の搬送速度は5m/min以上であることが好ましく、10m/min以上であることがより好ましい。
樹脂基材1の搬送開始にともない、供給口26から成膜ローラー21及び22間に機能性層の成膜ガスを供給するとともに、電圧を印加し、プラズマを生成させる。成膜ガスは、必要に応じて、成膜ガスを搬送するためのキャリアガス、プラズマ放電用ガス等とともに供給され得る。
次に、樹脂基材1を成膜ローラー21に搬送する前に、加温装置31によって加温する。具体的には、成膜直前の樹脂基材1と、成膜ローラー21を用いて薄膜層を形成する際の樹脂基材1との温度差が10℃以下となるように加温する。
当該樹脂基材1を成膜ローラー21まで搬送し、樹脂基材1表面上に機能性層の原料成分を堆積させる。樹脂基材1を、搬送ローラー44及び45に順次搬送し、成膜ローラー22により、更に機能性層の原料成分を堆積させ、機能性層を薄膜として形成する。
機能性層が形成された樹脂基材1を、搬送ローラー46により搬送し、巻取りローラー42により巻き取る。
上記のようにして機能性層が既に設けられた樹脂基材1上に、更に機能性層を形成する場合、搬送ローラー46に続けて、更に成膜領域20を設け、同様の手順で機能性層を形成することができる。
樹脂基材1の搬送方向を逆にして、更に機能性層を形成する場合も、搬送ローラー43〜46、成膜ローラー21及び22による搬送順が逆になり、成膜ローラー22により原料成分を堆積させた後、成膜ローラー21により更に堆積させる以外は、同様の手順とすることができる。
上記成膜装置Aにより製造することができる機能性フィルムとしては、ガスバリアー層が形成されたガスバリアー性フィルムの他、絶縁層が形成された絶縁性フィルム、基材に対して屈折率差を有する薄膜が積層された反射フィルム等が挙げられる。中でも、ガスバリアー層は、膜欠陥が多いと当該膜欠陥を通して水、酸素等のガスが浸透し、ガスバリアー性能が著しく低下するため、膜欠陥の発生を抑える本発明の成膜装置Aは、ガスバリアー性フィルムの製造に好適である。
以下、機能性フィルムの一例として、ガスバリアー性フィルムについて説明する。
≪ガスバリアー性フィルム≫
図2に示すように、ガスバリアー性フィルムFは、樹脂基材1と、当該樹脂基材1上に形成されたガスバリアー層2とを備えて構成されている。
(樹脂基材)
樹脂基材1は、可撓性を有する基板である。
樹脂基材1としては、透明性が高い樹脂であることが好ましい。樹脂の透明性が高く、樹脂基材1の透明性が高いと、透明性が高いガスバリアー性フィルムFを得ることができ、有機EL素子等の電子デバイスに好ましく用いることができる。
樹脂としては、例えば、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスチレン(PS)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等が、コスト及び入手の容易性から好ましい。
樹脂基材1は、上記樹脂が2以上積層された構成としてもよい。
樹脂基材1は、従来公知の一般的な製造方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイ又はTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の樹脂基材1を製造することができる。また、材料となる樹脂を溶剤に溶解し、無端の金属樹脂支持体上に流延(キャスト)して乾燥、剥離することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸フィルムを、樹脂基材1として得ることができる。
上記未延伸フィルムを、フィルムの搬送(MD:Machine Direction)方向又は搬送方向と直交する幅手(TD:Transverse Direction)方向に延伸し、得られた延伸フィルムを樹脂基材1とすることもできる。延伸方法としては、一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法が挙げられる。延伸倍率は、原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、搬送方向及び幅手方向ともに、それぞれ2〜10倍の範囲内が好ましい。
樹脂基材1は、上述した未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。強度向上及び熱膨張抑制の点からは延伸フィルムが好ましい。延伸によって樹脂基材1の位相差等の光学的な機能を調整できるので、調整が必要な場合は延伸フィルムを用いることが好ましい。
樹脂基材1は、寸法安定性を得るため、弛緩処理、オフライン熱処理等が施されていてもよい。
弛緩処理は、延伸工程において熱固定した後、幅手方向へ延伸するテンター内、又はテンターを出た後の巻取りまでの工程で行われることが好ましい。弛緩処理は、処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、100〜180℃の範囲内で行われることがより好ましい。
オフライン熱処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、複数のローラー群によるローラー搬送方法、空気をフィルムに吹き付けて浮揚させるエアー搬送等により搬送させる方法(具体的には、複数のスリットから加熱空気をフィルム面の片面又は両面に吹き付ける方法)、赤外線ヒーター等による輻射熱を利用する方法、フィルムを自重で垂れ下がらせ、下方で巻き取る等の搬送方法等を挙げることができる。熱処理の搬送張力は、できるだけ低くして熱収縮を促進することで、良好な寸法安定性が得られる。処理温度としては(Tg+50)〜(Tg+150)℃の温度範囲が好ましい。ここで、Tgとは、樹脂基材1のガラス転移温度をいう。
樹脂基材1は、厚さが5〜500μmの範囲内であることが好ましく、25〜250μmの範囲内であることがより好ましい。
樹脂基材1は、樹脂基材1上に形成されるガスバリアー層2との密着性を高めるため、表面上にクリアハードコート層が形成されていてもよい。
クリアハードコート層としては、熱硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂硬化型樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。中でも、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましい。
熱硬化型樹脂としては、特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の種々の熱硬化性樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、平均して1分子あたり2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(具体的には、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、これらエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物又は水素添加物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、紫外線、電子線等の活性線の照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂である。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等が代表的なものとして挙げられ、中でも紫外線硬化型樹脂が好ましい。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシ基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって、容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載の樹脂を用いることができる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成される樹脂を挙げることができる。例えば、特開昭59−151112号公報に記載の樹脂を用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成する樹脂を挙げることができ、特開平1−105738号公報に記載の樹脂を用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、例えば多官能アクリレート樹脂等が挙げられる。ここで、多官能アクリレート樹脂とは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基又はメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
多官能アクリレート樹脂のモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。
使用可能な紫外線硬化型樹脂の市販品としては、例えば、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化社製)、コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学社製)、セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業社製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー社製)、RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、DIC社製)、オーレックスNo.340クリヤ(以上、中国塗料社製)、サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(以上、三洋化成工業社製)、SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子社製)、RCC−15C(グレース・ジャパン社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成社製)、紫光UV−1700B(日本合成化学社製)等が挙げられる。
紫外線硬化型樹脂は、硬化を促進するために、光重合開始剤とともに用いられることが好ましい。
光重合開始剤としては、光照射によりカチオン重合を開始させるルイス酸を放出するオニウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
この様なオニウム塩としては、特に、芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが特に有効であり、なかでも特開昭50−151996号公報、同50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、同52−30899号公報、同59−55420号公報、同55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、同56−149402号公報、同57−192429号公報等に記載のオキソスルホニウム塩、特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4139655号明細書等に記載のチオピリリウム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体、光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等を挙げることができる。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用することができる。
光重合開始剤の使用量は、紫外線硬化型樹脂に対して2〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
クリアハードコート層は、樹脂基材1との密着性を向上させるため、樹脂基材1表面に真空紫外線を照射するか、コロナ放電によって表面処理した後、クリアハードコート層の塗布液を塗布して硬化させることにより、形成することができる。
塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター等を用いた塗布法、インクジェット法等のウェットプロセスを用いることができる。
クリアハードコート層の塗布液は、ウェット膜厚として0.1〜40.0μmの範囲内で塗布することが適当であり、好ましくは0.5〜30.0μmの範囲内である。また、乾燥後の層厚としては、0.1〜30.0μmの範囲内が好ましく、より好ましくは1〜10μmの範囲内である。
紫外線硬化型樹脂の硬化時に用いる光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性エネルギー線の照射量は、好ましくは5〜100mJ/cmの範囲内であり、特に好ましくは20〜80mJ/cmの範囲内である。
(ガスバリアー層)
ガスバリアー層2は、ガスバリアー性を有する。
具体的には、ガスバリアー層2は、JIS K 7129:1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が1×10−2g/(m・day)以下のガスバリアー性を示すことが好ましい。また、JIS K 7126:1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・day・atm)以下であり、かつ水蒸気透過度が1×10−5g/(m・day)以下であるガスバリアー性を示すことがより好ましい。
ガスバリアー層2の材料としては、ガスバリアー性フィルムFが用いられた電子デバイスの性能劣化をもたらす水、酸素等のガスの浸入を抑制する機能を有する材料であればよい。ガスバリアー層2の材料としては、例えば、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機ケイ素化合物、有機ケイ素化合物等を用いることができる。
中でも、ガスバリアー層2は、有機ケイ素化合物が気化されたガスを酸化又は窒化させて形成されていることが好ましい。
有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。中でも、取扱いを容易とし、優れたガスバリアー性を得る観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。
これらの有機ケイ素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
例えば、成膜ガスとして、ヘキサメチルジシロキサン(有機ケイ素化合物:HMDSO:(CHSiO)及び酸素(O)を用いた場合、一対の成膜ローラー21及び22によって形成された放電領域では下記の反応式に示す反応が起こり、二酸化ケイ素が生成される。
(CHSiO+12O→6CO+9HO+2SiO
上記反応において、ヘキサメチルジシロキサン1モルを完全酸化するのに必要な酸素量は12モルである。ここで、酸素ガスのガス流量を、完全酸化に必要な酸素のモル数以下のガス流量に制御して、非完全反応を遂行させると、完全に酸化されなかったヘキサメチルジシロキサン中の炭素原子や水素原子をガスバリアー層2中に取り込むことができる。これにより、ガスバリアー層2中の原子組成比を調整することが可能となる。
≪X線光電子分光法≫
機能性フィルムを構成する各層の組成分布は、X線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)による測定とアルゴン等の希ガスイオンスパッタとを併用することにより、試料内部を露出させつつ順次表面組成分析を行う、いわゆるXPSデプスプロファイル測定により作成することができる。このようなXPSデプスプロファイル測定により得られる分布曲線は、例えば、縦軸を各元素の原子比(単位:at%)とし、横軸をエッチング時間(スパッタ時間)として作成することができる。なお、このように横軸をエッチング時間とする元素の分布曲線において、エッチング時間は層厚方向における表面からの距離(L)におおむね相関することから、XPSデプスプロファイル測定の際に採用したエッチング速度とエッチング時間との関係から算出される値を「層厚方向における表面からの距離」として採用することができる。
このようなXPSデプスプロファイル測定に際して採用するスパッタ法としては、エッチングイオン種としてアルゴン(Ar)を用いた希ガスイオンスパッタ法を採用し、エッチング速度(エッチングレート)としては、0.05nm/sec(SiO熱酸化膜換算値)とすることが好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、真空チャンバー内において、樹脂基材を対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する成膜方法であって、少なくとも一組の工程(1)〜(5)を有し、かつ、当該一組の工程において投入する電力を樹脂基材幅1mあたり1kW以上としたとき、薄膜層が形成された樹脂基材の幅手方向両端部から10cmの領域を除いた内側の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、該測定点おけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御する点について共通しているが、主に、下記の点で第1の実施形態と異なっている。なお、本実施形態において、上記第1の実施形態と同一部分には同一符号を付している。
本実施形態における制御方法としては、具体的には、(i)各成膜ローラーの表面温度を、搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に高くする、(ii)各成膜ローラーの磁力を、搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に大きくする、(iii)成膜ローラーの表面温度を、軸方向端部から中央部に向かって低くする、(iv)成膜ローラーの磁力を、軸方向端部から中央部に向かって小さくする、又は(v)成膜ローラーの断面径を、軸方向中央部から端部に向かって小さくする。
制御方法(i)によれば、熱による急激な樹脂基材の膨張を低減し、シワの発生を抑制することができる。その結果、シワ部に局所的に熱がかかって膜質が変化することを抑制でき、炭素成分比率の平均値のうち、最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となる。
理由として、樹脂基材が一度プラズマ空間に入り昇温されると熱に対して強くなり、20℃以上の温度変化があってもシワが発生しなくなる。
なお、所定の温度にするまでに3段階以上に分割して昇温することが好ましい。
制御方法(ii)によれば、磁力向上によりプラズマ強度が高まり、それに伴って発生する熱による急激な樹脂基材の膨張を低減し、シワの発生を抑制することができる。その結果、シワ部に局所的に熱がかかって膜質が変化することを抑制でき、炭素成分比率の平均値のうち、最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となる。
なお、所定の磁力にするまでに3段階以上に分割して磁力向上することが好ましい。
制御方法(iii)によれば、樹脂基材が熱により変形する際、最も応力が集中するのが樹脂基材の幅手中央近傍であることから、その近傍の温度を低くすることによって熱による急激な樹脂基材の膨張を低減し、シワの発生を抑制することができる。その結果、シワ部に局所的に熱がかかって膜質が変化することを抑制でき、炭素成分比率の平均値のうち、最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となる。
制御方法(iv)によれば、樹脂基材が熱により変形する際、最も応力が集中するのが樹脂基材の幅手中央近傍であることから、その近傍の磁力を小さくしてプラズマ強度を小さくし、温度を低くすることによって熱による急激な樹脂基材の膨張を低減し、シワの発生を抑制することができる。その結果、シワ部に局所的に熱がかかって膜質が変化することを抑制でき、炭素成分比率の平均値のうち、最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となる。
制御方法(v)によれば、樹脂基材が熱により変形する際、最も応力が集中するのが樹脂基材の幅手中央近傍であることから、その近傍のローラーの断面径が大きいことで高張力を達成することができ、熱による急激な樹脂基材の膨張があってもシワの発生を抑制することができる。その結果、シワ部に局所的に熱がかかって膜質が変化することを抑制でき、炭素成分比率の平均値のうち、最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となる。
以下、本実施形態で用いられるプラズマCVD法を用いた対向ローラー型の成膜装置について説明する。
図3に示すとおり、成膜装置Bは、真空チャンバー内10に、一対の成膜ローラー210及び220、当該一対の成膜ローラー210及び220内部に設けられた磁場発生装置23及び24、電源25、供給口26及び排気口27を備えた成膜領域20を少なくとも一組有している。
成膜ローラー210及び220の表面温度は、搬送方向Xの上流側から下流側に向かって、樹脂基材1のTgを限度として段階的に高くなっている。すなわち、成膜ローラー220の表面温度は、成膜ローラー210の表面温度より高くなるように設定されている。
成膜ローラー210及び220の表面温度に代えて、成膜ローラー210及び220の磁力が段階的に大きくなるように設定してもよい。
また、成膜ローラー210及び220のそれぞれについて、軸方向端部から中央部に向かって、表面温度が低くなるように設定してもよいし、磁力が小さくなるように設定してもよい。
成膜ローラー210及び220表面温度を軸方向に沿って変更する方法としては、誘導加熱型ジャケットローラーにおいて、軸方向で異なる誘導コイルを導入する方法等が挙げられる。
成膜ローラー210及び220の磁力を軸方向に沿って変更する方法としては、成膜ローラー210及び220内部に、軸方向で異なる磁力を有する永久磁石を導入する方法等が挙げられる。
なお、樹脂基板1の幅手方向と成膜ローラー210及び220の軸方向とは、同一方向を示している。
また、樹脂基材1の幅手方向中央部から端部に向かって引張強度を大きくすることを目的として、成膜ローラー210及び220の形状として太鼓状のものを用いてもよい。すなわち、太鼓状の成膜ローラー210及び220は、回動方向に沿って切断した際の直径(断面径)が軸方向中央部から端部に向かって小さくなっている。
以上の成膜ローラー210及び220の各態様は、それぞれ単独で用いることもできるし、併用することもできる。また、第1の実施形態における構成(加温装置)と併用することも可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
≪ガスバリアー性積層フィルムの作製≫
(1)ガスバリアー性積層フィルム1の作製
成膜装置として、成膜装置Aの加温装置及び成膜装置Bの成膜領域20を二組有するプラズマCVD装置を用いて、ガスバリアー性積層フィルム1〜13を作製した。
まず、2軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム、厚さ:100μm、幅:350mm、帝人デュポンフィルム(株)製、商品名「テオネックスQ65FA」)を基材として用い、これを元巻きローラーに装着した。
次いで、一対の成膜ローラー間にプラズマを発生させ、この放電領域に成膜ガス(原料ガス:ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と、反応ガス:酸素ガス(放電ガスとしても機能する。)との混合ガス)を供給量比が幅手方向端部領域/幅手方向非端部領域=1.05/1となるように幅手方向で異なるように調整し、プラズマCVD法による薄膜形成を行い、幅手方向非端部領域の層厚が600nmのガスバリアー性積層フィルムを得た。
成膜条件は、下記のように設定した。
成膜ガスの混合比(ヘキサメチルジシロキサン/酸素):1/10
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電圧:±1.0kV
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
投入電力:3kW/m幅
成膜ローラーの表面温度:30℃
成膜ローラーの磁力:基準
成膜ローラーの形状(中央部径/端部径):1
成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度:60℃
(2)ガスバリアー性積層フィルム2の作製
ガスバリアー性積層フィルム1の作製において、成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度を55℃に変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム2を作製した。
(3)ガスバリアー性積層フィルム3の作製
ガスバリアー性積層フィルム1の作製において、成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度を50℃に変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム3を作製した。
(4)ガスバリアー性積層フィルム4の作製
ガスバリアー性積層フィルム1の作製において、成膜条件を下記のように変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム4を作製した。
成膜ガスの混合比(ヘキサメチルジシロキサン/酸素):1/10
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電圧:±1.0kV
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
投入電力:3kW/m幅
成膜ローラーの表面温度:(上流側)0℃→20℃→40℃→50℃(下流側)
成膜ローラーの磁力:基準
成膜ローラーの形状(中央部径/端部径):1
成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度:25℃
(5)ガスバリアー性積層フィルム5の作製
ガスバリアー性積層フィルム4の作製において、成膜ローラーの表面温度を搬送方向上流側から下流側に向かって、5℃→30℃→50℃→70℃と変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム5を作製した。
(6)ガスバリアー性積層フィルム6の作製
ガスバリアー性積層フィルム1の作製において、成膜条件を下記のように変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム6を作製した。
成膜ガスの混合比(ヘキサメチルジシロキサン/酸素):1/10
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電圧:±1.0kV
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
投入電力:3kW/m幅
成膜ローラーの表面温度:30℃
成膜ローラーの磁力:基準に対して、(上流側)×50%→×85%→×115%→×150%(下流側)
成膜ローラーの形状(中央部径/端部径):1
成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度:25℃
(7)ガスバリアー性積層フィルム7の作製
ガスバリアー性積層フィルム6の作製において、成膜ローラーの磁力を基準に対し、搬送方向上流側から下流側に向かって、×75%→×100%→×150%→×200%と変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム7を作製した。
(8)ガスバリアー性積層フィルム8の作製
ガスバリアー性積層フィルム1の作製において、成膜条件を下記のように変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム8を作製した。
成膜ガスの混合比(ヘキサメチルジシロキサン/酸素):1/10
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電圧:±1.0kV
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
投入電力:3kW/m幅
成膜ローラーの表面温度:30℃
成膜ローラーの磁力:基準
成膜ローラーの形状(中央部径/端部径):1.02
成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度:50℃
(9)ガスバリアー性積層フィルム9の作製
ガスバリアー性積層フィルム8の作製において、成膜ローラーとして中央部径/端部径が1.05である成膜ローラーに変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム9を作製した。
(10)ガスバリアー性積層フィルム10の作製
ガスバリアー性積層フィルム1の作製において、成膜条件を下記のように変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム10を作製した。
成膜ガスの混合比(ヘキサメチルジシロキサン/酸素):1/10
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電圧:±1.0kV
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
投入電力:0.5kW/m幅
成膜ローラーの表面温度:30℃
成膜ローラーの磁力:基準
成膜ローラーの形状(中央部径/端部径):1
成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度:25℃
(11)ガスバリアー性積層フィルム11の作製
ガスバリアー性積層フィルム1の作製において、成膜条件を下記のように変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム11を作製した。
成膜ガスの混合比(ヘキサメチルジシロキサン/酸素):1/10
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電圧:±1.0kV
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
投入電力:3kW/m幅
成膜ローラーの表面温度:30℃
成膜ローラーの磁力:基準
成膜ローラーの形状(中央部径/端部径):1
成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度:25℃
(12)ガスバリアー性積層フィルム12の作製
ガスバリアー性積層フィルム1の作製において、成膜条件を下記のように変更した以外は同様にして、ガスバリアー性積層フィルム12を作製した。
成膜ガスの混合比(ヘキサメチルジシロキサン/酸素):1/10
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電圧:±1.0kV
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.5m/min
投入電力:3kW/m幅
成膜ローラーの表面温度:30℃
成膜ローラーの磁力:基準
成膜ローラーの形状(中央部径/端部径):1
成膜ローラーに入る前の加温装置により加熱された基材の温度:40℃
≪ガスバリアー性積層フィルムの評価≫
(1)水蒸気透過率の評価(WVTR性能)
作製した各ガスバリアー性積層フィルムについて、以下の測定方法により、水蒸気透過率を算出した。
(装置)
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
(原材料)
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気バリア性評価用セルの作製)
真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置 JEE−400)を用い、透明導電膜を付ける前のガスバリアー性積層フィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。
得られた両面を封止した試料を60℃、90%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号公報記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐食量からセル内に透過した水分量を計算した。得られた水分量から、下記基準に従って評価した。
評価結果を表1に示す。
◎:1×10−2g/(m・day)未満
○:1×10−2g/(m・day)以上1×10−1g/(m・day)以下
×:1×10−1g/(m・day)より多い
(2)均一性評価
得られた各ガスバリアー性積層フィルムの均一性の評価方法について、図4を参照しながら説明する。
得られたCVD膜について、XPSデプスプロファイルを測定し、膜の深さ方向の元素組成のうち、炭素成分比率の平均値を算出した。
具体的には、基材幅手方向Yの両端部から10cmを除いた領域T内において、搬送方向Xにおける製品有効長の、前方及び後方それぞれの端部から1mの位置、並びに中央にて、幅手方向Yにそれぞれ等間隔に5点の測定点(それぞれ図4中の符号Ma、Mb及びMc)を設け、各測定点の炭素成分比率の平均値を測定した。スパッタ法としては、エッチングイオン種としてアルゴン(Ar)を用いた希ガスイオンスパッタ法を採用し、そのエッチング速度は、0.05nm/sec(SiO熱酸化膜換算値)とした。ここで、製品有効長とは、各種製造条件が安定した領域の搬送方向Xにおける長さをいう。
得られた各測定点における炭素成分比率の平均値のうち、最大値と最小値との差の絶対値を算出し、下記基準に従って評価した。
評価結果を表1に示す。
◎:0%以上1%未満
○:1%以上2%未満
△:2%以上4%未満
×:4%以上
なお、表1中、搬送方向上流側から下流側に向かって、成膜ローラーNo.1〜成膜ローラーNo.4とする。
Figure 0006508054
(3)まとめ
表1から明らかなように、本発明の成膜装置を用いて作製したガスバリアー性積層フィルム1〜9は、ガスバリアー性積層フィルム10〜12と比較して、ガスバリアー性に優れ、膜の深さ方向の元素組成分布が均一であることがわかる。特に、ガスバリアー性積層フィルム10においては、投入電力が小さいためガスバリアー性に劣り、ガスバリアー性積層フィルム11及び12においては、成膜直前の樹脂基材と、薄膜層を形成する工程における樹脂基材との温度差が10℃以上であるため、炭素組成分布が均一ではなかった。
以上から、薄膜層が形成された樹脂基材の幅手方向両端部から10cmの領域を除いた内側の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、測定点におけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することが、機能性フィルムのフィルム特性を維持しつつ、シワの発生を抑制することに有用であることが確認できた。
本発明は、機能性フィルムのフィルム特性を維持しつつ、シワの発生を抑制ことができる成膜方法及び成膜装置を提供することに、特に好適に利用することができる。
1 樹脂基材
2 ガスバリアー層
10 真空チャンバー
11 底面
20 成膜領域
21,22,210,220 成膜ローラー
23,24 磁場発生装置
25 電源
26 供給口
27 排気口
31 加温装置
41 元巻きローラー
42 巻取りローラー
43〜46 搬送ローラー
50 真空ポンプ
A,B 成膜装置
F ガスバリアー性フィルム
Ma,Mb,Mc 測定点
T 領域
X 搬送方向
Y 幅手方向

Claims (12)

  1. 真空チャンバー内において、樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する成膜方法であって、
    少なくとも一組の下記工程(1)〜(5)を有し
    前記一対の成膜ローラーが、それぞれ磁場発生装置を内蔵し、当該一対の成膜ローラーの磁力を、前記樹脂基材の搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に大きくし、かつ、
    前記一組の工程において投入する電力を前記樹脂基材幅1mあたり1kW以上としたとき、前記薄膜層が形成された前記樹脂基材の幅手方向両端部から10cmの領域を除いた内側の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、前記測定点におけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各前記測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することを特徴とする成膜方法。
    工程(1):対向配置させる前記樹脂基材間の対向空間に成膜ガスを供給する工程
    工程(2):前記対向空間に膨らんだ無終端のトンネル状の磁場を形成する工程
    工程(3):前記対向空間にプラズマを発生させる工程
    工程(4):前記樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する工程
    工程(5):前記対向空間の成膜ガスを排気する工程
  2. 前記薄膜層を形成する工程前に、前記樹脂基材を加温する工程を有し、成膜直前の前記樹脂基材温度と、前記薄膜層を形成する工程における前記樹脂基材との温度差を10℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 各前記成膜ローラーの表面温度を、搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に高くすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記成膜ローラーの表面温度を、軸方向端部から中央部に向かって低くすることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の成膜方法。
  5. 前記成膜ローラーの磁力を、軸方向端部から中央部に向かって小さくすることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の成膜方法。
  6. 前記成膜ローラーの断面径が、軸方向中央部から端部に向かって小さいことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の成膜方法。
  7. 真空チャンバー内において、樹脂基材を一対の成膜ローラーに搬送して対向配置させ、当該樹脂基材上に薄膜層を形成する成膜装置であって、
    少なくとも一組の下記工程(1)〜(5)を有し
    前記一対の成膜ローラーが、それぞれ磁場発生装置を内蔵し、当該一対の成膜ローラーの磁力を、前記樹脂基材の搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に大きくし、かつ、
    前記一組の手段において投入する電力を前記樹脂基材幅1mあたり1kW以上としたとき、前記薄膜層が形成された前記樹脂基材の幅手方向両端部から10cmの領域を除いた内側の領域に、幅手方向に沿って等間隔に3点以上の測定点を設け、前記3点以上の測定点におけるX線光電子分光法測定による膜の深さ方向の元素組成分布のうち、各前記測定点における炭素成分比率の平均値を算出し、そのうちの最大値と最小値との差の絶対値が2%未満となるように制御することを特徴とする成膜装置。
    手段(1):対向配置させる前記樹脂基材間の対向空間に成膜ガスを供給する供給口
    手段(2):前記対向空間に膨らんだ無終端のトンネル状の磁場を形成する磁場発生装置
    手段(3):前記対向空間にプラズマを発生させる電源
    手段(4):前記樹脂基材上に薄膜層を形成する一対の成膜ローラー
    手段(5):前記対向空間の前記成膜ガスを排気する排気口
  8. 前記樹脂基材を前記一対の成膜ローラーに搬送する前に、前記樹脂基材を加温する加温装置を有し、成膜直前の前記樹脂基材温度と、前記一対の成膜ローラーを用いて薄膜層を形成する工程における前記樹脂基材との温度差を10℃以下とすることを特徴とする請求項に記載の成膜装置。
  9. 各前記成膜ローラーの表面温度が、搬送方向の上流側から下流側に向かって段階的に高くなっていることを特徴とする請求項又は請求項に記載の成膜装置。
  10. 前記成膜ローラーの表面温度が、軸方向端部から中央部に向かって低くなっていることを特徴とする請求項から請求項までのいずれか一項に記載の成膜装置。
  11. 前記成膜ローラーの磁力が、軸方向端部から中央部に向かって小さくなっていることを特徴とする請求項から請求項1までのいずれか一項に記載の成膜装置。
  12. 前記成膜ローラーの断面径が、軸方向中央部から端部に向かって小さくなっていることを特徴とする請求項から請求項1までのいずれか一項に記載の成膜装置。
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