以下、本発明に係る画像形成装置を、レーザプリンタ1(以下、単に「プリンタ」という場合がある)に具体化した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、プリンタ1(画像形成装置の一例)を使用する時のユーザの位置を基準にした方向を用いて説明する。即ち、図1において、紙面に向かって左側を「前側」、紙面に向かって右側を「後側」とし、紙面に向かって手前側を「左側」、紙面に向かって奥側を「右側」とする。又、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
本実施形態に係るプリンタ1は、直接転写タンデム方式のカラーレーザプリンタである。図1に示すように、プリンタ1は、略箱型の本体筐体2を備えている。本体筐体2は、排紙トレイ3と、上部カバー5を有している。排紙トレイ3は、本体筐体2の上面の一部により構成され、本体筐体2内部から排紙されたシート(用紙やOHPシート等)Pを積層状態で収納する。シートPは、プリンタ1における被記録媒体である。排紙トレイ3の後端部分には、排紙口4が形成されており、本体筐体2内部と連通している。上部カバー5は、排紙トレイ3の外周部分にあたる本体筐体2上面を構成する。そして、当該プリンタ1は、給紙部10(第1搬送部の一例)と、画像形成部20と、定着部30と、用紙搬送部40(第2搬送部の一例)と、再搬送部50(反転搬送部の一例)を本体筐体2内部に有している。
給紙部10は、シートPを画像形成部20へ給紙する機構部であり、本体筐体2の下方に配設されている。給紙部10は、給紙トレイ11と、給紙機構部12を有している。給紙トレイ11は、プリンタ1における画像形成前のシートPを積載している。給紙トレイ11は、本体筐体2下部において、前方へ引き出し可能に装着されている。
給紙機構部12は、給紙ローラと、分離ローラと、分離パッドと、レジストローラ等を有しており、給紙トレイ11の前端上方位置に配設されている。給紙機構部12は、給紙トレイ11に収容されたシートPを引き出して一枚毎に分離した後、画像形成部20を構成するベルトユニット26へ搬送する。
画像形成部20は、シートPの一面(表面又は裏面)に対して、画像を形成する機構部であり、本体筐体2内部において、給紙部10の上方に配設されている。画像形成部20は、スキャナユニット21と、4つの画像形成ユニット22と、ベルトユニット26と、トナー回収部91とを有している。
スキャナユニット21は、本体筐体2内部の上部に配設されており、ポリゴンモータと、ポリゴンミラーと、レーザ光源と、反射ミラーと、レンズ等を有している。スキャナユニット21は、所望の画像データに基づくレーザ光をレーザ光源から出射し、ポリゴンミラー、反射ミラー、レンズ等を介して、各画像形成ユニット22を構成する感光体ドラム23(感光体の一例)の表面に静電潜像を生成する。なお、スキャナユニット21は、4つのレーザ光源(図示せず)を、ポリゴンミラー近傍に有している。各レーザ光源は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの内の一色に対応するレーザ光を照射する。
4つの画像形成ユニット22は、スキャナユニット21の下方で、ベルトユニット26の上方において、本体筐体2前方から後方に向かって列設されている。各画像形成ユニット22は、前方から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー色に対応している。そして、各画像形成ユニット22は、感光体ドラム23と、帯電器24と、現像カートリッジ25等を有している。以下の説明では、4つの画像形成ユニット22を区別して説明する必要がある場合には、図1に示すように、画像形成ユニット22の後に色に対応するアルファベットを付し、画像形成ユニット22Y(イエロー)、画像形成ユニット22M(マゼンタ)、画像形成ユニット22C(シアン)、画像形成ユニット22K(ブラック)と称して説明する。また、各画像形成ユニット22は、同様の構成となっているため、以下の説明では主に画像形成ユニット22Kの構成について説明する。なお、図1に示すトナー色の順番は、一例であり、適宜変更可能である。
感光体ドラム23は、接地された金属製のドラム本体を備え、その表層を正帯電性の感光層で被覆することにより構成される。当該感光層は、ポリカーボネート等により構成される。感光体ドラム23の表面、即ち、感光層には、画像データに基づく静電潜像が、スキャナユニット21から出射されたレーザ光に基づいて生成される。
帯電器24は、感光体ドラム23の後側斜め上方において、感光体ドラム23の表面から所定間隔を隔てて配置されている。図2は、感光体ドラム23に拘わる部分を拡大した模式図である。図2に示すように、帯電器24は、例えば、スコロトロン型の帯電器であり、帯電ワイヤ71からコロナ放電を発生させることで、感光体ドラム23の表面を一様に正極性に帯電させ得る。
現像カートリッジ25は、感光体ドラム23の表面に生成された静電潜像にトナーを供給し、当該静電潜像を現像してトナー像98(現像剤像の一例、図2参照)を生成する機構部であり、図1に示すように、供給ローラ83と、現像ローラ85等を有している。各現像カートリッジ25の各々には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの何れか一色のトナーが収容されている。当該トナーは、供給ローラ83及び現像ローラ85が回転することによって感光体ドラム23の表面へ供給される。
トナー回収部91は、感光体ドラム23の表面に形成されたトナー像98(図2参照)を回収するため機構部である。トナー回収部91は、感光体ドラム23の各々の後方側であって帯電器24の下方に設けられている。図2に示すように、トナー回収部91は、クリーニングブレード93(ブレードの一例)が回収ケース95に収容されている。クリーニングブレード93は、前後方向に延びる略平板形状に形成されている。回収ケース95は、左右方向に沿って長尺となる略筒型に形成されており、感光体ドラム23に面した部分に開口97が形成されている。クリーニングブレード93は、開口97に設けられた前端部が感光体ドラム23の表面に後方側から摺接するようにして回収ケース95に固定されている。感光体ドラム23が回転すると、当該感光体ドラム23の表面に残存したトナー像98が、クリーニングブレード93により掻き取られ、開口97を介して回収ケース95内に落下する。従って、回収ケース95内には、クリーニングブレード93によって感光体ドラム23から掻き取られたトナー像98が収容される。
図1に示すように、ベルトユニット26は、4つの画像形成ユニット22の下方であって、給紙部10の上方に配設されており、シートPを定着部30へ向かって搬送しつつ、感光体ドラム23の表面のトナー像98をシートPへ転写する機構部である。ベルトユニット26は、一対のベルト支持ローラ27と、搬送ベルト28と、4つの転写ローラ29とを有している。
ベルト支持ローラ27は、本体筐体2内部において、前後に離間して配設されている。ベルト支持ローラ27は、搬送モータ(図示略)の駆動力が伝達されると、所定方向(図1中、時計回り方向)に回転駆動する。
搬送ベルト28は、ポリカーボネート等の樹脂材からなる無端状のベルトであり、一対のベルト支持ローラ27の間に、水平に架設されている。搬送ベルト28は、ベルト支持ローラ27が回転することにより、所定方向(図1中、時計回り方向)に移動する。従って、シートPは、給紙部10等により搬送ベルト28上に載置されると、本体筐体2の後方(定着部30の方向)へ向かって搬送される。
4つの転写ローラ29は、搬送ベルト28の内側に設けられ、本体筐体2の前後方向に沿って、一定間隔で並んで設けられている。各転写ローラ29は、搬送ベルト28を間に挟んで、各感光体ドラム23の下方に配置されている。また、各転写ローラ29は、搬送ベルト28の内側面に当接しているため、搬送ベルト28の循環移動に伴い回転する。ここで、印刷処理の際に搬送ベルト28によってシートPが感光体ドラム23と転写ローラ29との間を搬送されると、転写ローラ29には、負極性の転写バイアスが定電流制御で印加される。この時、各感光体ドラム23の表面上に担持されたトナー像98は、転写ローラ29に印加された転写バイアスによって、シートPに順次転写される。また、転写ローラ29に転写バイアスを印加しない状態で各感光体ドラム23を回転させると、当該感光体ドラム23に担持されたトナー像98は、トナー回収部91によって回収される。
定着部30は、シートPに転写されたトナー像98をシートPに熱定着させる機構部であり、本体筐体2内のベルトユニット26後方に配置されている。定着部30は、加熱ローラ31と、加圧ローラ32を有している。加熱ローラ31は、ハロゲンランプ等の熱源を備え、回転駆動可能に配設されている。加圧ローラ32は、加熱ローラ31の下方に配置され、加熱ローラ31を押圧するように接触している。加圧ローラ32は、加熱ローラ31の回転駆動に伴い従動回転する。即ち、定着部30は、トナー像98を坦持したシートPを加熱しつつ、加熱ローラ31と加圧ローラ32とによって狭持する。これにより、定着部30は、シートP上のトナー像98を、シートPに熱定着する。
定着部30の後方には、ガイド部材35が配設されている。ガイド部材35は、後方へ突出した曲面状のガイド面を有しており、トナー像98が熱定着されたシートPの搬送方向を所定方向(図1中、上方向)に変更する。
用紙搬送部40は、画像が形成されたシートPを排紙口4へ向かって(図1中の方向Eに向かって)搬送する機構部であり、後述する両面印刷時には、当該シートPを再搬送部50へ搬送する機能を果たす。用紙搬送部40は、定着部30の上方から排紙口4へと延びる用紙搬送路45に沿って、中間搬送ローラ41と、排紙ユニット60を有している。
中間搬送ローラ41は、正逆回転可能な一対のローラにより構成され、定着部30の上方において、用紙搬送路45を搬送されるシートPを挟持搬送する。シートPを排紙トレイ3へ排紙する場合、中間搬送ローラ41は、所定方向に回転することで、シートPを排紙ユニット60及び排紙口4へ搬送する。
排紙ユニット60は、シートPを、排紙口4を介して、排紙トレイ3へ排紙する機構部であり、本体筐体2上部において、排紙口4の近傍に配設されている。また、排紙ユニット60は、後述する両面印刷を行う場合に、所定位置まで搬送されたシートPを、再搬送部50へ(図1中の方向Rに向かって)搬送する機能を果たす。
再搬送部50は、本体筐体2の下部に設けられている。再搬送部50は、排紙ユニット60等により、シートPがスイッチバック搬送された場合、シートPを、給紙部10を経由して画像形成部20へ向かって搬送する。即ち、この場合、シートPは、ガイド部材35の後方を経由し、給紙トレイ11の下方で前後方向に延びる経路(図1中に破線で示す経路)を通過して、給紙部10、画像形成部20へ搬送される。
再搬送部50は、再搬送経路51と、複数組の再搬送ローラ52を有している。再搬送経路51は、ガイド部材35の後方において、上下方向に延び、給紙トレイ11の下面に沿って前後方向に延びている。再搬送経路51は、排紙ユニット60、中間搬送ローラ41から下方に搬送されたシートPを本体筐体2の前方へと搬送し、給紙部10へと案内する。各再搬送ローラ52は、所定間隔を隔てて、再搬送経路51上に回転可能に設けられている。再搬送ローラ52は、シートPに接触しつつ回転駆動することで、シートPを本体筐体2の前方へ搬送する。
図3は、プリンタ1の電気的構成を示した図である。プリンタ1の制御部101は、CPU103と、ROM105と、RAM107と、ASIC108と、第1カウンタ109と、第2カウンタ110等を有する。制御部101は、ROM105に記憶されている各種のプログラムをCPU103で実行することによってプリンタ1の各部を制御する。あるいは、制御部101は、ASIC108によるハード処理を実行することによって、プリンタ1の各部を制御する。ここでいう各部とは、上記した画像形成部20、定着部30等である。ROM105には、制御プログラムや各種のデータなどが記憶されている。例えば、ROM105には、後述する第1枚数CT1や位置補正テーブルTB1(図8参照)などのデータが記憶されている。RAM107は、CPU103が各種の処理を実行する際の作業用のメモリとして用いられる。第1カウンタ109は、トナー供給を実行してからの印刷を実行したシートPの印刷枚数の計測に使用され、シートPの第1面を印刷すると1枚と計測し、シートPの第2面を印刷しても1枚と印刷枚数が増加する。また、第2カウンタ110は、両面印刷を実行したシートPの累積の印刷枚数の計測に使用され、第1面と第2面とを印刷したシートPの枚数を1枚とし、印刷枚数が増加する。なお、第1カウンタ109及び第2カウンタ110は、CPU103において所定のプログラムを実行することでソフトウェアによって実現してもよく、あるいはハードウェアによって実現してもよい。
また、プリンタ1は、本体筐体2の後方側の側壁の内側に温度センサ111が設けられている(図1参照)。温度センサ111は、本体筐体2内の温度を検出し、検出値を制御部101に出力する。また、プリンタ1は、各種の情報を表示する表示部113を有する。表示部113は、例えば、静電容量方式のタッチパネルと、液晶表示式の表示パネルを厚さ方向に重ねた構成であり、タッチパネル上に表示された操作キーを押圧操作することで、各種の入力操作を行うことが可能な構成となっている。制御部101は、ユーザからの表示部113のタッチパネルに対する操作指示の内容に応じて、表示パネルの表示内容を変更したり、コピー機能やFAX機能を実現したりする。また、プリンタ1は、ネットワークと接続された外部インターフェース115を有している。プリンタ1は、外部インターフェース115を介してネットワークに接続された外部PCと、印刷ジョブ等のデータを送受信する。
次に、両面印刷処理の制御内容について説明する。制御部101は、上記した用紙搬送部40、再搬送部50、及び排紙ユニット60により、第1面(表面)に画像が形成されたシートPをスイッチバック搬送することで、両面印刷を実行する。詳述すると、制御部101は、まず、給紙部10により、給紙トレイ11からシートPを給紙させ、画像形成部20へと搬送させる。この時、シートPの第1面(表面)は、画像形成部20と対向する。制御部101は、ベルトユニット26上を後方へ向かってシートPを搬送させ、各画像形成ユニット22の感光体ドラム23に形成されたトナー像98をシートPに転写させる。制御部101は、トナー像98を転写したシートPを定着部30へ搬送させ、定着部30によってトナー像98をシートPに熱定着させる。制御部101は、定着部30を通過したシートPを、用紙搬送部40により、用紙搬送路45に沿って上方へ搬送させ、排紙ユニット60まで搬送させる。なお、片面印刷の場合、即ち、シートPの第1面にのみ画像を形成する場合、シートPは、排紙ユニット60まで搬送された段階で、排紙ユニット60により、排紙口4を介して排紙トレイ3上へ排出される。
次に、制御部101は、シートPの第2面への画像形成に際し、排紙ユニット60等を含む用紙搬送部40により、シートPを、再搬送部50へ搬送させる。その後、制御部101は、再搬送部50により、再搬送経路51を経由して給紙部10へシートPを搬送させる。シートPが画像形成部20へ到達すると、シートPの第1面は、搬送ベルト28に面し、第1面の裏側に位置する第2面は、各画像形成ユニット22に面する。その後、制御部101は、第1面と同様に、画像形成部20、定着部30によって第2面に画像を形成させることで、シートPの表面、裏面の何れにも画像を形成する両面印刷を行う。
また、本実施形態の制御部101は、両面印刷の印刷方式として21方式(第1方式印刷処理の一例)と、2413方式(第2方式印刷処理の一例)との2種類の印刷方式を実行可能となっている。制御部101は、例えば、ユーザにより21方式の印刷方式を設定された印刷ジョブを実行すると、シートPの一方の面に2ページ目の画像を印刷させた後、そのシートPを反転させて他方の面に1ページ目の画像を印刷させる処理を、シートPごとに繰り返す。なお、この印刷ジョブは、例えば、外部インターフェース115を介して外部PCから受信される。あるいは、印刷ジョブは、ユーザにより表示部113のタッチパネルが操作され、コピー機能等が実行されることで入力される。
また、制御部101は、ユーザにより2413方式の印刷方式を設定された印刷ジョブを実行すると、2枚のシートPを連続してベルトユニット26等によって搬送させ、1枚目のシートPに2ページ目の画像を印刷させた後、2枚目のシートPに4ページ目の画像を印刷させる。また、制御部101は、2枚のシートPを反転させ、1枚目のシートPの裏面に1ページ目の画像を、2枚目のシートPの裏面に3ページ目の画像を順に印刷させる処理を繰り返す。
次に、両面印刷の処理動作について図4〜図11を参照しつつ説明する。本実施形態のプリンタ1では、両面印刷が設定された印刷ジョブを実行する際に、トナー回収部91が有するクリーニングブレード93の鳴き現象等を防止するため、トナー回収部91にトナーを供給する処理を実行する。
まず、制御部101は、図4に示すステップ(以下、単に「S」と表記する)11において、例えば、外部インターフェース115を介して両面印刷の設定がなされた印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブの内容に従って印刷処理を開始する。制御部101は、ROM105に記憶されているプログラムを実行し、図4〜図6に示すフローチャートに従った処理を開始する。また、制御部101は、両面印刷の開始にともなって、第2カウンタ110(図3参照)をリセットする(S11)。なお、制御部101が実行する印刷ジョブは、1個の印刷ジョブでもよく、連続した複数の印刷ジョブでもよい。ここでいう連続した複数の印刷ジョブとは、例えば、両面印刷を開始し搬送ベルト28や感光体ドラム23の回転が停止することなく、あるいは所定時間以上停止することなく連続して駆動されている間に、実行される複数の印刷ジョブをいう。この場合、第2カウンタ110は、連続した印刷ジョブで印刷される印刷枚数の合計をカウントする。また、この連続した印刷ジョブの中には、両面印刷の印刷ジョブだけでなく、片面印刷の印刷ジョブを含んでいてもよい。
次に、制御部101は、印刷ジョブに基づいて、1枚目のシートPに対する両面印刷を実行させる(S13)。制御部101は、シートPに対する両面印刷を完了させると、第1カウンタ109を2つカウントアップさせ、第2カウンタ110を1つカウントアップさせる(S17)。なお、S13において、2413方式の印刷を実行し、2枚のシートPをまとめて印刷した場合には、制御部101は、S17において、第1カウンタ109を4つカウントアップさせ、第2カウンタ110を2つカウントアップさせる。
次に、制御部101は、ROM105から第1枚数CT1を読み出し、両面印刷の処理を開始してからの第1カウンタ109のカウント値、即ち、両面印刷の印刷枚数が第1枚数CT1以上であるか否かを判断する(S19)。この第1枚数CT1は、クリーニングブレード93の鳴き等を防止するために、トナー供給が必要となる印刷枚数の間隔に応じた値が設定される。つまり、制御部101は、第1枚数CT1だけ印刷するごとに、後述するトナー供給(S29)を実行する。制御部101は、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1以上であると判断することに応じて(S19:YES)、S21以降の処理を実行し、クリーニングブレード93へのトナーの供給を実行する。
なお、制御部101は、印刷枚数をカウントすることで、トナー供給のタイミングを設定しているが、トナー供給のタイミングを設定する方法はこれに限らない。例えば、制御部101は、両面印刷を開始してからの感光体ドラム23の回転数に基づいて、トナー供給のタイミングを設定してもよい。あるいは、制御部101は、両面印刷を開始してからの経過時間に基づいて、トナー供給のタイミングを設定してもよい。あるいは、制御部101は、両面印刷の実行にともなって帯電器24へ電力の供給が開始されてからの経過時間に基づいて、トナー供給のタイミングを設定してもよい。
S19において、制御部101は、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1よりも少ないと判断することに応じて(S19:NO)、他に実行すべき両面印刷の印刷ジョブがあるか否かを判断する(S23)。制御部101は、他に実行すべき印刷ジョブがないと判断することに応じて(S23:YES)、処理を終了する。また、制御部101は、他に実行すべき印刷ジョブがあると判断することに応じて(S23:NO)、S13からの処理を再度実行し、両面印刷を継続する。
また、S19において、制御部101は、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1以上であると判断することに応じて(S19:YES)、印刷枚数の累積を示す第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2以上であるか否かを判断する(S21)。この第2枚数CT2は、クリーニングブレード93の飽和温度に応じて設定される印刷枚数である。詳述すると、両面印刷を開始し、定着部30、帯電器24及び感光体ドラム23等の各機器を駆動すると、プリンタ1の本体筐体2内の温度は上昇する。本体筐体2内の温度上昇にともなって、クリーニングブレード93の温度も上昇する。クリーニングブレード93は、温度上昇に伴いスティックスリップが発生し、鳴き現象やめくれが発生し易くなる。すなわち、クリーニングブレード93の鳴き現象等は、本体筐体2内の温度上昇に伴い発生し易くなる。
一方、本体筐体2内の温度は、プリンタ1を設置した室内の温度が一定であれば、印刷動作を所定時間(例えば、2時間)だけ継続すると、一定温度に達して飽和すると考えられる。このため、クリーニングブレード93の温度は、印刷動作を所定時間だけ継続すると、本体筐体2内の温度が飽和するのに応じて、一定温度に達して飽和する。従って、クリーニングブレード93の温度は、所定の印刷枚数に達するまでは上昇するが、所定枚数を超えると、上昇し難くなると考えられる。そこで、本実施形態のプリンタ1では、この本体筐体2内の温度が飽和する印刷枚数を、第2枚数CT2として設定している。後述するように、制御部101は、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2以下である間は(S21:YES)、クリーニングブレード93に供給するトナー供給量を変更し(S24)、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2よりも多くなると判断することに応じて(S21:NO)、クリーニングブレード93の温度が一定温度に飽和したと仮定して供給量を一定量に固定する(S27)。これにより、制御部101は、トナーが過剰に消費されるのを防止することが可能となっている。
制御部101は、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2よりも少ないと判断することに応じて(S21:YES)、トナー供給量を設定するトナー供給量設定処理を実行する(S24)。図6は、トナー供給量設定処理の処理内容を示している。トナー供給量設定処理を開始すると、制御部101は、S41において、基準となるトナー供給量(以下、「基準トナー量」という)TNをROM105から読み出す。本実施形態の制御部101は、感光体ドラム23の表面における単位面積あたりに供給するトナー供給量を一定量に固定しつつ、トナー像98を担持させる副走査方向の幅L(図7参照)を変更することで、現像ローラ85から感光体ドラム23を介してトナー回収部91へ供給するトナー供給量を変更する。
図7は、トナー回収部91が備えるクリーニングブレード93の先端93Aが、感光体ドラム23の表面に接触する部分を模式的に示している。制御部101は、スキャナユニット21から出射されるレーザ光を制御し、感光体ドラム23の表面に形成される静電潜像の副走査線方向の幅Lを変更する。これにより、現像カートリッジ25によって現像される感光体ドラム23の表面のトナー像98の副走査方向の幅Lが変更される。その結果、トナー回収部91へ供給されるトナー供給量が変更される。
本実施形態において、基準トナー量TNは、例えば、副走査方向の幅Lを5mmとする設定値である。制御部101は、トナー供給を行う場合、副走査方向の幅を一定の幅Lとし、主走査方向に沿った領域の全体を露光し静電潜像を形成する。このため、図7に示すように、トナー回収部91へ供給するトナー像98は、主走査方向及び副走査方向に沿って感光体ドラム23の表面全体に形成されている。基準トナー量TNとして「5mm」を設定した場合、副走査方向の幅Lを5mmとし、主走査方向に沿った領域にトナー像98が形成される。なお、図7に示すトナー像98の形状は、一例であり、副走査方向及び主走査方向に沿って感光体ドラム23の表面全体に形成する必要はなく、他の形状、例えば、主走査方向に長い楕円形状でもよい。
図6のフローチャートに戻り、次のS43において、制御部101は、図8に示す位置補正テーブルTB1をROM105から読み出し、補正値A1の補正量を設定する。ここで、図1に示すように、4つ画像形成ユニット22は、シートPの搬送方向の上流から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各々のトナー色に対応している。4つ画像形成ユニット22のうち、ブラックに対応する画像形成ユニット22Kは、最も下流(プリンタ1の前方側)となり、定着部30に最も近くなるため、定着部30で発生する熱の影響を受け易い。従って、画像形成ユニット22Kに対応するトナー回収部91のクリーニングブレード93は、他のトナー回収部91のクリーニングブレード93に比べて、温度上昇し易くなると考えられる。そこで、図8に示す位置補正テーブルB1では、最も下流に位置するブラックに対応する画像形成ユニット22Kのトナー供給量を、最も多くしている。補正値A1は、ブラックに対応するものを、「2mm」と最も大きい値が設定されている。この場合、制御部101は、後述する図6のS51において、トナー像98の副走査方向の幅L(図7参照)として、基準トナー量TNの「5mm」に補正値A1「2mm」を加算した「7mm」を設定し、画像形成ユニット22Kからトナー回収部91へ供給するトナー供給量を変更する。なお、図8に示す位置補正テーブルTB1の補正値A1の値は、一例であり、画像形成ユニット22の位置等に応じて適宜変更してもよい。
また、ブラック以外の他の3色(イエロー等)に対応する画像形成ユニット22Y,22M,22Cは、定着部30から一定の距離だけ離れているため、定着部30で発生する熱の影響は少ないと考えられる。一方で、両面印刷時には、定着部30によって熱を付与され片面の印刷を終えたシートPは、再度、各画像形成ユニット22の位置へ搬入される。この場合、複数の画像形成ユニット22のうち、最も上流に位置するイエローに対応する画像形成ユニット22Yの感光体ドラム23は、熱を付与されたシートPと最初に接触することとなる。このため、画像形成ユニット22Yの感光体ドラム23は、温度が高くなる可能性がある。逆に、感光体ドラム23は、下流側に行けばいくほど、上流の感光体ドラム23によってシートPの熱量が奪われるため、温度が低くなると考えられる。そこで、位置補正テーブルTB1の補正値A1は、上流から下流に向かって順に、画像形成ユニット22Y「1mm」、画像形成ユニット22M「0.5mm」、画像形成ユニット22C「0.2mm」と補正量が小さくなるように設定されている。制御部101は、S43において、位置補正テーブルTB1に基づいて、画像形成ユニット22の位置に応じた補正値A1を、各画像形成ユニット22の各々に対する補正値として設定する。
次に、制御部101は、図6のS45において、図9に示すシートサイズ補正テーブルTB2をROM105から読み出し、補正値A2の補正量を設定する。ここで、シートPは、サイズが大きくなるほど、印刷面積も大きくなり、定着部30から付与される熱量の総量が増大すると考えられる。このため、片面を印刷した後のシートPが、再度、感光体ドラム23と接触する際に、シートPから感光体ドラム23へ伝わる熱量は、シートPのサイズが大きくなるほど、増大する。そこで、シートサイズ補正テーブルTB2の補正値A2は、シートPのサイズが大きくなるのに合わせて、補正量が多くなるように設定されている。補正値A2は、シートPのサイズの大きいものから順に、A3「0.9mm」、A4「0.5mm」、A5「0.2mm」となっている。制御部101は、印刷ジョブに設定されたシートPのサイズに基づいて、シートサイズ補正テーブルTB2の対応する補正値A2を検索し、補正値A2の補正量を設定する。なお、図9に示す位置補正テーブルTB1のシートPのサイズや補正値A2の値は、一例であり、他のサイズや補正値を設定してもよい。
次に、制御部101は、図6のS47において、図10に示す坪量補正テーブルTB3をROM105から読み出し、補正値A3の補正量を設定する。ここでいう「坪量」とは、シートPの1平米(m2)あたりの重さをいう。シートPは、坪量が増大すると、シートPの熱容量が大きくなる傾向にある。ここで、本実施形態のプリンタ1のような電子写真方式の画像形成装置では、トナーを溶融させるための熱量とシートPに吸熱される熱量とを考慮して、トナー像98をシートPに適切に定着させるための熱量を付与している。また、シートPに吸熱される熱量を考慮して、シートPの坪量が増大するほど、定着部30からシートPに付与する熱量を増大させる。その結果、シートPは、坪量が大きいシートPほど1枚で多くの熱を蓄えており、両面印刷の2回目の印刷時において、シートPが感光体ドラム23と接触する際に、シートPから感光体ドラム23に伝わる熱量、ひいては、クリーニングブレード93に伝わる熱量が増大すると考えられる。そこで、坪量補正テーブルTB3の補正値A3は、坪量が多いほど、補正量が多くなるように設定されている。
図10に示すように、坪量の少ないシートPに対応する補正値A3は、「0mm」となっている。また、坪量の多いシートPに対応する補正値A3は、「0.3mm」となっている。また、より坪量の多いシートPに対応する補正値A3は、「0.7mm」となっている。制御部101は、印刷ジョブに設定されたシートPの坪量に基づいて、坪量補正テーブルTB3の対応する補正値A3を検索し、補正値A3の補正量を設定する。
次に、制御部101は、図6のS49において、図11に示す両面印刷実施枚数補正テーブルTB4をROM105から読み出し、補正値A4の補正量を設定する。クリーニングブレード93の温度は、両面印刷のシートPの印刷枚数が増加するほど上昇する。そこで、制御部101は、連続して印刷するシートPの枚数、即ち、累積の印刷枚数を示す第2カウンタ110のカウント値が増加するのに応じて、トナー供給量を増大させる。両面印刷実施枚数補正テーブルTB4の補正値A4は、第2カウンタ110のカウント値(連続印刷枚数)が5枚だけ増加するごとに、一定量「0.1mm」だけトナー供給量を増大させる補正値が設定されている。制御部101は、第2カウンタ110のカウント値に基づいて、両面印刷実施枚数補正テーブルTB4を検索し、補正値A4の補正値を設定する。
なお、本実施形態の制御部101は、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2よりも多くなるまでの間(図4のS21:YES)、後述するように、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1以上になるごとに(図5のS35:NO)、トナー供給量設定処理を実行する(S24)。換言すれば、トナー供給量設定処理(S24)は、第1枚数CT1だけ印刷しなければ実行されない。
次に、制御部101は、上記したS43、S45、S47、S49において設定した補正値A1〜A4の補正量を基準トナー量TNに加算し、トナー供給量を算出する(図6のS51)。制御部101は、S51において、各色に対応する画像形成ユニット22(感光体ドラム23)ごとに、トナー供給量を算出する。制御部101は、算出した感光体ドラム23ごとのトナー供給量を、RAM107に記憶させ(S53)、トナー供給量設定処理を終了する。例えば、一例として、トナー色が「イエロー(最上流)」、シートサイズが「A4」、坪量が「多い」、第2カウンタ110のカウント値が「5」の場合に算出されるトナー供給量は、基準トナー量TN「5mm」に、補正値A1(イエロー:1mm)、補正値A2(A4:0.5mm)、補正値A3(多い:0.3mm)、補正値A4(5枚:0.1mm)を加算した「6.9mm」となる。
図4に戻り、制御部101は、S24のトナー供給量設定処理を実行した後、図5のS25において、次に実行すべき印刷ジョブが2413方式の印刷処理であるか否かを判断する。ここで、21方式の印刷処理では、シートPの表面にトナー像98を転写した後、定着部30により熱を付与されたシートPの裏面にトナー像98を転写し、その次には、別のシートPの表面にトナー像98を転写する処理動作となる。このため、感光体ドラム23は、2回に1回の転写動作で、熱を付与されたシートPと接触することとなる。一方、2413方式の印刷処理では、感光体ドラム23は、定着部30を通過し熱を付与された2枚のシートPと連続して接触することとなるため、21方式の印刷処理に比べて温度が上昇する可能性が高い。そこで、本実施形態の制御部101は、印刷方式として2413方式を選択した印刷ジョブを実行する場合には、21方式の印刷処理に比べてトナー供給量を増大させる。
制御部101は、次に実行すべき印刷ジョブが2413方式であると判断することに応じて(S25:YES)、S24で設定したトナー供給量(幅L)を、例えば、さらに「0.4mm」だけ増大させる(S28)。制御部101は、増大させた後のトナー供給量に基づいて、トナーの供給を実行する(S29)。
一方、制御部101は、S25において、次に実行すべき印刷ジョブが2413方式でない、即ち、21方式と判断することに応じて(S25:NO)、S24で設定したトナー供給量を変更せずにトナーの供給を実行する(S29)。
また、制御部101は、S21において、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2よりも多くなると判断することに応じて(S21:NO)、上記したようにクリーニングブレード93の温度が一定温度に飽和したと仮定して供給量を一定量に固定し(S27)、トナーの供給を実行する(S29)。S27において、制御部101は、例えば、トナー供給量(副走査方向の幅L)を、9mmに設定する。
S29において、制御部101は、設定したトナー供給量(副走査方向の幅L)に基づいてスキャナユニット21を制御し、各色に対応する感光体ドラム23の表面に、それぞれの感光体ドラム23に対して設定した幅Lに応じた静電潜像を形成させる。制御部101は、感光体ドラム23を回転させ、現像ローラ85から感光体ドラム23へトナーを供給させ、トナー像98を形成させる。制御部101は、転写ローラ29に転写バイアスを印加させずに感光体ドラム23を回転させ、トナー像98をクリーニングブレード93によって回収させることで、所望のトナー供給量のトナーを、トナー回収部91に供給することが可能となる。また、制御部101は、S29において、トナー供給を実行したため、第1カウンタ109のカウント値をリセットする。
次に、制御部101は、印刷ジョブに基づいて、21方式の印刷であれば1枚のシートP、2413方式であれば2枚のシートPに対する両面印刷を実行させる(S31)。制御部101は、シートPに対する両面印刷を完了させると、21方式の印刷であれば1枚のシートPの両面印刷を完了させるごとに、第1カウンタ109を2つカウントアップさせ、第2カウンタ110を1つカウントアップさせる。また、制御部101は、2413方式であれば2枚のシートPの両面印刷を完了させるごとに、第1カウンタ109を4つカウントアップさせ、第2カウンタ110を2つカウントアップさせる(S33)。
次に、制御部101は、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1よりも小さいか否かを判断する(S35)。制御部101は、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1以上であると判断することに応じて(S35:NO)、S21からの処理を、再度実行する。
また、制御部101は、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1よりも少ないと判断することに応じて(S35:YES)、他に実行すべき両面印刷の印刷ジョブがあるか否かを判断する(S37)。制御部101は、他に実行すべき印刷ジョブがないと判断することに応じて(S37:YES)、処理を終了する。また、制御部101は、他に実行すべき印刷ジョブがあると判断することに応じて(S37:NO)、S31からの処理を再度実行し、両面印刷を継続する。
因みに、給紙部10は、第1搬送部の一例である。画像形成ユニット22は、現像部の一例である。感光体ドラム23は、感光体の一例である。転写ローラ29は、転写部の一例である。用紙搬送部40は、第2搬送部の一例である。再搬送部50は、反転搬送部の一例である。クリーニングブレード93は、ブレードの一例である。トナー像98は、現像剤像の一例である。S13及びS31の処理は、第1面印刷処理、反転搬送処理、及び第2面印刷処理の一例である。S24の処理は、供給量増大処理の一例である。S29の処理は、供給処理の一例である。S27の処理は、第1固定処理の一例である。
上記した実施形態では、以下の効果を奏する。
プリンタ1の制御部101は、両面印刷の印刷枚数をカウントする第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1以上になるごとに(S35:NO)、トナー供給量設定処理を実行し(S24)、トナー供給量を増大等させる。これにより、本実施形態のプリンタ1では、両面印刷の印刷枚数が増大し、クリーニングブレード93の温度が上昇するのに合わせてトナー供給量を増大させ、クリーニングブレード93によって回収されるトナー量を増大させることで、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することができる。また、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することで、スティックスリップにともなうクリーニングブレード93の鳴き現象等の発生を抑制することが可能となっている。
制御部101は、トナー供給量を変更する制御として、感光体ドラム23の表面における単位面積あたりに供給するトナー供給量を一定量に固定しつつ、トナー像98を担持させる副走査方向の幅Lを変更することで、トナー供給量を変更可能となっている。
制御部101は、S21において、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2よりも多くなることに応じて(S21:NO)、クリーニングブレード93の温度が一定温度に飽和したと仮定して供給量を一定量(9mm)に固定し(S27)、トナー供給を実行する(S29)。これにより、クリーニングブレード93に対するトナー供給において、トナーが過剰に消費されるのを防止することが可能となっている。
制御部101は、図6のS45において、図9に示すシートサイズ補正テーブルTB2に基づいて補正値A2の補正量を設定する。シートサイズ補正テーブルTB2の補正値A2は、シートPのサイズが大きくなるのに合わせて、補正量が多くなるように設定されている。これにより、制御部101は、シートサイズ補正テーブルTB2に基づいて、シートPのサイズに応じてトナー供給量を補正することで、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することができる。また、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することで、ブレードの鳴き現象等の発生をより適切に抑制することが可能となっている。
制御部101は、S47において、図10に示す坪量補正テーブルTB3に基づいて補正値A3の補正量を設定する。坪量補正テーブルTB3の補正値A3は、シートPの坪量が多くなるのほど、補正量が多くなるように設定されている。これにより、制御部101は、坪量補正テーブルTB3に基づいて、坪量に応じてトナー供給量を補正することで、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することができる。また、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することで、ブレードの鳴き現象等の発生をより適切に抑制することが可能となっている。
制御部101は、S49において、図11に示す両面印刷実施枚数補正テーブルTB4に基づいて補正値A4の補正量を設定する。両面印刷実施枚数補正テーブルTB4の補正値A4は、第2カウンタ110のカウント値(連続印刷枚数)が5枚だけ増加するごとに、一定量「0.1mm」だけトナー供給量を増大させる補正値が設定されている。これにより、制御部101は、両面印刷実施枚数補正テーブルTB4に基づいて、連続して両面印刷するシートPの印刷枚数応じてトナー供給量を補正することで、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することができる。また、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することで、ブレードの鳴き現象等の発生をより適切に抑制することが可能となっている。
制御部101は、図5のS25において、次に実行すべき印刷ジョブが2413方式である場合(S25:YES)、21方式である場合(S25:NO)よりも、S24で設定したトナー供給量(幅L)をさらに増大させる(S28)。これにより、制御部101は、2413方式の印刷処理におけるトナー供給量を、21方式の場合に比べて増大させることで、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することができる。また、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することで、ブレードの鳴き現象等の発生をより適切に抑制することが可能となっている。
図8に示す位置補正テーブルTB1の補正値A1は、シートPの搬送方向の上流から下流に向かって順に、画像形成ユニット22Y「1mm」、画像形成ユニット22M「0.5mm」、画像形成ユニット22C「0.2mm」と補正量が小さくなるように設定されている。制御部101は、位置補正テーブルTB1に基づいて、搬送方向に並ぶ各画像形成ユニット22の感光体ドラム23の位置に応じてトナー供給量を補正することで、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することができる。また、感光体ドラム23とクリーニングブレード93との間の摩擦抵抗を低減することで、ブレードの鳴き現象等の発生をより適切に抑制することが可能となっている。
次に、本発明に係る画像形成装置を具体化した第2実施形態について説明する。なお、以下の説明では、上記した第1実施形態と同様の構成にいては同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図12及び図13に示すフローチャートは、第2実施形態における両面印刷処理及びトナー供給処理の処理内容を示している。第1実施形態では、トナー供給量の変更方法として、副走査方向の幅Lを大きくすることでトナー供給量を増大させた。第2実施形態では、トナー供給のタイミングを決定する第1枚数CT1の値を減らし、トナー供給を実行する頻度を増やすことで、トナー供給量を増大させる。
詳述すると、図13に示すように、制御部101は、両面印刷の処理が終了するまでの間(S37:NO)、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1以上となるごとに(S35:NO)、トナー供給量処理(S29)を実行する。このため、第1枚数CT1を減らすことで、感光体ドラム23の所定回転数あたりにトナー供給処理(S29)を実行する回数を増加させることができ、結果としてトナー供給量を増大させることが可能となる。
なお、制御部101は、画像形成ユニット22ごとに異なる頻度でトナー供給処理を実行するため、例えば、図12及び図13に示すフローチャートの処理を、各色の画像形成ユニット22ごとに実行し、並列に処理する。また、当該並列処理において、制御部101は、4つの画像形成ユニット22のうち、少なくとも一つの画像形成ユニット22において、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1以上となり(S35:NO)、トナー供給処理(S29)を実行する場合、トナー供給処理が終了するまでの間は、他の画像形成ユニット22における印刷処理(S13,S31)の開始を待機状態とする制御を行う。そして、すべての画像形成ユニット22におけるトナー供給処理(S29)が終了すると、制御部101は、各画像形成ユニット22を駆動して印刷処理を実行する。
まず、制御部101は、図12のS21において、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2以上であるか否かを判断する。制御部101は、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2よりも少ないと判断することに応じて(S21:YES)、トナー供給を実行する頻度(以下、「トナー供給頻度」という場合がある)を設定するトナー供給頻度設定処理を実行する(S61)。このトナー供給頻度設定処理では、第1実施形態におけるトナー供給量設定処理(図6参照)と同様に、各テーブル(図14〜図17参照)を使用してトナー供給頻度を変更する。なお、トナー供給頻度設定処理は、基準となる値(第1実施形態における基準トナー量TN)及び使用するテーブルが、上記第1実施形態と異なるが、処理手順は図6に示すトナー供給量設定処理と同様であるため、その説明を及びフローチャートの図示を省略する。
トナー供給頻度設定処理を開始すると、制御部101は、基準となるトナー供給頻度をROM105から読み出す。基準となるトナー供給頻度は、例えば、「50枚」である。この場合、制御部101は、第1枚数CT1のデフォルト値として50枚を設定し、50枚印刷するごとにトナー供給(S29)を実行する。
制御部101は、例えば、図14に示す位置補正テーブルTB6をROM105から読み出し、補正値A6の補正量を設定する。位置補正テーブルTB6の補正値A6は、図8に示す位置補正テーブルTB1と同様に、シートPの搬送方向の最も下流に位置するブラックに対応する画像形成ユニット22Kのトナー供給量を最も多くするため、頻度の下げ幅として最も大きい値「−10枚」が設定されている。
また、位置補正テーブルTB6の補正値A6は、位置補正テーブルTB1と同様に、上流から下流に向かって各画像形成ユニット22のトナー供給量が増大するように、画像形成ユニット22Y「−5枚」、画像形成ユニット22M「−2枚」、画像形成ユニット22C「0枚」と、頻度の下げ幅が順番に小さくなっている。なお、上記したように制御部101は、図12及び図13に示すフローチャートの処理を、画像形成ユニット22ごとに実行し、並列処理する。このため、基準となるトナー供給頻度(例えば、50枚)を位置補正テーブルTB6の4つの補正値A6の各々で減算した値を、画像形成ユニット22ごとの基準となるトナー供給頻度として予め設定してもよい。この場合、制御部101は、トナー供給頻度設定処理(S61)を実行するごとに、位置補正テーブルTB6を用いて補正する処理が不要となる。
また、制御部101は、トナー供給頻度設定処理において、図15〜図17に示す各テーブル(シートサイズ補正テーブルTB7など)を用いて、トナー供給頻度を補正する。図15に示すシートサイズ補正テーブルTB7は、図9に示すシートサイズ補正テーブルTB2と同様に、シートPのサイズが大きくなるのに合わせて、トナー供給頻度を短くして感光体ドラム23の所定回転数あたりのトナー供給量が増大するように補正値A7が設定されている。補正値A7は、シートPのサイズの大きいものから順に、A3「−2枚」、A4「−1枚」、A5「0枚」となっている。
また、図16に示す坪量補正テーブルTB8は、図10に示す坪量補正テーブルTB3と同様に、シートPの坪量が多くなるほど、トナー供給頻度を短くして感光体ドラム23の所定回転数あたりのトナー供給量が増大するように補正値A8が設定されている。坪量の少ないシートPに対応する補正値A8は、「0枚」となっている。また、坪量の多いシートPに対応する補正値A8は、「−3枚」となっている。また、より坪量の多いシートPに対応する補正値A8は、「−5枚」となっている。
また、図17に示す両面印刷実施枚数補正テーブルTB9は、図11に示す両面印刷実施枚数補正テーブルTB4と同様に、連続印刷枚数が増加するほど、トナー供給頻度を短くして感光体ドラム23の所定回転数あたりのトナー供給量が増大するように補正値A9が設定されている。補正値A9は、第2カウンタ110のカウント値(連続印刷枚数)が5枚だけ増加するごとに、一定量「1枚」だけ第1枚数CT1を減らし、トナー供給頻度を短くする補正値が設定されている。
そして、制御部101は、上記した各テーブル(位置補正テーブルTB6など)に基づいて設定した補正量を、基準となるトナー供給頻度(50枚)から減算し、減算結果の値を第1枚数CT1として設定する。これにより、トナー供給処理(S29)の実行頻度が変更される。
図12に戻り、制御部101は、S61のトナー供給頻度設定処理を実行した後、図13のS25において、次に実行すべき印刷ジョブが2413方式の印刷処理であるか否かを判断する。制御部101は、上記第1実施形態と同様に、次に実行すべき印刷ジョブが2413方式であると判断することに応じて(S25:YES)、さらに第1枚数CT1を「1」だけ減少させることで(S63)、S61で設定したトナー供給頻度を短くする。
次に、制御部101は、トナー供給処理を実行する(S29)。制御部101は、上記第1実施形態とは異なり副走査方向の幅Lを変更しないため、S29が実行されるごとに、一定のトナー供給量でトナー供給処理を実行する。つまり、制御部101は、トナー供給量を固定しつつ、トナー供給頻度を変更することで、感光体ドラム23の所定回転数あたりのトナー供給量を増大させる。
また、制御部101は、図12のS21において、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2よりも多くなると判断することに応じて(S21:NO)、第1実施形態と同様に、クリーニングブレード93の温度が一定温度に飽和したと仮定して供給頻度を一定値(30枚)に固定する(S65、第2固定処理の一例)。これにより、制御部101は、トナー供給頻度を固定した後は、全ての印刷処理が終了するまで、30枚ごとにトナー供給処理(S29)を実行する。
また、制御部101は、図13のS29を実行した後、印刷ジョブに基づいて両面印刷を実行し(S31)、第1カウンタ109及び第2カウンタ110をカウントアップする(S33)。
次に、制御部101は、第1カウンタ109のカウント値が、S61、S63及びS65で変更した第1枚数CT1よりも小さいか否かを判断する(S35)。制御部101は、第1カウンタ109のカウント値が第1枚数CT1以上であると判断することに応じて(S35:NO)、S21からの処理を、再度実行する。このような構成においても、制御部101は、第1枚数CT1の値、即ち、トナー供給頻度を変更することで、上記した第1実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
なお、上記したように、制御部101は、画像形成ユニット22ごとに異なる頻度でトナー供給処理(S29)を実行するため、4つの画像形成ユニット22のうち、少なくとも一つの画像形成ユニット22においてトナー供給処理(S29)を実行する場合、トナー供給処理が終了するまで他の画像形成ユニット22における印刷処理(S13、S31)の開始を待機状態とする。
また、上記第2実施形態では、トナー供給頻度を変更することで、感光体ドラム23の所定回転数あたりのトナー供給量を変更したが、第1実施形態の副走査方向の幅Lを変更する方法を併用し、幅Lと頻度の両方でトナー供給量を変更してもよい。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、第1実施形態では、制御部101は、トナー供給量の変更処理として、感光体ドラム23の表面における単位面積あたりに供給するトナー供給量を一定量に固定したが、これに限らず、単位面積あたりのトナー供給量を変更することで、トナー供給量の総量を変更してもよい。
また、上記第1実施形態において、制御部101は、第2カウンタ110のカウント値が第2枚数CT2よりも多くなることに応じて(S21:NO)、供給量を一定量に固定したが(S27)、これに限らない。制御部101は、例えば、上限を設けずに、印刷枚数の増加に応じてトナー供給量を増大させ続けてもよい。
また、上記各実施形態において、制御部101は、複数のテーブル(位置補正テーブルTB1やシートサイズ補正テーブルTB2など)を用いて、幅Lやトナー供給頻度を補正したが、少なくとも一つのテーブルを用いて補正処理を実行してもよい。例えば、各画像形成ユニット22のトナー供給量を、当該画像形成ユニット22の位置に係わらず、同一の量としてもよい。また、例えば、制御部101は、シートPのサイズに応じてトナー供給量を変更しなくともよい。
また、上記各実施形態において、制御部101は、21方式と2413方式とでトナー供給量に差異を設けたが、両方式のトナー供給量を同一としてもよい。
また、本願における第2印刷方式は、2413方式に限らず、例えば、3枚以上をまとめて両面印刷する方式でもよい。
また、上記各実施形態では、トナー供給処理(S29)において、現像ローラ85から感光体ドラム23の露光部分にトナーを供給したが、これに限らない。例えば、現像ローラ85から感光体ドラム23の未露光部分に移動する、いわゆるかぶりトナーを利用してトナー供給を実行してもよい。この場合、制御部101は、例えば、感光体ドラム23に印加する帯電バイアスと、現像ローラ85に印加する現像バイアスとの電位差を制御して、感光体ドラム23に供給するかぶりトナーの量を制御してもよい。そして、制御部101は、例えば、シートPの大きさに応じて電位差を変更しトナー供給量を変更してもよい。あるいは、制御部101は、例えば、シートPの大きさに応じてかぶりトナーを供給する供給頻度を変更してもよい。また、トナー供給方法として、上記した露光部分の方法と、未露光部分の方法との両方を組み合わせて利用してもよい。
また、上記各実施形態では、制御部101は、CPU103及びASIC108を備える構成であったが、制御部101の構成はこれに限定されない。例えば、制御部101は、複数のCPU103を備える構成でもよく、ASIC108のみを備える構成でもよい。 また、上記各実施形態に開示されている処理は、単一のCPU103、複数のCPU103、ASIC108、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、上記各実施形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
また、上記各実施形態では、本願の画像形成装置として複数の画像形成ユニット22を備えるカラーのプリンタ1を例に説明したが、これに限らず、本願における画像形成装置としてモノクロプリンタを適用してもよい。また、画像形成装置として、コピー機能、ファクシミリ機能が単独で、あるいは適宜の組み合わせにより実装される複合機に適用してもよい。
また、上記各実施形態では、シートPにトナー像98を直接転写する直接転写タンデム方式のプリンタ1を例示したが、本願はこれに限定されず、例えば、中間転写体又は中間搬送ベルトなどを介してトナー像98をシートPに転写する中間転写方式のプリンタにも適用することができる。