JP6507687B2 - 軌道輪 - Google Patents

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本発明は、軌道輪に関し、より詳細には、車両用軸受が有する軌道輪に関する。
一般に、ハブユニットと称される車両用軸受は、軌道輪としての外輪及び内軸を備えている。外輪は、筒状をなす。内軸は、外輪の内側に配置される。外輪の内周面及び内軸の外周面には、転動体が配置される軌道面が形成されている。外輪及び内軸は、それぞれ、外周面から径方向外方に突出するフランジを有する。
特許文献1には、ハブ輪と、フランジとを有する軌道輪が開示されている。特許文献1では、フランジを炭素繊維強化樹脂で構成することにより、軌道輪の軽量化を図っている。フランジは、ボルト等の締結部材が挿入される締結孔を有する。締結孔の内部には、略円筒状の金属製部材が配置されている。
特開2012−51383号公報
特許文献1に開示される軌道輪において、フランジをハブ輪に固定する際、例えば、ハブ輪をフランジに圧入する。しかしながら、フランジは、ハブ輪が圧入されることによって変形する。このため、特許文献1に開示される軌道輪では、締結孔の位置を維持することが難しい。
特許文献1では、フランジの製造段階、すなわちフランジをハブ輪に固定する前であっても、締結孔の位置精度を確保することは難しい。詳述すると、特許文献1では、炭素繊維強化樹脂によってフランジを成形した後、炭素繊維強化樹脂が成形型内で冷めていく過程で、残留応力がフランジに発生する。当該残留応力により、成形型をフランジから離した際にフランジが変形してしまう。その結果、フランジにおける締結孔の位置精度を維持することができなくなる。
そこで、本発明は、締結孔の位置精度を確保することができ、且つ軽量化が可能な軌道輪を提供することを課題とする。
本開示に係る軌道輪は、軌道部材と、フランジとを備える。軌道輪は、軌道面を有する。フランジは、締結部材が挿入される締結孔を有する。フランジは、軌道部材の外周面から軌道部材の径方向外方に突出する。フランジは、環状の金属板と、フランジ本体とを含む。金属板は、軌道部材と同軸に配置される。フランジ本体は、炭素繊維強化樹脂で構成される。フランジ本体は、金属板の表面に接着する。締結孔は、金属板及びフランジ本体を軌道部材の軸方向に貫通する。
本開示に係る軌道輪によれば、締結孔の位置精度を確保することができ、且つ軌道輪を軽量化することができる。
図1は、第1実施形態に係る車両用軸受の垂直断面図である。 図2は、図1に示す軸受の製造工程を示す図である。 図3は、図1に示す軸受の製造工程を示す図である。 図4は、第2実施形態に係る車両用軸受の垂直断面図である。
実施の形態に係る軌道輪は、軌道部材と、フランジとを備える。軌道輪は、軌道面を有する。フランジは、締結部材が挿入される締結孔を有する。フランジは、軌道部材の外周面から軌道部材の径方向外方に突出する。フランジは、環状の金属板と、フランジ本体とを含む。金属板は、軌道部材と同軸に配置される。フランジ本体は、炭素繊維強化樹脂で構成される。フランジ本体は、金属板の表面に接着する。締結孔は、金属板及びフランジ本体を軌道部材の軸方向に貫通する(第1の構成)。
第1の構成によれば、フランジ本体が炭素繊維強化樹脂で構成されている。このため、軌道輪を軽量化することができる。
第1の構成によれば、フランジ本体は、金属板によって補強されている。また、締結孔は、金属板を貫通するように設けられている。このため、締結孔の位置が金属板によって維持される。よって、例えば、フランジの製造段階やフランジを軌道部材に取り付ける段階等において、フランジの変形及び締結孔の位置ずれを防ぐことができる。結果として、締結孔の位置精度を確保することができる。
上記フランジは、さらに、金属製のカラーを含むことができる。カラーは、締結孔の内側において締結孔と同軸に配置されていてもよい。カラーは、金属板と一体的に形成されていてもよい(第2の構成)。
第2の構成によれば、締結孔内には、金属板と一体的に形成された金属製のカラーが設けられる。このため、締結孔の位置をより確実に維持することができる。よって、締結孔の位置精度を向上させることができる。
上記カラーは、締結孔の軸方向において、締結孔の一方端から他方端まで延びていてもよい(第3の構成)。
第3の構成によれば、締結孔の軸方向の全長にわたって、金属製のカラーが設けられる。このため、締結孔の位置を確実に維持することができる。よって、締結孔の位置精度をさらに向上させることができる。
上記金属板は、軌道部材の軸方向において、フランジの一方端に配置されていてもよい(第4の構成)。
第4の構成によれば、軌道部材の軸方向において、フランジの一方端に金属板を配置している。このため、軌道部材の軸方向において、フランジの一方面を金属板の一方面によって構成することができる。よって、軌道部材の軸方向におけるフランジの一方面において、面精度を確保することができる。
上記軌道部材は、筒状の内周部と、筒状の外周部とを含むことができる。内周部は、金属で構成され、内周面に軌道面を有していてもよい。外周部は、炭素繊維強化樹脂で構成され、内周部が挿入されていてもよい(第5の構成)。
第5の構成によれば、軌道部材の一部である外周部が炭素繊維強化樹脂で構成されている。このため、軌道輪をさらに軽量化することができる。一方、軌道面を有する内周部は、金属で構成されている。このため、軌道面に要求される耐高面圧及び耐摩耗性を確保することもできる。
<実施形態>
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。図中同一及び相当する構成については同一の符号を付し、同じ説明を繰り返さない。説明の便宜上、各図において、構成を簡略化又は模式化して示したり、一部の構成を省略して示したりする場合がある。
[第1実施形態]
(全体構成)
図1は、第1実施形態に係る車両用軸受10の垂直断面図である。図1における左右方向は、軸受10の軸方向である。図1に示す軸受10において、右端は車両への取付状態において車体に近い方の端、左端は車両への取付状態において車体から遠い方の端である。以後、軸受10において、車体により近い位置をインナ側、車体からより遠い位置をアウタ側と称する場合がある。
図1に示すように、軸受10は、外輪1と、内軸2と、複数の転動体3,4とを備える。外輪1及び内軸2は、軸受10の軌道輪である。
外輪1は、軌道部材11と、フランジ12とを備える。軌道部材11は、筒状をなす。フランジ12は、軌道部材11の外周面から軌道部材11の径方向外方に突出している。フランジ12には、懸架装置(図示略)が取り付けられる。
軌道部材11は、第1部分11aと、第2部分11bとを有する。第1部分11aは、軸受10の軸方向において、第2部分11bよりもアウタ側に配置される。第1部分11aは、内周部111と、外周部112と、軌道面113,114とを含む。
内周部111は、例えば鋼等の金属で構成される。内周部111は、筒状をなす。内周部111の内周面には、軌道面113,114が設けられている。軌道面113,114は、それぞれ、環状をなす。軌道面113は、軌道部材11の軸方向において、軌道面114よりもインナ側に配置される。
外周部112には、内周部111が挿入される。すなわち、外周部111の径方向内方には、内周部111が配置される。外周部112は、内周部111と同軸に配置される。外周部112の内周面の少なくとも一部は、内周部111の外周面に接している。外周部112の内周面の少なくとも一部は、内周部111の外周面に接着する。
軌道部材11の軸方向において、外周部112のアウタ側の端は、内周部111のアウタ側の端よりもアウタ側に配置されている。よって、軌道部材11の軸方向において、外周部112のアウタ側の端部の内周面は、内周部111のアウタ側の端部の外周面に接していない。ただし、軌道部材11の軸方向において、内周部111のアウタ側の端は、外周部112のアウタ側の端と同じ位置に配置されていてもよい。
軌道部材11の軸方向において、内周部111のインナ側の端部の外周面上には、後述するフランジ12の金属板121が配置されている。よって、内周部111のインナ側の端部の外周面には、外周部112が設けられていない。軌道部材11の軸方向において、内周部111のインナ側の端は、フランジ12のインナ側の面と同じ位置に配置されている。ただし、軌道部材11の軸方向において、内周部111のインナ側の端は、フランジ12のインナ側の面よりもインナ側に位置づけられていてもよい。
軌道部材11の軸方向において、第2部分11bは、第1部分11aよりもインナ側に配置される。軌道部材11の軸方向において、第2部分11bは、フランジ12よりもインナ側に配置されている。
第1部分11aの外周部112及び第2部分11bは、炭素繊維強化樹脂によって構成される。炭素繊維強化樹脂は、炭素繊維によって樹脂を強化した複合材料である。母材となる樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
外周部112及び第2部分11bは、例えば、炭素繊維プリプレグを用いて形成することができる。炭素繊維プリプレグは、炭素繊維に樹脂を含浸させてシート状に形成したものである。炭素繊維プリプレグを用いた外周部112及び第2部分11bの形成方法については、後述する。
フランジ12は、金属板121と、複数のカラー122と、複数の締結孔123と、フランジ本体124とを有する。
金属板121は、例えば、鋼又はアルミニウム等を用いて構成される。金属板121は、好ましくは鋼板で形成される。鋼板としては、例えば、冷間圧延鋼板(SPCC)、加工性熱間圧延高張力鋼板(SPFH)等が挙げられる。
金属板121は、軸受10の軸方向に対して略垂直に配置される。言い換えると、金属板121の厚さ方向は、軸受10の軸方向と実質的に一致している。金属板121は、軌道部材11の軸方向において、フランジ12の一方端に配置される。具体的には、金属板121は、軌道部材11の軸方向において、フランジ12のインナ側の端に配置されている。よって、軌道部材11の軸方向における金属板121のインナ側の面は、軌道部材11の軸方向におけるフランジ12のインナ側の面を構成している。
金属板121の表面は、フランジ12において、面精度が要求される表面を構成することが好ましい。例えば、軸受10の軸方向におけるフランジ12のインナ側の面には、懸架装置(図示略)が取り付けられるため、面精度が要求される。よって、軸受10の軸方向において、フランジ12のインナ側の端に金属板121を配置することが好ましい。これにより、フランジ12において、懸架装置の取付面を金属板121の表面によって構成することができる。
金属板121は、中央孔121aと、筒部121bと、複数の周辺孔121cとを含んでいる。
中央孔121aは、金属板121の径方向の中央部に設けられる。中央孔121aは、軸受10の軸方向に金属板121を貫通する貫通孔である。よって、金属板121は、実質的に環状をなす。金属板121は、軌道部材11と同軸に配置される。中央孔121aには、軌道部材11が挿入される。より詳しくは、内周部111のインナ側の端部が中央孔121a内に挿入される。
筒部121bは、中央孔121aの周縁部から、軸受10のアウタ側に延びている。筒部121bの内周面は、軌道部材11の外周面と接する。より詳細には、筒部121bの内周面は、内周部111の外周面に接している。
複数の周囲孔121cは、金属板121において、中央孔121aの周囲に配置されている。各周囲孔121cは、中央孔121aの径よりも小さい径を有する。各周囲孔121cは、フランジ12の各締結孔123に対応する位置に配置される。
複数のカラー122は、それぞれ、複数の周囲孔121cの周縁から、軸受10のアウタ側に延びる。各カラー122は、複数の周囲孔121cの周縁から筒部121bと同じ方向に延びている。すなわち、筒部121b及び各カラー122は、金属板121の同じ面に配置されている。軸受10の軸方向における各カラー122のインナ側の端は、金属板121と接続されている。
各カラー122は、金属板121と一体的に形成されている。各カラー122は、金属板121と同様の金属によって構成することができる。
各カラー122は、各締結孔123を画定する。各締結孔123は、金属板121及びフランジ本体124を軌道部材11の軸方向に貫通する貫通孔である。各締結孔123には、懸架装置(図示略)をフランジ12に取り付けるため、ボルト等の締結部材が挿入される。
各カラー122は、軌道部材11の軸方向において、各締結孔123のインナ側の端からアウタ側の端まで延びている。すなわち、軌道部材11の軸方向において、各カラー121の長さは、各締結孔123の長さと実質的に等しい。各カラー121の長さとは、軌道部材11の軸方向における各カラー121の内周面の長さをいう。
フランジ本体124は、金属板121の表面に接着する。フランジ本体124は、軸受10の軸方向における金属板121のアウタ側の面に接着している。フランジ本体124は、各カラー122の外周面にも接着する。フランジ本体124は、軸受10の軸方向における金属板121のアウタ側の面と、各カラー122の外周面とを覆う。フランジ本体124は、さらに、筒部121bの外周面を覆っている。フランジ本体124は、フランジ12において、金属板121によって構成される表面と反対の表面を構成する。すなわち、フランジ本体124は、軸受10の軸方向におけるフランジ12のアウタ側の面を構成する。
フランジ本体124は、軌道部材11の外周部112と同様に、炭素繊維強化樹脂によって構成される。フランジ本体124は、例えば、炭素繊維プリプレグを用いて形成することができる。フランジ本体124は、外周部112と一体的に形成されていてもよい。炭素繊維プリプレグを用いたフランジ本体124の形成方法については、後述する。
内軸2は、鋼等の金属で構成される。内軸2は、軌道部材21と、フランジ22とを備える。フランジ22には、ディスクホイール(図示略)やブレーキディスク(図示略)等が取り付けられる。
軌道部材21は、外輪1に挿入されている。より具体的には、軌道部材21は、外輪1が有する軌道部材11の径方向内方に配置されている。軌道部材21は、軌道部材11と同軸に配置される。
軌道部材21は、部材本体211と、内輪212と、軌道面213,214とを有する。部材本体211は、軸受10の軸方向に延びる。内輪212は、部材本体211の外周面に固定されている。内輪212は、軌道部材21のインナ側の端部に配置される。内輪212は、環状をなす。内輪212は、部材本体211と同軸に配置される。
部材本体211の外周面及び内輪212の外周面には、それぞれ、軌道面213,214が設けられている。軌道面213,214は、それぞれ、環状をなす。軌道面213は、軸受10の軸方向において、軌道面214よりもインナ側に配置される。軌道面213,214は、それぞれ、外輪1が有する軌道面113,114と対向する。
フランジ22は、軌道部材21の外周面から軌道部材21の径方向外方に突出している。フランジ22は、軸受10の軸方向において、外輪1のフランジ12よりもアウタ側に位置している。フランジ22は、複数の締結孔221を有する。各締結孔221には、ディスクホイール(図示略)やブレーキディスク(図示略)等をフランジ22に取り付けるため、ボルト等の締結部材が挿入される。
複数の転動体3,4は、外輪1と内軸2との間に配置される。より具体的には、複数の転動体3は、外輪1が有する軌道面113と、内軸2が有する軌道面213との間に配置される。複数の転動体4は、外輪1が有する軌道面114と、内軸2が有する軌道面214との間に配置されている。
(外輪の製造方法)
以下、外輪1の製造方法について説明する。図2及び図3は、外輪1の製造工程を示す図である。
まず、図2に示すように、フランジの中間体12iを作製する。具体的には、鋼板等の金属製の薄板を準備し、金属製の薄板にバーリング加工を施す。これにより、金属製の薄板において、中央孔121aとともに筒部121bが形成される。また、金属製の薄板において、複数の周囲孔121cとともに複数のカラー122が形成される。バーリング加工の打ち出し方向は、全て同一である。したがって、筒部121b及び各カラー122は、中間体12iの同じ面に形成される。
続いて、鋼等の金属製且つ筒状の内周部111を準備する。中間体12iにおいて、筒部121bが形成されている面から、内周部111を中央孔121aに圧入する。これにより、内周部111の軸方向の一方端に中間体12iが接続される。
次に、図3に示すように、内周部111の外周面上に、複数の炭素繊維プリプレグ30を積層する。各炭素繊維プリプレグ30は、内周部111上において、例えば、内周部111の径方向に積層される。また、中間体12iにおいて内周部111が配置されている面上に、複数の炭素繊維プリプレグ30を積層する。各炭素繊維プリプレグ30は、中間体12i上において、例えば、内周部111の軸方向に積層される。
図1に示す外輪1において、内周部111に含まれる炭素繊維の少なくとも一部は、フランジ本体124に含まれる炭素繊維と連続していることが好ましい。よって、外輪1の製造工程では、図3に示すように、少なくとも1枚の炭素繊維プリプレグ30を内周部111と中間体12iとの接続部分で折り曲げ、内周部111上及び中間体12i上の双方に配置することが好ましい。ただし、炭素繊維プリプレグ30の積層方向及び配置は特に限定されるものではない。
次に、炭素繊維プリプレグ30が積層された内周部111及び中間体12iに所定の型及びバキュームバッグを装着し、真空引きを行う。その後、オートクレーブによって加熱及び加圧を施すことにより、図1に示す外輪1が製造される。
(効果)
第1実施形態に係る軸受10において、外輪1が有するフランジ12のフランジ本体124は、炭素繊維強化樹脂で構成されている。よって、外輪1を軽量化することができる。
外輪1において、フランジ本体124は、金属板121によって補強されている。また、フランジ12が有する各締結孔123は、金属板121を貫通している。よって、締結孔123の位置は、金属板121によって維持される。これにより、外輪1の製造過程において、フランジ12が変形したり、各締結孔123が位置ずれしたりするのを防ぐことができる。よって、外輪1における各締結孔123の位置精度を確保することができる。
フランジ12は、金属板121と一体的に形成された複数のカラー122を有する。各カラー122は、各締結孔123と同軸に配置される。このため、各カラー122は、各締結孔123を画定し、各締結孔123の位置ずれを防止することができる。よって、外輪1における各締結孔123の位置がより確実に維持されるため、各締結孔123の位置精度を向上させることができる。
各カラー122は、各締結孔123の軸方向において、締結孔123の一方端から他方端まで延びている。よって、各カラー122により、各締結孔123の全体を画定することができる。このため、各締結孔123の位置精度をさらに向上させることができる。
金属板121は、軌道部材11の軸方向において、フランジ12の一方端に配置されている。具体的には、金属板121は、軌道部材11の軸方向において、フランジ12のインナ側の端に配置されている。このため、軌道部材11の軸方向において、金属板121のインナ側の面がフランジ12のインナ側の面を構成する。よって、フランジ12のインナ側の面の面精度を向上させることができる。
外輪1において、軌道部材11は、内周部111と、外周部112とを含む。軌道部材11の一部である外周部112は、炭素繊維強化樹脂で構成されている。このため、外輪1をさらに軽量化することができる。一方、軌道面113,114を有する内周部111は金属で構成されている。このため、軌道面113,114に要求される耐高面圧及び耐摩耗性を確保することもできる。
[第2実施形態]
(全体構成)
図4は、第2実施形態に係る車両用軸受20の垂直断面図である。図4における左右方向は、軸受20の軸方向である。図4に示す軸受20において、右端は車両への取付状態において車体に近い方の端、左端は車両への取付状態において車体から遠い方の端である。以後、軸受20において、車体により近い位置をインナ側、車体からより遠い位置をアウタ側と称する場合がある。
図4に示すように、軸受20は、外輪5と、内軸6と、複数の転動体3,4とを備える。外輪5及び内軸6は、軸受20の軌道輪である。軸受20は、主に、内軸6のフランジ62が金属板621及びフランジ本体622を備えている点で、第1実施形態に係る軸受10と異なる。
外輪5は、鋼等の金属で構成される。外輪5は、軌道部材51と、フランジ52とを備える。
軌道部材51は、筒状をなす。軌道部材51の内周面には、軌道面511,512が設けられている。軌道面511,512は、それぞれ、環状をなす。軌道面511は、軸受20の軸方向において、軌道面512よりもインナ側に配置される。
フランジ52は、軌道部材51の外周面から軌道部材51の径方向外方に突出している。フランジ52は、懸架装置(図示略)をフランジ52に取り付けるための複数の締結孔521を有する。
内軸6は、軌道部材61と、フランジ62とを備える。
軌道部材61は、鋼等の金属で構成される。軌道部材61は、外輪5に挿入されている。軌道部材61は、外輪5の軌道部材51の径方向内方に配置されている。軌道部材61は、軌道部材51と同軸に配置される。
軌道部材61は、部材本体611と、内輪612と、軌道面613,614とを有する。部材本体611は、軸受20の軸方向に延びる。内輪612は、部材本体611の外周面に固定されている。内輪612は、環状をなす。内輪612は、部材本体611と同軸に配置される。内輪612は、部材本体611の軸方向において、部材本体611のインナ側部分に配置されている。
部材本体611の外周面及び内輪612の外周面には、それぞれ、軌道面613,614が設けられている。軌道面613,614は、それぞれ、環状をなす。軌道面613は、軸受20の軸方向において、軌道面614よりもインナ側に配置される。軌道面613,614は、それぞれ、外輪5が有する軌道面511,512と対向する。
フランジ62は、軌道部材61の外周面から軌道部材61の径方向外方に突出している。フランジ62は、部材本体611の外周面上に設けられている。フランジ62は、軸受20の軸方向において、外輪5のフランジ52よりもアウタ側に位置している。
フランジ62は、金属板621と、複数のカラー622と、複数の締結孔623と、フランジ本体624とを有する。各締結孔623には、ディスクホイール(図示略)やブレーキディスク(図示略)等をフランジ62に取り付けるため、ボルト等の締結部材が挿入される。
金属板621は、第1実施形態に係る金属板121と同様の材料を用いて構成することができる。金属板621は、第1実施形態に係る金属板121と同様に、軸受20の軸方向に対して略垂直に配置されている。金属板621は、軌道部材61の軸方向において、フランジ62の一端に配置される。
具体的には、金属板621は、軌道部材61の軸方向において、フランジ62のアウタ側の端に配置されている。よって、軌道部材61の軸方向における金属板621のアウタ側の面は、軌道部材61の軸方向におけるフランジ62のアウタ側の面を構成する。軌道部材61の軸方向において、フランジ62のアウタ側の面は、ディスクホイール(図示略)やブレーキディスク(図示略)等が取り付けられる面である。このため、軌道部材61の軸方向におけるフランジ62のアウタ側の面には面精度が要求される。
金属板621は、第1実施形態に係る金属板121とほぼ同様の形状を有する。すなわち、金属板621は、金属板121と同様に、中央孔621aと、筒部621bと、複数の周辺孔621cとを有する。
金属板621は、軌道部材61と同軸に配置される。中央孔621aには、軌道部材61が挿入される。より詳しくは、軌道部材61の部材本体611が中央孔621aに挿入される。
筒部621bは、中央孔621aの周縁部から軸受20のインナ側に延びている。筒部621bの内周面は、部材本体611の外周面に接している。
複数の周囲孔621cは、中央孔621aの周囲に配置されている。各周囲孔621cは、中央孔621aの径よりも小さい径を有する。各周囲孔621cは、フランジ62の各締結孔623に対応する位置に配置される。
複数のカラー622は、それぞれ、第1実施形態に係る金属板121と同様の金属によって形成される。複数のカラー622は、それぞれ、複数の周囲孔621cの周縁から、軸受20のインナ側に延びる。各カラー622は、複数の周囲孔621cの周縁から筒部621bと同じ方向に延びている。すなわち、筒部621b及び各カラー622は、金属板621の同じ面に配置されている。軸受20の軸方向における各カラー622のアウタ側の端は、金属板621と接続されている。各カラー622は、金属板621と一体的に形成されている。
各カラー622は、各締結孔623を画定する。各締結孔623は、金属板621及びフランジ本体624を軌道部材61の軸方向に貫通する貫通孔である。
各カラー622は、軌道部材61の軸方向において、各締結孔623のアウタ側の端からインナ側の端まで延びている。すなわち、軌道部材61の軸方向において、各カラー621の長さは、各締結孔623の長さと実質的に等しい。各カラー621の長さは、軌道部材61の軸方向における各カラー621の内周面の長さである。
フランジ本体624は、金属板621の表面に接着する。フランジ本体624は、軸受20の軸方向における金属板621のインナ側の面に接着している。フランジ本体624は、各カラー622の外周面にも接着する。フランジ本体624は、軸受20の軸方向における金属板621のインナ側の面と、各カラー622の外周面とを覆う。フランジ本体624は、さらに、筒部621bの外周面を覆っている。フランジ本体624は、軸受20の軸方向におけるフランジ12のインナ側の面を構成する。
フランジ本体624は、第1実施形態に係るフランジ本体124と同様、炭素繊維強化樹脂によって構成される。フランジ本体624は、例えば、炭素繊維プリプレグを用いて形成することができる。軸受20の軸方向における金属板621のインナ側の面に複数の炭素繊維プリプレグを積層し、オートクレーブ成形を行うことにより、フランジ本体624を形成することができる。炭素繊維プリプレグの積層方向及び配置は特に限定されるものではない。
複数の転動体3,4は、外輪5と内軸6との間に配置される。より具体的には、複数の転動体3は、外輪5が有する軌道面511と、内軸6が有する軌道面613との間に配置される。複数の転動体4は、外輪5が有する軌道面512と、内軸6が有する軌道面614との間に配置されている。
(効果)
第2実施形態に係る軸受20によれば、内軸6が有するフランジ62のフランジ本体624が炭素繊維強化樹脂で構成されている。よって、内軸6を軽量化することができる。
フランジ本体624は、金属板621によって補強されている。また、フランジ62における各締結孔623が金属板521を貫通している。このため、締結孔623の位置が金属板621によって維持される。これにより、内軸6の製造過程におけるフランジ62の変形及び各締結孔623の位置ずれを防ぐことができる。よって、各締結孔623の位置精度を確保することができる。
フランジ62において、各締結孔623は、金属板621と一体的に形成された各カラー622によって画定される。このため、各締結孔623の位置をより確実に維持することができ、各締結孔623の位置精度を向上させることができる。
各カラー622は、各締結孔623の軸方向において、締結孔623の一方端から他方端まで延びている。このため、各カラー622により、各締結孔623の全体が画定される。よって、各締結孔623の位置精度をさらに向上させることができる。
金属板621は、軌道部材61の軸方向において、フランジ62のアウタ側の端に配置されている。このため、軸受20の軸方向において、金属板621のアウタ側の面がフランジ62のアウタ側の面を構成する。よって、軸受20の軸方向におけるフランジ62のアウタ側の面について、面精度を向上させることができる。
[変形例]
以上、各実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記各実施形態では、各カラーは、各締結孔の軸方向の一方端から他方端まで延びている。すなわち、上記各実施形態では、締結孔の軸方向において、カラーは、締結孔の長さと実質的に同じ長さを有する。しかしながら、各カラーの長さは、締結孔の長さよりも短くてもよい。
上記各実施形態では、金属板を含むフランジにおいて、全ての締結孔に対してカラーが設けられている。しかしながら、複数の締結孔のうち一部に対してカラーを設けてもよいし、カラーを全く設けなくてもよい。
上記各実施形態では、金属板は、軌道部材の軸方向において、フランジの一方端に配置されている。しかしながら、軌道部材の軸方向における金属板の位置は、特に限定されるものではない。例えば、金属板は、軌道部材の軸方向において、フランジの中央部に配置されてもよい。この場合、金属板の一方面にカラーが設けられていてもよいし、金属板の両面にカラーが設けられていてもよい。
上記各実施形態では、各カラーと、軌道部材に接する筒部とが金属板の同じ面に配置されている。しかしながら、各カラーと、筒部とを金属板の異なる面に配置することもできるし、金属板に筒部を設けなくてもよい。
上記第1実施形態では、外輪の軌道部材は、金属製の内周部と、炭素繊維強化樹脂製の外周部とを有している。しかしながら、当該外輪の軌道部材の全体を金属によって構成してもよい。
上記第1実施形態に係る軸受では、外輪におけるフランジが、金属板と、炭素繊維強化樹脂製のフランジ本体とを有している。上記第2実施形態に係る軸受では、内軸におけるフランジが、金属板と、炭素繊維強化樹脂製のフランジ本体とを有していた。しかしながら、外輪及び内軸双方のフランジ各々が、金属板と、炭素繊維強化樹脂製のフランジ本体とを有していてもよい。
1 外輪(軌道輪)
6 内軸(軌道輪)
11,61 軌道部材
111 内周部
112 外周部
12,62 フランジ
121,621 金属板
122,622 カラー
123,623 締結孔
124,624 フランジ本体

Claims (4)

  1. 車両用軸受が有する軌道輪であって、
    軌道面を有する軌道部材と、
    相手部材を取り付けるための締結部材が挿入される締結孔を有し、前記軌道部材の外周面から前記軌道部材の径方向外方に突出するフランジと、
    を備え、
    前記フランジは、
    前記軌道部材と同軸に配置され、前記相手部材が取り付けられる取付面を有する環状の薄板製の金属板と、
    炭素繊維強化樹脂で構成され、前記金属板の表面に接着するフランジ本体と、
    を含み、
    前記締結孔は、前記金属板及び前記フランジ本体を前記軌道部材の軸方向に貫通し、
    前記金属板は、さらに、前記締結孔の内側において前記締結孔と同軸に配置されたカラーと、前記軌道部材に接する筒部とを有し、
    前記カラーと前記筒部は、前記金属板を前記軌道部材の軸方向に沿って前記取付面から他方面側へ打ち出すバーリング加工により前記金属板と一体的に形成される、軌道輪。
  2. 請求項に記載の軌道輪であって、
    前記カラーは、前記締結孔の軸方向において、前記締結孔の一方端から他方端まで延びている、軌道輪。
  3. 請求項1または2に記載の軌道輪であって、
    前記金属板は、前記軌道部材の軸方向において、前記フランジの一方端に配置されている、軌道輪。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の軌道輪であって、
    前記軌道部材は、
    金属で構成され、内周面に前記軌道面を有する筒状の内周部と、
    炭素繊維強化樹脂で構成され、前記内周部が挿入される筒状の外周部と、
    を含み、
    前記金属板は、前記バーリング加工により前記筒部とともに形成された中央孔を有し、前記内周部が前記中央孔に圧入される、軌道輪。
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