以下、図1〜図16を用いて本発明の実施形態を説明する。以下の説明では本発明に係る現像装置1を含むプリンター100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概略)
次に、図1に基づき、実施形態に係るプリンター100の概略を説明する。図1は、実施形態に係るプリンター100の一例を示す図である。
プリンター100内に、主制御部2が設けられる。主制御部2は、プリンター100の動作を制御する。主制御部2は、CPU21や画像処理部22を含む。CPU21は、記憶部23に記憶されるプログラム、データに基づきプリンター100の各部の制御や各種の演算処理を行う。画像処理部22は、コンピューター200から送信され通信部24で受信した印刷設定や印刷内容を示すデータ(印刷用データ)に基づき、濃度変換や拡大、縮小、回転のような必要な画像処理を画像データに施す。
記憶部23は、ROM、HDDのような不揮発性の記憶装置と、RAMのような揮発性の記憶装置を組み合わせである。記憶部23は、プリンター100の制御用の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データのような各種データを記憶する。
プリンター100は、操作パネル3を含む。操作パネル3は、プリンター100の状態、各種メッセージ、各種設定画面を表示する表示パネルや設定操作用の複数のハードキーを含む。主制御部2は、操作パネル33の表示を制御する。また、主制御部2は、操作パネル33の設定操作内容を認識し、設定にあわせてプリンター100を制御する。
又、プリンター100は、印刷部4を含む。印刷部4は、エンジン制御部40、給紙部4a、搬送部4b、画像形成部4c、中間転写部4d、定着部4eを含む。また、プリンター100内には、印刷部4に含まれる各種回転体を回転させるモーター4fが複数設けられる。エンジン制御部40はCPUやメモリーを含む。主制御部2は、印刷指示や画像データのような印刷ジョブの内容を示すデータをエンジン制御部40に与える。エンジン制御部40は、主制御部2の指示と与えられた画像データに基づき、給紙部4a、搬送部4b、画像形成部4c、中間転写部4d、定着部4e、モーター4fの動作を実際に制御し、給紙、用紙搬送、トナー像形成、転写、定着、トナー濃度検知、トナー補給のような印刷関連処理を制御する。
エンジン制御部40は、印刷に用いる用紙を一枚ずつ給紙部4aに供給させる。エンジン制御部40は、搬送部4bに供給された用紙を搬送させる。エンジン制御部40は、トナー像を画像形成部4cに形成させる。画像形成部4cは、複数の画像形成ユニット41を含む(図1では、便宜上、画像形成ユニット41を1つのみ図示)。具体的に、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの計4つの画像形成ユニット41が設けられる。中間転写部4dは、各画像形成ユニット41で形成された各色のトナー像の1次転写を受ける中間転写ベルト42(図2参照)を含む。エンジン制御部40は、中間転写ベルト42を回転させ、画像形成部4cで形成されたトナー像を中間転写ベルト42に1次転写し、搬送される用紙へのトナー像の2次転写を中間転写部4dに行わせる。エンジン制御部40は、用紙に転写されたトナー像を定着部4eに定着させる。
(各画像形成ユニット41)
次に、図2を用いて、実施形態に係る各画像形成ユニット41の一例を説明する。図2は、実施形態に係る各画像形成ユニット41の一例を示す図である。
画像形成部4cは4色分の画像形成ユニット41を含む。また、画像形成部4cは、各画像形成ユニット41に含まれる各感光体ドラム43をレーザービームで走査露光する露光装置44も含む(図1参照)。各画像形成ユニット41は形成するトナー像の色が異なるが、いずれも同様の構成である。そこで、以下では1つの画像形成ユニット41を例に挙げて説明する。他の画像形成ユニット41も同様に説明にできる。
図2に示すように、画像形成ユニット41は、感光体ドラム43、帯電装置45、現像装置1、クリーニング装置46、除電装置47を含む。感光体ドラム43は、モーター4fの駆動力を受け、所定の周速度で回転する。帯電装置45は、感光体ドラム43の表面を一定の電位で帯電させる。露光装置44は、各画像形成ユニット41の下方に配される。露光装置44は、内部に、半導体レーザー装置(レーザーダイオード)、ポリゴンミラー、ポリゴンモーター、fθレンズ、ミラーのような光学系部材を用い、画像データをカラー色分解した画像信号に基づいた光信号(レーザー光、図2で破線で図示)を、帯電後の感光体ドラム43に照射し、感光体ドラム43の走査露光を行う。これにより、感光体ドラム43の周面に画像データに併せた静電潜像が形成される。
現像装置1は、第1搬送部材11、第2搬送部材12、現像ローラー13を含む。また、現像装置1は、磁性キャリアとトナーを含む現像剤をハウジング(現像容器10)の内部に収容する。磁性キャリアは粉状であり、フェライトのような強磁性体である。現像剤には、画像形成ユニット41の形成色に応じた色のトナーが含まれる。各現像装置1は、それぞれ、対応する色のトナーを収容するトナーコンテナ48(図3参照)と接続される。トナーの消費に伴い、トナーコンテナ48からトナーの補給が現像装置1になされる。
クリーニング装置46は、感光体ドラム43の清掃を行う。クリーニング装置46は、感光体ドラム43の軸線方向に延び、感光体ドラム43の表面を擦って残トナー等を除去する。又、除電装置47は、感光体ドラム43に対し光を照射して除電を行う。
(トナーの補給)
次に、図3を用いて、各現像装置1へのトナーの補給を説明する。図3は、実施形態に係る各現像装置1にトナーを補給する部分の一例を示す図である。尚、図3では、トナーの流れを白抜き矢印で示している。
プリンター100には、トナーの色ごとに、補給用のトナーを収容するトナーコンテナ48と、補給のためにトナーコンテナ48から現像装置1にトナーを送る補給機構49が設けられる。印刷に伴って磁性キャリアも少しずつ減る場合もあり、トナーに微量の磁性キャリアを混ぜることもある。プリンター100には、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの計4つのトナーコンテナ48が取り付けられる。各トナーコンテナ48は、交換可能であって、空になると取り替えられる。各補給機構49は、トナーをトナーコンテナ48から現像装置1に向けて送る搬送用スクリュー(不図示)や、搬送用スクリューを回転させるためのモーター4fやギアを含む(不図示)。補給機構49は、トナーコンテナ48及び現像装置1に対して1つ設けられる。
また、それぞれ現像装置1に対し、現像装置1内のトナー濃度(現像剤中の磁性キャリアとトナーの比率)を検知するためのトナー濃度センサー5が設けられる。予め定められた濃度検知時、エンジン制御部40は、トナー濃度センサー5の出力に基づきトナーの補給が必要か否かを判断する。予め定められた濃度検知時は、例えば、主電源投入時、通常モードへの復帰時、印刷実行中、印刷ジョブの開始前、印刷ジョブの終了時である。
(トナー濃度センサー5)
次に、図4、図5を用いて実施形態に係るトナー濃度センサー5を説明する。図4は、実施形態に係るトナー濃度センサー5の一例を示す図である。図5は、実施形態に係るLC発振回路50の一例を示す図である。
図4に示すように、トナー濃度センサー5は、LC発振回路50を含む。LC発振回路50は、フラットケーブル7を用いたコイル6を含む。トナー濃度センサー5(LC発振回路50)の出力は、エンジン制御部40に入力される。エンジン制御部40は、LC発振回路50の共振周波数に基づき、磁性キャリアとトナーの比率を検知し、トナーを補給すべきかどうかを判断する。
図5は、LC発振回路50の一例を示す。LC発振回路50は、コイル6、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第1コンデンサーC1、第2コンデンサーC2、第1インバーターINV1、第2インバーターINV2を含む。図5のLC発振回路50は、コルピッツ型発振回路の一種である。
コイル6の一方の端子は第1コンデンサーC1の一端と第1インバーターINV1の入力端子と、第1抵抗R1の一端と接続される。コイル6の他方の端子は、第2コンデンサーC2の一端と第2抵抗R2の一端が接続される。第1コンデンサーC1の他端と、第2コンデンサーC2の他端はグランドと接続される。第1インバーターINV1の出力端子は、第1抵抗R1の他端と第2抵抗R2の他端と、第2インバーターINV2の入力端子が接続される。第2インバーターINV2の出力がエンジン制御部40に入力される。
負帰還回路の第2抵抗R2、第1コンデンサーC1、第2コンデンサーC2、コイル6によって位相が180度まわり、負帰還が正帰還となり発振する。共振周波数は、f=1/2π((LC)1/2)である。第2インバーターINV2には正弦波が入力される。第2インバーターINV2は、入力された正弦波を矩形波に変換する。
コイル6のインダクタンスは、現像剤の磁性キャリアとトナーの比率に応じて変わる。トナーが消費され、現像剤中の磁性キャリアの割合が上昇すると、コイル6のインダクタンスが大きくなる。現像剤中の磁性キャリアの割合(濃度)が大きいほど(トナーが少ないほど)、上記式の分母が大きくなり、LC発振回路50(第2インバーターINV2)の出力信号の周波数(共振周波数)は低くなる。一方、現像剤中のトナーが多いほど、上記式の分母が小さくなるので、LC発振回路50の出力信号の周波数は高くなる。
エンジン制御部40に設けられたカウンター40a(図4参照)は、各搬送部材が1周又は複数周する期間のような予め定められたカウント期間、第2インバーターINV2の出力(矩形波)のパルス数をカウントする。例えば、記憶部23は、磁性キャリアとトナーの比率が理想的であるときのカウント期間中のパルス数を基準値とする濃度測定用データD1を記憶する(図1参照)。
エンジン制御部40は、カウンター40aのカウント値と基準値を比べ、基準値を下回っているとき(磁性キャリアとトナーの比率が理想的であるときよりも共振周波数が小さくなっているとき)、トナーを補給すべきと判断する。言い換えると、エンジン制御部40は、トナー濃度センサー5の出力に基づき、磁性キャリアとトナーの理想的な比率に対し、トナーが少なくなっている色を検知し、検知した色のトナーを補給すべきと判断する。
エンジン制御部40は、トナーを補給すべきと判断した現像装置1に対応する補給機構49を動作させる。エンジン制御部40は、カウント期間中のパルス数が基準値以上となるまで(磁性キャリアとトナーの比率が理想的になるまで)、トナーの補給を補給機構49に行わせ、その後、補給機構49を停止させる。
(現像装置1)
次に、図6〜図8を用いて実施形態に係る現像装置1を説明する。図6は、実施形態に係る現像装置1の水平方向の断面図である。図7は、図6のA−B方向での実施形態に係る現像装置1の断面図である。図8は、図6のC−D方向での実施形態に係る現像装置1の断面図である。
以下の説明では、各画像形成ユニット41に含まれる現像装置1を説明する。各画像形成ユニット41に含まれる現像装置1の構成及び動作は同様である。各現像装置1は同様に説明できる。
現像装置1は、キャリアとトナーとを含む現像剤を収容する現像容器10を含む。現像容器10は、現像装置1の筐体(外郭)である。現像容器10の下方の部分は第1区画14と第2区画15に分けられる。なお、補給機構49は、補給するトナーを第1区画14に投入する。図6は、現像装置1を下から見た図であって、現像装置1の第1区画14、第2区画15の部分を水平方向で仮に切断した場合の断面図である。図6に示すように、第1区画14(現像剤を攪拌しつつ搬送する区画)と第2区画15(現像ローラー13に現像剤を供給する区画)の間に隙間16(中空部)が設けられる。
第1搬送部材11は一方の区画(第1区画14)に設けられる、また、第2搬送部材12は、他方の区画(第2区画15)に設けられる。第1搬送部材11の回転軸には螺旋状の羽根11aが、第2搬送部材12の回転軸には螺旋状の羽根12aが設けられる。第1搬送部材11と第2搬送部材12は、回転し、現像容器10の長手方向に沿って現像容器10内の現像剤を撹拌しつつ搬送するスクリューである。攪拌による摩擦によりトナーが帯電する。第1搬送部材11と第2搬送部材12が現像剤を搬送する方向は互いに異なる(図6において現像剤の搬送方向の一例を図示)。なお、現像ローラー13に近い第2搬送部材12は、現像ローラー13に現像剤を供給する。
また、図6に示すように、第1区画14と第2区画15の長手方向のそれぞれの両端部分には、第1区画14および第2区画15の端部同士をつなぐ連通部17が設けられる。区画の端部に到達した現像剤は、連通部17を通って隣の区画に流れ込む。第1搬送部材11及び第2搬送部材12は、現像剤が現像容器10内で循環するように、現像剤を攪拌しつつ搬送する。
現像容器10(第2搬送部材12)の上方であって、現像容器10内に現像ローラー13が配される(図7、図8参照)。現像ローラー13は、現像容器10の開口側で像担持体(感光体ドラム43)に対向するように配される。現像ローラー13と感光体ドラム43の間には、所定の間隔が設けられる。現像ローラー13は、表面に現像剤を担持し、感光体ドラム43との対向領域において、トナーを感光体ドラム43に供給する。
現像ローラー13は、回転する円筒状の非磁性の現像スリーブ13aを含む(図7参照)。現像スリーブ13aには、複数の磁極を有する固定マグネット体(不図示)が内包される。固定マグネット体として、現像スリーブ13a内にN極から成る規制極(不図示)、S極から成る搬送極(不図示)、N極から成る主極(不図示)、及びN極から成る剥離極(不図示)が設けられる。
現像容器10には、現像ローラー13に担持される現像剤の厚みを規制する穂切りブレード18が、現像ローラー13の長手方向に沿って取り付けられる(図7、図8参照)。穂切りブレード18は、現像ローラー13の回転方向において、現像ローラー13と感光体ドラム43との対向位置よりも上流側に位置付けられる。そして、穂切りブレード18の先端と現像ローラー13表面との間には、僅かなギャップが設けられる。
現像時、高圧電源回路(不図示)は、直流バイアス電圧及び交流バイアス電圧を現像ローラー13に印加する。第1搬送部材11及び第2搬送部材12による現像剤の攪拌及び循環の過程で現像剤中のトナーは帯電する。第2搬送部材12は、第2区画15内の現像剤を現像ローラー13に送る。これにより、現像ローラー13上に磁気ブラシ(不図示)が形成される。磁気ブラシは穂切りブレード18によって層厚規制された後、現像ローラー13の回転によって現像ローラー13と感光体ドラム43との対向部分に搬送される。直流バイアス電圧及び交流バイアス電圧の印加によって現像ローラー13から感光体ドラム43にトナーが飛翔し、感光体ドラム43上の静電潜像が現像される。
(フラットケーブル7)
次に、図6、図9、図10を用いて、実施形態に係るフラットケーブル7を用いたコイル6を説明する。図9は、実施形態に係るフラットケーブル7の一例を示す図である。図10は、実施形態に係るフラットケーブル7の断面図である。
図9に示すように、コイル6として用いられるフラットケーブル7は、複数の導線71を平面状(帯状)に並べたケーブルである。フラットケーブル7の各導線71は平行に並べられる。図10に示すように、各導線71は絶縁体72で被膜される。隣接する導線71は互いに平行となるように絶縁体72で接続される(図9では絶縁体72内の導線71を破線で図示)。また、フラットケーブル7の各導線71の端部71aは、端子として露出する。例えば、フラットケーブル7の面のうち一方の面の絶縁体72の皮膜が剥がされる。なお、フラットケーブル7自体は、一般に流通するものを流用できる。
上述したように、現像容器10の第1区画14と第2区画15の長手方向のそれぞれの両端部分には、第1区画14および第2区画15の両端同士をつなぐ連通部17が設けられる。一方、図6に示すように、連通部17よりも長手方向の内側であって、第1区画14と第2区画15の間に隙間16が設けられる。
この隙間16により、各連通部17の間の第1区画14は筒状となる。言い換えると、第1区画14の一部であって、第1区画14のうち隙間16に隣接する部分は第1搬送部材11及び現像剤が通り、フラットケーブル7を巻き付けることができる筒形状である。隙間16にフラットケーブル7を差し込み、フラットケーブル7に含まれる導線71が現像剤の搬送方向と直交するように第1区画14にフラットケーブル7を複数周巻くことができる。これにより、現像剤(磁性キャリア)を芯とするコイル6としてフラットケーブル7を機能させることができる。なお、図6では、2つの連通部17の間に亘って隙間16を設ける例を示している。しかし、隙間16の長手方向の長さは、フラットケーブル7を挿し通せる程度の長さがあればよい。
また、フラットケーブル7を複数周巻くので、フラットケーブル7の導線71の方向に対し垂直な方向の幅が狭くても(含まれる導線71数が少ないフラットケーブル7でも)、十分に大きなインダクタンス値を有するコイル6を得ることができる。そのため、導線71の方向に対して垂直な方向のフラットケーブル7の幅は、第1搬送部材11の羽根11aの1ピッチ分、又は、数ピッチ分としてもよい。また、得ようとするインダクタンスと、周回数とのかねあいでフラットケーブル7の幅を定めても良い。
(フラットケーブル7の巻き付け)
次に、図11〜図14を用いて、実施形態に係る現像装置1でのフラットケーブル7の巻き付けを説明する。図11は、実施形態に係るフラットケーブル7をコイル6として巻き付けた状態の一例を示す図である。図12は、実施形態に係るケーブル基板8の一例を示す図である。図13は、実施形態に係るケーブル基板8に設けられたコネクター9の一例を示す図である。図14は、実施形態に係るフック84の一例を示す図である。
図11は、隙間16に1本のフラットケーブル7を通し、現像装置1の第1区画14の筒部にフラットケーブル7を複数周巻き付けた状態の一例を示す。現像装置1には、フラットケーブル7を固定し、フラットケーブル7をコイル6として用いるためのケーブル基板8が設けられる。図11では、現像装置1の第1区画14の下方にケーブル基板8を設ける例を示している。
1本のフラットケーブル7のそれぞれの両端部分では、各導線71の端部71aが露出している(図9参照)。そして、ケーブル基板8には、複数のコネクター9(9A、9B)が設けられる。図11に示すように、1本のフラットケーブル7を複数周、第1区画14に巻き付ける場合、2つのコネクター9A、9Bが設けられる。一方のコネクター9Aに、フラットケーブル7の一端が差し込まれ、他方のコネクター9Bにフラットケーブル7の他端が差し込まれる。
図12に示すように、コネクター9(9A、9B)は、コネクター端子91を複数含む。コネクター端子91は、フラットケーブル7の各導線71と同数かつ同じ間隔で設けられる。フラットケーブル7が差し込まれたとき、1本の導線71の端部71aと1つのコネクター端子91とが接する。
また、各コネクター9は、ケーブル基板8の一方の面のみに設けられる。言い換えると、コネクター9A、9Bは、ケーブル基板8の同じ面に設けられる。コネクター9A、9Bが設けられていない方の面が現像装置1の第1区画14の壁面と接する。これにより、ケーブル基板8と第1区画14を最大限近づけることができる。
図12は、1本のフラットケーブル7をコイル6とする場合に用いられるケーブル基板8の一例を示す。具体的に、ケーブル基板8には、第1区画14に複数回巻き付けられる1本のフラットケーブル7を通す基板孔81と、2つのコネクター9A、9Bと、パターン82が設けられる。図12に示すように、基板孔81は、ケーブル基板8の平面の中央を含むように設けられる。そして、パターン82は、基板孔81を迂回するように設けられる。
図11では、ケーブル基板8を設置した状態において、隙間16に近い方のコネクター9Aにフラットケーブル7の一方の端部を差し込む例を示している。そして、フラットケーブル7の他方の端部を隙間16及び基板孔81を通して、所望のインダクタンス値が得られるだけ、第1区画14をフラットケーブル7で複数周巻く。その後、フラットケーブル7の他方の端部を基板孔81に通してから隙間16から遠い方のコネクター9Bに差し込む。
隙間16に近い方のコネクター9Aは、差し込み口が横かつ、隙間16の方に向けられる。フラットケーブル7の一方の端部は、隙間16側からコネクター9Aに差し込まれる。コネクター9Aの差し込み口を下に向ける場合に比べ、第1区画14に巻き付けるときにフラットケーブル7を大きく曲げる必要がなく、フラットケーブル7は抜けにくくなる。また、コネクター9Aは、差し込み口を横かつ隙間16の方に向けることにより、できるだけ磁性キャリアに近づくようにフラットケーブル7を巻くことができる。
差し込まれたフラットケーブル7が外れないように(抜けないように)、各コネクター9は、差し込まれたフラットケーブル7を挟んでロックするロック部92を含む。ロックの方式に特に制限はない。図13では、フラットケーブル7の導線71の端部71aと接するように端子が設けられたコネクター9を図示している。そして、図13では、フラットケーブル7を差し込み、ロック部92(開閉部、レバー)を操作してフラットケーブル7をロックするタイプを図示している。なお、フラットケーブル7の各端部にヘッダを取り付け、ヘッダが差し込まれるソケット型のコネクター9をケーブル基板8に配することにより、ケーブル基板8とフラットケーブル7が接続されてもよい。この場合、ヘッダとソケットに、フラットケーブル7が外れないようにロックするための機構が設けられる。
図12に示すように、ケーブル基板8には、フラットケーブル7が第1区画14を巻く1つのコイル6を形成するように配線されたパターン82(一方のコネクター9のコネクター端子91と他方のコネクター9のコネクター端子91をつなぐ複数の信号線)が設けられる。言い換えると、パターン82は、フラットケーブル7が1つのコイル6となるように、各コネクター9に接続されたフラットケーブル7の各導線71の端部71aを1つずつずらして接続する。図12では、パターン82(信号線)を太線で示している。
具体的に、1本の信号線は、一方のコネクター9の1つのコネクター端子91と他方のコネクター9の1つのコネクター端子91をつなぐ。信号線を組み合わせたパターン82が配線される。フラットケーブル7の導線71の並び方向において(図12では、左が先頭側)、フラットケーブル7の一方の端部のn番目の導線71が接するコネクター端子91と、フラットケーブル7の他方の端部のn+1番目の導線71が接するコネクター端子91がつながるように、パターン82が形成される。このようなパターン82が形成されているとき、一方のコネクター9Aにおいて、フラットケーブル7の最後尾の導線71に接するコネクター端子91と、他方のコネクター9Bにおいて、フラットケーブル7の先頭の導線71に接するコネクター端子91が、トナー濃度センサー5のコイル端子83として機能する。一方のコイル端子83から入力された電流は、パターン82及びフラットケーブル7の全ての導線71を通り、他方のコイル端子83から出力される。
なお、フラットケーブル7の導線71の並び方向において、フラットケーブル7の一方の端部のn番目の導線71が接するコネクター端子91と、フラットケーブル7の他方の端部のn−1番目の導線71が接するコネクター端子91がつながるように、パターン82を形成してもよい。このようなパターン82が形成されているとき、一方のコネクター9Aにおいて、フラットケーブル7の先頭の導線71に接するコネクター端子91と、他方のコネクター9Bにおいて、フラットケーブル7の最後尾の導線71に接するコネクター端子91が、トナー濃度センサー5のコイル端子83として機能する。
トナー濃度センサー5の出力信号の周期(共振周波数)は、磁性キャリアとフラットケーブル7の距離の影響を受ける。巻かれているフラットケーブル7の状態によって、トナー濃度センサー5の出力信号にばらつき、誤差が出る可能性がある。例えば、フラットケーブル7がたるんだ状態と、フラットケーブル7がきつく巻かれている状態とでは、同じ現像剤を検知してもトナー濃度センサー5の出力信号に違いが出る場合がある。どの現像装置1でもフラットケーブル7を巻き付けている状態は、同様であることが好ましい。
そこで、図12、図14に示すように、現像装置1には、フック84が設けられる。フラットケーブル7の他端は、フック84に引っかけられつつ、コネクター9Bに差し込まれる。言い換えると、第1区画14に複数回巻き付けられたフラットケーブル7のうち、最も外周部分のフラットケーブル7の部分が、フック84に引っかけられる。フック84は、例えば、L字状の部材である。フラットケーブル7の導線71に対し垂直な方向の端部が、フック84の上部に引っかけられる。
図12の例では、フラットケーブル7のうち、他方の端部と基板孔81の間の部分がフック84に引っかけられる。フック84によって、フラットケーブル7にテンションがかかる。第1区画14に巻かれたフラットケーブル7のうち、内側のフラットケーブル7が緩まないようにすることができる。従って、フラットケーブル7の大部分をできるだけ磁性キャリアに近いところに位置させることができる。
(変形例)
次に、図15、図16を用いて、変形例を説明する。図15は、変形例におけるフラットケーブル7の第1区画14への巻き付けの一例を示す図である。図16は、変形例に係るケーブル基板8の一例を示す図である。
上記の説明では、1本のフラットケーブル7を複数周、第1区画14(筒部)に巻き付ける例を説明した。変形例では、複数本のフラットケーブル7を用意し、それぞれのフラットケーブル7を第1区画14に1周巻き付ける例を説明する。
図15は、2本のフラットケーブル7を用意し、2本のフラットケーブル7を重ねて第1区画14に巻く例を示している。複数本のフラットケーブル7を用意し、複数本のフラットケーブル7を重ねて巻き付けることにより第1区画14を複数周巻くコイル6を形成する。変形例では、ケーブル基板8にフラットケーブル7の本数の2倍のコネクター9(コネクター9(9a、9b、9c、9d)が設けられる。それぞれのコネクター9にはいずれかのフラットケーブル7の端部が差し込まれる。なお、変形例でもコネクター9には、ロック式のものを用いてもよい。
変形例でもケーブル基板8にパターン82(あるコネクター9のコネクター端子91と別のコネクター9のコネクター端子91をつなぐ複数の信号線)が設けられる。変形例では、各コネクター9に接続されたフラットケーブル7のうち、同じフラットケーブル7のそれぞれの端部の導線71を1つずつずらして接続するようにパターン82が設けられる。これにより、1つのコイル6を形成するように、1本のフラットケーブル7の導線71の端部71a同士が接続される。更に、各フラットケーブル7のコイル6同士を直列につなげ、1つのコイル6を形成するための信号線もパターン82に含められる。
図16のケーブル基板8には、4つのコネクター9(コネクター9(9a、9b、9c、9d)が設けられる。4つのコネクター9a、9b、9c、9dのうち、内側の2つのコネクター9a、9bには、2本のフラットケーブル7のうち、内側に巻かれるフラットケーブル7の端部が差し込まれる。外側の2つのコネクター9c、9dには、2本のフラットケーブル7のうち、外側に巻かれるフラットケーブル7が差し込まれる。
図16では、ケーブル基板8のうち、コネクター9a、9b、9c、9dが設けられる面に形成されるパターン82を実線で図示している。また、図16では、ケーブル基板8のうち、コネクター9a、9b、9c、9dが設けられる面の裏側の面に形成されるパターン82を破線で図示している。
内側の2つのコネクター9a、9bについては、一方のコネクター9aの1つのコネクター端子91と他方のコネクター9bのコネクター端子91をつなぐようにパターン82が設けられる。具体的に、図16の左側を先頭としたフラットケーブル7の導線71の並び方向において、一方(下側)のコネクター9aに接続されたフラットケーブル7のn番目の導線71と接するコネクター端子91が、他方(上側)のコネクター9bに接続されたフラットケーブル7のn+1番目の導線71と接するコネクター端子91とつながるように、パターン82が形成される。このように形成されたパターン82によって、内側のフラットケーブル7は、1本のコイル6となるように導線71同士が接続される。
外側の2つのコネクター9c、9dについては、一方のコネクター9cの1つの端子と他方のコネクター9dの1つの端子をつなぐようにパターン82(各信号線)が設けられる。図16の左側を先頭としたフラットケーブル7の導線71の並び方向において、一方(上側)のコネクター9cに接続されたフラットケーブル7のn番目の導線71と接するコネクター端子91と、他方(下側)のコネクター9dに接続されたフラットケーブル7のn+1番目の導線71と接するコネクター端子91とがつながるように、パターン82が形成される。このように形成されたパターン82によって、外側のフラットケーブル7も、1本のコイル6となるように導線71同士が接続される。
内側に巻かれたフラットケーブル7のコイル6と、外側に巻かれたフラットケーブル7のコイル6を直列接続するため、図16の例では、内側2つのコネクター9のうち、上側のコネクター9Bの先頭側のコネクター端子91と、外側2つのコネクター9のうち、下側のコネクター9dの先頭側のコネクター端子91を接続するようにパターン82が形成される。
その結果、内側2つのコネクター9のうち、下側のコネクター9aの最後尾のコネクター端子91と、外側2つのコネクター9のうち、上側のコネクター9cの最後尾のコネクター端子91が、1個のトナー濃度センサー5のコイル端子83として用いられる。変形例でも、一方のコイル端子83から入力された電流は、パターン82及びフラットケーブル7の全ての導線71を通り、他方のコイル端子83から出力される。
このようにして、実施形態に係る現像装置1は、現像容器10、第1搬送部材11、第2搬送部材12、現像ローラー13、トナー濃度センサー5、フラットケーブル7、ケーブル基板8を含む。現像容器10は、キャリアとトナーとを含む現像剤を収容し、第1区画14と第2区画15に分けられ、第1区画14と第2区画15の長手方向のそれぞれの両端部分が第1区画14及び第2区画15の端部同士をつなぐ連通部17となっており、それぞれの連通部17よりも長手方向の内側かつ第1区画14と第2区画15の間に隙間16が設けられる。第1搬送部材11は、第1区画14に設けられ、現像容器10の長手方向に沿って現像剤を撹拌しつつ搬送する。第2搬送部材12は、第2区画15に設けられ、第1搬送部材11とは逆方向に現像容器10内の現像剤を撹拌しつつ搬送する。現像ローラー13は、現像容器10に回転可能に支持され、静電潜像が形成される像担持体に供給する現像剤を担持する。トナー濃度センサー5は、現像剤中のトナー濃度を検知するためのものであり、コイル6を含む。フラットケーブル7は、隙間16を通して第1区画14の一部にコイル6として複数周巻かれる。ケーブル基板8は、複数のコネクター9が設けられ、パターン82が配線されている。コネクター9は、フラットケーブル7の端部の1つが差し込まれ、フラットケーブル7のそれぞれの導線71の端部71aと接するコネクター端子91が複数設けられる。ケーブル基板8は、コネクター9に接続されたフラットケーブル7が第1区画14を巻く1つのコイル6を形成するようにフラットケーブル7の一端の各導線71と、フラットケーブル7の他端の各導線71をつなぐように配線されたパターン82を含む。
これにより、幅の狭い(導線71の方向に対し垂直な方向の長さが短い、含まれる導線71数が比較的少ない)フラットケーブル7を用いても、フラットケーブル7のコイル6に十分なインダクタンス値を持たせることができる。また、第1区画14に巻き回す数を選択することによりフラットケーブル7のコイル6のインダクタンス値を所望の値にすることができる。
また、幅の広いフラットケーブル7を用いなくて済むので、金属部材を設けるべきではない範囲を小さくすることができる。従って、現像装置1及び現像装置1を含む画像形成装置の設計上の制約を小さくすることができる。また、コイル6パターン82を複数含む多層ケーブル基板8を用いるよりもコイル6を安価、簡易に用意することができる。
更に、コイル6全体を現像剤に近づけるとともに、略筒状のコイル6の内側を現像剤が通るようにコイル6を設けることができるので、トナー濃度センサー5の感度を高めてトナー濃度を正確に検知することができる。従って、現像剤の磁性キャリアとトナーの比率を正確に一定で保つことができる現像装置1を提供することができる。従って、高画質な現像装置1を提供することができる。
また、ケーブル基板8には、第1区画14に複数回巻き付けられる1本のフラットケーブル7を通す基板孔81と、2つのコネクター9(9A、9B)が設けられる。パターン82は、各コネクター9(9A、9B)に接続されたフラットケーブル7の各導線71の端部71aを1つずつずらして接続するように配線されている。これにより、基板孔81を通して1本のフラットケーブル7を第1区画14に複数回巻き付けることができ、所望のインダクタンス値のコイル6を得ることができる。また、ケーブル基板8に設けるコネクター9の数を最小(2つ)にすることができ、ケーブル基板8の製造コストを下げることができる。
また、基板孔81は、ケーブル基板8の平面の中央を含むように設けられる。パターン82は、基板孔81を迂回するように設けられる。これにより、バランスよくしっかりとフラットケーブル7を第1区画14に巻き付けることができる。また、パターン82は基板孔81を迂回するように設けられるので、基板孔81を設けても、1つのコイル6を形成するように、フラットケーブル7の両端の各導線71を接続することができる。
現像剤の磁性キャリアとトナーの比率が同じでも、コイル6と現像剤の距離によってトナー濃度センサー5の出力信号が変化する。そこで、第1区画14に複数回巻き付けられたフラットケーブル7のうち、最も外周部分のフラットケーブル7に引っかけられ、第1区画14に複数回巻き付けられたフラットケーブル7が緩まないようにテンションをかけるフック84が設けられる。これにより、第1区画14に巻き付けられたフラットケーブル7が膨らんだり、緩んだりすることを避けることができる。言い換えると、フラットケーブル7を一定の位置で固定することができる。コイル6の位置が一定なので、正確にトナー濃度センサー5の出力信号のバラツキ、誤差を無くすことができる。
また、変形例に係る現像装置1では、ケーブル基板8は、重ねて巻き付けられることにより第1区画14を複数周巻く複数本のフラットケーブル7と、フラットケーブル7の本数の2倍のコネクター9を含む。パターン82は、コネクター9に接続されたフラットケーブル7のうち、同じフラットケーブル7のそれぞれの端部の導線71を1つずつずらして接続するとともに、1つのコイル6を形成するようにフラットケーブル7同士を接続するように配線されている。これにより、複数本のフラットケーブル7を複数枚重ね、それぞれのフラットケーブル7を第1区画14に1回巻くことにより、所望のインダクタンス値のコイル6を得ることができる。また、幅の狭い(導線71の方向に対し垂直な方向の長さが短い)フラットケーブル7を重ねても所望のインダクタンス値のコイル6をえることができる。
また、全てのコネクター9(コネクター9(9A、9B)、又は、コネクター9(9a、9b、9c、9d)は、ケーブル基板8の同じ面に設けられる。これにより、ケーブル基板8を小さくすることができる。また、ケーブル基板8を簡素化することができる。
また、コネクタ(コネクター9(9A、9B)、a、b、c、d)は、差し込まれたフラットケーブル7を挟んでロックするロック部92を含む。これにより、コネクター9から抜ける方向に向けてフラットケーブル7に力がかかっても、コネクター9からフラットケーブル7が抜けることを避けることができる。
また、プリンター100(画像形成装置)は、磁性キャリアとトナーの比率を常にほぼ一定に保つことができる現像装置1を含むので、高画質な状態を維持できる画像形成装置を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。