JP6502948B2 - 樹脂製キャップ - Google Patents

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Description

本発明は、ペットボトル等の容器の口部に使用される着脱自在な樹脂製キャップに関する。
このような樹脂製キャップとしては、天板部と、天板部の周縁から垂下する筒部と、天板部の内面に形成され、容器口部の外周面と接触するアウターリングと、天板部の内面に形成され、容器口部の内周面と接触するインナーリングと、を備え、アウターリング及びアウターリングよりも長さ(天板部からの垂直距離)が長いインナーリングで容器口部を挟持することによって容器を密封するものが広く使用されている(この従来技術を示す適当な文献はない)。
ペットボトル等の容器に高温の内容物を充填するホットフィルと呼ばれる方法がある。ホットフィルでは、高温の内容物がインナーリングに接触することになるが、このときの熱によってインナーリングの変形やへたり(劣化)が生じる場合がある。これにより、容器口部に対するインナーリングの押圧力が低下してしまい、容器の密閉性が低下するという点で改善の余地があった。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、ホットフィルを行った場合であっても、容器の密閉性を良好に維持することができる樹脂製キャップを提供することを目的とする。
本発明に係る樹脂製キャップの特徴構成は、容器口部に装着され、天板部と、前記天板部の周縁から垂下する筒部と、前記天板部の内面に形成され、前記容器口部の内周面と接触するインナーリングと、を備える樹脂製キャップであって、前記容器口部に装着されたとき、前記容器口部の内周面を少なくとも二重にシールする点にある。
この構成によれば、容器口部の内周面を少なくとも二重にシールすることで、シール部の一つが内容物との接触で変形やへたりが生じたとしても、内容物と接触していない他のシール部のシール性は確保されているため、容器の密閉性の良好に維持することができる。
本発明の更なる特徴構成は、前記インナーリングの外周面に複数の突出部が形成されており、前記容器口部に装着されたとき、前記複数の突出部が前記容器口部の内周面と接触することで、前記容器口部の内周面を少なくとも二重にシールする点にある。
この構成によれば、インナーリングに形成した突出部を利用して、容器口部の内周面を少なくとも二重にシールするという構成を容易に実現することができる。
本発明の更なる特徴構成は、前記容器口部に装着されたとき、前記天板部は、縦断面視において前記容器口部よりも内側に、前記容器口部側に向かって突出するように窪んだ窪み部が形成されており、前記インナーリングは、前記窪み部に形成されており、前記容器口部に装着されたとき、前記窪み部と前記インナーリングとが前記容器口部の内周面と接触することで、前記容器口部の内周面を少なくとも二重にシールする点にある。
この構成によれば、インナーリングとともに窪み部を利用してシールを行う(シール部を形成する)ことで、容器口部の内周面を少なくとも二重にシールするという構成を容易に実現することができる。
また、窪み部にインナーリングを形成することで、従来よりもインナーリングを短くすることができるため、インナーリングの剛性を高めて、インナーリングの変形を抑制することができる。
また、インナーリングと容器口部との接触部分を容器口部の先端部から遠ざけることができるため、容器の密閉が早期に解除されることを防止できる。
さらに、窪み部によって容器口部を内周面側から支持することができるため、樹脂製キャップにアウターリングを設けた場合に、アウターリングからの押圧力で容器口部の内倒れが発生することを防止できる。
本発明の更なる特徴構成は、前記インナーリングが、基部近傍から基部に向かって厚みが増すように形成されている点にある。
この構成によれば、インナーリングの基部を厚くして、インナーリングの変形やへたりの発生を抑制できる。
本発明の樹脂製キャップを容器口部に装着した状態を示す断面図である。 本発明の樹脂製キャップの要部拡大図である。 図1中のIII−III線の断面図である。 本発明の樹脂製キャップの変形例を容器口部に装着した状態を示す断面図である。 本発明の樹脂製キャップの変形例を示す要部拡大図である。 本発明の樹脂製キャップの変形例を示す要部拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の樹脂製キャップについて説明する。
[実施形態1]
本実施形態に係る樹脂製キャップ10は、図1に示すように、樹脂製の容器口部20に使用される。
本実施形態に係る樹脂製キャップ10は、図1〜3に示すように、天板部11と、天板部11の周縁から垂下する筒部12と、天板部11の内面に形成され、容器口部20の外周面と接触するアウターリング13と、天板部11の内面に形成され、容器口部20の内周面と接触するインナーリング14とを備えている。
樹脂製キャップ10は、材質、製法等が特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂を用い、天板部11、筒部12、アウターリング13、インナーリング14を一体に射出成型することにより製造することができる。
樹脂製キャップ10の天板部11は、容器口部20の形状に合わせて円板状に形成してあり、筒部12の内周面にねじ山12aを設けて、容器口部20の外周面に形成されたねじ山20aと螺合することにより、樹脂製キャップ10が容器口部20に装着されるようにしてある。
アウターリング13及びインナーリング14は、天板部11の内面から突出した形状を有する。アウターリング13の内周面が容器口部20の外周面に、インナーリング14の外周面が容器口部20の内周面にそれぞれ接触することで、容器が密封される。
インナーリング14は、インナーリング14の径方向外側に向かって突出する突出部14aが外周面に2つ形成されており、縦断面視形状が櫛刃状となっている。2つの突出部14aが容器口部20の内周面と接触することで、容器口部20の内周面が二重にシールされる。2つの突出部14aのうち、インナーリング14の先端部側に形成されたものは内容物との接触によって変形やへたりが生じる可能性があるが、インナーリング14の基部側に形成されたものは内容物と接触しないため、良好なシール性を維持することができる。
突出部14aは、曲面状に突出するように形成されており、これにより、容器口部20に樹脂製キャップ10を装着する際の抵抗(キャッピング抵抗)を低下させることができる。
インナーリング14は、基部近傍から基部に向かって厚みが増すように形成されており、本実施形態では、突出部14aの部分を除いて基部が最も厚くなるように形成されている。これにより、インナーリング14をへたりにくくすることができる。
容器口部20を有する容器としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンフタレート等の合成樹脂から製造された飲料用等の樹脂製容器に適用することができる。特に、果汁飲料、スポーツドリンク、お茶等に使用される、内容物を高温状態で充填する樹脂製容器に好適である。
[その他の実施形態]
上記の実施形態では、突出部14aを、インナーリング14の外周面の先端部と略中央部とに形成した場合について説明したが、突出部14aを形成する位置はこれに限定されない。例えば、インナーリング14の外周面の略中央部に突出部14aを2つ形成してもよい。
上記の実施形態では、2つの突出部14aを同形状で形成した場合について説明したが、互いに異なる形状で形成してもよい。
上記の実施形態では、インナーリング14に形成した2つの突出部14aを容器口部20の内周面と接触させることで容器口部20の内周面を二重にシールする場合について説明したが、容器口部20の内周面を二重にシールする手法はこれに限定されない。例えば、図4,5に示すように、縦断面視において容器口部20よりも内側に、容器口部20側に向かって突出するように窪んだ窪み部15を形成するとともに、窪み部15にインナーリング14を形成し、窪み部15とインナーリング14とを容器口部20の内周面と接触させることで、容器口部20の内周面を二重にシールしてもよい。この形態では、天板部11から容器口部20までの距離が短くなり、従来よりもインナーリング14を短くすることができるため、インナーリング14の剛性を高めて、インナーリング14の変形を抑制することができる。
また、インナーリング14と容器口部20との接触部分を容器口部20の先端部から遠ざけることができるため、容器の密閉が早期に解除されることを防止することができる。
さらに、アウターリング13からの押圧力と対向する方向から窪み部15が容器口部20を支持することができるため、容器口部20の内倒れの発生を抑制できる。
窪み15の外周面は、容器口部の内周面に沿った形状で、容器口部の内周面と摺動可能に形成すればよい。窪み15の内周面の形状は特に限定されず、円形状、四角形状等、種々の形状が採用可能である。
図4,5において、インナーリング14は、インナーリング14の径方向外側に向かって突出する突出部14aを先端部に有し、突出部14aを容器口部20の内周面と接触させているが、図6に示すように、インナーリング14を直線状の形状とし、その先端部を容器口部20の内周面と接触させてもよい。この形態では、インナーリング14を、容器口部20の軸線方向に対して斜め方向から容器口部20に接触させることができるため、容器口部20に対するインナーリング14の押圧力を強くすることができる。
上記の実施形態においては、容器口部20の内周面を二重にシールする場合、すなわち、容器口部20の内周面にシール部を2つ形成する場合について説明したが、容器口部20の内周面に形成するシール部の数はこれに限定されず、3つ以上であってもよい。例えば、シール部を3つ形成する場合であれば、インナーリング14の外周面に突出部14aを3つ形成し、3つの突出部14aを容器口部の内周面と接触させればよい。また、図4,5に示した窪み部15に突出部14aを2つ有するインナーリング14を形成し、窪み部15と、2つの突出部14aとを容器口部20の内周面と接触させてもよい。
なお、これまで説明してきた容器口部20の内周面を少なくとも二重にシールする手法は、あくまで好適な例示として挙げたものであり、他の手法を用いてもよい。例えば、インナーリング14の先端部を分岐させ、この先端部と容器口部20の内周面とを接触させてもよい。
10 :樹脂製キャップ
11 :天板部
12 :筒部
12a :ねじ山
13 :アウターリング
14 :インナーリング
14a :突出部
15 :窪み部
20 :容器口部
20a :ねじ山

Claims (3)

  1. 容器口部に装着され、
    天板部と、
    前記天板部の周縁から垂下する筒部と、
    前記天板部の内面に形成され、前記容器口部の内周面と接触するインナーリングと、を備える樹脂製キャップであって、
    前記容器口部に装着されたとき、前記容器口部の内周面を少なくとも二重にシールし、
    前記容器口部に装着されたとき、前記天板部は、縦断面視において前記容器口部よりも内側に、前記容器口部側に向かって突出するように窪んだ窪み部が形成されており、
    前記インナーリングは、前記窪み部に形成されており、
    前記容器口部に装着されたとき、前記窪み部と前記インナーリングとが前記容器口部の内周面と接触することで、前記容器口部の内周面を少なくとも二重にシールする樹脂製キャップ。
  2. 前記インナーリングの外周面に複数の突出部が形成されており、
    前記容器口部に装着されたとき、前記複数の突出部が前記容器口部の内周面と接触することで、前記容器口部の内周面を少なくとも二重にシールする請求項1に記載の樹脂製キャップ。
  3. 前記インナーリングは、基部近傍から基部に向かって厚みが増すように形成されている請求項1又は2に記載の樹脂製キャップ。
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