JP6499473B2 - 吸収パッド - Google Patents

吸収パッド Download PDF

Info

Publication number
JP6499473B2
JP6499473B2 JP2015034392A JP2015034392A JP6499473B2 JP 6499473 B2 JP6499473 B2 JP 6499473B2 JP 2015034392 A JP2015034392 A JP 2015034392A JP 2015034392 A JP2015034392 A JP 2015034392A JP 6499473 B2 JP6499473 B2 JP 6499473B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hook
hook material
absorbent pad
less
absorbent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015034392A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016154683A (ja
Inventor
前田 勝司
勝司 前田
はるみ 永谷
はるみ 永谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2015034392A priority Critical patent/JP6499473B2/ja
Publication of JP2016154683A publication Critical patent/JP2016154683A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6499473B2 publication Critical patent/JP6499473B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Description

本発明は、吸収性物品等の着用物品(アウター)と重ねて使用される吸収パッド(インナー)に関する。
従来、尿等の排泄物の処理に伴う経済的、労力的な負担の軽減を目的として、吸収パッドを、使い捨ておむつ等の着用物品の肌対向面に重ねて使用することが行われている。例えば、吸収パッドの一種である尿取りパッドは、身体機能が衰えたり、疾患により衰弱した成人(多くは高齢者)等が着用する使い捨ておむつの表面シートの上に固定され、失禁した尿を吸収保持させるのに使用されるところ、排泄される尿の量が比較的少量の場合には、尿取りパッドのみを交換するだけで済み、使い捨ておむつの交換頻度を減らすことができる。
吸収パッドには、これを吸収性物品等の着用物品の肌対向面に取り外し可能に固定する固定部材が取り付けられたものがあり、この固定部材として、機械的ファスナーを利用したものが知られている(例えば特許文献1)。機械的ファスナーは、外面に多数のフックを有するフック材からなるいわゆるオス部材と、該オス部材が取り外し可能に被着されるいわゆるメス部材とからなり、オス部材のフックをメス部材が有するループ状繊維又は不織布繊維に引っ掛けるようにして、オス部材をメス部材に止着させるようになされている。吸収パッドが固定される使い捨ておむつ等の吸収性物品の肌対向面は、不織布によって形成される場合が多いところ、不織布には多くのループ状繊維やフック材に絡むことができる複数の繊維が存在するため、吸収パッドの固定部材としてフック材(オス部材)を用いることで、その固定部材としてのフック材を介して、吸収パッドを着用物品の肌対向面、例えば不織布製表面シートに容易に固定することができる。
機械的ファスナーのオス部材を利用した吸収パッドに関し、例えば特許文献2には、着用時に下着等の着用物品の肌対向面に当接される着用物品当接面に、固定部材として、係合力の異なる2種類のメカニカルファスニング要素を配置した吸収パッドが記載されている。特許文献2記載の吸収パッドにおいては、この2種類のメカニカルファスニング要素のうち、相対的に係合力の高い方は、該吸収パッドの中心領域に配置され、相対的に係合力の低い方は、該中心領域と該吸収パッドの外縁部との間に配置される。特許文献2記載の吸収パッドによれば、下着に確実に取り付けられることができ、メカニカルファスニング要素によって起こり得る下着の損傷を最小限にすることができるとされている。
また特許文献3には、吸収パッドを固定した状態で下着等の着用物品を着用者の股間側に引き上げたときや、着用者の身体の動きによって、該吸収パッドの位置が適正位置からずれないようにする目的で、吸収パッドを長手方向に二分して、第1の半分部と第2の半部分とに分け、両半分部の着衣対向面にフック材を配置すると共に、第1の半分部と第2の半分部とでフック材の向きを異ならせることが記載されている。
特開2003−210524号公報 特開2012−183379号公報 特表平8−507227号公報
吸収パッドを使い捨ておむつ等の着用物品の肌対向面に固定する際には、吸収パッドが所定の効果を十分に発揮できるよう、所定の適正位置に固定する必要があり、そのためには位置合わせ作業が必要になる場合が多い。また、吸収パッドにおける着用時に着用物品に当接される着用物品当接面には通常、特許文献1〜3記載の吸収パッドのように、固定部材としてのフック材が複数配されている。そこで、このような、フック材を複数有する吸収パッドについての着用物品に対する位置合わせは、先ず、吸収パッドの複数のフック材のうちの一部、例えば吸収パッドの長手方向一端部に配されたフック材のみを着用物品に係合させて、吸収パッドを着用物品に対して半固定状態とし、次いで、その半固定状態のままで吸収パッドを適宜動かし、適当な位置で残りのフック材、例えば吸収パッドの長手方向他端部に配されたフック材を着用物品に係合させて、吸収パッドを仮固定することで行われる場合が多い。そして、その仮固定で着用感等に問題が無ければそのまま着用し、仮固定に問題があれば再び半固定状態に戻し、適正な固定位置を探る。
この吸収パッドの位置合わせ方法では、最初の仮固定で吸収パッドを適正位置に固定できなければ、その仮固定の一部を解除して再び半固定状態に戻し、適正な固定位置を探ることになるため、吸収パッドのフック材を着用物品に係合させる作業を複数回実施することになる。特許文献1〜3記載の吸収パッドは、着用物品に対する固定力を向上させることを主たる課題としており、複数のフック材の係合力が何れも高いレベルにあるため、このような位置合わせ作業が行いにくく、それ故、快適な着用感が得られにくいものであった。フック材の係合力を低下させれば、フック材の係合及びその解除が容易になるため、位置合わせ作業が容易になるが、その場合は、吸収パッドの着用物品に対する係合力が低下し、着用中に吸収パッドが適正位置からずれる、吸収パッドの交換時に着用物品からずれ落ちる等の不都合が生じるおそれがある。着用物品にしっかりと固定させることができ、且つ位置合わせが容易で、快適な着用感が得られる吸収パッドは未だ提供されていない。
従って本発明は、着用物品に確実に固定させることができ、且つ位置合わせが容易で、快適な着用感が得られる吸収パッドに関する。
本発明は、液保持性の吸収体を備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、別体の着用物品の肌対向面上に取り外し可能に固定されて、該着用物品と共に着用される吸収パッドであって、着用時に前記着用物品の肌対向面に当接される着用物品当接面に、前記吸収パッドを該着用物品に取り外し可能に固定する固定部材として、該着用物品に係合可能な第1のフック材及び第2のフック材が配されており、両フック材は、該着用物品当接面の縦方向中央部を挟んで縦方向一方側と他方側とに離間配置されており、前記第2のフック材は、前記第1のフック材に比して剥離力が弱い吸収パッドを提供するものである。
本発明によれば、着用物品に確実に固定させることができ、着用中に吸収パッドが適正位置からずれる、吸収パッドの交換時に着用物品からずれ落ちる等の不都合が生じ難く、且つ位置合わせが容易で、快適な着用感が得られる吸収パッドが提供される。
図1は、本発明の吸収パッドの一実施形態の肌対向面即ち表面シート側を模式的に示す平面図であり、各部の弾性部材を伸張させて平面状に拡げた展開状態における平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す横断面図である。 図3(a)は、図1に示す吸収パッドにおける第1のフック材の模式的な側面図、図3(b)は、図3(a)に示すフックの模式的な上面図である。また、図3(c)は、図3(a)とは異なる形状の第1のフック材の模式的な側面図、図3(d)は、図3(c)に示すフックの模式的な上面図である。 図4は、図1に示す吸収パッドにおける第2のフック材の模式的な側面図、図4(b)は、図4(a)に示すフックの模式的な上面図である。 図5は、図1に示す吸収パッドの着用物品当接面における第2のフック材及びその近傍を一部破断して模式的に示す平面図である。 図6は、図5のII−II線断面を模式的に示す縦断面図である。 図7は、図1に示す吸収パッドの使用形態を示す断面図である。 図8(a)及び図8(b)は、それぞれ、本発明に係るフック材の平面視形状の例示である。 図9(a)、図9(b)及び図9(c)は、それぞれ、本発明に係る吸収体の開口部の平面視形状の例示である。
以下、本発明の吸収パッドを、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照して説明する。本実施形態の吸収パッド1は、図1及び図2に示すように、液保持性の吸収体4を備え、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有し、図7に示すように、別体の着用物品としての使い捨ておむつ100の肌対向面(内表面)100f上に取り外し可能に固定されて、使い捨ておむつ100と共に着用される。
さらに説明すると、吸収パッド1は、液保持性の吸収体4と、該吸収体4の肌対向面側に配された表面シート2と、該吸収体4の非肌対向面側に配された裏面シート3とを備え、図1に示す如き平面視において矩形形状を有し、その長手方向が縦方向Xに一致し、幅方向が横方向Yに一致している。
尚、本明細書において、「肌対向面」は、吸収パッド又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収パッドの着用時に着用者の肌側に向けられる面(相対的に着用者の肌に近い側)であり、「非肌対向面」は、吸収パッド又はその構成部材における、吸収パッドの着用時に肌側とは反対側(相対的に着用者の肌から遠い側)に向けられる面である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置(当該吸収パッドの正しい着用位置)が維持された状態を意味し、吸収パッドが該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
吸収パッド1は、図1に示すように、着用時に着用者の股間部に配される股下部1Mと、着用時に股下部1Mよりも着用者の腹側に配される前方部1Fと、着用時に股下部1Mよりも着用者の背側に配される後方部1Rとを縦方向Xに有している。股下部1Mは、吸収パッド1の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部を有しており、該排泄部対向部は通常、吸収パッド1の縦方向Xの中央部又はその近傍に位置している。
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有し、吸収体4の周縁から外方に延出し、その延出部において互いに接合されている。裏面シート3は、図1に示す如き展開且つ伸張状態の吸収パッド1の外形を形成している。
表面シート2は液透過性であり、尿などの液体を透過させることができる。表面シート2としては、液透過性のシート材料を用いることができ、例えば、カード法により製造された不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布;開口手段によって液透過可能とされた樹脂フィルム、例えば多孔性樹脂フィルム等が挙げられる。表面シート2として用いる不織布は、親水性不織布であることが好ましい。
裏面シート3は、液不透過性シートであることが好ましい。液不透過性シートである裏面シート3は、透湿性シート、透湿性フィルムと不織布をホットメルトや熱で接着した複合シート、撥水性不織布であっても良い。また、裏面シート3は、吸収パッド1に排泄された尿を使い捨ておむつ等の着用物品に吸収させるため、表面シート2と同様の液透過性不織布であっても良い。
吸収体4は、図2に示すように、液保持性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の肌対向面及び非肌対向面を被覆する液透過性のコアラップシート41とを含んで構成されている。吸収性コア40は、図1に示す如き平面視において、股下部1Mに位置する縦方向Xの中央部が内方に括れた砂時計状をなし、縦方向Xに長い形状を有している。コアラップシート41は、吸収性コア40の横方向Yの長さの2倍以上3倍以下の幅を有する1枚の連続したシートである。コアラップシート41は、吸収性コア40の肌対向面の全域を被覆し、且つ吸収性コア40の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出し、その延出部が、吸収性コア40の下方に巻き下げられて、吸収性コア40の非肌対向面の全域を被覆している。吸収性コア40とコアラップシート41との間は、ホットメルト型接着剤等の公知の接合手段により接合されていても良い。吸収性コア40としては、例えば、木材パルプ、親水化剤により処理された合繊繊維等の親水性繊維からなる繊維集合体、又は該繊維集合体に粒子状の吸水性ポリマーを保持させたもの等を用いることができる。コアラップシート41としては、紙、不織布等の液透過性のシート材料を用いることができ、不織布としては、例えばエアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド(S)とメルトブローン(M)とを組み合わせた不織布(いわゆるSMS、SMMS、SSMS等の不織布)を用いることができる。また、コアラップシート41は、図示の如き1枚の連続したシートからなる形態に限定されず、互いに別体をなす複数枚のシートを含む形態でも良く、例えば、吸収性コア40の肌対向面を覆う肌側コアラップシート及び吸収性コア40の非肌対抗面を覆う非肌側コアラップシートの2枚のシートを含んで構成されていても良い。
図1及び図2に示すように、吸収パッド1の肌対向面側即ち表面シート2側における縦方向Xに沿う左右両側には、一対の防漏カフ5,5が、吸収パッド1の縦方向Xの全長に亘って連続的に配置されている。一対の防漏カフ5,5は、それぞれ、吸収パッド1の縦方向Xの全長に亘って連続する1枚の防漏カフ形成用シート50と、該シート50に伸張状態で固定された1本又は複数本(本実施形態では1本)の糸状の防漏カフ形成用弾性部材51とを含んで構成されている。
防漏カフ形成用シート50は、縦方向Xに沿う内側縁部50pと、該内側縁部50pよりも横方向Yの外方に位置して縦方向Xに沿う外側縁部50qとを有し、図1に示す如き平面視において、内側縁部50pは吸収体4と重なり、外側縁部50qは吸収体4の縦方向Xに沿う側縁から横方向Yの外方に延出している。防漏カフ形成用弾性部材51は、防漏カフ形成用シート50の内側縁部50pに伸張状態で固定されている。防漏カフ形成用シート50は、吸収体4の横方向Yの外方にて、外側縁部50q側が表面シート2及び裏面シート3に接合されており、吸収パッド1の着用時に弾性部材51が収縮すると、その接合部52を起点として、少なくとも股下部1Mにおいて内側縁部50p側が着用時に着用者の肌側に向かって起立する。接合部52は、ホットメルト接着剤等の接着剤が塗布されて形成されており、図1に示す如き平面視において縦方向Xに延びる連続した直線状をなしている。防漏カフ形成用シート50としては、液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性のシート材料を用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の不織布(エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS、SMMS、SSMS等の不織布)、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。
また図1及び図2に示すように、着用者の脚周りに配される左右のレッグ部における防漏カフ形成用シート50と裏面シート3との間には、糸状のレッグ部弾性部材53が縦方向Xに沿って伸長状態で固定されており、これにより、吸収パッド1の着用時におけるレッグ部には、弾性部材53の収縮により一対のレッグギャザーが形成される。
吸収パッド1は、着用時に吸収パッド1とは別体の着用物品の肌対向面に当接される着用物品当接面1bを有している。吸収パッド1の着用物品当接面1bは、吸収パッド1の非肌対向面であり、裏面シート3から形成されている。尚、吸収パッド1における着用物品当接面(非肌対向面)1bとは反対側に位置する肌対向面1fは、表面シート2及び防漏カフ形成用シート50から形成されている。
図1に示すように、吸収パッド1の着用物品当接面1bには、吸収パッド1をおむつ100に取り外し可能に固定する固定部材として、図7に示す使い捨ておむつ100の如き着用物品に係合可能な第1のフック材6A及び第2のフック材6Bが配されている。本実施形態においては、2個のフック材6A,6Bが着用物品当接面1bの縦方向Xの中央部を挟んで縦方向一方側と他方側とに離間配置されている。より具体的には、着用物品当接面1bの縦方向Xの中央部、即ち股下部1Mにはフック材は配されておらず、股下部1Mよりも縦方向Xの外方に位置する前方部1Fに第1のフック材6Aが1個配され、後方部1Rに第2のフック材6Bが1個配されている。またフック材6A,6Bは、図1に示す如き平面視において吸収体4と重なっている。
吸収パッド1の着用物品に対する介護者や被介護者による位置合わせのしやすさや装着中の吸収パッド1の手直しのしやすさ、さらに着用感を高める観点から、2個のフック材6A,6Bの離間距離L1(図1参照)は、吸収パッド1の縦方向Xの全長に対して、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、そして、好ましくは85%以下、さらに好ましくは80%以下、より具体的には、好ましくは50%以上85%以下、さらに好ましくは60%以上80%以下である。また同様の観点から、離間距離L1は、好ましくは200mm以上、さらに好ましくは240mm以上、そして、好ましくは540mm以下、さらに好ましくは500mm以下、より具体的には、好ましくは200mm以上540mm以下、さらに好ましくは240mm以上500mm以下である。
図3には、第1のフック材6Aの一部が拡大して示されており、また図4には、第2のフック材6Bの一部が拡大して示されている。フック材6A,6Bは何れも、支持体60と、該支持体60の表面に設けられた多数個のフック61A,61Bとを含んで構成されている。フック61A,61Bは何れも、支持体60の表面から起立する基端部61sと、該基端部61sの先端から所定方向に向かって張り出した張り出し部61tとを有している。尚、図3には、図3(a)及び図3(b)に示すマッシュルーム型のフック61Aを有するものと、図3(c)及び図3(d)に示す矢尻型のフック61Aを有するものとの2種類の第1のフック材6Aが示されているが、第1のフック材6Aとしてはどちらか一方のみを用いても良く、両者を組み合わせて用いても良い。図3(a)及び図3(b)に示すマッシュルーム型のフック61Aは、図3(b)に示す如き上面視において、張り出し部61tが基端部61sの周縁全体から外方にはみ出した形状をなしている。図3(c)及び図3(d)に示す矢尻型のフック61Aは、図3(d)に示す如き上面視において、張り出し部61tが基端部61sの周縁の一部のみから外方にはみ出した形状をなしている。以下のフック61Aあるいは第1のフック材6Aに関する説明は、特に断らない限り、マッシュルーム型及び矢尻型の両方に適用され、図面において同一の構成部分には同一の符号を付している。
フック61A,61Bは、支持体60の表面上において秩序的に配列されていても良く、無秩序に配列されていても良い。支持体60はシート状をなし、フック材6A,6Bの外形を形作っている。本実施形態における支持体60は、図1に示すように、平面視において一方向に長い形状、より具体的には矩形形状をなし、その長手方向を横方向Yに一致させて、着用物品当接面1bに接着剤等の公知の固定手段によって固定されている。フック61A,61Bは何れも、支持体60の表面から起立する基端部61sと、該基端部61sの先端から所定方向に向かって張り出した張り出し部61tとを有している。図3及び図4に示すように、基端部61sの横方向Yに最もくびれた部分の横方向Yの長さ(横方向最小幅)をステム幅Syとし、張り出し部61tの横方向Yに最も張り出した部分の横方向Yの長さ(横方向最大幅)を幅Wyとする。また、基端部61sの縦方向Xに最もくびれた部分の縦方向Xの長さ(縦方向最小幅)をステム幅Sxとし、張り出し部61tの縦方向Xに最も張り出した部分の縦方向Xの長さ(縦方向最大幅)を幅Wxとする。張り出し部61tは、使い捨ておむつ等の着用物品に直接係合する部位であり、フック61A,61Bの張り出し方向は、張り出し部61tの張り出し方向によって決まる。フック材6A,6Bの係合力は、フック61A,61Bにおける張り出し部61tの最大幅Wx,Wyと基端部61sのステム幅(最小幅)Sx,Syとの差であり、張り出し部61tの張り出し程度を表すオーバーハング値によって異なる。そこで、フック61A,61Bそれぞれの横方向Yのオーバーハング値Hyは、張り出し部61tの横方向Yに最も張り出した部分の幅Wy−ステム幅Syとし、縦方向Xのオーバーハング値Hxは、張り出し部61tの縦方向Xに最も張り出した部分の幅Wx−ステム幅Sxとする。オーバーハング値Hyは、フック材の製造方法の幅方向(Cross machine Direction)と重なる方向であり、フック材の係合力を設計する上で重要である。
第1のフック材6Aのフック61Aと第2のフック材6Bのフック61Bとは、オーバーハング値Hy、Hx、又は、形状が異なる。フック61Aの形状については前述した通りであり、具体例として、図3(a)及び図3(b)に示すマッシュルーム型と、図3(c)及び図3(d)に示す矢尻型とが挙げられる。一方、フック61Bは、図4(b)に示す如き上面視において、張り出し部61tが基端部61sの周縁から外方にはみ出した形状のピン型フック材である。
マッシュルーム型のフック61Aは、図3(b)に示すように、張り出し部61tの横方向最大幅Wyが縦方向最大幅Wxに比して長く、それに起因して、張り出し部61tの基端部61sからの張り出し長さは、横方向Yの方が縦方向Xよりも長い。ピン型のフック61Bも、フック61Aと同様に図4(b)に示すように、張り出し部61tの横方向最大幅Wyが縦方向最大幅Wxに比して長い。しかし、ピン型のフック61Bにおいては、張り出し部61tの縦方向最大幅Wxが基端部61sのステム幅(縦方向最小幅)Sxとほぼ同じであるため、張り出し部61tは、縦方向Xにおいては基端部61sの周縁から殆どはみ出しておらず、実質的に横方向Yにおいてのみ基端部61sの周縁からはみ出している。
本実施形態の吸収パッド1の主たる特徴の1つとして、第1のフック材6Aと第2のフック材6Bとで剥離力が異なっており、第2のフック材6Bが第1のフック材6Aに比して剥離力が弱い、即ち、第2のフック材6Bの方が着用物品から剥がしやすい点が挙げられる。第2のフック材6Bは、図4に示す如きピン型に限定されず、例えば図3(a)及び(b)に示す如きマッシュルーム型のフック材であっても良く、要は、第1のフック材6Aと比較して剥離力が弱いものであれば良い。
吸収パッド1は、フック材6A,6Bを介して、使い捨ておむつ等の着用物品の肌対向面に固定されて使用される。吸収パッド1が固定される着用物品の肌対向面は、ループ状繊維を有するループ材又は不織布繊維から形成されており、このループ状繊維又は不織布繊維にフック材6A,6Bが有するフック61A,61Bを引っ掛けることによって、吸収パッド1は着用物品に固定されるところ、その固定力即ち係合力が大きいほど、吸収パッド1の着用物品に対する固定が強固なものとなり、着用中に吸収パッド1が適正位置からずれる、吸収パッド1の交換時に着用物品からずれ落ちる等の不都合が起こり難くなる。尚、ループ材は、ループ状繊維を有する物以外に、いわゆる不織布であっても良く、具体的には例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、SMS不織布、SSMS不織布であっても良く、より具体的には、図7に示すおむつ100の肌対向面100fを形成する表面シートに用いられる不織布であっても良い。
フック材の係合力は、剥離力とせん断力で表すことができる。剥離力は、主としてフック材とループ材との絡み合いによって生じる力であり、吸収パッドと着用物品とが該吸収パッドのフック材と該着用物品のループ材とを介して固定されている状態から、両者の被固定面が離れるように該吸収パッドを剥がそうとするときに抵抗する力である。一方、せん断力は、吸収パッドと着用物品とが同様に固定されている状態から、両者の被固定面が離れないように該被固定面に沿って該吸収パッド又は該着用物品を引いたときに抵抗する力であり、フック材の面方向に沿った外力が作用して初めて発現する力である。フック材の剥離力及びせん断力は、それぞれ、下記方法によって測定することができる。下記測定方法からも明らかなように、本発明において剥離力は「90度剥離力」であり、せん断力は「180度剥離力」である。
<フック材の剥離力の測定方法>
吸収パッドから、測定対象のフック材を含む、縦方向長さ100mm及び横方向長さ50mmの平面視矩形形状を切り出して、フック材の横方向長さが50mmの試験片とする。フック材の縦方向長さは、特に切断などは行わず、フック材の長さそのものとする。また被着片として、試験片と同形状で縦方向長さ100mm及び横方向長さ60mmの紙おむつの表面シートを用意する。具体的には、被着片として、旭化成せんい株式会社製親水性スパンボンド不織布(商品名エルタスアクア)、坪量20g/m2を用い、縦方向長さ100mm及び横方向長さ60mmを用意する。試験片と被着片とを、該試験片のフック材が該被着片と当接するように重ね合わせて積層体を得、該積層体を、該被着片が上になるように平坦面上に載置し、2kgのローラーを該積層体上にて二往復させて、被着片とその下方の試験片とをフック材を介して圧着させ、測定サンプルを得る。この測定サンプルを、引張試験機(株式会社オリエンテック製テンシロン引張試験機RTM100)のチャック間に装着する。引張試験機のチャック間距離は40mmに設定する。そして、測定サンプルの形状がT型となるようにこれを支えながら、引張速度300mm/分で該測定サンプルをその長手方向、即ち吸収パッドにおける縦方向に引っ張って試験片と被着片とにT型に剥離(90度剥離)し、その際の引張荷重の最大値を記録する。測定は3回行い、それらの平均値を当該フック材の剥離力(単位:cN/50mm)とする。尚、試験片におけるフック材の横方向長さ(引張方向と直交する方向の長さ)が50mm取れない場合は、50mmに近い最大の横方向長さにて測定を行い、50mmの横方向長さに換算することにより、フック材の剥離力を求める。
<フック材のせん断力の測定方法>
前記<フック材の剥離力の測定方法>において、測定サンプルをT型に剥離させずに、180度剥離させた以外は、前記<フック材の剥離力の測定方法>と同様にして、フック材のせん断力を求める。測定サンプルの180度剥離は、測定サンプルの縦方向一端における試験片と他端における被着片とを、それぞれ引張試験機のチャックに挟んで、180度反対方向に引っ張ることで行う。この時、引張試験機のチャック間距離は100mmに設定する。
前述したように、フック材の係合力は「剥離力」(90度剥離力)及び「せん断力」(180度剥離力)という、異なる2つの特性で表すことができるところ、本実施形態においては特に、これら2つの特性のうちの剥離力に着目し、第1のフック材6Aと第2のフック材6Bとで剥離力が異ならせている、より具体的には、剥離力に関して「第1のフック材6A>第2のフック材6B」なる大小関係が成立するようにしている。斯かる構成によって、吸収パッド1の位置合わせが容易になり、延いては快適な着用感が得られるようになる。つまり、相対的に剥離力の弱い第2のフック材6Bは、相対的に剥離力の強い第1のフック材6Aに比して着用物品に対する係合力が弱いため、第2のフック材6Bを着用物品に係合させた後に該着用物品から剥がす操作を容易に行うことができ、斯かる操作を繰り返し行っても煩雑さを感じにくい。従って、吸収パッド1を着用物品に固定する際の位置合わせは、例えば、第1のフック材6Aを着用物品に係合させることによって、吸収パッド1を着用物品に対して半固定状態としておき、その半固定状態のままで吸収パッド1を適宜動かし、適当な位置で第2のフック材6Bを着用物品に係合させて、吸収パッド1を仮固定する方法を採ることができる。
第2のフック材6Bの剥離力は、第1のフック材6Aの剥離力に対して、好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上、そして、好ましくは70%以下、さらに好ましくは50%以下、殊更好ましくは40%以下、より具体的には、好ましくは3%以上70%以下、さらに好ましくは5%以上50%以下、殊更好ましくは5%以上40%以下である。
第1のフック材6Aの剥離力は、好ましくは50cN/50mm以上、さらに好ましくは60cN/50mm以上、そして、好ましくは150cN/50mm以下、さらに好ましくは120cN/50mm以下、より具体的には、好ましくは50cN/50mm以上150cN/50mm以下、さらに好ましくは60cN/50mm以上120cN/50mm以下である。
第2のフック材6Bの剥離力は、好ましくは1.5cN/50mm以上、さらに好ましくは2.5cN/50mm以上、そして、好ましくは90cN/50mm以下、さらに好ましくは75cN/50mm以下、殊更好ましくは60cN/50mm以下、より具体的には、好ましくは1.5cN/50mm以上90cN/50mm以下、さらに好ましくは2.5cN/50mm以上75cN/50mm以下、殊更好ましくは2.5cN/50mm以上60cN/50mm以下である。
フック材6A,6Bの剥離力は、様々な方法で調整することができる。一般に、フック材の剥離力は、フックの形状、フックの先端部即ち張り出し部の大きさ、フックの支持体からの高さ、フックの設置密度等によって決まるため、これらを適宜調整することで、剥離力に関して、第1のフック材6A>第2のフック材6Bなる大小関係が得られる。一般に、マッシュルーム型とピン型とでは、前者の方が、張り出し部の基端部からのはみ出し部分が多いために剥離力が強く、ループ材から剥がし難い。前述したように、本実施形態においては、第1のフック材6Aのフック61Aはマッシュルーム型(図3(a)及び図3(b)参照)又は矢尻型(図3(c)及び図3(d)参照)、第2のフック材6Bのフック61Bはピン型であり、斯かるフック61A,61Bの形状の違いによって、第1のフック材6A>第2のフック材6Bなる大小関係が得られる。また一般に、フックの張り出し程度を表すオーバーハング値Hx,Hyが大きいほど、フックの高さが高いほど、フックの設置密度が高いほど、フック材の剥離力は大きくなるので、これらも適宜組み合わせることによって、第1のフック材6A>第2のフック材6Bなる大小関係がより一層確実に得られるようになる。
第1のフック材6Aにおけるフック61Aの横方向Yのオーバーハング値Hyに対する第2のフック材6Bにおけるフック61Bの横方向Yのオーバーハング値Hyの比、即ち、(フック61Bのオーバーハング値Hy)/(フック61Aのオーバーハング値Hy)は、好ましくは0以上、さらに好ましくは0.03以上、特に好ましくは、0.05以上、そして、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.5以下であることが、吸収パッド1の装着位置の手直しのしやすさの点から好ましい。
第1のフック材6Aを構成するマッシュルーム型又は矢尻型のフック61Aにおける各部の寸法は下記範囲にあることが好ましい。
張り出し部61tの横方向Yのオーバーハング値Hy、即ち、(張り出し部61tの横方向最大幅Wy)−(基端部61sの横方向最小幅であるステム幅Sy)は、好ましくは100μm以上、さらに好ましくは120μm以上、そして、好ましくは360μm以下、さらに好ましくは330μm以下、より具体的には、好ましくは100μm以上360μm以下、さらに好ましくは120μm以上330μm以下である。
張り出し部61tの縦方向Xのオーバーハング値Hx、即ち、(張り出し部61tの縦方向最大幅Wx)−(基端部61sの縦方向最小幅であるステム幅Sx)は、好ましくは40μm以上、さらに好ましくは60μm以上、そして、好ましくは220μm以下、さらに好ましくは200μm以下、より具体的には、好ましくは40μm以上220μm以下、さらに好ましくは60μm以上200μm以下である。
フック61Aの支持体60からの高さTz(図3(a)及び図3(c)参照)は、好ましくは200μm以上、さらに好ましくは250μm以上、そして、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは450μm以下、より具体的には、好ましくは200μm以上500μm以下、さらに好ましくは250μm以上450μm以下である。
フック61Aの設置密度は、1平方インチ当たり、好ましくは1200個以上、さらに好ましくは1400個以上、そして、好ましくは2600個以下、さらに好ましくは2400個以下、より具体的には、好ましくは1200個以上2600個以下、さらに好ましくは1400個以上2400個以下である。
第2のフック材6Bを構成するピン型のフック61Bにおける各部の寸法は下記範囲にあることが好ましい。
張り出し部61tの横方向Yのオーバーハング値Hy、即ち、(張り出し部61tの横方向最大幅Wy)−(基端部61sの横方向最小幅であるステム幅Sy)は、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上、そして、好ましくは120μm以下、さらに好ましくは100μm以下、より具体的には、好ましくは5μm以上120μm以下、さらに好ましくは10μm以上100μm以下である。
張り出し部61tの縦方向Xのオーバーハング値Hx、即ち、(張り出し部61tの縦方向最大幅Wx)−(基端部61sの縦方向最小幅であるステム幅Sx)は、好ましくは0μm以上、さらに好ましくは4μm以上、そして、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下、より具体的には、好ましくは0μm以上100μm以下、さらに好ましくは4μm以上80μm以下である。
フック61Bの支持体60からの高さTz(図4参照)は、好ましくは120μm以上、さらに好ましくは180μm以上、そして、好ましくは450μm以下、さらに好ましくは360μm以下、より具体的には、好ましくは120μm以上450μm以下、さらに好ましくは180μm以上360μm以下である。
フック61Bの設置密度は、1平方インチ当たり、好ましくは600個以上、さらに好ましくは800個以上、そして、好ましくは2000個以下、さらに好ましくは1800個以下、より具体的には、好ましくは600個以上2000個以下、さらに好ましくは800個以上1800個以下である。
フック材6A,6Bの剥離力は、それらの面積によっても調整可能であり、剥離力に関して、第1のフック材6A>第2のフック材6Bなる大小関係を得るために、第2のフック材6Bの面積を第1のフック材6Aの面積よりも小さくしても良い。第2のフック材6Bの面積は、第1のフック材6Aの面積に対して、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、そして、好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下、より具体的には、好ましくは30%以上80%以下、さらに好ましくは40%以上70%以下である。
第1のフック材6A及び第2のフック材6Bそれぞれの縦方向Xの長さは、好ましくは8mm以上、さらに好ましくは10mm以上、そして、好ましくは35mm以下、さらに好ましくは30mm以下、より具体的には、好ましくは8mm以上35mm以下、さらに好ましくは10mm以上30mm以下である。
第1のフック材6A及び第2のフック材6Bそれぞれの横方向Yの長さは、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上、そして、好ましくは150mm以下、さらに好ましくは120mm以下、より具体的には、好ましくは30mm以上150mm以下、さらに好ましくは40mm以上120mm以下である。
ところで、前述したように本実施形態においては、剥離力に関しては、第1のフック材6Aと第2のフック材6Bとで大小関係を設けているが、せん断力に関しては、両フック材6A,6B間に大小関係が無くても良く、また大小関係があったとしても、それが剥離力とは逆の関係であっても、即ち、第2のフック材6Bが第1のフック材6Aに比してせん断力が強くても構わない。その理由は、フック材6A,6Bの着用物品(ループ材)に対する係合力において、吸収パッド1の位置合わせの操作性に対する影響力が大きいのは剥離力であり、せん断力の影響力は大きくないためである。
第1のフック材6Aのせん断力は、好ましくは1200cN/50mm以上、さらに好ましくは1500cN/50mm以上、そして、好ましくは3000cN/50mm以下、さらに好ましくは2700cN/50mm以下、より具体的には、好ましくは1200cN/50mm以上3000cN/50mm以下、さらに好ましくは1500cN/50mm以上2700cN/50mm以下である。
第2のフック材6Bのせん断力は、第1のフック材6Aのせん断力と同じ範囲でも構わないが、好ましくは900cN/50mm以上、さらに好ましくは1200cN/50mm以上、そして、好ましくは3000cN/50mm以下、さらに好ましくは2700cN/50mm以下、より具体的には、好ましくは900cN/50mm以上3000cN/50mm以下、さらに好ましくは1200cN/50mm以上2700cN/50mm以下である。
しかしながら、フック材の着用物品に対する係合力、即ち吸収パッドの着用物品に対する固定力の観点では、フック材のせん断力は重要であり、前述したようにこれを意図的に弱めることは、吸収パッドの固定力の低下に繋がり得る。そこで本実施形態においては、位置合わせの容易性の観点から意図的に剥離力を弱めた第2のフック材6Bについて、位置合わせの容易性が損なわれないようにしつつ、吸収パッド1の固定力の低下を招かないような工夫を施している。
具体的には本実施形態においては、第1のフック材6A及び第2のフック材6Bよりも縦方向Xの内方、即ち縦方向Xに離間配置された一対のフック材6A,6B間に、弾性体を縦方向Xに伸長状態で配置している。通常、吸収パッド1を着用物品に固定する際には、前述した手順で位置合わせ操作を行った後あるいはこの操作を行いつつ、吸収パッド1を縦方向Xに延ばしてからフック材6A,6Bを用いて着用物品に固定するところ、斯かる構成を採用することにより、吸収パッド1を着用物品に固定すると前記弾性体の収縮力が働き、それによってフック材6A,6Bと着用物品との間にせん断力が発現するので、吸収パッド1の着用物品に対する固定力が向上し、着用中に吸収パッド1が適正位置からずれる、吸収パッド1の交換時に着用物品からずれ落ちる等の不都合がより一層発生し難くなる。
フック材6A,6Bと着用物品との間にせん断力を発生させる前記「弾性体」は、第1のフック材6A及び第2のフック材6Bよりも縦方向Xの内方に伸長状態で配置されていれば良く、吸収パッド1の厚み方向における配置位置は問わず、吸収パッド1の肌対向面1f側即ち表面シート2側に配置されていても良く、着用物品当接面(非肌対向面)1b側即ち裏面シート3側に配置されていても良い。従って本実施形態においては、防漏カフ5を構成する糸状の防漏カフ形成用弾性部材51及びレッグ部弾性部材53(図1及び図2参照)が前記「弾性体」として機能し得る。
本実施形態においては、より効果の高い前記「弾性体」として、図1、図5及び図6に示すように、糸状の防漏カフ形成用弾性部材51よりも幅広、即ち横方向Yの長さが長い弾性シート7を採用している。弾性シート7は平面視矩形形状をなし、その長手方向を横方向Yに一致させて配置されている。弾性シート7は、図6に示すように、裏面シート3と吸収体4との間に介在配置されている。弾性シート7は、裏面シート3の肌対向面(吸収体4との対向面)に接着剤等の公知の接合手段によって固定されている。
弾性シート7としては、弾性を有するシート又はそれに準じる形状(糸や紐よりも幅広の形状)の材料を用いることができ、例えば、帯状の弾性部材(いわゆる平ゴム)、弾性シート又は非弾性シートの一面に糸状若しくは紐状の弾性部材を伸長状態で固定してなる複合シート、弾性を有する樹脂製フィルム、弾性を有する不織布、ポリウレタン発泡体等の弾性フォーム、あるいはこれらの2種以上を積層してなる複合シート等が挙げられる。弾性シート7としては、「非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層の一面に糸状の弾性フィラメントが接合した構成」を有する伸縮シートを用いることもでき、この伸縮シートは、例えば特開2009−61743号公報に記載の方法に従って製造することができる。
弾性シート7の縦方向Xの長さは、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上、そして、好ましくは120mm以下、さらに好ましくは100mm以下、より具体的には、好ましくは30mm以上120mm以下、さらに好ましくは40mm以上100mm以下である。
弾性シート7の横方向Yの長さは、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上、そして、好ましくは150mm以下、さらに好ましくは120mm以下、より具体的には、好ましくは30mm以上150mm以下、さらに好ましくは40mm以上120mm以下である。
弾性シート7の採用意義をより一層高める観点から、弾性シート7は、第1のフック材6A及び第2のフック材6Bの少なくとも一方と横方向Yにおいて重複していることが好ましく、弾性シート7は第2のフック材6Bと横方向Yにおいて重複していることがより好ましく、弾性シート7はフック材6A,6Bの両方と重複していることが特に好ましい。換言すれば、第1のフック材6A及び第2のフック材6Bそれぞれの縦方向Xに延びる両側縁(横方向Yの両端)を縦方向Xに仮想的に延長させた場合に、第1のフック材6Aから延びる一対の仮想延長線に挟まれた領域内若しくは第2のフック材6Bから延びる一対の仮想延長線に挟まれた領域内又は両方の領域に重なる領域内に、弾性シート7の少なくとも一部が存していることが好ましい。弾性シート7は、その一部が両フック材6A,6Bと横方向Yにおいて重複していなくても良いが、図1、図5及び図6に示すように、弾性シート7の全体が両フック材6A,6Bと横方向Yにおいて重複している方がより効果的である。本実施形態においては、弾性シート7は、吸収パッド1の横方向Yの中央部、即ち、フック材6A,6Bから延びる一対の仮想延長線に挟まれた領域の横方向Yの中央部に配されている。
同様の観点から、弾性シート7の横方向Yの長さは、フック材6A又はフック材6B横方向Yにおける長さに対して、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、そして、好ましくは120%以下、さらに好ましくは100%以下、より具体的には、好ましくは50%以上120%以下、さらに好ましくは70%以上100%以下である。斯かる割合が低すぎると、弾性シート7を配置する意義に乏しく、斯かる割合が高すぎると、フック材6Bより幅方向外側部が必要以上に収縮を起し、吸収パッド1の装着が難しく位置合わせがしにくい、装着時の着用感、特に仰向き寝の状態での着用感が悪化する要因となるおそれがある。
前記の「フック材6A又はフック材6Bの横方向Yにおける長さ」は、第1のフック材6A又は第2のフック材6Bの縦方向Xに延びる両側縁を縦方向Xに仮想的に延長させた場合のその一対の仮想延長線に挟まれた領域の長さである。弾性シート7の横方向Yの長さは、縦方向Xに延びる両側縁を縦方向Xに仮想的に延長させた場合のその一対の仮想延長線に挟まれた領域の横方向Yの長さである。本実施形態においては、フック材6A及びフック材6Bは互いに同形状同寸法であり、弾性シート7は該フック材6A,6Bよりも幅方向が狭く、且つ横方向Yにおいて弾性シート7は完全にフック材6A,6B内に納まっているので、「フック材6A又はフック材6Bと横方向Yにおいて重複している重複部分の長さ」は、弾性シート7の横方向長さに一致する。
また、弾性シート7の採用意義をより一層高める観点から、弾性体シート7は、図1、図5及び図6に示すように、相対的に剥離力の弱い第2のフック材6Bの近傍に位置していることが好ましい。同様の観点から、弾性体シート7は、平面視において第2のフック材6Bと重なっていることも好ましい(図示しない)。ここでいう「第2のフック材6Bの近傍」は、具体的には、第2のフック材6Bから吸収パッド1の面方向に20mm以内の領域を意味する。
また、本実施形態においては、フック材6A,6Bによる吸収パッド1の着用物品に対する固定力を一層高める観点から、前述した弾性体、即ち防漏カフ形成用弾性部材51及び弾性シート7の採用に加えてさらに、吸収体4にも工夫を施している。具体的には、図1、図5及び図6に示すように、吸収体4を構成する吸収性コア40に、該吸収性コア40を厚み方向に貫通する横長の開口部45を設け、且つ平面視において開口部45と前記弾性体としての弾性シート7とが重なるようになしてある。前述したように、本実施形態における弾性シート7は、相対的に剥離力の弱い第2のフック材6Bの近傍に位置しているか、又は平面視において第2のフック材6Bと重なっているので、吸収体4の開口部45は、第2のフック材6Bの近傍に位置しているか、又は平面視において第2のフック材6Bと重なっている。
本実施形態においては、吸収体4の開口部45は平面視矩形形状をなし、その長手方向が横方向に一致している。本実施形態における開口部45は、吸収性コア40のみに形成されており、コアラップシート41には形成されていない。吸収性コア40に開口部45を形成する方法としては、例えば、空気流に乗せて供給した吸収性コア40の形成材料を、回転ドラムの外周面に形成された成形型上に吸引して堆積させて吸収性コア40を得る方法において、該成形型として所定パターンの成形型、例えば開口部45に対応する部位が周辺部に比して上方に突出している成形型を用いることで製造することができる。斯かる方法で得られた吸収性コア40において、形成材料が存在していない部分が、吸収性コア40における開口部45である。また、吸収性コア40に開口部45を形成する他の方法としては、開口部を有していない吸収性コアを製造し、該吸収性コアの所定部位に型抜き加工や切削加工等の後加工を施して非積繊部を形成する方法を採用することもでき、この後加工による開口部45の形成方法は、コアラップシート41に開口部45を形成する際にも利用できる。つまり、本発明の別の実施形態として開口部45は、吸収体4の構成部材の全て、即ち吸収性コア40及びコアラップシート41の両方に形成されていても良い。
このように吸収体4あるいはその一構成部材である吸収性コア40に開口部45を設けることにより、吸収体4は縦方向X即ち吸収体4の長手方向に収縮しやすくなるため、フック材6A,6Bを用いて吸収パッド1を着用物品に固定した場合に、フック材6A,6Bと着用物品との間にせん断力が発現し、それによって吸収パッド1の着用物品に対する固定力が向上する。特に本実施形態においては、吸収体4の開口部45が、相対的に剥離力の弱い第2のフック材6Bの近傍に位置しているか、又は平面視において第2のフック材6Bと重なっているので、開口部45による作用効果が特に第2のフック材6Bに対して働きやすく、その結果、位置合わせの容易性を損なわずに、吸収パッド1の固定力を実用十分なレベルに維持し得る。尚、前述した工夫によってフック材6A,6B、特に第2のフック材6Bに対してせん断力が向上した結果、それらのフック材を着用物品に係合させた状態から剥がす場合に剥がしにくくなることが懸念されるが、着用物品に係合しているフック材を、弾性シート7や吸収体4の収縮方向とは逆方向、即ち縦方向Xの外方に引っ張ることで、該フック材を容易に剥がすことができる。
前述した作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、開口部45は、図1、図5及び図6に示すように、前記弾性体としての弾性シート7に比して横方向長さが長いことが好ましい。開口部45の横方向長さは、弾性シート7の横方向長さに対して、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、そして、好ましくは130%以下、さらに好ましくは120%以下、より具体的には、好ましくは80%以上130%以下、さらに好ましくは90%以上120%以下である。
開口部45の横方向Yの長さは、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは50mm以上、そして、好ましくは180mm以下、さらに好ましくは160mm以下、より具体的には、好ましくは30mm以上180mm以下、さらに好ましくは50mm以上160mm以下である。
開口部45の縦方向Xの長さは、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは15mm以上、そして、好ましくは50mm以下、さらに好ましくは40mm以下、より具体的には、好ましくは10mm以上50mm以下、さらに好ましくは15mm以上40mm以下である。
吸収パッド1の寸法は、併用する着用物品の寸法等に応じて適宜調整すれば良く、特に制限されないが、通常、縦方向Xの長さは、好ましくは360mm以上、さらに好ましくは400mm以上、そして、好ましくは800mm以下、さらに好ましくは720mm以下、より具体的には、好ましくは360mm以上800mm以下、さらに好ましくは400mm以上720mm以下であり、また横方向Yの長さは、好ましくは100mm以上、さらに好ましくは120mm以上、そして、好ましくは300mm以下、さらに好ましくは270mm以下、より具体的には、好ましくは100mm以上300mm以下、さらに好ましくは120mm以上270mm以下である。
以上、本発明について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。例えば前記実施形態では、フック材6A,6Bの平面視形状は矩形形状であったが、フック材6A,6Bの平面視形状は特に制限されず、例えば図8(a)に示す如きV字状、図8(b)に示す如き円弧状であっても良い。特に図8(b)に示す如き円弧状は、着用物品に対するあてがい易さ、着用物品からの剥がしやすさに優れているため、好ましい。図8(a)に示すV字状のフック材の場合、そのV字の頂部が吸収パッド1の縦方向Xの中央を向くように配されることが好ましい。また、図8(b)に示す円弧状のフック材の場合、縦方向Xの中央に向かって凸となるように配されることが好ましい。また前記実施形態では、フック材6Aとフック材6Bとで平面視形状が同じであったが、互いに異なっていても良い。
また前記実施形態では、吸収体4の開口部45の平面視形状は矩形形状であったが、開口部45の平面視形状は特に制限されず、例えば図9(a)に示す如き台形形状、図9(b)に示す如きV字状、図9(c)に示す如き円弧状であっても良い。図9(a)に示す台形形状、即ち、上底とそれよりも長い下底とを有する台形形状の開口部の場合、その上底が吸収パッド1の縦方向Xの中央を向くように配されることが好ましい。また、図9(b)に示す如きV字状の開口部の場合、そのV字の頂部が吸収パッド1の縦方向Xの中央を向くように配されることが好ましい。また、図9(c)に示す円弧状の開口部の場合、縦方向Xの中央に向かって凸となるように配されることが好ましい。
また前記実施形態では、第1のフック材6Aにおけるフック61Aは図3に示す如きマッシュルーム型又は矢尻型、第2のフック材6Bにおけるフック61Bは、図4に示す如きピン型であったが、フック61A,61Bの形状は特に制限されず、要は、第2のフック材6Bが第1のフック材6Aに比して剥離力が弱くなるようになされていれば良い。従って例えば、フック61A,61Bの両方が図3に示す如きマッシュルーム型でも良い。また、本発明で利用可能なマッシュルーム型又は矢尻型のフック材は図3に示すものに制限されず、図3に示すものに準じた形状のフック材を用いることができる。ピン型のフック材についても同様である。
また、吸収性や防漏性等の向上の観点から、表面シート2と吸収体4との間に、各種不織布からなる液透過性シートが介在配置されていても良い。同様の観点から、吸収パッド1の肌対向面に、表面シート2及び吸収体4が一体的に圧密化されてなる溝が形成されていても良い。さらに、排尿液の横モレを防止や、吸収パッド1の横方向Yの長さ即ち幅をコンパクトにするために、裏面シート3が、表面シート2の縦方向Xに沿う側縁を覆うように、表面シート2側に巻き上げられて配置されても良い。また、防漏カフ5(防漏カフ形成用シート50)は、表面シート2側に巻き上げられた裏面シート3(吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部)の肌対向面又は非肌対向面に接合されていても良く、あるいは、防漏カフ形成用シート50の縦方向Xに沿う一端側が着用物品当接面1bに接合され、該シート50の他端側が吸収パッド1の肌対向側に巻き上げられて配置されていても良い。
また、位置合わせの容易性の観点から、裏面シート3に、位置合わせのための目印が付されていても良い。例えば、吸収パッド1の裏面シート3における第1のフック材6A及び第2のフック材6Bそれぞれの近傍に目印を付しておくと共に、吸収パッド1と併用される使い捨ておむつにも、吸収パッド1の固定位置を表す目印を付しておくことで、位置合わせが一層容易になる。この位置合わせのための目印には、吸収パッドの前後を表す目印なども含まれ、該目印としては、目視で視認可能であれば良く、図柄、文字、あるいはこれらの組み合わせを用いることができる。
また、本発明の吸収パッドは、各吸収パッドが2つ折りにされた状態で、複数枚が別体の包装パックに収納されていても良い。例えば、吸収性パッドの前方部の肌対抗向面と後方部の肌対抗向面とが重なるように縦方向に2つ折りされた状態で、別体の包装パックに収納することができる。
本発明の吸収パッドは、各種着用物品と共に着用可能であり、併用可能な着用物品としては、図7に示す如き使い捨ておむつ(パンツ型及び止着テープを有するいわゆる展開型の両方を含む)の他、軽失禁ショーツや軽失禁パンツ等の各種吸収性物品、さらには衣類のショーツや下着・肌着等が挙げられる。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
液保持性の吸収体を備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、別体の着用物品の肌対向面上に取り外し可能に固定されて、該着用物品と共に着用される吸収パッドであって、
着用時に前記着用物品の肌対向面に当接される着用物品当接面に、前記吸収パッドを該着用物品に取り外し可能に固定する固定部材として、該着用物品に係合可能な第1のフック材及び第2のフック材が配されており、両フック材は、該着用物品当接面の縦方向中央部を挟んで縦方向一方側と他方側とに離間配置されており、
前記第2のフック材は、前記第1のフック材に比して剥離力が弱い吸収パッド。
<2>
前記第1のフック材及び前記第2のフック材は、それぞれ、支持体と、該支持体の表面に設けられた多数個のフックとを含んで構成され、該フックは、該支持体の表面から起立する基端部と、該基端部の先端から所定方向に向かって張り出した張り出し部とを有し、
前記第1のフック材と前記第2のフック材とは、前記フックのオーバーハング値又は形状が異なり、
前記オーバーハング値は、前記フックにおける前記張り出し部の所定方向の最大幅と前記基端部の該所定方向と同方向の最小幅(ステム幅)との差である前記<1>に記載の吸収パッド。
<3>
前記第1のフック材における前記フックの横方向のオーバーハング値Hyに対する、前記第2のフック材における前記フックの横方向のオーバーハング値Hyの比は、好ましくは0以上、さらに好ましくは0.03以上、特に好ましくは、0.05以上、そして、好ましくは0.7以下、さらに好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.5以下である前記<2>に記載の吸収パッド。
<4>
前記第1のフック材及び前記第2のフック材それぞれにおける前記フックは、マッシュルーム型、矢尻型又はピン型である前記<2>又は<3>に記載の吸収パッド。
<5>
前記第1のフック材における前記フックはマッシュルーム型又は矢尻型であり、該フックにおける前記張り出し部の横方向のオーバーハング値Hyは、好ましくは100μm以上、さらに好ましくは120μm以上、そして、好ましくは360μm以下、さらに好ましくは330μm以下である前記<4>に記載の吸収パッド。
<6>
前記第1のフック材における前記フックはマッシュルーム型又は矢尻型であり、該フックにおける前記張り出し部の縦方向のオーバーハング値Hxは、好ましくは40μm以上、さらに好ましくは60μm以上、そして、好ましくは220μm以下、さらに好ましくは200μm以下である前記<4>又は<5>に記載の吸収パッド。
<7>
前記第1のフック材における前記フックはマッシュルーム型又は矢尻型であり、該フックの前記支持体からの高さは、好ましくは200μm以上、さらに好ましくは250μm以上、そして、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは450μm以下である前記<4>〜<6>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<8>
前記第1のフック材における前記フックはマッシュルーム型又は矢尻型であり、該フックの設置密度は、1平方インチ当たり、好ましくは1200個以上、さらに好ましくは1400個以上、そして、好ましくは2600個以下、さらに好ましくは2400個以下である前記<4>〜<7>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<9>
前記第2のフック材における前記フックはピン型であり、該フックにおける前記張り出し部の横方向のオーバーハング値Hyは、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上、そして、好ましくは120μm以下、さらに好ましくは100μm以下である前記<4>〜<8>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<10>
前記第2のフック材における前記フックはピン型であり、該フックにおける前記張り出し部の縦方向のオーバーハング値Hxは、好ましくは0μm以上、さらに好ましくは4μm以上、そして、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下である前記<4>〜<9>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<11>
前記第2のフック材における前記フックはピン型であり、該フックの前記支持体からの高さは、好ましくは120μm以上、さらに好ましくは180μm以上、そして、好ましくは450μm以下、さらに好ましくは360μm以下である前記<4>〜<10>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<12>
前記第2のフック材における前記フックはピン型であり、該フックの設置密度は、1平方インチ当たり、好ましくは600個以上、さらに好ましくは800個以上、そして、好ましくは2000個以下、さらに好ましくは1800個以下である前記<4>〜<11>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<13>
前記第2のフック材の剥離力は、前記第1のフック材の剥離力に対して、好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以上、そして、好ましくは70%以下、さらに好ましくは50%以下、殊更好ましくは40%以下である前記<1>〜<12>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<14>
前記第1のフック材の剥離力は、好ましくは50cN/50mm以上、さらに好ましくは60cN/50mm以上、そして、好ましくは150cN/50mm以下、さらに好ましくは120cN/50mm以下である前記<1>〜<13>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<15>
前記第2のフック材の剥離力は、好ましくは1.5cN/50mm以上、さらに好ましくは2.5cN/50mm以上、そして、好ましくは90cN/50mm以下、さらに好ましくは75cN/50mm以下、殊更好ましくは60cN/50mm以下である前記<1>〜<14>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<16>
前記第2のフック材は、前記第1のフック材に比して面積が小さい前記<1>〜<15>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<17>
前記第2のフック材の面積は、前記第1のフック材6Aの面積に対して、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、そして、好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下である前記<16>に記載の吸収パッド。
<18>
前記第1のフック材及び前記第2のフック材よりも縦方向内方に、弾性体が縦方向に伸長状態で配置されている前記<1>〜<17>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<19>
前記弾性体は、前記第1のフック材及び前記第2のフック材の少なくとも一方と横方向において重複し、且つ該弾性体の横方向長さは、該第1のフック材又は該第2のフック材の横方向における長さに対して、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、そして、好ましくは120%以下、さらに好ましくは100%以下である前記<18>に記載の吸収パッド。
<20>
前記弾性体の縦方向の長さは、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上、そして、好ましくは120mm以下、さらに好ましくは100mm以下である前記<18>又は<19>に記載の吸収パッド。
<21>
前記弾性体の横方向の長さは、好ましくは30mm以上、さらに好ましくは40mm以上、そして、好ましくは150mm以下、さらに好ましくは120mm以下である前記<18>〜<20>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<22>
前記弾性体の全体が、前記第1のフック材及び前記第2のフック材の両方と横方向において重複している前記<18>〜<21>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<23>
前記吸収体の非肌対向面側に、前記着用物品当接面を形成する裏面シートが配され、該裏面シートと該吸収体との間に、前記弾性体が介在配置されている前記<18>〜<22>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<24>
前記弾性体は、前記第2のフック材の近傍に位置しているか、又は平面視において前記第2のフック材と重なっている前記<18>〜<23>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<25>
前記吸収体は吸収性コアを有し、該吸収性コアに該吸収性コアを厚み方向に貫通する横長の開口部が形成されており、平面視において該開口部と前記弾性体とが重なっている前記<18>〜<24>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<26>
前記開口部は前記弾性体に比して横方向長さが長い前記<25>に記載の吸収パッド。
<27>
前記第1のフック材及び前記第2のフック材は、それぞれ、平面視において前記吸収体と重なっている前記<1>〜<26>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<28>
前記第1のフック材と前記第2のフック材との離間距離は、前記吸収パッドの縦方向の全長に対して、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上、そして、好ましくは85%以下、さらに好ましくは80%以下である前記<1>〜<27>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<29>
前記第1のフック材と前記第2のフック材との離間距離は、好ましくは200mm以上、さらに好ましくは240mm以上、そして、好ましくは540mm以下、さらに好ましくは500mm以下である前記<1>〜<28>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<30>
前記第1のフック材のせん断力は、好ましくは1200cN/50mm以上、さらに好ましくは1500cN/50mm以上、そして、好ましくは3000cN/50mm以下、さらに好ましくは2700cN/50mm以下である前記<1>〜<29>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<31>
前記第2のフック材のせん断力は、好ましくは900cN/50mm以上、さらに好ましくは1200cN/50mm以上、そして、好ましくは3000cN/50mm以下、さらに好ましくは2700cN/50mm以下である前記<1>〜<30>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<32>
前記吸収体の非肌対向面側に、前記着用物品当接面を形成する裏面シートが配され、該裏面シートは、該吸収体の縦方向に沿う両側縁から延出し、それら両延出部が、該吸収体の肌対向面側に巻き上げられており、その巻き上げられた両延出部の肌対向面又は非肌対向面に、防漏カフ形成用シートが接合されている前記<1>〜<31>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<33>
前記吸収体の非肌対向面側に、前記着用物品当接面を形成する裏面シートが配され、該裏面シートは、該吸収体の縦方向に沿う両側縁から延出し、それら両延出部が、該吸収体の肌対向面側に巻き上げられており、
前記吸収パッドの肌対向面側における縦方向に沿う左右両側に、防漏カフ形成用シートを含んで構成される一対の防漏カフが配されており、該防漏カフ形成用シートは、その縦方向に沿う一端側が前記着用物品当接面に接合され、他端側が該吸収パッドの肌対向面側に巻き上げられている前記<1>〜<31>の何れか一項に記載の吸収パッド。
<34>
前記吸収パッドは、着用時に着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される前方部と、該股下部よりも着用者の背側に配される後方部とを縦方向に有し、該前方部の肌対向面と該後方部の肌対向面とが重なるように縦方向に2つ折りされた状態で、別体の包装パックに収納されている前記<32>又は<33>に記載の吸収パッド。
<35>
前記吸収体の非肌対向面側に、前記着用物品当接面を形成する裏面シートが配され、該裏面シートに、前記吸収パッドを別体の着用物品に固定する際の位置合わせに利用可能な目印が、目視で視認可能に付されている前記<1>〜<34>の何れか一項に記載の吸収パッド。
1 吸収パッド
1f 吸収パッドの肌対向面
1b 吸収パッドの着用物品当接面(非肌対向面)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 コアラップシート
45 開口部
5 防漏カフ
50 防漏カフ形成用シート
51 防漏カフ形成用弾性部材(弾性体)
6A 第1のフック材
6B 第2のフック材
60 支持体
61A,61B フック
61s フックの基端部
61t フックの張り出し部
7 弾性シート(弾性体)
100 使い捨ておむつ(着用物品)
1F 前方部
1M 股下部
1R 後方部
X 縦方向
Y 横方向

Claims (10)

  1. 液保持性の吸収体を備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、別体の着用物品の肌対向面上に取り外し可能に固定されて、該着用物品と共に着用される吸収パッドであって、
    着用時に前記着用物品の肌対向面に当接される着用物品当接面に、前記吸収パッドを該着用物品に取り外し可能に固定する固定部材として、該着用物品に係合可能な第1のフック材及び第2のフック材が配されており、両フック材は、該着用物品当接面の縦方向中央部を挟んで縦方向一方側と他方側とに離間配置されており、
    前記第1のフック材及び前記第2のフック材は、それぞれ、支持体と、該支持体の表面に設けられた多数個のフックとを含んで構成され、該フックは、該支持体の表面から起立する基端部と、該基端部の先端から所定方向に向かって張り出した張り出し部とを有し、
    前記第1のフック材と前記第2のフック材とは、前記フックにおける前記張り出し部の所定方向の最大幅と前記基端部の該所定方向と同方向の最小幅との差であるオーバーハング値又は該フックの形状が異なっており、
    前記第2のフック材は、前記第1のフック材に比して剥離力が弱い吸収パッド。
  2. 前記第2のフック材は、前記第1のフック材に比して剥離力が70%以下である請求項1記載の吸収パッド。
  3. 前記第1のフック材及び前記第2のフック材よりも縦方向内方に、弾性体が縦方向に伸長状態で配置されている請求項1又は2に記載の吸収パッド。
  4. 前記弾性体は、前記第1のフック材及び前記第2のフック材の少なくとも一方と横方向において重複し、且つ該弾性体の横方向長さは、該第1のフック材又は該第2のフック材の横方向における長さの50%以上120%以下の範囲にある請求項3に記載の吸収パッド。
  5. 液保持性の吸収体を備え、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有し、別体の着用物品の肌対向面上に取り外し可能に固定されて、該着用物品と共に着用される吸収パッドであって、
    着用時に前記着用物品の肌対向面に当接される着用物品当接面に、前記吸収パッドを該着用物品に取り外し可能に固定する固定部材として、該着用物品に係合可能な第1のフック材及び第2のフック材が配されており、両フック材は、該着用物品当接面の縦方向中央部を挟んで縦方向一方側と他方側とに離間配置されており、
    前記第2のフック材は、前記第1のフック材に比して剥離力が弱く、
    前記第1のフック材及び前記第2のフック材よりも縦方向内方に、弾性体が縦方向に伸長状態で配置されており、
    前記弾性体は、前記第1のフック材及び前記第2のフック材の少なくとも一方と横方向において重複し、且つ該弾性体の横方向長さは、該第1のフック材又は該第2のフック材の横方向における長さの50%以上120%以下の範囲にある吸収パッド。
  6. 前記第2のフック材は、前記第1のフック材に比して剥離力が70%以下である請求項5に記載の吸収パッド。
  7. 前記吸収体の非肌対向面側に、前記着用物品当接面を形成する裏面シートが配され、該裏面シートと該吸収体との間に、前記弾性体が介在配置されている請求項3〜6の何れか一項に記載の吸収パッド。
  8. 前記弾性体は、前記第2のフック材の近傍に位置しているか、又は平面視において前記第2のフック材と重なっている請求項3〜の何れか一項に記載の吸収パッド。
  9. 前記吸収体は吸収性コアを有し、該吸収性コアに該吸収性コアを厚み方向に貫通する横長の開口部が形成されており、平面視において該開口部と前記弾性体とが重なっている請求項3〜の何れか一項に記載の吸収パッド。
  10. 前記開口部は前記弾性体に比して横方向長さが長い請求項に記載の吸収パッド。
JP2015034392A 2015-02-24 2015-02-24 吸収パッド Active JP6499473B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015034392A JP6499473B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 吸収パッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015034392A JP6499473B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 吸収パッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016154683A JP2016154683A (ja) 2016-09-01
JP6499473B2 true JP6499473B2 (ja) 2019-04-10

Family

ID=56824311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015034392A Active JP6499473B2 (ja) 2015-02-24 2015-02-24 吸収パッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6499473B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023094956A (ja) * 2021-12-24 2023-07-06 花王株式会社 吸収性パッド
WO2023224124A1 (ja) * 2022-05-20 2023-11-23 ユニ・チャーム株式会社 着用物品
JP2023171096A (ja) * 2022-05-20 2023-12-01 ユニ・チャーム株式会社 吸収性パッド

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3899474B2 (ja) * 2001-11-07 2007-03-28 株式会社光洋 吸収性物品及びそれを有する使い捨ておむつ並びに吸収性物品の製造方法
JP3913102B2 (ja) * 2002-04-26 2007-05-09 花王株式会社 吸収性物品
US8211078B2 (en) * 2005-02-17 2012-07-03 The Procter And Gamble Company Sanitary napkins capable of taking complex three-dimensional shape in use
JP2007044139A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Three M Innovative Properties Co フック型締結要素及び吸収性物品
US20100152696A1 (en) * 2006-07-05 2010-06-17 Uni-Charm Corporation Auxiliary pad and absorptive article with auxiliary pad
EP2376046B1 (en) * 2009-01-15 2016-06-22 The Procter and Gamble Company Two-piece wearable absorbent articles
JP6199646B2 (ja) * 2013-07-26 2017-09-20 花王株式会社 吸収性物品
JP6195772B2 (ja) * 2013-10-07 2017-09-13 ユニ・チャーム株式会社 使い捨ておむつ
JP6373092B2 (ja) * 2014-06-30 2018-08-15 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016154683A (ja) 2016-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4685160B2 (ja) 改善された引き裂き抵抗及び柔軟性を有する吸収性物品
RU2416385C1 (ru) Трансформируемое поглощающее изделие
JP5069532B2 (ja) 未熟児又は低出生体重児用使い捨ておむつ
JP4077707B2 (ja) 使い捨てオムツ
JP5940151B2 (ja) 吸収性物品
AU2010225865A1 (en) Disposable diaper having a fastening tape with stepwise adjustable length
JP2009082484A5 (ja)
KR20090099099A (ko) 테이프 파스너를 구비한 일회용 기저귀
JP5378247B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP5813937B2 (ja) 使い捨て着用物品
JP6499473B2 (ja) 吸収パッド
JP5282020B2 (ja) テープ型使い捨ておむつ
JP5511587B2 (ja) 使い捨ておむつ
US6645188B2 (en) Absorbent article
JP6278710B2 (ja) 使い捨てのパンツ型着用物品
JP5520620B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP5643026B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP6185266B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP2012040246A (ja) 使い捨ておむつ
JP5525286B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP5599502B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP7336929B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP2010178875A (ja) 使い捨ておむつの製造方法
JP5369311B2 (ja) 止着テープ、止着テープの製造方法及びテープ型使い捨ておむつ
US8066684B2 (en) Disposable pants

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171204

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20171204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190312

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190315

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6499473

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250