JP6498979B2 - 可動体用給電構造 - Google Patents

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Description

本発明は、固定部より可動体に給電を行う可動体用給電構造に関する。
例えば、車両には、車体に対して移動する部品(サンルーフ、サンシェード、サイドガラス、シート等の可動体)が搭載される。かかる可動体への電源供給については、種々の構造が従来より提案されている。特許文献1では、図11に示すように、サンルーフ101をガイドする一対のレール部材102上にディフレクタ103が配置され、このディフレクタ103のアーム部103a自体を固定側接点104として形成し、この固定側接点104上を摺動する摺動側接点105をサンルーフ101に設け、車体側からディフレクタ103を経由して可動体であるサンルーフ101への給電経路を構成している。
特開2013−169845号公報
しかしながら、前記従来の可動体用給電構造では、雨、埃にさらされる設置環境にあるディフレクタ103のアーム部103aを固定側接点104としているため、ディフレクタ103が雨にさらされることで漏電が発生する恐れがある。また、ディフレクタ103のアーム部103aに埃が堆積することによって摺動側接点105が削れ、導通不良を引き起こす恐れがある。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、雨、埃等に起因する不具合を極力防止できる可動体用給電構造を提供することを目的とする。
本発明は、固定部に固定されたレール部材と、前記レール部材に沿って移動するスライダと、前記スライダに支持された可動体と、前記可動体に移動力を作用させる駆動ベルトとを備え、前記固定部側から前記可動体に電源を供給する可動体用給電構造において、前記レール部材には、前記駆動ベルトが配置されていると共に、前記スライダの移動方向に沿って延びる固定側接点が設けられ、前記スライダには、前記固定側接点に接触する摺動側接点が設けられ、前記駆動ベルトと前記固定側接点と前記摺動側接点は、少なくとも上方側が保護壁で覆われていることを特徴とする可動体用給電構造である。
前記保護壁は、前記摺動側接点の摺動側を除く全ての面を覆っていることが好ましい。前記保護壁は、前記レール部材によって形成されているものを含む。前記レール部材には、前記スライダがスライドするスライドガイド壁が形成され、前記スライドガイド壁が前記保護壁を兼用しているものを含む。前記保護壁は、前記レール部材とは別部材によって形成されているものを含む。前記固定側接点は、接点支持部材によって前記レール部材に固定され、前記接点支持部材が前記保護壁を兼用しているものを含む。前記可動体は、サンルーフでありるものを含む。
本発明によれば、保護壁が固定側接点と摺動側接点に雨、埃等が落下等して付着するのを極力阻止するため、雨、埃等に起因する不具合を極力防止できる。
本発明の第1実施形態を示し、サンルーフ装置の平面図である。 本発明の第1実施形態を示し、サンルーフ装置の要部斜視図である。 本発明の第1実施形態を示し、(a)サンルーフが閉位置に位置する状態を示す概略側面図、(b)サンルーフがチルトアップ位置に位置する状態を示す概略側面図、(a)サンルーフが開位置に位置する状態を示す概略側面図である。 本発明の第1実施形態を示し、リアスライダとレール部材の断面図(図1のA−A線断面図に相当)である。 本発明の第1実施形態を示し、リアスライダとレール部材を上方から見た図である。 本発明の第1実施形態を示し、レール部材とフロントスライダを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態を示し、レール部材の固定側接点とフロントスライダの摺動側接点の状態を示す断面図である。 本発明の第1実施形態を示し、固定側接点及び固定側絶縁部と排水キャップの斜視図である。 本発明の第2実施形態を示し、レール部材とフロントスライダを示す斜視図である。 本発明の第2実施形態を示し、レール部材の固定側接点とフロントスライダの摺動側接点の状態を示す断面図である。 従来例の可動体用給電構造の適用したサンルーフ装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図8には、本発明にかかる可動体用給電構造をサンルーフ装置に適用した第1実施形態が示されている。以下、説明する。
図3に示すように、固定体である車体1の天井パネル2には、開口部3が設けられている。この開口部3がサンルーフ装置10によって開閉される。
サンルーフ装置10は、図1、図3等に示すように、開口部3の車幅方向の両側部に配置された一対のレール部材11と、開口部3の車両前部側に配置され、一対のレール部材11の前端にそれぞれ連結された前方フレーム15と、一対のレール部材11に沿って移動する一対のフロントスライダ21、一対のリアスライダ23及び一対のミドルスライダ25と、一対のミドルスライダ25に支持された可動体であるサンルーフ30と、サンルーフ30に移動力を作用させる一対の駆動ベルト40と、駆動ベルト40の移動源であるアクチュエータ49と、ディフレクタ50と、水受け部材60とを備えている。
図1、図2、図4等に示すように、各レール部材11は、例えばアルミニューム合金より形成されている。各レール部材11には、スライドガイド路12とベルトガイド路13と排水路14が長手方向に沿ってそれぞれ配置されている。
各スライドガイド路12は、互いに間隔を空けて対向配置された内側スライドガイド壁11b及び外側スライドガイド壁11cと、内側スライドガイド壁11bと外側スライドガイド壁11cの底面間を連結する中央底面壁11aとから形成されている。ベルトガイド路13は、外側スライドガイド壁11cに連続し、スライドガイド路12側の一部開口を除いて全ての面を囲むベルト包囲壁11dによって形成されている。
車幅方向の左右の排水路14は、サンルーフ30の左右両側と天井パネル2との各隙間の真下に位置し、上記隙間から落下する水等を受ける。排水路14は、上面側が開放された凹溝形状である。各レール部材11の排水路14の車両後端位置には、排水キャップ18が取り付けられている。排水キャップ18には、排水ホース(図示せず)が接続される。
前方フレーム15は、例えば合成樹脂材より形成されている。前方フレーム15には、2本のベルト配策路16と左右一対の排水路17とが設けられている。各ベルト配策路16は、各レール部材11のベルトガイド路13に連続している。各排水路17は、各レール部材11の排水路14に連続している。前方フレーム15の各排水路17の車両前端位置には、排水キャップ(図示せず)が接続される。排水キャップには、排水ホース(図示せず)が接続される。
図1、図2、図3等に示すように、一対のフロントスライダ21及び一対のリアスライダ23は、車両前後方向FRの同じ位置で左右のレール部材11のスライドガイド路12にスライド自在に配置されている。一対のミドルスライダ25は、その車両前端側に回転支持孔(特に、符号を付さず)を有すると共に長手方向に細長いカム孔25bを有している。各ミドルスライダ25の車両前端側の回転支持孔には、フロントスライダ21の回転ピン21aが挿入されている。各ミドルスライダ25の各細長いカム孔25bには、リアスライダ23のカムピン23aが挿入されている。一対のミドルスライダ25は、一対のフロントスライダ21に対して車両前後方向FRの移動では一体に移動し、一対のリアスライダ23に対してはカムピン23aのカム孔25b内での位置に応じて車両前後方向FR及び車両上下方向TBに移動する。このようなスライダ機構によって、サンルーフ30は、図3(a)に示すように開口部3を塞ぐ閉位置と、図3(b)に示すように開口部3の前方を閉じ、開口部3の後方を開くチルトアップ位置と、図3(c)に示すように開口部3を開放する開位置に変移できる。
図1に示すように、サンルーフ30は、一対のミドルスライダ25に固定されている。サンルーフ30は、透明なガラス体と調光パネルが少なくとも積層された積層パネル体(特に、符号を付さず)を有し、一対のミドルスライダ25に取り付けられている。調光パネルは、電圧が印加されない状態では不透明状態であり、電圧の印加時にはその印加電圧レベルに応じて透明度を可変させる。調光パネルには、車体側から給電される。この給電構造については、下記で順次説明する。
各駆動ベルト40は、合成樹脂製である。各駆動ベルト40は、長尺状で、断面形状が縦長の長方形である。各駆動ベルト40の一面には、長手方向に連続して歯部40aが設けられている。各駆動ベルト40は、前方フレーム15のベルト配策路16及び一対のレール部材11のベルトガイド路13に配置されている。各駆動ベルト40は、前方フレーム15のベルト配策路16の領域では、ベルトカバー46で、且つ、レール部材11のベルトガイド路13の領域では、ベルト包囲壁11dで容易に座屈(撓み変形)しないように覆われている。これにより、一対の駆動ベルト40は、サンルーフ30を車両前方から後方に押し出すときでも、所定の軌跡でのみ移動するようになっている。
一対の駆動ベルト40は、その一端側が一対のリアスライダ23に固定され(一方の駆動ベルト40は、一方のリアスライダ23に、他方の駆動ベルト40は、他方のリアスライダ23に固定され)、その他端側が何の部材にも固定されていない。つまり、自由端とされている。駆動ベルト40とリアスライダ23の固定構造については、下記する。
アクチュエータ49は、前方フレーム15の車両幅方向のほぼ中央位置に固定されている。アクチュエータ49の一対の出力ギア部(図示せず)が一対の駆動ベルト40の歯部40aにそれぞれ噛み合っている。一対の出力ギア部は、互いに逆方向で回転する。これにより、一対の駆動ベルト40は、互いに逆方向に移動し、一対のリアスライダ23は、車両前後方向FRの同位置を同期して移動する。
ディフレクタ50は、ディフレクタ本体51とこのディフレクタ本体51の左右両端に回転自在に支持された一対の揺動アーム52とを備えている。ディフレクタ本体51は、天井パネル2の開口部3の前方端で、開口部3の車体幅方向の全域に亘って配置されている。ディフレクタ本体51は、前端側が円弧状に形成されている。これにより、開口部3の開口時にあって、外部からの強い風が開口部3より車室内に直接入り込まないようになっている。
一対の揺動アーム52は、一対のレール部材11に回転自在に支持されている。ディフレクタ本体51は、一対の揺動アーム52の移動によって、天井パネル2の開口部3より下方に位置する待機位置(図3(a)、(b)の位置)と開口部3より天井パネル2上に突出する風避け位置(図3(c)の位置)の間で変移自在であり、ねじりバネ53のバネ力によって風避け位置側に付勢されている。ディフレクタ本体51は、フロントスライダ21のスライド軌跡上に位置し、フロントスライダ21が図3(a)の閉位置及び図3(b)のチルトアップ位置では、一対の揺動アーム52がフロントスライダ21からの押圧力を受けてねじりバネ53のバネ力に抗して待機位置に位置する。ディフレクタ本体51は、フロントスライダ21が図3(c)の開位置では、一対の揺動アーム52がフロントスライダ21からの押圧力を受けずにねじりバネ53のバネ力によって風避け位置に位置する。
水受け部材60は、開口部3の後端側で、開口部3の車体幅方向の全域に亘って配置されている。水受け部材60は、一対のレール部材11にスライド自在に支持されたスライド部(図示せず)と、このスライド部に支持され、水受け溝(図示せず)を有する水受け本体62と、水受け本体62の車幅方向の両端に固定された一対のアーム部63とを有する。水受け本体62の水受け溝(図示せず)には、一対のレール部材11の排水路14の真上位置に排水口62a(図1に示す)がそれぞれ形成されている。一対のアーム部63の先端は、ミドルスライダ25に回転自在に支持されている。水受け部材60は、ミドルスライダ25の車両前後方向FRの移動及びミドルスライダ25の後端の上下動に追従して移動する。
水受け部材60の水受け本体62は、サンルーフ30が図3(a)の閉位置では、開口部3の後端位置に位置し、サンルーフ30と天井パネル2との隙間から落下する水等を受ける。水受け本体62は、サンルーフ30が図3(b)のチルトアップ位置では、開口部3の後端位置に位置し、開口部3より落下する水等を受ける。水受け本体62は、サンルーフ30が図3(c)の開位置の位置では、天井パネル2の内側の退避位置に位置する。水受け本体62で受けた水等は、排水口(図示せず)よりレール部材11の排水路14に落下し、レール部材11の排水路14をその前端又は後端へと流れ、排水キャップ18、(図示せず)を介して排水ホース(図示せず)によって外部に排水される。
次に、駆動ベルト40とリアスライダ23の固定構造について説明する。図4、図5に詳しく示すように、リアスライダ23は、樹脂ブロック26とこれに嵌合された絶縁製の金属ブラケット27とにより構成されている。樹脂ブロック26の箇所がスライドガイド路12に配置されている。樹脂ブロック26には嵌合突部26aが1箇所、金属ブラケット27には嵌合突部27aが2箇所設けられている。金属ブラケット27の2つの嵌合突部27aは、樹脂ブロック26の嵌合突部26aの車両前後方向FRの両側位置に配置されている。駆動ベルト40の一端側には、各嵌合突部26a,27aに対応する位置に嵌合孔44が開口されている。樹脂ブロック26と金属ブラケット27の嵌合突部26a,27aが駆動ベルト40の各嵌合孔44に嵌合されることによって、駆動ベルト40とリアスライダ23が連結されている。
次に、車体1側からサンルーフ30への給電構造について説明する。先ず、フロントスライダ21の詳細を説明する。
図6及び図7に詳しく示すように、フロントスライダ21は、合成樹脂材より形成されている。フロントスライダ21は、スライダベース部21Aと、このスライダベース部21Aの両側に突出する一対のスライド部21Bとを有する。一対のスライド部21Bがレール部材11のスライドガイド路12に配置されている。
一対のスライド部21Bの側面にそれぞれ摺動側接点70が、内側スライドガイド壁11b、外側スライドガイド壁11cの側面に固定側接点71がそれぞれ固定されている。互いに対向する摺動側接点70と固定側接点71は、それぞれ接触している。摺動側接点70は、リード線29を介してサンルーフ30の電極に接続されている。固定側接点71は、車体側のリード線73(図8に示す)に接続されている。固定側接点71は、導通部71aと、この導通部71aの摺動接点側以外の面を覆う絶縁部71bとから形成されている。導通部71aは、絶縁部71bによってレール部材11に接触せず、且つ、所定の沿面距離を置いて配置されている。固定側接点71は、レール部材11の長手方向のほぼ全域に配置されている。フロントスライダ21がスライドすると、摺動側接点70が固定側接点71の導通部71aを摺動して双方の接点間の連続的な接触が確保される。
固定側接点71と摺動側接点70は、レール部材11の内側スライドガイド壁11b、外側スライドガイド壁11cによって、摺動側接点70の摺動側以外の面が覆われている。つまり、内側スライドガイド壁11b、外側スライドガイド壁11cが固定側接点71と摺動側接点70の保護壁を兼用している。特に、内側スライドガイド壁11b、外側スライドガイド壁11cの上壁11eは、固定側接点71と摺動側接点70の上方側に庇状に配置されている。
また、図8に示すように、固定側接点71の端部には、前記した排水キャップ18が一体に形成されている。従って、固定側接点71をレール部材11のスライドガイド路12に挿入することで、排水キャップ18をレール部材11に同時に取り付けできる。また、長尺状で、且つ、小幅寸法の固定側接点71の端部に大幅寸法の排水キャップ18があり、排水キャップ18を把持して固定側接点71をレール部材11のスライドガイド路12に挿入できるため、小幅寸法の固定側接点71を把持して挿入する場合に比べて挿入作業性が良い。
上記構成において、アクチュエータ49が駆動すると、一対の駆動ベルト40がその一端側では車両前後方向FRの同じ位置となるよう移動し、図3に示すような3パターンの位置にサンルーフ30を変移させることができる。3パターンのサンルーフ30の変移にあって、車体1側の電源からは、車体側のリード線73、固定側接点71、摺動側接点70、可動側のリード線29を介して可動体であるサンルーフ30に給電される。
以上説明したように、固定部である車体1に固定されたレール部材11と、レール部材11に沿って移動するフロントスライダ21、リアスライダ23及びミドルスライダ25と、ミドルスライダ25に支持された可動体であるサンルーフ30とを備え、固定部側である車体1側から可動体であるサンルーフ30に電源を供給する可動体用給電構造において、レール部材11には、フロントスライダ21の移動方向に沿って延びる固定側接点71が設けられ、フロントスライダ21には、固定側接点71に接触する摺動側接点70が設けられ、固定側接点71と摺動側接点70は、少なくとも上方側が保護壁を兼用する内側スライドガイド壁11b、外側スライドガイド壁11cで覆われている。従って、内側スライドガイド壁(保護壁)11b、外側スライドガイド壁(保護壁)11cが固定側接点71と摺動側接点70に雨、埃等が落下等して付着するのを極力阻止するため、雨、埃等に起因する不具合を極力防止できる。
内側スライドガイド壁11b及び外側スライドガイド壁11cは、固定側接点71及び摺動側接点70に対し、その上方側を覆っているのみならず、摺動側接点70の摺動側を除く全ての面を覆っている。従って、内側スライドガイド壁(保護壁)11b、外側スライドガイド壁(保護壁)11cが固定側接点71と摺動側接点70に雨、埃等が落下等して付着するのをより確実に阻止するため、雨、埃等に起因する不具合をより確実に防止できる。
保護壁は、レール部材11によって形成されているので、部品点数が増加しない。
保護壁は、レール部材11の内側スライドガイド壁11bが兼用するので、レール部材11に別途保護壁を一体に設ける必要がないため、レール部材11の構成の複雑化を極力防止できる。
尚、固定側接点71は、導通部71aと絶縁部71bから形成されているが、レール部材11が絶縁材である場合には、導通部71aのみから形成しても良い。
(第2実施形態)
図9及び図10は、本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、前記第1実施形態と比較して、車体1側からサンルーフ30への給電構造が相違する。
つまり、フロントスライダ21には、レール部材11の内側スライドガイド壁11b、外側スライドガイド壁11cより上位置となる位置で、スライダベース部21Aの前面と両側面に亘って絶縁材の接点台80が固定されている。この接点台80上に摺動側接点70が設けられている。
レール部材11には、内側スライドガイド壁11b、外側スライドガイド壁11cの上面に絶縁性の接点支持部材81が固定されている。この接点支持部材81は、ほぼコ字形状を有し、レール部材11の長手方向のほぼ全域に配置されている。接点支持部材81の内面側の上面に固定側接点71が設けられている。固定側接点71は、その下面を摺動面とし、レール部材11の長手方向のほぼ全域に配置されている。
ほぼコ字形状の接点支持部材81内に、摺動側接点70が接点台80と共に入り込み、固定側接点71と摺動側接点70が接触している。
フロントスライダ21がスライドすると、摺動側接点70が固定側接点71を摺動して双方の接点間の連続的な接触が確保される。
固定側接点71と摺動側接点70は、接点支持部材81によって、摺動側接点70の摺動側以外の面が覆われている。つまり、接点支持部材81が固定側接点71と摺動側接点70の保護壁を兼用している。特に、接点支持部材81の上面壁の先端から下方に向かって垂下壁81aが延設されている。この垂下壁81aによって摺動側接点70の摺動を確保するための隙間を狭くしている。
他の構成は、前記第1実施形態とほぼ同様であるため、図面の同一箇所には同一符号を付して説明を省略する。
以上、この実施形態でも、保護壁を兼用する接点支持部材81が固定側接点71と摺動側接点70に向かって落下する雨、埃等は、接点支持部材(保護壁)81によって固定側接点71や摺動側接点70に落下等して付着するのを極力阻止されるため、雨、埃等に起因する不具合を極力防止できる。
接点支持部材81は、固定側接点71及び摺動側接点70に対し、その上方側を覆っているのみならず、摺動側接点70の摺動側を除く全ての面を覆っている。従って、接点支持部材(保護壁)81によって、雨、埃等に起因する不具合をより確実に防止できる。
固定側接点71は、接点支持部材81によってレール部材11に固定され、接点支持部材81が保護壁を兼用している。従って、レール部材11とは別部材で保護壁を形成するに際し、部品点数の増加、構成の複雑化を極力防止できる。
可動体は、サンルーフ30であり、この実施形態では、サンルーフ30への給電構造について説明したが、車体1に対して移動する可動体、例えばサンシェード、サイドガラス、シート等への給電構造に適用できる。また、車両以外の可動体への給電構造にも適用できる。
本発明は、可動ガラスに替わりソーラーパネルを採用した場合、ソーラーパネルから車体側への受電にも利用できる。
各実施形態では、フロントスライダ21に摺動側接点70を設けたが、リアスライダ23に摺動側接点70を設けても良い。しかし、フロントスライダ21は、サンルーフ30との最大離間距離がリアスライダ23に比べて小さいので、フロントスライダ21に摺動側接点70を設けた方がリード線29の長さを短くでき、好ましい。
1 車体(固定部)
3 開口部
11 レール部材
11b 内側スライドガイド壁(スライドガイド壁、保護壁)
11c 外側スライドガイド壁(スライドガイド壁、保護壁)
21 フロントスライダ
23 リアスライダ
25 ミドルスライダ
30 サンルーフ(可動体)
70 摺動側接点
71 固定側接点
81 接点支持部材(保護壁)

Claims (7)

  1. 固定部に固定されたレール部材と、前記レール部材に沿って移動するスライダと、前記スライダに支持された可動体と、前記可動体に移動力を作用させる駆動ベルトとを備え、前記固定部側から前記可動体に電源を供給する可動体用給電構造において、
    前記レール部材には、前記駆動ベルトが配置されていると共に、前記スライダの移動方向に沿って延びる固定側接点が設けられ、
    前記スライダには、前記固定側接点に接触する摺動側接点が設けられ、
    前記駆動ベルトと前記固定側接点と前記摺動側接点は、少なくとも上方側が保護壁で覆われていることを特徴とする可動体用給電構造。
  2. 請求項1記載の可動体用給電構造であって、
    前記保護壁は、前記摺動側接点の摺動側を除く全ての面を覆っていることを特徴とする可動体用給電構造。
  3. 請求項1又は請求項2記載の可動体用給電構造であって、
    前記保護壁は、前記レール部材によって形成されていることを特徴とする可動体用給電構造。
  4. 請求項3記載の可動体用給電構造であって、
    前記レール部材には、前記スライダがスライドするスライドガイド壁が形成され、前記スライドガイド壁が前記保護壁を兼用していることを特徴とする可動体用給電構造。
  5. 請求項1又は請求項2記載の可動体用給電構造であって、
    前記保護壁は、前記レール部材とは別部材によって形成されていることを特徴とする可動体用給電構造。
  6. 請求項5に記載の可動体用給電構造であって、
    前記固定側接点は、接点支持部材によって前記レール部材に固定され、前記接点支持部材が前記保護壁を兼用していることを特徴とする可動体用給電構造。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の可動体用給電構造であって、
    前記可動体は、サンルーフであることを特徴とする可動体用給電構造。
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