JP6497882B2 - 制御弁用フィルタおよび制御弁 - Google Patents
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Description
特許文献1および特許文献2に記載の制御弁用フィルタは、略環状のフレームとこのフレームに設けられたフィルタ部材とを有し、フレームの一カ所に分断部が形成され、この分断部に係合部が形成されている。この係合部は凹部と凸部とによって形成されている。
そして、このような制御弁用フィルタを制御弁本体に装着する場合、フレームを拡径して制御弁本体の外周部に巻き付け、係合部の凹部と凸部とを周方向において近づけて、凸部を凹部に弾性的に押し込んで嵌めこむ、いわゆるスナップフィットによって嵌め込むことによって、凹部と凸部を係合することで、制御弁用フィルタを制御弁本体装着している。
また、同特許文献1および特許文献2には、略環状のフレームの分断部をスタッドに嵌め込むことや、スポット溶接によって結合することが記載されている。
そして、制御弁用フィルタを制御弁本体に装着する場合、制御弁用フィルタのフレームを拡径して制御弁本体に設けられた周溝に巻き付けるようにして嵌め込むとともに、第1突起および第2突起を対応する第1凹部および第2凹部に係合することで、制御弁用フィルタを制御弁本体に装着している。
また、凸部を凹部にいわゆるスナップフィットによって嵌め込むことによって、凹部と凸部を係合しているので、凹部と凸部が変形し易く、破損の虞もある。
また、略環状のフレームの分断部をスタッドに嵌め込む場合、スタッドの分、部品点数が増加するとともに、このスタッドの組み付けにも手間がかかる。
さらに、スポット溶接によって分断部を結合する場合、溶接設備や溶接工程が必要であり、手間とコストがかかる。
前記ポート部の開口縁部に設けられた枠格納部に嵌め込まれる枠部材と、
この枠部材に設けられた濾過機能を有するフィルタ部材と、
このフィルタ部材に一体的に形成され、前記枠部材を前記枠格納部に嵌め込むことによって、前記ポート部に固定される固定部とを備えたことを特徴とする。
また、凹部と凸部とのスナップフィットによって固定するものでないので、これに起因する変形や破損が生じることもない。
さらに、固定部がポート部に固定されることで、制御弁用フィルタがポート部に取り付けられるので、部品点数が増えたり、製造に手間がかかることがない。
また、枠部材をポート部の開口縁部に設けられた枠格納部に嵌め込むので、ポート部の流路断面積を減らすことなく、制御弁用フィルタを取り付けることができ、よって、油の流量の低下率を低減できる。
ここで、薄板はフィルタ部材と一体的に形成するのが好ましく、当該薄板の厚さは、枠部材の厚さより薄く設定される。
また、固定部が金属製の薄板によって形成されているので、この固定部によるポート部の流路断面積の低下率が低くなり、流量低下率を低減できる。
前記複数のポート部を選択的に連通させるように前記制御弁本体内で摺動するスプール弁体と、
前記ポート部の開口縁部に設けられた枠格納部に嵌め込まれる枠部材と、この枠部材に設けられた濾過機能を有するフィルタ部材と、このフィルタ部材に一体的に形成され、前記枠部材を前記枠格納部に嵌め込むことによって、前記ポート部に固定される固定部とを含む制御弁用フィルタと、を備えることを特徴とする。
また、枠部材がポート部の開口縁部に設けられた枠格納部に嵌め込まれているので、ポート部の流路断面積を減らすことなく、制御弁用フィルタを取り付けることができ、よって、流量の低下率を低減できる。
前記枠格納部に前記枠部材が嵌め込まれた前記制御弁用フィルタは、前記制御弁本体の外周面より内側に配置されているのが好ましい。
また、枠格納部に設けられたシール面に前記枠部材が密接されているので、枠格納部と枠部材との間からの異物侵入を抑えることができる。
また、油がポート部を通って制御弁本体に入る場合、油圧によって、枠部材が枠格納部に押し付けられるので、シール面でのシール性を高めることができる。
本発明の制御弁によれば、制御弁用フィルタを制御弁本体に強固に取り付けることができるとともに、ポート部からの制御弁フィルタの脱落を阻止でき、さらに、流量低下を低減できる。
図1は本発明の実施の形態の制御弁用フィルタ1が装着された制御弁本体2を示す断面図、図2は制御弁本体2を示す斜視図である。
制御弁本体2は略円筒状に形成され、その内部には図示しないスプール弁体が軸方向に摺動自在に収容されるようになっている。なお、制御弁は、制御弁本体2とスプール弁体とで構成される。
制御弁本体2とスプール弁体とを備えた制御弁は流体の流路を切り換えるもので、例えばエンジンの可変バルブタイミング機構を駆動する油圧回路中に介装されている。すなわち、制御弁本体2の内部に収容されているスプール弁体の軸方向への移動により、例えば軸方向中央部に位置するポート部3を、その両側に配設されているポート部3,3に対して選択的に連通させることで、油路を切り換え、クランク軸に同期して回転するカムスプロケットと、このカムスプロケットに連設するカム軸との間の相対位置を可変させる。カムスプロケットとカム軸との相対位置を可変させることで、カム軸によって開閉動作される吸気弁あるいは排気弁のバルブタイミングを運転状態に応じて進角方向または遅角方向に可変させることができる。
中央部のポート部3とその両側のポート部3,3とは、制御弁本体2の周方向において180°離間して配置されている。また、最も外側にある2つのポート部3,3は制御弁本体2の周方向において、中央部のポート部3とほぼ同位置に配置されている。
このような5つのポート部3のうち、中央部のポート部3とその両側のポート部3,3との3つのポート部3にそれぞれ制御弁用フィルタ1が装着されるようになっている。
枠部材5は、樹脂によって、湾曲した略矩形リング状に形成されている。湾曲した枠部材5の曲率半径は、ポート部3の曲率半径とほぼ等しくなっている。枠部材5は、アーチ状の左右一対のアーチ部5a,5aと、このアーチ部5a,5aの端部どうしを連結する略円弧状の連結部5b,5bとで一体的に形成されている。
アーチ部5a,5aの外側面は平行に設けられ、この外側面の長手方向の端部は連結部5b,5bの円弧状の曲面と滑らかに接続されている。
また、フィルタ部材6は枠部材5の高さ方向(図3において上下方向)の略中央部において、枠部材5に固定されている、つまり、枠部材5の厚さ方向の略中央部にフィルタ部材6が固定されている。
また、枠格納部10には、制御弁本体2の軸方向(図5において左右方向)と直交する第1シール面10aと、この第1シール面10aと直交する第2シール面10bと、第3シール面10c(図2参照)とが設けられている。
また、第2シール面10bは、第1シール面10aの内縁から制御弁本体2の軸方向に突出して形成された突出部11の外周側に形成された円弧状の曲面であり、1つの枠格納部10において制御弁本体2の軸方向に離間して一対設けられている。
また、傾斜面11aに連続して、制御弁本体2の径方向と平行な平行面11bが設けられており、対向する平行面11b,11b間の距離は係止部7a,7a間の距離より小さく設定されている。
そして、この平行面11bと直交する突出部11の内周面が、固定部7の係止部7aが係止される被係止部7bとなっている。
したがって、固定部7をポート部3に挿入すると、係止部7a,7aの先端が傾斜面11a,11aに当たりながら滑って、互いに近付くように、固定部7,7が弾性的に撓み、係止部7a,7aの先端が平行面11b,11bを過ぎた際に、固定部7,7の弾性復帰力によって、係止部7a,7aが互いに離間するように開いて、被係止部7b,7bに係止するようになっている。
また、被係止部7bは円弧状の曲面で形成されているので、係止部7aもこの曲面に密着するような円弧状に形成されている。
すなわち、枠格納部10に制御弁用フィルタ1の枠部材5が嵌め込まれており、当該枠格納部10に嵌め込まれた制御弁用フィルタ1は、制御弁本体2の外周面より内側に配置されている。具体的には、制御弁用フィルタ1の枠部材5は、制御弁本体2の外周面より所定の段差をもって内側に配置されており、フィルタ部材6はさらに内側に配置されている。
また、枠格納部10に制御弁用フィルタ1の枠部材5が嵌め込まれた状態において、枠格納部10の第1シール面10a、第2シール面10b、第3シール面10c(図2参照)に、枠部材5のアーチ部5aの外側面、アーチ部5aの下面、連結部5bの外周面が密接している。
また、制御弁用フィルタ1の固定部7は、ポート部3に差し込まれ、前記突出部11の内周面の被係止部7bに、固定部7の先端部の係止部7aが係止している。
これによって、制御弁用フィルタ1は、ポート部3からの脱落が阻止されている。
また、このようにして制御弁用フィルタ1をポート部3に押し込んで行くことにより、固定部7がポート部3に挿入され、係止部7a,7aの先端が傾斜面11a,11aに当たりながら滑って互いに近付くように、固定部7,7が弾性的に撓み、係止部7a,7aの先端が平行面11b,11bを過ぎた際に、固定部7,7の弾性復帰力によって、係止部7a,7aが互いに離間するように開いて、被係止部7b,7bに係止する。
これによって、制御弁用フィルタ1がポート部3に取り付けられるとともに、係止部7aによってポート部3からの脱落が阻止される。
このような機器15の取付穴15aに、制御弁Aを挿入した構造において、取付穴15aの内周面15bと制御弁用フィルタ1との間に油路となる隙間Sが設けられる。したがって、この隙間S全体を油路として使用でき、フィルタ部材6の全面で油を通過させることができるため、制御弁用フィルタ1の設置による流量低下を低減できる。
また、凹部と凸部とのスナップフィットによって固定するものでないので、これに起因する変形や破損が生じることもない。
さらに、固定部7がポート部3に固定されることで、制御弁用フィルタ1がポート部3に取り付けられるので、部品点数が増えたり、製造に手間がかかることがない。
また、枠部材5をポート部3の開口縁部に設けられた枠格納部10に嵌め込むので、ポート部3の流路断面積を減らすことなく、制御弁用フィルタ1を取り付けることができ、よって、油の流量の低下率を低減できる。
また、固定部7が金属製の薄板によって形成されているので、この固定部7によるポート部3の流路断面積の低下率が低くなり、流量低下率を低減できる。
さらに、固定部7は、ポート部3に形成された被係止部7bに係止される係止部7aを有するので、固定部7を容易かつ確実にポート部3に固定できるとともに、制御弁用フィルタ1のポート部3からの脱落を阻止できる。
また、枠格納部10の第1シール面10a、第2シール面10b、第3シール面10cに、枠部材5のアーチ部5aの外側面、アーチ部5aの下面、連結部5bの外周面が密接しているので、枠格納部10と枠部材5との間からの異物侵入を抑えることができる。
また、油がポート部3を通って制御弁本体2に入る場合、油圧によって、枠部材5が枠格納部10に押し付けられるので、シール面(第1シール面10a、第2シール面10b、第3シール面10c)でのシール性を高めることができる。
また、機器15の取付穴15aの内周面15bと、制御弁用フィルタ1との間に油路となる隙間Sが設けられているので、この隙間全体を油路として使用でき、よって、流量低下を低減できる。
また、制御弁用フィルタ1のフィルタ部材6がパンチングメタルで形成されているので、濾過機能を果たす多数の小孔の穴径を自在に設定できる。つまり、制御弁用フィルタ1は、樹脂モールドによってパンチングメタルと枠部材5とを一体成形することによって形成されているので、この樹脂モールドに使用される同じ曲げ型によって、所望の穴径の小孔を有するパンチングメタルと枠部材5とを一体成形することによって、必要流量に応じた穴径を設定することができる。
1 制御弁用フィルタ
2 制御弁本体
3 ポート部
5 枠部材
6 フィルタ部材
7 固定部
7a 係止部
7b 被係止部
10 枠格納部
Claims (6)
- 円筒状の制御弁本体の外周部に形成され、油を通過させるポート部に取り付けられる制御弁用フィルタであって、
前記ポート部の開口縁部に設けられた枠格納部に嵌め込まれる枠部材と、
この枠部材に設けられた濾過機能を有するフィルタ部材と、
このフィルタ部材に一体的に形成され、前記枠部材を前記枠格納部に嵌め込むことによって、前記ポート部に固定される一対の固定部とを備え、
一対の前記固定部は前記ポート部に形成された一対の被係止部に係止される一対の係止部を有し、
一対の前記固定部が前記ポート部に挿入された状態で、一対の前記係止部が互いに離間するよう開いて、一対の前記被係止部に係止することを特徴とする制御弁用フィルタ。 - 前記固定部は金属製の薄板によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の制御弁用フィルタ。
- 油を通過させる複数のポート部が外周部に形成された円筒状の制御弁本体と、
前記複数のポート部を選択的に連通させるように前記制御弁本体内で摺動するスプール弁体と、
前記ポート部の開口縁部に設けられた枠格納部に嵌め込まれる枠部材と、この枠部材に設けられた濾過機能を有するフィルタ部材と、このフィルタ部材に一体的に形成され、前記枠部材を前記枠格納部に嵌め込むことによって、前記ポート部に固定される一対の固定部とを含む制御弁用フィルタと、を備え、
前記ポート部は、前記制御弁本体の軸方向に突出し、かつ内周面に被係止部を有する一対の突出部を備え、
前記制御弁用フィルタの前記固定部は前記被係止部に係止される係止部を有し、
一対の前記固定部が前記ポート部に挿入された状態で、一対の前記係止部が互いに離間するよう開いて、一対の前記被係止部に係止していることを特徴とする制御弁。 - 前記枠格納部に設けられたシール面に前記枠部材が密接されており、
前記枠格納部は前記制御弁本体の外周面より凹んでおり、
前記枠格納部に前記枠部材が嵌め込まれた前記制御弁用フィルタは、前記制御弁本体の外周面より内側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の制御弁。 - 前記シール面は、前記突出部の外周側に形成された円弧状の曲面であり、前記枠格納部において前記制御弁本体の軸方向に離間して一対設けられていることを特徴とする請求項4に記載の制御弁。
- 一対の前記突出部の先端面には、前記制御弁本体の内側に向かうほど前記ポート部の幅方向の中央側に傾斜する一対の傾斜面が設けられ、
一対の前記傾斜面間の距離は、制御弁用フィルタの一対の前記固定部の先端部にある一対の前記係止部の間の距離とほぼ等しいか若干大きく設定されていることを特徴とする請求項5に記載の制御弁。
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