JP6497589B2 - 色精度検証予測方法及び制御装置並びに色精度検証予測プログラム - Google Patents

色精度検証予測方法及び制御装置並びに色精度検証予測プログラム

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Description

本発明は、色精度検証予測方法及び制御装置並びに色精度検証予測プログラムに関し、特に、色精度検証の結果を予測する色精度検証予測方法及び色精度検証を実施する制御装置並びに当該制御装置で動作する色精度検証予測プログラムに関する。
画像形成装置において、新しい紙種を使用する場合には、印刷色に対する色精度検証が行われる。この色精度検証では、例えば、カラーマネージメント(色空間の変換)を行わずにカラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色器で測色し、測色データを用いてプリンタプロファイルを作成する。そして、作成したプリンタプロファイル(若しくは、予めプリンタプロファイルが作成済みであれば、そのプリンタプロファイル)を用いてカラーマネージメントを行った後、カラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色器で測色し、測色データを用いて色精度検証の判定を行う。判定結果が不合格の場合は、カラー画像形成装置の色補正機能を用いて色補正を実施し、再度カラーチャートを出力し、判定結果が合格になるまで、カラーチャートの出力/測色/色補正を繰り返し行う。
このような色精度検証に関して、例えば、下記特許文献1には、実際に印刷装置で印刷される色を指定色に近似乃至合致させる一連の複数のステップを実行する色情報処理部と、前記ステップ毎に、実行の結果を表示させる結果表示制御部と、前記一連の複数のステップによって取得された複数の色を、前記指定色の変化の履歴として表示させる色履歴表示制御部と、を備える色情報処理装置が開示されている。また、特許文献1には、前記色情報処理部は、前記指定色を取得するステップと、前記指定色が前記印刷装置のガマットの範囲外である場合は、前記ガマットの範囲内にマッピングして前記指定色を取得するステップと、前記指定色が前記ガマットの範囲外である場合は前記マッピング後の前記指定色を基準色として設定し、前記指定色が前記ガマットの範囲内である場合は前記指定色を基準色として設定し、該基準色を中心として、色空間上の明度、及び色度をそれぞれ異ならせた複数の色パッチを含む第1カラーチャートの画像データを生成するステップと、前記印刷装置が前記画像データに基づいて印刷した前記第1カラーチャートを測色することで、印刷された前記基準色と、ユーザによって選択された第1の色を取得するステップと、を有し、前記色履歴表示制御部は、前記指定色、前記基準色、測色された前記基準色、及び前記第1の色を履歴表示することが記載されている。
特開2011−061544号公報
ここで、所望の印刷色に近づける色の合わせ込みは1回でできる可能性は低く、色補正を何度も繰り返して色を合わせ込んでいく必要があるため、特許文献1では、色の変化を簡易に認識できるようにするために、調整色の編集の色履歴の経緯を表示するようにしている。しかしながら、指定色に対する基準色や調整色の色差の計算は、実際にカラーチャートを出力し、カラーチャートを測色した測色データを用いて行うため、調整色が気に入らない場合は、再度カラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色するという作業を繰り返し行わなければならない。
すなわち、従来の手法では、色補正機能を用いて色補正を実施しても、色精度検証の判定結果が不合格になってしまう場合には、何度もカラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色しなければならず、用紙や色材などの消耗材を無駄に浪費すると共に、カラーチャートの出力や測色などの工数が余分に発生するという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、色精度検証を効率的に実施可能にし、無駄な材料や工数を削減することができる色精度検証予測方法及び制御装置並びに色精度検証予測プログラムを提供することにある。
本発明の一側面は、プリンタの印刷色に対する色精度検証を行う制御装置における色精度検証予測方法であって、前記色精度検証を行うための条件を入力部から入力させる第1ステップと、カラーマネージメントを行わずに前記プリンタに出力させたカラーチャートを測色した色彩値を取得する第2ステップと、前記色彩値を用いて、プリンタプロファイルを作成する第3ステップと、前記第1ステップで入力された条件に基づき、設定された色精度検証ターゲットのターゲットプロファイルを用いて、予め定めた注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出する第4ステップと、前記色彩理論値Tと前記プリンタプロファイルとを用いて、前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sを算出する第5ステップと、前記色彩理論値Sと予め記憶部に保存されている色彩値差分データとを用いて、前記プリンタが出力可能な最高濃度が所定の分布に従ってばらついたときの前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出する第6ステップと、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値Sと前記色彩理論値Vと前記最高濃度のバラツキの標準偏差σとに基づいて算出される運用合格率と予め定めた判定レベルとの比較結果に基づいて、色精度検証の結果を予測する第7ステップと、前記予測した結果を出力部から出力する第8ステップと、を実行することを特徴とする。
本発明の一側面は、プリンタの印刷色に対する色精度検証を行う制御装置であって、
前記制御装置は、前記プリンタが出力可能な最高濃度が所定の分布に従ってばらついたときの色彩値の差分を示す色彩値差分データを記憶部に保存しており、前記色精度検証の結果を予測する色精度検証予測部は、前記色精度検証を行うための条件を入力部から入力させる第1処理と、カラーマネージメントを行わずに前記プリンタに出力させたカラーチャートを測色した色彩値を取得する第2処理と、前記色彩値を用いて、プリンタプロファイルを作成する第3処理と、前記第1処理で入力された条件に基づき、設定された色精度検証ターゲットのターゲットプロファイルを用いて、予め定めた注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出する第4処理と、前記色彩理論値Tと前記プリンタプロファイルとを用いて、前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sを算出する第5処理と、前記色彩理論値Sと前記記憶部に保存されている前記色彩値差分データとを用いて、前記プリンタが出力可能な最高濃度が前記所定の分布に従ってばらついたときの前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出する第6処理と、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値Sと前記色彩理論値Vと前記最高濃度のバラツキの標準偏差σとに基づいて算出される運用合格率と予め定めた判定レベルとの比較結果に基づいて、色精度検証の結果を予測する第7処理と、前記予測した結果を出力部から出力する第8処理と、を行うことを特徴とする。
本発明の一側面は、プリンタの印刷色に対する色精度検証を行う制御装置で動作する色精度検証予測プログラムであって、前記制御装置は、前記プリンタが出力可能な最高濃度が所定の分布に従ってばらついたときの色彩値の差分を示す色彩値差分データを記憶部に保存しており、前記制御装置に、前記色精度検証を行うための条件を入力部から入力させる第1処理、カラーマネージメントを行わずに前記プリンタに出力させたカラーチャートを測色した色彩値を取得する第2処理、前記色彩値を用いて、プリンタプロファイルを作成する第3処理、前記第1処理で入力された条件に基づき、設定された色精度検証ターゲットのターゲットプロファイルを用いて、予め定めた注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出する第4処理、前記色彩理論値Tと前記プリンタプロファイルとを用いて、前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sを算出する第5処理、前記色彩理論値Sと前記記憶部に保存されている前記色彩値差分データとを用いて、前記プリンタが出力可能な最高濃度が前記所定の分布に従ってばらついたときの前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出する第6処理、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値Sと前記色彩理論値Vと前記最高濃度のバラツキの標準偏差σとに基づいて算出される運用合格率と予め定めた判定レベルとの比較結果に基づいて、色精度検証の結果を予測する第7処理、前記予測した結果を出力部から出力する第8処理、を実行させることを特徴とする。
本発明の色精度検証予測方法及び制御装置並びに色精度検証予測プログラムによれば、色精度検証を効率的に実施可能にし、無駄な材料や工数を削減することができる。
その理由は、カラーマネージメントを行わずに出力したカラーチャートを測色して得た色彩値を用いてプリンタプロファイルを作成し、設定された色精度検証ターゲットのターゲットプロファイルを用いてターゲットの色彩理論値Tを算出し、色彩理論値Tとプリンタプロファイルとを用いて色彩理論値Sを算出し、色彩理論値Sに対してプリンタが出力可能な最高濃度のバラツキを考慮した色彩理論値Vを算出し、色彩理論値Tと色彩理論値Sと色彩理論値Vと最高濃度のバラツキに関する情報(最高濃度の分布の特徴を表す標準偏差σ)とに基づいて色精度検証の結果を予測し、予測した結果をユーザに通知したり、色精度検証の判定レベルの設定変更を推奨したりするからである。
これにより、画像形成装置の色補正機能としてプリンタプロファイルを再作成しない前提でキャリブレーションなどの簡易な色補正機能を実施しても、新しく使用する紙種が、予め設定された色精度検証条件に対して、色精度検証の規格を達成する見込みがない場合、色精度検証の実施を中止することができるため、色精度検証と色補正との繰り返しによる無駄な消耗材の消費や無駄な工数の発生を未然に防止することができる。
また、色精度検証を実施する前に、色精度検証の判定レベルを、色精度検証機能を運用可能な判定レベルに変更することができるため、色精度検証と色補正との繰り返しによる無駄な消耗材の消費や無駄な工数の発生を未然に防止することができ、且つ、安定した色精度の出力物を得るための色精度検証機能を適切に運用することが可能となる。
また、色精度検証の条件や判定結果をデータベース化することにより、初めて色精度検証を実施する紙種であるかを判別することができ、且つ、登録された紙種の場合は、別ユーザが色精度検証を実施する際に、色精度検証の条件を適切に設定することが可能となり、無駄な消耗材の消費や無駄な工数の発生を未然に防止することができる。
本発明の第1の実施例に係るカラープリントシステムの構成の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施例に係るカラープリントシステムの構成の他の例を示す模式図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(色精度検証予測処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(色精度検証予測処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(プリンタプロファイルの作成処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(ターゲットの色彩値の理論値Tの算出処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sの算出処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(最高濃度がばらついたときの注目色(1次色)のカラーマネージメント後の色彩理論値Vの算出処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(最高濃度がばらついたときの注目色(2次色)のカラーマネージメント後の色彩理論値Vの算出処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(運用合格率の算出処理(注目色が1次色の場合))を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(運用合格率の算出処理(注目色が2次色の場合))を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(格子の頂点毎に対応する色彩理論値の紐付け処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る制御装置の処理(色精度検証合否判定処理)を示すフローチャート図である。 本発明の第1の実施例に係る装置変動データの一例である。 本発明の第1の実施例に係る色精度検証条件設定画面の一例である。 装置変動分布を説明する図である。 プリンタとターゲットの色域を説明する図である。 装置変動による色域の増減を説明する図である。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が1次色の場合)を説明する図であり、ΔEとσ換算値との関係を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が1次色の場合)を説明する図であり、ΔEとσ換算値との関係が右肩下がりの場合を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が1次色の場合)を説明する図であり、ΔEとσ換算値との関係が右肩上がりの場合を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が1次色の場合)を説明する図であり、ΔEとσ換算値との関係がVの字の場合を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が1次色の場合)を説明する図であり、ΔEとσ換算値との関係がVの字の場合の他の例を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が1次色の場合)を説明する図であり、ΔEとσ換算値との関係が逆Vの字の場合を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が1次色の場合)を説明する図であり、ΔEとσ換算値との関係が逆Vの字の場合の他の例を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が2次色の場合)を説明する図であり、2次色を構成する2つの1次色の最高濃度のバラツキを表す2次元格子を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が2次色の場合)を説明する図であり、2次色を構成する2つの1次色の最高濃度のバラツキを示す2次元格子とターゲット(注目色)の色彩値との関係を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が2次色の場合)を説明する図であり、ターゲット(注目色)の色彩値から所定の色差の範囲を示すΔE球内の格子点数と格子点数に対応するΔE球内の面積比率との関係を示している。 本発明の第1の実施例に係る運用合格率算出方法(注目色が2次色の場合)を説明する図であり、1次色の分布確率と2次色の分布確率とを示している。 バラツキのσ換算値と正規分布累積確率との対応関係の一例である。 注目色と運用合格率との対応関係の一例である。 判定レベルと推定運用合格率との対応関係の一例である。 判定レベルと判定規格との対応関係の一例である。 色精度検証判定予測結果リストの一例である。 本発明の第2の実施例に係る制御装置の処理(色精度検証予測処理)の一部を示すフローチャート図である。 本発明の第2の実施例に係る色精度検証予測画面の一例である。 本発明の第2の実施例に係る色精度検証予測画面の他の例である。 本発明の第2の実施例に係る色精度検証予測画面(カスタム設定の結果詳細画面)の一例である。
背景技術で示したように、紙種等が変更された場合に、印刷色に対する色精度検証が行われている。この色精度検証では、プリンタプロファイルを用いてカラーマネージメントを行った後にカラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色するが、色精度検証の結果が不合格の場合、色補正を行った後に、再度カラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色しなければならない。そのため、画像形成装置の色補正機能を駆使しても色精度検証の規格を達成できない場合には、色精度検証と色補正とを繰り返すことになり、消耗材を無駄に消費したり無駄な工数が発生したりするという問題が生じる。
この問題に対して、本願発明者は先願(特願2015−028428号)において、画像形成装置で新しい紙種を使用するなど、使用条件が変わった場合に、色精度検証に先立って、色精度検証の結果を予測する色精度検証予測を行う方法を提案している。この先願の色精度検証予測では、本番の色精度検証のようにカラーマネージメント後のカラーチャートの出力や測色は行わず、エンジン等の装置変動(状態変化)により画像形成装置の色域が拡大/縮小した場合に得られる色彩値を算出し、算出した色彩値と基準の色彩値との色差に基づいて色精度検証の判定を行い、本番の色精度検証の結果を予測する。具体的には、色精度検証を行うための条件(装置種や紙種、標準色、判定レベルなど)を設定し、カラーマネージメント(色空間の変換)を行わずにカラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色して色彩値を取得し、この色彩値を用いてプリンタプロファイルを作成する。また、エンジン等の装置変動により色域が拡大/縮小したときの色彩値(すなわち、上記装置変動を加味した色彩値)を算出し、その色彩値を用いてプリンタプロファイルを作成する。そして、これらのプリンタプロファイルを用いて、ターゲットの色に対してプリンタの色調整を行った色彩値の理論値を算出し、算出した理論値と予め定めた基準値との色差を用いて色精度検証の結果を予測する。
上記先願の方法を利用することにより、色精度検証と色補正機能とを繰り返すことによる無駄な消耗材の消費や無駄な工数の発生を未然に防止することができるが、この色精度検証予測方法は、本番の色精度検証の判定結果が不合格の場合に行うカラー画像形成装置の色補正機能にプリンタプロファイルの再作成も想定している。このプリンタプロファイルの再作成はユーザースキルが求められ、また、プリンタプロファイル再作成後に保存ジョブに対して再度ラスタライズ処理が必要になる。このような理由から、カラー画像形成装置の色補正機能として、プリンタプロファイルの再作成を行う頻度はかなり少ない実情がある。
そこで、本発明の一実施の形態では、従来技術のようにカラーチャートの出力/測色を行って色精度検証の結果が不合格の場合、色補正を行った後に、再度カラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色するという色精度検証と色補正との繰り返しにより、消耗材を無駄に消費したり無駄な工数が発生したりするという問題が生じることなく、また、先願のように本番の色精度検証の判定結果が不合格の場合に行う色補正機能にプリンタプロファイルの再作成は含めず、キャリブレーションなどのユーザースキルの必要ない色補正機能を行うことを想定したときの色精度検証の合否判定を簡易に予測できるようにする。
具体的には、色精度検証を行うための条件(装置種や紙種、色精度検証ターゲット、判定レベルなど)を設定し、カラーマネージメント(色空間の変換)を行わずにカラーチャートを出力し、出力したカラーチャートを測色して色彩値を取得し、この色彩値を用いてプリンタプロファイルを作成する。そして、ターゲットプロファイルを用いて注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出すると共に、作成したプリンタプロファイルを用いて注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sを算出し、更に、プリンタが出力可能な最高濃度が所定の分布に従って高濃度側及び低濃度側にばらついたときの注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出し、これらの色彩理論値と最高濃度のバラツキの情報(上記所定の分布の特徴を表す標準偏差σ)とに基づいて、注目色の運用合格率を算出して色精度検証の結果を予測する。更に、予測した結果をユーザに通知したり、色精度検証の規格を達成できる条件をユーザに通知したり、予測した結果をデータベース化して利用可能にしたりする。
これにより、画像形成装置の色補正機能としてプリンタプロファイルを再作成しない前提でキャリブレーションなどの簡易な色補正機能を実施しても、新しく使用する紙種が、設定された色精度検証条件に対して、色精度検証の規格を達成できる見込みがない場合に、色精度検証の実施を中止したり、適切な条件で色精度検証を実施したりすることができ、色精度検証と色補正とを繰り返し実行することによる無駄な消耗材の消費や無駄な工数の発生を未然に防止することができる。なお、色彩理論値とは、理論的に計算して求めた色彩値のことであり、測色器で実測して得た色彩値と区別するための名称である。
上記した本発明の一実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の第1の実施例に係る色精度検証予測方法及び制御装置並びに色精度検証予測プログラムについて、図1乃至図26を参照して説明する。
図1に示すように、本実施例のカラープリントシステム10は、制御装置(コントローラ)20と、画像形成装置(プリンタ)30と、コンピュータ装置40と、測色器50などで構成される。制御装置20と画像形成装置30とコンピュータ装置40とは、イントラネット等の通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続され、コンピュータ装置40と測色器50とはP2P(Peer to Peer)等でデータ通信可能に接続されている。
図1では、画像形成装置30がカラーチャートを出力し、測色器50が出力されたカラーチャートを測色する構成としているが、図2に示すように、測色器が画像形成装置(プリンタ)30内に組み込まれている(インライン測色部を備える)構成としてもよく、その場合は、コンピュータ装置40及び測色器50を省略することができる。以下、各装置について詳細に説明する。
[制御装置]
制御装置(コントローラ)20は、コンピュータ装置であり、図3(a)に示すように、制御部21と通信部25と表示部26と操作部27などを備える。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)22とRAM(Random Access Memory)23と記憶部24など構成される。RAM23は、CPU22による制御に必要なデータ及び制御動作時に一時記憶が必要なデータ等を記憶する。記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性デバイスやNVDIMM(Non-Volatile Dual In-line Memory Module)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、ReRAM(Resistance Random Access Memory)などの不揮発性メモリであり、制御プログラムや制御に必要なデータを記憶する。そして、CPU22は、記憶部24からプログラムを読み出し、RAM23に展開して実行することにより、制御装置20全体の動作を制御する。
図3(b)は、記憶部24に記憶される制御プログラム及びデータを示している。記憶部24には、色精度検証予測プログラム21a、プリンタプロファイル作成プログラム21b、印刷指示プログラム21c、色精度検証プログラム21dなどの制御プログラムが記憶されている。そして、これらの制御プログラムにより、制御部21は、色精度検証予測部、プリンタプロファイル作成部、印刷指示部、色精度検証部などとして機能する。また、記憶部24には、色精度検証条件/色精度検証判定結果データ、装置変動データ、プリンタプロファイル(第1のルックアップテーブル及び第2のルックアップテーブル)、ターゲットプロファイル(第1のルックアップテーブル及び第2のルックアップテーブル)、プリンタプロファイル作成用チャートのデータなどが記憶されている。
色精度検証予測プログラム21a(色精度検証予測部)は、カラーマネージメント(色空間の変換)を行わずに印刷されたカラーチャートを測色器50で測色した測色データ(色彩値)をコンピュータ装置40から取得し、取得した色彩値を用いてプリンタプロファイルを作成する。また、予め設定された色精度検証条件に基づき、予め記憶したターゲットプロファイルを用いて、注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出する。また、注目色のターゲットの色彩理論値Tから、プリンタプロファイルを用いて、ターゲットに対してプリンタの色調整を行った(カラーマネージメント後の)色彩理論値Sを算出する。また、色彩理論値Sと予め記憶部24に保存した装置変動データ(色彩値差分データ)とに基づいて、上記カラーチャート印刷時の装置状態において画像形成装置30が出力可能な最高濃度が所定の分布に従ってばらついた時のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出する。そして、色彩理論値Tと色彩理論値Sと色彩理論値Vと最高濃度のバラツキに関する情報(標準偏差σ)とに基づいて運用合格率(色差の閾値に対応するσ換算値の閾値の、最高濃度の分布における分布確率)を算出し、運用合格率と予め定めた判定レベルとを比較して色精度検証の判定を行い、色精度検証の合否を予測する。更に、色精度検証の判定結果をユーザに通知し、色精度検証判定結果が合格のときは、色精度検証条件と判定結果をデータベースに登録し、色精度検証判定結果が不合格のときは、色精度検証禁止フラグを立てて色精度検証条件と判定結果をデータベースに登録したり、推奨する色精度検証条件をユーザに提示したりする。
プリンタプロファイル作成プログラム21b(プリンタプロファイル作成部)は、色精度検証予測プログラム21a若しくは色精度検証プログラム21dの指示に従い、CMYK値をL*a*b*値に変換する第1のルックアップテーブルやL*a*b*値をCMYK値に変換する第2のルックアップテーブルなどのデバイスプロファイルを作成する。
印刷指示プログラム21c(印刷指示部)は、色精度検証予測プログラム21a若しくは色精度検証プログラム21dの指示に従い、予め記憶されたプリンタプロファイル用チャートのデータを画像形成装置30に送信してカラーチャートの印刷を指示する。
色精度検証プログラム21d(色精度検証部)は、カラーマネージメント(色空間の変換)を行わずに印刷されたカラーチャートを測色器50で測色した測色データをコンピュータ装置40から取得し、測色データを用いてプリンタプロファイルを作成する。そして、作成したプリンタプロファイル(プリンタプロファイルが既にある場合はそのプリンタプロファイル)と予め記憶したターゲットプロファイルとを用いてデバイスリンクプロファイルを作成し、デバイスリンクプロファイルを用いてカラーマネージメントを行う。そして、再度、画像形成装置30にカラーチャートを印刷させ、カラーチャートを測色器50で測色した測色データをコンピュータ装置40から取得し、その測色データに基づいて色精度検証の判定を行い、色精度検証の判定結果が不合格のときは、画像形成装置30に色補正機能を実施させ、カラーチャートの印刷、カラーチャートの測色、色精度検証の判定を繰り返し行う。
また、装置変動データは、図15に示すように、C、M、Y、Kの最高濃度のバラツキの標準偏差σと、最高濃度バラツキ時と最高濃度基準時のカラーマネージメント後の色彩値差分データ(ΔL*、Δa*、Δb*)などであり、これらはデータベースとして利用可能に記憶部24などに保存されている。上記色彩値差分データは、C、M、Y、Kの最高濃度が基準より高濃度側と低濃度側にばらついたときの色彩値の変化量を表すデータであり、最高濃度バラツキの標準偏差σに対応づけて保存されている。すなわち、色彩値差分データは、画像形成装置30が出力可能な最高濃度が基準となる時に注目色を測色した色彩値と、最高濃度が基準からばらついた(本実施例では±3σばらついた)時に注目色を測色した色彩値と、の色差を示すデータである。
通信部25は、NIC(Network Interface Card)やモデムなどで構成され、画像形成装置30やコンピュータ装置40とのデータ通信を行う。
表示部26は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置(出力部)であり、後述する色精度検証判定結果画面や判定結果詳細画面、色精度検証条件設定画面などの各種画面を表示する。操作部27は、マウスやキーボードなどの入力部であり、色精度検証判定結果画面や判定結果詳細画面における判定レベルの設定、色精度検証条件設定画面における色精度検証条件の設定などの各種操作を可能にする。
[画像形成装置]
画像形成装置30は、MFP(Multi-Functional Peripherals)などであり、図4(a)に示すように、制御部31と通信部35と表示操作部36とスキャナ部37と画像形成部38と必要に応じてインライン測色部39などで構成される。
制御部31は、CPU32とRAM33と記憶部34などで構成される。RAM33は、CPU32による制御に必要なデータ及び制御動作時に一時記憶が必要なデータ等を記憶する。記憶部34は、HDD、SSDなどの不揮発性デバイスやNVDIMM、MRAM、ReRAMなどの不揮発性メモリであり、制御プログラムや制御に必要なデータ等を記憶する。そして、CPU32は、記憶部34からプログラムを読み出し、RAM33に展開して実行することにより、画像形成装置30全体の動作を制御する。
図4(b)は、記憶部34に記憶される制御プログラム及びデータを示している。記憶部34には、装置補正プログラム、登録紙種リストなどが記憶されている。装置補正プログラムは、キャリブレーションや最高濃度調整などの補正動作を実行する。
通信部35は、NICやモデムなどであり、制御装置20とのデータ通信を行う。表示操作部36は、LCDや有機ELディスプレイなどの表示部上にタッチセンサ等の操作部を配置したタッチパネルなどであり、印刷に関する各種表示及び操作を可能にする。
スキャナ部37は、原稿台上に載置された原稿から画像データを光学的に読み取る部分であり、図2のカラープリントシステム10において必要に応じて設けられる。このスキャナ部37は、原稿を走査する光源と、原稿で反射された光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)等のイメージセンサと、電気信号をA/D変換するA/D変換器等により構成される。
画像形成部38は、制御装置20から受信した画像データに基づき、電子写真プロセスに従って用紙に画像を形成するエンジンである。具体的には、画像データに基づいてレーザ光を照射して露光する書き込みユニットと、感光体ドラムと現像装置と帯電装置と感光体クリーニング部と1次転写ローラとを備え、CMYKの各色のトナー像を形成する感光体ユニットと、ローラによって回転され、感光体ユニットで形成されたトナー像を用紙に搬送する中間転写体として機能する中間転写ベルトと、中間転写ベルト上に形成されたトナー像を用紙に転写する2次転写ローラと、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着装置と、用紙を搬送する給紙ローラやレジストローラ、ループローラ、反転ローラ、排紙ローラ等の搬送部などで構成される。
インライン測色部39は、例えば、外部測色器と同様に光の波長ごとに計測可能なスペクトル方式(分光光度計)の測色器であり、外部測色器と同様の精度で色彩値を測色可能である。このインライン測色部39は、例えば、画像形成部38の定着装置と排紙トレイとの間の用紙の搬送経路などに設けられ、カラーチャートを測色した測色データ(色彩値)を制御部31に転送し、制御部31から制御装置20に送信する。なお、インライン測色部39は、インラインセンサを備えていてもよい。このインラインセンサはRGBの3種類のセンサで構成され、RGBセンサで取得したRGB値から色彩値に変換する。
[コンピュータ装置]
コンピュータ装置40は、測色プログラムを記憶しており、この測色プログラムによって測色器50を制御し、測色器50から取得した測色データ(色彩値)を制御装置20に送信する。
[測色器]
測色器50は、カラーチャートを測色する装置であり、例えば、光の波長ごとに計測可能なスペクトル方式(分光光度計)で測色し、測色データ(色彩値)をコンピュータ装置40に出力する。
なお、図1乃至図4は、本実施例のカラープリントシステム10の一例であり、その構成は適宜変更可能である。例えば、図1では、コンピュータ装置40に測色器50を接続したが、測色プログラムを制御装置20の記憶部24に記憶し、制御装置20が測色器50を制御するようにしてもよい。また、図3(b)では、色精度検証予測プログラム21a、プリンタプロファイル作成プログラム21b、印刷指示プログラム21c、色精度検証プログラム21dを制御装置20の制御部21上で動作させる構成としたが、これらの制御プログラムを画像形成装置30の記憶部34に記憶し、画像形成装置30の制御部31上で動作させる構成としてもよい。
以下、画像形成装置30にて、新しい紙種を使用するときの色精度検証予測について説明する。制御部21のCPU22は、記憶部24に記憶した制御プログラムをRAM23に展開して実行することにより、図5乃至図14のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。なお、最高濃度バラツキ時と最高濃度基準時とにカラーマネージメント後の注目色を出力して測色した色彩値を用いて色彩値差分データが算出され、この色彩値差分データがデータベースとして利用可能に予め記憶部24などに保存されているものとする。
図5(a)に示すように、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、表示部26に色精度検証条件設定画面を表示させ、ユーザに色精度検証条件を入力させる(S100)。その際、制御部21は、画像形成装置30から登録紙種リストを取得する。図15は、色精度検証条件設定画面60の一例であり、色精度検証条件として、装置種、紙種名、ターゲット、判定レベルなどが設定可能に表示される。装置種は、カラーチャートを出力する画像形成装置30の種別であり、印刷指示を行う画像形成装置30を選択する。紙種名は、画像形成を行う用紙の種別であり、紙種リストのボタンを押下するとデータベースに登録されている紙種リストが表示され(又は、紙種名の欄に紙種名を入力した後、紙種リストのボタンを押下すると、データベースに登録されている紙種リストが類似名順に表示され)、ユーザはこの紙種リストの中から所望の紙種を選択する。または、使用する紙種が紙種リストに登録されていない場合は紙種名を入力する。ターゲットは、色精度検証のターゲットとなる注目色(例えば、ISO-12647-2に準拠して制定された「Japan Color」、「Fogra」、「GRACoL」など)であり、ターゲットリストのボタンを押下すると予め登録されているターゲットリストが表示され、ユーザはこのターゲットリストの中から所望のターゲットを選択する。判定レベルは、色精度検証の判定の基準であり、「緩い」、「中間」、「厳しい」などの数段階の判定レベルが設けられており、ユーザはその中から所望の判定レベルを選択する。そして、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、色精度検証条件設定画面60に従って色精度検証条件を設定し、その色精度検証条件を記憶部24に記憶する。
次に、制御部21(印刷指示プログラム21c)は、色精度検証予測プログラム21aの指示に従って、記憶部24に記憶されているプリンタプロファイル作成用チャートのデータを読み出し、カラーマネージメントなしで画像形成装置30に送信し、画像形成装置30にカラーチャートを出力させる(S110)。コンピュータ装置40は、測色器50にカラーチャートを測色させ、測色データ(色彩値)を取得し、制御部21(色精度検証予測プログラム)は、コンピュータ装置40からカラーチャートを構成する各色の色彩値を取得する(S120)。カラープリントシステム10が図2の構成の場合は、制御部21(印刷指示プログラム)は、色精度検証予測プログラム21aの指示に従って、記憶部24に記憶されているプリンタプロファイル作成用チャートのデータをカラーマネージメントなしで画像形成装置30に送信し、画像形成装置30は、画像形成部38を用いてカラーチャートの画像を形成すると共に、インライン測色部39を用いてカラーチャートの画像を測色し、測色データ(色彩値)を取得する。そして、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、画像形成装置30からカラーチャートを構成する各色の色彩値を取得する。なお、カラーチャートを出力する前に、画像形成装置30は、キャリブレーションや最高濃度調整などの装置補正動作を実行しておくことが望ましい。
次に、制御部21(プリンタプロファイル作成プログラム21b)は、色精度検証予測プログラム21aの指示に従って、上記ステップで取得した色彩値を用いてプリンタプロファイル1を作成する(S130)。
図6は、このステップの詳細を示しており、制御部21(プリンタプロファイル作成プログラム21b)は、取得した色彩値から、画像形成装置30のC,M,Y,Kの値を4次元格子状にとった入力点の各々について、L*a*b*の値が記述された第1のルックアップテーブルであるCMYK→L*a*b* LUTを作成する(S131)。この第1のルックアップテーブルには、例えば、CMYK:9×9×9×9点を掛け合わせた6561点について、L*a*b*値が格納されている。なお、この6561点の中で、カラーチャートの測定点がない点については、周囲の点から補間して計算すればよい。そして、制御部21(プリンタプロファイル作成プログラム21b)は、画像形成装置30のL*、a*、b*の値を3次元格子状にとった入力点の各々について、C、M、Y、Kの値が記述された第2のルックアップテーブルであるL*a*b*→CMYK LUTを作成する(S132)。この第2のルックアップテーブルには、例えば、L*a*b*:33×33×33点を掛け合わせた35937点について、CMYK値が格納されている。
図5(a)のフローチャート図に戻って、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、S100で設定した色精度検証条件に基づき、注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出する(S140)。
図7は、このステップの詳細を示しており、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、S100で入力された色精度検証条件に基づき、注目色のC,M,Y,Kの値から、記憶部24に予め記憶されたターゲットプロファイルの第1のルックアップテーブルCMYK→L*a*b* LUTを用いて、色彩値(L*a*b*値)を算出する(S141)。この色彩値が注目色のターゲットの色彩理論値Tとなる。
図5(a)のフローチャート図に戻って、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、S100で入力された色精度検証条件に基づき、注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sを算出する(S150)。
図8は、このステップの詳細を示しており、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、S140で算出した注目色のターゲットの色彩値L*a*b*(色彩理論値T)から、S130で作成したプリンタプロファイルの第2のルックアップテーブルL*a*b*→CMYK LUTを用いて、CMYK値を算出する(S151)。そして、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、算出したCMYK値から、プリンタプロファイルの第1のルックアップテーブルCMYK→L*a*b* LUTを用いて、色彩値(L*a*b*値)を算出する(S152)。この色彩値が、注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sとなる。
図5(a)のフローチャート図に戻って、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、S150で算出したターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値Sと、データベースとして利用可能に予め記憶部24などに保存されている色彩値差分データ(ΔL*、Δa*、Δb*)とから、画像形成装置30が出力可能な最高濃度がばらついたときの注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出する(S160)。
図9は、注目色が1次色のときの色彩理論値Vの算出ステップの詳細を示している。制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、データベースに保存されている最高濃度の高濃度側バラツキ時の色彩値差分データ(ΔL*、Δa*、Δb*)と低濃度側バラツキ時の色彩値差分データ(ΔL*、Δa*、Δb*)とを読み込む(S161a、図15(b)参照)。次に、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、ターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値Sに、読み込んだ高濃度側バラツキ時の色彩値差分データと低濃度側バラツキ時の色彩値差分データとを各々加算し、最高濃度が高濃度側と低濃度側にばらついたときのターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値V1、V2を算出する(S162a)。
図10は、注目色が2次色のときの色彩理論値Vの算出ステップの詳細を示している。制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、データベースに保存されている2次色を構成する1次色の最高濃度の高濃度側バラツキ時と低濃度側バラツキ時の組み合わせ4通りの色彩値差分データ(ΔL*、Δa*、Δb*)を読み込む(S161b、図15(c)〜(e)参照)。次に、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、ターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値Sに、読み込んだ4通りの色彩値差分データを各々加算し、2次色を構成する1次色の最高濃度が高濃度側と低濃度側にばらついたときの4通りのカラーマネージメント後の色彩理論値V1、V2、V3、V4を算出する(S162b)。
この色彩理論値Vの算出手順について具体的に説明する。図17は、画像形成装置30の画像形成部38(エンジン)等の装置状態の変動(状態変化)分布の一例であり、全変動を1とし、正規分布に準じた装置変動バラツキ(σは標準偏差)を示している。この装置変動バラツキの指標をCyan、Magenta、Yellow、Black各々の最高濃度とし、各注目色のカラーマネージメント後における、装置変動の中心値(基準)からの分布確率(状態変化の分布確率)に対応する色彩値の変動量を、装置変動データとして記憶部24に保存しておく。なお、プリンタ色域表面周辺以外の色域内の色は、キャリブレーションなどの補正機能により、装置変動を補正可能なため、注目色はCyan、Magenta、Yellow、Red、Green、Blue、Black各々の100%とする。
この色彩理論値VについてCyan100%を例にして説明する。図18は、a*/b*平面上のターゲットの色域(図の太い破線)及びプリンタの色域(図の太い実線)を示している。図19は、図18の矩形で囲んだ領域の拡大図である。エンジン等の装置変動に応じてプリンタの色域が拡大(図の細い破線)又は縮小(図の一点鎖線)する。その結果、ターゲットCyan100%(図の◇印)に対する色調整後の色は、装置状態が基準状態のときは○印で示したプリンタ色域上の色彩値となり、装置変動により色域が拡大したときは△印で示した色彩値となり、装置変動により色域が縮小したときは▽印で示した色彩値となる。Cyan100%の合否判定閾値が図の円内であるとき、色域が縮小したときの合否判定は不合格となってしまい、装置変動により、合否判定が変わることがある。
すなわち、装置状態の変動に基づく色域の拡大/縮小は、基準状態において画像形成装置30が出力可能な最高濃度(Cyan、Magenta、Yellow、Black100%)の高濃度側及び低濃度側のバラツキに対応することから、図15(b)に示すように、注目色が1次色(Cyan、Magenta、Yellow、Black100%)のときは、Cyan、Magenta、Yellow、Blackの最高濃度のうち、注目色に関係するいずれかの最高濃度が高濃度側(+3σ)にばらついたときの注目色のカラーマネージメント後の色彩値と、前記最高濃度が基準状態のときの注目色のカラーマネージメント後の色彩値との差分、及び、前記最高濃度が低濃度側(-3σ)にばらついたときの注目色のカラーマネージメント後の色彩値と、前記最高濃度が基準状態のときの注目色のカラーマネージメント後の色彩値との差分を算出して色彩値差分データ(ΔL*、Δa*、Δb*)として記憶しておく。また、図15(c)〜(e)に示すように、注目色が2次色(Red、Green、Blue100%)のときは、Cyan、Magenta、Yellow、Blackの最高濃度のうち、2次色の注目色を構成する2つの色の最高濃度が高濃度側(+3σ)と低濃度側(-3σ)にばらついたときの組み合わせによる各々の状態での、注目色のカラーマネージメント後の色彩値と、前記最高濃度が基準状態のときの注目色のカラーマネージメント後の色彩値との差分、を算出して色彩値差分データ(ΔL*、Δa*、Δb*)として記憶しておく。そして、ターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値Sにこの色彩値差分データ(ΔL*、Δa*、Δb*)を加算することにより、最高濃度が高濃度側と低濃度側にばらついたときのターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出することができる。
図5(a)のフローチャート図に戻って、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、ターゲットの色彩理論値Tと、ターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値Sと、最高濃度バラツキ時の色彩理論値Vと、最高濃度のバラツキの情報(最高濃度の分布の特徴を表す標準偏差σ)とに基づいて、注目色毎の運用合格率(色差の閾値に対応するσ換算値の閾値の、最高濃度のバラツキの分布における存在確率)を算出する(S170)。
図11は、注目色が1次色のときの運用合格率の算出ステップの詳細を示しており、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、ターゲットの色彩理論値Tと、ターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値Sとから、色精度検証の結果を判定するために利用する色差(判定規格と呼ぶ。)のΔEsを算出し(S171a)、ターゲットの色彩理論値Tと、最高濃度がばらついたときのターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値V1、V2から、判定規格のΔE1、ΔE2を算出する(S172a)。次に、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、ターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値S、色彩理論値V1、色彩理論値V2に対応する最高濃度のバラツキの度合いをσに換算したσ換算値(σs、σ1、σ2)と判定規格のΔE(ΔEs、ΔE1、ΔE2)との関係を規定する近似式を求める(S173a)。そして、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、予め定めた色差の閾値(合否判定閾値)と上記近似式とから、色差の閾値に対応するσ換算値の閾値(閾値σと呼ぶ。)を求め(S174a)、閾値σの分布確率(最高濃度の分布における存在確率)より、運用合格率を算出する(S175a)。
図20(a)〜(g)は、注目色が1次色(Cyan、Magenta、Yellow、Black100%)のときの運用合格率の算出方法を示している。図20(a)はΔEと最高濃度のバラツキのσ換算値との関係を示しており、最高濃度(Cyan、Magenta、Yellow、Black100%)のバラツキの±3σが上記のσ1又はσ2に対応し、そのときのΔE(±3σΔE)が上記のΔE1又はΔE2に対応している。また、最高濃度バラツキが±3σの中間(すなわち、バラツキ0)が上記のσsに対応し、そのときのΔE(CenterΔE)が上記のΔEsに対応している。まず、-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線と+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線を引き、この線から近似式を求める(図20(a)の(1)参照)。その際、CenterΔE、±3σΔE、合否判定閾値ΔEの大小関係から、-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線で規定される近似式、又は、+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線で規定される近似式のどちらを使用するかが決まる。次に、この近似式を用いて合否判定閾値ΔEに対応する最高濃度のバラツキのσ換算値の閾値(閾値σ)を求める(図20(a)の(2)参照)。そして、図22に示すバラツキのσ換算値と正規分布累積確率との関係に基づいて、最高濃度のバラツキが閾値σのときの運用合格率を算出する。
図20(b)〜(g)は、-3σΔE、CenterΔE、+3σΔEの大小関係に応じた運用合格率の算出方法を示している。例えば、図20(b)は、+3σΔE<CenterΔE<-3σΔE(右肩下がりの位置関係)の場合であり、合否判定閾値ΔEがb1〜b4の各々の場合について、次のように運用合格率を算出する。
・合否判定閾値ΔE=b1の場合、b1>-3σΔE>CenterΔE>+3σΔEであり、b1は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも大きくなるため、b1に対応する閾値σの運用合格率は、図22より、+3σの正規分布累積確率(すなわち、-3σ〜+3σの範囲の正規分布累積確率)である99.87%以上となる。
・合否判定閾値ΔE=b2の場合、-3σΔE>b2>CenterΔEであり、b2は-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ2で交差するため、b2に対応する閾値σの運用合格率は、+3σの正規分布累積確率からσZ2の正規分布累積確率を減算した値(すなわち、-3σ〜σZ2の範囲の正規分布累積確率)となる。
・合否判定閾値ΔE=b3の場合、CenterΔE>b3>+3σΔEであり、b3は+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ3で交差するため、b3に対応する閾値σの運用合格率は、+3σの正規分布累積確率からσZ3の正規分布累積確率を減算した値(すなわち、-3σ〜σZ3の範囲の正規分布累積確率)となる。
・合否判定閾値ΔE=b4の場合、b4<+3σΔE<CenterΔE<-3σΔEであり、b4は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも小さくなるため、b4に対応する閾値σの運用合格率は、図22の最小値である0.13%以下となる。
図20(c)は、-3σΔE<CenterΔE<+3σΔE(右肩上がりの位置関係)の場合であり、合否判定閾値ΔEがb1〜b4の各々の場合について、次のように運用合格率を算出する。
・合否判定閾値ΔE=b1の場合、b1>+3σΔE>CenterΔE>-3σΔEであり、b1は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも大きくなるため、b1に対応する閾値σの運用合格率は、図22より、+3σの正規分布累積確率である99.87%以上となる。
・合否判定閾値ΔE=b2の場合、+3σΔE>b2>CenterΔEであり、b2は+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ2で交差するため、b2に対応する閾値σの運用合格率は、σZ2の正規分布累積確率(すなわち、-3σ〜σZ2の範囲の正規分布累積確率)となる。
・合否判定閾値ΔE=b3の場合、CenterΔE>b3>-3σΔEであり、b3は-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ3で交差するため、b3に対応する閾値σの運用合格率は、σZ3の正規分布累積確率(すなわち、-3σ〜σZ3の範囲の正規分布累積確率)となる。
・合否判定閾値ΔE=b4の場合、b4<-3σΔE<CenterΔE<+3σΔEであり、b4は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも小さくなるため、b4に対応する閾値σの運用合格率は、図22の最小値である0.13%以下となる。
図20(d)は、CenterΔE<+3σΔE<-3σΔE(Vの字の位置関係)の場合であり、合否判定閾値ΔEがv1〜v4の各々の場合について、次のように運用合格率を算出する。
・合否判定閾値ΔE=v1の場合、v1>-3σΔE>+3σΔE>CenterΔEであり、v1は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも大きくなるため、v1に対応する閾値σの運用合格率は、図22より、+3σの正規分布累積確率である99.87%以上となる。
・合否判定閾値ΔE=v2の場合、-3σΔE>v2>+3σΔE>CenterΔEであり、v2は-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ2で交差するため、v2に対応する閾値σの運用合格率は、+3σの正規分布累積確率からσZ2の正規分布累積確率を減算した値となる。
・合否判定閾値ΔE=v3の場合、-3σΔE>+3σΔE>v3>CenterΔEであり、v3は-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ31で交差すると共に+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ32で交差するため、v3に対応する閾値σの運用合格率は、σZ32の正規分布累積確率(すなわち、-3σ〜σZ32の範囲の正規分布累積確率)からσZ31の正規分布累積確率(すなわち、-3σ〜σZ31の範囲の正規分布累積確率)を減算した値となる。
・合否判定閾値ΔE=v4の場合、v4<CenterΔE<+3σΔE<-3σΔEであり、v4は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも小さくなるため、v4に対応する閾値σの運用合格率は、図22の最小値である0.13%以下となる。
図20(e)は、CenterΔE<-3σΔE<+3σΔE(Vの字の位置関係)の場合であり、合否判定閾値ΔEがv1〜v4の各々の場合について、次のように運用合格率を算出する。
・合否判定閾値ΔE=v1の場合、v1>+3σΔE>-3σΔE>CenterΔEであり、v1は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも大きくなるため、v1に対応する閾値σの運用合格率は、図22より、+3σの正規分布累積確率である99.87%以上となる。
・合否判定閾値ΔE=v2の場合、+3σΔE>v2>-3σΔE>CenterΔEであり、v2は+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ2で交差するため、v2に対応する閾値σの運用合格率は、σZ2の正規分布累積確率となる。
・合否判定閾値ΔE=v3の場合、+3σΔE>-3σΔE>v3>CenterΔEであり、v3は-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ31で交差すると共に+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ32で交差するため、v3に対応する閾値σの運用合格率は、σZ32の正規分布累積確率からσZ31の正規分布累積確率を減算した値となる。
・合否判定閾値ΔE=V4の場合、V4<CenterΔE<-3σΔE<+3σΔEであり、V4は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも小さくなるため、v4に対応する閾値σの運用合格率は、図22の最小値である0.13%以下となる。
図20(f)は、CenterΔE>+3σΔE>-3σΔE(逆Vの字の位置関係)の場合であり、合否判定閾値ΔEがv1〜v4の各々の場合について、次のように運用合格率を算出する。
・合否判定閾値ΔE=v1の場合、v1>CenterΔE>+3σΔE>-3σΔEであり、v1は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも大きくなるため、v1に対応する閾値σの運用合格率は、図22より、+3σの正規分布累積確率である99.87%以上となる。
・合否判定閾値ΔE=v2の場合、CenterΔE>v2>+3σΔE>-3σΔEであり、v2は-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ21で交差すると共に+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ22で交差するため、v2に対応する閾値σの運用合格率は、σZ21の正規分布累積確率に、+3σの正規分布累積確率からσZ22の正規分布累積確率を減算した値を加算した値となる。
・合否判定閾値ΔE=v3の場合、CenterΔE>+3σΔE>v3>-3σΔEであり、v3は-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ3で交差するため、v3に対応する閾値σの運用合格率は、σZ3の正規分布累積確率となる。
・合否判定閾値ΔE=v4の場合、CenterΔE>+3σΔE>-3σΔE>v4であり、v4は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも小さくなるため、v4に対応する閾値σの運用合格率は、図22の最小値である0.13%以下となる。
図20(g)は、CenterΔE>-3σΔE>+3σΔE(逆Vの字の位置関係)の場合であり、合否判定閾値ΔEがv1〜v4の各々の場合について、次のように運用合格率を算出する。
・合否判定閾値ΔE=v1の場合、v1>CenterΔE>-3σΔE>+3σΔEであり、v1は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも大きくなるため、v1に対応する閾値σの運用合格率は、図22より、+3σの正規分布累積確率である99.87%以上となる。
・合否判定閾値ΔE=v2の場合、CenterΔE>v2>-3σΔE>+3σΔEであり、v2は-3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ21で交差すると共に+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ22で交差するため、v2に対応する閾値σの運用合格率は、σZ21の正規分布累積確率に、+3σの正規分布累積確率からσZ22の正規分布累積確率を減算した値を加算した値となる。
・合否判定閾値ΔE=v3の場合、CenterΔE>-3σΔE>v3>+3σΔEであり、v3は+3σΔEとCenterΔEとを結ぶ線とσZ3で交差するため、v3に対応する閾値σの運用合格率は、+3σの正規分布累積確率からσZ3の正規分布累積確率を減算した値となる。
・合否判定閾値ΔE=v4の場合、CenterΔE>-3σΔE>+3σΔE>v4であり、v4は最大濃度が±3σでばらついたときのいずれのΔEよりも小さくなるため、v4に対応する閾値σの運用合格率は、図22の最小値である0.13%以下となる。
図12は、注目色が2次色のときの運用合格率の算出ステップの詳細を示しており、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、2次色を構成する2つの1次色成分の最高濃度のバラツキを表す2次元格子を作成し(S171b)、2次元格子の各頂点に、対応する色彩理論値を紐づける(S172b)。
図13は、このステップの詳細を示しており、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、ターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値Sと、2次色を構成する1次色の最高濃度がばらついたときのターゲットのカラーマネージメント後の色彩理論値V1、V2、V3、V4を、2次元格子の中心及び四隅の頂点に紐づける(S172b−1)。次に、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、色彩理論値S、V1、V2、V3、V4と紐づけられた格子の頂点との相関関係から、他の格子の頂点に対応する色彩値を算出し、算出した色彩値を各々の頂点に紐づける(S172b−2)。
図12に戻って、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、格子の頂点毎に判定規格の対ターゲット色差ΔEを算出する(S173b)。次に、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、1格子の4頂点の中でΔEが合格している頂点数を抽出し、1格子の合格面積率を求め(S174b)、格子毎の分布確率と合格面積率とを掛け合わせて、格子毎の運用合格率を算出する(S175b)。そして、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、全格子の運用合格率を総和し、運用合格率を算出する(S176b)。
図21(a)〜(d)は、注目色が2次色(Red、Green、Blue100%)の運用合格率の算出方法を示している。具体的には、図21(a)に示すように、2次色を構成する2つの1次色の最高濃度のバラツキのσ換算値を2軸にした2次元格子を設定する。図では、1σ刻みで全体が±3σの格子の例を示しているが、格子を細かくすれば運用合格率の算出精度を高めることができる。また、図のm軸、n軸に関して、注目色がGreenのときは、m軸はCの最高濃度バラツキ、n軸はYの最高濃度バラツキとなる。なお、2次元格子はL*a*b*空間内の平面上に形成されるが、図では、説明を容易にするためにL*a*平面上に投影した2次元格子を描画している。次に、格子の各頂点のカラーマネージメント後の色彩値を求める。図において、2次元格子の頂点の中でカラーマネージメントの色彩値が既知でない頂点(図の菱形の点)は、既知の頂点(2軸の±3σ外枠の頂点4点(図の白丸の点)とCenter点(図の黒丸の点))の色彩値(すなわち、色彩理論値S、V1、V2、V3、V4)から求める。
次に、図21(b)に示すように、ターゲットの理論色彩値T(図の星印)を中心とする半径rの球(ΔE球と呼ぶ。)に対して、各格子の頂点が、ΔE球内(図ではL*a*平面に投影した円で記載している。)であるか、ΔE球外であるかを判定する。具体的には、球の中心(target)点と各格子の頂点との距離をgとしたとき、gが球の半径rよりも長いか短いかで判定する。すなわち、g−r≦0のとき、格子の頂点(図の濃いハッチングの丸印)はΔE球内であり、g−r>0のとき、格子の頂点(図の薄いハッチングの丸印)はΔE球外となる。なお、球の半径rは、合否判定閾値の色差ΔEであり、球の中心(target)の色彩値をL*,a*,b*とし、格子の頂点の色彩値をL*,a*,b*とすると、gは次式で表される。
g=((L*−L*+(a*−a*+(b*-b*1/2
次に、図21(c)に示すように、1つの格子を形成する4頂点に着目して、ΔE球内にある頂点の数でその格子内の合格面積率を算出する。1格子内の面積=1とすると、格子の4頂点がすべてΔE球内の場合は合格面積率1.00、格子の3頂点がΔE球内の場合は合格面積率0.75、格子の2頂点がΔE球内の場合は合格面積率0.50、格子の1頂点がΔE球内の場合は合格面積率0.25、格子の4頂点がすべてΔE球外の場合は合格面積率0.00とする。
次に、格子毎の分布確率を求める。最高濃度バラツキは正規分布となる前提とし、例えば、注目色がGreen100%のとき、YとCの最高濃度のバラツキのσ換算値を2軸にした2次元格子において、格子毎の分布確率を求める。例えば、+3σと+2σの間の分布確率は、[+3σの正規分布累積確率]−[+2σの正規分布累積確率]となる。図21(d)は、全分布=1の場合の1次色の分布確率であり、+3σと+2σの間(-3σと-2σの間も同様)の分布確率は0.0214、+2σと+σの間(-2σと-σの間も同様)の分布確率は0.1359、+σと0の間(-σと0の間も同様)の分布確率は0.3413となる。2次色の場合は、2次色を構成する2つの1次色の分布確率を掛け合わせた値となる。例えば、一方の1次色が-2σと-σの間、他方の1次色が+σと0の間の場合(図のハッチング部)、その分布確率は-2σと-σの間の1次色の分布確率と+σと0の間の1次色の分布確率とを掛け合わせた値となる。
次に、格子毎の合格率を求める。具体的には、[格子1内合格率]=[格子1の分布確率]×[格子1の合格面積率]であり、この計算をすべての格子nについて行い、格子毎の合格率を算出する。そして、すべての格子の合格率を加算して、最高濃度バラツキ内の運用合格率を求める。
図5(a)のフローチャート図に戻って、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、算出した注目色の運用合格率の中で、最も低い運用合格率を設定した色精度検証条件での総合運用合格率とする(S180)。図23は、総合運用合格率の算出例を示しており、Cyan、Magenta、Yellow、Black、Red、Green、Blue100%の運用合格率が図の値の場合、Black100%の運用合格率が最も低いため、その運用合格率を設定した色精度検証条件での総合運用合格率とする。
次に、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、算出した総合運用合格率を用いて、数段階の合否判定レベルに対応した、色精度検証合否判定を行う(S190)。
図14は、このステップの詳細を示しており、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、算出した総合運用合格率と数段階の合否判定レベルから、合否判定レベル毎に合否を判定すると共に、注目色毎の運用合格率での合否判定レベル毎の合否も判定する(S191)。
図24は、色精度検証条件で設定する判定レベルと上記手法で算出した推定運用合格率との対応例を示している。推定運用合格率が高い側の判定レベルは緩い判定レベルであり、一方、推定運用合格率が低い側の判定レベルは厳しい判定レベルとなる。図25は、判定レベルと判定規格の対応例を示している。判定レベルが緩いときの判定規格(合否判定閾値)は高い値であり、一方、判定レベルが厳しいときの判定規格(合否判定閾値)は低い値となる。
続いて、図5(b)のフローチャート図に示すように、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、推定運用合格率に基づいて、判定結果が不合格であるかを判断する(S200)。例えば、上記手法で特定した推定運用合格率と予め定めた閾値とを比較し、推定運用合格率が閾値未満であれば不合格と判断する。なお、ここでは推定運用合格率に基づいて、判定結果の合格/不合格を判断しているが、判定項目の色毎の合否判定や分布確率毎の総合合否判定に基づいて判定結果の合格/不合格を判断してもよい。
そして、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、色精度検証の判定結果が合格のときは、判定結果をユーザに通知し(S210)、色精度検証条件と判定結果とを関連付けてデータベース(色精度検証判定結果リスト)に登録する(S240)。一方、色精度検証の判定結果が不合格のときは、判定結果をユーザに通知し(S220)、設定した色精度検証条件では判定結果が不合格になることを示す色精度検証禁止フラグを立て(S230)、色精度検証条件と判定結果と色精度検証禁止フラグとを関連付けてデータベース(色精度検証判定予測結果リスト)に登録する(S240)。
図26は、このデータベース(色精度検証判定予測結果リスト)の一例であり、データベースには、色精度検証条件(装置種、紙種、ターゲット、判定レベル)と合否判定結果と検証日などが関連付けて登録される。このような色精度検証判定予測結果リストを登録しておくことにより、例えば、ユーザが色精度検証判定予測結果リストの表示を要求したときや、ユーザが色精度検証判定予測結果リストの不合格リストに登録されている紙種で色精度検証を実施しようとしたときに、この色精度検証判定予測結果リストを表示することにより、ユーザはこの色精度検証を実施するか否かを判断することができる。
このように、色調整を行わずに出力したカラーチャートを測色した色彩値に基づいてプリンタプロファイルを作成し、ターゲットプロファイルを用いて算出したターゲット(注目色)の色彩理論値Tと、色彩理論値Tとプリンタプロファイルとを用いて算出した色彩理論値Sと、色彩理論値Sに対して最高濃度のバラツキを考慮して算出した色彩理論値Vと、最高濃度のバラツキの情報(最高濃度の分布の特徴を表す標準偏差σ)とに基づいて色精度検証の結果を予測し、結果をユーザに通知すると共にデータベースに登録することにより、結果が不合格になるにも関わらず色精度検証が実施されてしまうという不具合を未然に防止することができる。
なお、上記フローでは、色精度検証の結果の予測時に使用する装置変動データを記憶部24に予め記憶しておくものとしたが、この装置変動データは、画像形成装置30の使用時間が増えた(予め定めた閾値を超えた)ときに最新の装置変動データに更新することが好ましく、装置変動データに更新することにより、色精度検証の結果の予測精度をより高めることができる。
次に、本発明の第2の実施例に係る色精度検証予測方法及び制御装置並びに色精度検証予測プログラムについて、図27乃至図30を参照して説明する。
前記した第1の実施例では、色精度検証の判定結果をユーザに通知することにより、色精度検証の無駄な実施を抑制したが、判定レベルを緩めたり、色毎に判定レベルを設定したりしても、ユーザが望む色を再現できる場合がある。そこで、本実施例では、判定結果をユーザに通知するのみならず、判定レベルをユーザが変更できるようにして、効率的に色精度検証を実施できるようにする。
この場合、制御装置20の構成は前記した第1の実施例の図3と同様であるが、色精度検証予測プログラム21a(色精度検証予測部)は、色彩理論値T、色彩理論値S、色彩理論値Vを算出し、それらの色彩理論値と最高濃度のバラツキの情報とに基づいて色精度検証の判定を行い、色精度検証の合否を予測する。そして、判定レベルと色精度検証の判定結果とを対応付けた画面をユーザに通知し、判定レベルの変更や色毎の判定規格の変更をユーザに促して、色精度検証が合格するようにする。
以下、画像形成装置30にて新しい紙種を使用するときの色精度検証の判定予測について説明する。制御部21のCPU22は、記憶部24に記憶したプログラムをRAM23に展開して実行することにより、図27のフローチャート図に示す各ステップの処理を実行する。なお、色精度検証合否判定までの処理は第1の実施例の図5(a)と同様であるため、説明を省略し、図5(a)の(1)以降の処理について説明する。
色精度検証合否判定後、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、推定運用合格率に基づいて、判定結果が不合格であるかを判断する(S300)。そして、色精度検証の判定結果が合格のときは、第1の実施例と同様に、判定結果をユーザに通知し(S310)、色精度検証条件と判定結果とを関連付けてデータベースに登録する(S360)。一方、色精度検証の判定結果が不合格のときは、単に判定結果をユーザに通知するのではなく、判定結果と運用可能な判定レベルとをユーザに通知する(S320)。例えば、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、表示部26に図28に示すような色精度検証判定結果画面61を表示させる。この色精度検証判定結果画面61には、判定レベル毎の色精度検証の判定結果(ここでは判定レベルを「厳しい」に設定しており判定結果は不合格)が表示され、かつ、推奨する判定レベル(ここでは判定結果が合格になる「中間」)が表示されており、ユーザはこの画面を参照して、所望の判定レベルを設定する。
そして、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、操作部27からの信号に基づいて、ユーザによる判定レベルの設定変更が行われたかを判断し(S330)、判定レベルの設定変更が行われなかった場合は、設定した色精度検証条件では判定結果が不合格になることを示す色精度検証禁止フラグを立て(S340)、色精度検証条件と判定結果と色精度検証禁止フラグとを関連付けてデータベースに登録する(S360)。一方、判定レベルの設定変更が行われた場合は、制御部21(色精度検証予測プログラム21a)は、ユーザ操作に従って判定レベルの変更を行い(S350)、色精度検証条件と判定結果とをデータベースに登録する(S360)。
上記説明では、色精度検証判定結果画面61に、各判定レベルとその判定結果及び推奨する判定レベルを表示させたが、判定レベルを緩くしても判定結果が不合格になる場合がある。例えば、第1の実施例の図18及び図19において、プリンタの色域とターゲットの色域とが大きく離れた色では、判定レベルを緩くしたとしても、その色では判定結果がNGとなり、総合合否判定もNGとなる。その結果、他の色は十分に合格範囲であるにも関わらず、色精度検証は不合格となってしまう。
そのような場合は、図29に示すような色精度検証判定結果画面62を表示して判定レベルを詳細に設定できるようにすることができる。具体的には、色精度検証判定結果画面62の判定レベル欄に「カスタム」を追加し、ユーザが詳細結果のボタンを押下したら、図30に示すような判定結果詳細画面63を表示する。この判定結果詳細画面63には、色毎に判定レベルに対応する変動幅と判定規格とが表示され、判定規格には現在の設定値と推奨する設定値が表示される。そして、ユーザは、この判定結果詳細画面63を参照して判定結果が不合格になる原因を特定する。この例では、K100%の判定項目において判定レベルが緩い場合であってもΔEは7.5であるのに対して、判定規格の現在の設定値がΔE≦5であるために、判定結果が不合格になっていることから、判定規格を推奨値のΔE≦8に変更している。
このように、色精度検証の判定結果が不合格のときに、単に判定結果をユーザに通知するのではなく、判定結果と運用可能な判定レベルをユーザに通知して、ユーザに判定レベルの設定変更を促したり、更に、判定結果の詳細をユーザに通知して、色毎に判定規格の変更を促したりすることにより、色精度検証を効率的に実施できるようにすることができる。例えば、紙白の判定項目があった場合に、若干色が付いている紙で色精度検証を実施したい場合には、カスタム設定で紙白の判定項目を緩めて色精度検証を運用可能にすることもできる。
なお、本発明は、上記実施例の記載に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、その構成や制御は適宜変更可能である。
例えば、上記各実施例では、色彩値を用いて色精度検証の合否判定を行ったが、色相角を用いることもできる。この色相角hは、
h=arctan(b*/a*)/π×180 … 式1
で算出することができ、色彩理論値T、色彩理論値S、色彩理論値Vに対応する色相角hを算出して比較することにより、色精度検証の合否判定を行うこともできる。
他の例としては、ISO12647-7で定義している色相の比較パラメータであるΔHを算出して、色精度検証の合否判定を行うこともできる。
ΔH=[(ΔE)2-(ΔL*)2-(ΔC*)2]1/2 … 式2
また、上記各実施例では、判定結果を各種画面でユーザに通知したが、制御装置20に予め設けた出力部を用いて、音声や光などでユーザに通知してもよい。
本発明は、色精度検証の結果を予測する色精度検証予測方法及び色精度検証を実施する制御装置並びに当該制御装置で動作する色精度検証予測プログラム並びに当該色精度検証予測プログラムを記録した記録媒体に利用可能である。
10 カラープリントシステム
20 制御装置
21 制御部
21a 色精度検証予測プログラム
21b プリンタプロファイル作成プログラム
21c 印刷指示プログラム
21d 色精度検証プログラム
22 CPU
23 RAM
24 記憶部
25 通信部
26 表示部
27 操作部
30 画像形成装置
31 制御部
32 CPU
33 RAM
34 記憶部
35 通信部
36 表示操作部
37 スキャナ部
38 画像形成部
39 インライン測色部
40 コンピュータ装置
50 測色器
60 色精度検証条件設定画面
61、62 色精度検証判定結果画面
63 判定結果詳細画面

Claims (23)

  1. プリンタの印刷色に対する色精度検証を行う制御装置における色精度検証予測方法であって、
    前記色精度検証を行うための条件を入力部から入力させる第1ステップと、
    カラーマネージメントを行わずに前記プリンタに出力させたカラーチャートを測色した色彩値を取得する第2ステップと、
    前記色彩値を用いて、プリンタプロファイルを作成する第3ステップと、
    前記第1ステップで入力された条件に基づき、設定された色精度検証ターゲットのターゲットプロファイルを用いて、予め定めた注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出する第4ステップと、
    前記色彩理論値Tと前記プリンタプロファイルとを用いて、前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sを算出する第5ステップと、
    前記色彩理論値Sと予め記憶部に保存されている色彩値差分データとを用いて、前記プリンタが出力可能な最高濃度が所定の分布に従ってばらついたときの前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出する第6ステップと、
    前記色彩理論値Tと前記色彩理論値Sと前記色彩理論値Vと前記最高濃度のバラツキの標準偏差σとに基づいて算出される運用合格率と予め定めた判定レベルとの比較結果に基づいて、色精度検証の結果を予測する第7ステップと、
    前記予測した結果を出力部から出力する第8ステップと、を実行する、
    ことを特徴とする色精度検証予測方法。
  2. 前記第1ステップでは、前記色精度検証を行うための条件として、少なくとも、装置種、前記色精度検証ターゲット、紙種及び判定レベルを設定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の色精度検証予測方法。
  3. 前記色彩値差分データは、前記プリンタの最高濃度が基準となる時にカラーマネージメント後の前記注目色を測色した色彩値と、前記プリンタの最高濃度が前記所定の分布に従って前記基準からばらついた時にカラーマネージメント後の前記注目色を測色した色彩値と、の色彩値差を示すデータである、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の色精度検証予測方法。
  4. 前記注目色が、Cyan100%、Magenta100%、Yellow100%、Black100%のいずれかの1次色の場合、前記色彩値差分データは、前記1次色の前記最高濃度が高濃度側及び低濃度側にばらついた時の2つの色彩値差分データで構成され、
    前記第6ステップでは、前記色彩理論値Sに各々の前記色彩値差分データを加算した色彩理論値V1及びV2を算出する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の色精度検証予測方法。
  5. 前記第7ステップでは、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値Sとの色差ΔEs、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値V1との色差ΔE1、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値V2との色差ΔE2を算出し、各々の前記色差と当該色差に対応する前記最高濃度のバラツキの度合いを標準偏差σに換算したσ換算値との関係を規定する近似式を求め、予め定めた色差の閾値と前記近似式とに基づいて前記σ換算値の閾値を算出し、前記所定の分布における前記σ換算値の閾値に対応する分布確率に基づいて、前記運用合格率を算出する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の色精度検証予測方法。
  6. 前記注目色が、Red100%、Green100%、Blue100%のいずれかの2次色の場合、前記色彩値差分データは、前記2次色を構成する2つの1次色成分の前記最高濃度が、各々高濃度側及び低濃度側にばらついた時の4つの色彩値差分データで構成され、
    前記第6ステップでは、前記色彩理論値Sに各々の前記色彩値差分データを加算した色彩理論値V1、V2、V3及びV4を算出する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の色精度検証予測方法。
  7. 前記第7ステップでは、前記2つの1次色成分に対して、各々の1次色成分の前記最高濃度のバラツキの度合いを標準偏差σに換算したσ換算値を変化させた2次元格子を作成し、前記色彩理論値Sと前記色彩理論値V1〜V4とを用いて前記2次元格子の各頂点に色彩理論値を対応付け、前記色彩理論値Tと前記2次元格子の各頂点の色彩理論値との色差ΔEを算出し、各々の格子に対して、当該格子の4頂点の前記色差ΔEに基づいて算出される合格面積率と当該格子の4頂点の前記σ換算値に基づいて算出される分布確率とを掛け合わせた値を算出し、全ての格子に対して前記値を加算して前記運用合格率を算出する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の色精度検証予測方法。
  8. 前記第7ステップでは、各々の前記注目色に対して算出した運用合格率の中で最も低い運用合格率を、前記第1ステップで入力された条件での運用合格率として設定する、
    ことを特徴とする請求項5又は7に記載の色精度検証予測方法。
  9. 前記第8ステップでは、前記色精度検証の結果が合格となると予測した場合、前記予測した結果を出力すると共に、前記第1ステップで入力された条件と前記予測した結果とを対応付けてデータベースに登録する、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の色精度検証予測方法。
  10. 前記第8ステップでは、前記色精度検証が不合格となると予測した場合、前記予測した結果を出力すると共に、前記第1ステップで入力された条件での色精度検証を禁止するフラグを設定し、前記条件と前記予測した結果と前記フラグとを対応付けてデータベースに登録する、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載の色精度検証予測方法。
  11. 前記判定レベルは複数段設けられており、
    前記第8ステップでは、前記複数段の中から選択された判定レベルで前記色精度検証が不合格となると予測した場合、前記判定レベル毎の結果を出力し、前記判定レベルの設定変更を受け付ける、
    ことを特徴とする請求項10に記載の色精度検証予測方法。
  12. プリンタの印刷色に対する色精度検証を行う制御装置であって、
    前記制御装置は、前記プリンタが出力可能な最高濃度が所定の分布に従ってばらついたときの色彩値の差分を示す色彩値差分データを記憶部に保存しており、
    前記色精度検証の結果を予測する色精度検証予測部は、
    前記色精度検証を行うための条件を入力部から入力させる第1処理と、
    カラーマネージメントを行わずに前記プリンタに出力させたカラーチャートを測色した色彩値を取得する第2処理と、
    前記色彩値を用いて、プリンタプロファイルを作成する第3処理と、
    前記第1処理で入力された条件に基づき、設定された色精度検証ターゲットのターゲットプロファイルを用いて、予め定めた注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出する第4処理と、
    前記色彩理論値Tと前記プリンタプロファイルとを用いて、前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sを算出する第5処理と、
    前記色彩理論値Sと前記記憶部に保存されている前記色彩値差分データとを用いて、前記プリンタが出力可能な最高濃度が前記所定の分布に従ってばらついたときの前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出する第6処理と、
    前記色彩理論値Tと前記色彩理論値Sと前記色彩理論値Vと前記最高濃度のバラツキの標準偏差σとに基づいて算出される運用合格率と予め定めた判定レベルとの比較結果に基づいて、色精度検証の結果を予測する第7処理と、
    前記予測した結果を出力部から出力する第8処理と、を行う、
    ことを特徴とする制御装置。
  13. 前記第1処理では、前記色精度検証を行うための条件として、少なくとも、装置種、前記色精度検証ターゲット、紙種及び判定レベルを設定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の制御装置。
  14. 前記色彩値差分データは、前記プリンタの最高濃度が基準となる時にカラーマネージメント後の前記注目色を測色した色彩値と、前記プリンタの最高濃度が前記所定の分布に従って前記基準からばらついた時にカラーマネージメント後の前記注目色を測色した色彩値と、の色彩値差を示すデータである、
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の制御装置。
  15. 前記注目色が、Cyan100%、Magenta100%、Yellow100%、Black100%のいずれかの1次色の場合、前記色彩値差分データは、前記1次色の前記最高濃度が高濃度側及び低濃度側にばらついた時の2つの色彩値差分データで構成され、
    前記第6処理では、前記色彩理論値Sに各々の前記色彩値差分データを加算した色彩理論値V1及びV2を算出する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の制御装置。
  16. 前記第7処理では、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値Sとの色差ΔEs、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値V1との色差ΔE1、前記色彩理論値Tと前記色彩理論値V2との色差ΔE2を算出し、各々の前記色差と当該色差に対応する前記最高濃度のバラツキの度合いを標準偏差σに換算したσ換算値との関係を規定する近似式を求め、予め定めた色差の閾値と前記近似式とに基づいて前記σ換算値の閾値を算出し、前記所定の分布における前記σ換算値の閾値に対応する分布確率に基づいて、前記運用合格率を算出する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の制御装置。
  17. 前記注目色が、Red100%、Green100%、Blue100%のいずれかの2次色の場合、前記色彩値差分データは、前記2次色を構成する2つの1次色成分の前記最高濃度が、各々高濃度側及び低濃度側にばらついた時の4つの色彩値差分データで構成され、
    前記第6処理では、前記色彩理論値Sに各々の前記色彩値差分データを加算した色彩理論値V1、V2、V3及びV4を算出する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の制御装置。
  18. 前記第7処理では、前記2つの1次色成分に対して、各々の1次色成分の前記最高濃度のバラツキの度合いを標準偏差σに換算したσ換算値を変化させた2次元格子を作成し、前記色彩理論値Sと前記色彩理論値V1〜V4とを用いて前記2次元格子の各頂点に色彩理論値を対応付け、前記色彩理論値Tと前記2次元格子の各頂点の色彩理論値との色差ΔEを算出し、各々の格子に対して、当該格子の4頂点の前記色差ΔEに基づいて算出される合格面積率と当該格子の4頂点の前記σ換算値に基づいて算出される分布確率とを掛け合わせた値を算出し、全ての格子に対して前記値を加算して前記運用合格率を算出する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の制御装置。
  19. 前記第7処理では、各々の前記注目色に対して算出した運用合格率の中で最も低い運用合格率を、前記第1処理で入力された条件での運用合格率として設定する、
    ことを特徴とする請求項16又は18に記載の制御装置。
  20. 前記第8処理では、前記色精度検証の結果が合格となると予測した場合、前記予測した結果を出力すると共に、前記第1処理で入力された条件と前記予測した結果とを対応付けてデータベースに登録する、
    ことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか一に記載の制御装置。
  21. 前記第8処理では、前記色精度検証が不合格となると予測した場合、前記予測した結果を出力すると共に、前記第1処理で入力された条件での色精度検証を禁止するフラグを設定し、前記条件と前記予測した結果と前記フラグとを対応付けてデータベースに登録する、
    ことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか一に記載の制御装置。
  22. 前記判定レベルは複数段設けられており、
    前記第8処理では、前記複数段の中から選択された判定レベルで前記色精度検証が不合格となると予測した場合、前記判定レベル毎の結果を出力し、前記判定レベルの設定変更を受け付ける、
    ことを特徴とする請求項21に記載の制御装置。
  23. プリンタの印刷色に対する色精度検証を行う制御装置で動作する色精度検証予測プログラムであって、
    前記制御装置は、前記プリンタが出力可能な最高濃度が所定の分布に従ってばらついたときの色彩値の差分を示す色彩値差分データを記憶部に保存しており、
    前記制御装置に、
    前記色精度検証を行うための条件を入力部から入力させる第1処理、
    カラーマネージメントを行わずに前記プリンタに出力させたカラーチャートを測色した色彩値を取得する第2処理、
    前記色彩値を用いて、プリンタプロファイルを作成する第3処理、
    前記第1処理で入力された条件に基づき、設定された色精度検証ターゲットのターゲットプロファイルを用いて、予め定めた注目色のターゲットの色彩理論値Tを算出する第4処理、
    前記色彩理論値Tと前記プリンタプロファイルとを用いて、前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Sを算出する第5処理、
    前記色彩理論値Sと前記記憶部に保存されている前記色彩値差分データとを用いて、前記プリンタが出力可能な最高濃度が前記所定の分布に従ってばらついたときの前記注目色のカラーマネージメント後の色彩理論値Vを算出する第6処理、
    前記色彩理論値Tと前記色彩理論値Sと前記色彩理論値Vと前記最高濃度のバラツキの標準偏差σとに基づいて算出される運用合格率と予め定めた判定レベルとの比較結果に基づいて、色精度検証の結果を予測する第7処理、
    前記予測した結果を出力部から出力する第8処理、を実行させる、
    ことを特徴とする色精度検証予測プログラム。
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