A.第1実施例:
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明の一実施例としての画像処理システムを示す説明図である。この画像処理システム10は、画像処理装置100と、プリンタ800と、画像処理装置100とプリンタ800とを接続するネットワークNTと、を含んでいる。
画像処理装置100は、例えば、いわゆるパーソナルコンピュータであり、CPU110と、DRAM等の揮発性記憶装置120と、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等の不揮発性記憶装置130と、液晶表示装置等の表示部140と、タッチパネルやキーボード等の操作部150と、他の装置と通信を行うための通信インタフェース160と、を含んでいる。通信インタフェース160は、例えば、IEEE802.11規格に準拠した無線インタフェースである。不揮発性記憶装置130は、プログラム132を格納している。
CPU110は、プログラム132を実行することにより、取得部210と、検出部220と、生成部230と、として機能する。これらの処理部は、特定のパターンを表す印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンタ800に供給する。
図1には、印刷データ生成処理の概略が示されている。ステップS10では、取得部210は、印刷対象の画像(「元画像」と呼ぶ)を表す対象画像データを取得する。取得方法としては、任意の方法を採用可能である。例えば、取得部210は、画像処理装置100上で動作する画像処理アプリケーション(図示省略)から対象画像データを取得する。
次のステップS20では、生成部230は、対象画像データを、ビットマップデータに変換する(ラスタライズ処理)。ビットマップデータは、例えば、赤Rと緑Gと青Bとの3つの要素の階調値(例えば、256階調)で画素の色を表すRGB画素データを含む。ビットマップデータの画素密度は、後述のハーフトーン処理の処理解像度と同じである。
次のステップS30では、生成部230は、ビットマップデータに含まれるRGB画素データを、プリンタ800で使用される色材の各色成分の階調値で画素の色を表す色材階調データに変換する(色変換処理)。本実施例では、色材階調データは、シアンCとマゼンタMとイエロYとブラックKとの4つの色成分の階調値(例えば、256階調)で画素の色を表すCMYK画素データである。色変換処理は、RGB画素データとCMYK画素データとを対応付けるカラープロファイル(例えば、ルックアップテーブル)を用いて行われる。カラープロファイルは、予め、不揮発性記憶装置130に格納されている。
次のステップS40では、検出部220と生成部230とは、CMYK画素データを含むビットマップデータを、特定のパターンを表すように変更する処理(パターン処理)を実行する。パターン処理の詳細については後述する。
次のステップS50では、生成部230は、パターン処理後のビットマップデータを、トナー像を表すパターンデータに変換する(ハーフトーン処理)。ハーフトーン処理は、例えば、ディザマトリクスを使用して行われる。この代わりに、誤差拡散法に従うハーフトーン処理も採用可能である。
次のステップS60では、生成部230は、生成したパターンデータを、プリンタ800が解釈可能な形式のデータ(印刷データ)に変換する。生成部230は、生成した印刷データを、プリンタ800に供給する。
プリンタ800は、CPU810と、DRAM等の揮発性記憶装置820と、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置830と、印刷を実行する印刷部840と、他の装置と通信を行うための通信インタフェース860と、を含んでいる。通信インタフェース860は、例えば、IEEE802.11規格に準拠した無線インタフェースである。不揮発性記憶装置830は、プログラム832を格納している。
印刷部840は、レーザプリンタである。印刷部840は、感光体840aと、感光体840aを露光することによって感光体840a上にトナー像を表す静電潜像を形成する露光部840bと、感光体にトナーを供給することによって静電潜像を現像する現像部840cと、感光体840aから印刷媒体PM上に転写されたトナー像を加圧・加熱することによって、トナーを印刷媒体PMに定着させる定着部840dと、を含んでいる。本実施例では、印刷部840は、シアンCとマゼンタMとイエロYとブラックKとの4種類のトナーを印刷に使用する。感光体840aと露光部840bと現像部840cとは、トナー毎に設けられている(図示省略)。CMYの混色は、Kと同じ色を印刷可能である。
CPU810は、プログラム832を実行することにより、受信部910と、印刷制御部920と、として機能する。受信部910は、他の装置(例えば、画像処理装置100)から印刷データを受信する。印刷制御部920は、受信した印刷データに従って印刷部840を制御することによって、画像を印刷する。
図2は、パターン処理のフローチャートである。最初のステップS100では、検出部220(図1)は、CMYKのビットマップデータを解析することによって、黒色の均一な第1種処理領域を検索する。「黒色」は、印刷可能な最も暗い黒である。「処理領域」は、KとCMYの混色との少なくとも一方を印刷に使用する領域である。第1種処理領域は、第1画素数以上の画素が連続する処理領域である。第1画素数は、後述する基準パターン画像の総画素数の100%未満の所定割合(例えば、80%)に、決定されている。
図3は、パターン処理の概略図である。図3(A)の画像OI1は、CMYKのビットマップデータによって表される元画像の一例を示している。元画像OI1は、均一な黒領域BA1を含んでいる。検出部220(図1)は、この黒領域BA1を、第1種処理領域として、検出する(「第1種処理領域BA1」とも呼ぶ)。
第1種処理領域が検出された場合には(図2:S105:Yes)、次のステップS110で、生成部230(図1)は、基準パターン画像が処理領域に重なるように、元画像に対する基準パターン画像の位置(以下「重畳位置」と呼ぶ)を決定する。図3(B)の画像P1は、基準パターン画像の一例を示している。基準パターン画像P1は、3つの文字列(「original」)を表す矩形画像である。以下、文字を表す部分を「文字部分P1T」と呼び、文字と文字との間の部分を「背景部分P1B」と呼ぶ。また、基準パターン画像P1を、単に「第1パターンP1」とも呼ぶ。なお、本実施例では、基準パターン画像P1は、予め決められており、例えば、CMYKのビットマップデータと同じ画素密度の2値のビットマップデータで表されている。
図3(C)の画像PI1は、パターン処理後のビットマップデータによって表される画像(「出力画像」と呼ぶ)の一例を示している。出力画像PI1の処理領域BA1内には、第1部分領域P1Tpと第2部分領域P1Bpとが配置されている。第1部分領域P1Tpは、基準パターン画像P1(図3(B))の文字部分P1Tに対応し、第2部分領域P1Bpは、基準パターン画像P1の背景部分P1Bに対応する。以下、処理領域内の文字部分P1Tに対応する部分を「文字領域」と呼び、背景部分P1Bに対応する部分を「背景領域」と呼ぶ。図示するように、生成部230は、基準パターン画像P1が第1種処理領域BA1に含まれるように、第1種処理領域BA1に対する基準パターン画像P1の位置を決定する。
図2の次のステップS115では、生成部230は、背景領域(例えば、図3(C)の背景領域P1Bp)で使用される色材を、CMYの混色に設定する。Kの階調値がゼロよりも大きい場合には、Kの階調値の全てが、CMYのそれぞれの階調値に、置換される。この置換は、印刷される色が変化しないように、行われる。この置換で使用されるCMYのそれぞれの階調値とKの階調値との間の対応関係は、予め決められている。なお、Kの階調値の一部をCMYの階調値に置換することによって、CMYのいずれかの階調値が定義域内の最大値(例えば、255)となる場合には、Kの残りの階調値を放棄してもよい。また、基準パターン画像P1と重なる処理領域の全体が、背景領域と同様に、処理されてもよい。
次のステップS120では、生成部230は、文字領域(例えば、図3(C)の文字領域P1Tp)で使用される色材を、Kに設定する。CMYの階調値がゼロよりも大きい場合には、CMYの階調値の全てが、Kの階調値に、置換される。この置換は、印刷される色が変化しないように、行われる。KとCMYとの間の階調値の対応関係は、ステップS115で使用される対応関係と同じである。このステップS120が完了したことに応じて、パターン処理は終了する。なお、CMYの階調値の一部をKの階調値に置換することによって、Kの階調値が定義域内の最大値(例えば、255)となる場合には、CMYの残りの階調値を放棄してもよい。
図4は、背景領域P1Bpと文字領域P1Tpとの間の色の見えの差の説明図である。図中には、印刷後の印刷媒体PMの断面図が示されている。図中には、CMYKのそれぞれのトナーが、互いに異なるハッチングで、示されている。文字領域P1Tpは、Kのみで印刷され、背景領域P1Bpは、CMYの混色のみで印刷されている。図中の矢印L1Ta、L1Ba、L1Tb、L1Bbは、印刷媒体PMの表面からの反射光を示している。なお、図示されるトナーの積層状態は、概略であり、現実の印刷物では、CMYKのトナーは、混合された状態で、印刷媒体PMに定着している。
図4(A)の矢印L1Ta、L1Baは、印刷媒体PMの表面と直交する方向(真正面)に向かう反射光を示し、図4(B)の矢印L1Tb、L1Bbは、印刷媒体PMの表面と斜めに交差する方向に向かう反射光を示している。矢印に付されたハッチングの明るさは、反射光の明るさを示している(ハッチングが明るいほど、反射光の明るい)。
図4(A)に示すように、印刷媒体PMを真正面から観察する場合には、文字領域P1Tpと背景領域P1Bpとの間で、反射光L1Ta、L1Baの明るさは、ほぼ同じである。この理由は、以下の通りである。図2のステップS115、S120では、印刷される色が変化しないように、KとCMYとの間の置換が行われる。印刷される色は、測色によって特定される。印刷物を測色する場合には、通常は、おおよそ正面から色を測定する。従って、真正面から観察した場合には、文字領域P1Tpと背景領域P1Bpとの間で、色の見えの差は小さい。
一方、図4(B)に示すように、印刷媒体PMを斜め方向から観察する場合には、文字領域P1Tpと背景領域P1Bpとの間で、反射光L1Tb、L1Bbの明るさが、異なっている。特に、図4(B)の実施例では、Kで印刷される文字領域P1Tpの反射光L1Tbは、CMYの混色で印刷される背景領域P1Bpの反射光L1Bbと比べて、明るい。この理由は、以下の通りである。CMYの混色で印刷される背景領域P1Bpでは、Kで印刷される文字領域P1Tpと比べて、色材の単位面積当たりの総量が多い。印刷媒体PM上の色材の厚さは、文字領域P1Tpと比べて、背景領域P1Bpの方が、厚い。従って、定着部840d(図1)によってトナーが定着される時に、背景領域P1Bpでは、文字領域P1Tpと比べて、トナーの表面が強く押圧される。この結果、背景領域P1Bpでは、トナーの表面が、相対的に平らであり、文字領域P1Tpでは、トナーの表面が、相対的に粗い。以上により、斜め方向から印刷媒体PMを観察する場合には、背景領域P1Bpでは、トナーの表面での光の乱反射が弱いので、色が相対的に暗く見える。文字領域P1Tpでは、トナーの表面での光の乱反射が強いので、色が相対的に明るく見える。このように、文字領域P1Tpと背景領域P1Bpとの間で光沢度が異なる。
ユーザが、印刷物を観察する場合には、印刷媒体PMに対して種々の角度から画像を観察し得る。従って、図3(C)に示す出力画像PI1が印刷された場合には、ユーザは、文字領域P1Tpと背景領域P1Bpとの間の光沢度の違いを認識し、文字領域P1Tpと背景領域P1Bpとによって表されるパターン(基準パターン画像P1)を、認識することができる。
仮に、印刷物が複写機によって複写される場合には、複写機は、通常は、おおよそ真正面から、光学的に、印刷物を読み取る。従って、複写機は、文字領域P1Tpと背景領域P1Bpとの間の光沢度の差を、認識することが困難である。すなわち、複写物中では、文字領域P1Tpと背景領域P1Bpとの間で、印刷される色の差は小さい。以上により、基準パターン画像P1を、元の印刷物と複写物とを見分ける指標として使用可能である。
図5は、元画像と出力画像との別の例を示す概略図である。上述のように、図2のステップS100で使用される第1画素数は、基準パターン画像P1の総画素数よりも、小さい。従って、検出される第1種処理領域は、基準パターン画像P1を包含できない場合がある。この場合には、生成部230は、第1種処理領域が基準パターン画像P1の一部分を表すように、印刷データを生成する。図5は、そのような場合の例を示している。
図5(A)は、元画像OI2を示している。元画像OI2は、黒領域BA2を含んでいる。図2のステップS100では、黒領域BA2が第1種処理領域として検出される。図5(B)は、出力画像PI2を示している。出力画像PI2の処理領域BA2内には、文字領域P1Tpaと背景領域P1Bpaとが配置されている。
検出された第1種処理領域BA2の幅は、基準パターン画像P1(図3(B))の幅よりも小さい(幅は、図中の水平方向の長さ)。この場合、図2のステップS110では、生成部230は、基準パターン画像P1の一部が、第1種処理領域BA2に重なるように、重畳位置を決定する。基準パターン画像P1のうちの処理領域BA2と重なる部分を「部分パターンP1p」と呼ぶ。処理領域BA2の外では、基準パターン画像P1は表されない。
このように、第1種処理領域が、基準パターン画像P1を包含できない場合であっても、第1種処理領域は、基準パターン画像P1の一部分(部分パターンP1p)を表している。生成部230は、種々の元画像に対応して、基準パターン画像P1の少なくとも一部分を表す印刷データを生成することができる。
次に、第1種処理領域が検出されない場合の処理について説明する(図2:S105:No)。この場合には、ステップS140で、検出部220(図1)は、CMYKのビットマップデータを解析することによって、他の処理領域を検索する。
図6は、他の処理領域の検索のフローチャートである。最初のステップS205では、検出部220(図1)は、CMYKのビットマップデータを解析することによって、グレーまたは暗い第1種処理領域を検索する。「グレーの処理領域」は、無彩色の複数の画素が連続する処理領域である。「暗い処理領域」は、以下の2つの条件Ca、Cbを満たす複数の画素が連続する処理領域である。
(Ca)CMYのそれぞれの階調値がゼロよりも大きい、または、Kの階調値がゼロよりも大きい。
(Cb)CMYKの階調値の合計が所定値(例えば、200%)以上である(100%は、1つの色成分の階調値がとり得る最大値である)。
なお、「グレーの処理領域」および「暗い処理領域」では、色が均一でなくてもよい。
例えば、図3(A)の例で、領域BA1が、黒領域ではなく、グレーまたは暗い領域であると仮定する。この場合には、ステップS205では、領域BA1が、第1種処理領域として検出される。また、図5(A)の例で、領域BA2が、黒領域ではなく、グレーまたは暗い領域であると仮定する。この場合には、ステップS205では、領域BA2が、第1種処理領域として検出される。
第1種処理領域が検出された場合には(S210:Yes)、次のステップS215で、検出部220は、第1種処理領域が検出されたことを表すフラグを不揮発性記憶装置130に設定し、図6の処理(図2のステップS140)を終了する。このように第1種処理領域が検出された場合には(図2:S145:Yes)、生成部230は、図2のステップS155で、基準パターン画像P1が処理領域に重なるように、元画像に対する基準パターン画像P1の位置を決定する。第1種処理領域が検出された場合のステップS155は、上述のステップS110と、同じである。例えば、図3(A)の領域BA1が図6のステップS205で検出された場合には、図3(C)に示すように、処理領域BA1内に、背景領域P1Bpと文字領域P1Tpとが配置される。図5(A)の領域BA2が図6のステップS205で検出された場合には、図5(B)に示すように、処理領域BA2内に、背景領域P1Bpaと文字領域P1Tpaとが配置される。
図2の次のステップS160、S165では、生成部230は、背景領域と文字領域との間で、カラープロファイルを異ならせる。詳細については、後述する。
図6の処理で第1種処理領域が検出されなかった場合には(S210:No)、次のステップS220で、検出部220は、反時計回りに0〜90度の範囲内で角度Agを変化させながら、角度Agによる回転済の基準パターン画像P1を包含し得るグレーまたは暗い処理領域を検索する。
図7は、ステップS220で処理領域が検出される場合の例を示す概略図である。図7(A)は、元画像OI3を示している。元画像OI3は、グレー領域BA3を含んでいる。グレー領域BA3は、元画像OI3に対して斜めに傾いた矩形のグレー領域である。図6のステップS220では、グレー領域BA3が処理領域として検出される。図7(B)は、出力画像PI3を示している。出力画像PI3の処理領域BA3内には、文字領域P1Tpbと背景領域P1Bpbとが配置されている。図示するように、処理領域BA3は、角度Agに従って反時計回りに回転した基準パターン画像P1rを、包含し得る。
図6のステップS220で処理領域が検出された場合には(S225:Yes)、次のステップS230で、検出部220は、角度Agに従って反時計回りに回転した基準パターン画像P1rを生成する。次のステップS215では、検出部220は、基準パターン画像P1rと、処理領域BA3が基準パターン画像P1rを包含する状態の重畳位置と、を揮発性記憶装置120に保持し、図6の処理(図2のステップS140)を終了する。このように処理領域が検出された場合には(図2:S145:Yes)、図2のステップS155では、生成部230は、検出部220によって特定された重畳位置を採用する。この結果、図7(B)に示すように、処理領域BA3内に、背景領域P1Bpbと文字領域P1Tpbとが配置される。続くステップS160、S165については、後述する。
図6のステップS220で処理領域が検出されなかった場合には(S225:No)、次のステップS240で、検出部220は、10%〜90%の範囲内で縮小率Xを変化させながら、縮小率Xによる縮小済の基準パターン画像P1を包含し得るグレーまたは暗い処理領域を検索する。
図8は、ステップS240で処理領域が検出される場合の例を示す概略図である。図8(A)は、元画像OI4を示している。元画像OI4は、暗領域BA4を含んでいる。暗領域BA4は、人物の髪を表す領域であり、上述の条件Ca、Cbを満たす複数の画素が連続する領域である。図6のステップS240では、暗領域BA4が処理領域として検出される。図8(B)は、出力画像PI4を示している。出力画像PI4の処理領域BA4内には、文字領域P1Tpcと背景領域P1Bpcとが配置されている。図示するように、処理領域BA4は、縮小率Xに従って縮小された基準パターン画像P1sを、包含し得る。
図6のステップS240で処理領域が検出された場合には(S245:Yes)、次のステップS250で、検出部220は、縮小率Xに従って縮小した基準パターン画像P1sを生成する。次のステップS215では、検出部220は、基準パターン画像P1sと、処理領域BA4が基準パターン画像P1sを包含する状態の重畳位置と、を揮発性記憶装置120に保持し、図6の処理(図2のステップS140)を終了する。このように処理領域が検出された場合には(図2:S145:Yes)、図2のステップS155では、生成部230は、検出部220によって特定された重畳位置を採用する。この結果、図8(B)に示すように、処理領域BA4内に、背景領域P1Bpcと文字領域P1Tpcとが配置される。続くステップS160、S165については、後述する。
図6のステップS240で処理領域が検出されなかった場合には(S245:No)、次のステップS260で、検出部220は、処理領域が検出されなかったことを表すフラグを不揮発性記憶装置130に設定し、図6の処理(図2のステップS140)を終了する。このように処理領域が検出されなかった場合には(図2:S145:No)、生成部230は、図2のステップS150で、CMYKのビットマップデータに、基準パターン画像P1を表すための黒領域を追加する。
図9は、処理領域が検出されない場合の例を示す概略図である。図9(A)は、元画像OI5を示している。元画像OI5は、人物を表している。この元画像OI5からは、処理領域は検出されない。図9(B)は、出力画像PI5を示している。出力画像PI5中の黒領域BA5は、図2のステップS150で追加された黒領域を示している。
黒領域が追加された場合には、生成部230は、ステップS110〜S120の処理を実行する。この結果、図9(B)に示すように、追加された黒領域BA5(図9(B))に、文字領域P1Tpdと背景領域P1Bpdとが形成される。
次に、図2のステップS160、S165の処理について説明する。ステップS160では、生成部230は、背景領域(例えば、図7(B)の背景領域P1Bpb、図8(B)の背景領域P1Bpc)のカラープロファイルとして、第1カラープロファイルCP1を選択する。次のステップS165では、生成部230は、文字領域(例えば、図7(B)の文字領域P1Tpb、図8(B)の文字領域P1Tpc)のカラープロファイルとして、第2カラープロファイルCP2を選択する。
図10は、カラープロファイルを説明するグラフである。横軸は、白から黒までの間の無彩色の濃度(明るさ)を示し、縦軸は、CMYKのそれぞれの階調値(すなわち、色材量)を示している。図10(A)は、第1カラープロファイルCP1を示し、図10(B)は、第2カラープロファイルCP2を示している。図示するように、第1カラープロファイルCP1を使用する場合には、第2カラープロファイルCP2を使用する場合と比べて、Kの使用比率が小さく、この代わりに、CMYの混色の使用比率が高い。特に、明るい色範囲CR1内では、第1カラープロファイルCP1を使用すれば、ブラックKが使用されず、第2カラープロファイルCP2を使用すれば、CMYが使用されない。従って、第1カラープロファイルCP1は、第2カラープロファイルCP2と比べて、明るい領域の粒状性を改善できる。一方、第2カラープロファイルCP2は、第1カラープロファイルCP1と比べて、画像のエッジ(特に無彩色で表されたエッジ)をシャープに再現できる。本実施例では、色変換処理(図1:S30)では、第1カラープロファイルCP1が使用される。従って、ステップS160では、背景領域のCMYKの階調値は、変更されずに、維持される。ステップS165では、生成部230は、第2カラープロファイルCP2を使用することによって、文字領域の画素の色変換(RGBからCMYKへの変換)をやり直す。ステップS165が完了したことに応じて、パターン処理は終了する。
図11は、背景領域と文字領域との間の色の見えの差の説明図である。図11には、図7(B)の背景領域P1Bpbと文字領域P1Tpbとが、例として示されている。ここで、処理領域BA3(図7(A))の色が、図10の第1色AC1で表される色であることとする。図11中には、印刷後の印刷媒体PMの断面図が示されている。図中には、CMYKのそれぞれのトナーが、互いに異なるハッチングで、示されている(図4とは異なり、各トナーが矩形で示されている)。また、図11(A)の矢印L2Ta、L2Baは、印刷媒体PMの真正面に向かう反射光を示し、図11(B)の矢印L2Tb、L2Bbは、印刷媒体PMの表面と斜めに交差する方向に向かう反射光を示している。矢印に付されたハッチングの明るさは、反射光の明るさを示している。
図示するように、文字領域P1Tpbは、背景領域P1Bpbと比べて、Kの使用比率が高く、CMY混色の使用比率が低い。Kの使用比率を高めると、CMYの3種類の色材の使用比率が低くなるので、CMYKの合計の使用量は減少する。従って、文字領域P1Tpbでは、背景領域P1Bpbと比べて、色材の単位面積当たりの総量が少ない。この結果、図4の説明と同様に、真正面から印刷媒体PMを観察する場合には、文字領域P1Tpbと背景領域P1Bpbとの間で、色の見えの差は小さいが、斜め方向から印刷媒体PMを観察する場合には、文字領域P1Tpbは、背景領域P1Bpbと比べて、明るく見える。このように、生成部230は、光沢度が異なる文字領域P1Tpbと背景領域P1Bpbとによって表される基準パターン画像P1rを表す印刷データを生成できる。
図12は、カラープロファイルを説明する別のグラフである。図12(A)、図12(B)のグラフでは、横軸は、グレーから緑までの色の彩度を示し、縦軸は、CMYKのそれぞれの階調値(色材量)を示している。図12(A)は、第1カラープロファイルCP1を示し、図12(B)は、第2カラープロファイルCP2を示している。図示するように、有彩色を印刷する場合、彩度が低い色範囲CR2内では、第1カラープロファイルCP1を使用する場合には、第2カラープロファイルCP2を使用する場合と比べて、Kの使用比率が小さく、この代わりに、CMYの混色の使用比率が高い。従って、第1カラープロファイルCP1は、第2カラープロファイルCP2と比べて、低彩度の領域の粒状性を改善できる。一方、第2カラープロファイルCP2は、第1カラープロファイルCP1と比べて、画像のエッジ(特に彩度が低い色で表されたエッジ)をシャープに再現できる。
図12(C)のグラフでは、横軸は、図12(A)、図12(B)と同様の彩度を示し、縦軸は、合計色材量を示している。第1グラフT1は、第1カラープロファイルCP1を示し、第2グラフT2は、第2カラープロファイルCP2を示している。図示するように、色範囲CR2内では、第1カラープロファイルCP1を使用する場合には、第2カラープロファイルCP2を使用する場合と比べて、合計色材量が多い。
ここで、図8(A)の処理領域BA4の色が、図12に示す色範囲CR2内であると仮定する。この場合、図8(B)の文字領域P1TpcのCMYKの階調値は、図12(B)に示す第2カラープロファイルCP2に従って、決定される(図2:S165)。背景領域P1BpcのCMYKの階調値は、維持される(図2:S160)。この結果、図11の説明と同様に、生成部230は、光沢度が異なる文字領域P1Tpcと背景領域P1Bpcとによって表される基準パターン画像P1sを表す印刷データを生成できる。
他の色相および彩度の色範囲においても、図12と同様に、カラープロファイルCP1、CP2は、構成されている。従って、生成部230は、種々の色の処理領域を使用することによって、光沢度が異なる文字部分と背景部分とによって表される基準パターン画像を表す印刷データを生成できる。
なお、第1カラープロファイルCP1と第2カラープロファイルCP2とは、いずれのカラープロファイルを使用しても印刷される色がほぼ同じとなるように、構成されている。従って、元画像の処理領域が、色が均一ではない画像を表す場合であっても、出力画像の処理領域は、元画像の処理領域と同じ画像を表し得る。
以上のように、第1実施例では、生成部230は、元画像から検出された処理領域内に、文字領域(第1部分領域)と背景領域(第2部分領域)とを形成(配置)する。そして、文字領域と背景領域との間で、CMYの混色とKとの使用比率が異なるように、印刷データが生成される。この結果、元画像が変更されることを抑制しつつ、第1部分領域と第2部分領域とによって表される特定のパターン(例えば、第1パターンP1)を表す印刷データを生成することができる。
また、第1種処理領域が検出されない場合には、検出部220は、基準パターン画像P1を回転または縮小させて得られるパターン画像(「第2パターン」と呼ぶ)を包含可能な処理領域を検出する(図6:S220、S240、図7、図8)。図7(B)の基準パターン画像P1rと、図8(B)の基準パターン画像P1sとは、第2パターンの例である。生成部230は、検出された処理領域(「第2種処理領域」と呼ぶ)が第2パターンを表すように、印刷データを生成する。従って、第2種処理領域を使用することによって、元画像が変更されることを抑制しつつ、第1部分領域と第2部分領域とによって表される第2パターンを表す印刷データを生成することができる。
また、検出された第1種処理領域が、第1パターンP1を包含できない場合には、生成部230は、第1種処理領域が第1パターンP1の一部分を表すように、印刷データを生成する(図5(B))。従って、この場合も、元画像が変更されることを抑制しつつ、第1部分領域と第2部分領域とによって表されるパターン(第1パターンP1の一部分)を表す印刷データを生成することができる。なお、「第1種処理領域が第1パターンP1を包含できない」とは、第1種処理領域に第1パターンP1を重ねる場合に、任意の重畳位置で、第1パターンP1の一部が、第1種処理領域の外にはみ出ることを、意味している。「第1種処理領域が第1パターンP1を包含可能である」とは、第1種処理領域に第1パターンP1を重ねる場合に、少なくとも1つの重畳位置で、第1パターンP1の全体が、第1種処理領域に含まれることを、意味している。
また、処理領域が検出されない場合には、生成部230は、第1パターンP1を表す領域(黒領域)を追加する(図2:S150)。従って、この場合も、第1部分領域と第2部分領域とによって表される第1パターンP1を表す印刷データを生成することができる。
また、図2のステップS160、S165では、生成部230は、文字領域(例えば、図7(B)の文字領域P1Tpb)内では、印刷される色が変化しないように、CMYの混色とKとの使用比率を変更し(S165)、背景領域(例えば、図7(B)の背景領域P1Bpb)内では、使用比率を変更しない(S160)。従って、印刷される色を変更せずに特定のパターン(例えば、第1パターンP1r)を表す印刷データを生成できる。なお、印刷される色が変化しないとは、通常の観察距離(例えば、50cm)から印刷済画像を観察した観察者が「色が変化していない」と認識し得る程度に、色の差が小さいことを示している。
また、図2のステップS115、S120では、生成部230は、文字領域(例えば、図3(C)の文字領域P1Tp)内では、Kのみを使用し(S120)、背景部分(例えば、図3(C)の背景領域P1Bp)内では、CMY混色のみを使用する(S115)。従って、文字部分と背景部分との間でCMYの混色とKとの使用比率が大きく異なるので、特定パターン(例えば、第1パターンP1)が視認し易くなる。
また、図2のステップS100では、検出部220は、色が均一な領域を処理領域として検出する。従って、第1部分領域と第2部分領域によって表される特定のパターン(例えば、第1パターンP1)が視認し易くなる。なお、色が均一な処理領域としては、階調値が均一である処理領域に限らず、色が実質的に均一な領域を採用可能である。色が実質的に均一であることは、通常の観察距離から印刷済画像を観察した観察者が「色が均一である」と認識し得る程度に、色のバラツキが小さいことを示している。
また、図2のステップS100では、生成部230は、黒色の領域を処理領域として検出する。従って、第1部分領域と第2部分領域によって表される特定のパターン(例えば、第1パターンP1)が視認し易くなる。
B.第2実施例:
図13は、パターン処理の別の実施例のフローチャートである。図2に示す第1実施例からの差異は、ステップS120またはステップS165が終了した後に実行されるステップS180、S185が追加されている点だけである。他のステップS100〜S165は、図2の第1実施例のステップS100〜S165と、それぞれ同じであり、その説明を省略する。
図14は、ステップ180の概略図である。図中には、フローチャートと、第2実施例の基準パターン画像P2と、が示されている。基準パターン画像P2は、文字部分P2Tと、背景部分P2Bと、を含んでいる。文字部分P2Tは、「E」と「F」と「G」との3つの文字を表している。基準パターン画像P2は、図3(B)の基準パターン画像P1とは異なり、RGBのビットマップデータによって、表されている。図13のステップS100〜S165では、図14の基準パターン画像P2が使用される。
図15は、第2実施例における元画像と出力画像との例を示す概略図である。図15(A)は、元画像OI6を示している。元画像OI6は、黒領域BA6を含んでいる。図13のステップS100では、黒領域BA6は、第1種処理領域として、検出される。図15(B)は、出力画像PI6を示している。出力画像PI6の処理領域BA6内には、文字部分P2Tpと背景部分P2Bpとが配置されている(図13:S110〜S120)。
基準パターン画像P2(図14)の文字部分P2Tは、互いに色が異なる複数の画素によって、表されている。図14の例では、文字「E」が最も暗く、文字「G」が最も明るい。図13のステップS180、S185では、生成部230は、文字部分P2Tの色に応じて、出力画像PI6(図15(B))の文字部分P2Tp内の色を調整する。基準パターン画像P2の背景部分P2Bに関しては、色は指定されていない(出力画像PI6の背景部分P2Bpの色は、変更されない)。
図13のステップS180では、生成部230(図1)は、文字領域P2Tp(図15(B))内の画素毎に濃度係数を算出する。図14のフローチャートは、濃度係数の算出の手順を示している。最初のステップS300では、生成部230は、文字領域P2Tp内の画素毎に、基準パターン画像P2の文字部分P2T内の対応する画素(同じ位置の画素)の濃度(輝度値)を算出する。例えば、RGB色空間からYCbCr色空間への色変換式を用いて、RGBの階調値から輝度値Yinが算出される(Yin=0.299R+0.587G+0.114B)。輝度値Yinの定義域は、例えば、0〜255である。
次のステップS310では、生成部230は、文字領域P2Tp内の輝度値Yinの分布を解析し、輝度値Yinの最大値Ymaxと最小値Yminとを特定する。ただし、輝度値Yinが取り得る範囲の最大値(ここでは、255)は除かれる。
次のステップS320では、生成部230は、文字領域P2Tp内の輝度値Yinの分布が、0〜255の範囲の全体に亘るように、輝度値Yinを修正輝度値Youtに変換する(Yout=(Yin−Ymin)/(Ymax−Ymin)。この結果、文字領域P2Tp内の輝度値Yinが最も大きい画素(文字「G」の画素)の修正輝度値Youtは、255に変換され、文字領域P2Tp内の輝度値Yinが最も小さい画素(文字「E」の画素)の修正輝度値Youtは、0に変換される。
次のステップS330では、生成部230は、文字領域P2Tp内の画素毎に、係数Noutを算出する。図14の実施例では、係数Noutが、修正輝度値Youtに比例して、0.9〜1.0の間の範囲内で変化するように、係数Noutが算出される(Nout=(255−Yout)/255*0.1+0.9)。
係数Noutが算出されたら、図13の次のステップS185では、生成部230は、文字領域P2Tp内の画素毎に、濃度(CMYKの階調値)に係数Noutを乗じる処理を、実行する。係数Noutを乗じる前のCMYKの階調値は、図13のステップS120またはS165が終了した時点でのCMYKの階調値である。
以上のステップS180、S185の結果、出力画像PI6の文字部分P2Tp内の色は、均一ではなく、基準パターン画像P2の文字部分P2T内の色に応じて、変化する。図13のステップS105の判定結果が「No」である場合も、同様に、図13の処理が実行される。例えば、図6のステップS240で処理領域が検出された場合には、処理領域内に縮小された文字部分と背景部分が配置される。この場合、縮小された文字領域の形状は、基準パターン画像P2の文字部分P2Tの形状と同じである(但し、大きさは異なる)。生成部230は、縮小された文字領域内の画素位置に対応付けられた、文字部分P2T内の画素を用いて、係数Noutを算出すればよい。以上により、生成部230は、基準パターン画像P2内の色の変化に応じたパターンを表す印刷データを生成できる。
C.変形例:
(1)パターン処理としては、上記各実施例の処理に限らず、処理領域を検出し、検出された処理領域内の第1部分領域と第2部分領域との間で、特定色材(例えば、CMY)の混色とKとの使用比率を異ならせるような、種々の処理を採用可能である。例えば、図6のステップS220では、角度Agの範囲は、0〜180度であってもよい。また、ステップS220では、回転と縮小との両方を行うこととしてもよい。この場合、ステップS240〜S250を省略すればよい。また、回転を使用する検索と、縮小を使用する検索と、の少なくとも一方を省略してもよい。
また、ステップS100(図2、図13)、S205(図6)で、検出すべき処理領域の形状を制限してもよい。例えば、検出すべき処理領域の条件として、「処理領域が基準パターン画像を包含可能である」を追加してもよい。
また、図2、図13のステップS105の判定結果が「No」である場合には、処理が、ステップS150に進行してもよい。また、ステップS145の判定結果が「No」である場合には、生成部230は、パターン処理を中止してもよい。
また、図2、図13のステップS115では、Kの階調値の一部が、CMYの混色に置換されずに、維持されてもよい。また、ステップS120では、CMYの階調値の一部が、Kの階調値に置換されずに、維持されてもよい。また、文字領域と比べて背景領域の方が、Kの使用比率が高くてもよい。例えば、背景領域がKで印刷され、文字領域がCMYの混色で印刷されてもよい。また、ステップS160で第2カラープロファイルCP2が使用され、ステップS165で第1カラープロファイルCP1が使用されてもよい。また、色変換(図1:S30)では、第2カラープロファイルCP2が使用されてもよい。また、文字部分の色材量(例えば、CMYKの階調値)を変更せずに、背景部分の色材量が変更されてもよい。また、背景部分の色材量が変更されずに、文字部分の色材量が変更されてもよい。また、文字部分と背景部分との両方の色材量が変更されてもよい。
また、図2、図13のステップS100で検出される第1種処理領域としては、黒領域に限らず、他の種々の第1種領域を採用可能である。例えば、輝度値が所定範囲内にあるグレー領域を採用可能である。ここで、輝度値が均一ではないグレー領域を、第1種処理領域として採用してもよい。
また、検出部220と生成部230との処理対象のデータは、CMYKのビットマップデータに限らず、他の形式の画像データであってもよい(例えば、RGBのビットマップデータ)。
(2)基準パターン画像としては、文字を表す画像に限らず、第1部分領域に対応付けられる第1部分と第2部分領域に対応付けられる第2部分とで表される任意の図形を表す画像を採用可能である。また、検出部220と生成部230とは、ユーザによって決定された画像を、基準パターン画像として使用してもよい。また、基準パターン画像を表すデータは、CMYKのビットマップデータに限らず、任意の形式の画像データであってよい。
(3)係数Nout(図14)の決定方法としては、基準パターン画像内の対応する位置(同じ位置)の画素の色に応じて係数Noutを決定する任意の方法を採用可能である。例えば、輝度値Yinの代わりに、彩度または色相に応じて係数Noutを決定してもよい。また、係数Noutの範囲は、0.9〜1.0に限らず、他の種々の範囲を採用可能である。
(4)上記のパターン処理(図2、図13)は、レーザプリンタに限らず、種々のプリンタに適用可能である。例えば、インクジェットプリンタに、上記のパターン処理を適用してもよい。この場合も、文字部分と背景部分との間で色材の量と色材の種類との少なくとも一方が異なれば、観察者が感じる質感が異なるので、観察者は、特定のパターン(例えば、基準パターン画像P1(図3(B))を認識可能である。
(5)上記各実施例において、画像処理装置100とプリンタ800との全体が、同じケースに収容された1つの装置として構成されてもよい。また、画像処理装置100が、複数のクライアント装置から対象画像データを受け付けるサーバであってもよい。また、ネットワークを介して互いに通信可能な複数のコンピュータが、印刷データを生成する処理(「印刷データ生成処理」と呼ぶ)に要する機能を一部ずつ分担して、全体として、印刷データ生成処理の機能を提供してもよい(このようなコンピュータシステムを使用する技術は、クラウドコンピューティングとも呼ばれる)。この場合、複数のコンピュータの全体が、画像処理装置に対応する。
(6)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1の検出部220の機能を、論理回路を有する専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。また、ソフトウェア(コンピュータプログラム)は、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリーカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含んでいる。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。