JP6497414B2 - ガラス表面処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板の表面を粗面化するように構成されたガラス表面処理装置に関する。
従来から、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの画像表示装置は、表示面での外光の反射や写り込みを防止するために、反射防止特性を有するフィルムが用いられてきた。このようなフィルムには、表面に凹凸が形成されており、反射光を拡散できるようになっている。近年では、光透過率の向上のため、フィルムを使用することなくガラス基板に直接加工する要望が増えてきている。ガラス基板に直接加工したものは、画像表示装置だけではなく、太陽光パネルなどにも用いられている。
ガラス基板を直接加工する方法は、物理的な力によって表面に凹凸をつける方法や、エッチングすることによって表面のヘイズを調節する方法などが挙げられる。従来技術の中には、サンドブラストによって表面を粗面化し、フッ酸等のエッチング液でエッチングすることによって、凹凸を形成するものが存在する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−82285号公報
しかしながら、特許文献1のようにサンドブラストによって処理する方法は、大型のガラス基板に対応することが難しいと考えられる。その理由は、大型のガラス基板を均一に加工するためには、ブラスト材を噴射するノズルをガラス基板上で順次スキャンさせつつガラス基板の全域に均一な処理が施されるように制御する必要があるからである。さらに、基板サイズが大きくなるにつれて、処理時間が長くなってしまうという不都合があった。
また、サンドブラスト装置は、連続処理するような装置と組み合わせて使用することが難しいと考えられる。その理由は、搬送ローラやベルトコンベア等の搬送機構の搬送ギア部にブラスト材等の粉塵が入り込むと搬送トラブルを起こしてしまう可能性が高くなるからである。さらに、粉塵が後工程に悪影響を与えないようにするための大掛かりな洗浄工程を設ける必要があることが考えられる。
本発明の目的は、連続生産が可能であり、簡易な方法でガラス基板の表面処理をすることが可能なガラス表面処理装置を提供することである。
本発明に係るガラス表面処理装置は、搬入部から排出部までの間において順次的に搬送される板状のガラスに対して表面処理を行うように構成されている。この表面処理装置は、第1の処理チャンバ、第1の洗浄チャンバ、第2の処理チャンバ、および第2の洗浄チャンバを少なくとも備える。
第1の処理チャンバは、搬送されるガラスに対して、フッ酸を含むエッチング液およびこのエッチング液に対して不溶性の粒状のケイフッ化物塩またはフッ化物塩の少なくとも一方を混合した処理用混合液を接触させることによって、ガラスの表面に凹凸を形成するように構成される。通常のエッチング液のみを用いたエッチング処理では、ガラス表面に十分に大きい凹凸を形成することが困難であるところ、エッチング液に対して不溶性の粒状のケイフッ化物塩を混合した処理用混合液を用いることにより、ガラス表面を覆うケイフッ化物塩がマスキング効果をもたらし、ガラス表面が不均一にエッチングされるようになる。そして、ガラス表面に十分に大きい凹凸が形成される。
第1の洗浄チャンバは、第1の処理チャンバを通過したガラスを洗浄するように構成される。この第1の洗浄チャンバにおける洗浄の目的は、ガラス表面を覆うケイフッ化物塩およびフッ化物塩を除去することである。
第2の処理チャンバは、第1の洗浄チャンバを通過したガラスに対してフッ酸を含むエッチング液を接触させることによって、ガラスにエッチング処理を行うように構成される。第1の処理チャンバにおいて凹凸が形成されたガラスをさらにエッチングすることにより、ガラス表面の凹凸形状を適宜所望の形状になるように調整したり、ガラスを薄型化したりすることが可能になる。
第2の洗浄チャンバは、第2の処理チャンバを通過したガラスを洗浄するように構成される。第2の処理チャンバにおいて、装置の外部に排出されるガラスに付着した薬液がすべて洗い流される。
この構成においては、第1の処理チャンバにおいて処理用混合液によってガラスの表面に凹凸が形成され、その後段に位置する第2の処理チャンバにおいて凹凸形状の調整やガラスの板厚調整等が引き続いて行われる。このため、単一の装置内において、ガラスの表面処理を効率的に行うことが可能になる。
上述の構成において、第2の処理チャンバにおいて発生したケイフッ化物塩またはフッ化物塩の少なくとも一方を回収して第1の処理チャンバに供給する手段をさらに備えることが好ましい。この構成を採用することにより、第2の処理チャンバのエッチング処理においては不要物であるケイフッ化物塩を第1の処理チャンバにて有効活用することが可能となる。特に、単一装置内の経路を通じてケイフッ化物塩の回収および搬送が可能となるため、省資源化、酸雰囲気隔離範囲の縮小化、省スペース化等が行い易い。
また、処理用混合液に対して、フッ化カリウムおよびフッ化ナトリウムを添加する添加手段をさらに備えることが好ましい。ケイフッ化ナトリウムおよびケイフッ化カリウムの存在下においてエッチングを行うことにより、粘性のあるモチ状でガラス表面に付着し易いケイフッ化物塩およびフッ化物塩がガラス表面を覆うことになり、凹凸形成処理中に付着物がガラス表面から離脱しにくくなることが出願人の実験により判明している。このため、第1の処理チャンバ内において凹凸形成加工がより好適に行われることになる。
さらには、第2の処理チャンバにおいて発生したエッチング処理廃液からフッ化ナトリウムを再生する手段をさらに備えることが好ましい。例えば、エッチング処理廃液に塩化ナトリウムを添加すると、ケイフッ化ナトリウムが得られるが、これに水酸化ナトリウムを添加することにより、フッ化ナトリウムを得ることができる。このような処理を行う構成を採用することにより、第2の処理チャンバにて発生する排液を有効活用することが可能になる。
この発明によれば、単一のガラス表面処理装置内において、連続生産が可能であり、簡易な方法でガラス基板の表面処理することが可能になる。
本発明の一実施形態に係るスプレイエッチング装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るエッチングチャンバの概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るエッチングチャンバの概略構成を示す図である。 スプレイエッチング装置の駆動ユニットの概略構成を示す図である。 スプレイエッチング装置のスプレイ配管ユニットの構成の一例を示す図である。 スプレイエッチング装置のスプレイ配管ユニットの構成の一例を示す図である。 ガラス基板に対する凹凸形成処理を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るスプレイエッチング装置の概略構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係るスプレイエッチング装置の概略構成を示す図である。
以下、図を用いて本発明の一実施形態に係るスプレイエッチング装置10を説明する。スプレイエッチング装置10は、搬入部から排出部までの間において順次的に搬送されるガラス基板に対して表面処理を行うように構成されており、本発明のガラス表面処理装置に対応している。
図1(A)および図1(B)は、スプレイエッチング装置10の概略構成を示している。スプレイエッチング装置10は、導入部12、前処理チャンバ14、前洗浄チャンバ16、フロスト加工チャンバ18、第1の洗浄チャンバ20、エッチングチャンバ22、第2の洗浄チャンバ24、および排出部26を備える。前処理チャンバ14、前洗浄チャンバ16、フロスト加工チャンバ18、第1の洗浄チャンバ20、エッチングチャンバ22、第2の洗浄チャンバ24にはそれぞれ、隔壁の一部にガラス基板100が通過可能なスリット状の開口部が形成されている。
スプレイエッチング装置10は、最上流位置の導入部12から最下流位置の排出部26にかけて配列された複数の搬送ローラ30を備えている。搬送ローラ30は、導入部12にセット(ローディング)されたガラス基板100を前処理チャンバ14、前洗浄チャンバ16、フロスト加工チャンバ18、第1の洗浄チャンバ20、エッチングチャンバ22、第2の洗浄チャンバ24を順次経由させつつ排出部26まで搬送するように構成される。
前処理チャンバ14は、希フッ酸、希塩酸、希水酸化カリウム、もしくは希水酸化ナトリウム等の酸性溶液またはアルカリ性溶液を用いて、フロスト加工処理前のガラス基板100に対して酸洗浄またはアルカリ洗浄等の前処理を行うように構成される。
前洗浄チャンバ16は、前処理チャンバ14においてガラス基板100に噴射された酸性溶液またはアルカリ性溶液を洗浄水によって洗い流すように構成される。前洗浄チャンバ16において、ガラス基板100は洗浄水を噴射された後、前洗浄チャンバ16から排出される前にエアナイフ等によって乾燥させられる。
フロスト加工チャンバ18では、搬送されるガラス基板100に対して、フッ酸を含むエッチング液およびこのエッチング液に対して不溶性の粒状のケイフッ化物塩もしくはフッ化物塩のうちの一方、またはこれらの両方を混合したフロスト加工処理液(本発明の処理用混合液に対応)を接触させることによって、ガラス基板100の表面に凹凸を形成するように構成されている。この実施形態においては、フロスト加工チャンバ18が本発明の第1の処理チャンバに対応している。
フロスト加工チャンバ18では、例えば、フッ酸およびフッ酸に溶けないフッ化物塩またはケイフッ化物塩を少なくとも含むフロスト加工処理液によってフロスト加工処理が行われる。この実施形態では、5〜10重量%のフッ酸およびフッ化物塩(フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等)を含むフロスト加工用の混合液が用いられているが、これに限定されるものではない。
第1の洗浄チャンバ20は、フロスト加工チャンバ18を通過したガラス基板100を洗浄するように構成される。第1の洗浄チャンバ20において、ガラス基板100に付着したフロスト加工用の混合液等が洗い流される。
エッチングチャンバ22は、本発明の第2の処理チャンバに対応している。このエッチングチャンバ22において、第1の洗浄チャンバ20を通過したガラス基板100に対してフッ酸を含むエッチング液を接触させることによって、ガラス基板100にエッチング処理が行われる。この実施形態では、1〜10重量%のフッ酸および1〜10重量%の塩酸をエッチング液が用いられているが、これに限定されるものではない。
第2の洗浄チャンバ24は、エッチングチャンバ22を通過したガラス基板を洗浄するように構成される。第2の洗浄チャンバ24においては、ガラス基板100に対して上下から洗浄水が噴きつけられることによってガラス基板100が水洗いされるが、洗浄の方式はこれに限定されるものではない。
排出部26には、スプレイエッチング装置10内で表面処理および洗浄処理が施されたガラス基板100が排出される。排出部26においてガラス基板100の取り出し(アンローディング)が行われる。
図1(B)に示すように、各チャンバには、ガラス基板100上の液体を除去するための乾燥手段(例:エアナイフ、脱水ローラ等)が設けられており、適宜、フロスト加工処理液、エッチング液、および洗浄水の除去が行われる。また、スプレイエッチング装置10には、スクラバ等を含む排気システム(図示省略)およびフィルタープレス等を含む排水系システム(図示省略)に接続されており、排気および排水が適切に行われている。
続いて、図2を用いてエッチングチャンバ22の構成を説明する。エッチングチャンバ22以外の処置チャンバ(前処理チャンバ14、前洗浄チャンバ16、フロスト加工チャンバ18、第1の洗浄チャンバ20、第2の洗浄チャンバ24)は、原則として、使用する処理液の違いを除くと、ほとんど同一の構成であるため、ここではエッチングチャンバ22について説明し、それ以外の処理チャンバの説明を省略する。
エッチングチャンバ22は、上側スプレイ配管ユニット222、下側スプレイ配管ユニット224、上側ホースユニット226、下側ホースユニット227(図3参照。)およびガイドシャフト58を少なくとも備える。
上側スプレイ配管ユニット222は、搬送ローラ30上を搬送されるガラス基板100の上方に所定の距離を設けて配置される。上側スプレイ配管ユニット222は、エッチング液を吐出する吐出ノズルを複数備えた配管を並列的に複数配置するように構成される。この実施形態では、並行に5本配置された各配管に6個の吐出ノズルが設けられる例を説明するが、配管や吐出ノズルの数はこれに限定されるものではない。
ここでは、上側スプレイ配管ユニット222のフレーム部材、吐出ノズル、および配管がポリ塩化ビニルを基体とする複合透明樹脂材料によって構成されているが、その詳細については後述する。下側スプレイ配管ユニット224は、搬送ローラ30上を搬送されるガラス基板100の下方に所定の距離を設けて配置される。下側スプレイ配管ユニット224の基本的構成は上側スプレイ配管ユニット222と同一であるため、説明を割愛する。
上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224はそれぞれ底部の4箇所(この実施形態では、4つの角部)に、脚部となるベース部材230を備えている。このベース部材230は、エッチングチャンバ22内の所定位置に設けられた8つのガイド部材232にスライド可能な状態で支持されている。ベース部材230は、その底部がテーパ加工されており、ガイド部材232は、ベース部材230の底部にフィットする形状の溝部を有している。ベース部材230がガイド部材232の溝部に沿って往復直線移動することにより、上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224がガラス基板100の搬送方向に直交する幅方向において往復直線移動をすることになる。
ベース部材230およびガイド部材232は常時互いに擦れ合うため、耐酸性を備え、かつ、摺動特性や耐摩耗性が高い素材を用いることが好ましい。この実施形態では、ベース部材230にポリテトラフルオロエチレン、ガイド部材232に超高分子量ポリエチレン樹脂(U−PE)を採用しているが、素材についてはこれらに限定されるものではない。例えば、フレーム部材、吐出ノズル、および配管に採用されている複合透明樹脂材料を用いることも可能である。
上側ホースユニット226は、可撓性を備えた耐酸性ホースの束で構成されており、上側スプレイ配管ユニット222と送液ユニット40とを接続するように構成される。下側ホースユニット227は、可撓性を備えた耐酸性ホースの束で構成されており、下側スプレイ配管ユニット224と送液ユニット40とを接続するように構成される(図5参照。)。ガイドシャフト58は、駆動ユニット50からの駆動力を上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224に伝達するように構成される。
図3に示すように、駆動ユニット50は、上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224に対してガイドシャフト56を介して駆動力を伝達するように構成される。ガイドシャフト58は、エッチングチャンバ22の側壁を貫通することになるため、水密性および気密性を保つためシール軸受58等のシール機構が用いられる。シール軸受58は、ガイドシャフト56をスライド自在に支持するように構成される。ガイドシャフト56の一端は上側スプレイ配管ユニット222または下側スプレイ配管ユニット224に接続されている。ガイドシャフト56の他端は、LMガイド(Linear Motion Guide)64にスライド自在に支持された可動フレーム60に接続されている。
駆動ユニット50は、駆動源としてのモータやその駆動回路等を有するモータユニット52を備えている。モータユニット52には回転シャフト54が接続される。回転シャフト54の両端部には回転円板70が取り付けられている。
図4(A)に示すように、回転円板70には、カムフォロア72が取り付けられている。一方で、可動フレーム60には、カムフォロア72がフィットするサイズの溝が形成されたガイド部材62が取り付けられている。図4(A)においては、説明の便宜上、回転円板70のカムフォロア72と可動フレームのガイド部材62とが分離した状態を示しているが、実際の使用時においてはカムフォロア72がガイド部材62にスライド自在な状態で嵌っている。
モータユニット52の駆動力により回転シャフト54が回転すると、回転円板70の回転力が可動フレーム60を往復移動させるための駆動力として可動フレーム60に伝達する。可動フレーム60に伝達した駆動力は、ガイドシャフト56を介して上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224に伝達する。
上述した駆動ユニット50の構成は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、図4(B)に示すように、回転円板70に代えて、所望の長径と短径との差を有するカム板74を用いることの可能である。この場合は、可動フレーム60に所定の方向に常に力を加え(弾性部材や磁性部材等による付勢力)、この力に抗してカム板74が可動フレーム60を押圧するような構成を採用すると良い。その他にも適宜最適なカム機構を選択することも可能である。
上側ホースユニット226は、送液ユニット40からのエッチング液を上側スプレイ配管ユニット222に供給するように構成される。下側ホースユニット227は、送液ユニット40からのエッチング液を下側スプレイ配管ユニット224に供給するように構成される。上側ホースユニット226および下側ホースユニット227は、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の耐酸性部材からなる。上側ホースユニット226および下側ホースユニット227として、上記複合透明樹脂材料を用いることも可能であり、またこれ以外の耐酸可撓性素材を用いても良い。上側ホースユニット226および下側ホースユニット227は、上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224のスライド動作によって送液ユニット40と上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224との距離が変化した場合であっても、この変化を吸収できるように十分な撓みを有するように必要量よりも十分長めに設計されている(図5および図6を参照。)。
この実施形態では、上側ホースユニット226は送液ユニット40の下部と上側スプレイ配管ユニット222を接続する一方で、下側ホースユニット227は送液ユニット40の上部と下側スプレイ配管ユニット224を接続するように構成している。その理由は、上側ホースユニット226と下側ホースユニット227との長さを長くすることができ、上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224が往復スライド移動する場合に、上側ホースユニット226と下側ホースユニット227が撓みやすくなるからである。
この結果、比較的硬めのフッ素系樹脂を用いる場合であっても上側ホースユニット226および下側ホースユニット227が本来の機能を発揮し易くなる。また、上側ホースユニット226と下側ホースユニット227との長さ(特に、上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224の外側に位置する部分の長さ)を長くすることが可能になる。そして、上側ホースユニット226と下側ホースユニット227がエッチング液のスプレイ領域に垂れ下がることを確実に防止できるようになる。
上述のスプレイエッチング装置10において、オペレータまたはロボット等によってガラス基板100が導入部12にローディングされる。ガラス基板100は、適度な間隔を設けて順次的に導入部12にローディングされる。ガラス基板100は、導入部12からスリット状の開口部を通過して前処理チャンバ14に導入され、ここで全面が洗浄水によって洗浄される。続いて、ガラス基板100は、前処理チャンバ14からスリット状の開口部を通過して前洗浄チャンバ16、そしてフロスト加工チャンバ18へと導入される。
フッ酸および塩酸等からなる通常のエッチング処理では、ガラス基板100の表面に反射防止機能や防眩機能等が発揮される程度の大きさの凹凸を加工することが困難である。このため、フロスト加工チャンバ18においては、ガラス基板100の表面にケイフッ化物塩を付着させてマスキング機能を発揮させつつ、ガラス基板100の表面が不均一にエッチング処理することによって、十分な大きさを有する凹凸を形成するようにしている。
フロスト加工チャンバ18において用いるフロスト加工用の混合液は、フッ酸とケイフッ化物塩またはフッ化物塩の少なくとも一方とを含むものである。必要に応じて、フッ化物塩(フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム等)も添加することが好ましい。このとき、フロスト加工用の混合液として、フッ酸とフッ化物塩水溶液とを混合して調製しても良い。
フロスト加工チャンバ18における処理は、ケイフッ化ナトリウムおよびケイフッ化カリウムの存在下で行うことが好ましい。ケイフッ化ナトリウムおよびケイフッ化カリウムは、粘性のあるモチ状を呈しているため、ガラス基板100表面に付着し易く、かつ、フロスト加工中に発生するスラッジ群の核になり易い。ここで、図7(A)〜図7(D)を用いて、ガラス基板100に対する凹凸形成処理を説明する図である。図7(A)に示すように、フロスト加工チャンバ18内においてガラス基板100の表面には、これを覆うように無数の析出物(フッ化物塩およびケイフッ化物塩等のスラッジを含む)が付着する。
無数の析出物の中には、図7(B)に示すように、ナトリウムのフッ化物塩またはケイフッ化物塩102(図中では模式的にハッチングを施した菱型にて示す。)および、それ以外の付着物104(図中では模式的に六角形にて示す。)が含まれる。ナトリウムのフッ化物塩またはケイフッ化物塩102は、ガラス基板100に付着し易く、かつ、他の付着物104にも付着し易いため、付着物どうしを引っ付ける役割や付着物とガラス基板100とを引っ付ける役割を果たす。このため、ケイフッ化ナトリウムおよびケイフッ化カリウム等のナトリウムのフッ化物塩またはケイフッ化物塩102を存在させる方が、フロスト加工チャンバ18内における凹凸加工処理の出来映えが良くなる。
ガラス基板100の表面においてナトリウムのフッ化物塩またはケイフッ化物塩102および付着物104が付着している領域は、これらがマスキング機能を発揮するため、図7(B)に示すようにエッチング処理が進行しない。このため、ガラス基板100の表面に不規則な凹凸形状が形成される。
フロスト加工チャンバ18においてガラス基板100の表面に付着したフッ化物塩、ケイフッ化物塩、その他の析出物は、図7(C)に示すように、第1の洗浄チャンバ20において洗浄水によって洗い流されて除去される。通常は、洗浄水のスプレイ圧を適宜調整することにより、付着物の除去が可能であるが、水だけでは十分な洗浄ができない場合には、塩酸、硝酸、硫酸等を用いて酸洗浄行うようにすることも可能である。
第1の洗浄チャンバ20の後段のエッチングチャンバ22においては、上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224からガラス基板100の上面および下面にそれぞれエッチング液がスプレイされる。このエッチング処理時において、図6(A)および図6(B)に示すように、上側スプレイ配管ユニット222および下側スプレイ配管ユニット224は幅方向に往復移動を繰り返すため、エッチング液のスプレイ角度が随時変化することになる。この結果、ガラス基板100の上面においてスプレイされたエッチング液の滞留が発生しにくくなる。
ガラス基板100は、エッチングチャンバ22において、図7(D)に示すように、薄型化および凹凸形状の調整が施される。その後、エアナイフ等によって液切りがされた上で第2の洗浄チャンバ24に導入される。ガラス基板100は、第2の洗浄チャンバ24において洗浄水によって洗浄される。その後エアナイフ等によって脱水処理がされてから排出部26に排出される。排出部26に排出されたガラス基板100は、オペレータまたはロボットによって回収されて後段の工程に移行される。
上述のような手順で、スプレイエッチング装置10においては、ガラス基板100に対するフロスト加工およびエッチング処理が一気通貫的な搬送経路上において実行される。このため、ガラス基板100に対する表面処理(AG(防眩)処理、AR(反射防止)処理、装飾加工処理、薄型化処理等)の作業効率が向上する。特に、連続して搬送されるガラス基板100に対して枚葉方式によって処理することが可能であるため、大量のガラス基板100の処理に対応し易い。
スプレイエッチング装置10においては、処理カセットに収納した複数のガラス基板を処理液槽に浸漬させるバッチ式処理に比較して、より大きいサイズのガラス基板(例えば、G4.5サイズ以上)に対応し易く、かつ、HAZE、Gloss等の特性の面内均一性を向上させ易い。特に、フロスト加工をフロスト加工液に浸漬する場合、ガラス基板の上下で処理量のバラツキが発生し易いが、枚葉式のスプレイエッチング装置10においてはそのような不都合が発生しにくい。
上述のスプレイエッチング装置10に対して、エッチングチャンバ22において発生したエッチング液に対して不溶性の粒状のフッ化物塩またはケイフッ化物塩の少なくともいずれか一方を回収してフロスト加工チャンバ18に供給する手段をさらに備えることが好ましい。
これについて、図8を用いて説明する。スプレイエッチング装置10は、各チャンバに供給すべき薬液を収納するための前処理液収納部142、洗浄水収納部162,202,242、フロスト処理液収納部182、エッチング処理液収納部223を備えている。また、スプレイエッチング装置10は、洗浄水排出部400、フロスト処理液排出部184、およびエッチング処理液排出部225等のように各チャンバで使用した液が排出される構成を備えている。
エッチングチャンバ22においては、フッ化物塩およびケイフッ化物塩が析出して沈殿するため、これを液体から分離して回収するための析出物回収部204を設け、析出物回収部204にて回収したフッ化物塩もしくはケイフッ化物塩のうちの一方、またはこれらの両方をフロスト処理液収納部182に供給する構成を採り入れると良い。析出物回収部204に含まれる構成としては、フィルタープレス等の固液分離手段が挙げられるがこれに限定されるものではない。
フロスト加工処理液に対して、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムを添加する添加手段をさらに備えることが好ましい。図9に示すように、スプレイエッチング装置10に、例えば、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムを収納するフッ化物塩収納部186を少なくとも1つ設けると良い。そうすれば、フッ化物塩収納部186からフロスト処理液収納部182を経由してフロスト加工チャンバ18にフッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムを供給することが可能になる。このような構成を採用すれば、フロスト加工チャンバ18内の析出物を固まり状にしたり、ガラス基板100の表面に付着させたりし易くなり、ガラス基板100に対する凹凸加工が好適に行い易くなる。
さらには、第2の処理チャンバにおいて発生したエッチング処理廃液からフッ化ナトリウムを再生する手段をさらに備えることが好ましい。例えば、第2の処理液排出部225内のエッチング処理廃液に塩化ナトリウムを添加して、ケイフッ化ナトリウムを回収する析出部回収部206を設けると良い。析出部回収部206に回収したケイフッ化ナトリウムに対して、水酸化ナトリウムを添加することにより、フッ化ナトリウムを得ることができる。得られた再生フッ化ナトリウムをフロスト処理液収納部182に供給することにより、エッチングチャンバ22にて発生する排液を有効活用することが可能になる。
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10−スプレイエッチング装置
12−導入部
14−前処理チャンバ
16−前洗浄チャンバ
18−フロスト加工チャンバ
20−第1の洗浄チャンバ
22−エッチングチャンバ
24−第2の洗浄チャンバ
26−排出部
30−搬送ローラ
40−送液ユニット
50−駆動ユニット

Claims (3)

  1. 搬入部から排出部までの間において順次的に搬送される板状のガラスに対して表面処理を行うように構成されたガラス表面処理装置であって、
    搬送される前記ガラスに対して、フッ酸を含むエッチング液およびこのエッチング液に対して不溶性の粒状のケイフッ化物塩またはフッ化物塩の少なくともいずれか一方を混合した処理用混合液を接触させることによって、前記ガラスの表面に凹凸を形成するように構成された第1の処理チャンバと、
    前記第1の処理チャンバを通過した前記ガラスを洗浄するように構成された第1の洗浄チャンバと、
    前記第1の洗浄チャンバを通過した前記ガラスに対してフッ酸を含むエッチング液を接触させることによって、前記ガラスにエッチング処理を行うように構成された第2の処理チャンバと、
    前記第2の処理チャンバを通過した前記ガラスを洗浄するように構成された第2の洗浄チャンバと、
    を少なくとも備え
    前記第2の処理チャンバにおいて発生したフッ化物塩またはケイフッ化物塩の少なくとも一方を回収して前記第1の処理チャンバに供給する手段をさらに備えたことを特徴とするガラス表面処理装置。
  2. 前記処理用混合液に対して、フッ化カリウムおよびフッ化ナトリウムを添加する添加手段をさらに備えた請求項に記載のガラス表面処理装置。
  3. 前記第2の処理チャンバにおいて発生したエッチング処理廃液から前記フッ化ナトリウムを再生する手段をさらに備えた請求項に記載のガラス表面処理装置。
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