JP6496531B2 - 固体高分子形燃料電池用触媒 - Google Patents

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Description

この発明は、固体高分子形燃料電池を製造する上で有用な固体高分子形燃料電池用触媒に係り、特に固体高分子形燃料電池の触媒層として用いることにより、大電流を流しても、特にフラッディングし易いウエットな環境で大電流を流しても電圧低下が少ない燃料電池を形成することができる固体高分子形燃料電池用触媒に関する。
固体高分子形燃料電池は、一般に、プロトン伝導性電解質膜を挟んでアノードとなる触媒層とカソードとなる触媒層とが配置され、また、これらを挟んでその外側にガス拡散層が配置され、更にその外側にセパレータが配置された構造を基本構造としており、この基本構造は単位セルと称されている。そして、燃料電池は、通常は、必要な出力を発現させるために必要な数の単位セルをスタックすることにより構成されている。また、アノードやカソードとなる触媒層は、通常、担体炭素材料に触媒金属成分を担持させて得られた触媒と、アイオノマー等の電解質樹脂とをエタノールや水等の適当な分散媒中に分散させ、得られた触媒層インク液をテフロン(登録商標)シート等の基材上に塗布し、乾燥させることにより形成されている。
そして、このような基本構造の固体高分子形燃料電池(単位セル)から電流を取り出す際には、アノード側とカソード側にそれぞれ配されたセパレータのガス流路から、カソード側には酸素あるいは空気等の酸化性ガスを、また、アノード側には水素等の還元性ガスをそれぞれ供給し、これら供給された酸化性ガス及び還元性ガスを、それぞれガス拡散層を介して、触媒層まで供給し、アノードの触媒層で起こる化学反応とカソードの触媒層で起こる化学反応との間のエネルギー差(電位差)を利用して、電流を取り出すことが行われている。例えば、水素ガスと酸素ガスを利用する場合、アノードの触媒層の触媒金属上で起こる化学反応〔酸化反応:H→2H+2e(E0=0V)〕と、カソードの触媒層の触媒金属上で起こる化学反応〔還元反応:O+4H+4e→2HO(E0=1.23V)〕とのエネルギー差(電位差)を利用して発電する。
ここで、触媒作用を有する触媒金属成分については、これまでに種々の検討がなされてきたが、固体高分子形燃料電池のように強酸性環境下での作動が求められ、酸化反応及び還元反応共に、純金属としてはPtが最も高い反応活性を有する。現在、実用化されているエネファーム(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)や実用が近い燃料電池自動車の触媒に使用されている触媒金属としても、専ら、Pt若しくはPtを主成分とした合金が用いられている。
また、このような触媒金属成分を担持する担体炭素材料については、電子伝導性、化学的安定性、電気化学的安定性等の観点から炭素材料が用いられ、また、触媒層中を反応ガスが抵抗なく拡散するように、触媒層を形成した際に、反応ガスが流れるための細孔を有する必要があり、いわゆる「樹枝状構造」と呼ばれる「立体的に枝が発達した構造」を持つ炭素材料が用いられている。このような担体炭素材料として現時点で最も普及しているのがカーボンブラックであり、このカーボンブラックは、数10nmの粒子が樹枝状に連なった構造〔アグリゲート(aggregate)構造〕を持ち、触媒層を形成した際に枝間の空隙がガス拡散の細孔となり、優れたガス拡散特性を示す。このようなカーボンブラックとしては、代表的には、CABOT社製の商品名:バルカンXC-72、ライオン社製の商品名:EC600JD、及びライオン社製の商品名:EC300等が挙げられる。
ところで、固体高分子形燃料電池では、上記の発電原理の通り、酸化反応及び還元反応を進行させて発電させるために、プロトン伝導、電子伝導、反応ガス(アノード:水素、カソード:酸素)の流通・拡散が必須である。具体的には、セパレータのガス流路からカソード側あるいはアノード側の触媒層内部の触媒金属成分まで酸素ガスあるいは水素ガスが移動するためのガス拡散経路や、アノード側の触媒金属成分上で発生したプロトン(H+)がプロトン伝導性電解質膜を経由してカソード側の触媒金属成分まで移動するためのプロトン伝導経路、更にはアノード側の触媒金属成分上で発生した電子(e-)がガス拡散層、セパレータ、外部回路を通じてカソード側の触媒金属成分まで移動するための電子伝達経路がそれぞれ分断されることなく連続して連なっていることが必要である。
そして、このような触媒層の内部では、一般に、構成材料の間隙に形成された酸素ガスあるいは水素ガスの拡散経路となる細孔、プロトン伝導経路となる電解質材料、及び、電子伝導経路となる炭素材料やセパレータ用金属材料等の導電性材料が、それぞれの連続したネットワークを形成していることが重要である。また、プロトン伝導性電解質膜や触媒層中のプロトン伝導経路となる電解質樹脂としては、高分子電解質材料としてパーフルオロスルホン酸ポリマーに代表されるイオン交換樹脂が用いられている。これら一般に用いられる高分子電解質材料は、水分子を介したプロトンのホッピングが伝導形態であるため、湿潤環境下で初めて高いプロトン伝導性を発現し、乾燥環境下ではプロトン伝導性が低下する。従って、出力電圧のロスをできるだけ低減した状態で燃料電池を作動させるためには、高分子電解質材料が十分に湿潤状態であることが必要であり、このためにカソード、アノードの両極には反応ガスと共に水蒸気を供給し、加湿条件にすることが行われている。
しかしながら、カソード側の触媒層においては、アノード側からプロトンに付随して移動してくる水分子に加えて、カソード側の還元反応により生成する水分子が水蒸気となって加わり、ついには飽和蒸気圧を超えて水に凝縮する。そして、この還元反応により生成した生成水は、例えば高加湿時(飽和加湿条件)の運転条件で1.5A/cm2の電流密度を超える大電流の放電時には、その量が多くなり、ガス拡散と生成水の排水経路を兼ねる触媒層の細孔内に溜まって目詰まりを引き起こし、触媒層内へのガスの供給、拡散が不十分になって燃料電池の電圧が低下する、いわゆるフラッディング(flooding)の問題を引き起こす。そして、このフラッディングの問題は、燃料電池自動車向け等、大電流放電時の出力電圧を高くして最大出力(電流×電圧の最大値)を高め、これによって出力当りの白金使用量を低減しコストダウンを図ることが求められる多くの用途において、固体高分子形燃料電池の実用化における大きな課題となっている。なお、本発明における大電流とは、電極の単位面積当たり1.5A/cm2以上の電流密度の発電を指す。触媒である白金の使用量に拘わらず現時点の技術では、1.5A/cm2で0.6V以上の出力電圧を発揮させるには、酸素ガスの拡散抵抗を減少させ、且つ、発生する水によるフラッディングを抑制することが必須である。
そこで、このようなフラッディングの問題を解決するために、従来においても様々な方法、例えば、PTFE粉末、PTFEコロイド、PTFEで撥水処理した炭素粉末、シランカップリング剤で撥水処理した炭素材等の撥水化剤を触媒層内に含有させ、触媒層の撥水性を高めることにより生成水を速やかに系外に排出する方法(特許文献1〜4)、触媒層中の触媒をフルオロカーボンスルホン酸型イオン交換樹脂で被覆すると共に、アノード側のイオン交換樹脂のイオン交換容量をカソード側のイオン交換樹脂のイオン交換容量より大きくする方法(特許文献5)、触媒層中にパーフルオロスルホン酸系イオン交換樹脂を含有させると共に、アノード側のイオン交換樹脂のスルホン酸当量(EW)をカソード側のイオン交換樹脂のスルホン酸当量(EW)より小さくし、カソード側で生成した生成水をアノード側に逆拡散させる方法(特許文献6)等が提案されている。
しかしながら、触媒層内に撥水化剤を含有させる方法においては、撥水化剤の使用量が増加するにつれて触媒層の電気抵抗が増すと共に、触媒層の厚さが増してガス透過性が低下し、かえって電池性能の低下を招くという問題があり、また、触媒層中の触媒をイオン交換樹脂で被覆する方法においては、被覆する樹脂の被覆厚みを制御することが難しく、厚くし過ぎると樹脂で被覆された触媒上への酸素の拡散が悪くなるために電流密度を大きくすることができなくなる。また、イオン交換樹脂は水分を保持する性質が高いため、樹脂による触媒の被覆は触媒上で発生した水が外部へ排出され難くなるため、フラッディングをもたらすことになり大電流を取出すことが難しくなるという問題があり、更に、触媒層内にイオン交換樹脂を含有させる方法においても、同様の理由でフラッディングをもたらすため大電流を取出すことが難しくなるという問題がある。
また、特許文献7においては、保湿性炭素材料とカーボンブラックとが所定の比率で混合され、保湿性炭素材料については特定の水蒸気吸着量(V0.95)の値が1250cm3/g≦V0.95≦2500cm3/gであって、V0.95の半分の水蒸気吸着量を示す相対水蒸気圧(P1/2)がP1/2≦0.55であり、また、カーボンブラックについてはDBP吸油量(ODBP)がODBP≧100mL/100gであって、V0.95≧100cm3/gであり、相対湿度50%以下の低加湿環境下でも飽和加湿状態と同等の性能を発現する固体高分子燃料電池用の触媒層用担体炭素材料が提案されている。しかしながら、この特許文献7で提案されている燃料電池においては、保湿性炭素材料もカーボンブラックも共に親水性であり、大電流で発生する生成水の排出性が必ずしも十分ではなく、特に高加湿運転時にフラッディングにより大電流放電時に出力低下が発生するという課題がある。
更に、特許文献8においては、少なくともカソード側の触媒層における炭素材料を、触媒成分を担持した触媒担持炭素材料と触媒成分を担持していないガス拡散炭素材料とで構成し、触媒担持炭素材料の水蒸気吸着量を制御することにより触媒層中の物質移動性(ガス拡散、電子伝導、プロトン伝導、湿潤管理)に優れ、低コスト化と出力特性向上とを両立させることが提案されており、また、特許文献9においては、少なくともカソード側の触媒層の炭素材料を、触媒金属成分を担持した触媒金属担体炭素材料と触媒金属成分を担持していないガス拡散炭素材料とで構成し、触媒金属担体炭素材料及び電解質材料を主成分とする触媒凝集相とガス拡散炭素材料を主成分とするガス拡散炭素材料凝集相とが混在した構造にすると共に、触媒金属担体炭素材料とガス拡散炭素材料の水蒸気吸着量を制御し、また、電解質材料として所定のパーフルオロスルホン酸系プロトン伝導性電解質樹脂を用いることにより、低加湿時及び高加湿時の運転環境下において共に十分な発電特性を発揮させることが提案されている。しかしながら、これら特許文献8及び9において提案されている燃料電池においては、高々1000mA/cm2という電流密度でのフラッディング抑制を想定した発電特性の最適化を目的としている。他方、近年の自動車用途では、従来の触媒層ではフラッディングするような2000mA/cm2を超える電流密度で高出力が求められ、より高いフラッディング特性が必須である。特許文献8及び9において提案される触媒層は、2000mA/cm2を超える電流密度でフラッディングによる出力低下という問題を持つ。本発明は正にこのような大きな電流密度でのフラッディング抑制を狙ったものである。
このように、固体高分子形燃料電池を大電流放電時に安定して作動させるためには、カソード側やアノード側の触媒層の内部を十分に加湿しつつ、同時に、特にカソード側の触媒層内において凝縮し生成する生成水を速やかに外部に排出するという、互いに相反する要求を満たす必要があり、これまでに提案された方法では、大電流放電時に確実にフラッディングを防止し、燃料電池を安定して作動させることは困難なことであり、燃料電池自動車向け等の大電流放電時の電池特性を高めてコストダウンを図ることが求められる多くの用途においては、その実用化の上で大きな課題になっていた。
特開平05-036,418号公報 特開平04-264,367号公報 特開平07-183,035号公報 特開2000-243,404号公報 特開平09-213,350号公報 特開2011-029,070号公報 特開2013-020,793号公報 特開2005-332,807号公報 特開2013-225,433号公報
そこで、本発明者らは、通常ではフラッディングし易いようなウエットな環境で大電流を流しても電圧低下が少なく、優れた電池性能を維持できる固体高分子形燃料電池の開発を目指し、以下に示す観点の下に、触媒層を形成するための新たな触媒について鋭意検討を重ねた。
すなわち、アノードやカソードとなる触媒層が触媒金属成分を担持した触媒金属担持炭素材料とプロトン伝導性樹脂とで形成されており、このうちの触媒金属担持炭素材料を形成する担体炭素材料の占める割合が重量比率でもまた体積比率でも大きいことに着目し、また、触媒金属成分を担持する担体炭素材料については基本的に親水性であることが求められる半面、特に大電流放電時にカソード側の触媒層で生成した水蒸気がこの触媒層内で凝縮する前にこの水蒸気を触媒層内から速やかに排出させるためには、触媒層について、その細孔の体積比率(空隙率)を高くすると同時に高い撥水性を持たせることが必要であることに着目し、触媒金属成分を担持する担体炭素材料についてはプロトン伝導性を確保するために親水性を確保できる炭素材料を用い、また、形成される触媒層において触媒金属成分を担持した担体炭素材料(触媒金属担持炭素材料)の近くに高い空隙性と撥水性とを兼ね備えた触媒金属成分を担持していない炭素材料(触媒金属非担持炭素材料)を配し、これによって、触媒金属担持炭素材料で生成した水蒸気が触媒金属非担持炭素材料を介して速やかに排出される触媒層を形成することができる新たな触媒を開発することについて鋭意検討を重ねた。
本発明者らは、この新たな触媒の開発過程で、以下のような開発指針を得た。
すなわち、触媒層内で酸化反応及び還元反応を担う触媒金属担持炭素材料の担体炭素材料については、触媒金属成分をその表面だけでなくその細孔の内部にまで担持させるために、直径4nm以上10nm未満のメソ孔が多く存在することが必要であり、その評価として細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm)を採用することが好適であり、また、触媒層内で生成した水蒸気の排出を担う触媒金属非担持炭素材料については、その高い空隙性と撥水性とを達成する上で炭素材料における枝構造と結晶性とが重要であり、これらを評価する上でBET比表面積(SBET)、DBP吸油量(ODBP)、及びX線回折において002面回折線が最も強く現れる結晶子サイズ(Lc:積層方向の平均サイズ)の各物性を採用することが好適であることを見い出した。
また、本発明者らは、上記の触媒金属非担持炭素材料について検討する中で、この触媒金属非担持炭素材料については、触媒層において大電流放電時に電気抵抗による電圧低下を防止するために、導電助剤としての機能も要求されることを突き止め、また、この導電助剤としての特性については、添加した炭素材料の固有の電気抵抗にはあまり関係なく、混合した際の接触抵抗が支配的であり、この接触抵抗を決めるのは炭素材料の形態であることを突き止め、触媒金属非担持炭素材料の粒子の大きさを触媒金属担持炭素材料の担体炭素材料の粒子の大きさと同程度に揃えることが重要であることを見出した。
なお、触媒層におけるガス拡散の観点からは、担体炭素材料により形成される細孔の大きさは、酸素の平均自由行程(約70nm)と同程度以上であることが望ましい。他方、数nmの触媒金属微粒子を担持させるには、担持炭素材料の粒子径は少なくとも10nm以上が実際上必須である。触媒層に形成される細孔は、担体炭素材料の粒子径(一次粒子)、及び、一次粒子が凝集した凝集構造(二次粒子)の空隙、更に、二次粒子間の空隙により形成されるが、二次粒子内の空隙は、一次粒子数個が凝集して形成される枝に基づくものである。また、二次粒子間の空隙の大きさは、前述の枝の長さ程度と見なすことができる、即ち、触媒層中に形成される細孔の大きさは、一次粒子の大きさと同程度か、高々数倍の大きさと、見積もることが妥当である。これらの要請から、触媒金属担体、触媒金属非担持担体共に、10nm以上の粒子径(一次粒子径)が望ましい。一次粒子の上限に関しては100nm以下である。100nmよりも大きな一次粒子では、発電に必要な触媒金属微粒子を担持すべき表面積を確保することが難しくなる。
本発明者らは、以上のような観点の下に鋭意検討した結果、触媒金属担持炭素材料の担体炭素材料については、窒素吸着測定により測定された細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm)が100m2/g以上であること、また、触媒金属非担持炭素材料については、BET比表面積(SBET)が80m2/g以上220m2/g以下であり、DBP吸油量(2)が80mL/100g以上170mL/100g以下であり、また、X線回折による結晶子サイズ(Lc)が5nm以上10nm以下の樹状黒鉛質炭素材料であることが必要であることを突き止め、本発明の固体高分子形燃料電池用触媒を完成した。
従って、本発明の目的は、たとえフラッディングし易いウエットな環境で大電流を流してもこの大電流放電時に確実にフラッディングを防止することができ、これによって燃料電池を安定して作動させることができるだけでなく、高価な白金等の触媒金属成分の使用量を低減してコストダウンが可能な固体高分子形燃料電池を製造する上で有用な固体高分子形燃料電池用の触媒を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下のような構成を有するものである。
(1) 多孔質炭素材料からなる担体炭素材料に触媒金属成分を担持させた触媒金属担持炭素材料と、触媒金属成分を担持していない樹状黒鉛質炭素材料からなる触媒金属非担持炭素材料とを混合して得られた触媒であり、前記触媒金属担持炭素材料の担体炭素材料は、窒素吸着測定により測定された細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm)が100m2/g以上であり、また、前記触媒金属非担持炭素材料である樹状黒鉛質炭素材料は、BET比表面積(SBET)が80m2/g以上220m2/g以下であり、DBP吸油量(ODBP)が80mL/100g以上170mL/100g以下であり、また、X線回折による結晶子サイズ(Lc)が5nm以上10nm以下であることを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒。
(2) 前記触媒金属担持炭素材料の担体炭素材料の平均粒子径が10nm以上1100nm以下であり、また、前記触媒金属非担持炭素材料の平均粒子径が、前記担体炭素材料の平均粒子径の±50nmの範囲内、且つ、10nm以上50nm以下であることを特徴とする前記(1)に記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
(3) 前記触媒金属担持炭素材料と前記触媒金属非担持炭素材料との混合割合は、触媒金属担持炭素材料が60質量%以上99質量%以下であって、触媒金属非担持炭素材料が1質量%以上40質量%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
(4) 前記触媒金属非担持炭素材料である樹状構造黒鉛質炭素材料は、BET比表面積(SBET)が90m2/g以上200m2/g以下であり、また、DBP吸油量(ODBP)が100mL/100g以上150mL/100g以下であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
(5) 前記触媒金属非担持炭素材料である樹状構造黒鉛質炭素材料は、X線回折による結晶子サイズ(Lc)が6nm以上10nm以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
本発明において、前記触媒金属担持炭素材料を形成するための担体炭素材料は、窒素吸着測定により測定された細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm)が100m2/g以上、好ましくは150m2/g以上の多孔質炭素材料である必要があり、このメソ孔比表面積(S4-10nm)が100m2/g未満であると、以下に示す触媒金属成分を所望の担持量、特に40質量%以上で均一に担持させることが難しくなる。
ここで、「メソ孔」とは、IUPACに従えば2nmから50nmの直径の細孔であるが、本発明においては、細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔が重要である。これは、大電流放電時の燃料電池運転条件において、細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔内に担持されている触媒金属上で効率良く還元反応が起きると考えられるからである。このメソ孔の計測には、いわゆる窒素ガスの吸着等温線測定を採用し、また、その解析には、吸着過程の窒素吸着等温線をDollimore-Heal法を採用した。
このような担体炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、活性炭等やこれらの粉砕物、カーボンナノファイバー等の炭素化合物等の多孔質炭素材料を使用することができ、その1種のみを単独で用いてもよいほか、2種以上を混合して用いてもよい。ここで、カーボンブラックの市販品としては、例えば、キャボット社製のバルカンXC-72、バルカンP、ブラックパールズ880、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ1300、ブラックパールズ2000、リーガル400等のファーネスブラックや、ライオン社製のケッチェンブラックEC、EC600JDや、三菱化学社製の#3150、#3250等のオイルファーネスブラックや、電気化学工業社製のデンカブラック等のアセチレンブラックや、Degussa製のPrintex XE2、Printex XE2-B等を挙げることができ、更に、これらを賦活処理することにより細孔を導入したものを用いることができる。活性炭としては、例えばクラレケミカル社製のYP、RP等を挙げることができ、更に活性炭素繊維等も挙げられる。
ここで、前記触媒金属担持炭素材料を形成するために前記担体炭素材料に担持させる触媒金属成分については、強酸性環境下において上述した酸化反応や還元反応に対して優れた触媒活性を有するものであればよく、例えば、白金、パラジウム、ルテニウム、金、ロジウム、オスミウム、イリジウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、又は、これら金属の2種類以上が複合化した複合体や合金等が挙げられ、更には他の触媒金属や助触媒金属等が併用されてもよいが、好ましくは、純金属としてはPtが最も高い反応活性を有するので、Pt若しくはPtを主成分とした合金が用いられる。そして、前記触媒金属担持炭素材料におけるこの触媒金属成分の担持量については、通常10質量%以上であるのがよく、好ましくは20質量%以上80質量%であり、より好ましくは40質量%以上80質量%であり、この触媒金属成分の担持量が10質量%より低いと触媒層が厚くなり、触媒層中のガス拡散が律速となって大電流特性が低下するという問題が生じる。
また、触媒金属成分を担持していない前記触媒金属非担持炭素材料については、BET比表面積(SBET)が80m2/g以上220m2/g以下、好ましくは90m2/g以上200m2/g以下であり、DBP吸油量(ODBP)が80mL/100g以上170mL/100g以下、好ましくは100mL/100g以上150mL/100g以下であり、また、X線回折による結晶子サイズ(Lc)が5nm以上10nm以下、好ましくは6nm以上10nm以下である樹状黒鉛質炭素材料である必要がある。
ここで、BET比表面積(SBET)は、触媒金属非担持炭素材料として用いる樹状黒鉛質炭素材料について、表面積から粒子の大きさの平均値を評価するものであり、このBET比表面積(SBET)が80m2/g未満であると、一次粒子径が大きくなり過ぎて触媒金属担持炭素材料との均一な混合が困難になり、この触媒金属担持炭素材料との接触が不足して電気抵抗が高くなり、反対に、220m2/gを超えて大きくなると、一次粒子径が小さくなり過ぎるか、若しくは、この場合にも触媒金属担持炭素材料との均一な混合が困難になり、触媒金属担持炭素材料との接触が不足して電気抵抗が高くなり、大電流放電時に電圧低下が発生してしまう。
また、DBP吸油量(ODBP)は、触媒金属非担持炭素材料として用いる樹状黒鉛質炭素材料について、作製される触媒層に所望の空隙性を与える上で必要な細孔の大きさを決める枝構造を評価するもので、炭素材料の二次凝集構造の空隙量(ストラクチャーの発達の程度)と相関性のある指標であり、このDBP吸油量(ODBP)が80mL/100g未満であると、触媒層に必要な空隙を作ることが難しくなり、反対に、170mL/100gを超えて大きくなると、枝の機械的強度が弱くなって触媒層インク液の調製時に枝が破壊され、触媒層に必要な細孔を形成することが困難になる。
更に、X線回折による結晶子サイズ(Lc)は、触媒金属非担持炭素材料として用いる樹状黒鉛質炭素材料について、その撥水性の指標として結晶性を評価するものであり、結晶が発達していればX線回折で測定される結晶子サイズ(Lc)が大きくなる。このX線回折による結晶子サイズ(Lc)が5nm未満であると、撥水性が低くて所望のフラッディング抑制効果が発揮されず、反対に、10nmを超えて大きくなると、樹状黒鉛質炭素材料の形状が球状ではなくなって尖った多面体形状になり、触媒層において触媒金属担持炭素材料との接触抵抗が高くなり、電気抵抗が高くなり、大電流放電時に電圧低下が発生してしまう。なお、撥水性の評価指標としては、一般的には水蒸気吸着量の評価が用いられるが、本発明が規定する炭素材料の場合には、結晶性が高く細孔構造を持たないので、水蒸気吸着量の絶対値が非常に小さくて材料を区別する指標としては適さず、鋭意検討の結果、結晶の発達の程度を表す結晶子サイズ(Lc)が適していることを見出し、指標として採用したものである。
このような触媒金属非担持炭素材料を形成する樹状黒鉛質炭素材料としては、例えば、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維、活性炭等やこれらの粉砕物、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等の炭素化合物等を使用することができ、その1種のみを単独で用いてもよいほか、2種以上を混合して用いてもよい。ここで、黒鉛化カーボンブラックの市販品としては、例えば、東海カーボン社製の黒鉛化カーボンブラックであるトーカブラック#3855、トーカブラック#3845、トーカブラック#3800や、市販のカーボンブラックを不活性雰囲気中2000℃以上の温度で熱処理したもの等を例示することができる。
本発明において、前記触媒金属担持炭素材料を形成するための担体炭素材料は、その平均粒子径が10nm以上100nm以下、好ましくは15nm以上90nm以下であるのがよく、また、前記触媒金属非担持炭素材料は、その平均粒子径が前記担体炭素材料の平均粒子径の±50nm、好ましくは±45nmの範囲内であることが望ましい。担体炭素材料の平均粒子径が10nm未満であると、2〜6nmの触媒金属微粒子を担持することが困難になるという問題があり、反対に、100nmを超えて大きくなると、炭素材料の比表面積が小さ過ぎるために触媒層が厚くなり拡散律速のために大電流特性が低下するという問題が生じる。また、触媒金属非担持炭素材料の平均粒子径が前記担体炭素材料の平均粒子径の±50nmの範囲内から外れると、触媒金属担持炭素材料と混合した際に、粒子同士の大きさが異なるためにミクロに分散させることが困難で、その結果、触媒金属担持炭素材料の周辺の撥水性が十分でなくなり、その結果フラッディングによる大電流特性の低下という問題が生じる。
また、本発明において、前記触媒金属担持炭素材料と前記触媒金属非担持炭素材料との混合割合については、触媒金属担持炭素材料が60質量%以上99質量%以下であって、触媒金属非担持炭素材料が1質量%以上40質量%以下であり、好ましくは、触媒金属担持炭素材料が60質量%以上95質量%以下であって、触媒金属非担持炭素材料が5質量%以上40質量%以下である。この触媒金属担持炭素材料と触媒金属非担持炭素材料との混合割合において、触媒金属非担持炭素材料の割合が1質量%より低いと、触媒金属担持炭素材料の周辺に存在する割合が低下するために撥水性が低下し、発生する水分を速やかに排出することができずフラッディングするという問題があり、反対に、40質量%を超えて多くなると、触媒層が厚くなり過ぎるためにガス拡散抵抗が増大し大電流特性の低下を招くという問題が生じる。
本発明において、多孔質炭素材料からなる担体炭素材料に触媒金属成分を担持させる方法については、特に制限はなく、従来の方法をそのまま採用することができ、また、得られた触媒金属担持炭素材料に樹状黒鉛質炭素材料からなる触媒金属非担持炭素材料を混合する方法についても、2つの炭素材料を均一に混合できればよく、特に制限されるものではない。
また、触媒金属担持炭素材料と触媒金属非担持炭素材料とを混合して得られた触媒を用いて、触媒層インク液を調製し、また、この触媒層インク液を用いて触媒層を調製し、更に、作製された触媒層を用いて膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)を調製する方法についても、特に制限はなく、従来の方法をそのまま採用することができる。
本発明の固体高分子形燃料電池用触媒によれば、この触媒を用いてアノードやカソードとなる触媒層を形成することにより、たとえフラッディングし易いウエットな環境で大電流を流してもこの大電流放電時に確実にフラッディングを防止することができ、これによって、安定して作動させることができるだけでなく、高価な白金等の触媒金属の使用量を低減してコストダウンが可能な固体高分子形燃料電池を形成することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の固体高分子形燃料電池用触媒の好適な実施の形態を説明する。
なお、以下の実施例及び比較例において、触媒金属担持炭素材料の担体炭素材料における細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm)と、触媒金属非担持炭素材料の樹状黒鉛質炭素材料におけるBET比表面積(SBET)、DBP吸油量(ODBP)、及びX線回折による結晶子サイズ(Lc)とについては、下記の方法で測定した。
〔細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm)の測定〕
細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm:m2/g)については、試料約50mgを測り採り、これを90℃で5時間真空乾燥し、得られた乾燥後の試料について、自動比表面積測定装置(日本ベル製、BELSORP36)を使用し、窒素ガスを用いたガス吸着法にて測定し、吸着過程の窒素吸着等温線をDollimore-Heal法で解析し、細孔直径4nmの時の細孔表面積の累積値と、細孔直径10nmの時の細孔表面積の累積値との差を取ることにより細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(m2/g)を求めた。
〔BET比表面積(SBET)の測定〕
BET比表面積(BET:m2/g)については、試料約50mgを測り採り、これを90℃で5時間真空乾燥し、得られた乾燥後の試料について、自動比表面積測定装置(日本ベル製、BELSORP36)を使用し、窒素ガスを用いたガス吸着法にて測定し、BET法に基づく多点法にて比表面積を決定した。
〔DBP吸油量(ODBP)の測定〕
DBP吸油量(ODBP:mL/100g)は、カーボンブラックの一般的な物性指標であり、JIS K 6217-4に従って測定され、試料10〜30gを測り採り、これを90℃で1時間真空乾燥し、得られた乾燥後の試料について、アブソープトメーター(Brabender社製)を用い、最大トルクの約50%の時のジブチルフタレート(DBP)添加量を試料100g当りのDBP吸油量に換算して求めたものである。
〔X線回折による結晶子サイズ(Lc)の測定〕
X線回折による結晶子サイズ(Lc:nm)については、CuKα線を線源として用い、日本学術振興会 第117委員会によって提唱された測定法、及び、解析法を用い、Lcを算出した。
〔平均粒子径の測定〕
平均粒子径は、SEM(二次電子像)の画像から算出した。具体的な手法は以下のとおりである。10〜20万倍の画像から、球状形状が明確に判別できる20個の測定粒子を選定し、その粒子の直径を画面上から算出し、その算術平均をとった。
1.触媒金属担持炭素材料について
(1) 担体炭素材料
担体炭素材料として、表1に示す細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm)及び平均粒子径を有する多孔質炭素材料(担体A〜Q)を使用した。
担体A:ケッチェンブラック(ライオン社製商品名:EC300)
担体B:ケッチェンブラック(ライオン社製商品名:EC600JD)
担体C:担体Aとして用いたケッチェンブラックを不活性ガス雰囲気下において2000℃及び1時間の条件で熱処理したもの
担体D:担体Aとして用いたケッチェンブラックを不活性ガス雰囲気下において2200℃及び1時間の条件で熱処理したもの
担体E:ヤシ殻活性炭(クラレケミカル社製商品名:YP80F)
担体F:カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:シーストG−FY)
担体G:担体Fとして用いたカーボンブラックをCO2ガス流通下において1100℃及び50分の条件で賦活処理して多孔質化したもの
担体H:担体Fとして用いたカーボンブラックをCO2ガス流通下において1100℃及び100分の条件で賦活処理して多孔質化したもの
担体I:担体Fとして用いたカーボンブラックをCO2ガス流通下において1100℃及び200分の条件で賦活処理して多孔質化したもの
担体J:カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:シーストSP)
担体K:担体Fとして用いたカーボンブラックをCO2ガス流通下において1100℃及び70分の条件で賦活処理して多孔質化したもの
担体L:担体Fとして用いたカーボンブラックをCO2ガス流通下において1100℃及び110分の条件で賦活処理して多孔質化したもの
担体M:担体Fとして用いたカーボンブラックをCO2ガス流通下において1100℃及び200分の条件で賦活処理して多孔質化したもの
担体N:カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:シーストTA)
担体O:担体Fとして用いたカーボンブラックをCO2ガス流通下において1100℃及び80分の条件で賦活処理して多孔質化したもの
担体P:担体Fとして用いたカーボンブラックをCO2ガス流通下において1100℃及び120分の条件で賦活処理して多孔質化したもの
担体Q:黒鉛化カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:トーカブラックTK#3855)
Figure 0006496531
(2) 触媒金属担持炭素材料(白金担持炭素材料)の調製
上記の各担体炭素材料(担体A〜Q)をジニトロジアンミン白金錯体の硝酸溶液中に分散させ、95℃に保温しながら撹拌下に1-プロパノールを加えて5時間保持して触媒前駆体を得た。この触媒前駆体を濾過し、水洗し、乾燥した後、アルゴンに5vol%-H2を混合した気流中、150℃及び1時間の条件で還元処理し、白金担持量40質量%の白金担持炭素材料A〜Qを調製した。
2.触媒金属非担持炭素材料について
触媒金属非担持炭素材料として、表2に示すBET比表面積(SBET)、DBP吸油量(ODBP)、X線回折による結晶子サイズ(Lc)、及び平均粒子径を有する樹状黒鉛質炭素材料(炭素材a〜k)を使用した。
炭素材a:黒鉛化カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:トーカブラックTK3855)
炭素材b:黒鉛化カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:トーカブラックTK3845)
炭素材c:黒鉛化カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:トーカブラックTK3800)
炭素材d: 東海カーボン社製商品名トーカブラックFMをCOガス流通下において1100℃及び150分の条件で賦活処理して多孔質化したものを、更に、不活性ガス雰囲気下において2200℃及び1時間の条件で熱処理したもの
炭素材e:アセチレンブラック(電気化学工業社製商品名:デンカブラック)
炭素材f:カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:トーカブラック#5500)
炭素材g:炭素材fを不活性ガス雰囲気下において2000℃及び1時間の条件で熱処理したもの
炭素材h:炭素材fを不活性ガス雰囲気下において2200℃及び1時間の条件で熱処理したもの
炭素材i:炭素材fを不活性ガス雰囲気下において2400℃及び1時間の条件で熱処理したもの
炭素材j:カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:シースト3H)
炭素材k:炭素材jを不活性ガス雰囲気下において2200℃及び1時間の条件で熱処理したもの
炭素材l:カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:シースト300)
炭素材m:炭素材lを不活性ガス雰囲気下において2200℃及び1時間の条件で熱処理したもの
炭素材n:東海カーボン社製商品名トーカブラックSOをCOガス流通下において1100℃及び200分の条件で賦活処理して多孔質化したものを、更に、不活性ガス雰囲気下において2200℃及び1時間の条件で熱処理したもの
炭素材o:カーボンブラック(東海カーボン社製商品名:トーカブラック#6300)
Figure 0006496531
3.白金触媒の調製
〔実施例1〜17及び比較例1〜23〕
触媒金属担持炭素材料として白金担持炭素材料A〜Qを使用し、また、触媒金属非担持炭素材料として炭素材a〜oを使用し、表3に示すように、これら各白金担持炭素材料A〜Qと各炭素材a〜oとを白金担持炭素材料が80重量%で炭素材が20重量%となる割合で配合し、次いでメノー乳鉢を用いて十分に混合し、各実施例1〜17及び各比較例1〜23の固体高分子形燃料電池用の白金触媒を得た。
4.固体高分子形燃料電池の調製と電池性能の評価
(1) 触媒層インク液の作製
上記で調製した各実施例1〜17及び各比較例1〜23の白金触媒を容器に取り、これに5%-ナフィオン溶液(デュポン製DE521)を加え、軽く撹拌後、超音波洗浄器に容器を入れて白金触媒を分散させた。更に撹拌しながら2-プロパノールを加え、白金触媒とナフィオンとの合計の固形分濃度が2質量%となるように調整し、カソード側の触媒層を形成するための触媒層インク液を作製した。なお、この触媒層インク液の作製に際しては、各白金触媒中の担体炭素材料の1質量部に対して、ナフィオンが0.8質量部となる比率で混合した。
なお、アノード側の触媒層を形成するための触媒層インク液については、触媒として上記の白金担持炭素材料Bを使用した以外は、カソード側触媒層インク液の場合と同様にして作製した。
(2) カソード側及びアノード側の触媒層の作製
上で作製されたカソード側及びアノード側の各触媒層インク液を用い、この触媒層インク液をテフロン(登録商標)シートにスプレーした後、アルゴン雰囲気中120℃で60分間の条件で乾燥し、それぞれカソード側及びアノード側の触媒層を作製した。
作製されたカソード側及びアノード側の各触媒層の白金目付け量は、作製したテフロン(登録商標)シート上の触媒層を3cm角の正方形に切り取って質量を測定し、その後、触媒層をスクレーパーで剥ぎ取った後のテフロン(登録商標)シート質量を測定し、先の質量との差分から触媒層質量を算出し、触媒インク液中の固形分が占める割合及びこの固形分中の白金が占める割合から計算により求め、白金目付け量が0.20mg/cm2になるようにスプレー量を調整した。
(3) 膜電極複合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の作製
以上のようにして作製されたカソード側及びアノード側の各触媒層を用い、以下のようにしてMEAを作製した。
ナフィオン膜(デュポン社製N112)については6cm角の正方形に切り取り、また、テフロン(登録商標)シート上に塗布されたカソード側及びアノード側の各触媒層については、それぞれカッターナイフで2.5cm角の正方形に切り取った。これらカソード側の触媒層とアノード側の触媒層との間にナフィオン膜を挟み込み、この際に各触媒層がアノード及びカソードとしてナフィオン膜の中心部を挟んで互いに正対する位置関係にずれが生じないようにし、120℃、100kg/cm2及び10分間の条件でプレスした。その後、常温まで冷却した後、カソード側及びアノード側共にテフロン(登録商標)シートのみを注意深く剥ぎ取り、カソード及びアノードの触媒層がナフィオン膜に定着した触媒層定着ナフィオン膜を得た。
次に、ガス拡散層として市販のカーボンクロス(E-TEK社製LT1200W)を2.5cm角の正方形に切り取り、得られた2枚のカーボンクロスの間に、カソードとアノードとの位置関係にずれが生じないように、先に作製した触媒層定着ナフィオン膜を挟み込み、120℃、50kg/cm2及び10分間の条件でプレスし、MEAを作製した。
なお、プレス前の触媒層付テフロン(登録商標)シートの質量とプレス後に剥がしたテフロン(登録商標)シートの質量との差から定着した触媒層の質量を求め、触媒層の組成の質量比より白金目付け量を算出し、0.2mg/cm2であることを確認した。
(4) 電池性能の評価
以上のようにして作製した各実施例1〜17及び各比較例1〜23のMEAを用いて単位セル(燃料電池)を構成し、それぞれ燃料電池測定装置に組み込み、次の手順で電池性能の評価を行った。
最初に、以下の「高加湿出力」の代表的な条件で電池性能の評価を行った。すなわち、供給ガスとして、カソードに空気を、また、アノードに純水素を、それぞれ利用率が30%と60%となるように供給した。なお、供給ガスはフローで評価し、特にセル下流に設けられた背圧弁での圧力調整は0.05MPaとした。セル温度を80℃に設定し、供給する空気と純水素について、それぞれ80℃に保温された蒸留水中でバブリングを行う高加湿条件で加湿した。このような条件でセルにガスを供給した後、負荷を目標の1000mA/cm2まで約2時間かけて徐々に増加していき、目標の1000mA/cm2に到達した時点で負荷を固定し、その後30分経過した後のセル端子間電圧を測定し、「高加湿出力」として記録した。
次に、以下の「低加湿出力」の代表的な条件で電池性能の評価を行った。すなわち、上述の「高加湿出力」評価の運転のまま、供給する空気と純水素について、それぞれ65℃に保温された蒸留水中でバブリングを行う低加湿条件の加湿に切り替えた。
ここのような条件でセルにガスを供給した後、負荷を目標の1000mA/cm2まで約2時間かけて徐々に増加していき、目標の1000mA/cm2に到達した時点で負荷を固定し、その後30分経過した後のセル端子間電圧を測定し、「低加湿出力」として記録した。
結果を表3に示す。
Figure 0006496531
実施例1〜6と比較例1〜9においては、本発明で規定する担体炭素材料(担体B)にPtを担持させて得られた白金担持炭素材料Bを用い、種々の触媒非担持炭素材料(炭素材a〜o)を混合して、その電池特性を検討した結果をまとめた。本発明の規定を満たすa、d、g、h、k、nを混合して得られた白金触媒(実施例1〜6)は、高加湿、低加湿のどちらの条件においても優れた発電特性と示すことが分かる。これに対して、本発明の規定を満たさない触媒非担持炭素材料を混合した白金触媒の発電特性が低いことが判明した。
また、実施例7〜11及び比較例10〜19においては、本発明の規定を満たす触媒非担持炭素材料dと、種々の担体炭素材料(担体A、及びC〜Q)を用いて得られた白金担持炭素材料A、及びC〜Qの各々とを混合して得られた白金触媒の発電特性を検討した結果をまとめた。本発明の規定を満たす担体炭素材料(担体C,H、I、L、及びM)を用いて得られた実施例7〜11の白金触媒はいずれも優れた高加湿、低加湿特性を示したが、本発明の規定を満たさない担体炭素材料(担体A、D、E、F、G、J、K、L、M、N、O、及びQ)を用いた比較例10〜19の白金触媒は発電特性が低いことが判明した。
更に、実施例12〜17と実施例18〜22とにおいては、白金担持炭素材料の調製時に用いられた本発明の規定を満たす担体炭素材料(担体C、H、I、L、M、及びP)の平均粒子径と本発明の規定を満たす触媒非担持炭素材料h又はnの平均粒子径との差について検討した。白金担持炭素材料調製時の担体の粒子径が触媒非担持炭素材料の粒子径よりも±50nmの範囲を外れた実施例15〜17、20、及び21の場合に、発電特性が低下する傾向がみられた。
5.触媒金属担持炭素材料と触媒金属非担持炭素材料との配合割合の検討
〔比較例20及び実施例23〜31〕
触媒金属担持炭素材料として白金担持炭素材料Bを使用し、また、触媒金属非担持炭素材料として炭素材aを使用し、これら白金担持炭素材料Bと炭素材aとを表4に示す配合割合(炭素材aの割合)で配合し、上記の場合と同様にして混合し、各実施23〜31の固体高分子形燃料電池用の白金触媒を得た。なお、参考のために、炭素材aの割合が0質量%の場合を比較例20とした。
得られた各実施例23〜31及び比較例20の白金触媒を使用し、上記の各実施例1〜22及び各比較例1〜19の場合と同様に、固体高分子形燃料電池の調製と電池性能の評価に従って、触媒層インク液を作製し、カソード側及びアノード側の触媒層を作製し、膜電極複合体(MEA)を作製し、また、電池性能の評価を行った。
結果を表4に示す。
Figure 0006496531
表4に示す実施例23〜31の結果から明らかなように、炭素材aの割合が1〜40質量%の場合に、高加湿条件下及び耐加湿条件下において共に優れた発電特性を発揮した。

Claims (5)

  1. 多孔質炭素材料からなる担体炭素材料に触媒金属成分を担持させた触媒金属担持炭素材料と、触媒金属成分を担持していない樹状黒鉛質炭素材料からなる触媒金属非担持炭素材料とを混合して得られた触媒であり、
    前記触媒金属担持炭素材料の担体炭素材料は、窒素吸着測定により測定された細孔直径4nm以上10nm未満のメソ孔比表面積(S4-10nm)が100m2/g以上であり、また、
    前記触媒金属非担持炭素材料である樹状黒鉛質炭素材料は、BET比表面積(SBET)が80m2/g以上220m2/g以下であり、DBP吸油量(ODBP)が80mL/100g以上170mL/100g以下であり、また、X線回折による結晶子サイズ(Lc)が5nm以上10nm以下であることを特徴とする固体高分子形燃料電池用触媒。
  2. 前記触媒金属担持炭素材料の担体炭素材料の平均粒子径が10nm以上100nm以下であり、また、前記触媒金属非担持炭素材料の平均粒子径が、前記担体炭素材料の平均粒子径の±50nmの範囲内であって、且つ、10nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  3. 前記触媒金属担持炭素材料と前記触媒金属非担持炭素材料との混合割合は、触媒金属担持炭素材料が60質量%以上99質量%以下であって、触媒金属非担持炭素材料が1質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  4. 前記触媒金属非担持炭素材料である樹状構造黒鉛質炭素材料は、BET比表面積(SBET)が90m2/g以上200m2/g以下であり、また、DBP吸油量(ODBP)が100mL/100g以上150mL/100g以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
  5. 前記触媒金属非担持炭素材料である樹状構造黒鉛質炭素材料は、X線回折による結晶子サイズ(Lc)が6nm以上10nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固体高分子形燃料電池用触媒。
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