JP6496184B2 - 試料導入方法、試料ステージ、および荷電粒子線装置 - Google Patents

試料導入方法、試料ステージ、および荷電粒子線装置 Download PDF

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Description

本発明は、試料導入方法、試料ステージ、および荷電粒子線装置に関する。
従来、含水試料を走査電子顕微鏡(SEM)で観察する際には、試料を凍らせて観察していた。試料を凍らせて観察しても、水が液体として試料中に存在している状態とは異なるため、試料本来の状態を観察しているとはいえない。
含水試料の本来の状態を観察するためには、水を液体の相に保持しなければならない。低真空モードの走査電子顕微鏡において水を液体の相に保持するためには、例えば、試料室の圧力を約650Pa、試料の温度を0℃〜1℃に保たなければならない。
しかしながら、走査電子顕微鏡で含水試料を観察する際に、含水試料をそのまま試料室に導入すると、観察条件に至るまでの真空排気の過程で水分が蒸発して乾燥してしまう場合がある。また、試料の水分が蒸発することによる気化熱で試料温度が下がってしまい、試料が凍結する場合がある。
例えば、特許文献1には、試料室の壁から試料台に至る細管を通して微量の液体を供給する微量注入装置を備えた走査電子顕微鏡が開示されている。特許文献1に開示された走査電子顕微鏡を用いることで、試料の乾燥を防ぐことができるが、試料室の内と外とを繋ぐ細管を設けなければならず、装置構成が複雑化してしまう。
特開平10−241620号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、荷電粒子線装置の試料室に試料を導入する際に、試料の乾燥を防ぐことができる試料導入方法および試料ステージを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記試料ステージを含む荷電粒子線装置を提供することにある。
(1)本発明に係る試料導入方法は、
荷電粒子線装置の試料室に水を含む試料を導入するための試料導入方法であって、
前記試料を試料支持部に取り付ける工程と、
前記試料の所定の領域を水分保持材で覆う工程と、
前記所定の領域が前記水分保持材で覆われた前記試料が収容された前記試料室を真空排気する工程と、
前記水分保持材で覆われた前記所定の領域を露出させる工程と、
を含む。
このような試料導入方法では、試料室を真空排気する工程において、試料の所定の領域が水分保持材で覆われているため、試料の水分の蒸発を抑制することができる。したがって、このような試料導入方法では、試料室に試料を導入する際に、試料の乾燥を防ぐこと
ができる。さらに、このような試料導入方法では、気化熱によって試料が凍結することを防ぐことができる。
(2)本発明に係る試料導入方法において、
前記所定の領域を露出させる工程では、前記試料と前記水分保持材とを相対的に移動させて、前記所定の領域を露出させてもよい。
このような試料導入方法では、容易に、試料の所定の領域を露出させることができる。
(3)本発明に係る試料導入方法において、
前記所定の領域を露出させる工程では、前記試料支持部を移動させて、前記所定の領域を露出させてもよい。
(4)本発明に係る試料導入方法において、
前記所定の領域を露出させる工程では、前記水分保持材を移動させて、前記所定の領域を露出させてもよい。
(5)本発明に係る試料導入方法において、
前記試料室を真空排気する工程では、前記試料は冷却されてもよい。
このような試料導入方法では、例えば、試料室の圧力を下げた場合でも、試料を冷却しない場合と比べて、試料の水分が液相を保つことができる。
(6)本発明に係る試料ステージは、
荷電粒子線装置用の試料ステージであって、
試料を支持する試料支持部と、
前記試料の所定の領域を覆う水分保持材を保持可能な保持部と、
前記試料支持部または前記保持部を移動させる移動機構と、
を含み、
前記移動機構は、前記試料と前記水分保持材とを相対的に移動させて前記水分保持材に覆われた前記所定の領域が露出するように前記試料支持部または前記保持部を移動させる
このような試料ステージでは、移動機構によって試料支持部または保持部を移動させることで、試料の所定の領域を水分保持材で覆った状態から、試料の所定の領域を露出させた状態にすることができる。したがって、このような試料ステージでは、試料を試料室に導入する際には、試料の所定の領域を水分保持材で覆って水分の蒸発を抑制して試料の乾燥、凍結を防ぐことができ、試料の観察または分析を行う際には、試料の所定の領域を露出させて観察または分析を行うことができる。
(7)本発明に係る試料ステージは、
荷電粒子線装置用の試料ステージであって、
試料を支持する試料支持部と、
前記試料支持部を移動させる移動機構と、
前記試料の所定の領域を覆う水分保持材が前記試料支持部の移動に伴って移動することを規制する規制部と、
を含む。
このような試料ステージでは、規制部によって試料の所定の領域を覆った水分保持材が試料支持部の移動に伴って移動することを規制することができるため、試料の所定の領域を水分保持材で覆った状態から、試料の所定の領域を露出させた状態にすることができる。したがって、このような試料ステージでは、試料を試料室に導入する際には、試料の所定の領域を水分保持材で覆って試料の乾燥、凍結を防ぐことができ、試料の観察または分
析を行う際には、試料の所定の領域を露出させて観察または分析を行うことができる。
(8)本発明に係る荷電粒子線装置は、
本発明に係る試料ステージを含む。
このような荷電粒子線装置では、本発明に係る試料ステージを含むため、荷電粒子線装置の試料室に試料を導入する際に、試料の乾燥、凍結を防ぐことができる。したがって、このような荷電粒子線装置では、水を含む試料を、乾燥させたり凍結させたりすることなく、水分を保った状態で観察または分析を行うことができる。
(9)本発明に係る試料導入方法において、
前記所定の領域を露出させる工程の後に、前記水分保持材を前記試料室と仕切り弁を介して接続された水分保持材収容室に収容する工程を含んでいてもよい。
このような試料導入方法では、水分保持材を試料室と仕切り弁を介して接続された水分保持材収容室に収容する工程を含むため、観察や分析の際に、水分保持材から蒸発した水分が試料に供給されることを防ぐことができる。
(10)本発明に係る試料導入方法において、
前記水分保持材を前記水分保持材収容室から前記試料室に移動させ、前記試料室において前記水分保持材の水分を蒸発させて前記試料に水分を供給する工程を含んでいてもよい。
このような試料導入方法では、観察や分析の際に、試料に水分を補給することができる。
(11)本発明に係る試料導入方法において、
前記所定の領域を露出させる工程の後に、前記試料室において、前記水分保持材を容器に収容する工程を含んでいてもよい。
このような試料導入方法では、試料室において、水分保持材を容器に収容する工程を含むため、観察や分析の際に、水分保持材から蒸発した水分が試料に供給されることを防ぐことができる。
(12)本発明に係る荷電粒子線装置は、
本発明に係る試料ステージと、
前記試料が導入される試料室と仕切り弁を介して接続され、前記水分保持材を収容可能な水分保持材収容室と、
を含む。
このような荷電粒子線装置は、試料室と仕切り弁を介して接続され、水分保持材を収容可能な水分保持材収容室を含むため、観察や分析の際に、水分保持材から蒸発した水分が試料に供給されることを防ぐことができる。また、このような荷電粒子線装置では、仕切り弁を操作することにより、所望のタイミングで試料に水分を供給することができるとともに、試料に供給される水分量を調整することができる。
第1実施形態に係る試料ステージの構成を模式的に示す図。 第1実施形態に係る試料ステージの構成を模式的に示す図。 第1実施形態に係る試料ステージの水分保持材ホルダーを模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る試料ステージを用いた試料導入方法の一例を示すフローチャート。 第1実施形態に係る試料ステージを用いた試料導入工程を模式的に示す図。 第1実施形態に係る試料ステージを用いた試料導入工程を模式的に示す図。 第1実施形態に係る試料ステージを用いた試料導入工程を模式的に示す図。 第1実施形態に係る試料ステージを用いた試料導入工程を模式的に示す図。 第1実施形態の変形例に係る試料ステージの構成を模式的に示す図。 第1実施形態の変形例に係る試料ステージの構成を模式的に示す図。 第1実施形態の変形例に係る試料ステージの試料導入工程を模式的に示す図。 第2実施形態に係る試料ステージの構成を模式的に示す図。 第2実施形態に係る試料ステージの試料導入工程を模式的に示す図。 吸水性ポリマーをSEM観察した結果を示すSEM写真。 吸水性ポリマーをSEM観察した結果を示すSEM写真。 吸水性ポリマーをSEM観察した結果を示すSEM写真。 第3実施形態に係る試料ステージの構成を模式的に示す図。 第3実施形態に係る試料ステージを用いた試料導入工程を模式的に示す図。 第4実施形態に係る荷電粒子線装置の構成を模式的に示す図。 第5実施形態に係る荷電粒子線装置の要部を模式的に示す図。 第5実施形態に係る荷電粒子線装置を用いた試料導入方法の一例を示すフローチャート。 第5実施形態に係る荷電粒子線装置の試料導入工程を模式的に示す図。 第5実施形態に係る荷電粒子線装置の試料導入工程を模式的に示す図。 第5実施形態に係る荷電粒子線装置の試料導入工程を模式的に示す図。 第5実施形態に係る荷電粒子線装置の試料導入工程を模式的に示す図。 第5実施形態の変形例に係る荷電粒子線装置の構成を模式的に示す図。 第6実施形態に係る荷電粒子線装置の要部を模式的に示す図。 第6実施形態に係る荷電粒子線装置の要部を模式的に示す図。 第6実施形態の変形例に係る荷電粒子線装置の構成を模式的に示す図。 第6実施形態の変形例に係る荷電粒子線装置の構成を模式的に示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 試料ステージ
まず、第1実施形態に係る試料ステージについて図面を参照しながら説明する。図1および図2は、第1実施形態に係る試料ステージ100の構成を模式的に示す図である。なお、図1および図2は、試料ステージ100が走査電子顕微鏡の試料室2に収容されている状態を図示している。また、図1および図2には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。
試料ステージ100は、走査電子顕微鏡用の試料ステージである。走査電子顕微鏡は、試料ステージ100の試料支持部10に支持された試料Sに電子線を照射して試料Sの観察や、分析を行う装置である。
試料ステージ100は、走査電子顕微鏡の試料室2に収容されている。試料室2は、試料Sを収容するための空間であり、壁部3によって囲まれている。試料室2は、真空排気装置(図示せず)によって真空排気されることで、所定の圧力(例えば650Pa)に維持される。試料室2において、試料支持部10で支持された試料Sに、電子線源1010、集束レンズ1022、対物レンズ1024、走査偏向器1030(後述する図19参照)等からなる電子光学系からの電子線が照射される。なお、図1および図2では、試料ステージ100および対物レンズ1024以外の走査電子顕微鏡の構成部材の図示を省略している。
試料Sは、含水試料である。含水試料とは、水を含んだ試料である。試料Sとしては、例えば、生物、植物、食品、化粧品等が挙げられる。より具体的には、試料Sとしては、例えば、こんぶ等の海草、こんにゃく、寒天、吸水性ポリマー、コンタクトレンズ、脂質等が挙げられる。
試料ステージ100は、図1および図2に示すように、試料支持部10と、水分保持材20と、保持部30と、移動機構40X,40Y,40Zと、冷却部50と、を含む。
試料支持部10は、試料Sを支持する。試料支持部10は、例えば、板状の部材であり、試料支持部10上に試料Sが載置される。試料Sは、試料支持部10に固定される。試料支持部10は、Y移動機構40Y上に設けられている。
試料支持部10は、X移動機構40Xの動作によってX軸方向に移動可能である。また、試料支持部10は、Y移動機構40Yの動作によってY軸方向に移動可能である。また、試料支持部10は、Z移動機構40Zの動作によってZ軸方向に移動可能である。試料支持部10の移動に伴って、試料支持部10で支持された試料Sが移動する。
水分保持材20は、水分を保持し、かつ、試料Sの表面の少なくとも一部を覆うことができる。水分保持材20は、例えば、紙(例えばろ紙)、布、不織布、スポンジ、吸水性ポリマー等である。
水分保持材20は、試料Sの表面の全部を覆ってもよいし、試料Sの表面の一部を覆ってもよい。図示の例では、水分保持材20は、試料Sの上面の全部を覆っており、試料Sの表面は露出していない。水分保持材20は、試料Sが試料支持部10に支持された状態で、試料Sの露出した領域の全部を覆っていることが望ましい。これにより、後述するように、試料室2を真空排気する際に、試料Sの水分の蒸発をより抑制することができる。
保持部30は、水分保持材20を保持可能に構成されている。保持部30は、水分保持材ホルダー32と、ホルダー支持部材34と、を有している。
水分保持材ホルダー32は、水分保持材20を保持するためのホルダーである。図3は、水分保持材ホルダー32を模式的に示す断面図である。水分保持材ホルダー32は、図3に示すように、凹部を有しており、当該凹部に水分保持材20がはめ込まれている。なお、水分保持材ホルダー32が水分保持材20を保持する手法は特に限定されず、水分保持材20の形状や材質によって適宜変更可能である。
ホルダー支持部材34は、水分保持材ホルダー32を支持している。ホルダー支持部材34は、例えば、水分保持材ホルダー32とX移動機構40Xとを接続するアーム状の部材である。ホルダー支持部材34は、試料支持部10のY軸方向側に設けられており、X軸方向側には設けられていない。そのため、ホルダー支持部材34は、試料支持部10のX軸方向の移動を妨げない。また、図2に示すように、試料支持部10とホルダー支持部
材34とは、Y軸方向において、離間している。そのため、ホルダー支持部材34は、試料支持部10のY軸方向の移動を妨げない。
ホルダー支持部材34は、固定されたX移動機構40Xに接続されているため、ホルダー支持部材34に支持された水分保持材ホルダー32および水分保持材ホルダー32に保持された水分保持材20は固定される。なお、図示はしないが、ホルダー支持部材34は、試料室2の壁部3や、試料室2の底部に接続されていてもよい。
X移動機構40Xは、試料支持部10をX軸方向に移動可能にする。X移動機構40Xは、X移動機構40X上のY移動機構40Yおよび試料支持部10(試料S)を一体としてX軸方向に移動させる。X移動機構40Xが試料支持部10を移動させると、水分保持材20は保持部30で保持(固定)されているため、水分保持材20で覆われていた試料Sの上面を露出させることができる(図8参照)。
なお、ここでは、保持部30を固定し、X移動機構40Xによって試料支持部10を移動させることで、試料Sの上面を露出させる例について説明したが、後述する「1.3.
変形例」で説明するように、試料支持部10を固定し、保持部移動機構によって保持部30を移動させることで、試料Sの上面を露出させてもよい。このように、試料支持部10と保持部30とを相対的に移動させることで、試料Sの上面を露出させることができる。
Y移動機構40Yは、試料支持部10をY軸方向に移動可能にする。Y移動機構40Yは、Y移動機構40Y上の試料支持部10(試料S)をY軸方向に移動させる。
Z移動機構40Zは、試料支持部10をZ軸方向に移動可能にする。Z移動機構40Zは、X移動機構40X、Y移動機構40Y、および試料支持部10(試料S)を、Z軸方向に移動させる。なお、Z移動機構40Zは、試料支持部10を傾斜可能とする傾斜機構を含んで構成されていてもよい。
冷却部50は、試料支持部10を冷却する。冷却部50は、例えば、試料支持部10に冷却された流体を循環させることで試料支持部10を冷却してもよいし、ペルチエ素子等で試料支持部10を冷却してもよい。冷却部50によって試料支持部10を冷却することにより、試料支持部10に支持された試料Sを冷却することができる。
1.2. 試料導入方法
次に、第1実施形態に係る試料ステージ100を用いた試料導入方法について図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る試料ステージ100を用いた試料導入方法の一例を示すフローチャートである。
図5〜図8は、試料ステージ100を用いた試料導入工程を模式的に示す図である。なお、図5〜図8は、試料ステージ100を走査電子顕微鏡の試料室2に収容した状態を図示している。
まず、図5に示すように、試料Sを試料支持部10に取り付ける(ステップS100)。これにより、試料室2内において、試料Sは試料支持部10で支持される。このとき、試料支持部10は第1位置P1に位置している。第1位置P1は、試料室2において、試料支持部10に支持された試料Sに電子線が照射されない位置である。第1位置P1は、例えば、対物レンズ1024の直下を避けた位置である。なお、本工程では、試料室2は、大気圧である。また、試料支持部10は、冷却部50によって0℃以上1℃以下程度に冷却されている。これにより、試料支持部10に支持された試料Sが冷却される。
次に、図6に示すように、試料Sの上面(所定の領域)を水分保持材20で覆う(ステップS102)。本工程では、試料Sを試料支持部10に取り付けた際に、試料Sの露出している領域(試料Sの上面)を、水分保持材20で覆う。水分保持材20は、水分保持材ホルダー32にはめ込まれた状態で試料Sの上面に配置される。
なお、ここでは、試料Sを試料支持部10に取り付けた後に、試料Sの上面を水分保持材20で覆った場合について説明したが、試料Sの上面を水分保持材20で覆った後に、水分保持材20で上面が覆われた試料Sを、試料支持部10に取り付けてもよい。
次に、図7に示すように、水分保持材20を固定する。水分保持材ホルダー32を、ホルダー支持部材34で固定することによって、水分保持材20を固定する。これにより、試料支持部10(試料S)が移動しても、水分保持材20を動かないようにすることができる。
次に、試料室2を真空排気する(ステップS104)。試料室2の真空排気は、試料室2に接続された真空排気装置によって行われる。真空排気装置は、試料室2の圧力が650Pa程度で安定するように試料室2を排気する。
試料室2を真空排気する工程では、試料Sの上面は、水分保持材20で覆われている。そのため、試料Sの水分の蒸発を抑制することができる。したがって、試料Sの乾燥を防ぐことができる。さらに、気化熱によって試料Sが凍結することを防ぐことができる。また、試料Sは0℃以上1℃以下に冷却されている。そのため、試料室2の圧力が650Paになっても、試料Sの水分が液相を保つことができる。
次に、図8に示すように、水分保持材20で覆われた試料Sの上面(所定の領域)を露出させる(ステップS106)。本工程では、試料Sと水分保持材20とを相対的に移動させて、試料Sの上面を露出させる。具体的には、保持部30によって水分保持材20が固定された状態で、X移動機構40Xによって試料支持部10を第1位置P1から第2位置P2に移動させることで、試料Sの上面を露出させる。第2位置P2は、試料支持部10に支持された試料Sの上面に電子線が照射される位置(観察位置、分析位置)であり、図示の例では、対物レンズ1024の直下である。
なお、図示の例では、本工程では、試料支持部10を移動させることで、試料Sの上面の全部を露出させたが、試料Sの上面の一部を露出させてもよい。
以上の工程により、試料Sを試料室2に導入することができる。
試料Sが試料室2に導入された後、すなわち、試料Sの上面が露出された後、電子線が試料Sの上面に照射される。そして、試料Sから発生した二次電子や、特性X線を検出することで、SEM観察や元素分析を行うことができる。このように、試料Sの電子線が照射される領域(試料Sの上面)を、電子線が照射される直前まで水分保持材20で覆うことができるため、試料Sを乾燥させたり凍結させたりすることなく、水分を保った状態で観察または分析を行うことができる。
試料ステージ100は、例えば、以下の特徴を有する。
試料ステージ100は、試料Sを支持する試料支持部10と、試料支持部10で支持された試料Sの所定の領域(上面)を覆う水分保持材20を保持可能な保持部30と、試料支持部10を移動させるX移動機構40Xと、を含む。試料ステージ100では、X移動
機構40Xによって試料支持部10を移動させることで、試料Sの所定の領域を水分保持材20で覆った状態から、試料Sの所定の領域を露出させた状態にすることができる。したがって、試料ステージ100では、試料Sを試料室2に導入する際には、試料Sの所定の領域を水分保持材20で覆って水分の蒸発を抑制して試料Sの乾燥、凍結を防ぐことができ、試料Sの観察または分析を行う際には、試料Sの所定の領域を露出させて観察または分析を行うことができる。
また、試料ステージ100では、試料支持部10を冷却する冷却部50を含むため、例えば試料室2の圧力を下げた場合でも、試料Sを冷却しない場合と比べて、試料Sの水分が液相を保つことができる。例えば、試料室2の圧力が650Paの場合、試料Sの温度を約0℃以上1℃以下程度にすることで、試料Sの水分が液相を保つことができる。
試料ステージ100を用いた試料導入方法は、試料Sを試料支持部10に取り付ける工程(ステップS100)と、試料Sの所定の領域(上面)を水分保持材20で覆う工程(ステップS102)と、当該所定の領域が水分保持材20で覆われた試料Sが収容された試料室2を真空排気する工程(ステップS106)と、水分保持材20で覆われた試料Sの所定の領域を露出させる工程(ステップS108)と、を含む。このような試料導入方法では、試料室2を真空排気する工程において、試料Sの所定の領域が水分保持材20で覆われているため、試料Sの水分の蒸発を抑制することができる。したがって、このような試料導入方法では、試料室2に試料Sを導入する際に、試料Sの乾燥を防ぐことができる。さらに、このような試料導入方法では、気化熱によって試料Sが凍結することを防ぐことができる。
試料ステージ100を用いた試料導入方法では、試料Sの所定の領域を露出させる工程において、試料Sと水分保持材20とを相対的に移動させて、試料Sの所定の領域を露出させる。これにより、例えばマニピュレーター等を用いて試料S上から水分保持材20を取り除く場合と比べて、容易に、試料Sの所定の領域を露出させることができる。
1.3. 変形例
次に、第1実施形態に係る試料ステージの変形例について図面を参照しながら説明する。図9および図10は、第1実施形態の変形例に係る試料ステージ102の構成を模式的に示す図である。以下、第1実施形態の変形例に係る試料ステージ102において、第1実施形態に係る試料ステージ100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した試料ステージ100では、図7および図8に示すように、X移動機構40Xが試料支持部10を移動させることによって、水分保持材20で覆われた試料Sの上面を露出させていた。
これに対して、試料ステージ102では、保持部移動機構42が保持部30を移動させることによって、水分保持材20で覆われた試料Sの上面を露出させる。
試料ステージ102は、図9および図10に示すように、保持部移動機構42を含む。保持部移動機構42は、保持部30をX軸方向に移動可能にする。保持部移動機構42は、ホルダー支持部材34に接続されており、ホルダー支持部材34を移動させることで、水分保持材ホルダー32、水分保持材ホルダー32で保持された水分保持材20を移動させる。試料Sは試料支持部10に固定されているため、保持部移動機構42が保持部30を移動させると、水分保持材20が移動して、水分保持材20で覆われていた試料Sの上面を露出させることができる(図11参照)。
次に、本変形例に係る試料ステージ102を用いた試料導入方法について図面を参照しながら説明する。図11は、水分保持材20で覆われた試料Sの所定の領域(上面)を露出させる工程(図4に示すステップS106)を模式的に示す図である。以下、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、上述した第1実施形態と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
まず、図9に示すように、試料Sを試料支持部10に取り付ける(ステップS100)。このとき、試料支持部10は第2位置P2に位置している。
次に、試料Sの所定の領域(上面)を水分保持材20で覆う(ステップS102)。水分保持材20は、水分保持材ホルダー32にはめ込まれた状態で試料S上に配置される。
次に、水分保持材20を保持部30で保持する。ホルダー支持部材34を、水分保持材ホルダー32および保持部移動機構42に取り付けて、水分保持材20を保持部30で保持する。これにより、保持部移動機構42によって水分保持材20が移動可能となる。
次に、試料室2を真空排気する(ステップS104)。真空排気装置は、試料室2の圧力が650Pa程度で安定するように試料室2を排気する。
試料室2を真空排気する工程では、試料Sの上面は、水分保持材20で覆われている。そのため、試料Sの水分の蒸発を抑制することができる。したがって、試料Sの乾燥を防ぐことができる。さらに、気化熱によって試料Sが凍結することを防ぐことができる。また、試料Sは0℃以上1℃以下に冷却されている。そのため、試料室2の圧力が650Paになっても、試料Sの水分が液相を保つことができる。
次に、図11に示すように、水分保持材20で覆われた試料Sの所定の領域(上面)を露出させる(ステップS106)。本工程では、試料Sと水分保持材20とを相対的に移動させて、試料Sの上面を露出させる。具体的には、試料支持部10によって試料Sが固定された状態で、保持部移動機構42によって水分保持材20を移動させることで、試料Sの上面を露出させる。
以上の工程により、試料Sを試料室2に導入することができる。
試料ステージ102および試料ステージ102を用いた試料導入方法では、上述した試料ステージ100および試料ステージ100を用いた試料導入方法と同様の作用効果を奏することができる。
2. 第2実施形態
2.1. 試料ステージ
次に、第2実施形態に係る試料ステージについて、図面を参照しながら説明する。図12は、第2実施形態に係る試料ステージ200の構成を模式的に示す図である。なお、図12は、試料ステージ200が走査電子顕微鏡の試料室2に収容されている状態を図示している。以下、第2実施形態に係る試料ステージ200において、第1実施形態に係る試料ステージ100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
試料ステージ200は、図12に示すように、試料支持部10と、水分保持材20と、移動機構40X,40Y,40Zと、規制部210と、を含む。
水分保持材20は、シート状であり、例えば、ろ紙である。ろ紙に水をしみこませるこ
とで、水分を保持することができる。水分保持材20は、図示の例では、試料Sの上面および側面を覆っている。水分保持材20は、シート状であるため、試料Sを容易に覆うことができる。
規制部210は、試料支持部10で支持された試料Sの所定の領域(上面および側面)を覆った水分保持材20が、試料支持部10の移動に伴って移動することを規制するための部材である。図12に示す例では、規制部210は、試料室2の壁部3と水分保持材20とを繋ぐ糸状の部材である。規制部210は、一端が壁部3に接続され、他端が水分保持材20に接続されている。規制部210は、例えば、糸や針金等である。
規制部(糸)210は、図12に示す試料支持部10が第1位置P1に位置しているときに、当該糸が張った状態になるように設置されている。これにより、試料支持部10が第2位置P2に移動したときに、水分保持材20が規制部210によって引っ張られることで水分保持材20の移動が規制され、水分保持材20で覆われていた試料Sの上面および側面が露出する。
2.2. 試料導入方法
次に、第2実施形態に係る試料ステージ200を用いた試料導入方法について図面を参照しながら説明する。図13は、水分保持材20で覆われた試料Sの所定の領域(上面および側面)を露出させる工程(図4に示すステップS106)を模式的に示す図である。以下、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、上述した第1実施形態と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
まず、図12に示すように、試料Sを試料支持部10に取り付ける(ステップS100)。このとき、試料支持部10は、第1位置P1に位置している。
次に、試料Sの所定の領域(上面および側面)を水分保持材20で覆う(ステップS102)。具体的には、シート状の水分保持材20を、試料S上に覆いかぶせる。
次に、水分保持材20に規制部210を取り付ける。具体的には、規制部210の一端を試料室2の壁部3に接続(固定)し、他端を水分保持材20に接続する。なお、予め水分保持材20に規制部210の一端を縫いつけておき、水分保持材20で試料Sを覆った後に、規制部210の他端を試料室2の壁部3に接続してもよい。
次に、試料室2を真空排気する(ステップS104)。真空排気装置は、試料室2の圧力が650Pa程度で安定するように試料室2を排気する。
試料室2を真空排気する工程では、試料Sの上面および側面は、水分保持材20で覆われている。そのため、試料Sの水分の蒸発を抑制することができる。したがって、試料Sの乾燥を防ぐことができる。さらに、気化熱によって試料Sが凍結することを防ぐことができる。また、試料Sは0℃以上1℃以下に冷却されている。そのため、試料室2の圧力が650Paになっても、試料Sの水分が液相を保つことができる。
次に、図13に示すように、水分保持材20で覆われた試料Sの所定の領域(上面および側面)を露出させる(ステップS108)。本工程では、試料Sと水分保持材20とを相対的に移動させて、試料Sの上面および側面を露出させる。具体的には、X移動機構40Xによって試料支持部10を第1位置P1から第2位置P2に移動させる。このとき、水分保持材20は規制部210によって引っ張られることで移動が規制されるため、水分保持材20が試料Sから外れて、水分保持材20で覆われていた試料Sの上面および側面が露出する。
以上の工程により、試料Sを試料室2に導入することができる。
試料ステージ200では、規制部210によって、試料Sの所定の領域(上面および側面)を覆った水分保持材20が試料支持部10の移動に伴って移動することを規制することができるため、上述のように、試料Sの所定の領域を水分保持材20で覆った状態から、試料Sの所定の領域を露出させた状態にすることができる。したがって、試料ステージ200では、試料Sを試料室2に導入する際には、試料Sの所定の領域を水分保持材20で覆って水分の蒸発を抑制して試料Sの乾燥、凍結を防ぐことができ、試料Sの観察または分析を行う際には、試料Sの所定の領域を露出させて観察または分析を行うことができる。
図14〜図16は、水を含み膨張した吸水性ポリマーをSEM観察した結果を示すSEM写真である。
図14に示すSEM写真は、水を含み膨張した吸水性ポリマーを冷却試料ステージ(0℃)に取り付け、水を含ませたろ紙で吸水性ポリマーを覆い、試料室を真空排気して試料室の真空度を650Paとし、ろ紙を外して吸水性ポリマー表面を露出させてSEM観察を行った結果の写真である。
図15に示すSEM写真は、水を含み膨張した吸水性ポリマーを試料ステージに取り付け、そのまま試料室を真空排気して試料室の真空度を650Paとし、SEM観察を行った結果の写真である。
図16に示すSEM写真は、水を含み膨張した吸水性ポリマーを冷却試料ステージ(0℃)に取り付け、そのまま試料室を真空排気して試料室の真空度を650Paとし、SEM観察を行った結果の写真である。
図15に示すSEM写真では、吸水性ポリマーの水分が完全に抜けて吸水性ポリマーが乾燥してしまっている様子が観察された。
また、図16に示すSEM写真では、吸水性ポリマーの水分は多少残っているものの、吸水性ポリマーの表面は乾燥し、凍結している様子が観察された。
これに対して、図14に示すSEM写真では、吸水性ポリマーの表面の水分が液相のまま観察された。また、図14に示すSEM写真から、吸水性ポリマーの水分の凍結が起こっていないことが確認できた。
3. 第3実施形態
3.1. 試料ステージ
次に、第3実施形態に係る試料ステージについて図面を参照しながら説明する。図17は、第3実施形態に係る試料ステージ300の構成を模式的に示す図である。なお、図17は、試料ステージ300が走査電子顕微鏡の試料室2に収容されている状態を図示している。以下、第3実施形態に係る試料ステージ300において、第1実施形態に係る試料ステージ100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
試料ステージ300は、図17に示すように、試料支持部10と、水分保持材20と、移動機構40X,40Y,40Zと、マニピュレーター310と、を含む。
マニピュレーター310は、試料室2内に配置される。マニピュレーター310は、外部から操作が可能である。マニピュレーター310によって、水分保持材20を移動させることができる。
3.2. 試料導入方法
次に、第3実施形態に係る試料ステージ300を用いた試料導入方法について図面を参照しながら説明する。図18は、水分保持材20で覆われた試料Sの所定の領域(上面および側面)を露出させる工程(図4に示すステップS106)を模式的に示す図である。以下、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、上述した第1実施形態と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
まず、図17に示すように、試料Sを試料支持部10に取り付ける(ステップS100)。
次に、試料Sの所定の領域(上面および側面)を水分保持材20で覆う(ステップS102)。本工程では、シート状の水分保持材20を、試料S上に覆いかぶせる。
次に、試料室2を真空排気する(ステップS104)。真空排気装置は、試料室2の圧力が650Pa程度で安定するように試料室2を排気する。
試料室2を真空排気する工程では、試料Sの上面および側面は、水分保持材20で覆われている。そのため、試料Sの水分の蒸発を抑制することができる。したがって、試料Sの乾燥を防ぐことができる。さらに、気化熱によって試料Sが凍結することを防ぐことができる。また、試料Sは0℃以上1℃以下に冷却されている。そのため、試料室2の圧力が650Paになっても、試料Sの水分が液相を保つことができる。
次に、図18に示すように、水分保持材20で覆われた試料Sの所定の領域(上面および側面)を露出させる(ステップS108)。本工程では、マニピュレーター310によって水分保持材20を試料S上から取り除いて、試料Sの上面および側面を露出させる。
以上の工程により、試料Sを試料室2に導入することができる。
第3実施形態に係る試料ステージ300を用いた試料導入方法では、上述した第1実施形態に係る試料ステージ100を用いた試料導入方法と同様の作用効果を奏することができる。
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態に係る荷電粒子線装置について図面を参照しながら説明する。図19は、第4実施形態に係る荷電粒子線装置1000の構成を模式的に示す図である。
荷電粒子線装置1000は、本発明に係る試料ステージを含む。ここでは、本発明に係る試料ステージとして上述した試料ステージ100を用いた例について説明する。
荷電粒子線装置1000は、図19に示すように、電子線源1010と、光学系1020と、走査偏向器1030と、試料ステージ100と、二次電子検出器1040と、放射線検出器1050と、を含む。なお、図19では、試料室2の壁部3の図示を省略している。
荷電粒子線装置1000は、電子線源1010で発生した電子線E1を光学系1020で絞って電子プローブとし、当該電子プローブで試料S表面を走査したときに電子プロー
ブの照射点から放出される二次電子を二次電子検出器1040で検出して画像化する装置である。また、荷電粒子線装置1000では、電子線E1を試料Sに照射した際に発生する特性X線をエネルギー分散型の放射線検出器1050にて検出して、そのX線をエネルギーで弁別し、スペクトルを得ることができる。すなわち、荷電粒子線装置1000は、エネルギー分散型のX線検出器を備えた走査電子顕微鏡である。
荷電粒子線装置1000は、試料室2の真空度が数十Pa〜数百Pa程度で観察や分析を行うことが可能な装置である。すなわち、荷電粒子線装置1000は、いわゆる低真空SEMである。
電子線源1010は、電子線(荷電粒子線)E1を発生させる。電子線源1010は、例えば、公知の電子銃であり、陰極から放出された電子を陽極で加速して電子線E1を放出する。電子線源1010として用いられる電子銃は特に限定されず、例えば熱電子放出型や、熱電界放出型、冷陰極電界放出型などの電子銃を用いることができる。
光学系1020は、電子線源1010で発生した電子線E1を試料Sに照射する。光学系1020は、集束レンズ1022と、対物レンズ1024と、を含んで構成されている。
集束レンズ1022は、電子線源1010の後段(電子線E1の下流側)に配置されている。集束レンズ1022は、電子線E1を集束させるためのレンズである。
対物レンズ1024は、集束レンズ1022の後段に配置されている。対物レンズ1024は、試料Sの直前に置かれた最終段の電子プローブ形成レンズである。対物レンズ1024は、コイル1024aと、ヨーク1024bと、ポールピース1024cと、を含んで構成されている。対物レンズ1024では、コイル1024aで作られた磁力線を、鉄などの透磁率の高い材料で作られたヨーク1024bに閉じ込め、ヨーク1024bの一部に切欠き(レンズギャップ)を作ることで、高密度に分布した磁力線を光軸上に漏洩させる。この切欠き部分はポールピース1024cによって構成されている。図示の例では、試料Sは、ポールピース1024cの外側に配置されている。
走査偏向器(走査コイル)1030は、集束レンズ1022と対物レンズ1024との間に配置されている。走査偏向器1030は、例えば、集束レンズ1022および対物レンズ1024で集束された電子線E1を試料S上で走査するための電磁コイルである。走査偏向器1030は、電子線E1を偏向させることで、電子線E1を試料S上で走査することができる。走査偏向器1030は、走査信号生成部(図示せず)からの走査信号に基づいて、電子線E1の走査を行う。
試料ステージ100は、試料Sを支持し、試料Sを移動させることができる。試料ステージ100は、X移動機構40XおよびY移動機構40Yによって試料Sを水平方向に移動させることができ、Z移動機構40Zによって試料Sを垂直方向に移動させることができる。また、試料ステージ100では、上述したように、試料Sを試料室2に導入する際には、試料Sの所定の領域を水分保持材20で覆って水分の蒸発を抑制して試料Sの乾燥、凍結を防ぐことができ、試料Sの観察または分析を行う際には、試料Sの所定の領域を露出させて観察または分析を行うことができる。
二次電子検出器1040は、電子線E1が照射されることにより試料Sから放出された二次電子を検出する。二次電子検出器1040は、例えば、シンチレーターおよび光電子増倍管を含んで構成されている。二次電子検出器1040で検出された二次電子の検出信号(強度信号)は、電子線E1の走査信号と同期された画像データとして、記憶部(図示
せず)に記憶される。この画像データにより、試料Sの走査電子像(SEM像)が生成される。
放射線検出器1050は、電子線E1が照射されることによって試料Sから発生する特性X線(放射線)を検出する。放射線検出器1050は、エネルギー分散型のX線検出器である。放射線検出器1050は、例えば、シリコンドリフト検出器(silicon−drift detector、SDD)を含んで構成されている。
荷電粒子線装置1000では、試料ステージ100を含むため、試料室2に試料Sを導入する際に、試料Sの乾燥、凍結を防ぐことができる。したがって、荷電粒子線装置1000では、試料Sを、乾燥させたり凍結させたりすることなく、水分を保った状態で観察または分析を行うことができる。したがって、荷電粒子線装置1000では、含水試料を本来の状態に近い状態で観察または分析することができる。
なお、ここでは、荷電粒子線装置1000がエネルギー分散型の放射線検出器を備えた走査電子顕微鏡である例について説明したが、本発明に係る荷電粒子線装置1000はこれに限定されず、例えば、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)であってもよい。
5. 第5実施形態
5.1. 荷電粒子線装置
次に、第5実施形態に係る荷電粒子線装置について図面を参照しながら説明する。図20は、第5実施形態に係る荷電粒子線装置2000の要部を模式的に示す図である。以下では、上述した試料ステージ100および荷電粒子線装置1000の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
荷電粒子線装置2000は、図20に示すように、試料ステージ400と、水分保持材収容室4と、を含んで構成されている。
水分保持材収容室4は、水分保持材20を収容するための空間である。水分保持材収容室4は、試料室2に仕切り弁5を介して接続されている。仕切り弁5を開いた場合、水分保持材収容室4は試料室2に連通し、仕切り弁5を閉じた場合、水分保持材収容室4は密閉された空間となる。水分保持材収容室4は、水分保持材ホルダー32に保持された水分保持材20を気密に収容することができる。水分保持材収容室4に水分保持材20を収容することで、試料室2から水分保持材20を退避させることができる。
試料ステージ400は、保持部移動機構42を含んで構成されている。保持部移動機構42は、図20に示すように、外部から水分保持材収容室4内および試料室2内に延びるロッドで構成されている。ロッドの先端には水分保持材ホルダー32が接続されており、外部からロッドを操作することにより、水分保持材ホルダー32を試料室2から水分保持材収容室4に移動させたり、水分保持材収容室4から試料室2に移動させたりすることができる。なお、保持部移動機構42の構成は、水分保持材ホルダー32を試料室2と水分保持材収容室4との間で移動させることができれば、特に限定されない。
5.2. 試料導入方法
次に、第5実施形態に係る荷電粒子線装置2000を用いた試料導入方法について図面を参照しながら説明する。図21は、第5実施形態に係る荷電粒子線装置2000を用いた試料導入方法の一例を示すフローチャートである。図22〜図25は、荷電粒子線装置2000を用いた試料導入工程を模式的に示す図である。
まず、図22に示すように、試料Sを試料支持部10に取り付ける(ステップS200)。このとき、試料室2および水分保持材収容室4は、大気圧である。また、試料支持部10は、冷却部50によって0℃以上1℃以下程度に冷却されている。これにより、試料支持部10に支持された試料Sが冷却される。
次に、水分保持材20を水分保持材ホルダー32に取り付け、水分保持材20が取り付けられた水分保持材ホルダー32を保持部移動機構42(ロッド)に取り付ける(ステップS202)。
次に、図23に示すように、試料Sの上面および側面(所定の領域)を水分保持材20で覆う(ステップS204)。図示の例では、ステージ移動機構40X,40Y,40Zを用いて試料Sを水分保持材ホルダー32の移動可能な範囲に移動させた後、保持部移動機構42を用いて水分保持材20を試料S上に移動させて、試料Sを水分保持材20で覆う。本工程では、試料Sを試料支持部10に取り付けた際に、試料Sの露出している領域(試料Sの上面および側面)を、水分保持材20で覆う。
次に、試料室2を真空排気する(ステップS206)。試料室2の真空排気は、試料室2に接続された真空排気装置によって行われる。真空排気装置は、試料室2の圧力が650Pa程度で安定するように試料室2を排気する。このとき、仕切り弁5は開いており、水分保持材収容室4も真空排気される。
試料室2を真空排気する工程では、試料Sの上面および側面は、水分保持材20で覆われている。そのため、試料Sの水分の蒸発を抑制することができる。したがって、試料Sの乾燥を防ぐことができる。さらに、気化熱によって試料Sが凍結することを防ぐことができる。また、試料Sは0℃以上1℃以下に冷却されている。そのため、試料室2の圧力が650Paになっても、試料Sの水分が液相を保つことができる。
次に、図24に示すように、水分保持材20で覆われた試料Sの上面および側面(所定の領域)を露出させ(ステップS208)、水分保持材収容室4に水分保持材20を収容する(ステップS210)。
具体的には、まず、保持部移動機構42を操作して試料Sを覆っていた水分保持材20を移動させて、試料Sの上面および側面を露出させる。そして、水分保持材20を水分保持材収容室4に移動させる。次に、仕切り弁5を閉じて、水分保持材20を水分保持材収容室4に収容する。水分保持材20を水分保持材収容室4に収容することにより、水分保持材20の水分が蒸発して試料Sに水分が供給されることを防ぐことができる。
以上の工程により、試料Sを試料室2に導入することができる。
試料Sの上面および側面が露出された後、電子線が試料Sの上面に照射される。そして、試料Sから発生した二次電子や、特性X線を検出することで、SEM観察や元素分析を行うことができる。
なお、ステップS210の後に、仕切り弁5を開くことにより、試料Sから蒸発した水分を試料Sに供給することができる。このように、荷電粒子線装置2000では、試料室2が所定の圧力に維持された状態においても、仕切り弁5の開閉によって、試料Sの水分量を調整することができる。そのため、観察や分析の際に、必要に応じて試料Sに水分を供給することができる。
また、図25に示すように、仕切り弁5を開いた後、保持部移動機構42により水分保
持材20を試料Sの近傍に配置することで、例えば仕切り弁5を開いただけの場合(すなわち、水分保持材収容室4に水分保持材20が配置されている状態)と比べて、単位時間あたりに試料Sに供給される水分量を増やすことができる。
荷電粒子線装置2000では、試料Sが導入される試料室2と仕切り弁5を介して接続され、水分保持材20を収容可能な水分保持材収容室4を含むため、観察や分析の際に、水分保持材20から蒸発した水分が試料Sに供給されることを防ぐことができる。また、荷電粒子線装置2000では、仕切り弁5を操作することにより、所望のタイミングで試料Sに水分を供給することができるとともに、試料Sに供給される水分量を調整することができる。さらに、荷電粒子線装置2000では、水分保持材20の水分を排気することによる、真空排気装置のダメージを低減することができる。
また、荷電粒子線装置2000を用いた試料導入方法では、水分保持材20を試料室2と仕切り弁5を介して接続された水分保持材収容室4に収容する工程(ステップS210)を含むため、観察や分析の際に、水分保持材20から蒸発した水分が試料Sに供給されることを防ぐことができる。さらに、水分保持材20の水分を排気することによる、真空排気装置のダメージを低減することができる。
また、荷電粒子線装置2000を用いた試料導入方法では、水分保持材20を水分保持材収容室4から試料室2に移動させて、水分保持材20の水分を蒸発させて試料Sに水分を供給する工程を含むため、観察や分析の際に、試料Sに水分を補給することができる。
5.3. 変形例
次に、第5実施形態に係る荷電粒子線装置の変形例について図面を参照しながら説明する。図26は、第5実施形態の変形例に係る荷電粒子線装置2002の構成を模式的に示す図である。以下、第5実施形態の変形例に係る荷電粒子線装置2002において、上述した荷電粒子線装置2000の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
荷電粒子線装置2002は、図26に示すように、水分保持材収容室4を真空排気するための真空排気装置2010を含んで構成されている。荷電粒子線装置2002では、真空排気装置2010によって水分保持材収容室4を試料室2とは独立して真空排気することができる。
また、荷電粒子線装置2002では、水分保持材収容室4には、水分保持材20を取り出すための扉部6が設けられている。
荷電粒子線装置2002では、水分保持材収容室4を真空排気するための真空排気装置2010を含むため、試料室2を所定の圧力(例えば650Pa)に保った状態で、水分保持材20の交換や、水分保持材20への水分の補給を行うことができる。
ここで、荷電粒子線装置2002における水分保持材20の交換方法の一例について説明する。まず、真空排気装置により真空排気されて所定の圧力に保たれた試料室2内に配置されていた水分保持材20を水分保持材収容室4に移動させる。次に、仕切り弁5を閉じて水分保持材20を水分保持材収容室4に収容する。次に、水分保持材収容室4を大気開放し、扉部6を開いて、水分保持材20を取り出す。そして、水分保持材20の交換(水分保持材20への水分の補給等)を行った後、水分保持材20を水分保持材収容室4に収容する。水分保持材20が収容された水分保持材収容室4を真空排気装置2010によって真空排気し、仕切り弁5を開くことで、試料室2に再び水分保持材20を導入することができる。
6. 第6実施形態
次に、第6実施形態に係る荷電粒子線装置について図面を参照しながら説明する。図27は、第6実施形態に係る荷電粒子線装置3000の要部を模式的に示す図である。なお、以下では、上述した試料ステージ100,400および荷電粒子線装置1000,2000の例と異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
上述した荷電粒子線装置2000では、図24に示すように、水分保持材20を水分保持材収容室4に収容することにより、水分保持材20の水分が蒸発して試料Sに水が供給されることを防いでいた。
これに対して、荷電粒子線装置3000では、図27に示すように、容器3010に水分保持材20を収容することにより、水分保持材20の水分が蒸発して試料Sに水が供給されることを防ぐことができる。
容器3010は、水分保持材ホルダー32と、蓋部材36と、を含んで構成されている。蓋部材36は、壁部3に接続(固定)されている。蓋部材36は、水分保持材ホルダー32とともに、水分保持材20を気密に収容する容器3010を構成している。図示の例では、蓋部材36は、板状の部材であり、水分保持材ホルダー32が蓋部材36上に配置されたときに、水分保持材ホルダー32の凹部を塞ぐように構成されている。そのため、容器3010は、水分保持材20を気密に収容することができる。なお、容器3010は、水分保持材20を気密に収容することができればその構成は特に限定されない。
図28は、荷電粒子線装置3000の要部を模式的に示す図であり、水分保持材20で試料Sを覆った状態を図示している。
荷電粒子線装置3000では、保持部移動機構42を操作して水分保持材20を移動させることで、図27に示すように、水分保持材20を容器3010に収容したり、図28に示すように、水分保持材20で試料Sを覆ったりすることができる。
なお、図27に示す例では、蓋部材36が水分保持材ホルダー32の凹部の開口の全部を塞ぐように蓋部材36が配置されているが、図示はしないが、蓋部材36が水分保持材ホルダー32の凹部の開口の一部を塞ぐように蓋部材36を配置してもよい。水分保持材ホルダー32の凹部の開口を塞ぐ程度によって、水分保持材20から蒸発して試料Sに供給される水分量を調整することもできる。
荷電粒子線装置3000を用いた試料導入方法では、上述した図21に示す荷電粒子線装置2000を用いた試料導入方法と、ステップS210の工程が異なる。具体的には、上述した荷電粒子線装置2000を用いた試料導入方法では、ステップS210において、水分保持材収容室4に水分保持材20を収容しているのに対して、荷電粒子線装置3000を用いた試料導入方法では、試料室2において容器3010に水分保持材20を収容する。荷電粒子線装置3000を用いた試料導入方法のその他の工程は、図21に示す荷電粒子線装置2000を用いた試料導入方法と同様でありその説明を省略する。
荷電粒子線装置3000を用いた試料導入方法は、水分保持材20で覆われた試料Sの所定の領域を露出させる工程の後に、試料室2において、水分保持材20を容器3010に収容する工程を含むため、観察や分析の際に、水分保持材20から蒸発した水分が試料Sに供給されることを防ぐことができる。さらに、水分保持材20の水分を排気することによる、真空排気装置のダメージを低減することができる。
6.2. 変形例
次に、第6実施形態に係る荷電粒子線装置の変形例について図面を参照しながら説明する。図29および図30は、第6実施形態の変形例に係る荷電粒子線装置3002の構成を模式的に示す図である。なお、図29は、水分保持材20を容器3010に収容した状態を図示し、図30は、水分保持材20で試料Sを覆った状態を図示している。以下、第6実施形態の変形例に係る荷電粒子線装置3002において、上述した荷電粒子線装置3000の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した荷電粒子線装置3000では、図27および図28に示すように、保持部移動機構42を操作して水分保持材20を移動させることで、水分保持材20を容器3010に収容したり、水分保持材20で試料Sを覆ったりしていた。
これに対して、荷電粒子線装置3002は、図29および図30に示すように、蓋部材移動機構3020を操作して蓋部材36を移動させることで、水分保持材20を容器3010に収容したり、水分保持材20で試料Sを覆ったりすることができる。
蓋部材移動機構3020は、試料室2内において蓋部材36を移動させる。蓋部材移動機構3020は、例えば、外部から試料室2内に延びるロッドで構成されている。ロッドの先端には蓋部材36が接続されており、外部からロッドを操作することにより、蓋部材36を移動させることができる。なお、蓋部材移動機構3020の構成は、蓋部材36を試料室2内において移動させることができれば、特に限定されない。
水分保持材ホルダー32は、ホルダー支持部材34によって固定されている。
荷電粒子線装置3002では、蓋部材移動機構3020を操作して蓋部材36を移動させることで、図29に示すように、水分保持材20を容器3010に収容したり、図30に示すように、水分保持材20で試料Sを覆ったりすることができる。
荷電粒子線装置3002および荷電粒子線装置3002を用いた試料導入方法では、上述した荷電粒子線装置3000および荷電粒子線装置3000を用いた試料導入方法と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…試料室、3…壁部、4…水分保持材収容室、5…仕切り弁、6…扉部、10…試料支持部、20…水分保持材、30…保持部、32…水分保持材ホルダー、34…ホルダー支持部材、36…蓋部材、40X…X移動機構、40Y…Y移動機構、40Z…Z移動機構、42…保持部移動機構、50…冷却部、100,102,200…試料ステージ、210…規制部、300…試料ステージ、310…マニピュレーター、400…試料ステージ、1000…荷電粒子線装置、1010…電子線源、1020…光学系、1022…集束レンズ、1024…対物レンズ、1024a…コイル、1024b…ヨーク、1024c…ポールピース、1030…走査偏向器、1040…二次電子検出器、1050…放射線検出器、2000,2002…荷電粒子線装置、2010…真空排気装置、3000,3
002…荷電粒子線装置、3010…容器、3020…蓋部材移動機構

Claims (12)

  1. 荷電粒子線装置の試料室に水を含む試料を導入するための試料導入方法であって、
    前記試料を試料支持部に取り付ける工程と、
    前記試料の所定の領域を水分保持材で覆う工程と、
    前記所定の領域が前記水分保持材で覆われた前記試料が収容された前記試料室を真空排気する工程と、
    前記水分保持材で覆われた前記所定の領域を露出させる工程と、
    を含む、試料導入方法。
  2. 請求項1において、
    前記所定の領域を露出させる工程では、前記試料と前記水分保持材とを相対的に移動させて、前記所定の領域を露出させる、試料導入方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記所定の領域を露出させる工程では、前記試料支持部を移動させて、前記所定の領域を露出させる、試料導入方法。
  4. 請求項1または2において、
    前記所定の領域を露出させる工程では、前記水分保持材を移動させて、前記所定の領域を露出させる、試料導入方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記試料室を真空排気する工程では、前記試料は冷却される、試料導入方法。
  6. 荷電粒子線装置用の試料ステージであって、
    試料を支持する試料支持部と、
    前記試料の所定の領域を覆う水分保持材を保持可能な保持部と、
    前記試料支持部または前記保持部を移動させる移動機構と、
    を含み、
    前記移動機構は、前記試料と前記水分保持材とを相対的に移動させて前記水分保持材に覆われた前記所定の領域が露出するように前記試料支持部または前記保持部を移動させる、試料ステージ。
  7. 荷電粒子線装置用の試料ステージであって、
    試料を支持する試料支持部と、
    前記試料支持部を移動させる移動機構と、
    前記試料の所定の領域を覆う水分保持材が前記試料支持部の移動に伴って移動することを規制する規制部と、
    を含む、試料ステージ。
  8. 請求項6または7に記載の試料ステージを含む、荷電粒子線装置。
  9. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記所定の領域を露出させる工程の後に、前記水分保持材を前記試料室と仕切り弁を介して接続された水分保持材収容室に収容する工程を含む、試料導入方法。
  10. 請求項9において、
    前記水分保持材を前記水分保持材収容室から前記試料室に移動させ、前記試料室において前記水分保持材の水分を蒸発させて前記試料に水分を供給する工程を含む、試料導入方法。
  11. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記所定の領域を露出させる工程の後に、前記試料室において、前記水分保持材を容器に収容する工程を含む、試料導入方法。
  12. 請求項6または7に記載の試料ステージと、
    前記試料が導入される試料室と仕切り弁を介して接続され、前記水分保持材を収容可能な水分保持材収容室と、
    を含む、荷電粒子線装置。
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