JP6495134B2 - 器具固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、壁材に形成された壁穴に壁表から挿入されて、当該壁材に取付けられる器具固定具に関するものである。
上記構成の器具固定具の一種である配線ボックスとして、特許文献1に開示のものが知られている。この配線ボックスは、ボックス本体に対して進退することなく回転可能に支持されたビスの回転により、壁材の裏面の側に引き寄せられる一ないし複数対の挟持片を備え、当該挟持片と、ボックス本体の前面開口の側に設けられた挟持鍔部との間で壁材を表裏から挟持することで、当該壁材にボックス本体を取付けている。
壁材の壁穴から壁裏にボックス本体を挿入する際には、前記挟持片は、ボックス本体内の退避位置に収容されることで、壁表から壁穴内に挿入可能になっていて、壁裏にボックス本体が配置された状態で、ビスの回動により、所定角度だけ当該ビスと連れ回りすることで、挟持片がボックス本体外の挟持可能位置まで突出されて、挟持片当接案内部に当接することで、挟持片の更なる連れ回りが防止される。引き続いてビスを連続回転させることで、当該挟持片は、挟持片当接案内部材により、壁材の側に引き寄せられて当該壁材を押圧し、ボックス本体は、一ないし複数対の当該挟持片と、自身の開口周縁に設けられた挟持鍔部とにより壁材を表裏から挟持することで、当該壁材に固定される。
特許文献1に示されるように、従来の配線ボックスでは、ビスに螺合された挟持片は、ボックス本体の周壁の底壁に近接した部分に設けられた1つの出入り開口を通して、ボックス本体内の退避位置とボックス本体側の挟持可能位置との間において出入りする構成になっている。「複数個用」の配線ボックスは、全体重量が大きくなるために、計4個の全ての角部のみならず、上下の各横壁部にも上下方向に対向して挟持片が配置されることで、二対以上の挟持片を備え、「1個用」の配線ボックスにおいては、全ての角部又は対角線方向に沿った2つの角部に一対又は二対の挟持片が配置されていることが多く、電気配線作業において、挟持片を壁裏まで引き寄せるためのビスの総本数は、多大となる。
一方、挟持片は、ビスの回転により、ボックス本体の底壁の部分から壁裏まで引き寄せる必要があり、その引寄せ移動距離、即ち、ビスの総回転数が多くなり、上記したように、一箇所の電気配線現場における配線ボックスの数の多さと相俟って、壁材に対する配線ボックスの取付け作業に要する作業時間を長くしていると共に、ビスの回転のための労力も大きかった。特に、特許文献2に示されるような「深型」の配線ボックスにおいては、ボックス本体の底壁の部分から壁裏までの挟持片の引寄せ移動距離が一層に長くなるために、上記不具合は、一層に顕著であった。
特開2006−60888号公報 特開2007−228651号公報
本発明は、ビスの回転により壁裏の挟持片を壁材の側に引き寄せて、当該壁材に対して固定する配線ボックス、配線器具枠を含む器具固定具において、固定具本体に設けられた複数本のビスの総回転数を少なくして、即ち、挟持片の初期位置から挟持位置までの引寄せ距離(移動距離)を短くして、壁材に対して固定具本体を迅速に取付けられるようにすることを課題としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、器具を固定するための器具固定部を有する固定具本体を備え、壁材に形成された壁穴に、壁表から挿入されて当該壁材に固定される器具固定具であって、
前記固定具本体は、
前記壁穴から壁裏に挿入された固定具本体を壁穴周縁に掛けるために、当該固定具本体の開口側端部に外側に向けて設けられた挟持鍔部と、
壁表側から操作可能であって、しかも回転により当該固定具本体に進退不能に支持されるビスと、
前記壁材を裏面側から挟持不能であって、しかも前記壁穴に対する固定具本体の挿入時に当該壁穴周縁と干渉しない退避位置と、前記壁材を壁裏側から挟持可能な挟持可能位置との間において、前記ビスの回動により連れ回り可能であると共に、前記挟持可能位置において連れ回りを規制することで、当該ビスの回転により前記壁材の裏側まで引き寄せられて、前記挟持鍔部と協働して前記壁材を挟持する1ないし複数の挟持片と、
前記ビスの回動により挟持可能位置に連れ回された前記挟持片を当接させることで、更なる連れ回りを規制すると共に、前記ビスの回転により、当該連れ回りを規制された挟持可能位置の挟持片を壁材の裏面まで案内する挟持片当接案内部と、
を備え、
前記固定具本体には、前記挟持片を前記退避位置に配置可能な挟持片退避部が設けられることで、当該挟持片は、前記ビスの軸方向に沿って異なる位置に設けられた複数の退避位置において、当該ビスの回動により、退避位置から挟持可能位置まで連れ回り可能であることを特徴としている。
請求項1の作用を説明する前に、本発明の技術的範囲を正確に定めるべく、本発明の特定に用いられる「基本用語」を、以下のように定義する。
「挟持片」とは、固定具本体の開口側端部に外側に向けて突設された挟持鍔部と協働して、壁材に対して固定具本体を取付けるために、当該固定具本体に対して回転により進退不能に支持されたビスに螺合される部材を指す。
挟持片の「退避位置」とは、壁表から固定具本体を壁穴に挿通させて、壁裏に配置させる際に、当該挟持片が壁穴の周縁部と干渉しないように配置される位置を指し、固定具本体の正面視において、当該固定具本体の外形線から内部に入り込んでいる挟持片の位置を指す。
挟持片の「挟持可能位置」とは、固定具本体が壁穴に配置された状態で、前記「退避位置」の挟持片がビスの回動により設定角度だけ連れ回されて、挟持片当接案内部に当接することで、更なる連れ回りが防止される連れ回り回動方向に沿った特定位置を指し、当該特定位置から挟持片を壁材側に引き寄せて、当該壁材裏面に押圧させることで、壁材を挟持可能となる位置であって、固定具本体の正面視において、挟持片は、当該固定具本体の外形線から外部に突出している。
挟持片の「挟持位置」とは、挟持片の前記「挟持可能位置」からビスの回転により、当該挟持片の連れ回りが阻止された状態で、当該挟持片を壁材の側に引き寄せて、当該挟持片を壁材に押圧させることで、固定具本体の挟持鍔部と協働して、壁材に対して壁裏から固定具本体を挟持する挟持片が壁材に最も近接した位置を指す。
「挟持片退避部」とは、挟持片を固定具本体と干渉することなく前記「退避位置」に退避可能とするために、固定具本体に設けられた開口部、凹部等を指し、挟持片が前記「退避位置」に配置される空間とも言える。
請求項1の発明によれば、固定具本体に対する挟持片のビスの軸方向に沿った挟持片の複数の退避位置のうち、当該挟持片は、壁材の壁厚に対応させて、最も引込み距離が短い退避位置に配置されている。この状態では、固定具本体に対して挟持片は、壁穴に対する固定具本体の挿入時において、当該壁材と干渉しない退避位置に配置されているため、壁材の壁表側において、当該壁材に形成された壁穴に対して固定具本体が挿入可能となって、固定具本体の大部分が壁裏に挿入配置された状態で、当該固定具本体の側壁の開口側端部に外側に向けて設けられた挟持鍔部が、壁材の壁表における壁穴の周縁部に掛けることで、壁穴に対する固定具本体の挿入が阻止されて、壁材の壁穴の部分に固定具本体が仮保持される。
上記の状態で、壁表側において、ドライバー等の回転工具を用いて固定具本体に支持されたビスを回転させると、最初の1回転以内において、固定具本体の退避位置に配置されている挟持片は、当該ビスの回動(1回転以内の回転状態を指す)により当該ビスと一体となって、挟持片当接案内部に当接するまで連れ回され、当該当接後においては、ビスの回転により挟持片は、前記挟持片当接案内部により連れ回り回動が阻止されるために、当該挟持片当接案内部に案内されながら、壁材の側に引き寄せられる。挟持片が壁材の側に最も引き寄せられると、当該各挟持片は、壁材の裏面に押圧されることで、固定具本体の前面側に設けられた一対の挟持鍔部と協働して、壁材を表裏両面から挟持する。これにより、壁材に対して固定具本体が取付けられる。
ここで、固定具本体に対する挟持片のビスの軸方向に沿った挟持片の複数の退避位置のうち、当該挟持片は、壁材の壁厚に対応させて、最も引込み距離が短い退避位置に配置されているため、ビスを回転させて、挟持片を壁材の側に引き寄せる際の「引寄せ距離」は、従来構造のように、固定具本体の最も奥側の底壁に近接している退避位置に挟持片が配置されている場合に比較すると、著しく短くできる。この結果、壁裏に配置された挟持片を壁材の側に引き寄せるのに要する時間が短くなり、1つの配線作業現場においては、多数の器具固定具が配置され、しかも1つの器具固定具に複数の挟持片が設けられていると、挟持片の総数は、多大であるが、1つの挟持片の引寄せ時間が短くなるために、壁表側からビスを回転させて行う壁材に対する挟持片固定具の取付け(固定)に要する時間を短くできて、配線作業の能率が高められる。また、挟持片の引寄せ距離が短くなるので、手動ドライバーの使用によっても、作業能率の低下はないか、或いは少ない。
請求項2の発明は、器具を固定するための器具固定部を有する固定具本体を備え、壁材に形成された壁穴に、壁表から挿入されて当該壁材に固定される器具固定具であって、
前記固定具本体は、
前記壁穴から壁裏に挿入された固定具本体を壁穴周縁に掛けるために、当該固定具本体の開口側端部に外側に向けて設けられた挟持鍔部と、
壁表側から操作可能であって、しかも回転により当該固定具本体に進退不能に支持されるビスと、
前記壁材を裏面側から挟持不能であって、しかも前記壁穴に対する固定具本体の挿入時に当該壁穴周縁と干渉しない退避位置と、前記壁材を壁裏側から挟持可能な挟持可能位置との間において、前記ビスの回動により連れ回り可能であると共に、前記挟持可能位置において連れ回りを規制することで、当該ビスの回転により前記壁材の裏側まで引き寄せられて、前記挟持鍔部と協働して前記壁材を挟持する1ないし複数の挟持片と、
前記ビスの回動により挟持可能位置に連れ回された前記挟持片を当接させることで、更なる連れ回りを規制すると共に、前記ビスの回転により、当該連れ回りを規制された挟持可能位置の挟持片を壁材の裏面まで案内する挟持片当接案内部と、
を備え、
前記固定具本体には、前記挟持片を前記退避位置に配置可能な挟持片退避部が設けられることで、前記挟持片は、特定の第1壁材の壁厚に対応した第1位置と、当該第1壁材よりも壁厚の厚い第2壁材の壁厚に対応していて、前記第1位置よりも前記ビスの先端側に位置する第2位置を含む複数の異なる位置において、退避位置から挟持可能位置まで連れ回り可能であることを特徴としている。
請求項1の発明は、挟持片の複数の退避位置は、固定具本体におけるビスの軸方向に沿って異なる位置に配置されているとして、請求項1に係る発明を特定しているが、請求項2の発明は、壁厚の異なる複数の壁材の当該壁厚の面から、固定具本体に対する挟持片の複数の退避位置を特定している点において、請求項1の発明とは、発明の特定方法が異なるが、発明の実質的内容は同じである。
請求項3の発明は、器具を固定するための器具固定部を有する固定具本体を備え、壁材に形成された壁穴に、壁表から挿入されて当該壁材に固定される器具固定具であって、
前記固定具本体は、
前記壁穴から壁裏に挿入された固定具本体を壁穴周縁に掛けるために、当該固定具本体の開口側端部に外側に向けて設けられた挟持鍔部と、
壁表側から操作可能であって、しかも回転により当該固定具本体に進退不能に支持されるビスと、
前記壁材を裏面側から挟持可能な挟持可能位置と挟持不能な退避位置との間において、前記ビスの回動により連れ回り可能であると共に、前記挟持可能位置において当該ビスの回転により、連れ回りを阻止されることで前記壁材の裏側まで引き寄せられて、前記挟持鍔部と協働して前記壁材を挟持する1ないし複数の挟持片と、
前記ビスの回動により挟持可能位置に連れ回された前記挟持片を当接させることで、更なる連れ回りを規制すると共に、前記ビスの回転により、当該連れ回りを規制された挟持可能位置の挟持片を壁材の裏面まで案内する挟持片当接案内部と、
を備え、
前記固定具本体には、前記挟持片を前記退避位置に配置可能な挟持片退避部が設けられることで、特定の第1壁材の壁厚に対応した前記ビスの軸方向の中間部の第1位置と、当該第1壁材よりも壁厚の厚い第2壁材の壁厚に対応していて、前記第1位置よりも前記ビスの先端側に位置する第2位置を含む複数の異なる位置において、前記挟持片は、退避位置から挟持可能位置まで連れ回り可能であることを特徴としている。
請求項3の発明も、請求項2の発明と同様に、請求項1の発明に対して同一の発明を異なる表現で特定したものである。即ち、請求項3の発明は、請求項2の発明と同様に、壁厚の異なる複数の壁材の当該壁厚の面から、固定具本体に対する挟持片の複数の退避位置を特定しているが、第2壁材よりも壁厚の薄い第1壁材に対して固定具本体を取付ける場合における挟持片の退避位置は、ビスの軸方向の中間部の第1位置に配置されているとして、請求項3に係る発明の技術的思想を特定した点において、請求項2の発明と、特定方法が異なる。なお、「挟持片」の特定方法に関しても、請求項1,2とは、僅かに異なる。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記固定具本体に設けられた挟持片退避部は、前記挟持片の退避位置の数だけ前記ビスの軸方向に沿って独立して形成されていることを特徴としている。
請求項4の発明は、固定具本体におけるビスの軸方向に沿った挟持片の複数の退避位置には、それぞれ独立した開口状又は凹状の挟持片退避部が設けられていて、固定具本体における挟持片の非退避位置には、挟持片退避部が設けられていないために、固定具本体が、例えば配線ボックスの場合には側壁の強度が、配線器具枠の場合には、所定長を有する挟持片当接案内部材の強度が、いずれも低下しない利点がある。
請求項5の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記固定具本体に設けられた挟持片退避部は、隣接する2以上の退避位置において挟持片が単一の挟持片退避部に退避可能なように、前記ビスの軸方向に沿って連続して形成されていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、壁厚の異なる複数種類の壁材に対応させて、隣接する2以上の退避位置を含む単一の挟持片退避部を備えているため、ビスの軸方向に沿った挟持片退避部の長さの範囲内において、任意の位置に挟持片の別の退避位置を設けることができると共に、壁材の壁厚に対応させて、ビスの軸方向に沿った挟持片の退避位置を変更させる場合において、挟持片が退避位置に配置させたままで変更できる。
請求項6の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、前記側壁には、ビスの軸方向に沿った異なる複数の退避位置に対応して、複数の挟持片退避開口が独立して形成されていることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1いし3のいずれかの発明において、器具固定具を配線ボックスに限定したものであり、壁表から壁材の壁穴にボックス本体を挿入する際には、当該壁材の壁厚に対応する複数の挟持片退避開口のうちの特定の一つを通して挟持片をボックス本体内に退避させておく。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記挟持片は、ビスの連れ回りにより、複数の退避位置のうち1つの退避位置から挟持可能位置に配置された後に、ビスの軸方向に移動させることで、他の退避位置への変更が可能であることを特徴としている。
請求項7の発明によれば、挟持片の各退避位置において、ビスの回転により当該挟持片が当該ビスの軸方向に移動するのを防止する壁部をボックス本体に設けることが可能となって、退避位置の挟持片が不用意にビスの軸方向に移動して、挟持片の退避位置が変更されるのを防止できる。また、退避位置において、挟持片が自由に移動できる空間部がなくなって、ボックス本体の強度が高められる。
請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかの発明において、前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、ビスの軸方向に沿った複数の挟持片の退避位置のうちの一つは、前記側壁の高さ方向に沿った中間位置よりも前記開口の側に配置されていることを特徴としている。
請求項8の発明は、ビスの軸方向に沿った複数の挟持片の退避位置のうちの一つは、前記側壁の高さ方向に沿った中間位置よりもボックス本体の開口の側に配置されていて、ボックス本体の深さの半分よりも壁厚の薄い壁材に対応させたものであって、当該壁材の裏面までの挟持片の引き寄せ距離が短くなって、挟持片を迅速に壁材裏面に押圧できて、壁材に対する配線ボックスの取付けの能率が一層に高められる。
請求項9の発明は、請求項1ないし8のいずれかの発明において、前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、
前記挟持片の前記側壁の高さ方向に沿って異なる位置に設けられた複数の退避位置の挟持片退避開口は、連続した1つの開口として接続されていることを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明を配線ボックスに限定したものであり、ビスの軸方向に沿って連続した1つの挟持片退避開口に、壁厚の異なる複数の壁材に対応させて、壁材の側への挟持片の引込み距離を最小にする当該挟持片の複数の退避位置が配置できる。
請求項10の発明は、請求項9の発明において、 前記挟持片は、退避位置において壁材に対して進退可能であることを特徴としている。
請求項10の発明によれば、挟持片は、退避位置において壁材に対して進退可能であるで、壁材の壁厚の違いにより、壁材にボックス本体を取付ける前に、挟持片の退避位置を変更する際には、ビスの連れ回り回転により当該挟持片を挟持可能位置まで突出させることなく、ビスの回転により挟持片が連れ回されないようにすることで、ボックス本体内において挟持片の退避の変更が可能となる。
請求項11の発明は、請求項1ないし10のいずれかの発明において、前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、
前記側壁には、前記挟持片をボックス本体内に収納して、複数の退避位置に配置可能にするための複数の挟持片退避開口が形成され、
特定の一つの挟持片退避開口を除いて、残りの挟持片退避開口は、除去により開口されるノックアウト構造になっていることを特徴としている。
請求項11の発明によれば、複数の挟持片退避開口のうち使用頻度の少ない退避開口をノックアウト構造にすることで、使用頻度の高い挟持片退避開口を使用する場合には、ボックス本体の側壁の強度を低下させない利点がある。
請求項12の発明は、請求項1ないし11のいずれかの発明において、
前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、
前記側壁には、前記挟持片の複数の退避位置に対応した複数の挟持片退避開口が独立して形成され、
前記挟持片は、前記挟持片を退避位置に退避させた状態で、前記側壁と干渉することなく、前記ビスの回転により進退可能であることを特徴としている。
請求項12の発明によれば、配線作業現場において、ボックス本体に設けられた複数の挟持片退避開口の間において、壁材の壁厚に対応させて、挟持片の退避位置を変更させたい場合に、ビスの連れ回り回転により、挟持片を一旦、ボックス本体の外部の挟持可能位置まで回動させることなく、ボックス本体の外側から挟持片が連れ回りされないように押さえる等することで、ボックス本体の内部において、挟持片の退避位置の変更が可能となる。
請求項13の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明において、前記器具固定具は、配線器具を取付けるための枠状の配線器具枠であって、
開口が全長に亘って形成された挟持片当接案内部材が、前記枠本体の上下の各板部の外側に一体に設けられ、
前記挟持片当接案内部材の奥側の端面部と、当該挟持片当接案内部材の長手方向の中間に周方向に沿って設けられた挟持片退避溝部とが、挟持片の異なる挟持片退避部となっていることを特徴としている。
請求項13の発明は、器具固定具が配線器具枠の場合であって、枠本体の上下の各板部の外側に一体に設けられた挟持片当接案内部材の長手方向の中間に、挟持片退避部として作用する周方向の溝部を形成するのみで、壁厚の薄い壁材に対応する挟持片の退避位置を簡単に形成できる。
請求項14の発明は、請求項1ないし13のいずれかの発明において、前記挟持片の隣接する各退避位置は、ビスの10回転による挟持片の移動距離よりも離れていることを特徴としている。
請求項14の発明は、挟持片の隣接する退避位置の間隔の程度を特定したものであり、隣接する挟持片の各退避位置が、ビスの10回転による挟持片の移動距離よりも離れていると、壁厚差の大きな複数の壁材に対して固定具本体を取付ける際に、いずれの壁材に対しても、ビスの回転数を少なくして、固定具本体の壁表側の挟持鍔部と壁裏の複数の挟持片とで、壁厚差の大きな複数の壁材に対して固定具本体を迅速に固定できる。
本発明によれば、固定具本体に対する挟持片のビスの軸方向に沿った挟持片の複数の退避位置のうち、当該挟持片は、壁材の壁厚に対応させて、最も引込み距離が短い退避位置に配置されているため、ビスを回転させて、挟持片を壁材の側に引き寄せる際の「引寄せ距離」は、従来構造のように、固定具本体の最も奥側の底壁に近接している退避位置に挟持片が配置されている場合に比較すると、著しく短くでき、この結果、壁裏に配置された挟持片を壁材の側に引き寄せるのに要する時間が短くなり、1つの配線作業現場においては、多数の器具固定具が配置され、しかも1つの器具固定具には、固定具本体の対向位置に複数の挟持片が設けられているので、挟持片の総数は、多大であるが、1つの挟持片の引寄せ時間が短くなるために、壁表側からビスを回転させて行う壁材に対する挟持片固定具の取付け(固定)に要する時間を短くできて、配線作業の能率が高められる。
本発明の実施例1の配線ボックスB1 が壁材W1 に取付ける前後の状態を示す斜視図である。 全ての挟持片A1 が挟持可能位置に配置された配線ボックスB1 の斜視図である。 全ての挟持片A1 が退避位置に配置された配線ボックスB1 の斜視図である。 配線ボックスB1 の正面図である。 配線ボックスB1 の側面図である。 図4のX−X線断面図である。 (a),(b)は、それぞれ壁厚の異なる壁材W2 ,W11に対応して、第1及び第4の各退避位置P1 ,P4 に挟持片A1 が配置されて、挟持片A1 の最小引寄せ距離により、壁材W1 ,W4 に対して配線ボックスB1 が取付け可能であることを示す配線ボックスB1 の部分側面図である。 本発明の実施例2の配線ボックスB2 の第1挟持片退避開口21’の部分の側面図である。 本発明の実施例3の配線ボックスB3 の第1及び第2の各挟持片退避開口21’,22の部分の側面図である。 第1及び第2の挟持片退避開口21,22の一方をノックアウト構造にした部分側面図である。 (a),(b)は、挟持片A1 を挟持可能位置まで連れ回すことなく、ボックス本体10の内部において、挟持片A1 の退避位置の変更を可能とする構造の横断面図である。 本発明の実施例4の配線ボックスB4 の斜視図である。 本発明の実施例5の配線器具枠Fを背面側から見た斜視図である。 配線器具枠Fを壁材W5 の壁穴H5 に挿入する前の状態の斜視図である。 壁材W5 に配線器具枠Fが取付けられた状態の部分斜視図である。
以下、複数の最良の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
図1〜図5において、実施例1の配線ボックスB1 は、1つの配線器具を取付けるための「1個用」であって、合成樹脂の射出成形により形成され、縦長の長方形状の底壁1の周縁に、左右一対の縦側壁2と上下一対の横側壁3とが一体に形成されて、前面にボックス開口4を有する有底四角箱状のボックス本体10を備えている。ボックス本体10の各縦側壁2のボックス開口4の側の端部には、壁材W1 に形成された方形状の壁穴H1 (図1参照)の壁表面の縦方向の周縁部に壁表側から掛ける左右一対の挟持鍔部5が外方に突出して形成されている。上下一対の横側壁3の横方向の中央部であって、しかも前端部には、ボックス本体10に収容される配線器具(図示せず)をビス固定するための上下一対のボス部6が設けられている。また、ボックス本体10に収容される配線器具との関係で、底壁1と各縦側壁2との接続部には、それぞれ上下方向に沿って2個の電線引込み開口7aが両壁1,2に跨がって、計4個形成されていると共に、底壁1の上下端部には、それぞれ別の開口7bが形成されている。底壁1の中央部には、必要に応じて円形開口を形成するための上下一対のノックアウト開口部8が設けられている。
ボックス本体10の各角部は、収納される配線器具の形状との関係において、ボックス開口4の位置よりも底壁1の側に下がって形成されている。ボックス本体10の計4個の各角部(コーナー部)の内側には、わん曲L字形の横断面形状のわん曲内壁部11が、縦横の各側壁2,3を接続するようにして、ボックス本体10の奥行方向の全長に亘って形成され、計4個のわん曲内壁部11のうち一方の対角線方向に沿って対向する部分は、縦側壁2の側に開口した縦側壁開口12が形成されていると共に、計4個のわん曲内壁部11のうち他方の対角線方向に沿って対向する部分は、横側壁3の側に開口した横側壁開口13が形成されている。縦側壁及び横側壁の各開口12,13は、わん曲内壁部11に対応して、ボックス本体10の奥行方向の全長に亘って形成されている。
ビスD1 を収容するためのビス収容空間15(図5及び図6参照)は、ボックス本体10の各角部に設けられたわん曲内壁部11、縦側壁2、横側壁3、底壁1及びボックス開口4の側の厚板状のビス頭部配置板部14とで形成されて、側方又は上方(又は下方)のみに開口されている。ビスD1 は、図5に示されるように、その頭部D1aがビス頭部配置板部14に埋設状態で配置されると共に、その先端部が底壁1に回転可能に支持されることで、ボックス本体10の計4個の各角部のビス収容空間15には、ビスD1 が収容配置されて、当該ビスD1 は、ボックス本体10に回転しても進退しない状態で両端支持されている。
ボックス本体10のボックス開口4の側に形成された左右一対の前記挟持鍔部5と協働して、壁材W1 における壁穴H1 の周縁部を表裏両面から挟持して、当該ボックス本体10を壁材W1 に取付ける(固定する)ための挟持片A1 は、図2、図4及び図5に示されるように、板厚の大きな金属板を折り曲げることで、前記ビスD1 に螺合される基端側の基端支持板部16と、壁材W1 の裏面に当接して前記一対の前記挟持鍔部5とで壁材W1 を挟持する先端側の挟持板部17とが一体となった構成である。挟持板部17は、壁材W1 の裏面を挟持し易いように、基端支持板部16に対して壁材W1 の側に当該壁材W1 に対して僅かに傾斜した状態で折り曲げられていると共に、挟持片A1 の回動方向に沿って長さは、壁材W1 の裏面に対する大きな挟持面積、或いは長い挟持長を確保すべく、前記基端支持板部16よりも遥かに長くなっている。
ビスD1 に螺合される挟持片A1 は、壁材W1 の壁穴H1 に壁表から挿入する際には、当該壁穴H1 の周縁部との干渉を回避して挿入可能とする必要があるために、ボックス本体10の内部に収納して、内部に退避させる必要があり、ボックス本体10には、壁材W1 ,W4 の壁厚T1 (T4)〔図7参照〕に対応させて、当該挟持片A1 の手前側への引込み距離(移動距離)を最小にするために、ビスD1 の軸方向に沿って異なる位置に第1及び第2の2つの挟持片退避開口21,22が形成されている。第1挟持片退避開口21は、本発明によって新規に設けられた挟持片退避開口であって、汎用の壁材W1 の壁厚(12.5mm)に対応させて、ボックス本体10の縦横の側壁2,3の高さ方向の中間部に形成されている。第2挟持片退避開口22は、底壁1に近接した位置において従来のボックス本体に設けられていた挟持片退避開口である。第1及び第2の挟持片退避開口21,22のいずれかに配置される挟持片A1 は、図4に示されるように、壁表側からのビスD1 の回動により、連れ回りされることで、実施例1ではほぼ90°回動されて、ボックス本体10の外部において壁材W1 を挟持可能な挟持可能位置まで突出される。このように、第1及び第2の挟持片退避開口21,22を通して挟持片A1 をボックス本体10内に収納可能にするために、ボックス本体10の各角部の内部に形成されたわん曲内壁部11における第1及び第2の各挟持片退避開口21,22の位置に対応する部分は、切欠き11a,11bが形成されている。ここで、図4の右下及び右上の各角度において挟持片A1 が2点鎖線で示されるように、ビスD1 と挟持片A1 との連れ回り力の不足により、ボックス本体10内において、挟持片A1 がビスD1 の軸方向に移動される不具合を防止するために、挟持片A1 の退避端位置において、正面視において、当該挟持片A1 とボックス本体10の縦横の各側壁2,3とが僅かに重複(図4において、重複幅がK1 で示されている)することで、上記不具合を防止する構造になっている。
第1及び第2の各挟持片退避開口21,22を通って、ボックス本体10内に挟持片A1 が退避している状態において、ビスD1 を所定方向(ビスD1 が右ねじの場合には、右方向)に回動させると、挟持片A1 は、ビスD1 の回動により連れ回されて、ボックス本体10の外部に突出して、前記ビス収容空間15を構成する縦又は横の側壁2,3に当接することで、更なる連れ回りが防止されることで、以後は、ビスD1 の回転により、挟持片A1 は、ボックス開口4の側(ボックス本体10が壁裏に配置された状態では、壁材W1 の裏面の側)に引き寄せられて移動される。このため、前記ビス収容空間15を構成する縦又は横の側壁2,3の部分は、ビスD1 の所定角度の回動により、ボックス本体10内に退避している挟持片A1 を連れ回して、ボックス本体10の外部の壁材W1 を挟持可能な位置まで突出させることで、更なる同方向への連れ回りを防止する機能を果すと共に、挟持可能な位置まで突出された挟持片A1 を壁材W1 の側に引き寄せる際の案内を行う挟持片当接案内部2a,3a(図4参照)として作用する。ここで、ビスD1 における第1及び第2の各挟持片退避開口21,22の各位置に対応する部分のねじ山は、僅かに潰されていることで、ビスD1 の回転に対して挟持片A1 が連れ回りされ易くなって、ボックス本体10の内部に退避している挟持片A1 を確実に当該ボックス本体10の外部の挟持可能位置に突出させることができ、壁材W1 に対するボックス本体10の取付け作業を迅速に行える。図7において、23は、ビスD1 のねじ山の潰し部を示す。また、図2及び図3において、24は、ボックス本体10の上下方向に沿った対向する各ボス部6にナット(図示せず)を圧入するためのナット圧入穴を示す。
そして、汎用の壁材W1 の壁表側から、当該壁材W1 に形成されたボックス本体10の正面形状に対応する方形状の壁穴H1 に当該ボックス本体10を挿入して、当該ボックス本体10を壁材W1 に取付ける(固定する)には、以下のようにして行う。ここで、挟持片A1 は、第1及び第2の各挟持片退避開口21,22のいずれかを通して、ボックス本体10の内部に収納させて、当該ボックス本体10の外面に対してビスD1 の軸方向に沿って異なる位置において退避されるが、第1及び第2の各挟持片退避開口21,22を通して挟持片A1 が退避される位置をそれぞれ「第3退避位置P3 」及び「第4退避位置P4 」と称する。なお、後述のように、「第3退避位置P3 」は、汎用の壁材では壁厚T3 が厚い部類に属する15mmの壁厚の汎用の壁材W3 に対応した挟持片A1 の退避位置であり、「第4退避位置P4 」は、壁厚T4 が約25mmの特殊壁厚の壁材W4 に対応した挟持片A1 の退避位置である。
壁材W1 が汎用材である場合には、図1の二点鎖線表示及び図7(a)に示されるように、壁材W1 の壁穴H1 に挿入前においては、ボックス本体10の各角部に設けられた全ての挟持片A1 は、壁厚T1 の壁材W1 に対応していて、ビスD1 の軸方向の途中に設けられた第1挟持片退避開口21を通してボックス本体10の内部に収納して、ボックス本体10の外面に対して「第3退避位置P3 」に退避させておく。これにより、ボックス本体10の外面からの突出物がなくなって、当該ボックス本体10は、ボックス本体10のボックス開口4の側の左右一対の挟持鍔部5が、壁穴H1 の周縁部に掛かるまで、壁材W1 の壁穴H1 に挿入されることで、ボックス本体10は、左右一対の挟持鍔部5を介して壁材W1 の壁穴H1 の周縁部に仮固定される。
その後に、壁表側において、電動又は手動のドライバー91により各ビスD1 を回転させると、ビスD1 の最初の(1/4)回転時において、ボックス本体10内に退避している挟持片A1 は、ビスD1 と一体となって、挟持片当接案内部2a(3a)に当接するまで連れ回り回動されて、図2に示されるように、ボックス本体10の外部の挟持可能位置まで突出し、当接後においては、前記挟持片当接案内部2a(3a)により更なる連れ回りが防止されるために、ボックス本体10に対して進退不能に支持されたビスD1 の回転により、前記挟持片A1 は、挟持片当接案内部2a(3a)に案内されて壁材W1 の裏面に当接するまで、壁材W1 の側に引き寄せられる。計4本のビスD1 を全て壁材W1 の裏面まで引き寄せて強く押圧させると、壁表側のボックス本体10の左右一対の挟持鍔部5と、壁裏側の計4個の挟持片A1 により壁材W1 が挟持されることで、ボックス本体10は、当該壁材W1 に取付けられる(図1の実線表示及び図7(b)参照)。なお、図1において、27は、壁裏において、電線引込み開口7aを通してボックス本体10内に引き込まれた電線を示す。
ここで、図7(a)に示されるように、挟持片A1 を「第3退避位置P3 」に退避可能とするための第1挟持片退避開口21は、ビスD1 の軸方向の中間部、或いはボックス本体10を構成する縦横の各側壁2,3の高さ方向の中間部に設けられているため、挟持片A1 がビスD1 の回転によりボックス本体10の外部に突出された挟持可能位置から、壁材W1 の裏面に当接するまでの挟持片A1 の引寄せ距離(移動距離)L’は、挟持片A1 の初期位置が「第4退避位置P4 」である場合の引込み距離(L0)に比較して、著しく短くなる。その結果、1個の挟持片A1 を壁材W1 の側に引き寄せるのに要する時間が短くなって、1つの配線作業現場において、多数個の挟持片A1 の引き寄せに要する総時間が短くなって、配線作業の能率が高められる。
汎用の壁材W1 の壁厚は、12.5mmのものが多く、上記した挟持片A1 の「第3退避位置P3 」においては、壁厚が15mmの壁材W3 (図8参照)まで挟持可能であるが、壁厚が18mm程度を超える壁材W4 が使用される場合には、図7(b)に示されるように、挟持片A1 の初期位置を「第4退避位置P4 」にして、第2挟持片退避開口22を通して、当該挟持片A1 をボックス本体10内に収納して退避させておく。壁厚が大きな壁材W4 の場合においても、挟持片A1 の初期位置が異なるのみで、汎用の壁材W1 と全く同様にして、ビスD1 の回転により、第2挟持片退避開口22から挟持片A1 を、挟持片当接案内部2a,3aに当接するまで引き出して、ボックス本体10の外部の挟持可能位置まで突出させて、以後、ビスD1 を連続して回転させることで、挟持片A1 を壁材W4 の裏面まで引寄せ距離L4 だけ引き寄せて、当該壁材W4 に押圧させることで、壁表側のボックス本体10の左右一対の挟持鍔部5と、壁裏に配置された二対の挟持片A1 により、当該壁材W4 を挟持することで、当該壁材W4 にボックス本体10が取付けられる。
また、実施例1においては、汎用の壁厚の壁材W3 に対応した挟持片A1 の「第3退避位置P3 」と、前記した汎用の壁材W3 よりも壁厚の大きな特殊壁厚の壁材W4 に対応した挟持片A1 の「第4退避位置P4 」とのビスD1 の軸方向に沿って異なる二つの位置において、挟持片A1 は、退避位置から挟持可能位置まで連れ回り可能であり、この内容を、請求項2及び同3においては、汎用の壁厚の壁材W3 及び特殊壁厚の壁材W4 を、それぞれ「第1壁材」及び「第2壁材」と称していると共に、「第3退避位置P3 」及び「第4退避位置P4 」を、それぞれ「第1位置」及び「第2位置」と称している。
なお、実施例1では、第2挟持片退避開口22は、ボックス本体10の底壁1に近接して配置されているが、ビスD1 を底壁1よりも外側に延長させて、ボックス本体10の外側の部分(底壁1を基準にしてボックス開口4と反対側の部分)に、前記ビスD1 の先端部を支持するビス支持部材(図示せず)を一体に設けて、当該ビス支持部材に挟持片退避部を設けることで、ボックス本体10の縦横の各側壁2,3の高さよりも壁厚の大きな壁材に対してボックス本体10を取付けることが可能となる。また、実施例1では、第1及び第2の挟持片退避開口21,22のうちボックス本体10の底壁1に近い側の第2挟持片退避開口22は、底壁1に近接しているが、当該第2挟持片退避開口22は、底壁1から離間された位置(例えば、図7に示される状態において、第1及び第2の挟持片退避開口21,22の中間位置)に配置することで、壁厚に対応したビスD1 の引寄せ距離を短くできる。
ここで、壁材としては、断熱性及び遮音性の双方に優れる石膏ボードが多用され、石膏ボード製の壁材は、壁厚が、9.5mm、12.5mm、15mmの各壁材は、汎用性の高い壁材として多用されている。前記壁材W1 は、壁厚T1 が12.5mmであり、壁材W2 ,W3 は、それぞれ壁厚T2 ,T3 が9.5mm及び15mmである。このような壁材の施工事情に対応して、前記第1挟持片退避開口21の奥端位置(ボックス本体10の底壁1の側の位置)をそのままにして、前端位置(ボックス開口4の側の位置)をボックス開口4の側に近付けることで、前記第1挟持片退避開口21に対して縦横の各側壁2,3の高さ方向に沿った幅を広くした別の第1挟持片退避開口21’を形成して、1つの第1挟持片退避開口21’に、壁厚T1 〜T3 の異なる計3種類の壁材W1 〜W3 に対応した異なる3種類の初期位置となる退避位置に挟持片A1 を配置可能にしたものである。図8には、第1挟持片退避開口21’を通して配線ボックスB2 のボックス本体10内に収容されることで、壁厚T1 〜T3 の異なる計3種類の壁材W1 〜W3 に対応して、挟持片A1 がビスD1'の軸方向に沿って異なる第1〜第3の各退避位置P1 〜P3 に配置された状態が図示されている。一点鎖線、二点鎖線及び三点鎖線は、それぞれ壁材W1 、同W2 及び同W3 に対応した挟持片A1 の退避位置を示している。なお、15’は、ボックス開口4から縦横の各側壁2,3の高さ方向の中間部までの間に設けられたビス収容空間を示す。
従って、図8に示される実施例2は、1つの第1挟持片退避開口21’に、壁厚T1 〜T3 の異なる計3種類の壁材W1 〜W3 に対応して、計3つの挟持片A1 の第1〜第3の各退避位置P1 〜P3 がビスD1'の軸方向に沿って所定間隔をおいて設けられている例であって、請求項5及び同9の双方の発明の実施例に該当する。なお、実施例2では、ビスD1'は、縦横の各側壁2,3の全高に亘って設ける必要はなく、当該ビスD1'の先端部は、縦横の各側壁2,3の高さ方向の中間に設けられたビス支持部31に支持される。また、壁厚T1 〜T3 の異なる計3種類の壁材(W1,W2,W3)を壁裏から挟持するための挟持片A1 の引寄せ距離は、それぞれ (L1,L2,L3)であって、いずれも、ボックス本体10の底壁1に近い部分に設けられた挟持片退避開口21’に挟持片A1 を退避させておく場合に比較して、挟持片A1 の各引寄せ距離(L1,L2,L3 )は、相当に短くなって、壁厚T1 〜T3 の異なる複数の壁材W1 〜W3 に対してボックス本体10を迅速に取付けられる。
なお、実施例2の配線ボックスB2 は、多用されている壁厚の異なる石膏ボードから成る計3種類の壁材W1 〜W3 に対応させて、単に1つの第1挟持片退避開口21’により、ビスD1'の長手方向に沿って異なる位置に、計3個の挟持片A1 の退避位置P1 〜P3 を設けることが可能であると説明したが、1つの第1挟持片退避開口21’がビスD1'の長手方向に沿って連続しているために、計3個の退避位置P1 〜P3 のうち、両端の2つの退避位置P2 ,P3 の間においては、1つの退避位置P1 のみならず、複数の退避位置を形成することができる。即ち、実施例2は、請求項5,9の実施例に対応するものであって、1つの挟持片退避開口によって、多数の挟持片の退避位置を確保できる点に特徴が存在する。
また、実施例2の配線ボックスB2 では、多用されている壁厚の異なる石膏ボードから成る計3種類の壁材W1 〜W3 に対応させて、単に1つの第1挟持片退避開口21’により、ビスD1'の長手方向に沿って異なる位置に、計3個の挟持片A1 の退避位置P1 〜P3 を設けることが可能であり、縦横の各側壁2,3ににおける各壁材W1 〜W3 の壁厚T1 〜T3 に対応する位置に、壁厚の数値、壁厚に対応させた線分、矢印等の諸表示を施しておくと、3種類の異なる壁材W1 〜W3 に対するボックス本体10の取付け作業が容易となる。
図9に示される配線ボックスB3 は、ボックス本体10の縦横の各側壁2,3に、実施例2に示した第1挟持片退避開口21’と、実施例1で示した第2挟持片退避開口22とを設けることで、上記した3種類の汎用の壁材W1 〜W3 と、当該汎用壁材W1 〜W3 よりも壁厚の大きな特殊壁厚の壁材W4 との計4種類の壁材W1 〜W4 に対応可能にして、ビスD1 の最小の引寄せ距離によって、各壁材W1 〜W4 に対してボックス本体10を取付け可能にしたものである。
また、上記した実施例1〜3の配線ボックスB1 〜B3 では、ボックス本体10の全ての角部に、挟持片A1 の連れ回しと引き込みとを行うビスD1 ,D1' が配置された例であるが、ボックス本体の角部(コーナー部)ではなくて、上下の各横壁部の中央部に上下に対向して一対又は複数対のビスが配置された配線ボックス、更には、2個、或いはそれ以上の配線器具が取付け可能な「複数個用」の配線ボックスもあり、これらの配線ボックスに対しても、本発明は、当然に実施可能である。また、実施例1〜3の配線ボックスB1 〜B3 は、ボックス本体10内に収容される配線器具の形状との関係において、各角部は、ボックス開口よりも底壁の側に下がって形成されているが、通常の配線ボックスにおいては、ボックス本体の各角部は、ボックス開口と同一面に配置されており、この通常の配線ボックスに対しても、本発明は、当然に実施可能である。
また、実施例1においては、挟持片A1 の第1及び第4の各退避位置P1 ,P4 のうち、使用頻度の高いのは、汎用の壁材W1 〜W3 に対してボックス本体10が取付けられる際に使用される「第3退避位置P3 」である。よって、図10に示されるように、挟持片A1 の第1及び第2の各挟持片退避開口2,22のうち使用頻度の低い第2挟持片退避開口22をノックアウト構造にすることで、第2挟持片退避開口22が必要な場合にのみ、ノックアウト用閉塞板部26をノックアウト(打破)することで、第2挟持片退避開口22を形成すればよい。この構造により、第2挟持片退避開口22を既設開口として形成しておく場合に比較して、ボックス本体10の縦横の各側壁2,3の強度の低下を防止できる利点がある。全く同様の発想で、図9に示される実施例3においても、挟持片A1 の「第4退避位置P4 」を形成する第2挟持片退避開口22をノックアウト構造にすることも可能である。
なお、図10において、ビス収容空間15は、ビスD1 の軸方向の全長に亘って側方に開口されているが、挟持片A1 の「第4退避位置P4 」を形成する第2挟持片退避開口22をノックアウト構造にするのに加えて、当該ビス収容空間15における挟持片A1 の第3退避位置P3 よりも底壁1の側も、ノックアウト構造により閉塞してもよいし、当該ビス収容空間15における挟持片A1 の第3退避位置P3 よりも底壁1の側のみを、ノックアウト構造により閉塞してもよい。これにより、ボックス本体10の縦横の各壁側2,3の強度が高められる。
また、実施例3,4のいずれにおいても、汎用の壁材W1 〜W3 に対応した挟持片A1 の第1〜第3の各退避位置P1 〜P3 を形成する第1挟持片退避開口21’は、計3個の第1〜第3の各退避位置P1 〜P3 に対してビスD1 (D1') の軸方向に対して連続して形成されている。そこで、計3個の第1〜第3の各退避位置P1 〜P3 の間で、相互に挟持片A1 の退避位置を変更させる場合において、図4を用いて既述した通り、正面視において、退避位置の挟持片A1 と、ボックス本体10の縦横の各側壁2,3は、僅かな重複幅K1 を有してして、ボックス本体10の内部において、挟持片A1 は、退避位置の状態で、ビスD1 (D1') の軸方向に移動できない設計になっているので、ビスD1 (D1') の連れ回り回転により、挟持片A1 を挟持可能位置まで回動させた後に、当該挟持可能位置において挟持片A1 をビスD1 (D1') の軸方向に移動させて、再度、逆方向の連れ回り回動により、別の退避位置に戻すのは、極めて面倒である。この作業は、電気配線の施工現場において行う場合よりも、配線ボックスのメーカーが、製造した配線ボックスを出荷する際に、ユーザーの要望に応じて、挟持片A1 の初期の退避位置を変更させる場合の方が多いと思われ、多数の配線ボックスの挟持片A1 の初期の退避位置を上記のようにして変更させるのは、相当の手間と時間を要する。
そこで、図11(a)に示されるように、ボックス本体10の正面視において、退避位置において横側壁3(又は縦側壁2)に対して垂直に起立した挟持片A1 と、縦側壁2(又は横側壁3)との間に、所定の離間幅K2 が形成されるように、ビスD1 (D1') の軸心Cの位置を選択することで、縦側壁2又は横側壁3との干渉を回避して、退避位置において挟持片A1 をビスD1 (D1') の軸方向に移動可能となって、上記不具合を解消できる。また、ビスD1 (D1') の軸心Cは、退避位置において、挟持片A1 が横側壁3(又は縦側壁2)に対して垂直に起立して、ボックス本体10の正面視において、前記重複幅K1 を有していても、図11(b)に示されるように、挟持片A1 の退避位置を、ボックス本体10の奥側に傾斜させて倒すことでも、上記不具合を解消できる。
また、実施例1の配線ボックスB1 においても、汎用の壁厚の壁材W1 〜W3 に対応した挟持片A1 の「第3退避位置P3 」から、前記した汎用の壁材W1 〜W3 によりも壁厚の大きな特殊壁厚の壁材W4 に対応した挟持片A1 の「第4退避位置P4 」まで、挟持片A1 を移動させるのに、当該挟持片A1 を挟持可能位置まで連れ回した後に、再度、逆方向の退避位置に連れ回す必要を無くすために、第1及び第2の各挟持片退避開口21,22を連続した「1つの開口」に形成することも可能である。
図12に示される実施例4は、本発明を、耐火用の金属製の配線ボックスB4 に対しても実施したものである。配線ボックスB4 のボックス本体41の一対の縦側壁42のボックス開口43の部分は、外側に折り曲げられて挟持鍔部44が形成され、上下一対の横側壁45の部分は、上方及び下方に折り曲げられることで、前側ビス支持板部46が形成されて、当該前側ビス支持板部46の部分は、前記ボックス開口43よりも底壁47の側に下がって形成されている。上下の各横側壁45の部分には、上面又は下面が開口するようにして、挟持片当接案内板部48,49が溶接より一体に取付けられ、各挟持片当接案内板部48,49で形成された空間部にビスD2 が収容されて、当該ビスD2 は、前側ビス支持板部46及び一方の挟持片当接案内板部48の後端の折曲げ部48aとの間で回転可能に支持されることで、上下の各横側壁45よりも上方又は下方に配置されている構成が、前記実施例1〜3の配線ボックス、及び実施可能な拡張例を記載した段落「0057」に記載の配線ボックスと異なる。他方の挟持片当接案内板部49の後端部と中間部には、前記ビスD2 に螺合された挟持片A2 が、ボックス本体41の外形に対して内側に退避させるための第1及び第2の各挟持片退避溝51,52が形成されている。
このため、ボックス本体41が取付けられる壁材の壁厚に応じて、ボックス本体を壁材の壁穴に挿入する前に、挟持片A2 の退避位置を定めておく。ボックス開口43から第2挟持片退避溝52の部分までの距離よりも薄い壁厚の壁材の場合には、図示のように、第2挟持片退避溝52の部分において挟持片A2 を横倒しにして退避させておくと共に、前記距離よも厚い壁材の場合には、第1挟持片退避溝51の部分において、挟持片A2 を横倒しにしておく。実施例4の配線ボックスB4 の場合には、挟持片A2 の退避位置P5 ,P6 が2つであって、ボックス本体41は、挟持片A2 の最小の引寄せ距離により、壁材に取付けられる。
なお、実施例4では、挟持片当接案内板部49の長手方向の端部及び中間部を欠落させて、第1及び第2の各挟持片退避溝51,52を形成しているが、挟持片当接案内板部49における第1及び第2の各挟持片退避溝51,52の間を連続して形成することで、ビスD2 の軸方向に延びる幅広の一つの退避溝を形成することも可能であり、更に、各挟持片退避溝51,52は、それぞれ独立して存在する状態において、各挟持片退避溝51,52の一方又は双方をビスD2 の軸方向に沿って幅広に形成してもよい。この構成により、壁材の壁厚が違った場合においても、最小の引込み距離の退避位置に挟持片A2 を予め配置することで、壁材に対するボックス本体41の取付けの能率が高められる。
なお、実施例1〜4の各配線ボックスB1 〜B4 は、ボックス本体10(41)のボックス開口4(43)と対向する部分に底壁1(47)が設けられた構造であるが、本発明は、縦横の各側壁2,3からなる周壁のみで構成されて、底壁を有しない配線ボックスに対しても実施可能である。
本発明は、配線ボックスの他に、内部空間に配線器具が固定配置される四角枠状をした配線器具枠Fに対しても実施可能である。配線器具枠Fは、図13〜図15に示されるように、上下の2箇所において、ビスD3 の回転により挟持片A3 を壁材W5 の壁裏面に引き寄せて、壁裏に配置される上下一対の挟持片A3 と、壁表側に配置される前記配線器具枠Fの枠本体60の上下端に形成された挟持鍔部61とで、壁材W5 を表裏から挟持することで、当該壁材W5 に取付けられる。
図13〜図15において、配線器具枠Fは、樹脂の射出成形品であって、四角枠状をなしていて、その四角枠内に配線器具Nが背面側に露出した状態で取付けられる。配線器具枠Fの上板部62及び下板部63の前端部には、それぞれ板状の前記挟持鍔部61が上方及び下方に突出した状態で、横方向に沿って一体に形成されている。上板部62及び下板部63の背面側には、壁材W5 に明けられた壁穴H2 の上下方向に沿った対向する各内周面に近接して配置される円弧状の位置決め板64が一体に設けられ、当該位置決め板64と上板部62又は下板部63との間には、長手方向の全長に開口されることで、上面又は下面に開口した欠落円筒状の挟持片当接案内円筒65が水平となって後方に突出した状態で一体に形成されている。なお、図14に示されるように、壁穴H2 は、2つの円形穴が、その一部を重複させた状態で上下方向に配置された形状である。
挟持片A3 は、配線器具枠Fに対して進退可能なように挟持片当接案内円筒65に嵌合されている。即ち、挟持片A3 は、被案内部66が前記挟持片当接案内円筒65に嵌合された状態で、壁材W5 に引き寄せられる構成であって、円盤状の被案内部66に連結板部67を介して挟持板部68が一体に設けられた構成である。挟持片A3 の被案内部66が挟持片当接案内円筒65に嵌合された状態で、配線器具枠Fの前面に頭部D3aが配置されたビスD3 が前記被案内部66に螺合されているため、当該ビスD3 の回転により、挟持片A3 は、その挟持板部68が前記挟持片当接案内円筒65の開口側の一方の端面である第1当接面69に当接するまで、共回りされ、以後は、共回り不能となって、挟持板部68が第1当接面69に当接したままで、壁材W5 の側に引き寄せられて、壁表側の上下一対の挟持板部68と、壁裏側の配線器具枠Fの上下一対の挟持鍔部61とによって、壁材W5 における壁穴H5 の上下端部に臨む部分が通常の挟持位置で挟持されることで、配線器具Nが一体に嵌め込まれた配線器具枠Fは、壁材W5 に取付けられる。
そして、挟持片当接案内円筒65の長手方向の中間部には、当該挟持片当接案内円筒65の開口に連通する挟持片退避溝71が周方向に形成されて、当該挟持片退避溝71の部分は、挟持片A3 の第1退避位置P7 となっており、前記挟持片当接案内円筒65の先端(奥端)側の端面段差部72は、挟持片A3 の第2退避位置P8 となっている。
よって、挟持鍔部61と挟持片退避溝71までの距離よりも小さい壁厚の壁材W5 の場合には、図13及び図14に示されるように、上下一対の各挟持片当接案内円筒65の挟持片退避溝71に挟持片A3 を挿入することで、配線器具枠Fの外形よりも内側に上下一対の挟持片A3 を配置させて、壁材W5 の壁表から、その壁穴H2 に配線器具枠Fを挿入すると、上下一対の挟持鍔部61が壁材W5 の壁表に掛かって、当該壁材W5 に配線器具枠Fが仮固定される。
上記の状態で、壁表において、上下一対のビスD3 を回転させると、第1退避位置P7 に配置されている挟持片A3 は、ビスD3 の回動により一体に連れ回されて、挟持片当接案内円筒65の当接面69に当接し、その後は、ビスD3 の回転により、連れ回り不能であるために、挟持片A3 は、最小の引寄せ距離でもって、壁材W5 の側に引き寄せられて、当該壁材W5 の壁裏に押圧されることで、配線器具枠Fの壁表側の左右一対の挟持鍔部61と、壁裏側の上下一対の挟持片A3 とによって壁材W5 が挟持されて、当該壁材W5 に配線器具枠Fが取付けられる。、なお、図15において、二点鎖線で示される挟持片A2 は、通常の挟持位置に配置されたものである。
一方、挟持鍔部61と挟持片退避溝71までの距離よりも大きな壁厚の壁材の場合には、図13で2点鎖線で示されるように、従来と同様に、挟持片当接案内円筒65の端面段差部72である第2退避位置P8 に挟持片A3 を配置して、壁材の壁穴に配線器具枠Fを挿入して、当該壁材に配線器具枠Fを取付ける。なお、図13〜図15において、83は、配線器具枠Fの側板部を示し、84は、配線器具Nに接続された電線を示す。
1 〜A3 :挟持片
1 〜B4 :配線ボックス(器具固定具)
C:ビスの軸心
1 〜D3 :ビス
F:配線器具枠(器具固定具)
1 , H2 :壁穴
1 〜L4 :挟持片の引寄せ距離
1 〜P8 :挟持片の退避位置
1 〜T4 :壁材の壁厚
1 〜W4 :壁材
1,47:ボックス本体の底壁
2a,3a:挟持片当接案内部
2,42:ボックス本体の縦側壁
3,45:ボックス本体の横側壁
4:ボックス開口
5,44,61:挟持鍔部
10,41:ボックス本体
21,21’:第1挟持片退避開口(挟持片退避部)
22:第2挟持片退避開口(挟持片退避部)
26:ノックアウト用閉塞板部
48,49:挟持片当接案内板部
51:第1挟持片退避溝(挟持片退避部)
52:第2挟持片退避溝(挟持片退避部)
65:挟持片当接案内円筒(挟持片当接案内部材)
71:挟持片退避溝(挟持片の第1退避位置)
72:案内円筒の端面段差部(挟持片の第2退避位置)

Claims (14)

  1. 器具を固定するための器具固定部を有する固定具本体を備え、壁材に形成された壁穴に、壁表から挿入されて当該壁材に固定される器具固定具であって、
    前記固定具本体は、
    前記壁穴から壁裏に挿入された固定具本体を壁穴周縁に掛けるために、当該固定具本体の開口側端部に外側に向けて設けられた挟持鍔部と、
    壁表側から操作可能であって、しかも回転により当該固定具本体に進退不能に支持されるビスと、
    前記壁材を裏面側から挟持不能であって、しかも前記壁穴に対する固定具本体の挿入時に当該壁穴周縁と干渉しない退避位置と、前記壁材を壁裏側から挟持可能な挟持可能位置との間において、前記ビスの回動により連れ回り可能であると共に、前記挟持可能位置において連れ回りを規制することで、当該ビスの回転により前記壁材の裏側まで引き寄せられて、前記挟持鍔部と協働して前記壁材を挟持する1ないし複数の挟持片と、
    前記ビスの回動により挟持可能位置に連れ回された前記挟持片を当接させることで、更なる連れ回りを規制すると共に、前記ビスの回転により、当該連れ回りを規制された挟持可能位置の挟持片を壁材の裏面まで案内する挟持片当接案内部と、
    を備え、
    前記固定具本体には、前記挟持片を前記退避位置に配置可能な挟持片退避部が設けられることで、当該挟持片は、前記ビスの軸方向に沿って異なる位置に設けられた複数の退避位置において、当該ビスの回動により、退避位置から挟持可能位置まで連れ回り可能であることを特徴とする器具固定具。
  2. 器具を固定するための器具固定部を有する固定具本体を備え、壁材に形成された壁穴に、壁表から挿入されて当該壁材に固定される器具固定具であって、
    前記固定具本体は、
    前記壁穴から壁裏に挿入された固定具本体を壁穴周縁に掛けるために、当該固定具本体の開口側端部に外側に向けて設けられた挟持鍔部と、
    壁表側から操作可能であって、しかも回転により当該固定具本体に進退不能に支持されるビスと、
    前記壁材を裏面側から挟持不能であって、しかも前記壁穴に対する固定具本体の挿入時に当該壁穴周縁と干渉しない退避位置と、前記壁材を壁裏側から挟持可能な挟持可能位置との間において、前記ビスの回動により連れ回り可能であると共に、前記挟持可能位置において連れ回りを規制することで、当該ビスの回転により前記壁材の裏側まで引き寄せられて、前記挟持鍔部と協働して前記壁材を挟持する1ないし複数の挟持片と、
    前記ビスの回動により挟持可能位置に連れ回された前記挟持片を当接させることで、更なる連れ回りを規制すると共に、前記ビスの回転により、当該連れ回りを規制された挟持可能位置の挟持片を壁材の裏面まで案内する挟持片当接案内部と、
    を備え、
    前記固定具本体には、前記挟持片を前記退避位置に配置可能な挟持片退避部が設けられることで、前記挟持片は、特定の第1壁材の壁厚に対応した第1位置と、当該第1壁材よりも壁厚の厚い第2壁材の壁厚に対応していて、前記第1位置よりも前記ビスの先端側に位置する第2位置を含む複数の異なる位置において、退避位置から挟持可能位置まで連れ回り可能であることを特徴とする器具固定具。
  3. 器具を固定するための器具固定部を有する固定具本体を備え、壁材に形成された壁穴に、壁表から挿入されて当該壁材に固定される器具固定具であって、
    前記固定具本体は、
    前記壁穴から壁裏に挿入された固定具本体を壁穴周縁に掛けるために、当該固定具本体の開口側端部に外側に向けて設けられた挟持鍔部と、
    壁表側から操作可能であって、しかも回転により当該固定具本体に進退不能に支持されるビスと、
    前記壁材を裏面側から挟持可能な挟持可能位置と挟持不能な退避位置との間において、前記ビスの回動により連れ回り可能であると共に、前記挟持可能位置において当該ビスの回転により、連れ回りを阻止されることで前記壁材の裏側まで引き寄せられて、前記挟持鍔部と協働して前記壁材を挟持する1ないし複数の挟持片と、
    前記ビスの回動により挟持可能位置に連れ回された前記挟持片を当接させることで、更なる連れ回りを規制すると共に、前記ビスの回転により、当該連れ回りを規制された挟持可能位置の挟持片を壁材の裏面まで案内する挟持片当接案内部と、
    を備え、
    前記固定具本体には、前記挟持片を前記退避位置に配置可能な挟持片退避部が設けられることで、特定の第1壁材の壁厚に対応した前記ビスの軸方向の中間部の第1位置と、当該第1壁材よりも壁厚の厚い第2壁材の壁厚に対応していて、前記第1位置よりも前記ビスの先端側に位置する第2位置を含む複数の異なる位置において、前記挟持片は、退避位置から挟持可能位置まで連れ回り可能であることを特徴とする器具固定具。
  4. 前記固定具本体に設けられた挟持片退避部は、前記挟持片の退避位置の数だけ前記ビスの軸方向に沿って独立して形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の器具固定具。
  5. 前記固定具本体に設けられた挟持片退避部は、隣接する2以上の退避位置において挟持片が単一の挟持片退避部に退避可能なように、前記ビスの軸方向に沿って連続して形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の器具固定具。
  6. 前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、前記側壁には、ビスの軸方向に沿った異なる複数の退避位置に対応して、複数の挟持片退避開口が独立して形成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の器具固定具。
  7. 前記挟持片は、ビスの連れ回りにより、複数の退避位置のうち1つの退避位置から挟持可能位置に配置された後に、ビスの軸方向に移動させることで、他の退避位置への変更が可能であることを特徴とする請求項6に記載の器具固定具。
  8. 前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、ビスの軸方向に沿った複数の挟持片の退避位置のうちの一つは、前記側壁の高さ方向に沿った中間位置よりも前記開口の側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の器具固定具。
  9. 前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、
    前記挟持片の前記側壁の高さ方向に沿って異なる位置に設けられた複数の退避位置の挟持片退避開口は、連続した1つの開口として接続されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の器具固定具。
  10. 前記挟持片は、退避位置において壁材に対して進退可能であることを特徴とする請求項9に記載の器具固定具。
  11. 前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、
    前記側壁には、前記挟持片をボックス本体内に収納して、複数の退避位置に配置可能にするための複数の挟持片退避開口が形成され、
    特定の一つの挟持片退避開口を除いて、残りの挟持片退避開口は、除去により開口されるノックアウト構造になっていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の器具固定具。
  12. 前記器具固定具は、底壁と側壁と開口を有する配線ボックスであって、
    前記側壁には、前記挟持片の複数の退避位置に対応した複数の挟持片退避開口が独立して形成され、
    前記挟持片は、前記挟持片を退避位置に退避させた状態で、前記側壁と干渉することなく、前記ビスの回転により進退可能であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の器具固定具。
  13. 前記器具固定具は、配線器具を取付けるための枠状の配線器具枠であって、
    開口が全長に亘って形成された挟持片当接案内部材が、枠本体の上下の各板部の外側に一体に設けられ、
    前記挟持片当接案内部材の奥側の端面部と、当該挟持片当接案内部材の長手方向の中間に周方向に沿って設けられた挟持片退避溝部とが、前記挟持片の異なる挟持片退避部となっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の器具固定具。
  14. 前記挟持片の隣接する各退避位置は、ビスの10回転による挟持片の移動距離よりも離れていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の器具固定具。
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