以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電力制御システム1の概略構成を示す図である。図1において、各機能ブロックを結ぶ実線は主に電力線を示し、破線は主に通信線又は信号線を示す。
電力制御システム1は、電力管理装置10と、太陽光発電装置20と、電力変換装置30と、負荷40と、蓄電装置50とを備える。
電力管理装置10は、図示しない配信サーバから出力抑制情報を取得すると、出力抑制が実行される前に割安の買電単価で充電しておく蓄電装置50の所定の充電量を算出する。なお、本明細書の第1実施形態から第4実施形態の説明においては、電力制御システムの所有者である一般家庭などは、時間帯別電灯契約をしているものとし、昼間時間帯及び夜間時間帯における買電単価、ならびに、系統60(電力会社)への売電単価は以下のようになっているものとする。
昼間時間帯(7:00〜23:00)買電単価: 30円/kWh
夜間時間帯(23:00〜7:00)買電単価: 11円/kWh)
売電単価: 35円/kWh
上記のように、通常、昼間時間帯は割高の買電単価であり、夜間時間帯は割安の買電単価である。なお、上記単価は、説明のための一例として用いているものであり、これに限定されるものではない。
ここで、配信サーバは、電力会社のサーバから出力抑制情報を取得しているものとする。なお、電力管理装置10は、配信サーバからではなく電力会社のサーバから直接出力抑制情報を取得してもよい。また、「出力抑制情報」は、翌日に出力抑制が実行されることを予告する情報であるが、出力抑制が予告された当日に実際に出力抑制が実行されるとは限らない。実際に出力抑制が実行される場合は、電力会社のサーバに、出力抑制を指令する「出力抑制信号」が、出力抑制の開始30分前までに公開されるので、電力管理装置10は配信サーバから出力抑制信号を取得する。なお、出力抑制信号についても、電力管理装置10は、配信サーバからではなく電力会社のサーバから直接取得してもよい。
電力管理装置10は、出力抑制当日に配信サーバから出力抑制信号を取得すると、太陽光発電装置20による発電電力を系統60に逆潮流させないように電力変換装置30を制御する。
電力管理装置10の構成及び機能の詳細については後述する。
太陽光発電装置20は、太陽光のエネルギーから直流電力を発電し、電力変換装置30に供給する。なお、太陽光発電装置20は、分散電源の一例として示したものであり、電力会社との契約条件によっては、他の種類の分散電源、例えば風力発電装置等であってもよい。
電力変換装置30は、太陽光発電装置20から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷40に供給する。また、電力変換装置30は、負荷40に供給しても余った余剰電力を系統60(電力会社)に逆潮流させて売電する。また、電力変換装置30は、負荷40に供給しても余った余剰電力を、蓄電装置50に充電する。
負荷40は、系統60に接続された例えば電気機器などである。図1においては2台の負荷40が系統60に接続されている様子を示しているが、負荷40は任意の台数であってもよい。
蓄電装置50は、系統60に接続して用いられ、放電電力によって負荷40に電力を供給することができる。また、蓄電装置50は、太陽光発電装置20から電力変換装置30を介して供給される電力又は系統60から供給される電力によって充電することができる。なお、蓄電装置50を充電動作させている場合は、蓄電装置50も負荷の一種とみなすことができる。
(従来の蓄電装置の制御)
ここで、第1実施形態に係る電力管理装置10の構成及び機能の詳細について説明する前に、図2〜図5を参照して、従来の蓄電装置の制御について説明する。
図2は、出力抑制がない2日間における電力量の時間依存を示したグラフである。図2において、蓄電装置の定格容量は7.2kWhであり、100%を放電する制御をしているものとする。なお、以後の他の図の説明においても、蓄電装置の定格容量は7.2kWhであるものとする。
図2に示すように、通常、23時〜7時までの夜間時間帯の間に割安の買電単価で蓄電装置を7.2kWh分だけ充電する。また、太陽光発電装置の発電電力が負荷の消費電力を上回っている間は、余剰電力を逆潮流させて売電する。図2に示す例においては、7時〜16時までの時間帯で、太陽光発電装置の発電電力は19.2kWhであり、負荷の消費電力は11kWhである。そのため、余剰電力は19.2−11=8.2kWhであり、8.2kWhが余剰電力として売電される。
また、太陽光発電装置の発電電力が負荷の消費電力を下回るようになると、蓄電装置に割安の買電単価で充電しておいた電力を負荷に給電する。図2に示す例においては、16時〜23時までの間に、蓄電装置に充電していた7.2kWhの電力を負荷に給電している。
なお、図2に示す例においては、19時〜23時において、蓄電装置の給電電力を負荷の消費電力が上回っているため、不足分を割高の買電単価で買電している。
図3は、出力抑制情報を取得した場合における、出力抑制情報取得日と、出力抑制が予告された当日との2日間における電力量の時間依存を示したグラフである。
出力抑制を指令する出力抑制信号を取得した場合、出力抑制を指定されている時間帯においては、太陽光発電装置の発電電力が負荷の消費電力を上回っていても系統に逆潮流させて売電することができない。この場合、余剰電力を何らかの負荷に供給できないと、余剰電力が無駄になってしまう。図3に示す例においては、それを防ぐため、出力抑制情報を取得した日の23時から翌日の7時までの間に割安の買電単価で蓄電装置を充電することをやめて蓄電装置を空にしておき、出力抑制当日の余剰電力によって蓄電装置を充電している。
図3に示す例においては、出力抑制当日の9時〜14時までの間が出力抑制時間となっており、この時間帯の余剰電力の7.2kWh分で蓄電装置を充電している。これにより、余剰電力のうち7.2kWh分は無駄にすることなく有効に活用することができる。8.2kWhが余剰電力であったとすると、8.2−7.2=1.0kWh分は無駄となってしまうが、8.2kWh全てを無駄にするよりは遙かに余剰電力を有効に活用することができる。
図3に示す例においては、出力抑制当日の余剰電力で蓄電装置に充電した7.2kWhの電力によって、16時〜23時までの間に負荷に給電している。
図3は、出力抑制情報を取得した翌日に、実際に出力抑制が実行されたため、蓄電装置を空にしておいたことによって余剰電力を有効に活用して蓄電装置を充電することができたケースである。しかしながら、出力抑制情報を取得しても、翌日に出力抑制が実行されない場合もある。図4は、そのような状況を示した図である。
図4に示す例においては、出力抑制情報を取得したため、図3に示した場合と同様に、出力抑制情報を取得した日の23時から翌日の7時までの間に蓄電装置を充電することをやめて蓄電装置を空にしている。
しかしながら、図4に示す例においては、出力抑制情報を取得した翌日に、実際には出力抑制が実行されなかった。そのため、太陽光発電装置の発電電力が負荷の消費電力を上回った余剰電力は、系統に逆潮流させて売電している。その結果、蓄電装置が空の状態で、太陽光発電電力が負荷の消費電力を下回る16時以降の時間を迎えるため、昼間時間帯の割高の買電単価で買電をすることとなってしまい、割安単価で蓄電装置を充電して負荷に電力を供給することによる経済的効果が得られなくなる。
なお、図4に示すような出力抑制が実行されなかったケースにおいては、余剰電力を系統に売電する代わりに蓄電装置に充電することも考えられる。しかしながら、売電単価は35円/kWhで、昼間時間帯の買電単価30円/kWhを上回っているため、出力抑制が実行されなかった場合は、余剰電力を、蓄電装置の充電よりは売電にまわした方が、経済的損失が小さくなると判定し、売電優先の制御を選択する。
図5は、出力抑制情報を取得したものの、実際には出力抑制が実行されないと予測して、蓄電装置を空にしておかなかった場合を示す図である。
図5に示す例においては、出力抑制が実行されないと予測し、出力抑制情報を取得した日の23時から翌日の7時までの夜間時間帯の間に割安の買電単価で蓄電装置を7.2kWh分だけ充電している。
しかしながら、図5に示す例においては、出力抑制当日の9時〜14時の間において出力抑制が実行されたため、この間の余剰電力8.2kWhは売電できなかった。また、蓄電装置は容量である7.2kWhが充電されてしまっているため、余剰電力で蓄電装置を充電することもできず、余剰電力が無駄になってしまっている。
このように、出力抑制は、出力抑制情報を取得した翌日に必ずしも実行されるわけではないため、出力抑制が実際に実行されるか否かの予測が外れると、経済的損失が大きくなってしまう。本発明は、出力抑制が実際に実行されるか否かに関わらず、経済的損失を低減することを目的とするものである。
(電力管理装置の構成及び機能)
ここで図1を再び参照し、電力管理装置10の構成及び機能について説明する。電力管理装置10は、通信部11、記憶部12、発電電力取得部13、消費電力取得部14及び制御部15を備える。
通信部11は、インターネットなどのネットワークを介して配信サーバと通信可能であり、配信サーバから、翌日に出力抑制が実行されることを予告する「出力抑制情報」を取得する。また、通信部11は、配信サーバから、出力抑制を指令する「出力抑制信号」を取得する。なお、出力抑制情報及び出力抑制信号の送信元は配信サーバに限定されるものではなく、通信部11は、電力会社のサーバなどからネットワークを介して出力抑制情報及び出力抑制信号を取得してもよい。
記憶部12は、各種メモリ等で構成されている。記憶部12は、過去の太陽光発電装置20の発電量の実績値や、過去の負荷40の消費電力量の実績値などを記憶している。また、記憶部12は、過去に実行された出力抑制の時間帯の実績値を記憶している。また、記憶部12は、時間帯別電灯契約における昼間時間帯及び夜間時間帯における買電単価、また、売電単価を記憶している。なお、買電単価及び売電単価は、国策によって定期的に改定されるため、記憶部12は、インターネット等の通信手段を利用して情報を定期的に取得し、最新の買電単価及び売電単価に情報を定期的に更新していることが好ましい。また、記憶部12は、出力抑制を実行する時間帯を予測する際に使用する値として、固定の時間帯を記憶していてもよい。
発電電力取得部13は、太陽光発電装置20から太陽光発電装置20の発電電力量の情報を取得し、制御部15を介して記憶部12に記憶する。
消費電力取得部14は、負荷40から消費電力の情報を取得し、制御部15を介して記憶部12に記憶する。
制御部15は、電力管理装置10全体を制御及び管理するものであり、例えばプロセッサにより構成することができる。
制御部15は、通信部11を介して、翌日に出力抑制が実行されることを予告する出力抑制情報を取得すると、翌日の太陽光発電装置20の発電電力量を時刻ごとに予測する。制御部15は、様々な方法によって翌日の太陽光発電装置20の発電電力量を予測することができる。例えば、制御部15は、出力抑制情報を取得した日の太陽光発電装置20の発電電力量に基づいて、翌日の太陽光発電装置20の発電電力量を予測してもよい。また、制御部15は、気象庁などの天気情報を提供しているサーバから、翌日の日射量予測の情報を取得して、その情報に基づいて、翌日の太陽光発電装置20の発電電力量を予測してもよい。
制御部15は、通信部11を介して、翌日に出力抑制が実行されることを予告する出力抑制情報を取得すると、翌日の負荷40の消費電力量を時刻ごとに予測する。制御部15は、様々な方法によって翌日の負荷40の消費電力量を予測することができる。例えば、制御部15は、出力抑制情報を取得した日の負荷40の消費電力量に基づいて、翌日の負荷40の消費電力量を予測してもよい。また、制御部15は、負荷40の消費電力量の1ヶ月の平均値などに基づいて、翌日の負荷40の消費電力量を予測してもよい。
制御部15は、通信部11を介して、翌日に出力抑制が実行されることを予告する出力抑制情報を取得すると、翌日のどの時間帯に出力抑制が実行されるかを予測する。制御部15は、様々な方法によって翌日のどの時間帯に出力抑制が実行されるかを予測することができる。例えば、制御部15は、翌日の時刻ごとの太陽光発電装置20の発電電力量の予測値に基づいて、出力抑制が実行される時間帯を予測してもよい。また、制御部15は、前回出力抑制が実行された時間帯に基づいて、翌日のどの時間帯に出力抑制が実行されるかを予測してもよい。また、制御部15は、固定の時間帯を、翌日の出力抑制が実行される時間帯の予測値として用いてもよい。また、出力抑制情報に実施時刻の情報が含まれていれば、その時間帯を予測値として用いてもよい。
制御部15は、通信部11を介して、翌日に出力抑制が実行されることを予告する出力抑制情報を取得すると、翌日の発電電力量、翌日の消費電力量、及び、翌日の出力抑制時間帯の予測値に基づいて、各条件での経済的損失を算出する。ここで、各条件とは、例えば以下の4通りである。
条件1:出力抑制が実行され、蓄電装置50を空にしていた場合
条件2:出力抑制が実行され、蓄電装置50をフル充電していた場合
条件3:出力抑制が実行されず、蓄電装置50を空にしていた場合
条件4:出力抑制が実行されず、蓄電装置50をフル充電していた場合
制御部15は、上記の各条件における経済的損失の値に基づいて、出力抑制情報を取得後、出力抑制が実行される前に、割安単価で蓄電装置50を充電しておく際の、所定の充電量を算出する。この際、制御部15は、記憶部12に記憶されている買電単価(昼間時間帯及び夜間時間帯)、売電単価を参照する。
制御部15は、出力抑制が実際に実行されるか否かに関わらず、経済的損失が所定範囲内に収まるように、蓄電装置50の所定の充電量を算出する。なお、経済的損失の所定範囲は予め任意の値を設定しておくことができる。
制御部15は、所定の充電量を算出する際、蓄電装置50の入力定格値も考慮する。制御部15は、余剰電力で蓄電装置50を充電する際、入力定格値の範囲内で蓄電装置50を充電できるように、所定の充電量を小さくし過ぎないように算出する。
なお、制御部15は、蓄電装置50の充放電効率(通常、0.883程度)も考慮して、所定の充電量を算出してもよい。
制御部15は、通信部11を介して、出力抑制を指令する出力抑制信号を取得すると、出力抑制信号によって指定された時間帯は系統60に太陽光発電装置20の発電電力を逆潮流させないように電力変換装置30を制御する。例えば、9時〜14時の時間帯において出力抑制することを指令する出力抑制信号を取得した場合、制御部15は、9時〜14時の間は系統60に太陽光発電装置20の発電電力を逆潮流させないように電力変換装置30を制御する。この際、制御部15は、図示しない電流センサによって系統60への逆潮流電流を取得し、逆潮流電流がゼロになるように電力変換装置30を制御する。
図6及び図7を参照して、出力抑制情報を取得して、制御部15が、所定の充電量として2.8kWhで蓄電装置50を充電した場合の例を示す。
図6は、出力抑制情報を取得した翌日に、実際に出力抑制が実行された場合の例を示す図である。
この場合、出力抑制が指定された9時〜14時の時間帯においては、太陽光発電装置20の発電電力が負荷40の消費電力を上回っていても系統60に逆潮流させて売電することができないため、制御部15は、系統60に逆潮流させないように電力変換装置30を制御する。
また、この際、蓄電装置50は、容量の7.2kWhに対し、2.8kWhしか充電されていないため、あと4.4kWhの充電が可能である。したがって、制御部15は、出力抑制が実行されている9時〜14時の間の余剰電力で、蓄電装置50を充電するように制御する。これにより、9時〜14時の間における8.2kWhの余剰電力のうち、4.4kWhは有効利用することが可能となる。8.2kWhが余剰電力であったとすると、8.2−4.4=3.8kWh分は無駄となってしまうが、8.2kWh全てを無駄にするよりは余剰電力を有効に活用することができる。このように、余剰電力の一部を有効利用できるため経済的損失を低減することができる。
図6に示す例においては、出力抑制の前に夜間時間帯の割安の買電単価で蓄電装置50に充電した2.8kWhと、出力抑制当日の余剰電力で蓄電装置50に充電した4.4kWhの合計電力である7.2kWhによって、16時〜23時までの間に負荷40に給電する。これにより、16時〜23時までの間に昼間時間帯の割高の買電単価で電力を購入する量を減らして、経済的損失を小さくすることができる。
図7は、出力抑制情報を取得した翌日に、実際には出力抑制が実行されなかった場合の例を示す図である。
この場合、太陽光発電装置20の発電電力が負荷40の消費電力を上回っている時間帯においては、余剰電力を、系統60に逆潮流させて売電することができるため、制御部15は、系統60に逆潮流させて売電するように電力変換装置30を制御する。
この場合、余剰電力は蓄電装置50への充電ではなく売電に利用するため、蓄電装置50の充電量は2.8kWhのままである。
図7に示す例においては、出力抑制の前に夜間時間帯の割安の買電単価で蓄電装置50に充電した2.8kWhでは、16時〜23時までの間に負荷に給電するための電力量が不足しているため、割高の昼間時間帯の単価で4.4kWh分だけ買電する。しかしながら、蓄電装置50を空にしている場合に比べれば、割高の買電単価で買電する電力量を、7.2kWhから4.4kWhまで低減することができ、その分だけ、経済的損失を小さくすることができる。
図6及び図7に示す例においては、所定の充電量として2.8kWh分だけ蓄電装置50を充電する場合を一例として示したが、所定の充電量を増減することによって、出力抑制あり/出力抑制なしのそれぞれの場合における経済的損失をコントロールすることができる。
例えば、所定の充電量を増やせば、出力抑制がなかった場合の経済的損失を低減することができるが、出力抑制があった場合の経済的損失は増加する。また、所定の充電量を減らせば、出力抑制があった場合の経済的損失を低減することができるが、出力抑制がなかった場合の経済的損失は増加する。
なお、図6及び図7に示すように、フル充電でなくても所定量だけ蓄電装置50を充電するように制御することは、非常時への備えともなるので、この観点からも好ましい。
制御部15は、出力抑制情報を取得した場合に実際に出力抑制が実行される確率(以下「抑制実施率」と称する)に基づいて、経済的損失を算出することができる。この抑制実施率は、電力会社が最大360時間の出力抑制が実施可能な規制下において、1日当りの抑制時間から全体の日数(回数)を算出している。本例においては、1日当りの出力抑制が最大6時間までであると仮定して60日(回)とした。図8に、抑制実施率と経済的損失との対応を示す表の一例を示す。なお、図8に示す金額は、出力抑制情報を60日(60回)取得した場合の、経済的損失の合計値を示したものである。例えば、抑制実施率90%の欄には、出力抑制情報を60日取得したうちの90%(54日)で出力抑制が実行され、出力抑制情報を60日取得したうちの10%(6日)で出力抑制が実行されなかった場合の経済的損失の合計値が示されている。なお、抑制実施率は実施時間と非実施時間のように時間単位としてもよい。
図8に示す例においては、出力抑制情報を取得後、出力抑制の実行前に、蓄電装置50を空にしておいた場合と、2.8kWh充電しておいた場合との2通りの場合の経済的損失を示している。
なお、図8に示す例においては、前提として、蓄電装置50の定格容量は7.2kWhであり、抑制当日における太陽光発電装置20の発電電力の余剰分は8.2kWhとしている。
例えば、蓄電装置50を空にし、抑制実施率が100%である場合、抑制ありの場合の経済的損失は12468円となっている。これは、以下のように算出している。
まず、1日分の経済的損失を算出する。
出力抑制により余剰電力を売電できなくなった損失が、
8.2[kWh]×35[円/kWh]=287[円]
である。また、割安の単価で買電して蓄電装置50を充電することをせず、余剰電力により充電したので、これにより買電せずに済んだ分が、
7.2[kWh]×11[円/kWh]=79.2[円]
である。したがって、1日あたりの経済的損失は、
287−79.2=207.8[円]
である。これが、60日分であるので、
207.8[円]×60=12468[円]
である。
また、例えば、蓄電装置50を空にし、抑制実施率が0%である場合、抑制なしの場合の経済的損失は8208円となっている。これは、以下のように算出している。
まず、1日分の経済的損失を算出する。
余剰電力は売電できるので、売電量の減少による経済的損失は発生しない。ただし、蓄電装置50が充電できなかったので、蓄電装置50を割安の単価11[円/kWh]で買電して充電して負荷40に給電することにより、割高の単価30[円/kWh]で負荷40に供給するための電力を買電せずに済むという効果が得られなかった。これによる経済的損失が、
7.2[kWh]×(30−11)[円/kWh]=136.8[円]
である。したがって、1日あたりの経済的損失は、136.8[円]であり、これが、60日分であるので、
136.8[円]×60=8208[円]
である。
抑制実施率が10〜90%における損失は、抑制ありの金額と抑制なしの金額を、その比率で乗算して足しあわして算出している。例えば、抑制実施率が80%の場合、
12468[円]×0.8+8208[円]×(1−0.8)=11616[円]
である。
また、例えば、蓄電装置50を2.8kWh充電し(4.4kWhが空き)、抑制実施率が100%である場合、抑制ありの場合の経済的損失は14316円となっている。これは、以下のように算出している。
まず、1日分の経済的損失を算出する。
出力抑制により余剰電力を売電できなくなった損失が、
8.2[kWh]×35[円/kWh]=287[円]
である。また、また、4.4kWh分については、割安の単価で買電して蓄電装置50を充電することをせず、余剰電力により充電したので、これにより買電せずに済んだ分が、
4.4[kWh]×11[円/kWh]=48.4[円]
である。したがって、1日あたりの経済的損失は、
287−48.4=238.6[円]
である。これが、60日分であるので、
238.6[円]×60=14316[円]
である。
また、例えば、蓄電装置50を2.8kWh充電し(4.4kWhが空き)、抑制実施率が0%である場合、抑制なしの場合の経済的損失は5016円となっている。これは、以下のように算出している。
まず、1日分の経済的損失を算出する。
余剰電力は売電できるので、売電量の減少による経済的損失は発生しない。ただし、蓄電装置50の4.4kWh分が空きとなっているので、蓄電装置50を割安の単価11[円/kWh]で買電して充電して負荷40に給電することにより、割高の単価30[円/kWh]で負荷40に供給するための電力を買電せずに済むという効果が、4.4[kWh]分だけ得られなかった。これによる経済的損失が、
4.4[kWh]×(30−11)[kWh/円]=83.6[円]
である。したがって、1日あたりの経済的損失は、83.6[円]であり、これが、60日分であるので、
83.6[円]×60=5016[円]
である。
抑制実施率が10〜90%における損失は、抑制ありの金額と抑制なしの金額を、その比率で乗算して足しあわして算出している。例えば、抑制実施率が80%の場合、
14316[円]×0.8+5016[円]×(1−0.8)=12456[円]
である。
図8に示すように、抑制実施率が高い場合は、蓄電装置50を空にしておく方が経済的損失は小さいが、抑制実施率が低い場合は、蓄電装置50を2.8kWh分だけ充電しておく方が経済的損失は小さい。図8に示す例では、抑制実施率が60%以下になると、蓄電装置50を空にしておくよりも、2.8kWh分だけ充電しておく方が経済的損失は小さい。
制御部15は、図8に示すような値を算出することで、それまでの抑制実施率の実績により、どのように蓄電装置50を充電させておくことによって、経済的損失を所定範囲内に収めることができるか算出することができる。制御部15は、この算出結果によって、それまでの抑制実施率の実績に基づいて、蓄電装置50の所定の充電量を決定することができる。
制御部15は、抑制実施率が高い場合は所定の充電量を小さくし、抑制実施率が低い場合は所定の充電量を大きくするように制御することにより、経済的損失を低減することができる。
なお、上述の例では、所定の60日間において算出された抑制実施率を参照して充電量を制御していたが、これに限られない。例えば、ユーザーが適宜設定する日数に基づいて、出力制御情報が取得された日の前日までの出力抑制情報の回数に対して実際に出力抑制が実行された回数の割合で算出すればよい。すなわち、抑制実施率とは、過去において出力抑制情報を取得した日に対して、出力抑制が実行された日の割合(出力抑制の実行の有無)に相当する。また、抑制実施率は、出力抑制が実施される同じ年内のデータを参照してもよいし、1年前のデータなどを参照して1日当りの抑制実施時間の平均日数(回数)を参照してもよい。
図9に示すフローチャートを参照して、第1実施形態に係る電力管理装置10の動作の一例について説明する。
制御部15は、翌日に出力抑制が実行されることを予告する出力抑制情報を取得すると(ステップS101)、翌日の太陽光発電装置20の発電電力量を時刻ごとに予測する(ステップS102)。また、制御部15は、翌日の負荷40の消費電力量を時刻ごとに予測する(ステップS103)。また、制御部15は、翌日のどの時間帯に出力抑制が実行されるかを予測する(ステップS104)。なお、ステップS102〜S104の処理の順番はこの順番に限らず任意の順番で実行してよい。
続いて、制御部15は、翌日の発電電力量、翌日の消費電力量、及び、翌日の出力抑制時間帯の予測値に基づいて、各条件での経済的損失を算出する(ステップS105)。ここで、各条件とは、例えば以下の4通りである。
条件1:出力抑制が実行され、蓄電装置50を空にしていた場合
条件2:出力抑制が実行され、蓄電装置50をフル充電していた場合
条件3:出力抑制が実行されず、蓄電装置50を空にしていた場合
条件4:出力抑制が実行されず、蓄電装置50をフル充電していた場合
制御部15は、ステップS105で算出した各条件における経済的損失の値に基づいて、出力抑制が実行される前に、割安単価で蓄電装置50を充電しておく際の、所定の充電量を算出する(ステップS106)。
制御部15は、ステップS106で算出した所定の充電量で出力抑制が実行される前に蓄電装置50を充電した場合、出力抑制の実行の有無に関わらず経済的損失が所定の範囲内となるか否かを判定する(ステップS107)。
経済的損失が所定の範囲内にならないと判定した場合(ステップS107:No)、制御部15は、ステップ106に戻り、蓄電装置50の所定の充電量を再度算出する。
経済的損失が所定の範囲内になると判定した場合(ステップS107:Yes)、制御部15は、蓄電装置50を所定の充電量で充電するように制御する(ステップS108)。
制御部15は、出力抑制情報を取得した翌日に、出力抑制を指令する出力抑制信号を取得した場合、すなわち出力抑制が実行された場合(ステップS109:Yes)、系統60に逆潮流させないように電力変換装置30を制御し、蓄電装置50がフル充電状態になるまで、余剰電力で蓄電装置50を充電する(ステップS110)。
制御部15は、出力抑制情報を取得した翌日に、出力抑制を指令する出力抑制信号を取得しなかった場合、すなわち出力抑制が実行されなかった場合(ステップS109:No)、太陽光発電装置20の発電電力の余剰電力を、系統60に逆潮流させて売電する(ステップS111)。
このように、本実施形態によれば、電力管理装置10の制御部15は、出力抑制情報を取得すると、出力抑制の実行の有無に関わらず経済的損失が所定範囲内に収まるように、割安の買電単価で買電して蓄電装置50を充電する際の所定の充電量を算出する。これにより、出力抑制情報を取得した場合に、実際の出力抑制の実行の有無に関わらず、経済的損失を低減することができる。
また、制御部15は、翌日の負荷40の消費電力量の予測値と、翌日の太陽光発電装置20の発電電力量の予測値と、翌日の出力抑制が実行される時間帯の予測値と、売電単価と、割安の買電単価と、割高の買電単価とに基づいて、出力抑制前に充電する蓄電装置50の所定の充電量を算出する。これにより、出力抑制情報を取得した場合に、実際の出力抑制の実行の有無に関わらず、高い精度で経済的損失を低減することができる。
[第2実施形態]
図10は、本発明の第2実施形態に係る電力制御システム2の概略構成を示す図である。図10において、各機能ブロックを結ぶ実線は主に電力線を示し、破線は主に通信線又は信号線を示す。
電力制御システム2は、太陽光発電装置20と、負荷40と、蓄電装置50と、電力変換装置70とを備える。
電力変換装置70は、通信部71、記憶部72、発電電力取得部73、消費電力取得部74、制御部75及び電力変換部76を備える。
第2実施形態は、電力変換装置70が、自身の内部に、通信部71、記憶部72、発電電力取得部73、消費電力取得部74及び制御部75を備えるという点で、第1実施形態の構成と相違する。第2実施形態の通信部71、記憶部72、発電電力取得部73、消費電力取得部74及び制御部75は、第1実施形態の通信部11、記憶部12、発電電力取得部13、消費電力取得部14及び制御部15と、それぞれ対応し、同様の機能を有するものであるため説明を省略する。
また第2実施形態の電力変換部76は、第1実施形態の電力変換装置30と同様の機能を有するものであるため説明を省略する。
[第3実施形態]
図11は、本発明の第3実施形態に係る電力制御システム3の概略構成を示す図である。図11において、各機能ブロックを結ぶ実線は主に電力線を示し、破線は主に通信線又は信号線を示す。
電力制御システム3は、電力管理装置10と、太陽光発電装置20と、電力変換装置30と、負荷40と、HP(Heat Pump:ヒートポンプ)式給湯装置80とを備える。
第3実施形態に係る電力制御システム3は、特に、蓄電装置50の代わりにHP式給湯装置80を備えるという点で、第1実施形態に係る電力制御システム1と相違する。第3実施形態においては、第1実施形態と相違する部分について主に説明し、第1実施形態と共通又は類似する内容については、適宜、説明を省略する。
HP式給湯装置80は、系統60に接続して用いられ、電気を利用してお湯を沸かし、沸かしたお湯を貯湯しておくことができるものである。HP式給湯装置80は、湯沸かしする時間をある程度自由に選択することができるため、通常、経済的効果が高くなる時間帯において湯沸かしが実行される。なお、図11において、HP式給湯装置80は、負荷40と分けて示しているが、HP式給湯装置80も負荷の一種である。
(従来のHP式給湯装置の制御)
ここで、第3実施形態に係る電力管理装置10の構成及び機能の詳細について説明する前に、図12〜図15を参照して、従来のHP式給湯装置の制御について説明する。
図12は、出力抑制がない2日間における電力量の時間依存を示したグラフである。図12において、HP式給湯装置は、16.8kWhの電力で全量を湯沸かしできるものとする。なお、以後の他の図の説明においても、HP式給湯装置は、16.8kWhの電力で全量を湯沸かしできるものとする。
図12に示すように、通常、23時〜7時までの夜間時間帯の間に割安の買電単価でHP式給湯装置を16.8kWh分だけ湯沸かしする。また、太陽光発電装置の発電電力が負荷の消費電力を上回っている間は、余剰電力を逆潮流させて売電する。図12に示す例においては、7時〜16時までの時間帯で、太陽光発電装置の発電電力は19.2kWhであり、負荷40の消費電力は11kWhである。そのため、余剰電力は19.2−11=8.2kWhであり、8.2kWhが余剰電力として売電される。
図13は、出力抑制情報を取得した場合における、出力抑制情報取得日と、出力抑制が予告された当日との2日間における電力量の時間依存を示したグラフである。
出力抑制を指令する出力抑制信号を取得した場合、出力抑制を指定されている時間帯においては、太陽光発電装置の発電電力が負荷の消費電力を上回っていても系統に逆潮流させて売電することができない。この場合、余剰電力を何らかの負荷に供給できないと、余剰電力が無駄になってしまう。図13に示す例においては、それを防ぐため、出力抑制情報を取得した日の23時から翌日の7時までの間の電力で、HP式給湯装置の全量を湯沸かしすることをやめて、出力抑制当日の余剰電力によって、残りの分を湯沸かししている。
図13に示す例においては、出力抑制当日の9時〜14時までの間が出力抑制時間となっており、この時間帯の余剰電力の7.2kWh分でHP式給湯装置の湯沸かしをしている。これにより、余剰電力のうち7.2kWh分は無駄にすることなく有効に活用することができる。8.2kWhが余剰電力であったとすると、8.2−7.2=1.0kWh分は無駄となってしまうが、8.2kWh全てを無駄にするよりは遙かに余剰電力を有効に活用することができる。
図13は、出力抑制情報を取得した翌日に、実際に出力抑制が実行されたため、余剰電力を有効に活用してHP式給湯装置の湯沸かしをすることができたケースである。しかしながら、出力抑制情報を取得しても、翌日に出力抑制が実行されない場合もある。図14は、そのような状況を示した図である。
図14に示す例においては、出力抑制情報を取得したため、図13に示した場合と同様に、出力抑制情報を取得した日の23時から翌日の7時までの間の電力でHP式給湯装置の全量を湯沸かしすることをやめている。
しかしながら、図14に示す例においては、出力抑制情報を取得した翌日に、実際には出力抑制が実行されなかった。そのため、太陽光発電装置の発電電力が負荷の消費電力を上回った余剰電力は、系統に逆潮流させて売電している。その結果、HP式給湯装置の全量が湯沸かしできていない状態で、太陽光発電電力が負荷の消費電力を下回る16時以降の時間を迎えるため、昼間時間帯の割高の買電単価で買電して、残りの分を湯沸かしすることとなってしまっている。
なお、図14に示すような出力抑制が実行されなかったケースにおいては、余剰電力を系統に売電する代わりにHP式給湯装置の湯沸かしをすることも考えられる。しかしながら、売電単価は35円/kWhで、昼間時間帯の買電単価30円/kWhを上回っているため、出力抑制が実行されなかった場合は、余剰電力を、HP式給湯装置の湯沸かしよりは売電にまわした方が、経済的損失が小さくなると判定し、売電優先の制御を選択する。
図15は、出力抑制情報を取得したものの、実際には出力抑制が実行されないと予測して、出力抑制前にHP式給湯装置の全量を湯沸かししておいた場合を示す図である。
図15に示す例においては、出力抑制が実行されないと予測し、出力抑制情報を取得した日の23時から翌日の7時までの夜間時間帯の間に割安の買電単価で、HP式給湯装置の全量を湯沸かししている。
しかしながら、図15に示す例においては、出力抑制当日の9時〜14時の間において出力抑制が実行されたため、この間の余剰電力8.2kWhは売電できなかった。また、HP式給湯装置は、全量が湯沸かしされてしまっているため、余剰電力でHP式給湯装置を湯沸かしすることもできず、余剰電力が無駄になってしまっている。
(電力管理装置の構成及び機能)
ここで図11を再び参照し、電力管理装置10の構成及び機能について説明する。電力管理装置10は、通信部11、記憶部12、発電電力取得部13、消費電力取得部14及び制御部15を備える。
制御部15は、通信部11を介して、翌日に出力抑制が実行されることを予告する出力抑制情報を取得すると、翌日の発電電力量、翌日の消費電力量、及び、翌日の出力抑制時間帯の予測値に基づいて、各条件での経済的損失を算出する。ここで、各条件とは、例えば以下の4通りである。
条件1:出力抑制が実行され、HP式給湯装置80の湯沸かしを最小限にしていた場合
条件2:出力抑制が実行され、HP式給湯装置80の全量を湯沸かししていた場合
条件3:出力抑制が実行されず、HP式給湯装置80の湯沸かしを最小限にしていた場合
条件4:出力抑制が実行されず、HP式給湯装置80の全量を湯沸かししていた場合
ここで、HP式給湯装置80の湯沸かしを「最小限」にするとは、例えば、図13に示した程度に湯沸かしした状態である(9.6kWhの電力で湯沸かし)。なお、太陽光発電装置20の発電電力が16.8kWh以上得られる場合や、HP式給湯装置80内に湯量・熱量が十分残っている場合には、湯沸しを全くしない選択も可能である。
制御部15は、上記の各条件における経済的損失の値に基づいて、出力抑制情報を取得後、出力抑制が実行される前に、割安単価でHP式給湯装置80を湯沸かししておく際の、所定の湯沸かし量を算出する。この際、制御部15は、記憶部12に記憶されている買電単価(昼間時間帯及び夜間時間帯)、売電単価を参照する。
制御部15は、出力抑制が実際に実行されるか否かに関わらず、経済的損失が所定範囲内に収まるように、HP式給湯装置80の湯沸かし量を算出する。なお、経済的損失の所定範囲は予め任意の値を設定しておくことができる。
図16及び図17を参照して、出力抑制情報を取得して、制御部15が、所定の湯沸かし量として12.4kWh分だけHP式給湯装置80を湯沸かしした場合の例を示す。
図16は、出力抑制情報を取得した翌日に、実際に出力抑制が実行された場合の例を示す図である。
この場合、出力抑制が指定された9時〜14時の時間帯においては、太陽光発電装置20の発電電力が負荷40の消費電力を上回っていても系統60に逆潮流させて売電することができないため、制御部15は、系統60に逆潮流させないように電力変換装置30を制御する。
また、この際、HP式給湯装置80は、湯沸かしに12.4kWhの電力しか用いられていないため、あと4.4kWh分の電力を湯沸かしに利用可能である。したがって、制御部15は、出力抑制が実行されている9時〜14時の間の余剰電力で、HP式給湯装置80を湯沸かしするように制御する。これにより、9時〜14時の間における8.2kWhの余剰電力のうち、4.4kWhは有効利用することが可能となる。8.2kWhが余剰電力であったとすると、8.2−4.4=3.8kWh分は無駄となってしまうが、8.2kWh全てを無駄にするよりは余剰電力を有効に活用することができる。このように、余剰電力の一部を有効利用できるため経済的損失を低減することができる。
図17は、出力抑制情報を取得した翌日に、実際には出力抑制が実行されなかった場合の例を示す図である。
この場合、太陽光発電装置20の発電電力が負荷40の消費電力を上回っている時間帯においては、余剰電力を、系統60に逆潮流させて売電することができるため、制御部15は、系統60に逆潮流させて売電するように電力変換装置30を制御する。
この場合、余剰電力はHP式給湯装置80の湯沸かしではなく売電に利用するため、HP式給湯装置80は全量が湯沸かしされた状態となっていない。
図17に示す例においては、出力抑制の前に夜間時間帯の割安の買電単価でHP式給湯装置80を湯沸かしした12.4kWhでは、全量を湯沸かしできていないため、割高の昼間時間帯の単価で4.4kWh分だけ買電して湯沸かししている。しかしながら、HP式給湯装置80を9.6kWh分だけ湯沸かししていた場合に比べれば、割高の買電単価で買電する電力量を、7.2kWhから4.4kWhまで低減することができ、その分だけ、経済的損失を小さくすることができる。
図16及び図17に示す例においては、所定の湯沸かし量として12.4kWh分だけHP式給湯装置80を湯沸かしする場合を一例として示したが、所定の湯沸かし量を増減することによって、出力抑制あり/出力抑制なしのそれぞれの場合における経済的損失をコントロールすることができる。
例えば、所定の湯沸かし量を増やせば、出力抑制がなかった場合の経済的損失を低減することができるが、出力抑制があった場合の経済的損失は増加する。また、所定の湯沸かし量を減らせば、出力抑制があった場合の経済的損失を低減することができるが、出力抑制がなかった場合の経済的損失は増加する。
図18に示すフローチャートを参照して、第3実施形態に係る電力管理装置10の動作の一例について説明する。
ステップS201〜S204は、図9に示したステップS101〜S104までの処理と同様の処理であるため説明を省略する。
制御部15は、翌日の発電電力量、翌日の消費電力量、及び、翌日の出力抑制時間帯の予測値に基づいて、各条件での経済的損失を算出する(ステップS205)。ここで、各条件とは、例えば以下の4通りである。
条件1:出力抑制が実行され、HP式給湯装置80の湯沸かしを最小限にしていた場合
条件2:出力抑制が実行され、HP式給湯装置80の全量を湯沸かししていた場合
条件3:出力抑制が実行されず、HP式給湯装置80の湯沸かしを最小限にしていた場合
条件4:出力抑制が実行されず、HP式給湯装置80の全量を湯沸かししていた場合
制御部15は、ステップS205で算出した各条件における経済的損失の値に基づいて、出力抑制が実行される前に、割安単価でHP式給湯装置80を湯沸かししておく際の、所定の湯沸かし量を算出する(ステップS206)。
制御部15は、ステップS206で算出した所定の湯沸かし量で出力抑制が実行される前にHP式給湯装置80を湯沸かしした場合、出力抑制の実行の有無に関わらず経済的損失が所定の範囲内となるか否かを判定する(ステップS207)。
経済的損失が所定の範囲内にならないと判定した場合(ステップS207:No)、制御部15は、ステップ206に戻り、HP式給湯装置80の所定の湯沸かし量を再度算出する。
経済的損失が所定の範囲内になると判定した場合(ステップS207:Yes)、制御部15は、HP式給湯装置80を所定の湯沸かし量で湯沸かしするように制御する(ステップS208)。
制御部15は、出力抑制情報を取得した翌日に、出力抑制を指令する出力抑制信号を取得した場合、すなわち出力抑制が実行された場合(ステップS209:Yes)、系統60に逆潮流させないように電力変換装置30を制御し、HP式給湯装置80の全量を湯沸かしできるまで、余剰電力でHP式給湯装置80を湯沸かしする(ステップS210)。
制御部15は、出力抑制情報を取得した翌日に、出力抑制を指令する出力抑制信号を取得しなかった場合、すなわち出力抑制が実行されなかった場合(ステップS209:No)、太陽光発電装置20の発電電力の余剰電力を、系統60に逆潮流させて売電する(ステップS211)。
このように、本実施形態によれば、電力管理装置10の制御部15は、出力抑制情報を取得すると、出力抑制の実行の有無に関わらず経済的損失が所定範囲内に収まるように、割安の買電単価で買電してHP式給湯装置80を湯沸かしする際の所定の湯沸かし量を算出する。これにより、出力抑制情報を取得した場合に、実際の出力抑制の実行の有無に関わらず、経済的損失を低減することができる。
また、制御部15は、翌日の負荷40の消費電力量の予測値と、翌日の太陽光発電装置20の発電電力量の予測値と、翌日の出力抑制が実行される時間帯の予測値と、売電単価と、割安の買電単価と、割高の買電単価とに基づいて、所定の湯沸かし量を算出する。これにより、出力抑制情報を取得した場合に、実際の出力抑制の実行の有無に関わらず、高い精度で経済的損失を低減することができる。
[第4実施形態]
図19は、本発明の第4実施形態に係る電力制御システム4の概略構成を示す図である。図19において、各機能ブロックを結ぶ実線は主に電力線を示し、破線は主に通信線又は信号線を示す。
電力制御システム4は、太陽光発電装置20と、負荷40と、電力変換装置70と、HP式給湯装置80とを備える。
第4実施形態は、電力変換装置70が、自身の内部に、通信部71、記憶部72、発電電力取得部73、消費電力取得部74及び制御部75を備えるという点で、第3実施形態の構成と相違する。第4実施形態の通信部71、記憶部72、発電電力取得部73、消費電力取得部74及び制御部75は、第3実施形態の通信部11、記憶部12、発電電力取得部13、消費電力取得部14及び制御部15と、それぞれ対応し、同様の機能を有するものであるため説明を省略する。
また第4実施形態の電力変換部76は、第3実施形態の電力変換装置30と同様の機能を有するものであるため説明を省略する。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、本発明について装置を中心に説明してきたが、本発明は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。また、本発明について装置を中心に説明してきたが、本発明は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。