JP6494369B2 - 超音波検査装置 - Google Patents
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Description
上記管の深さ方向に所定数のアレイ素子が配列されてなるとともにフェーズドアレイ法により超音波を発信するフェーズドアレイ探触子と、
このフェーズドアレイ探触子を上記管の内面に沿わせながら当該管の中心軸回りに回転させる駆動機と、
上記フェーズドアレイ探触子の探傷方向を複数方向で且つ上記溶接部に向くように設定する複数超音波ビーム設定部とを備え、
上記探傷方向が、管の中心軸に垂直な方向から一方に傾斜させた方向と、管の中心軸に垂直な方向と、管の中心軸に垂直な方向から他方に傾斜させた方向との三方向であり、
上記管の中心軸に垂直な方向から一方に傾斜させた探傷方向の探傷試験と、上記管の中心軸に垂直な方向から他方に傾斜させた探傷方向の探傷試験とが、セクタスキャンによるものであり、
上記管の中心軸に垂直な方向の探傷試験が、リニアスキャンによるものであることを特徴とする。
上記回転角検知部に検知された角度、および上記フェーズドアレイ探触子に発信された超音波の反響から、探傷試験の結果である画像を探傷方向ごとに作成する画像作成部とを備えるものである。
まず、上記超音波検査装置に係る技術的思想の概略について説明する。
上記超音波検査装置における検査(超音波による探傷試験)の対象は、図5に示すように、一定の間隔で平行に配置された多数の管30と、これら管30に垂直な管板20とが溶接された部分(以下、溶接部10という)である。このような溶接部10は、確実な溶接の強度を確保するために、複数回のパスが施されており、その結果として複数層(本実施の形態では一例として2層)のビード11,12からなる。このような溶接部10には、図6に示すように、欠陥1〜4が、ビード11,12と管30および管板20との境界だけでなく、ビード11,12同士の境界にも生じ得る。このため、これら欠陥1〜4は様々な方向の面状となるので、探傷方向が一方向である従来の超音波検査装置140では、その探傷方向に沿う方向の欠陥3を検出できないおそれがある。
この超音波検査装置40は、図4に示すように、管30に挿入されて当該管30の中心軸31回りに回転51しつつ当該管30の内面から溶接部10にフェーズドアレイ法の探傷試験を行う回転探傷部50と、この回転探傷部50の回転51および探傷試験を制御する制御部60とを有する。なお、以下では、上記管30において、回転探傷部50が挿入される元を管手前といい、回転探傷部50が挿入される先を管奥という。
回転探傷部50は、管30の深さ方向に配列された所定数(フェーズドアレイ法に必要な数)のアレイ素子56からなるフェーズドアレイ探触子55と、図示しないバッテリーからの電力により駆動して回転探傷部50を管30の中心軸31回りに回転51させるモータ(駆動機の一例である)52と、管30の中心軸31回りに回転51した回転探傷部50の角度の信号を発するエンコーダ53とを有する。上記フェーズドアレイ探触子55は、その各アレイ素子56の発振時54を調整することで、超音波による探傷方向および探傷範囲を自在に変更可能である。また、図示しないが、上記回転探傷部50は、上記フェーズドアレイ探触子55を覆うとともに管30の内面に面し得るウェッジと、このウェッジの周囲から超音波による探傷試験に必要な接触媒体(水またはグリセリンなど)を供給し得る媒体供給穴とを有する。さらに、上記回転探傷部50は、上記管30の内面とウェッジとの間隔が数μm〜数百μmとなる大きさにされることで、上記媒体供給穴から供給された接触媒体を毛細管現象により上記間隔に満たし得るものである。
上記制御部60は、上記回転探傷部50の回転51に関する構成として、上記回転探傷部50を作動させる指示部61と、この指示部61からの指示によりモータ52を駆動させる駆動部62と、上記エンコーダ53からの信号により回転探傷部50の回転51した角度を検知する回転角検知部63とを有する。また、上記制御部60は、上記回転探傷部50の超音波による探傷試験に関する構成として、上記指示部61からの指示によりフェーズドアレイ探触子55の探傷方向が三方向になるように設定する複数超音波ビーム設定部67と、この複数超音波ビーム設定部67の設定に基づいてフェーズドアレイ探触子55に超音波を発信させる発信部64と、この発信部64によりフェーズドアレイ探触子55から発信された超音波の反射(以下では反射エコーという)を受信する受信部65と、この受信部65に受信された反射エコーから欠陥1〜4の有無を判別するための画像を作成する画像作成部66と、この画像作成部66により作成された画像を処理する画像処理部68とを有する。
まず、回転探傷部50を管30に挿入することで、溶接部10に管30の内面から超音波による探傷試験のための準備を行う。次に、スタートボタンを押すことにより、指示部61から駆動部62および複数超音波ビーム設定部67に指示される。すると、回転探傷部50は、モータ52により管30の中心軸31回りに回転51するとともに、フェーズドアレイ探触子55から溶接部10に向けて超音波が発信される。フェーズドアレイ探触子55から発信される超音波は、探傷方向が管30の中心軸31に垂直な方向から管奥側になるようなもの(図1参照)と、探傷方向が管30の中心軸31に垂直な方向になるようなもの(図2参照)と、探傷方向が管30の中心軸31に垂直な方向から管手前側になるようなもの(図3参照)との三種類である。すなわち、上記超音波検査方法における探傷試験では、探傷方向が三方向となる。これら三種類の超音波が発信されるタイミングは、略同時または僅かに遅れる。
10 溶接部
11 ビード(1層目)
12 ビード(2層目)
20 管板
30 管
31 中心軸
40 超音波検査装置
50 回転探触部
51 回転
52 モータ
53 エンコーダ
54 発振時
55 フェーズドアレイ探触子
56 アレイ素子
60 制御部
62 駆動部
67 複数超音波ビーム設定部
Claims (3)
- 管の周囲に位置して複数層のビードからなる溶接部を超音波による探傷試験で検査する超音波検査装置であって、
上記管の深さ方向に所定数のアレイ素子が配列されてなるとともにフェーズドアレイ法により超音波を発信するフェーズドアレイ探触子と、
このフェーズドアレイ探触子を上記管の内面に沿わせながら当該管の中心軸回りに回転させる駆動機と、
上記フェーズドアレイ探触子の探傷方向を複数方向で且つ上記溶接部に向くように設定する複数超音波ビーム設定部とを備え、
上記探傷方向が、管の中心軸に垂直な方向から一方に傾斜させた方向と、管の中心軸に垂直な方向と、管の中心軸に垂直な方向から他方に傾斜させた方向との三方向であり、
上記管の中心軸に垂直な方向から一方に傾斜させた探傷方向の探傷試験と、上記管の中心軸に垂直な方向から他方に傾斜させた探傷方向の探傷試験とが、セクタスキャンによるものであり、
上記管の中心軸に垂直な方向の探傷試験が、リニアスキャンによるものであることを特徴とする超音波検査装置。 - フェーズドアレイ探触子が管の中心軸回りに回転した角度を検知する回転角検知部と、 上記回転角検知部に検知された角度、および上記フェーズドアレイ探触子に発信された超音波の反響から、探傷試験の結果である画像を探傷方向ごとに作成する画像作成部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波検査装置。
- 画像作成部に作成された探傷方向ごとの画像を足し合わせる画像処理部を備えることを特徴とする請求項2に記載の超音波検査装置。
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