JP6494001B2 - 透明導電性基板及び透明積層構造体 - Google Patents

透明導電性基板及び透明積層構造体 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネル用途に好適な透明導電性基板及び透明積層構造体に関する。より詳細には、タッチパネルのセンサー電極が目視されにくい透明導電性基板及び透明積層構造体に関する。
本願は、2015年3月25日に日本に出願された特願2015−062735号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、タッチパネルのセンサー電極としては、酸化インジウム(Indium Tin Oxide:ITO)を利用した電極が広く使用されている。しかしながら、近年、パネルの高精細化や大型化が進むにつれて、ITOを利用した電極では、必要な低い抵抗値を確保するために電極の厚さを大きくする必要がある。このため、センサー電極の性能として要求されるもう一つのファクター、即ち、透過性を犠牲にせざるを得ない。
これに対し、従来、ガラス等からなる絶縁性の透明基体上やITOなどの透明導電膜上に金属部材の細線をメッシュ状に配する構成(以下、メタルメッシュ方式と呼ぶ)が、プラズマディスプレイパネルの電磁波シールド膜として利用されてきた(例えば、特許文献1)。さらに、この金属部材の細線をタッチパネルのセンサー電極として応用することが検討されている。メタルメッシュ方式では、通常メタルメッシュの材料として銅(Cu)が多用される。しかしながら、Cuのような金属膜は、光を反射し易いという性質を有している(反射率が高い)。このため、タッチパネルのセンサー電極の材料としてCuを用いた場合には、Cuによって外光が反射され、反射光が観察者(タッチパネルの使用者、以下、観察者と称する)によって認識されてしまう。また、このような反射光がタッチパネルの表示画像に混合する場合には、結果的に、観察者から見た表示画像の品質に影響を与える場合がある。このような金属膜による光反射に起因するタッチパネルの画質低下を抑制するための対策として、金属膜のパターンの細線化する処理や、金属膜の表面を黒色にするといった処理の研究が鋭意進められている(例えば、特許文献2)。
図8A〜図8Dは、透明基体の上にメタルメッシュを形成した構成の一例を示す図であり、図8Aは全体を示す平面図であり、図8Bは領域P5の拡大図であり、図8C及び図8Dは図8Bにおける線Z−Zにおける断面図を示している。図8A〜図8Dにおいて、符号501は透明な基材(透明基体)であり、符号502は金属膜である。
図8A〜図8Dに示すようなメタルメッシュ構造を作製するには、まず、透明基体501F(501)上にCuからなる金属膜502F(502)を全面に形成する[図8D]。次いで、不図示のマスクを用い、金属膜502Fに対してエッチング処理を施すことにより、メッシュ状の金属膜を形成した後、金属膜の表面を酸化処理することにより、図8Cに示す構成が得られる。
すなわち、図8A〜図8Dに示すようなメタルメッシュ構造では、ガラス基板501Eの上に、メッシュ状のCu電極502が配されている。Cu電極502は、Cu電極の成膜時に形成された金属膜の特性を有する部位(金属部)502Eaと、Cu電極の表面に対する酸化処理によって黒色に変化した部位(黒化部)502Ebとから構成されている。図8Aにおいて、メッシュ状のCu電極502の表面502ETは、黒化部502Ebである。メッシュの開口に相当する部位は、ガラス基板の表面501ETである。これにより、メッシュ状のCu電極502は、導電性を確保しつつ、反射光が観察者に認識されることを抑制することができる。
ところが、Cuは酸化し易い等の性質を有するため、図8Cに示す構成では、金属部502Eaと黒化部502Ebとの境界付近において、経時的に酸化状態が変動し易い傾向にあった。つまり、Cu電極502において、金属部502Eaと黒化部502Ebとの比率が変動するため、従来のメタルメッシュ構造(Cu電極502)は、導電膜としての特性(比抵抗)が安定しないという問題を抱えていた。さらに、メタルメッシュの表面の酸化状態が変動し易いことから、黒色に変化する程度も変わり易く、メタルメッシュの表面の色合いが変動し易い、という問題もあった。
また、メタルメッシュ構造をタッチパネルのセンサー電極に適用する場合、センサー電極で検出した電気的信号を外部の駆動回路に接続するためのFPC(Flexible Printed Circuit;フレキシブルプリント基板)と、センサー電極との接続が必要となる。しかしながら、従来のメタルメッシュ構造(Cu電極502)では、表面にCuの酸化膜(黒化部502Eb)が露出しているため、FPCとセンサー電極とを電気的に接続するために、一部の酸化膜を除去し、内部の金属部502Eaを露出させるという加工が必要であった。
それゆえ、安定した導電性を得るとともに、反射光が観察者に認識されることを抑制し、さらにFPCとセンサー電極とを容易に電気的に接続することが可能な、メタルメッシュ構造を備えた透明導電性基板の開発が期待されていた。
日本国特開2006−139277号公報 日本国特開2013−206315号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、安定した導電性を得るともに、反射光が観察者に認識されることを抑制し、かつ、外部回路との接続性に優れた、メタルメッシュ構造を備えた透明導電性基板及び透明積層構造体を提供することを目的とする。
本発明の第一態様に係る透明導電性基板は、透明基体と、前記透明基体の一面に、金属膜、モリブデン(Mo)を含む酸化膜である中間膜、及び透明導電膜が順に積層された構造体とを備える。前記金属膜は酸素を含まず、前記構造体においては、可視光域(波長域が380〜780[nm])の入射光に対して平均反射率が10[%]以下である。
本発明の第一態様に係る透明導電性基板においては、前記金属膜と前記中間膜との間には界面が存在し、かつ、前記金属膜は酸素を含まず、前記中間膜は酸素を含むことが好ましい
発明の第一態様に係る透明導電性基板においては、前記金属膜は、Alにネオジム(Nd)を含有させた(Al−Nd)合金であることが好ましい。
本発明の第二態様に係る透明導電性基板は、透明基体と、前記透明基体の一面に、金属膜、モリブデン(Mo)を含む酸化膜である中間膜、及び透明導電膜が順に積層された構造体とを備える。前記構造体においては、波長550nmの入射光に対して反射率が5[%]以下である。
本発明の第一態様及び第二態様に係る透明導電性基板においては、前記中間膜の比抵抗[μΩ・cm]が1.8×10以下であってもよい。
本発明の第一態様及び第二態様に係る透明導電性基板においては、前記透明導電膜の膜厚[nm]が10以上50以下の範囲であってもよい。
本発明の第一態様及び第二態様に係る透明導電性基板においては、前記中間膜の比抵抗及び前記透明導電膜の膜厚のうち少なくとも一つを制御することにより、前記構造体の色合いが調整可能であってもよい。
本発明の第一態様及び第二態様に係る透明導電性基板においては、前記透明基体の前記一面において、前記金属膜、前記中間膜、前記透明導電膜が順に積層されてなる構造体が、エッチング処理により所望のパターンを有してもよい。
本発明の第三態様に係る透明積層構造体は、金属膜と、前記金属膜上に設けられ、モリブデン(Mo)を含む酸化膜である中間膜と、前記中間膜上に設けられた透明導電膜とを備える。前記金属膜は酸素を含まず、前記透明積層構造体においては、可視光域の入射光に対して平均反射率が10[%]以下である。
本発明の第三態様に係る透明積層構造体においては、前記金属膜と前記中間膜との間には界面が存在し、かつ、前記金属膜は酸素を含まず、前記中間膜は酸素を含むことが好ましい
発明の第三態様に係る透明積層構造体においては、前記金属膜は、Alにネオジム(Nd)を含有させた(Al−Nd)合金であることが好ましい。
本発明の上記態様に係る透明導電性基板は、透明基体の一面に、金属膜、中間膜、透明導電膜が順に積層されてなる構造体を備えており、前記中間膜は、モリブデン(Mo)を含む酸化膜からなる。このように、本発明の上記態様に係る透明導電性基板は積層構造をとるため、金属膜と中間膜との間には界面が存在しており、この界面を越えて中間膜に含まれる酸素が金属膜へ侵入する虞は、従来の構成(金属膜の表面を酸化させた構成)に比べて極めて低い。また、金属膜とは独立して、中間膜と透明導電膜によって色合いの調整を行うため、金属膜の表面に対する酸化処理により表面を黒色化していた従来の構成に比べ、色合い(構造体の反射特性)を安定して維持できるようになる。
ここで、可視光域(波長域が380〜780[nm])の入射光に対して平均反射率が10[%]以下の条件、もしくは、特に人の目を通じて最も明るく視認される550nmの波長において反射率が5[%]以下の条件を満たすことにより、前記構造体は低反射構造をとるようになり、所望の色合いに調整することができるようになるとともに、電極としての導電性も確保される。特に、前記構造体においては、中間膜に含まれる酸素量と、透明導電膜の厚さとを制御することにより、構造体の低抵抗化と高い透過率とを両立することができる。
ゆえに、本発明の上記態様は、安定した導電性を得るともに、反射光が観察者に認識されることを抑制するメタルメッシュ構造を備えた透明導電性基板の提供に貢献する。
本発明の実施形態に係る透明導電性基板の一例を模式的に示す平面図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の一例を模式的に示す図であって、図1Aにおける領域P1を示す拡大平面図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の一例を模式的に示す断面図であって、図1Bの線A−Aに沿う図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の一例を模式的に示す断面図であって、図1Bの線A−Aに沿う図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造方法を模式的に示す断面図である。 透明導電性基板の構造体の反射率を示すグラフである。 構造体をなす中間膜の比抵抗を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造装置の他の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態の変形例1に係る太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態の変形例1に係る太陽電池の一例を模式的に示す拡大断面図である。 本発明の実施形態の変形例2に係る太陽電池の一例を模式的に示す拡大断面図である。 従来の透明導電性基板の一例を模式的に示す平面図である。 従来の透明導電性基板の一例を模式的に示す図であって、図8Aにおける領域P5を示す拡大平面図である。 従来の透明導電性基板の一例を模式的に示す断面図であって、図8Bの線Z−Zに沿う図である。 従来の透明導電性基板の一例を模式的に示す断面図であって、図8Bの線Z−Zに沿う図である。 従来の太陽電池の構造の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る透明導電性基板を、図面に基づいて説明する。
図1A〜図1Dは、本実施形態における透明導電性基板を示す模式図であり、図1Aは全体平面図であり、図1Bは領域P1の拡大平面図であり、図1C及び図1Dは図1Bの線A−Aの断面図を表している。特に、図1Cは、エッチング後の透明導電性基板を示す断面図であり、図1Dは、エッチング前の透明導電性基板を示す断面図である。
本実施形態における透明導電性基板は、例えば、液晶や有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)などの表示パネル上に配置され、操作面に触って操作される静電容量方式のタッチパネルなどに用いられる。
このような透明導電性基板S1E(S1)は、図1A〜図1Dに示すように、ガラス等からなる絶縁性の透明基体101E(101)の一面101ETに、金属膜102E(102)、中間膜103E(103)、透明導電膜104E(104)が順に積層されてなる構造体(透明積層構造体)を備えている。
図1A〜図1Dは、構造体がメッシュ状をなす一例を示しており、図1Bに示すように、透明基体101E(101)の上に配された構造体、すなわち金属膜102E、中間膜103E、及び、透明導電膜104Eの3層全てが同じ一つの側面を形成しており、この構造体がメッシュ状の形状とされている。なお、構造体の側面形状としては、3層全てが同じ一つの側面を形成する構造に限定はされず、後述するエッチング工程における条件により、側面に凹凸構造が形成される場合もある。また、この金属膜102Eは、金属膜102Eに積層された中間膜103E、透明導電膜104Eを介して、さらに透明導電膜104Eに接続されたFPCを介して、駆動回路に導通している。
本発明では、中間膜103が金属膜102と透明導電膜104に挟まれる位置に設けられている[図1A及び図1Bでは中間膜103は省略]。これら3層からなる構造体は、後述する製造方法において、一括エッチングされることが好ましいが、各膜にエッチングしても構わない。
本実施形態に係る透明導電性基板において、透明基体101としては、例えば、ガラスからなる基体の他に、PET(ポリエチレンテレフタレート:polyethylene terephthalate)、PP(プリプロピレン:polypropylene)、PC(ポリカーボネート:polycarbonate)、COP(シクロオレフィンポリマー:Cyclo−olefin polymer)、PE(polyethylene:ポリエチレン)、PMMA(Polymethyl methacrylate:ポリメタクリル酸メチル)、等の樹脂系基体、が好適に用いられる。
上記構成における金属膜102には、優れた導電性と高いエッチング性が求められる。 このような条件を満たす金属膜の部材としては、例えば、Al、Al合金、Mo、Mo合金、Ti、Ti合金、Cu、Cu合金、等が挙げられる。中でも、Alにネオジム(Nd)を含有させた(Al−Nd)合金からなる金属膜が、安定した導電性、耐候性を得られるという点から好ましく、さらに、Ndの添加によりAlに特有の問題であるヒロックの発生を抑制することも可能であるため好ましい。


上記構成における中間膜103は、金属膜102と透明導電膜104の間に配置されて用いられることから、透明導電膜と金属膜との間の導通を確保できるだけの導電性と、反射光が観察者に認識されることを抑制するために必要な低反射率条件とを併せ持つことが求められる。具体的には、モリブデン(Mo)を含む酸化膜を中間膜として用いることが好ましい。これは、酸化モリブデンの良好な導電性が、金属膜と透明導電膜の接続に有効に働くためである。また、Moにニオブ(Nb)を含有させた(Mo−Nb)などの合金を用いる場合であっても、Nbを金属膜に添加することにより耐候性の改善が図れるとともに、低反射が得られる条件としては、合金でない場合と同等の効果を得ることができる。
なお、後述するスパッタリング装置にて中間膜を形成する際に、(Ar+O)混合ガスに加えて、中間膜のエッチングレートの調整のために、Nをわずかに添加してもよい。この場合、形成される中間膜の中には、わずかに窒素が含まれることになるが、この添加によって中間膜が酸化膜としての機能を損なうことはない。
上記構成における透明導電膜104としては、特に制限はなく、公知の透明導電材料を用いることが可能であり、例えば、ITO(スズドープ酸化インジウム:Indium Tin Oxide)、AZO(AlをドープしたZnO)、BZO(BをドープしたZnO)、In−ZnO、In−TiO、等が挙げられる。この中でも、Inを含むことが好ましい。Inを含むことにより、良好な導電性を保ちつつ、酸に可溶で、アルカリに耐性を有する、透明導電膜が得られる。このような特性を備えた透明導電膜は、フォトリソグラフィ工程に好適である。
上述した3層、すなわち金属膜102、中間膜103、及び、透明導電膜104からなる構造体は、可視光域(波長域が380〜780[nm])の入射光に対して平均反射率が10[%]以下とすることにより、構造体が低反射構造として有効に機能するようになる。このため、メタルメッシュの表面の色合いを調整することが可能となる。あるいは、可視光域を代表して波長550[nm]の入射光に対して反射率が5[%]以下と規定しても、低反射構造としての機能が担保される。
可視光域において、波長550[nm]の光は、人の目を通じて最も明るく視認される光である。このため、本実施形態においては、波長550[nm]の光が構造体(透明積層構造体)に入射して反射された光の反射率を5[%]以下となるように、透明導電性基板に設けられた透明積層構造体の反射率が調整されている。これによって、可視光域の上限域(380nm付近)や下限域(780nm付近)において反射率が急増するような場合であっても、透明積層構造体及びこの透明積層構造体を備える透明導電性基板は、低反射構造として有効に機能することができる。
なお、本発明の実施形態における平均反射率は、基本的に、可視光域(波長域が380〜780[nm])の範囲内において、1nmピッチで得られた反射率の値を合計し、その合計したデータの点数で除した数値により定義される。ただし、簡便には、可視光域(波長域が380〜780[nm])の範囲内において、50nmピッチで得られた反射率を合計し、その合計したデータの点数で除した数値により定義されてもよく、平均値の算出に使用されるデータ点数は特に限定されない。
図3は、本発明の実施形態に係る透明導電性基板において、構造体(透明積層構造体)の反射率を示すグラフである。
図3において、横軸は入射光の波長を表しており、縦軸は反射率を表わしている。図3における実線は、本発明の実施形態に係る3層の積層構造を有する実施例の透明積層構造体の結果を示している。図3における点線は、比較例の透明導電性基板の結果を示している。
比較例の透明導電性基板は、実施例の3層構造を有する透明導電性基板とは異なり、中間膜と透明導電膜が設けられていない構成、すなわち、基体の上に金属膜のみが形成された透明導電性基板である。
図3に示す反射率の測定においては、実施例、比較例、いずれも、基板が配置されている位置とは反対側に測定装置を配置し、反射光の光量を測定し、反射率の測定を行った。具体的に、実施例の場合は、透明導電膜に面する位置に測定装置を配置し、反射光の光量を測定し、反射率の測定を行った。比較例の場合は、金属膜に面する位置に測定装置を配置し、反射光の光量を測定し、反射率の測定を行った。得られた反射率の値は、実施例の場合は、金属膜、中間膜、透明導電膜の積層膜に起因する反射率を示しており、比較例の場合は、金属膜のみに起因する反射率を、それぞれ示していることになる。
比較例の構成では、可視光域(波長域が380〜780[nm])の全域に亘ってほぼ90%を越える反射率が観測されることから、メタルメッシュのパターンが識別できる状態にあることが分かる。これに対して、本発明の実施形態に係る構成では、可視光域(波長域が380〜780[nm])の範囲内における平均反射率が10%以下(1nmピッチにて計算した結果が6.8%、50nmピッチにて計算した結果が8.8%)であり、低反射条件を十分に満たすことが確認された。なお、実施例では、550[nm]の入射光における反射率は1.9[%]であった。
図4は、本発明の実施形態に係る透明導電性基板において、中間膜の比抵抗を示すグラフである。図4において、横軸は成膜時の酸素ガスの流量[sccm]を、縦軸は中間膜の比抵抗[1×10μΩ・cm]を表わしている。縦軸に示した数字はn乗(1×10)における「n」である。図4において、記号「○」は黒化した場合を示しており、記号「△」は透明な場合を示しており、記号「◇」は金属光沢の場合を示している。
図4に示す結果から、以下の点が明らかとなった。
(1)中間膜に含まれる酸素量を調整することにより、中間膜の色合いを制御することが可能である。
(2)特に、中間膜103の比抵抗を1.8×10[μΩ・cm]以下とした場合には、低反射構造を得ることができ、かつ、その範囲内で中間膜の色合いを制御できる。
(3)具体的には、比抵抗が下がるにつれて、着色の度合いを増加させることが可能となる。換言すると、比抵抗が下がるにつれて、中間膜の色合いが濃くなる現象が確認された。
なお、本発明の実施形態に係る3層の構造体においては、実際には、中間膜103の膜厚は薄く、金属膜102の導電性が、主に、上述した3層からなる構造体の全体の抵抗値に寄与している。中間膜103としては、金属膜102と透明導電膜104とを電気的に接続する膜として機能する導電性を備えていれば問題なく、中間膜103の比抵抗値が1.8×10[μΩ・cm]以下であれば、中間膜103の機能が十分に得られる。
また、図4の横軸は、中間膜の成膜時における酸素の添加量を表している。図4より、酸素の添加量が増えるにともない、中間膜の比抵抗が増大し、さらに中間膜の色合いの変化が見られることが分かった。酸化モリブデンは、酸化数の違いから、色合いが変化することが知られている。特に、MoOやMoは、透明ではなく、灰褐色や黒色の色合いを有する膜となる傾向がある。つまり、上述した範囲の比抵抗を有する中間膜は、モリブデンを含む酸化膜の内でも、特に、MoOやMoの組成比、あるいはその近傍の組成比を有すると考えられる。
なお、上述した3層構造の場合、中間膜上には透明導電膜が配されており、この透明導電膜の膜厚を変化させることによっても、中間膜の色合いの変化を促すことできる。したがって、本発明の実施形態に係る構造体は、中間膜の比抵抗及び透明導電膜の膜厚のうち少なくとも一つ、を制御することにより、前記構造体の色合いを調整することができる。
このような透明導電膜の膜厚としては、金属膜や中間膜の膜厚、材質等にもよるが、導電性を確保しつつ、下層(透明導電膜の下方に位置する層)と、透明導電膜との間の光学的な調整が可能となる範囲として、10〜50nmが好ましい。
なお、上述した3層の他に、必要に応じて、金属膜102の上下界面に所望の機能膜を形成しても構わない。すなわち、透明基体101と金属膜102との間に、バリア性あるいは密着性を目的とした機能膜として、例えば、Mo膜、Ti膜などを設けてもよい。あるいは、金属膜102と中間膜103との間に、金属膜102に含まれるAlのヒロックの発生を抑制する機能膜として、例えば、Mo膜、Ti膜などを設けてもよい。
図2A〜図2Dは、本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造方法を示す模式図であり、特に3層からなる構造体のパターニングを行うためのエッチング工程(特に、3層を一括エッチングする場合)を詳細に示している。以下では、図2A〜図2Dを参照して、上述した構成の透明導電性基板を作製する方法を説明する。
工程1:後述するスパッタリング装置(例えば、図5)を用いて、「透明基体101F上に、金属膜102F/中間膜103F/透明導電膜104Fが順に積層されてなる透明導電性基板S1F」を形成し、その後、透明導電性基板S1Fを大気雰囲気中に搬出する[図2A]。
工程2:金属膜102F/中間膜103F/透明導電膜104Fに対して一括パターニングを行うために、透明導電膜104Fの表面に所定形状にパターニングされたレジスト層Rを形成する[図2B]。以下では、レジスト層Rが形成された透明導電性基板S1Fを、処理対象物とも呼ぶ。
工程3:処理対象物S1m1のレジスト層Rを形成した面にエッチング液ELを噴霧し、レジスト層Rから露出した透明導電膜104Fの部位をエッチングする[図2C]。エッチング液ELとして、3層(金属膜102F/中間膜103F/透明導電膜104F)からなる構造体をエッチングできる溶液を選択することにより、3層の一括エッチングが可能となる。エッチング液ELを噴霧する手法に代えて、処理対象物S1m1を、エッチング液に浸漬する方法を用いてもよい。
工程4:所定時間が経過した後、エッチングを停止する[図2D]。処理対象物S1m2に対する噴霧を停止するか、エッチング液から処理対象物S1m2を引き上げる。図2Dは、エッチングを停止する場合を表している。このとき、レジスト層が配置されていなかった領域では、透明基体101m2が露呈された状態となる。
工程5:処理対象物S1m2を洗浄しエッチング液を除去した後、レジスト層Rを取り除くことにより、本発明の実施形態に係る透明導電性基板S1E(S1)が得られる。
すなわち、本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造方法は、透明導電膜104の上面に所望の空隙パターン(例えば、メッシュ状のパターン)を有するマスクを設けて、該空隙を通して3層(金属膜102F/中間膜103F/透明導電膜104F)をエッチング処理する工程を含んでいる。これにより、マスクに設けた空隙を通して、所望のパターンで、透明基体101が露呈するまで、3層(金属膜102F/中間膜103F/透明導電膜104F)をエッチング処理することができる。ゆえに、本発明の実施形態によれば、導電性と低反射条件を兼ね備えた、透明導電性基板の製造方法の提供が可能となる。
なお、ここでは特に3層を一括エッチングする場合を説明したが、金属膜、中間膜、透明導電膜として選択される材質や膜厚等に応じて、各層ごとに個別にエッチングしても構わない。また、ウェットエッチングによるパターニングを説明したが、フォトリソグラフィ等の他のパターニング技術を利用してもよい。
<金属膜、中間膜及び透明導電膜の作製方法>
以下では、上述した工程1で用意した透明導電性基板S1、すなわち、「透明基体(ガラス基板)101上に、金属膜(AlNd合金膜)102F/中間膜(MoNb酸化膜)103F/透明導電膜(ITO膜)104Fが順に積層されてなる」透明導電性基板S1F、の作製方法について説明する。
ガラスからなる基体101上に、金属膜、中間膜、及び透明導電膜を形成するための製造装置としては、例えば、図5に示すようなインターバック式のスパッタリング装置が用いられる。
図5に示す製造装置においては、基板118a(上述した可撓性部材からなる基体101に相当)は、不図示の搬送装置により、仕込取出室(L/UL)111、加熱室(H)112、第一成膜室(S1)113、第一バッファ室(B1)114、第二成膜室(S2)115、第二バッファ室(B2)116、第三成膜室(S3)117の内部を移動可能とされている。
互いに隣り合う室の間には、仕切りバルブDV1〜DV7が配置されている。また、2つの成膜室の間にはバッファ室が配置されている。図5に示す製造装置は、後述する第一乃至第三成膜空間において独立した成膜条件の雰囲気が維持されるように構成されている。ただし、後述する第一乃至第三成膜空間が、他の成膜空間の影響が及ぶことが無い場合(例えば、所望の差圧機構等を成膜空間内に配置)には、仕切りバルブやバッファ室を設けずに、製造装置は、単一の成膜空間を有しても構わない。
まず、基板118aは減圧雰囲気とされた仕込/取出室111から加熱室112へ搬送され、所望の熱処理が施される。この熱処理により、基板118bは、脱ガスされるとともに、所望の温度に加熱された状態になる。また、使用する基板の材質によっては、脱ガスのための熱処理は不要とすることができる。
次に、熱処理後の基板118bは、加熱室112から第一成膜室113へ搬送され、金属膜の母材からなるターゲット113TGの前(すなわち、第一成膜空間sp1)を通過させることにより、基板118c上に金属膜(AlNd合金膜)を形成する。その際、第一成膜空間sp1には、プロセスガスの供給源113GからArガスが供給され、排気装置113Pにより所望の圧力が維持される。必要に応じて、不図示の温度調整装置を設置して、成膜中の基板118cの温度を制御してもよい。符号113BPはターゲット113TGを載置するバッキングプレートを表しており、符号113Dはバッキングプレート113BPに高電圧を供給する電源を表している。
その後、金属膜が形成された基板118cは、第一成膜室113から第一バッファ室114へ搬送される。第一バッファ室114は第一成膜室113(第一成膜空間sp1)と後述する第二成膜室115(第二成膜空間sp2)との間に配されており、排気装置114Pにより、第一バッファ室114の内部空間は所望の真空度が保持されている。第一バッファ室114内の位置αに、金属膜が形成された基板118cを所望の時間だけ滞在させることにより、前段の第一成膜空間sp1の雰囲気と後段の第二成膜空間sp2の雰囲気とが互いに影響し合うことが防止される。
次に、金属膜が形成された基板118cは、第一バッファ室114から第二成膜室115へ搬送され、中間膜の母材からなるターゲット115TGの前(すなわち、第二成膜空間sp2)を通過させることにより、基板118cの金属膜(AlNd合金膜)上に中間膜(MoNb酸化膜)を形成する。その際、第二成膜空間sp2には、プロセスガスの供給源115Gから(Ar+O)混合ガスが供給され、排気装置115Pにより所望の圧力が維持される。必要に応じて、不図示の温度調整装置を設置して、成膜中の基板118cの温度を制御してもよい。符号115BPはターゲット115TGを載置するバッキングプレートを表しており、符号115Dはバッキングプレート115BPに高電圧を供給する電源を表している。
なお、ここでは、プロセスガスとして、(Ar+O)混合ガスを用いる場合を説明したが、これにNをわずかに添加してもよい。これにより、中間膜のエッチングレートの調整が可能となる。ただし、この添加は、中間膜が酸化膜としての機能を損なうことのない範囲で行われる。
その後、金属膜上に中間膜が積層された基板118dは、第二成膜室115から第二バッファ室116へ搬送される。第二バッファ室116は第二成膜室115(第二成膜空間sp2)と後述する第三成膜室117(第三成膜空間sp3)との間に配されており、排気装置116Pにより、第二バッファ室116の内部空間は所望の真空度が保持されている。第二バッファ室116内の位置βに、中間膜が形成された基板118dを所望の時間だけ滞在させることにより、前段の第二成膜空間sp2の雰囲気と後段の第三成膜空間sp3の雰囲気とが互いに影響し合うことが防止される。
次に、金属膜上に中間膜が積層された基板118dは、第二バッファ室116から第三成膜室117へ搬送され、透明導電膜の母材からなるターゲット117TGの前(すなわち、第三成膜空間sp3)を通過させることにより、基板118dの中間膜上に透明導電膜(ITO)を形成する。その際、第三成膜空間sp3には、プロセスガスの供給源117Gから(Ar+O)混合ガスが供給され、排気装置117Pにより所望の圧力が維持される。必要に応じて、不図示の温度調整装置を設置して、成膜中の基板118dの温度を制御してもよい。符号117BPはターゲット117TGを載置するバッキングプレートを表しており、符号117Dはバッキングプレート117BPに高電圧を供給する電源を表している。
そして、金属膜と中間膜と透明導電膜が順に積層形成された基板118は、図5に矢印RTで示すように、反転(あるいは逆走)させることにより、第三成膜室117から仕込取出室111へ搬送され、製造装置から外部(大気雰囲気)へ取り出される。
つまり、図5に示す製造装置は、前記金属膜を形成する第一成膜空間sp1、前記中間膜を形成する第二成膜空間sp2、及び、前記透明導電膜を形成する第三成膜空間sp3を少なくとも備えており、前記基体が移動する方向において、前記第二成膜空間sp2が、前記第一成膜空間sp1と前記第三成膜空間sp3との間に配置されている。
次いで、上述したエッチング工程を経ることにより、3層(金属膜102F/中間膜103F/透明導電膜104F)からなる構造体に対して所望のパターニングが施された、本発明の実施形態に係る透明導電性基板が得られる。
上述した金属膜と中間膜と透明導電膜の代表的な作製条件を表1に示す。また、メッシュ状の3層からなる構造体を形成する場合(図1A〜図1D及び図2A〜図2D)の代表的なエッチング工程の処理条件を表2に示す。
Figure 0006494001
Figure 0006494001
表1および表2に示す条件により、図1A〜図1Dに示すようなメッシュ状の3層(金属膜102F/中間膜103F/透明導電膜104F)からなる構造体を備えた透明導電性基板を安定して作製することができる。
表1に示すような、金属膜と中間膜と透明導電膜を作成する装置は、図5に示す製造装置に限定されず、例えば、図6に示すようなマルチチャンバ型の製造装置を用いる場合であっても、本発明の実施形態に係る透明導電性基板を製造することができる。
図6は、本発明の実施形態に係る透明導電性基板の製造装置の他の一例を示す模式図である。図6に示す製造装置は、金属膜と中間膜と透明導電膜の各成膜工程が、別々の成膜室(チャンバ)の独立した成膜空間室内において行われる場合に対応している。
このようなマルチチャンバの製造装置を用いて、金属膜と中間膜と透明導電膜の各成膜工程を行う場合における、ガラスからなる基板の搬送経路について説明する。まず、基板は、外部からロード室(L)201に搬入される。そして、基板は、ロード室において減圧下で一定時間待機した後に、基板は、加熱室(H)202内に搬送され、基板は、所望の温度にて熱処理(脱ガス処理)が行われる。
次に、加熱処理された基板は、加熱室(H)202から第一成膜室(S1)203内に搬送され、第一成膜空間sp1において金属膜の成膜が行われる。その後、金属膜が形成された基板は、第一成膜室(S1)203から第二成膜室(S2)204内に搬送され、第二成膜空間sp2において中間膜の成膜が行われる。さらに、金属膜上に中間膜が形成された基板は、第二成膜室(S2)204から第三成膜室(S3)205内に搬送され、第三成膜空間sp3において透明導電膜の成膜が行われる。
続いて、金属膜上に中間膜、透明導電膜が形成された基板は、第三成膜室(S3)205からアンロード室(UL)206に搬送され、一定時間待機した後に、アンロード室(UL)206から外部へ搬出される。各室間の間で基板を搬送する装置としては、トランスファ室(T)207に設置されたロボット(不図示)が用いられる。なお、各室においてプロセス処理中および搬送中は、トランスファ室(T)207を含めて各室201〜206は全て減圧下にある。
つまり、図6に示す製造装置は、前記金属膜を形成する第一成膜空間sp1、前記中間膜を形成する第二成膜空間sp2、及び、前記透明導電膜を形成する第三成膜空間sp3を少なくとも備えており、前記基体が移動する方向において、前記第二成膜空間sp2が、前記第一成膜空間sp1と前記第三成膜空間sp3との間に配置されている。
本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって制限されている。
例えば、上述した実施形態においては、透明積層構造体を構成する3層が透明基体上に設けられた例について説明したが、本発明は、これを限定しない。上記実施形態の透明基体とは異なる部材上に透明積層構造体が設けられてもよい。
以下に、本発明の実施形態の変形例について説明する。変形例においては、上述した実施形態における部材に相当する部材に関する説明を省略または簡略化する。
(変形例1)
図7Aは、上述した透明積層構造体が適用された太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。図7Bは、図7Aにおける透明積層構造体の構造を模式的に示す拡大断面図である。図9は、従来の太陽電池の構造の一例を模式的に示す断面図である。
図9に示すように従来の太陽電池600は、pn接合部630を有する単結晶のシリコン基板620と、シリコン基板620の裏面に設けられた裏面電極610と、シリコン基板620の表面に設けられたフィンガー電極640と、フィンガー電極640上に設けられたバスバー電極650(バスバー配線)とを備える。
バスバー電極650は、シリコン基板620における発電によって生成された電子を集電する。また、一般的に、バスバー電極650の材料としては、銀が利用されている。しかしながら、太陽電池600の外観色(シリコン基板620の色)は黒色に近い色であるため、シリコン基板620の黒色とバスバー電極650の銀白色とのコントラストが大きく、外観上、デザイン性に欠けるという問題があった。
その一方、本変形例1に係る太陽電池においては、上述した透明積層構造体が適用されている。
具体的に、図7Aに示すように、本変形例1に係る太陽電池300は、pn接合部330を有する単結晶のシリコン基板320と、シリコン基板320の裏面に設けられた裏面電極310と、シリコン基板320の表面に設けられたフィンガー電極340と、フィンガー電極340上に設けられて透明積層構造体で構成されたバスバー電極350(バスバー配線)とを備える。また、フィンガー電極340は、pn接合部330上に設けられており、フィンガー電極340の表面には、反射防止膜が設けられている。このため、フィンガー電極340の反射防止膜上にバスバー電極350が設けられている。
図7Bに示すように、バスバー電極350は、フィンガー電極340上に設けられた金属膜351と、金属膜351上に設けられた中間膜352と、中間膜352上に設けられた透明導電膜353とを備える。即ち、中間膜352が金属膜351と透明導電膜353の間に挟持されている。
金属膜351によってバスバー電極350の導電性が得られている。中間膜352は、モリブデンを含む酸化膜である。透明導電膜353の酸化度や膜厚を調整することで、低反射率を有する透明積層構造体で構成されたバスバー電極350が実現されている。
本変形例1に係る太陽電池300によれば、上述した実施形態における効果が得られるだけでなく、バスバー電極350に透明積層構造体が適用されているので、バスバー電極からの反射光を低減することができる。従って、従来の太陽電池600におけるバスバー電極650の銀白色とシリコン基板620の黒色とのコントラストが生じるといった問題が解消される。
(変形例2)
図7Cは、透明積層構造体によって構成されたフィンガー電極を示す拡大断面図である。変形例2においては、変形例1と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
図7Cに示すように、フィンガー電極340は、pn接合部330上に設けられた金属膜341と、金属膜341上に設けられた中間膜342と、中間膜342上に設けられた透明導電膜343とを備える。即ち、中間膜342が金属膜341と透明導電膜343の間に挟持されている。
このような透明積層構造体を備えるフィンガー電極340においては、フィンガー電極340とバスバー電極350との間において導電性を得るために、フィンガー電極340の一部(中間膜342、透明導電膜343)を部分的に除去し、フィンガー電極340とバスバー電極350とを電気的に接続してもよい。
本変形例2に係る太陽電池300によれば、上述した実施形態における効果が得られるだけでなく、フィンガー電極340にも透明積層構造体が適用されているので、フィンガー電極からの反射光を低減することができる。
(変形例3)
上述した透明積層構造体を光学系機器用の遮光フィルムに適用してもよい。
一般的に、デジタルカメラ等のデジタル光学系機器においては、光学系機器の内部機構を構成する部材の表面に低反射性、導電性に優れた機能膜を形成することが知られている(例えば、特開2008−281977等)。
このような機能膜として、上述した実施形態に係る透明積層構造体を適用してもよい。この場合、樹脂フィルム等の基材の表面及び裏面の両方に透明積層構造体が形成される。また、シャッター羽根や絞り羽根等に加工された部材の表面に透明積層構造体を直接形成してもよい。また、光学系機器を構成する部材の表面全体が低反射構造を有する必要があることから、光学系機器を構成する部材の表面全体に上述した透明積層構造体を形成すればよい。この場合、基材は、透明基材であってもよいし、着色された基材であってもよい。
また、本変形例3における透明積層構造体においては、中間膜及び透明導電膜の酸化度や膜厚を制御することで、低反射構造体を実現することができる。また、透明積層構造体が金属膜を有することため、導電性が得られており、光学系機器の内部機構を構成する部品の帯電を予防することもできる。
本発明は、透明導電性基板に広く適用可能である。本発明の透明導電性基板は、優れた視認性が求められる高品位な表示画面などに好適に用いられる。
P1 領域、S1(S1E、S1F) 透明導電性基板、101(101E、101F) 基体(透明基体)、101ET 基体の表面、102(102E、102F) 金属膜、103(103E、103F) 中間膜、104(104E、104F) 透明導電膜、104ET 透明導電膜の表面。

Claims (11)

  1. 透明導電性基板であって、
    透明基体と、
    前記透明基体の一面に、金属膜、モリブデン(Mo)を含む酸化膜である中間膜、及び透明導電膜が順に積層された構造体と
    を備え、
    前記金属膜は酸素を含まず、
    前記構造体においては、可視光域の入射光に対して平均反射率が10[%]以下であることを特徴とする透明導電性基板。
  2. 前記金属膜と前記中間膜との間には界面が存在し、かつ、前記金属膜は酸素を含まず、前記中間膜は酸素を含むことを特徴とする請求項1に記載の透明導電性基板。
  3. 前記金属膜は、Alにネオジム(Nd)を含有させた(Al−Nd)合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性基板。
  4. 透明導電性基板であって、
    透明基体と、
    前記透明基体の一面に、金属膜、モリブデン(Mo)を含む酸化膜である中間膜、及び透明導電膜が順に積層された構造体と
    を備え、
    前記構造体においては、波長550nmの入射光に対して反射率が5[%]以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性基板。
  5. 前記中間膜の比抵抗[μΩ・cm]が1.8×10以下であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の透明導電性基板。
  6. 前記透明導電膜の膜厚[nm]が10以上50以下の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の透明導電性基板。
  7. 前記中間膜の比抵抗及び前記透明導電膜の膜厚のうち少なくとも一つを制御することにより、前記構造体の色合いが調整可能であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の透明導電性基板。
  8. 前記透明基体の前記一面において、前記金属膜、前記中間膜、前記透明導電膜が順に積層されてなる構造体が、エッチング処理により所望のパターンを有している請求項1から請求項のいずれか一項に記載の透明導電性基板。
  9. 透明積層構造体であって、
    金属膜と、
    前記金属膜上に設けられ、モリブデン(Mo)を含む酸化膜である中間膜と、
    前記中間膜上に設けられた透明導電膜と
    を備え、
    前記金属膜は酸素を含まず、
    前記透明積層構造体においては、可視光域の入射光に対して平均反射率が10[%]以下であることを特徴とする透明積層構造体。
  10. 前記金属膜と前記中間膜との間には界面が存在し、かつ、前記金属膜は酸素を含まず、前記中間膜は酸素を含むことを特徴とする請求項に記載の透明積層構造体。
  11. 前記金属膜は、Alにネオジム(Nd)を含有させた(Al−Nd)合金であることを特徴とする請求項又は10に記載の透明積層構造体。
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