JP6493581B2 - クレーン - Google Patents

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本発明は、クレーンに関する。
従来、起伏自在に設けられたブームと、そのブームを起伏させる起伏装置とを備えたクレーンが知られている。下記特許文献1には、このようなクレーンの一例が開示されている。
下記特許文献1に開示されたクレーンでは、その機体の前部にブームの基端部が機体の幅方向に延びる軸回りに回動可能となるように取り付けられている。機体のブームの後方の位置にはライブマストが設けられ、さらにその後方の位置にはハイマストが設けられている。ライブマストとハイマストは、それらの基端部が機体の幅方向に延びる軸回りに回動可能となるように機体にそれぞれ取り付けられることにより、それらの基端部を中心としてそれぞれ回動可能となっている。
ブームの先端部の前面側には、トップリンクが設けられ、そのトップリンクに設けられたトップシーブからフックロープを介して吊荷を吊るためのフックが吊り下げられる。ブームの先端部の後面側は、ペンダントリンクが固設され、このペンダントリンクの後端とライブマストの先端部とがガイラインに相当するペンダントを介して接続されている。
そして、ハイマストの先端部に設けられたシーブと、ライブマストの先端部に設けられたシーブとにブームロープが掛け回され、そのブームロープが機体に設けられたウインチにより巻き取り/繰り出しされるようになっている。ウインチがブームロープを巻き取ることにより、ライブマストの先端部がハイマストの先端部側へ近づくようにライブマストが後方へ回動する。それに伴って、ペンダントが後方へ引っ張られるとともに、そのペンダントによってブームの先端部が後方へ引っ張られ、ブームが起立する。
このクレーンでは、ブームの先端部から後方へ突出するペンダントリンクにより、ペンダントの接続位置をブームの先端部から後方へ離れた位置とし、それによって、ペンダントの張力と吊荷重との合力として作用するブームの圧縮力の作用位置をブームの軸心に近づけている。それにより、ブームを大きな圧縮力に耐え得るようにして吊能力を向上させている。
特開平11−43288号公報
クレーンでは、長さを変更可能な構造のブームが用いられ、吊作業の内容や作業現場の状況等に応じてブームの長さを適切な長さに変更することが一般的に行われる。上記特許文献1のクレーンでは、ペンダントリンクを設けることによって吊能力を向上させているものの、ブームの長さを小さくした場合には吊能力を低下せざるを得なくなる虞がある。また、ブームの長さを大きくした場合には、倒伏状態のブームの引き起こしに要する引張力が増大するという別の問題が生じる。
具体的に、ブームの長さを小さくした場合には、ペンダントの延びる方向と吊荷重の作用方向との間の角度が大きくなるため、圧縮力の作用位置がブームの軸心から前方へ離れた位置となって曲げモーメントが大きくなり、その結果、ブームの撓みを抑制するために吊能力を低下せざるを得なくなる。一方、ブームの長さを大きくした場合には、ブームが略水平に倒伏した状態においてペンダントとブームの軸心との間の角度が小さくなるため、ペンダントの引張力の垂直成分が小さくなり、その結果、ブームを引き起こすためにより大きなペンダントの引張力が必要になる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、吊能力の向上とブームの引き起こしに要する引張力の低減とを両立可能なクレーンを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明によるクレーンは、機体と、回動自在となるように前記機体に取り付けられ、長さを変更可能な構造を有するブームと、前記ブームを回動させて前記機体に対して起伏させる起伏装置とを備え、前記起伏装置は、ガイラインと、前記ブームの先端部に設けられて前記ガイラインの一端を前記ブームの先端部に連結する連結装置と、前記ガイラインを後方へ引っ張ることにより前記ブームを起立させる一方、前記ガイラインを前方へ送り出すことにより前記ブームを倒伏させるガイライン操作装置とを含み、前記ブームの先端部は、前記ブームが起立した状態で後方を向く背面と、そのブームが起立した状態で前方を向く腹面とを有し、前記連結装置は、前記ガイラインの一端と結合する結合部と、前記結合部が前記先端部の前記背面から前記腹面と反対側へ離れた位置に位置するように当該結合部を前記先端部に対して支持する支持装置とを備え、前記支持装置は、前記ブームの前記先端部の前記背面に固設された取付部と、前記結合部と結合する被結合部材と、前記被結合部材と前記先端部の前記背面との間で前記被結合部材を支える支持部材とを有し、前記被結合部材は、当該被結合部材の長手方向に並ぶ複数の被結合部であってそれぞれ前記結合部と着脱可能なものを有し、前記先端部の前記背面に対して接離する方向に回動可能となるように前記取付部に連結され、前記複数の被結合部のうち前記結合部が結合される被結合部が変更されることにより前記結合部が前記ブームの軸心及び前記ブームの回動軸に対して直交する第1方向において複数の異なる位置に変更されることを許容し、前記支持部材は、前記先端部の前記背面に対して接離する方向に回動可能となるように前記取付部に連結され、前記被結合部材のうち前記結合部が結合した所定の前記被結合部が設けられた部位を前記結合部を介して支える。
このクレーンでは、結合部と結合する被結合部材が、結合部の位置をブームの軸心及びブームの回動軸に対して直交する第1方向において複数の異なる位置に変更することを許容するため、吊能力の向上とブームの引き起こしに要する引張力の低減とを両立することができる。
具体的に、ブームの長さを小さくした場合には、結合部を起立状態のブームの軸心からより後方へ離れた位置に配置してガイラインの延びる方向と吊荷重の作用方向との間の角度を小さくすることにより、ブームの長さを小さくしたことに起因して起立状態のブームの軸心から前方へ離れた位置となった圧縮力の作用位置をブームの軸心に近づけることができる。その結果、ブームに生じる曲げモーメントを低減してブームの撓みを低減することができ、吊能力を向上することができる。一方、ブームの長さを大きくした場合には、結合部をブームの軸心により近い位置に配置することにより、ブームの長さを大きくしたことに起因して小さくなったブームの軸心に対するガイラインの角度を拡大することができる。これにより、倒伏状態のブームを引き起こすときのガイラインの引張力の鉛直方向の成分を大きくすることができ、その結果、ブームの引き起こしに要するガイラインの引張力を低減することができる。
また、このクレーンでは、所定の被結合部に結合していた結合部をその被結合部から取り外して別の被結合部に結合させることにより、前記第1方向において結合部の位置を変更することができる。従って、結合部と結合するとともに、その結合部の位置を前記第1方向において複数の異なる位置に変更することを許容する被結合部材を具体的に構成できる。
また、このクレーンでは、複数の被結合部から選択した所定の被結合部に結合部を結合させた場合に、被結合部材のうちその所定の被結合部が設けられた部位を支持部材によって支えることができる。このため、支持部材により、結合部から被結合部材の前記所定の被結合部が設けられた部位に掛かるガイラインの大きな張力に対抗することができ、被結合部材の変形や破損を防ぐことができる。
以上説明したように、本発明によれば、吊能力の向上と倒伏状態のブームの引き起こしに要する引張力の低減とを実現可能なクレーンを提供できる。
本発明の第1実施形態によるクレーンのブームが起立状態にある場合の側面図である。 図1に示したクレーンのブーム先端部の拡大図である。 図1に示したクレーンのブームの長さよりも大きい長さのブームが用いられる場合に採用されるガイラインオフセットリンクの形態を示す図2相当図である。 比較例によるクレーンの側面図である。 図1に示した第1実施形態のクレーンにおいてブームに作用する圧縮力と、図4に示した比較例のクレーンにおいてブームに作用する圧縮力との違いを説明するためのブーム先端部の拡大図である。 本発明の第1実施形態によるクレーンのブームが倒伏状態にある場合の側面図である。 本発明の第2実施形態によるクレーンの側面図である。 図7に示したクレーンのブーム先端部の拡大図である。 本発明の変形例によるクレーンのブーム先端部の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1〜図6を参照して、本発明の第1実施形態によるクレーンについて説明する。
第1実施形態によるクレーンは、図1に示すように、自走可能に構成された下部走行体2と、下部走行体2上に縦軸回りに旋回可能となるように搭載された上部旋回体4とを有する機体6を備える。この第1実施形態では、下部走行体2は、クローラ式であるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えばホイール式であってもよい。
なお、以下の説明において、「前方」及び「後方」とは、上部旋回体4における前方及び後方を意味する。すなわち、図1における右方が「前方」に相当し、図1における左方が「後方」に相当する。また、以下の説明において、「幅方向」とは、上部旋回体4の幅方向に相当し、水平方向で且つ前後方向に直交する方向のことである。すなわち、「幅方向」は、図1の紙面に垂直な方向に相当する。
この第1実施形態によるクレーンは、図1に示すように、幅方向に延びる回動軸回りに回動自在となるように機体6の上部旋回体4に取り付けられたブーム10と、そのブーム10を回動させて上部旋回体4に対して起伏させる起伏装置11とを備える。
ブーム10は、ラチス構造を有し、特定方向に延びるラチスブームである。ブーム10は、その軸方向の長さが変更可能となるように構成されている。このブーム10は、ブーム本体12と、ブームヘッド13とを有する。
ブーム本体12は、ブーム10の大半を構成するものであり、ラチス構造を有する複数の単位ブーム14が連結されることによって形成されている。このブーム本体12の長手方向の一端部である基端部は、ブーム10の基端部に相当し、上部旋回体4の前端部に取り付けられている。ブーム本体12の基端部は、幅方向に延びる回動軸回りに回動可能となるように上部旋回体4に取り付けられている。これにより、ブーム10は、ブーム本体12の基端部を支点として起伏可能となっている。
各単位ブーム14は、4本の主材15と、それらの主材15同士を連結する複数のラチス材16とを有する。なお、各図では、ブーム10が側方から見た状態で示されているため、4本の主材15のうちの2本のみが表されている。各主材15は、ブーム10の長手方向に直交する断面において矩形の4つの頂点に相当する各位置に配置されている。ブーム10の軸心10aは、このブーム10の長手方向に直交する断面における4本の主材15の中心を通り、ブーム10の長手方向に延びる。隣り合う単位ブーム14の対応する主材15同士は、分離可能に連結されている。単位ブーム14を繋ぎ合わせる本数を変更したり、用いる単位ブーム14を軸方向の長さが異なるものに変更したりすることによって、ブーム10の軸方向の長さが変更可能となっている。
ブームヘッド13は、ブーム本体12の基端部と反対側の端部に取り付けられてブーム10の先端部を形成している。ブームヘッド13は、本発明におけるブームの先端部の一例である。ブームヘッド13は、図1に示すようにブーム10が起立した状態で後方を向く背面21と、その状態で前方を向く腹面22と、その状態で上方を向く先端面23とを有する。
ブームヘッド13の腹面22側の部分には、トップシーブ25が幅方向に延びる水平軸回りに回転可能となるように設けられている。図1に示すように、このトップシーブ25から下方へ吊ロープ26を介してフック装置27が吊り下げられる。フック装置27は、回転可能な図略のフックシーブを備えている。このフックシーブとトップシーブ25とに、上部旋回体4に搭載された図略の巻上ウインチから引き出された吊ロープ26が掛け回されている。巻上ウインチが吊ロープ26の巻き取り/繰り出しを行うことにより、フック装置27及びそれに吊られた吊荷が巻き上げ/巻き下げされるようになっている。
起伏装置11(図1参照)は、2本のガイライン30と、2つの連結装置32と、ガイライン操作装置34とを備える。
ガイライン30と連結装置32は、後述するクレーンマスト60の先端部60bとブームヘッド13とを繋ぐものである。
2本のガイライン30は、上部旋回体4の幅方向に分かれて配置されている。2本のガイライン30は、上部旋回体4の側方から見ると互いに重なるため、各図では一方のガイライン30のみが表されている。また、2つの連結装置32は、ブームヘッド13に設けられており、幅方向に分かれて配置されている。この2つの連結装置32も、上部旋回体4の側方から見ると互いに重なるため、各図では一方の連結装置32のみが表されている。
一方の連結装置32は、対応する一方のガイライン30の一端をブームヘッド13に連結する。他方の連結装置32は、対応する他方のガイライン30の一端をブームヘッド13に連結する。各ガイライン30の他端は、後述するクレーンマスト60の先端部60bに接続されている。一方の連結装置32は、ブームヘッド13の幅方向の一端部に設けられ、他方の連結装置32は、ブームヘッド13の幅方向の他端部に設けられている。2つの連結装置32は同様に構成されているため、以下、一方の連結装置32の構造について代表して説明する。
連結装置32は、図2に示すように、結合部36と、支持装置38とを有する。
結合部36は、ガイライン30の一端が結合される部分である。この結合部36は、ピン55と、そのピン55に取り付けられる図略のシャックル等の接続部材とからなる。ピン55は、支持装置38の後述する第1リンク部材49と第2リンク部材50とを互いに連結する。ガイライン30の一端は、このピン55に取り付けられた前記接続部材に結合される。
支持装置38は、結合部36がブームヘッド13の背面21から腹面22と反対側へ離れた位置に位置するようにその結合部36をブームヘッド13に対して支持するものである。支持装置38は、図2に示すように、取付部42と、ガイラインオフセットリンク44(以下、単にリンク44と称する)と、ピン52,54とを有する。
取付部42は、リンク44が取り付けられる部分である。取付部42は、ブームヘッド13の背面21から腹面22と反対側へ突出するように背面21に固設されていて、リンク44を支持する。取付部42は、図2に示すように、第1取付部材46と、第2取付部材47とを有する。
第1取付部材46は、ブームヘッド13の先端面23近傍において背面21に立設された2枚の板体からなる。第1取付部材46の2枚の板体は、それらの板厚方向が幅方向に一致するように配置されている。この2枚の板体は、幅方向においてそれらの間に僅かな隙間をあけて配置されている。各板体には、それらを板厚方向に貫通する取付穴が同じ位置に形成されている。
第2取付部材47は、背面21に立設された1枚の板体からなる。第2取付部材47は、その板厚方向が幅方向に一致するように配置されており、第1取付部材46の2枚の板体の中間に対応する位置に配置されている。第2取付部材47には、当該第2取付部材47を板厚方向に貫通する取付穴が形成されている。この取付穴は、ブームヘッド13の先端面23と反対側(ブーム本体12側)に位置する基端近傍に配置されている。
リンク44は、取付部42に取り付けられて結合部36を支持する支持装置である。リンク44は、取付部42に着脱可能となっている。リンク44は、図2に示すように、第1リンク部材49及び第2リンク部材50を有する。
第1リンク部材49は、本発明の被結合部材の一例である。第1リンク部材49は、結合部36のピン55と結合する。第1リンク部材49は、結合部36の位置をブーム10の軸心10a及びブーム10の回動軸に対して直交するA方向において複数の異なる位置に変更することを許容する。
具体的に、第1リンク部材49は、細長い平板からなる。第1リンク部材49には、当該第1リンク部材49を板厚方向に貫通する複数の穴49aが設けられている。この穴49aは、本発明における被結合部の一例である。複数の穴49aは、第1リンク部材49の長手方向に間隔をあけて並んでいる。第1リンク部材49は、その長手方向の一端部である基端部49bと、その長手方向の他端部である先端部49cとを有する。穴49aは、第1リンク部材49の基端部49bと先端部49cにも配置されている。
第1リンク部材49の基端部49bは、第1取付部材46の2枚の板体間に挿入されている。その基端部49bに設けられた穴49aと第1取付部材46の2枚の板体に設けられた取付穴とにピン52が挿嵌されることにより、第1リンク部材49の基端部49bが第1取付部材46に取り付けられている。ピン52は、基端部49bの穴49a及び第1取付部材46の取付穴に対して挿脱可能となっている。ピン52をそれらの穴から抜き出すことで、第1取付部材46から基端部49bを分離できるようになっている。すなわち、第1リンク部材49の基端部49bは、第1取付部材46に対して着脱可能となっている。
第2リンク部材50は、本発明の支持部材の一例である。第2リンク部材50は、第1リンク部材49及びブームヘッド13の背面21に対して交差する方向に延び、第1リンク部材49とブームヘッド13の背面21との間で第1リンク部材49を支える。第2リンク部材50は、細長い2枚の平板からなる。この2枚の平板は、同形に形成されている。第2リンク部材50の各平板は、その長手方向の一端部である基端部50aと、その長手方向の他端部である先端部50bとを有する。各平板の基端部50aには、その平板を板厚方向に貫通する穴51aが形成されている。各平板の先端部50bには、その平板を板厚方向に貫通する穴51bが形成されている。
第2リンク部材50の2枚の平板の基端部50aは、第2取付部材47に連結されている。具体的に、これらの基端部50aは、穴51aが第2取付部材47の取付穴と重なるように第2取付部材47をその板厚方向の両側から挟み込み、その状態で、ピン54が、各基端部50aの穴51aと第2取付部材47の取付穴に挿嵌されている。これにより、第2リンク部材50の基端部50aが第2取付部材47に取り付けられている。ピン54は、基端部50aの穴51a及び第2取付部材47の取付穴に対して挿脱可能となっている。ピン54をそれらの穴から抜き出すことで、第2取付部材47から基端部50aを分離できるようになっている。すなわち、第2リンク部材50の基端部50aは、第2取付部材47に対して着脱可能となっている。
また、第2リンク部材50の2枚の平板の先端部50bは、第1リンク部材49に連結される。具体的に、これらの先端部50bは、穴51bが第1リンク部材49の所定の穴49aと重なるようにその第1リンク部材49を板厚方向の両側から挟み込み、その状態で、ピン55が、穴51bと対応する所定の穴49aに挿嵌される。これにより、第2リンク部材50の先端部50bが第1リンク部材49に取り付けられている。ピン55は、先端部50bの穴51b及び第1リンク部材49の穴49aに対して挿脱可能となっている。ピン55を穴49a,51bから抜き出すことで、第1リンク部材49と第2リンク部材50の先端部50bとを互いに分離できるようになっている。すなわち、第2リンク部材50の先端部50bは、第1リンク部材49に対して分離可能に連結されている。第2リンク部材50は、ピン55を介して、第1リンク部材49のうちピン55が挿嵌された穴49aが設けられた部位を支える。
第1リンク部材49は、第1取付部材46に取り付けられるとともに、第2取付部材47に取り付けられた第2リンク部材50と連結された状態で、前記A方向に概ね沿う方向に延びる。すなわち、第1リンク部材49は、第2リンク部材50及びピン55によって支えられた状態で前記A方向において所定の長さを有する。複数の穴49aは第1リンク部材49の長手方向に並んでいるため、第1リンク部材49が第2リンク部材50及びピン55によって支えられた状態では、当該複数の穴49aは、前記A方向において複数の異なる位置に配置される。このため、複数の穴49aから選択した所定の穴49aと第2リンク部材50の穴51bにピン55を挿嵌して第2リンク部材50の先端部50bをその選択した穴49aの位置で第1リンク部材49に連結することにより、結合部36を選択した穴49aに対応する前記A方向の所定の位置に設置できる。そして、所定の穴49aと第2リンク部材50の穴51bからピン55を抜き出し、別の穴49aに第2リンク部材50の穴51bを合わせてそれらの穴49a,51bにピン55を挿嵌し、第1リンク部材49に対する第2リンク部材50の先端部50bの連結位置を変更することにより、結合部36の位置を前記A方向において変更可能となっている。
例えば図2に示されているように、第1リンク部材49の先端部49cに設けられた穴49aと第2リンク部材50の先端部50bの穴51bにピン55を挿嵌して、第1リンク部材49の先端部49cに第2リンク部材50の先端部50bを連結した場合には、結合部36は、前記A方向における当該結合部36の位置の変更範囲においてブームヘッド13の背面21から最も離れた位置に配置される。
そして、例えば図3に示されているように、第1リンク部材49の先端部49cよりも基端部49b寄りの部位に設けられた穴49aと第2リンク部材50の先端部50bの穴51bにピン55を挿嵌して、その穴49aが設けられた部位に第2リンク部材50の先端部50bを連結した場合には、結合部36は、前記A方向において図2の場合の位置よりもブームヘッド13の背面21に近い位置に配置される。
以上のように、第1リンク部材49に設けられた複数の穴49aの中でより基端部49b側に位置する穴49aにピン55を挿嵌して第2リンク部材50の先端部50bを連結すれば、結合部36をブームヘッド13の背面21により近い位置に配置できる。逆に、第1リンク部材49に設けられた複数の穴49aの中でより先端部49c側に位置する穴49aにピン55を挿嵌して第2リンク部材50の先端部50bを連結すれば、結合部36をブームヘッド13の背面21から腹面22と反対側へより離れた位置に配置できる。
ガイライン操作装置34(図1参照)は、ガイライン30を後方へ引っ張ることによりブーム10を起立させる一方、ガイライン30を前方へ送り出すことによりブーム10を倒伏させる装置である。ガイライン操作装置34は、クレーンマスト60と、マスト回動装置61とを備える。
クレーンマスト60は、図1に示すように、ブーム10の基端部が取り付けられた位置の後方において上部旋回体4に取り付けられた基端部60aを有する。基端部60aは、幅方向に延びる水平軸回りに回動可能となるように上部旋回体4に取り付けられている。これにより、クレーンマスト60は、その基端部60aを中心として水平軸回りに回動可能となっている。クレーンマスト60の基端部60aと反対側の端部である先端部60bには、結合部36に接続されたガイライン30の一端と反対側の端部である他端が接続されている。ブーム10が起立した状態(図1参照)では、クレーンマスト60の先端部60bは、ブームヘッド13よりもかなり低い位置に配置される。一方、ブーム10が上部旋回体4から前方へ略水平に延びるように倒伏した状態(図示せず)では、ブームヘッド13の方が、クレーンマスト60の先端部60bよりも低い位置に配置される。
マスト回動装置61は、クレーンマスト60を回動させることによりガイライン30の後方への引っ張りと前方への送り出しとを行う装置である。このマスト回動装置61は、図1に示すように、上部スプレッダ62と、下部スプレッダ64と、起伏ウインチ66と、起伏ロープ68とを有する。
上部スプレッダ62は、クレーンマスト60の先端部60bに取り付けられている。上部スプレッダ62は、幅方向に延びる水平軸回りに回転自在の上部シーブ62aを有する。
下部スプレッダ64は、上部旋回体4の後端部に設けられている。下部スプレッダ64は、幅方向に延びる水平軸回りに回転自在の下部シーブ64aを有する。
起伏ウインチ66は、上部旋回体4に搭載されている。起伏ウインチ66から引き出された起伏ロープ68が、上部シーブ62aと下部シーブ64aとに掛け回されている。起伏ウインチ66は、起伏ロープ68の巻き取り/繰り出しを行う。
起伏ウインチ66が起伏ロープ68を巻き取ることにより、上部スプレッダ62が下部スプレッダ64側へ引き寄せられ、それに伴ってクレーンマスト60が後方へ回動し、その結果、ガイライン30がクレーンマスト60によって後方へ引っ張られる。これにより、ガイライン30及び連結装置32を介してブームヘッド13が後方へ引っ張られ、ブーム10が起立するようになっている。
一方、起伏ウインチ66が起伏ロープ68を繰り出すことにより、上部スプレッダ62と下部スプレッダ64との間の間隔が拡大するとともに、クレーンマスト60がブーム10の荷重及び吊荷重をガイライン30を介して支えながら前方へ回動し、その結果、ガイライン30が前方へ送り出される。これにより、ブーム10が前方へ倒伏するようになっている。
第1実施形態では、上述したように、ガイライン30の一端と結合する結合部36(図2参照)が、ブームヘッド13の背面21から腹面22と反対側へ離れた位置に位置するように支持装置38によって支持される。このため、起立状態のブーム10にガイライン30の張力と吊荷重との合力として作用する圧縮力の作用位置をブーム10の軸心10aに近づけることができる。これにより、ブーム10に作用する圧縮力に起因した曲げモーメントが小さくなる。
具体的に、図5に示すように、当該第1実施形態におけるブーム10の圧縮力P1は、結合部36に結合したガイライン30の延長線とトップシーブ25の回転軸の中心から鉛直方向で上方へ延びる直線との交点N1において、ガイライン30の張力T1と吊荷重Wとを合成した合力として求められる。
一方、図4に示すように支持装置38が設けられておらず、第2取付部材47に結合部36が設けられていてその結合部36がブームヘッド13の背面21に近接した位置に配置されているクレーンを比較例とする。この比較例では、図5に示すように、ブーム10の圧縮力P2は、ガイライン30aの延長線とトップシーブ25の回転軸の中心から鉛直方向で上方へ延びる直線との交点N2において、ガイライン30aの張力T2と吊荷重Wとを合成した合力として求められる。
図5に示すように、ブーム10の軸心10aに垂直な面内での第1実施形態によるブーム10の圧縮力P1の作用位置と軸心10aとの間の距離L1は、同面内での比較例によるブーム10の圧縮力P2の作用位置と軸心10aとの間の距離L2よりも小さくなる。すなわち、第1実施形態によるブーム10の圧縮力P1の作用位置は、比較例によるブーム10の圧縮力P2の作用位置に比べてブーム10の軸心10aに近づく。このため、当該第1実施形態において圧縮力P1がブーム10に作用することによりブーム10に生じる曲げモーメントは、比較例において圧縮力P2がブーム10に作用することにより生じる曲げモーメントよりも小さくなる。このため、第1実施形態では、曲げモーメントによるブーム10の撓みを軽減でき、より大きな吊荷重を吊ることが可能となる。その結果、吊能力を向上できる。
この第1実施形態のクレーンでは、単位ブーム14の継ぎ数を変更したり、使用する単位ブーム14を長さの異なるものに変えたりすることによって、ブーム10の長さを吊作業の内容や作業現場の状況等に応じた適切な長さに変更する。この場合に、第1リンク部材49により、結合部36の位置を前記A方向において複数の異なる位置に変更することが許容されるため、吊能力の向上とブーム10の引き起こしに要する引張力の低減とを両立できる。
具体的に、ブーム10の長さを小さくした場合には、結合部36のピン55を第1リンク部材49の先端部49c寄りの穴49aに挿嵌することにより、結合部36を起立状態のブーム10の軸心10aからより後方へ離れた位置に配置する。例えば、結合部36を図5に示した位置に配置する。この場合には、ブーム10の長さを小さくしたことに起因して起立状態のブーム10の軸心10aから前方へ離れた位置となった圧縮力の作用位置をブーム10の軸心10aに近づけることができる。このため、図5に基づいて説明した上記理由と同様の理由により、曲げモーメントによるブーム10の撓みを低減して吊能力を向上できる。
一方、ブーム10の長さを大きくした場合には、結合部36のピン55を第1リンク部材49の先端部49cよりも基端部49b寄りに位置する穴49aに挿嵌して、結合部36をブーム10の軸心10aにより近い位置に配置する。例えば、結合部36を図3に示した位置に配置する。この場合には、ブーム10の長さを大きくしたことに起因して小さくなった倒伏状態のブーム10の軸心10aに対するガイライン30の角度を拡大することができる。具体的には、図6に示す角度θを拡大できる。これにより、倒伏状態のブーム10を引き起こす際、ガイライン30の引張力の鉛直方向の成分を大きくすることができる。その結果、ブーム10の引き起こしに要するガイライン30の引張力を低減できる。
また、第1実施形態では、第1リンク部材49と交差する方向に延びる第2リンク部材50が、第1リンク部材49のうち結合部36のピン55が挿嵌された穴49aが設けられた部位をそのピン55を介して支える。このため、第2リンク部材50により、結合部36から第1リンク部材49のピン55が挿嵌された穴49aが設けられた部位に掛かるガイライン30の大きな張力に対抗することができる。その結果、第1リンク部材49の変形や破損を防ぐことができる。
(第2実施形態)
図7及び図8に、本発明の第2実施形態によるクレーンの構成が示されている。この第2実施形態によるクレーンでは、ブームヘッド13に対する結合部36の相対位置を、前記A方向に加えてブーム10の軸方向に沿うB方向においても複数の異なる位置に変更可能となっている。なお、B方向は、本発明における第2方向の一例である。
また、この第2実施形態によるクレーンは、その仕様を通常仕様とヘビーリフト仕様とに変更可能となっている。通常仕様とヘビーリフト仕様は、吊荷重の大きさに応じて使い分けられる。すなわち、吊荷重の大きさが予め設定された設定値以下である場合には、クレーンの仕様として通常仕様が採用され、吊荷重の大きさがその設定値よりも大きい場合には、クレーンの仕様としてヘビーリフト仕様が採用される。そして、この第2実施形態では、クレーンをヘビーリフト仕様にする場合に、結合部36を前記B方向においてブーム10のより先端側へ配置するようになっている。以下、この第2実施形態によるクレーンの具体的な構成について説明する。
通常仕様は、図1に示されたクレーンの仕様に相当する。すなわち、通常仕様のクレーンの構成は、上記第1実施形態のクレーンの構成に相当するため、ここではその説明を省略する。
ヘビーリフト仕様は、図7に示されたクレーンの仕様に相当する。このヘビーリフト仕様では、ガイライン操作装置34が、クレーンマスト60とマスト回動装置61に加えて、クレーンマスト60とは別のHLマスト76を備える。なお、この第2実施形態におけるクレーンマスト60は、本発明による第1マストの一例である。また、HLマスト76は、本発明による第2マストの一例である。
HLマスト76は、ラチス構造を有し、特定方向に延びるマストである。HLマスト76は、当該HLマスト76の軸方向の一端部である基端部76aと、当該基端部76aと反対側の端部である先端部76bとを有する。
基端部76aは、上部旋回体4に分離可能に取り付けられる。この基端部76aは、クレーンマスト60の基端部60aと共通の軸回りに回動可能となるように上部旋回体4に取り付けられている。これにより、HLマスト76は、その基端部76aを中心としてブーム10とクレーンマスト60との間で回動するようになっている。
また、この第2実施形態では、ガイライン操作装置34は、クレーンマスト60の先端部60bとHLマスト76の先端部76bとを繋ぐ連結ロープ78を備える。この連結ロープ78は、本発明による連結部材の一例である。また、2本のガイライン30の連結装置32と反対側の端部がHLマスト76の先端部76bに接続されている。これにより、HLマスト76の先端部76bとブームヘッド13とが、ガイライン30及び連結装置32を介して接続されている。HLマスト76の先端部76bは、クレーンマスト60の先端部60bよりも高い位置に配置される。
この第2実施形態では、マスト回動装置61は、クレーンマスト60を回動させることにより連結ロープ78を介してHLマスト76を回動させ、それによってガイライン30の後方への引っ張りと前方への送り出しとを行う。
また、この第2実施形態では、支持装置38の取付部42が、第1リンク部材49を支持するとともに、その第1リンク部材49の位置を前記B方向において複数の異なる位置に変更することを許容する。
具体的に、取付部42は、上記第1実施形態の第1取付部材46及び第2取付部材47と同様に構成された第1取付部材46及び第2取付部材47と、さらに別の第3取付部材48及び第4取付部材56とを有する。この第2実施形態における第1取付部材46及び第3取付部材48は、本発明における取付部材の一例である。
第3取付部材48は、ブームヘッド13の先端面23のうち腹面22寄りの位置においてその先端面23から立設された2枚の板体からなる。従って、第3取付部材48は、前記B方向において第1取付部材46と異なる位置でブームヘッド13に設けられており、第1取付部材46よりもブーム10のより先端側に配置されている。第3取付部材48の2枚の板体は、それらの板厚方向が幅方向に一致するように配置されている。この2枚の板体は、幅方向においてそれらの間に僅かな隙間をあけて配置されており、幅方向において第1取付部材46の2枚の板体と一致した位置に配置されている。第3取付部材48の各板体には、それらを板厚方向に貫通する取付穴が同じ位置に形成されている。
第4取付部材56は、ブームヘッド13の先端面23のうち背面21近傍の位置においてその先端面23から立設された1枚の板体からなる。第4取付部材56は、その板厚方向が幅方向に一致するように配置されている。第4取付部材56は、幅方向において第3取付部材48の2枚の板体の中間に対応する位置に配置されている。第4取付部材56には、当該第4取付部材56を板厚方向に貫通する取付穴が形成されている。
第1及び第2取付部材46,47にリンク44が取り付けられた第1取付状態S1(図8参照)から第3及び第4取付部材48,56にリンク44が取り付けられた第2取付状態S2(図8参照)へ取付部42に対するリンク44の取付状態を変更することで、第1リンク部材49の位置を前記B方向において複数の異なる位置に変更することが許容される。
第1取付状態S1は、図2に示された上記第1実施形態のリンク44の取付状態と同様である。この第1取付状態S1では、第1リンク部材49が第1取付部材46に取り付けられるとともに、第2リンク部材50が第2取付部材47に取り付けられる。第1取付状態S1では、リンク44によって支持される結合部36(ピン55)の位置は、ブームヘッド13の先端面23よりもブーム本体12側(ブーム10の基端部側)の位置になる。この第1取付状態S1は、クレーンの通常仕様において採用される。
一方、第2取付状態S2では、図8に示されているように、第1リンク部材49の基端部49bが第3取付部材48に取り付けられるとともに、第2リンク部材50の基端部50aが第4取付部材56に取り付けられる。
この第2取付状態S2では、第1リンク部材49の基端部49bが第3取付部材48の2枚の板体間に挿入されるとともに、その基端部49bに設けられた穴49aと第3取付部材48の各板体の取付穴とにピン52が挿嵌されることにより、第1リンク部材49の基端部49bが第3取付部材48に取り付けられる。ピン52は、基端部49bの穴49a及び第3取付部材48の取付穴に対して挿脱可能となっている。ピン52をそれらの穴から抜き出すことで、第3取付部材48から基端部49bを分離できるようになっている。すなわち、第1リンク部材49の基端部49bは、第3取付部材48に対して着脱可能となっている。
また、第2取付状態S2では、第2リンク部材50の2枚の平板の基端部50aは、穴51aが第4取付部材56の取付穴と重なるように第4取付部材56をその板厚方向の両側から挟み込み、その状態で、ピン54が、各基端部50aの穴51aと第4取付部材56の取付穴に挿嵌される。これにより、第2リンク部材50の基端部50aが第4取付部材56に取り付けられる。ピン54は、基端部50aの穴51a及び第4取付部材56の取付穴に対して挿脱可能となっている。ピン54をそれらの穴から抜き出すことで、第4取付部材56から基端部50aを分離できるようになっている。すなわち、第2リンク部材50の基端部50aは、第4取付部材56に対して着脱可能となっている。
第2取付状態S2では、前記B方向においてリンク44がブームヘッド13の先端面23からブーム本体12と反対側へ突出する。これにより、リンク44によって支持される結合部36は、ブームヘッド13の先端面23からブーム本体12と反対側(ブーム10の基端部と反対側)へ離間した位置に設置される。この第2取付状態S2は、クレーンのヘビーリフト仕様において採用される。
この第2実施形態によるクレーンの上記以外の構成は、上記第1実施形態によるクレーンの構成と同様である。
この第2実施形態では、クレーンをヘビーリフト仕様にして大きな吊荷重の吊作業を実施できるようにしつつ、ヘビーリフト仕様で生じるブーム10の撓みを軽減できる。
具体的に、クレーンの通常仕様(図1参照)では、クレーンマスト60の先端部60bが起立状態のブーム10のブームヘッド13よりもかなり低い位置に配置されることから、ガイライン30とブーム10の軸心10aとの間の角度が小さくなり、その結果、ブーム10の軸心10aに直交する方向のガイライン30の引張力の成分が小さくなる。このため、通常仕様では、大きな吊荷重の吊作業が困難になる。これに対し、HLマスト76を上部旋回体4に取り付けてクレーンをヘビーリフト仕様にすることにより、クレーンマスト60の先端部60bよりも高い位置で、且つ、起立状態のブーム10のブームヘッド13に近い高さ位置に配置されたHLマスト76の先端部76bにガイライン30が接続される。このため、ブーム10の軸心10aに対するガイライン30の角度が通常仕様の場合の角度に比べて拡大し、ブーム10の軸心10aに直交する方向のガイライン30の引張力の成分を大きくすることができる。その結果、ヘビーリフト仕様では、通常仕様で吊ることが可能な吊荷重よりも大きな吊荷重の吊作業が可能となる。
そして、クレーンをヘビーリフト仕様にしたときには、リンク44を通常仕様での第1取付状態S1の位置から第2取付状態S2の位置へ移して結合部36をブーム10のより先端側の位置に配置する。これにより、ガイライン30とブーム10の軸心10aとの間の角度を少し小さい角度に調整できる。
具体的には、図7及び図8に示されているように、リンク44を第2取付状態S2にして結合部36とHLマスト76の先端部76bとをガイライン30で繋いだ場合には、第1取付状態S1のままで結合部36とHLマスト76の先端部76bとをガイライン30で繋いだ場合に比べて、ガイライン30とブーム10の軸心10aとの間の角度が少し小さくなる。この場合には、リンク44が第1取付状態S1の位置にある場合に比べて、ガイライン30によるブームヘッド13の引張方向を少し下向きにすることができ、ブーム10に掛かる引張力のA方向の成分を少し弱めることができる。その結果、ヘビーリフト仕様においてブーム10に生じる撓みを軽減できる。
また、HLマスト76を上部旋回体4から取り外してクレーンをヘビーリフト仕様から通常仕様に戻した場合には、リンク44をブームヘッド13の背面21から突出する第1取付状態S1の位置に戻すことが可能であり、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
例えば、本発明の結合部は、必ずしも、上記実施形態で示した構成のものに限定されない。例えば、結合部は、ピン55と第2リンク部材50と第2リンク部材50に設けられた接続部とを含むものであってもよい。この場合、接続部は、ガイライン30が接続される部分であって、例えば、第2リンク部材50の基端部50aと先端部50bとの間の中間部に設けられる。そして、この場合には、第2リンク部材50の先端部50bをピン55を介して連結する第1リンク部材49の穴49aを別の穴49aにすることにより、第2リンク部材50をピン54を軸として回動させ、それによってブームヘッド13に対する結合部(接続部)の相対位置を前記A方向において複数の異なる位置に変更することが可能である。
また、結合部と結合するとともに、その結合部の位置を前記A方向において複数の異なる位置に変更することを許容する本発明の被結合部材は、上述した第1リンク部材49に必ずしも限定されるものではなく、第1リンク部材49以外の構成のものも本発明の被結合部材として採用可能である。
また、被結合部材を支持するとともに、当該被結合部材の位置を前記B方向において複数の異なる位置に変更することを許容する本発明の取付部は、上述した取付部42に必ずしも限定されるものではなく、その取付部42以外の構成のものも本発明の取付部として採用可能である。
また、第2取付状態S2での第1リンク部材49と第2リンク部材50のブームヘッド13に対する取付形態は、図9に示す変形例のような取付形態であってもよい。
具体的に、この変形例では、取付部42は、第1取付部材46と、第2取付部材47と、第3取付部材60とを有する。第1取付部材46及び第2取付部材47の構成は、上記実施形態の場合と同様である。
第3取付部材60は、上記第2実施形態の第3取付部材48と同様の位置でブームヘッド13の先端面23に設けられている。ただし、この第3取付部材60は、先端面23から立設された1枚の板体からなる。第3取付部材60は、その板厚方向が幅方向に一致するように配置されている。また、第3取付部材60は、幅方向において第2取付部材47の位置と一致した位置に配置されている。すなわち、第3取付部材60は、幅方向において第1取付部材46の2枚の板体の中間に対応する位置に配置されている。第3取付部材60には、当該第3取付部材60を板厚方向に貫通する取付穴が形成されている。
そして、この変形例の第2取付状態S2では、第1リンク部材49の基端部49bは、第1取付状態S1と同様、第1取付部材46に取り付けられる。ただし、この第2取付状態S2では、第1リンク部材49はブームヘッド13の先端面23から突出するように配置される。
また、この変形例の第2取付状態S2では、第2リンク部材50の基端部50aが、第3取付部材60に取り付けられる。この第3取付部材60に対する基端部50aの取付方法は、第2取付部材47に対する基端部50aの取付方法と同様である。従って、第2リンク部材50の基端部50aは、第3取付部材60に対して着脱可能となっている。
この変形例では、第1取付状態S1から第2取付状態S2へ変更するときには、第2リンク部材50の基端部50aを第2取付部材47に連結しているピン54を取り外して第2取付部材47から基端部50aを分離し、第1リンク部材49を第1取付状態S1での位置からピン52を軸として図9中の矢印D方向に回動させるとともに、第2リンク部材50を第1リンク部材49に対してピン55を軸として折り返すように回動させることにより、第1リンク部材49と第2リンク部材50を図9に示す第2取付状態S2の位置に配置する。そして、第2リンク部材50の基端部50aをピン54によって第3取付部材60に連結する。また、この変形例において、第2取付状態S2から第1取付状態S1へ変更するときには、第1取付状態S1から第2取付状態S2へ変更するときと逆の手順でその変更作業を行う。
6 機体
10 ブーム
11 起伏装置
13 ブームヘッド(ブームの先端部)
21 背面
22 腹面
30 ガイライン
32 連結装置
34 ガイライン操作装置
36 結合部
38 支持装置
42 取付部
46 第1取付部材(取付部材)
48 第3取付部材(取付部材)
49 第1リンク部材(被結合部材)
49a 穴(被結合部)
50 第2リンク部材(支持部材)
60 クレーンマスト(第1マスト)
61 マスト回動装置
76 HLマスト(第2マスト)
78 連結ロープ(連結部材)

Claims (1)

  1. 機体と、
    回動自在となるように前記機体に取り付けられ、長さを変更可能な構造を有するブームと、
    前記ブームを回動させて前記機体に対して起伏させる起伏装置とを備え、
    前記起伏装置は、ガイラインと、前記ブームの先端部に設けられて前記ガイラインの一端を前記ブームの先端部に連結する連結装置と、前記ガイラインを後方へ引っ張ることにより前記ブームを起立させる一方、前記ガイラインを前方へ送り出すことにより前記ブームを倒伏させるガイライン操作装置とを含み、
    前記ブームの先端部は、前記ブームが起立した状態で後方を向く背面と、そのブームが起立した状態で前方を向く腹面とを有し、
    前記連結装置は、前記ガイラインの一端と結合する結合部と、前記結合部が前記先端部の前記背面から前記腹面と反対側へ離れた位置に位置するように当該結合部を前記先端部に対して支持する支持装置とを備え、
    前記支持装置は、前記ブームの前記先端部の前記背面に固設された取付部と、前記結合部と結合する被結合部材と、前記被結合部材と前記先端部の前記背面との間で前記被結合部材を支える支持部材とを有し、
    前記被結合部材は、当該被結合部材の長手方向に並ぶ複数の被結合部であってそれぞれ前記結合部と着脱可能なものを有し、前記先端部の前記背面に対して接離する方向に回動可能となるように前記取付部に連結され、前記複数の被結合部のうち前記結合部が結合される被結合部が変更されることにより前記結合部が前記ブームの軸心及び前記ブームの回動軸に対して直交する第1方向において複数の異なる位置に変更されることを許容し、
    前記支持部材は、前記先端部の前記背面に対して接離する方向に回動可能となるように前記取付部に連結され、前記被結合部材のうち前記結合部が結合した所定の前記被結合部が設けられた部位を前記結合部を介して支える、クレーン。
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