JP6493470B2 - 減圧浸炭浸窒処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、減圧浸炭浸窒処理方法に関する。
鋼部品の表面を浸炭処理により改質した浸炭鋼部品が広く用いられている。近年の鋼部品を用いた製品の軽量化及び小型化の要求から、1つの鋼部品に付与される面圧や、回転部品として用いられる場合の回転数が増加する傾向にあり、従来以上に鋼部品に求められる耐久性が高くなってきている。
このような耐久性の高い浸炭鋼部品としては、Ni、Mo、Cr等が添加された合金鋼が母材として用いられる場合がある。しかし、これらの合金鋼を浸炭用の母材として用いることは、添加する合金元素が高価なことによるコスト増の問題と、母材強度の必要以上の向上によって加工性が悪化するという問題が生じる場合がある。
一方、母材となる鋼への合金元素の添加を少なく抑えつつ鋼部品表面強度を高める方法として、侵入型元素であるC、Nを鋼部品の表面に強制的に固溶させ、転位の歪を形成させる浸炭浸窒処理がある。従来の浸炭浸窒処理は、900℃以上の処理温度でガス浸炭処理を施した後に、鋼材の温度を850℃程度まで降温した条件でガス浸窒処理を行うというものである。この方法では、処理時間が比較的長く、従来の浸窒を行わない浸炭処理に比べてコストが大きく増加することを避けることができない。浸炭浸窒処理の時間短縮を目的とした技術としては、たとえば浸炭時に減圧化された雰囲気内に浸炭ガスをパルス状に導入する減圧浸炭を採用して浸炭処理の時間短縮を図ったり、特許文献1に記載のものが提案されている。
特開2005−113257号公報
浸炭時に減圧する浸炭処理方法の採用は、浸炭処理の時間の短縮に寄与するが、当然のごとく、浸炭処理後に別工程として行う浸窒処理の時間短縮には寄与しない。また、特許文献1は、C含有率を中炭素鋼の範囲にすると共にCr含有率を低くした鋼を用いることにより、浸炭窒化処理時間の短縮を図るというものであるが、浸炭窒化処理の処理温度条件の最適化については殆ど検討されていない。一方、浸炭処理後の浸窒処理の温度を浸炭処理温度に近づければ、浸炭処理終了から浸窒処理開始までの間の時間を短縮するとともに浸窒処理をより高温で行うことで浸窒処理自体の処理時間も短縮することが可能と考えられる。しかしながら、単純に、浸窒処理温度を浸炭処理温度に近い温度、具体的には900℃以上の温度とした場合には、浸窒処理時に雰囲気ガスとして用いるアンモニアガスの分解が進みやすくなり、鋼中に狙いとする濃度の窒素を侵入させることができないという問題がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、浸炭処理と浸窒処理を連続して行う場合の処理時間を大幅に短縮可能な減圧浸炭浸窒処理方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、0.20〜2.00質量%のCrを含有する鋼材に対して、減圧浸炭処理と減圧浸窒処理とを連続して行う減圧浸炭浸窒処理方法であって、
上記減圧浸炭処理は、900〜1050℃の処理温度にて行い、
上記減圧浸窒処理は、処理温度T(℃)及び雰囲気圧力P(pa)が以下の式(1)及び式(2)を満足し、かつ、上記減圧浸窒処理の処理温度を上記減圧浸炭処理の処理温度に対して±10℃の範囲内の温度とする条件で行うことを特徴とする鋼材の減圧浸炭浸窒処理方法にある。
式(1):T≧900(℃)
式(2):a1×T+b1≦P≦70000(pa)
(ただし、a1=−334×[Cr]+1117、b1=300150×[Cr]−980316、[Cr]は鋼材におけるCr含有率(質量%))
上記減圧浸炭浸窒処理方法は、減圧浸窒処理時において被処理材中の含有元素の中で特にNの鋼中への侵入に大きな影響を及ぼすCrの含有率の値と最適な減圧浸窒処理条件との関係を明確にすることにより、減圧浸炭処理と減圧浸窒処理との総合的な処理時間を従来よりも大幅に短縮するものである。
すなわち、上記減圧浸炭処理は浸炭段階での処理時間短縮に寄与する減圧浸炭処理を採用し、これまでと同様に処理温度を上記特定の高温範囲内とし、かつ、上記減圧浸窒処理は上記式(1)及び式(2)を具備する条件で実施する。そして、特に式(2)にあるように、被処理材のCr含有率に応じて被処理材毎に最適な雰囲気圧力Pの条件を決定する。これにより、単に処理温度を高めに設定するだけではなく、従来よりも高い温度であっても確実に減圧浸窒処理を進めることができる雰囲気圧力条件を導き出し、被処理材のCr含有率に応じて減圧浸窒処理条件を最適化することができる。そして、この最適化によって、減圧浸窒処理の処理温度と、900℃以上の処理が不可欠である減圧浸炭処理の処理温度との差を極力小さくすることができ、±10℃の範囲内という実質的に同じ温度域内とすることも可能となり、浸炭処理温度から浸窒処理温度への降温時間の短縮と浸窒処理温度の高温化による浸窒時間の短縮の効果によって、減圧浸炭処理と減圧浸窒処理とを連続して行う場合の総合的な処理時間を従来よりも大幅に短縮することができる。
本発明の減圧浸窒処理時の雰囲気圧力Pと処理温度Tとの関係及び条件設定可能範囲を示す説明図。
上記減圧浸炭浸窒処理方法は、上述したごとく、0.20〜2.00質量%のCr(クロム)を含有する鋼材に対して行うものである。ここで、Cr含有率の下限を0.20%とするのは、鋼の強度(内部硬さ)を確保するためである。Cr含有率の上限を2.00質量%とするのは、Cr含有率が高すぎると侵入させたNが固溶せずにCrと結合して粗大なCrNが生成されやすくなり、粗大なCrNによる疲労強度低下が懸念されると共に本来狙っているN固溶による表面硬度向上効果が得られにくくなるためである。
また、上記減圧浸炭処理は、900〜1050℃の処理温度(鋼材の温度)にて行う。減圧浸炭処理の下限温度を900℃とするのは、900℃未満では処理時間の点で不利となるからである。減圧浸炭処理の上限温度を1050℃とするのは、温度が高すぎると結晶粒が粗大化しやすくなるためである。なお、上記減圧浸炭処理は、具体的には、ガスによる減圧浸炭処理であり、上記処理温度に維持した処理炉内に浸炭用ガスをパルス状に導入しながら行う。すなわち、減圧浸炭処理時の雰囲気圧力は、大気圧よりも低い圧力に減圧した状態で行う。具体的には、パルス状に導入した浸炭雰囲気の最大時圧力は、50〜3000paの範囲とすることが好ましい。浸炭用ガスとしては、たとえば、アセチレン、プロパン等を用いることができる。
また、上記減圧浸窒処理は、処理温度(鋼材の温度)T(℃)及び雰囲気圧力P(pa)が上記の式(1)及び式(2)を満足する条件で行う。
式(1)は、T≧900(℃)であり、減圧浸窒処理時の処理温度Tの下限値を示すものである。浸炭処理温度との温度差を小さくして浸炭処理後の降温に必要な時間を短縮し、かつより高い温度で減圧浸窒処理を行って処理時間短縮を確実に行うために、減圧浸窒処理温度の下限値を従来の850℃程度に比べて高く定めたものである。
式(2)は、減圧浸窒処理の雰囲気圧力Pと処理温度Tを、a1×T+b1≦P≦70000の関係を満たす条件にするというものである。ここで、a1=−334×[Cr]+1117、b1=300150×[Cr]−980316であり、a1とb1とはいずれも[Cr]つまり鋼材におけるCr含有率(質量%)に基づく係数である。式(2)並びに式(2)に含まれるa1及びb1のP及びTとCr含有率との関係は、多数の実験に基づいて導かれたものである。そして、上述したごとくCr含有率が0.20〜2.00質量%の鋼材を処理する場合には、式(1)及び式(2)を具備する処理温度T及び圧力Pの条件を選択することにより、減圧浸窒処理を確実かつ効率的に行うことができる。
また、上記減圧浸窒処理は、浸窒用ガスとしてアンモニア(NH3)を用い、アンモニアを主体とする窒化用ガスを処理炉内に導入すると共に余剰雰囲気ガスを排出しながら、処理温度と圧力を制御して行う。ここで、減圧浸窒処理は、被処理材である鋼材表面にてNH3が、NH3→[N]+3/2H2の反応により分解し、窒素[N]が鋼中に侵入して浸窒が行われる。一方、アンモニアが鋼材表面に到達する前にN2とH2に分解してしまった場合には、減圧浸窒処理を進めることが難しくなる。特に減圧浸窒処理時の処理温度を単純に900℃以上の高い温度に設定すると、処理炉中において比較的容易にアンモニアが分解するため減圧浸窒処理が進みにくくなる。
これに対し、式(2)は、処理炉内の処理温度T及び鋼材のCr含有率に応じて、減圧浸窒処理時の雰囲気圧力の範囲を導くものである。すなわち、900℃以上の温度に加熱した場合、アンモニアガスの一部について分解が進むことは避けられないものの、式(2)の条件の範囲内であれば、900℃以上の処理温度であっても、各鋼材の表面にNを侵入型元素として固溶させるのに必要な量のアンモニアガスを確保でき、効率よく減圧浸窒処理を進めることができることを本発明者らが見出したのである。
ここで、式(1)及び式(2)から定められる減圧浸窒処理時の雰囲気圧力Pと処理温度Tとの関係を図1に示す。同図は、横軸に減圧浸窒処理時の処理温度T(℃)を、縦軸に減圧浸窒処理時の雰囲気圧力P(pa)をとったものである。同図中、設定しうる最大雰囲気圧力をP2、最小雰囲気圧力をP1、最高処理温度をT2、最低処理温度をT1として示す。
同図から知られるように、減圧浸窒処理の最高処理温度T2は、雰囲気圧力Pを最高のP2(70000pa)とした場合に式(2)から導かれる。そして、同図に示されるように、式(1)に相当するT=T1(900℃)の境界線と、P=P2(70000pa)の境界線と、P=a1×T+b1で表される境界線の、3つの境界線に囲まれる三角形の領域が減圧浸窒処理時の雰囲気圧力Pと処理温度Tとを選択しうる範囲(条件設定可能範囲A)である。この領域の条件であって、先に行う減圧浸炭処理の処理温度と実質的に同じ温度あるいは近い温度を選択すれば、減圧浸炭浸窒処理全体の処理時間を短縮することができる。なお、雰囲気圧力の下限(a1×T+b1)は、アンモニアガスの分解を上回るアンモニアを確保し、狙いの表面N濃度を確保可能とするために多くの実験から導出されたものである。また、上限の70000paは、過剰浸窒による残留オーステナイトの増加や窒化物の析出による強度への悪影響の可能性を低減するために定めてある。
また、減圧浸窒処理は、上述したごとく、窒化用ガスとしてのアンモニアを処理炉内に導入すると共に余剰の雰囲気ガスを排出して、雰囲気圧力を維持する。このとき、雰囲気中のアンモニアの分圧を高くするほど減圧浸窒処理にとっては好ましい。アンモニア分圧の上昇には、たとえば、雰囲気ガスの排気量の抑制、アンモニアと窒素の同時導入等の手法をとりながら上記条件設定可能範囲内での高い雰囲気圧力条件を維持することによって実現可能である。また、窒化用ガスとしてのアンモニアの導入流量は多いほど減圧浸窒処理に有利である。
また、上記減圧浸炭処理と減圧浸窒処理とは連続して実施されるが、上記減圧浸炭処理の処理温度と上記減圧浸窒処理の処理温度を実質的に同一温度とすることが好ましい。これにより、鋼材の温度変更時間を余分にとる必要がなく、浸炭処理後すぐに浸窒処理を行うことができるため、その分全体の処理時間をより短縮することができる。ここで、実質的に同一温度とは、全く同じ温度である場合だけでなく、たとえば±10℃以内の差違であって、温度変更時間を別途とる必要がない場合をも含むものである。
また、上記減圧浸炭浸窒処理方法を適用する鋼材としては、Cr含有率が上記特定の範囲内であれば、他の添加成分の含有率に大きな制限はなく、従来から浸炭処理や浸炭浸窒処理を施されてきたいわゆる肌焼鋼であれば問題なく使用できる。主要な添加成分と含有率の例を以下に示す。
C(炭素)は、必須添加成分である。C含有率は、0.10〜0.30質量%程度が好ましい。
以下に、C以外の主要成分の好ましい含有率の例を示す。
Si(ケイ素):0.10〜1.00質量%、
Mn(マンガン):0.30〜1.50質量%、
P(リン):0.035質量%以下、
S(硫黄):0.035質量%以下、
Mo(モリブデン):0〜0.80質量%以下(任意添加元素)、
Al(アルミニウム):0.020〜0.060質量%、
N(窒素):0.0080〜0.0250質量%
なお、鋼材には、上記添加元素以外には、Fe(鉄)及び不可避的不純物が含まれる。
本願における減圧浸炭浸窒処理方法の実施例につき、比較例と共に説明する。
まず、表1に示すごとく、Cr含有率が異なる5グループ(G1〜G5)の15種類の鋼材を試料として準備した。G1グループの試料11〜13は、Cr含有率が約0.25%の試料である。G2グループの試料21〜23は、Cr含有率が約0.65%の試料である。G3グループの試料31〜33は、Cr含有率が約1.10%の試料である。G4グループの試料41〜43は、Cr含有率が約1.50%の試料である。G5グループの試料51〜53は、Cr含有率が約1.90%の試料である。なお、各グループ毎に3種類の鋼材を準備したが、Cr以外の成分の含有率の組み合わせは、全てのグループにおいてほぼ同じとなるよう成分調整した。
上記各試料は、いずれも、表1に示された化学成分組成に調整して得られた鋼塊に対して、鍛伸、焼き鈍し処理を施し、機械加工によりφ26mm×40mmの円柱状の試験片に加工したものである。これらに試料に対して、次のような減圧浸炭浸窒処理を実施した。
<減圧浸炭浸窒処理>
上記各試料を処理炉に装入し、各試料の温度を減圧浸炭処理温度まで昇温する。本例では、表2に示すごとく、減圧浸炭処理温度(表2中の「処理温度」)として、900℃、930℃、950℃及び970℃の4種類の温度を用いた。そして、浸炭ガスとしてアセチレンを処理炉内にパルス状に導入し、導入時の最大雰囲気圧力を150paに設定して、900秒保持し、減圧浸炭処理を行う。
次に、この減圧浸炭処理に連続して減圧浸窒処理を行う。減圧浸窒処理の処理温度T(℃)は、直前の減圧浸炭処理温度と同じ温度(表2中の「処理温度」)に設定する。そして、アンモニアを処理炉内に導入しながら、雰囲気圧力Pを表2中の「圧力」の値に設定して、900秒保持し、その後油焼き入れを行う。本例では、浸窒処理の雰囲気圧力Pとして、20000pa、30000pa、40000pa、50000pa、60000pa及び70000paの6種類の圧力を用いた。
<浸窒性評価>
減圧浸窒処理が効果的になされたか否かについては、上記の減圧浸炭浸窒処理後の各試料表面の窒素濃度を測定することにより評価した。その結果は表2に示した。測定した窒素濃度の結果から、処理後の窒素濃度は、ほぼCr含有率で決定され、同じグループに属する材料間に大きな値の相違がなかったため、表2中の窒素濃度(質量%)の値は、それぞれ、同じグループに属する3種類の試料について測定した3つの値の平均値を示した。窒素濃度の測定は、EPMAを用いて行った。表面窒素濃度が0.30質量%以上の場合には、減圧浸窒処理が十分効果的に行われたと判断することができる。なお、表2中に数値が記載されていない部分は、浸窒反応が正常に進まず、窒素濃度の上昇が確認できなかったことを意味している。
表2には、処理温度条件及び式(2)から導かれる最低雰囲気圧力P1=a1×T+b1の計算結果を示す。
表2から知られるように、減圧浸窒処理温度が式(1)を満たす900℃以上の高温の場合であっても、上述した式(2)を満たすように処理温度T及び雰囲気圧力Pを選択すれば、十分な表面窒素濃度が得られている。一方、雰囲気圧力Pが式(2)を満たさず低い場合には、900℃を超える処理温度では十分な減圧浸窒処理ができないことがわかる。
なお、式(2)については、次のようにして導いた。
すなわち、本発明の実施例も含め多種類の肌焼鋼と呼ばれるCr鋼、Cr−Mo鋼について実験及び調査をした結果、浸炭処理後に0.30%以上の表面窒素濃度を確保できる条件は、ほぼCr含有率によって決定されることを確認し、その条件(表2の値が0.30%以上となる条件の範囲)を多種類の試験結果から導出した結果が式(2)である。
次に、本発明の減圧浸炭浸窒処理方法を用いる場合の処理時間の短縮効果について述べる。
減圧浸窒処理の処理温度を従来の一般的な温度である850℃程度に設定した場合と、本発明のように900℃以上の温度に設定した場合とを比較すると、本発明の方が、浸炭処理温度と浸窒処理温度との差を最低でも50℃、浸窒処理温度を高めに設定した場合は100℃以上小さくすることが可能である。その結果、浸炭処理後浸窒処理開始までの間に鋼材の温度を降温する時間が大幅に短縮される。さらに、浸窒処理が高い温度で行われるのでNの侵入拡散が早く進み、浸窒処理自体の時間短縮が可能である。ただし、処理温度が高いほどアンモニアガスの分解が進むため、得られる表面窒素濃度は下がる傾向となるが、前述した式(2)を満足する条件で処理することにより、鋼表面の窒素濃度を0.30質量%以上確保することが可能である。したがって、本発明の減圧浸炭浸窒処理方法は、処理時間短縮に非常に有効であることがわかる。
Figure 0006493470
Figure 0006493470
A 条件設定可能範囲

Claims (1)

  1. 0.20〜2.00質量%のCrを含有する鋼材に対して、減圧浸炭処理と減圧浸窒処理とを連続して行う減圧浸炭浸窒処理方法であって、
    上記減圧浸炭処理は、900〜1050℃の処理温度にて行い、
    上記減圧浸窒処理は、処理温度T(℃)及び雰囲気圧力P(pa)が以下の式(1)及び式(2)を満足し、かつ、上記減圧浸窒処理の処理温度を上記減圧浸炭処理の処理温度に対して±10℃の範囲内の温度とする条件で行うことを特徴とする鋼材の減圧浸炭浸窒処理方法。
    式(1):T≧900(℃)
    式(2):a1×T+b1≦P≦70000(pa)
    (ただし、a1=−334×[Cr]+1117、b1=300150×[Cr]−980316、[Cr]は鋼材におけるCr含有率(質量%))
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