JP6492657B2 - 希土類元素の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばR−Fe−B系永久磁石(Rは希土類元素)などの、少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物から希土類元素を回収する方法に関する。
R−Fe−B系永久磁石は、高い磁気特性を有していることから、今日様々な分野で使用されていることは周知の通りである。このような背景のもと、R−Fe−B系永久磁石の生産工場では、日々、大量の磁石が生産されているが、磁石の生産量の増大に伴い、製造工程中に加工不良物などとして排出される磁石スクラップや、切削屑や研削屑などとして排出される磁石加工屑などの量も増加している。とりわけ情報機器の軽量化や小型化によってそこで使用される磁石も小型化していることから、加工代比率が大きくなることで、製造歩留まりが年々低下する傾向にある。従って、製造工程中に排出される磁石スクラップや磁石加工屑などを廃棄せず、そこに含まれる金属元素、特に希土類元素をいかに回収して再利用するかが今後の重要な技術課題となっている。また、R−Fe−B系永久磁石を使用した電化製品などから循環資源として希土類元素をいかに回収して再利用するかについても同様である。
少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物から希土類元素を回収する方法については、これまでにもいくつかの方法が提案されており、例えば特許文献1では、処理対象物を酸化性雰囲気中で加熱して含有金属元素を酸化物とした後、水と混合してスラリーとし、加熱しながら塩酸を加えて希土類元素を溶液に溶解させ、得られた溶液に加熱しながらアルカリ(水酸化ナトリウムやアンモニアや水酸化カリウムなど)を加えることで、希土類元素とともに溶液に浸出した鉄族元素を沈殿させた後、溶液を未溶解物と沈殿物から分離し、溶液に沈殿剤として例えばシュウ酸を加えて希土類元素をシュウ酸塩として回収する方法が提案されている。この方法は、希土類元素を鉄族元素と効果的に分離して回収することができる方法として注目に値する。しかしながら、工程の一部に酸やアルカリを用いることから、工程管理が容易ではなく、また、回収コストが高くつくといった問題がある。従って、特許文献1に記載の方法は、低コストと簡易さが要求されるリサイクルシステムとして実用化するには困難な側面を有するといわざるを得ない。
また、特許文献2では、処理対象物に含まれる鉄族元素を酸化することなく希土類元素のみを酸化することによって両者を分離する方法として、処理対象物を炭素るつぼの中で加熱する方法が提案されている。この方法は、特許文献1に記載の方法のように酸やアルカリを必要とせず、また、炭素るつぼの中で処理対象物を加熱することで理論的にるつぼ内の雰囲気が鉄族元素が酸化されることなく希土類元素のみが酸化される酸素分圧に自律的に制御されることから、特許文献1に記載の方法に比較して工程が簡易であるという点において優れていると考えられる。しかしながら、単に処理対象物を炭素るつぼの中で加熱すればるつぼ内の雰囲気が所定の酸素分圧に自律的に制御されて希土類元素と鉄族元素を分離できるのかといえば、現実的には必ずしもそうではない。特許文献2では、るつぼ内の雰囲気の望ましい酸素含有濃度は1ppm〜1%であるとされているが、本質的には雰囲気を制御するための外的操作は必要とされないとある。しかしながら、本発明者の検討によれば、少なくとも酸素含有濃度が1ppm未満の場合には希土類元素と鉄族元素は分離できない。従って、炭素るつぼの中で処理対象物を加熱すれば、理論的にはるつぼ内の雰囲気が鉄族元素が酸化されることなく希土類元素のみが酸化される酸素分圧に自律的に制御されるとしても、現実的にはるつぼ内を酸素含有濃度が1ppm以上の雰囲気に人為的に制御する必要がある。こうした制御は、特許文献2にも記載されているように酸素含有濃度が1ppm以上の不活性ガスをるつぼ内に導入することで行うことができるが、工業用不活性ガスとして汎用されているアルゴンガスの場合、その酸素含有濃度は通常0.5ppm以下である。従って、酸素含有濃度が1ppm以上のアルゴンガスをるつぼ内に導入するためには、汎用されているアルゴンガスをそのまま用いることはできず、その酸素含有濃度をわざわざ高めた上で用いる必要がある。結果として、特許文献2に記載の方法は、一見工程が簡易に思えるものの実はそうではなく、特許文献1に記載の方法と同様、低コストと簡易さが要求されるリサイクルシステムとして実用化するには困難な側面を有するといわざるを得ない。
そこで本発明者は、低コストで簡易なリサイクルシステムとして実用化が可能な、少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物から希土類元素を回収する方法として、処理対象物に対して酸化処理を行った後、処理環境を炭素の存在下に移して熱処理することで、希土類元素を酸化物として鉄族元素から分離して回収する方法を特許文献3において提案している。
特開2009−249674号公報 国際公開第2010/098381号 国際公開第2013/018710号
特許文献3において本発明者が提案した方法によれば、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理することで、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物が得られる。この互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、物理的な力を加えるとそれぞれの塊状物が両者の界面で分離し、結果として、希土類元素を酸化物として鉄族元素から分離して回収することができる。互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物に力を加える方法には、例えばこれをある高さから金属製やコンクリート製の台の上などの硬い面に落下させることで両者に衝撃を与えるといった方法がある。本発明者は、これまで、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を、20cm程度の高さから落下させることによって分離することがあったが、同じ条件の熱処理によって得られた互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物であっても、両者が分離しないものがあること、落下させる高さが低くなるにつれて、即ち、加える力が小さくなるにつれて、両者が分離しない場合が多くなることに気付いた。
そこで本発明は、少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物に対して酸化処理を行った後、処理環境を炭素の存在下に移して熱処理することで、希土類元素を酸化物として鉄族元素から分離して回収する方法において、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理することで得られる、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を、小さな力によって効果的に分離することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記の点に鑑みて鋭意検討を行った結果、特許文献3に記載の方法において、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理した後の、所定の温度範囲における降温の速度が、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物の分離のしやすさしにくさを左右すること、降温の速度が速いほど両者が分離しやすくなることを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明の希土類元素を回収する方法は、請求項1記載の通り、少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物に対して酸化処理を行った後、処理環境を炭素の存在下に移し、1350℃以上の温度で熱処理することで、希土類元素を酸化物として鉄族元素から分離する工程を少なくとも含んでなる希土類元素を回収する方法であって、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理した後に得られる熱処理溶融物の、1350℃から1300℃に至るまでの降温を、5℃/分以上の速度で行うことを特徴とする(但し、熱処理によって、B 相と、B 相よりも希土類元素が富化された相とが形成されるB の共存下で熱処理する態様を除く)
また、請求項2記載の方法は、請求項1記載の方法において、1350℃から1300℃に至るまでの降温を、10℃/分以上の速度で行うことを特徴とする。
また、請求項3記載の方法は、請求項1記載の方法において、熱処理する温度が1400℃以上であることを特徴とする。
また、請求項4記載の方法は、請求項3記載の方法において、1400℃から1300℃に至るまでの降温を、5℃/分以上の速度で行うことを特徴とする。
また、請求項5記載の方法は、請求項1記載の方法において、処理対象物の少なくとも一部が5mm以下の粒径を有する粒状ないし粉末状であることを特徴とする。
また、請求項6記載の方法は、請求項1記載の方法において、処理対象物の鉄族元素含量が30mass%以上であることを特徴とする。
また、請求項7記載の方法は、請求項1記載の方法において、処理対象物がR−Fe−B系永久磁石であることを特徴とする。
また、請求項8記載の方法は、請求項1記載の方法において、熱処理を不活性ガス雰囲気中または真空中で行うことを特徴とする。
本発明の方法によれば、少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物から得られる、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を、小さな力によって効果的に分離することができる。
実施例1において、20cmの高さからの落下試験によって分離した2種類の塊状物の外観である。 同、20cmの高さからの落下試験によって分離した塊状物Aの、塊状物Bとの界面であった面の拡大写真である(図1の塊状物Aとは異なる)。 比較例1において、20cmの高さからの落下試験によって分離しなかった2種類の塊状物の外観である。 同、20cmの高さからの落下試験によって分離しなかった2種類の塊状物を、50cmの高さから落下させることで分離した塊状物Aの、塊状物Bとの界面であった面の拡大写真である(図3の塊状物Aとは異なる)。
本発明の希土類元素を回収する方法は、少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物に対して酸化処理を行った後、処理環境を炭素の存在下に移し、1350℃以上の温度で熱処理することで、希土類元素を酸化物として鉄族元素から分離する工程を少なくとも含んでなる希土類元素を回収する方法であって、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理した後の、1350℃から1300℃に至るまでの降温を、5℃/分以上の速度で行うことを特徴とするものである。
本発明の方法の適用対象となる少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物は、Nd,Pr,Dy,Tb,Smなどの希土類元素とFe,Co,Niなどの鉄族元素を含むものであれば特段の制限はなく、希土類元素と鉄族元素に加えてその他の元素として例えばホウ素などを含んでいてもよい。具体的には、例えばR−Fe−B系永久磁石などが挙げられるが、とりわけ本発明の方法は鉄族元素含量が30mass%以上である処理対象物に好適に適用することができる(例えばR−Fe−B系永久磁石の場合、その鉄族元素含量は、通常、60mass%〜82mass%である)。処理対象物の大きさや形状は特段制限されるものではなく、処理対象物がR−Fe−B系永久磁石の場合には製造工程中に排出される磁石スクラップや磁石加工屑などであってよい。処理対象物に対して十分な酸化処理を行うためには、処理対象物は5mm以下の粒径を有する粒状ないし粉末状であることが望ましい(例えば調製の容易性に鑑みれば粒径の下限は1μmが望ましい)。しかしながら、処理対象物の全てがこのような粒状ないし粉末状である必要は必ずしもなく、粒状ないし粉末状であるのは処理対象物の一部であってよい。
まず、本発明の方法における処理対象物に対する酸化処理は、処理対象物に含まれる希土類元素を酸化物に変換することを目的とするものである。特許文献2に記載の方法と異なり、処理対象物に対する酸化処理によって処理対象物に含まれる鉄族元素が希土類元素とともに酸化物に変換されてもよい。処理対象物に対する酸化処理は、酸素含有雰囲気中で処理対象物を熱処理したり燃焼処理したりすることによって行うことが簡便である。酸素含有雰囲気は大気雰囲気であってよい。処理対象物を熱処理する場合、例えば350℃〜1000℃で1時間〜12時間行えばよい。処理対象物を燃焼処理する場合、例えば自然発火や人為的点火により行えばよい。また、処理対象物に対する酸化処理は、アルカリ水溶液中で処理対象物の酸化を進行させるアルカリ処理によって行うこともできる。アルカリ処理に用いることができるアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどが挙げられる。また、アルカリ水溶液の濃度としては0.1mol/L〜10mol/Lが挙げられる。処理温度としては60℃〜150℃が挙げられるが、より効果的な酸化処理を行うためには100℃以上が望ましく、より安全性を高めるためには130℃以下が望ましい。処理時間としては30分間〜10時間が挙げられる。処理対象物に対する酸化処理は、単一の方法で行ってもよいし、複数の方法を組み合わせて行ってもよい。処理対象物に対してこうした酸化処理を行うと、処理対象物に含まれる酸素モル濃度は希土類元素のモル濃度の1.5倍以上となり、希土類元素の酸化物への変換をより確実なものにすることができる。酸化処理によって処理対象物に含まれる酸素モル濃度は希土類元素のモル濃度の2.0倍以上になることが望ましい。また、処理対象物に対する酸化処理は、炭素の非存在下で行うことが望ましい。炭素の存在下で処理対象物に対する酸化処理を行うと、処理対象物に含まれる希土類元素が炭素と望まざる化学反応を起こして所望する酸化物への変換が阻害される恐れがあるからである(従ってここでは「炭素の非存在下」は処理対象物に含まれる希土類元素の酸化物への変換が阻害されるに足る化学反応の起因となる炭素が存在しないことを意味する)。
次に、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下に移し、1350℃以上の温度で熱処理することで、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物が得られる。これは、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下に移し、酸化処理を行った処理対象物に対して炭素を供給しながら1350℃以上の温度で熱処理すると、酸化処理を行った処理対象物に含まれる希土類元素の酸化物は高温で酸化物のままで溶融するのに対し、鉄族元素は炭素を固溶して合金化して溶融し、また、鉄族元素の酸化物は炭素によって還元された後に炭素を固溶して合金化して溶融し、結果として、希土類元素の酸化物の溶融物と鉄族元素の炭素との合金の溶融物が相溶することなく互いに独立して存在するという本発明者によって見出された現象に基づくものであり、処理対象物に含まれる鉄族元素を酸化することなく希土類元素のみを酸化するために炭素が利用される特許文献2に記載の方法とは炭素の役割が全く異なる。酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理する温度を1350℃以上に規定するのは、1350℃未満であると、希土類元素の酸化物が溶融しないからである。酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理する温度は1400℃以上が望ましく、1450℃以上がより望ましい。なお、熱処理する温度の上限は例えばエネルギーコストの点に鑑みれば1700℃が望ましく、1650℃がより望ましく、1600℃がさらに望ましい。熱処理時間は例えば1分間〜24時間が適当である。
酸化処理を行った処理対象物に対する炭素の供給源としては、例えば、5mm以下の粒径を有する、石油コークス(例えば常圧蒸留残油や減圧蒸留残油などの重質油をコーキングという熱分解処理を行うことで得られる炭素を主成分とする物質)、グラファイト(黒鉛や石墨)、カーボンブラックなどの、粒状ないし粉末状の炭素物質が挙げられる(粒径の下限は例えば1μmである)。粒状ないし粉末状の炭素物質としてカーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックは、平均粒径が1nm〜500nmの炭素の微粒子が融着して連鎖状ないしは不規則かつ複雑な鎖状に枝分かれした大きさが1μm〜1mmほどの凝集形態を有した粒子からなる粉末であってもよいし、発塵防止やハンドリング性の向上などを目的として大きさが100μm〜3mmほどのビード形状に造粒された粒子であってもよい。炭素の供給源としての粒状ないし粉末状の炭素物質は、酸化処理を行った処理対象物と予め混合し、両者の混合物を処理容器に収容して熱処理することが、熱処理の均一性を確保することができる点において望ましい。酸化処理を行った処理対象物に対する粒状ないし粉末状の炭素物質の混合量は、先に行った酸化処理による処理対象物に含まれる鉄族元素の酸化の程度にも依存するが、処理対象物に含まれる鉄族元素に対してモル比で0.1〜2.0が望ましく、0.5〜1.6がより望ましい。酸化処理を行った処理対象物に対する粒状ないし粉末状の炭素物質の混合量が少ないと、処理対象物に含まれる鉄族元素が酸化処理によって酸化物に変換された場合にその還元を確実なものとして炭素との合金化を進行させることが困難になることで、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物が得にくくなる。逆に、酸化処理を行った処理対象物に対する粒状ないし粉末状の炭素物質の混合量が多いと、処理対象物にホウ素が酸化物などとして含まれる場合、その還元が起こることで、希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物や、鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物の融点が上昇し、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物が得にくくなる。
酸化処理を行った処理対象物と粒状ないし粉末状の炭素物質の混合物の熱処理は、アルゴンガス雰囲気などの不活性ガス雰囲気(酸素含有濃度は1ppm未満が望ましい)中や真空(1000Pa未満が望ましい)中で行うことが望ましい。大気雰囲気などの酸素含有雰囲気中で熱処理すると、雰囲気中の酸素が粒状ないし粉末状の炭素物質と反応することで二酸化炭素を生成し、粒状ないし粉末状の炭素物質が、酸化処理を行った処理対象物に対する炭素の供給源としての役割を効率的に果さない恐れがある。
処理容器の材質は特段限定されるものではなく、特許文献2に記載の方法において用いられている炭素るつぼの他、非炭素製の処理容器、例えばアルミナや酸化マグネシウムや酸化カルシウムなどの金属酸化物や酸化ケイ素でできたセラミックスるつぼ(単一の素材からなるものであってもよいし複数の素材からなるものであってもよい)などを用いることもできる。処理容器として、炭素るつぼに比較して安価なアルミナるつぼなどのセラミックスるつぼを、その消耗や損傷を抑制して長期に亘って繰り返し用いることができることは、本発明の方法を低コストと簡易さが要求されるリサイクルシステムとして実用化する上において有利である。
本発明の方法における特徴は、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理した後の、1350℃から1300℃に至るまでの降温を、5℃/分以上の速度で行うことで、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物の分離を、小さな力で効果的に行うことができる点にある。1350℃から1300℃に至るまでの降温は、5℃/分以上の速度が維持されている限り、どのようなパターンであってもよい。降温の速度の上限は特段制限されるものではないが、降温方法の特性限界やコストに鑑みれば、通常30℃/分である。1350℃から1300℃に至るまでの降温の速度が速いほど互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物が分離しやすくなる理由は必ずしも明確ではないが、この温度範囲は希土類元素の酸化物の融点近傍に相当し、この温度範囲の降温を急速に行うことで、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物が形成される過程においてそれぞれの塊状物の熱膨張係数の相違に起因して両者の界面に発生する応力が関与していると考えられる。一方、この温度範囲の降温の速度が5℃/分よりも遅いと、両者の界面に発生する応力が緩和されることで、両者の間にアンカー効果が生じ、両者が互いに固着し続けようとすることによって分離が困難になると推察される。なお、1300℃からの降温の速度は、5℃/分以上であってもよいしなくてもよい。酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理した後の、1350℃から1300℃に至るまでの降温は、10℃/分以上の速度で行うことが望ましい。また、1400℃以上の温度で熱処理する場合、1400℃から1300℃に至るまでの降温を、5℃/分以上の速度で行うことが望ましい。この場合、熱処理する温度から1400℃に至るまでの降温の速度は、5℃/分以上であってもよいしなくてもよい。5℃/分以上の速度で降温する方法としては、炉内に導入する不活性ガスの流量を調節することによる方法や、炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量を調節することによる方法などが挙げられる。こうした炉内において降温する場合においては、降温の速度を制御するため、必要に応じて炉内を加熱してもよい。また、5℃/分以上の速度で降温する方法は、熱処理を終了した後の処理容器の内容物(熱処理溶融物)を空冷(大気中に取り出すことによる冷却)する方法や、焼き入れ(冷媒との接触による強制冷却)する方法などであってもよい。なお、5℃/分以上の速度で降温する方法としてこれらの方法を採用する場合、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物が処理容器に固着することを防止するため、カーボンブラックを、少なくとも酸化処理を行った処理対象物と粒状ないし粉末状の炭素物質の混合物と処理容器の底面の間に介在するように収容して熱処理することが望ましい。また、5℃/分以上の速度で降温する方法は、熱処理を終了した後の処理容器内の熱処理溶融物を、常温ないし冷却された別の容器に移し替えて鋳込む方法などであってもよい。
こうして得られた、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物に、力を加えることで両者を分離する方法としては、例えばこれをある高さから金属製やコンクリート製の台の上などの硬い面に落下させることで両者に衝撃を与える方法が簡便であるが、こうした方法に限定されるわけではなく、ハンマーなどで叩いて衝撃を与える方法などであってもよい。互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物の一方として得られる希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物の希土類元素含量は、熱処理条件などにも依存するが、50mass%以上が望ましく60mass%以上がより望ましく70mass%以上がさらに望ましい。また、その鉄族元素含量は10mass%以下が望ましく5mass%以下がより望ましく3mass%以下がさらに望ましい。回収された希土類元素の酸化物は、例えば溶融塩電解法などによって還元することで希土類金属に変換することができる。
本発明の方法の適用対象となる少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物が例えばR−Fe−B系永久磁石などのようにその他の元素としてホウ素を含む場合、本発明の方法によって鉄族元素の炭素との合金から分離することで回収された希土類元素の酸化物にはホウ素が多少なりとも含まれる。ホウ素を含む希土類元素の酸化物をフッ素を含む溶融塩成分を用いた溶融塩電解法によって還元すると、希土類元素の酸化物に含まれるホウ素がフッ素と反応することで有毒なフッ化ホウ素が発生する恐れがある。従って、こうした場合には予め希土類元素の酸化物のホウ素含量を低減しておくことが望ましい。ホウ素を含む希土類元素の酸化物のホウ素含量の低減は、例えばホウ素を含む希土類元素の酸化物をアルカリ金属の炭酸塩(炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)や酸化物とともに例えば炭素の存在下で熱処理することで行うことができる。炭素の存在下での熱処理は、例えば、前出の各種の炭素物質を炭素供給源として用いて1300℃〜1600℃で行えばよい。熱処理時間は例えば30分間〜5時間が適当である。アルカリ金属の炭酸塩や酸化物は、例えばホウ素を含む希土類元素の酸化物1重量部に対して0.1重量部〜2重量部用いればよい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
実施例1:
まず、R−Fe−B系永久磁石の製造工程中に発生した約10μmの粒径を有する磁石加工屑(自然発火防止のため水中で7日間保管したもの)に対し、吸引ろ過することで脱水してからロータリーキルンを用いて燃焼処理することで酸化処理を行った。こうして酸化処理を行った磁石加工屑のSEM・EDX分析(使用装置:日立ハイテクノロジーズ社製S4500。以下同じ)の結果を表1に示す。酸化処理を行った磁石加工屑に含まれる酸素モル濃度は希土類元素のモル濃度の5.5倍であった。
次に、寸法が外径70mm×高さ60mm×肉厚10mmの炭素るつぼ(黒鉛製)の底面に、カーボンブラック(東海カーボン社の商品名:シーストSO。以下同じ)10gを敷き詰めた後、その上に、酸化処理を行った磁石加工屑40gとカーボンブラック8g(磁石加工屑に含まれる鉄に対するモル比率:1.91)を予めよく混合してから収容し、高温雰囲気ボックス炉(光洋サーモシステム社製KBF−624N1)を用いて、工業用アルゴンガス雰囲気(酸素含有濃度:0.2ppm、流量:5L/分。以下同じ)中で1450℃で1時間熱処理した。その後、炉内の加熱を停止し、炉内の工業用アルゴンガス雰囲気を維持したまま、炉内を冷却するための炉外の冷却水によって、炭素るつぼを室温まで炉冷した。この時、1400℃から1300℃に至るまでの降温を、10℃/分の速度で行った(降温の速度の制御は炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量の調節と炉内を加熱するためのヒータの出力の調節による)。炉冷を終了した後、炭素るつぼ内には、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物とカーボンブラックが残留物として存在した。こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を、20cmの高さから金属製やコンクリート製の台の上に落下させると、それぞれの塊状物が両者の界面で分離した。分離後のそれぞれの塊状物の外観を図1に示す。また、それぞれの塊状物に対して行ったSEM・EDX分析の結果を表2に示す。表2から明らかなように、塊状物の一方(塊状物A)の主成分は鉄の炭素との合金であり、他方(塊状物B)の主成分は希土類元素の酸化物であり、希土類元素を酸化物として鉄から分離することができたことがわかった(塊状物Bの主成分が希土類元素の酸化物であることは別途の標準サンプルを用いたX線回折分析によって確認した)。こうして得られた、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、20cmの高さからの落下試験を10回行うと、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。分離した塊状物Aの、塊状物Bとの界面であった面の拡大写真を図2に示す(図1の塊状物Aとは異なる)。図2から明らかなように、分離した塊状物Aの、塊状物Bとの界面であった面には、塊状物Bがほとんど付着しておらず、両者の分離が界面において容易に起こったことがわかった。なお、こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、10cmの高さからの落下試験を10回行った場合でも、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。
実施例2:
1300℃から340℃に至るまでの降温を、1.25℃/分の速度で行う(降温の速度の制御は炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量の調節と炉内を加熱するためのヒータの出力の調節による)こと以外は実施例1と同様にして、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を得た。こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、20cmの高さからの落下試験を10回行うと、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。10cmの高さからの落下試験を10回行った場合でも、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。
実施例3:
熱処理する温度を1350℃とすることと、1350℃から1300℃に至るまでの降温を、10℃/分の速度で行う(降温の速度の制御は炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量の調節と炉内を加熱するためのヒータの出力の調節による)こと以外は実施例2と同様にして、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を得た。こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、20cmの高さからの落下試験を10回行うと、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。10cmの高さからの落下試験を10回行った場合でも、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。
実施例4:
酸化処理を行った磁石加工屑40gと石油コークス(ダイネン社製Rコークス)3.2g(磁石加工屑に含まれる鉄に対するモル比率:0.78)を予めよく混合してから炭素るつぼに収容すること以外は実施例1と同様にして、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を得た。こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、20cmの高さからの落下試験を10回行うと、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。10cmの高さからの落下試験を10回行った場合でも、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。
実施例5:
1400℃から1300℃に至るまでの降温を、5℃/分の速度で行い(降温の速度の制御は炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量の調節と炉内を加熱するためのヒータの出力の調節による)、引き続き炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量と炉内を加熱するためのヒータの出力を維持したまま1300℃から1070℃に至るまでの降温を行うこと以外は実施例1と同様にして、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を得た。こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、20cmの高さからの落下試験を10回行うと、9回はそれぞれの塊状物が両者の界面で分離したが、1回は分離しなかった。しかしながら、この方法による分離率は90%であることから、実用化は可能と判断した。
比較例1:これまで発明者が採用していた方法
1400℃から1300℃に至るまでの降温を、2.5℃/分の速度で行い(降温の速度の制御は炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量の調節と炉内を加熱するためのヒータの出力の調節による)、引き続き炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量と炉内を加熱するためのヒータの出力を維持したまま1300℃から650℃に至るまでの降温を行うこと以外は実施例1と同様にして、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を得た。こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、20cmの高さからの落下試験を9回行うと、6回はそれぞれの塊状物が両者の界面で分離したが、3回は分離しなかった。従って、この方法による分離率は67%であることから、実用化は困難と判断した。落下試験を行った後に分離しなかった2種類の塊状物の外観を図3に示す。また、20cmの高さからの落下試験によって分離しなかった2種類の塊状物を、50cmの高さから落下させることで分離した塊状物Aの、塊状物Bとの界面であった面の拡大写真を図4に示す(図3の塊状物Aとは異なる)。図4から明らかなように、分離した塊状物Aの、塊状物Bとの界面であった面には、かなりの塊状物Bが付着しており、両者の分離が界面において容易に起こらなかったことがわかった。
比較例2:
1400℃から1300℃に至るまでの降温を、1.25℃/分の速度で行い(降温の速度の制御は炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量の調節と炉内を加熱するためのヒータの出力の調節による)、引き続き炉内を冷却するための炉外の冷却水の流量と炉内を加熱するためのヒータの出力を維持したまま1300℃から340℃に至るまでの降温を行うこと以外は実施例1と同様にして、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を得た。こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、20cmの高さからの落下試験を7回行うと、2回はそれぞれの塊状物が両者の界面で分離したが、5回は分離しなかった。従って、この方法による分離率は29%であることから、実用化は困難と判断した。
実施例6:
熱処理を終了した後の炭素るつぼを炉内から取り出し、熱処理溶融物を水冷した銅製の鋳型に移し替えて鋳込むことにより、室温まで冷却すること以外は実施例1と同様にして、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を得た(この方法による1400℃から1300℃に至るまでの降温の速度は10℃/分を遥かに超える)。こうして得られた、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物は、20cmの高さからの落下試験を10回行うと、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。10cmの高さからの落下試験を10回行った場合でも、10回ともそれぞれの塊状物が両者の界面で分離した。
本発明によれば、少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物に対して酸化処理を行った後、処理環境を炭素の存在下に移して熱処理することで、希土類元素を酸化物として鉄族元素から分離して回収する方法において、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理することで得られる、一方が希土類元素の酸化物を主成分とする塊状物であり、他方が鉄族元素の炭素との合金を主成分とする塊状物である、互いに独立かつ密接して存在する2種類の塊状物を、小さな力によって効果的に分離することができる方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. 少なくとも希土類元素と鉄族元素を含む処理対象物に対して酸化処理を行った後、処理環境を炭素の存在下に移し、1350℃以上の温度で熱処理することで、希土類元素を酸化物として鉄族元素から分離する工程を少なくとも含んでなる希土類元素を回収する方法であって、酸化処理を行った処理対象物を炭素の存在下で熱処理した後に得られる熱処理溶融物の、1350℃から1300℃に至るまでの降温を、5℃/分以上の速度で行うことを特徴とする方法(但し、熱処理によって、B 相と、B 相よりも希土類元素が富化された相とが形成されるB の共存下で熱処理する態様を除く)
  2. 1350℃から1300℃に至るまでの降温を、10℃/分以上の速度で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 熱処理する温度が1400℃以上であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 1400℃から1300℃に至るまでの降温を、5℃/分以上の速度で行うことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 処理対象物の少なくとも一部が5mm以下の粒径を有する粒状ないし粉末状であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 処理対象物の鉄族元素含量が30mass%以上であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 処理対象物がR−Fe−B系永久磁石であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 熱処理を不活性ガス雰囲気中または真空中で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
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