JP6492437B2 - 方向性結合器及びその設計方法、光導波路素子、並びに波長フィルタ - Google Patents

方向性結合器及びその設計方法、光導波路素子、並びに波長フィルタ Download PDF

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Description

この発明は、偏波無依存で使用可能な方向性結合器及びその設計方法、光導波路素子、並びに波長フィルタに関する。
高速信号処理を要する情報処理機器において、電気配線の帯域制限がボトルネックとなっている。このため、情報伝達量の増大に伴い、光配線技術が注目されている。光配線技術では、光ファイバや光導波路素子を伝送媒体とした光デバイスを用いて、情報処理機器内の素子間、ボード間又はチップ間等の情報伝達を光信号で行う。
光デバイスは、光送信器や光受信器等の光学素子を備えて構成される。これらの光学素子は、各光学素子の中心位置(受光位置あるいは発光位置)を設計位置に合せるための複雑な光軸合わせを行った上で、例えばレンズを用いて互いに空間結合することができる。
ここで、各光学素子を結合するための手段として、レンズの代わりに光導波路素子を利用する技術がある(例えば、特許文献1参照)。光導波路素子を利用する場合には、光が光導波路内に閉じ込められて伝搬するため、レンズを利用する場合と異なり、複雑な光軸合わせを必要としない。従って、光デバイスは、その組立工程が簡易となるため、量産に適している。
特に、電子機能回路の基板と同様の材料であるシリコン(Si)を導波路材料とした光導波路素子では、電子機能回路及び光機能回路とを一括形成する光電融合(シリコンフォトニクス)の実現が期待されている(例えば、非特許文献1又は非特許文献2参照)。シリコンフォトニクスでは、製造に際して、技術成熟した半導体製造技術を流用することができる。
光導波路素子の構造として、例えばSi細線導波路がある。Si細線導波路では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えば酸化シリコン(例えばSiO)等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば数μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
また、Si細線導波路は、SOI(Silicon On Insulator)基板を利用することによって、簡易に製造することができる。まず、支持基板層、SiO層、及びSi層(SOI層)が順次積層されて構成されたSOI基板を用意する。次に、SOI層をパターニングすることによって光導波路コアを形成する。次に、光導波路コアをSiO層で被覆する。これによって、光導波路コアがクラッドとしてのSiO層で被覆されたSi細線導波路を得ることができる。
ところで、受動型光加入者ネットワーク(PON:Passive Optical Network)等の波長多重技術を利用する通信システムにおいて光デバイスを用いる場合には、波長毎に光信号の経路を切り換える素子が必要となる。これを実現するために、波長フィルタとしての機能が付与された光導波路素子を利用した構造がある。
光導波路素子を利用した波長フィルタとしては、例えばマッハツェンダ型波長フィルタがある。マッハツェンダ型波長フィルタのカプラには、Si細線導波路で構成された方向性結合器が用いられる。
ここで、Si細線導波路は、偏波によって特性が異なる。そのため、Si細線導波路を用いる方向性結合器には、偏波依存性が生じるという欠点がある。この偏波依存性を解消する方法としては、方向性結合器を構成する一対の光導波路コア間の離間距離、並びに光導波路コアの厚さ及び幅を調整することが考えられる。
特開2011−77133号公報
IEEE Journal of selected topics quantum electronics, vol.11, 2005 p.232-240 IEEE Journal of selected topics quantum electronics, vol.12, No.6, November/December 2006 p.1371-1379
光導波路コアの厚さは、製造に用いるSOI基板のSOI層の厚さに依存する。従って、方向性結合器の偏波依存性を解消するに当たり、任意に調整可能なパラメータが、一対の光導波路コア間の離間距離、及び光導波路コアの幅のみとなる。そして、この2つのパラメータを調整するのみでは、偏波依存性を解消する条件を達成することができない場合がある。
そのため、偏波依存性を確実に解消するためには、光導波路コアの厚さについても調整することが好ましい。しかしながら、上述したように、光導波路コアの厚さはSOI層の厚さに依存するため、利用可能なSOI基板が制限されてしまう。
一方で、光導波路素子を利用する光デバイスでは、スポットサイズ変換器や変調器等の波長フィルタ以外の光学素子を、共通のSOI基板を用いて一括形成する場合がある。これら各光学素子に最適な光導波路コアの厚さを決定するために、SOI層の厚さは柔軟に選択可能であることが望ましい。従って、利用可能なSOI基板が制限されることは好ましくない。
そこで、この発明の目的は、偏波無依存で使用可能であり、かつ従来と比して、光導波路コアの厚さに対する設計の自由度が高い方向性結合器及びその設計方法、光導波路素子、並びに波長フィルタを提供することにある。
上述した課題を解決するために、この発明による方向性結合器は、以下の特徴を備えている。
この発明による方向性結合器は、ともにSOI基板のSi層により構成され、互いに平行に配置された第1光導波路コアと第2光導波路コアとを備えて構成される。
第1光導波路コア及び第2光導波路コアは、m次モード(mは1以上の整数)の、TE(Transverse Electric)偏波及びTM(Transverse Magnetic)偏波の一方の偏波、及びn次モード(nは0以上の整数)の他方の偏波を伝播させる。
第1光導波路コアと第2光導波路コアとの間における、一方の偏波のp次モード(pは0≦p≦mを満たす整数)のモード結合係数と、他方の偏波のq次モード(qは0≦q≦nを満たす整数)のモード結合係数とが一致するように、第1光導波路コアと第2光導波路コアとの離間距離、及び第1光導波路コアと第2光導波路コアの幅が設定される。また、第1光導波路コア及び第2光導波路コアの厚さは、Si層の厚さによって定まる。
この発明の方向性結合器では、第1光導波路コア及び第2光導波路コアが、少なくとも一方の偏波の複数の次数モードを伝播可能とされている。これによって、第1光導波路コア及び第2光導波路コア間においてそれぞれ結合する各偏波の、次数モードの選択性を拡大することができる。そのため、各偏波で一致させるモード結合係数の選択性を拡大することができる。そして、設計段階において、各偏波で一致させるモード結合係数を任意に選択することができる。そのため、この発明の方向性結合器は、偏波無依存で使用するに当たり、光導波路コアの厚さに対する設計の自由度が高くなる。
(A)は、方向性結合器を示す概略的平面図である。(B)は、方向性結合器を示す概略的端面図である。 (A)及び(B)は、方向性結合器の好適な設計例を決定するためのシミュレーションについて説明する図である。 方向性結合器を備える光導波路素子を示す概略的平面図である。 モード変換領域を示す概略的平面図である。 第1の波長フィルタを示す概略的平面図である。 第1調整部及び第2調整部の好適な設計例を決定するためのシミュレーションについて説明する図である。 第1の波長フィルタの変形例を示す概略的平面図である。 第1の波長フィルタの変形例の特性を評価する図である。 第2の波長フィルタを示す概略的平面図である。 第3の波長フィルタを示す概略的平面図である。 グレーティングの特性を評価する図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
(方向性結合器)
図1(A)及び(B)を参照して、この発明の実施の形態による方向性結合器について説明する。図1(A)は、方向性結合器を示す概略的平面図である。なお、図1(A)では、後述する上部クラッド層を省略して示してある。図1(B)は、図1(A)に示す方向性結合器をI−I線で切り取った概略的端面図である。
方向性結合器100は、支持基板10と、下部クラッド層20と、上部クラッド層30と、互いに離間しかつ平行に配置された第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50とを備えて構成されている。
方向性結合器100は、例えば波長フィルタにおけるカプラとして使用される。そこで、以下に、方向性結合器100を、波長フィルタにおけるカプラとして使用する場合の構成例について説明する。ここでは、第1光導波路コア40の一端40a及び他端40b、並びに第2光導波路コア50の一端50a及び他端50bのうち、第1光導波路コア40の一端40aを入力端として使用する。また、第1光導波路コア40の他端40b、及び第1光導波路コア40の他端40bと同じ側に配置される第2光導波路コア50の他端50bを出力端として使用する。従って、第1光導波路コア40の一端(入力端)40aには、入力用のポート部等の光導波路コアが接続される。また、第1光導波路コア40の他端(出力端)40b及び第2光導波路コア50の他端(出力端)50bには、波長フィルタを構成する後段の光導波路コアが接続される。
この例では、第1光導波路コア40の入力端40aからTE偏波及びTM偏波を含む光が入力される。TE偏波及びTM偏波を含む光は、第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との結合長に応じた分岐比で分岐される。TE偏波及びTM偏波を含む光は、分岐された後、第1光導波路コア40の出力端40b、及び第2光導波路コア50の出力端50bから出力される。
なお、以下の説明において、支持基板10の上面10aに直交する方向を厚さ方向とする。また、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50について、これらを伝播する光の伝播方向に沿った方向を長さ方向とする。また、長さ方向及び厚さ方向に直交する方向を幅方向とする。
支持基板10は、例えば単結晶Siを材料とした平板状体として構成されている。
下部クラッド層20は、支持基板10上に、支持基板10の上面10aを被覆して形成されている。下部クラッド層20は、例えばSiOを材料として形成することができる。下部クラッド層20上には、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50が形成されている。
上部クラッド層30は、下部クラッド層20の上面20a及び第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50を被覆して形成されている。上部クラッド層30は、下部クラッド層20と同じ材料で形成されている。従って、下部クラッド層20が例えばSiOである場合には、上部クラッド層30も、SiOを材料として形成することができる。
第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50は、下部クラッド層20及び上部クラッド層30よりも高い屈折率を有する例えばSiを材料として形成されている。そして、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50は、下側から下面を下部クラッド層20によって、及び上側から上面及び側面を上部クラッド層30によって被覆されている。その結果、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50は、実質的に光の伝送路として機能し、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50に入力された光がこれらの平面形状に応じた伝播方向に伝播する。
第1光導波路コア40と第2光導波路コア50とは、等しい幅、厚さ及び長さで形成されている。
また、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50は、複数の次数モードの、TE偏波及びTM偏波の一方の偏波を伝播させる。また、少なくとも1つの次数モードの他方の偏波を伝播させる。なお、この実施の形態では、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50が、基本モード(0次モード)及び1次モードのTE偏波、並びに基本モードのTM偏波を伝播させる場合について説明する。
第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の一方を基準導波路と考えると、他方を摂動系導波路とみなすことができる。摂動系導波路の存在によって、基準導波路の誘電率(屈折率)は、摂動系導波路が存在しない場合に対して変化する。その結果、基準導波路の固有モードは、光の伝播方向に電磁界振幅の変化が生じる。第1光導波路コア40の固有モードをE、第2光導波路コア50の固有モードをEとすると、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間のモード結合係数κは、下式(1)で表される。
Figure 0006492437
なお、ωは角周波数、εは真空での誘電率、δεは互いの光導波路コアの存在によって生じる誘電率の摂動項をそれぞれ示す。
そして、第1光導波路コア40の入力端40aから光が入力された場合の、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間におけるモード間結合について、下式(2)及び(3)が成立する。
Figure 0006492437
上式(2)において、A(0)及びA(z)は、第1光導波路コア40を伝播する光の振幅を、位置座標(図1(A)にz軸で示す)で示す関数である。上式(2)は、第1光導波路コア40の位置座標0(すなわち入力端40a)から位置座標zへ伝播する光について、位置座標0におけるエネルギーと位置座標zにおけるエネルギーとの比を表している。また、B(z)は、第2光導波路コア50を伝播する光の振幅を、位置座標で示す関数である。上式(3)は、第1光導波路コア40の位置座標0から第2光導波路コア50へ移行して伝播する光について、第1光導波路コア40の位置座標0におけるエネルギーと、第2光導波路コア50の位置座標zにおけるエネルギーとの比を表している。従って、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の結合長をzとして、上式(2)の右辺が0、及び上式(3)の右辺が1となる条件において、第1光導波路コア40から第2光導波路コア50へ光が完全に移行する。
また、上式(2)及び(3)におけるδβは、下式(4)で表すことができる。なお、βは第1光導波路コア40の固有モードの伝播定数を、また、βは第2光導波路コア50の固有モードの伝播定数を、それぞれ示す。
Figure 0006492437
ここで、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の構造が等しい場合には、β=βとなる。従って、上式(4)はδβ=2κとなる。この場合、上式(2)及び(3)を、下式(5)及び(6)に変形できる。
Figure 0006492437
従って、第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との結合長をLとして、z=L=π/(2κ)の場合に、第1光導波路コア40から第2光導波路コア50へ光が完全に移行する。なお、このz=L=π/(2κ)が成立する条件を完全結合条件と称する。第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との結合長L1を、完全結合条件が成立する結合長Lと等しく設定する、又は完全結合条件が成立する結合長Lの奇数倍に設定する場合には、第1光導波路コア40に入力された光が、100%第2光導波路コア50に移行し、偶数倍に設定する場合には、光は100%第1光導波路コア40に戻る。また、第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との結合長L1を、完全結合条件が成立する結合長に対して、非整数倍することもできる。その場合には、完全結合条件が成立する結合長に対する比に応じた分岐比で、光を第1光導波路コア40と第2光導波路コア50とから出力することができる。
一方、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50を結合系導波路とみなすこともできる。
結合系導波路における固有モードには、電磁界分布が線対称な偶モードと、電磁界分布が点対称な奇モードとがある。結合系導波路の構造に変化がない場合、偶モードと奇モードとは、互いに作用することなく独立して伝播する。
例えば、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の一方に光が入力された場合、入力端における光の入射フィールドは、上述した偶モードと奇モードとで展開される。これら偶モードと奇モードとは等しい振幅で励振される。偶モードの伝播定数をβevenと奇モードの伝播定数をβoddとすると、伝播距離Lにおける偶モードと奇モードとの位相関係は、(βeven−βodd)Lとなる。この位相関係がπとなる位置座標z=L=π/(βeven−βodd)において、奇モードは偶モードに対して電磁界分布が反転する。従って、一方の光導波路コアから他方の光導波路コアにエネルギーが完全に移行する。
この結合系導波路における結合長Lは、上述した第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50を基準導波路及び摂動系導波路とみなす場合の結合長Lに対応する。従って、完全結合条件が成立する結合長Lを、L=π/(2κ)=π/(βeven−βodd)と表すことができる。これを変形して、モード結合係数κを、κ=(βeven−βodd)/2と表すことができる。そして、κ=(βeven−βodd)/2を上式(5)及び(6)に代入して、下式(7)及び(8)を導くことができる。
Figure 0006492437
ここで、方向性結合器100を偏波無依存とするためには、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間のモード結合係数κが、TE偏波とTM偏波とで一致する必要がある。そして、TE偏波及びTM偏波のモード結合係数κを一致させるためには、上式κ=(βeven−βodd)/2から、結合系導波路における偶モードの伝播定数βevenと奇モードの伝播定数βoddとの差が、TE偏波とTM偏波とで一致すればよい。従って、TE偏波の偶モードの伝播定数βTEeven、TE偏波の奇モードの伝播定数βTEodd、TM偏波の偶モードの伝播定数βTMeven、及びTM偏波の奇モードの伝播定数βTModdについて、下式(9)が成立することが、偏波無依存の条件となる。
Figure 0006492437
ここでTE偏波の偶モードの伝播定数βTEeven、TE偏波の奇モードの伝播定数βTEodd、TM偏波の偶モードの伝播定数βTMeven、及びTM偏波の奇モードの伝播定数βTModdは、それぞれ次数モードによって異なる。従って、モード結合係数κについても、次数モードによって異なる。
上述したように、この実施の形態では、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50が、基本モード及び1次モードのTE偏波、並びに基本モードのTM偏波を伝播させる。従って、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間において、TE偏波については、基本モード同士又は1次モード同士の結合を生じさせることが考えられる。また、TM偏波については、基本モード同士の結合を生じさせることが考えられる。なお、TE偏波の基本モードと1次モードとの結合については、伝播定数が異なることから、無視できる程度にしか生じないとみなすことができる。
TE偏波の基本モードのモード結合係数κTE0、TE偏波の1次モードのモード結合係数κTE1、及びTM偏波の基本モードのモード結合係数κTM0は、それぞれ下式(10)〜(12)で表すことができる。
Figure 0006492437
なお、上式(10)において、βTE0evenはTE偏波の基本モードの偶モードの伝播定数を、βTE0oddはTE偏波の基本モードの奇モードの伝播定数を、それぞれ示す。また、上式(11)において、βTE1evenはTE偏波の1次モードの偶モードの伝播定数を、βTE1oddは、TE偏波の1次モードの奇モードの伝播定数を、それぞれ示す。また、上式(12)において、βTM0evenはTM偏波の基本モードの偶モードの伝播定数を、βTM0oddはTM偏波の基本モードの奇モードの伝播定数を、それぞれ示す。
そして、第1光導波路コア40と第2光導波路50との間における、TE偏波の基本モードのモード結合係数κTE0又は1次モードのモード結合係数κTE1と、TM偏波の基本モードのモード結合係数κTM0とが一致する場合に、方向性結合器100を偏波無依存とすることができる。従って、κTE0=κTM0及びκTE1=κTM0のいずれかが成立するように、第1光導波路コア40と第2光導波路コアとの離間距離(各光導波路コアの中心間距離)D1、並びに第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の幅W1及びW2が設定される。κTE0=κTM0が成立するように設計する場合には、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間において、TE偏波の基本モードが結合され、かつTM偏波の基本モードが結合される。一方、κTE1=κTM0が成立するように設計する場合には、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間において、TE偏波の1次モードが結合され、かつTM偏波の基本モードが結合される。
このように、方向性結合器100では、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50が、少なくとも一方の偏波の複数の次数モードを伝播可能とする。これによって、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間においてそれぞれ結合する各偏波の、次数モードの選択性を拡大することができる。そのため、各偏波で一致させるモード結合係数の選択性を拡大することができる。そして、設計段階において、各偏波で一致させるモード結合係数を任意に選択することができる。そのため、方向性結合器100は、偏波無依存で使用するに当たり、光導波路コアの厚さに対する設計の自由度が高くなる。
なお、この実施の形態では、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50が、基本モード及び1次モードのTE偏波、並びに基本モードのTM偏波を伝播させる場合について説明した。しかし、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50が伝播させる各偏波の次数モードはこの例に限定されない。第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50を、m次モード(mは1以上の整数)の、TE偏波及びTM偏波の一方の偏波、及びn次モード(nは0以上の整数)の他方の偏波を伝播させるように設定することができる。そして、第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との間における、一方の偏波のp次モード(pは0≦p≦mを満たす整数)のモード結合係数と、他方の偏波のq次モード(qは0≦q≦nを満たす整数)のモード結合係数とが一致するように、第1光導波路コア40と第2光導波路50との離間距離、及び第1光導波路コア40と第2光導波路コア50の幅を設定することができる。このように、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50が伝播可能な次数モードを少なくとも一方の偏波に対して高次とすることによって、各偏波で一致させるモード結合係数の選択性をより拡大することができる。
(利用形態)
発明者は、方向性結合器100の利用形態として、好適な設計例を決定するためにいくつかのシミュレーションを行った。なお、以下の各シミュレーションでは、方向性結合器100に入力される光信号の波長を1.55μmとした。また、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50を厚さ0.22μmのSi製とし、下部クラッド層20及び上部クラッド層30をSiO製とした。
そして、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間において、TE偏波の1次モードが結合され、かつTM偏波の基本モードが結合される場合の設計例を求めることを目的とした。この場合には、TE偏波の1次モードのモード結合係数κTE1と、TM偏波の基本モードのモード結合係数κTM0とを一致させることが条件となる。そこで、L=π/(2κ)=π/(βeven−βodd)の関係を用い、TE偏波の1次モードの結合長LcTE及びTM偏波の基本モードの結合長LcTMの相対関係LcTM/LcTEを調べた。そして、LcTE/LcTMと第1光導波路コア40と第2光導波路コアとの離間距離D1、並びに第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の幅W1及びW2の関係をそれぞれ確認した。なお、固有モード解析には、有限要素法(FEM:Finite Element Method)を使用した。
まず、LcTM/LcTEと、第1光導波路コア40と第2光導波路コアとの離間距離D1との関係を調べた。ここでは、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の幅をそれぞれ0.6μmとして、離間距離D1に対するLcTM/LcTEの変化の傾向を確認した。この結果を図2(A)に示す。
図2(A)は、LcTM/LcTEと離間距離D1との関係を示す図である。図2(A)では、縦軸にLcTM/LcTEを任意単位で、また、横軸に第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との離間距離D1をμm単位で取って示してある。
cTE=LcTM(すなわちLcTM/LcTE=1)となるとき、TE偏波の1次モードのモード結合係数κTE1と、TM偏波の基本モードのモード結合係数κTM0とが一致し、偏波無依存となる。従って、図2(A)に示すように、第1光導波路コア40と第2光導波路コアとの離間距離D1が小さいほど、偏波依存性が小さくなることがわかる。ここでは、第1光導波路コア40と第2光導波路コアとの離間距離D1を0.3μmに決定した。
次に、第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との離間距離D1を0.3μmとした場合の、LcTM/LcTEと、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の幅W1及びW2との関係を確認した。この結果を図2(B)に示す。
図2(B)は、LcTM/LcTEと幅W1及びW2との関係を示す図である。なお、上述したように、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50は等しい幅で設計されるため、W1=W2である。図2(B)では、縦軸にLcTM/LcTEを任意単位で、また、横軸に第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の幅W1及びW2をμm単位で取って示してある。
図2(B)に示すように、W1=W2=0.75μmのとき、LcTM/LcTE=1となる。従って、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の幅W1及びW2を0.75μmとした場合に、TE偏波の1次モードのモード結合係数κTE1と、TM偏波の基本モードのモード結合係数κTM0とが一致する。
以上の結果から、第1光導波路コア40と第2光導波路コアとの離間距離D1を0.3μm、並びに第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50の幅W1及びW2を0.75μmとした場合に、TE偏波の1次モードのモード結合係数κTE1と、TM偏波の基本モードのモード結合係数κTM0とが一致することが確認された。従って、例えばこの条件で設計することによって、方向性結合器100を偏波無依存で使用することができる。
(光導波路素子)
図3を参照して、上述した方向性結合器100(図1参照)を備えた光導波路素子について説明する。図3は、光導波路素子を示す概略的平面図である。なお、図3では、上部クラッド層を省略して示してある。また、方向性結合器100と共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
上述したように、方向性結合器100では、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50が、少なくとも一方の偏波の複数の次数モードを伝播可能とする。そして、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間において、各偏波のそれぞれ選択された1つの次数モードに対して結合が生じる(すなわち方向性結合器として作用する)。従って、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間で結合させる次数モードの各偏波を、方向性結合器100に入力する必要がある。
そこで、光導波路素子200は、上述した方向性結合器100(図1参照)に追加して、ポート部230及び第1変換部240を含む第1サブ導波路コア210と、第2変換部250及び接続部260を含む第2サブ導波路コア220とを備える。これら第1サブ導波路コア210及び第2サブ導波路コア220は、方向性結合器100の第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50と同様の材料及び厚さで、下部クラッド層20上に形成されている。また、第1サブ導波路コア210と第2サブ導波路コア220とが互いに離間しかつ並んで配置されたモード変換領域270が設定されている。
光導波路素子200では、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間で結合させる次数モードに合わせて、ポート部230に入力されるTE偏波及びTM偏波の次数モードを、モード変換領域270において変換する。ここでは、一例として、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間で、TE偏波に対しては1次モードが、また、TM偏波に対しては基本モードが、それぞれ結合される場合の構成例について説明する。なお、ポート部230に入力されるTE偏波及びTM偏波はともに基本モードとする。
この例では、基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号が、第1サブ導波路コア210のポート部230に入力され、第1変換部240に送られる。第1変換部240を伝播する基本モードのTE偏波は、モード変換領域270において1次モードに変換されて、第2サブ導波路コア220の第2変換部250へ送られる。また、第1変換部240を伝播する基本モードのTM偏波は、モード変換領域270においてモード変換されずに、第2サブ導波路コア220の第2変換部250へ送られる。第2変換部250へ送られた1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を含む光信号は、接続部260を経て、方向性結合器100の第1光導波路コア40に入力される。方向性結合器100では、第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との結合長に応じた分岐比で光信号が分岐される。分岐される光信号には、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波がそれぞれ含まれる。分岐された光信号は、第1光導波路コア40の出力端40b、及び第2光導波路コア50の出力端50bから出力される。
ポート部230は、TE偏波又はTM偏に対してシングルモード条件を達成する幅に設定されている。従って、基本モードのTE偏波又はTM偏を伝播させる。ポート部230の一端230aは、第1変換部240の一端240aと接続されている。
第1変換部240は、基本モードのTE偏波及びTM偏波を伝播させる。また、第2変換部250は、基本モード及び1次モードのTE偏波、並びに基本モードのTM偏波を伝播させる。
また、第1変換部240は、第1サブ導波路コア210の、第2サブ導波路コア220と離間しかつ並んで配置された部分として設定されている。また、第2変換部250は、第2サブ導波路コア220の、第1サブ導波路コア210と離間しかつ並んで配置された部分として設定されている。従って、モード変換領域270は、第1変換部240と第2変換部250とが、互いに離間しかつ並んで配置された領域として設定されている。
接続部260は、基本モード及び1次モードのTE偏波、並びに基本モードのTM偏波を伝播させる。接続部260の一端260aは、第2変換部250の他端250bと接続されている。また、接続部260の他端260bは、第1光導波路コア40の一端40aと接続されている。
図4を参照して、モード変換領域270について説明する。図4は、モード変換領域270を説明するための概略的平面図である。なお、図4では、支持基板、下部クラッド層及び上部クラッド層を省略して示してある。
モード変換領域270では、第1変換部240を伝播する基本モードのTE偏波と、第2変換部250を伝播する1次モードのTE偏波とが結合される。また、第1変換部240を伝播する基本モードのTM偏波と、第2変換部250を伝播する基本モードのTM偏波とが結合される。
第1変換部240と第2変換部250とは、それぞれの中心軸が平行である。さらに、第1変換部240及び第2変換部250は、第1変換部240の一端240aと第2変換部250の一端250aとが揃って配置されている。また、第1変換部240の他端240bと第2変換部250の他端250bとが揃って配置されている。
第1変換部240は、一端240aから他端240bへ、幅が連続的に縮小するテーパ形状である。第1変換部240の一端240aの幅W3及び他端240bの幅W4は、それぞれ基本モードのTE偏波及びTM偏波を伝播可能な等価屈折率に対応して設定されている。
また、第2変換部250は、一端250aから他端250bへ、幅が連続的に拡大するテーパ形状である。第2変換部250の一端250aの幅W5は、基本モードのTE偏波及びTM偏波を伝播可能な等価屈折率に対応して設定されている。また、第2変換部250の他端250bの幅W6は、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を伝播可能な等価屈折率に対応して設定されている。
ここで、第1変換部240の一端240aにおける基本モードのTE偏波の等価屈折率NW3TE0は、第2変換部250の一端250aにおける基本モードのTE偏波の等価屈折率NW5TE0よりも大きく設定されている。また、第1変換部240の一端240aにおける基本モードのTM偏波の等価屈折率NW3TM0は、第2変換部250の一端250aにおける基本モードのTM偏波の等価屈折率NW5TM0よりも大きく設定されている。従って、第1変換部240の一端240aの幅W3及び第2変換部250の一端250aの幅W5は、NW3TE0>NW5TE0及びNW3TM0>NW5TM0を満たすように設計されている。
さらに、第2変換部250の他端250bにおける1次モードのTE偏波の等価屈折率NW6TE1は、第1変換部240の他端240bにおける基本モードのTE偏波の等価屈折率NW4TE0よりも大きく設定されている。また、第2変換部250の他端250bにおける基本モードのTM偏波の等価屈折率NW6TM0は、第1変換部240の他端240bにおける基本モードのTM偏波の等価屈折率NW4TM0よりも大きく設定されている。従って、第2変換部250の他端250bの幅W6及び第1変換部240の他端240bの幅W4は、NW6TE1>NW4TE0及びNW6TM0>NW4TM0を満たすように設計されている。
このように設計したモード変換領域270では、第1変換部240の基本モードのTE偏波の等価屈折率と、第2変換部250の1次モードのTE偏波の等価屈折率とが一致する点が存在する。また、第1変換部240の基本モードのTM偏波の等価屈折率と、第2変換部250の基本モードのTM偏波の等価屈折率とが一致する点が存在する。その結果、第1変換部240を伝播する基本モードのTE偏波と、第2変換部250を伝播する1次モードのTE偏波とを結合することができる。また、第1変換部240を伝播する基本モードのTM偏波と、第2変換部250を伝播する基本モードのTM偏波とを結合することができる。従って、第1変換部240を伝播する基本モードのTE偏波は、1次モードに変換されて、第2サブ導波路コア220の第2変換部250へ送られる。また、第1変換部240を伝播する基本モードのTM偏波は、モード変換されずに、第2サブ導波路コア220の第2変換部250へ送られる。
ここで、発明者は、モード変換領域270の好適な設計例を決定するためにシミュレーションを行った。
既に説明したように、第1変換部240については、基本モードのTE偏波及びTM偏波を伝播可能に設計する。一方、第2変換部250については、基本モード及び1次モードのTE偏波、並びに基本モードのTM偏波を伝播可能に設計する。そして、上述したNW3TE0>NW5TE0及びNW3TM0>NW5TM0の関係、並びにNW6TE1>NW4TE0及びNW6TM0>NW4TM0の関係を満たすように、第1変換部240の一端240aの幅W3及び他端の幅W4、並びに第2変換部250の一端250aの幅W5及び他端250bの幅W6を設定する。発明者は、これらの条件を満たす第1変換部240及び第2変換部250の設計例を、FEMを用いて導いた。なお、ここでは、1.55μmの波長の光に対して好適な設計例を導いた。また、第1変換部240及び第2変換部250を厚さ0.22μmのSi製とし、下部クラッド層20及び上部クラッド層30をSiO製とした場合を想定した。
その結果、第1変換部240の一端240aの幅W3及び他端の幅W4を、W3=0.44μm及びW4=0.35μmに決定した。また、第2変換部250の一端250aの幅W5及び他端250bの幅W6を、W5=0.6μm及びW6=0.8μmに決定した。また、第1変換部240と第2変換部250との離間距離(各変換部の中心間距離)D2を、D2=0.74μmに決定した。また、第1変換部240及び第2変換部250の長さ、すなわちモード変換領域270の長さL2を、L2=80μmに決定した。
この設計例のモード変換領域270について、発明者は、BPM(Beam Propagation Method)を用いて特性を評価した。その結果、第1変換部240及び第2変換部250における、基本モードのTE偏波と1次モードのTE偏波との結合効率は、−0.53dB程度であった。また、第1変換部240及び第2変換部250における、基本モードのTM偏波と基本モードのTM偏波との結合効率は、−0.1dB程度であった。この結果から、モード変換領域270が、任意の偏波に対してモード変換可能であることが確認された。
このように、光導波路素子200では、ポート部230から入力された光信号を、モード変換領域270においてモード変換することができる。従って、第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50間で結合させる次数モードに応じた次数モードの各偏波を、方向性結合器100に入力することができる。
なお、ここでは、モード変換領域270において、基本モードのTE偏波と1次モードのTE偏波とを結合し、かつ基本モードのTM偏波と基本モードのTM偏波とを結合する構成について説明した。しかしながら、モード変換領域270の構成は、これに限定されない。ポート部230から入力されるTE偏波及びTM偏波の次数モードや、方向性結合器100において結合されるTE偏波及びTM偏波の次数モードに応じて、任意に変更することが可能である。その場合には、第1変換部240の一端240aの幅W3及び他端240bの幅W4、並びに第2変換部250の一端250aの幅W5及び他端250bの幅W6を適宜設定することによって、第1変換部240を伝播するi次モード(iは0以上の整数)の一方の偏波と、第2変換部250を伝播するm次モード(mは1以上の整数)の一方の偏波とを結合することができる。また、第1変換部240を伝播するj次モード(jは0以上の整数)の他方の偏波と、第2変換部250を伝播するn次モード(nは0以上の整数)の他方の偏波とを結合することができる。
(第1の波長フィルタ)
図5を参照して、上述した方向性結合器を利用した第1の波長フィルタについて説明する。図5は、第1の波長フィルタを示す概略的平面図である。なお、図5では、上部クラッド層を省略して示してある。また、方向性結合器100(図1参照)及び光導波路素子200(図3参照)と共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第1の波長フィルタ300は、上述した方向性結合器100をカプラとして利用したマッハツェンダ型波長フィルタである。
第1の波長フィルタ300は、等しく設計された2つの方向性結合器100(第1方向性結合器110及び第2方向性結合器120)と、第1方向性結合器110及び第2方向性結合器120間に設けられた、互いに光路長の異なる1対のアームコア(第1アームコア510及び第2アームコア520)とを備える。第1アームコア510及び第2アームコア520は、方向性結合器100の第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50と同様の材料及び厚さで、下部クラッド層20上に形成されている。
第1アームコア510は、第1方向性結合器110が備える第1光導波路コア401の出力端401bと、第2方向性結合器120が備える第1光導波路コア402の入力端402aとの間を接続する。また、第2アームコア520は、第1方向性結合器110が備える第2光導波路コア501の出力端501bと、第2方向性結合器120が備える第2光導波路コア502の入力端502aとの間を接続する。これら第1方向性結合器110、第2方向性結合器120、第1アームコア510及び第2アームコア520によって、波長フィルタ部550が構成される。
また、第1の波長フィルタ300は、第1サブ導波路コア210と第2サブ導波路コア220とを備えている。そして、これら第1サブ導波路コア210及び第2サブ導波路コア220と第1方向性結合器110とで、上述した光導波路素子200が構成されている。
さらに、第2方向性結合器120の第1光導波路コア402の出力端402bには、第3サブ導波路コア223が接続されている。また、第3サブ導波路コア223と互いに離間しかつ並んで配置された、第4サブ導波路コア214が設けられている。
第3サブ導波路コア223は、第2サブ導波路コア220と共通の設計で形成されている。また、第4サブ導波路コア214は、第1サブ導波路コア210と共通の設計で形成されている。そして、第3サブ導波路コア223及び第4サブ導波路コア214は、第2サブ導波路コア220及び第1サブ導波路コア210と共通の配置関係で設けられている。従って、第3サブ導波路コア223は、接続部263と第3変換部253とを含んでいる。また、第4サブ導波路コア214は、第4変換部244とポート部234とを含んでいる。そして、第3変換部253と第4変換部244とが互いに離間しかつ並んで配置されたモード変換領域273が設定されている。
また、第2方向性結合器120の第2光導波路コア502の出力端502bには、第5サブ導波路コア225が接続されている。また、第5サブ導波路コア225と互いに離間しかつ並んで配置された、第6サブ導波路コア216が設けられている。
第5サブ導波路コア225は、第2サブ導波路コア220と共通の設計で形成されている。また、第6サブ導波路コア216は、第1サブ導波路コア210と共通の設計で形成されている。そして、第5サブ導波路コア225及び第6サブ導波路コア216は、第2サブ導波路コア220及び第1サブ導波路コア210と共通の配置関係で設けられている。従って、第5サブ導波路コア225は、接続部265と第5変換部255とを含んでいる。また、第6サブ導波路コア216は、第6変換部246とポート部236とを含んでいる。そして、第5変換部255と第6変換部246とが互いに離間しかつ並んで配置されたモード変換領域275が設定されている。
第1の波長フィルタ300は、例えば、共通する又は異なる2つの波長の光信号に対する合分波フィルタとして使用される。ここでは、一例として、ポート部(入力ポート部)230から基本モードの光信号を入力し、波長フィルタ部550において2つの波長の光信号を異なる経路に分岐させた後、ポート部(第1出力ポート部)234及びポート部(第2出力ポート部)236からそれぞれ基本モードの光信号を出力する構成例について説明する。なお、ここでは、第1方向性結合器110及び第2方向性結合器120は、TE偏波に対しては1次モードを、また、TM偏波に対しては基本モードを、それぞれ結合する構成とする。
この例では、基本モードのTE偏波又はTM偏波を含む光信号が、入力ポート部230に入力される。基本モードのTE偏波は、モード変換領域270において1次モードのTE偏波に変換される。また、基本モードのTM偏波は、モード変換領域270においてモード変換されずに基本モードが維持される。
1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を含む光信号は、接続部260を経て、第1方向性結合器110の第1光導波路コア401に入力される。第1方向性結合器110では、第1光導波路コア401と第2光導波路コア501との結合長に応じた分岐比で、光信号が分岐される。分岐される光信号には、それぞれ1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波が含まれる。分岐された光信号は、第1アームコア510及び第2アームコア520にそれぞれ入力される。
第1アームコア510を伝播する光信号は、第2方向性結合器120の第1光導波路コア402に入力される。また、第2アームコア520を伝播する光信号は、第2方向性結合器120の第2光導波路コア502に入力される。これによって、第2方向性結合器120において、第1アームコア510からの光信号と第2アームコア520からの光信号が干渉する。その結果、第1方向性結合器110における第1光導波路コア401及び第2光導波路コア501の結合長L1a、第2方向性結合器120における第1光導波路コア402及び第2光導波路コア502の結合長L1b、及び第1アームコア510と第2アームコア520との光路長差に応じた波長の光信号が、第1光導波路コア402及び第2光導波路コア502から出力される。第1光導波路コア402及び第2光導波路コア502から出力される光信号の分岐比は、結合長L1a、結合長L1b、及び第1アームコア510と第2アームコア520との光路長差に対応する。第1光導波路コア402及び第2光導波路コア502から出力される光信号には、それぞれ1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波が含まれる。
第1光導波路コア402から出力される光信号は、接続部263に入力される。そして、光信号に含まれる1次モードのTE偏波は、モード変換領域273において基本モードのTE偏波に変換される。また、光信号に含まれる基本モードのTM偏波は、モード変換領域273においてモード変換されずに基本モードが維持される。基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号は、第1出力ポート部234から出力される。一方、第2光導波路コア502から出力される光信号は、接続部265に入力される。そして、光信号に含まれる1次モードのTE偏波は、モード変換領域275において基本モードのTE偏波に変換される。また、光信号に含まれる基本モードのTM偏波は、モード変換領域275においてモード変換されずに基本モードが維持される。基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号は、第2出力ポート部236から出力される。
なお、モード変換領域270、273及び275の設計は、第1の波長フィルタ300によって取り出すべき波長に応じて最適化されている。
第1アームコア510及び第2アームコア520の構成例について説明する。
第1アームコア510は、第1曲線導波路部531、第1テーパ部533、第1調整部535、第2テーパ部537、第2曲線導波路部539、第3テーパ部541、第2調整部543、第4テーパ部545及び第3曲線導波路部547が、この順に接続されて構成される。これらの各構成要素は、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を伝播させる。
第1曲線導波路部531は、一端が第1方向性結合器110の第1光導波路コア401の出力端401bと接続され、他端が第1テーパ部533と接続される。第3曲線導波路部547は、一端が第4テーパ部545と接続され、他端が第2方向性結合器120の第1光導波路コア402の入力端402aと接続される。
第1テーパ部533は、第1曲線導波路部531との接続端から第1調整部535との接続端へ、幅が連続的に変化するように構成されている。また、第2テーパ部537は、第1調整部535との接続端から第2曲線導波路部539との接続端へ、幅が連続的に変化するように構成されている。また、第3テーパ部541は、第2曲線導波路部539との接続端から第2調整部543との接続端へ、幅が連続的に変化するように構成されている。また、第4テーパ部545は、第2調整部543との接続端から第3曲線導波路部547との接続端へ、幅が連続的に変化するように構成されている。これら第1テーパ部533、第2テーパ部537、第3テーパ部541及び第4テーパ部545を設けることによって、第1曲線導波路部531、第1調整部535、第2曲線導波路部539、第2調整部543及び第3曲線導波路部547の各間の幅の不一致を解消することができる。
第2アームコア520は、第1アームコア510と等しく設計された第1曲線導波路部531、第1テーパ部533、第2テーパ部537、第2曲線導波路部539、第3テーパ部541、第4テーパ部545及び第3曲線導波路部547が、この順に接続されて構成される。
このように、第1アームコア510にのみ第1調整部535及び第2調整部543が設けられることによって、第1アームコア510と第2アームコア520とに光路長差が生じる。そして、第1調整部535及び第2調整部543の長さを調整することによって、第1アームコア510と第2アームコア520との光路長差を調整することができる。光路長差は、波長フィルタ部550において取り出す波長に応じて設定される。
第1調整部535の幅W7及び第2調整部543の幅W8は、1次モードのTE偏波の伝播定数と基本モードのTM偏波の伝播定数とが一致するように設定される。その結果、第1調整部535及び第2調整部543によって生じる光路長差が、1次モードのTE偏波と基本モードのTM偏波とで一致する。
ここで、発明者は、第1調整部535及び第2調整部543の好適な設計例を決定するためにシミュレーションを行った。ここでは、1.55μmの波長の光に対して好適な設計例を導いた。また、第1調整部535及び第2調整部543を厚さ0.22μmのSi製とし、下部クラッド層20及び上部クラッド層30をSiO製とした場合を想定した。
まず、第1調整部535の幅W7及び第2調整部543の幅W8に対する、1次モードのTE偏波の等価屈折率及び基本モードのTM偏波の等価屈折率を、FEMを用いて確認した。この結果を図6に示す。
図6は、第1調整部535の幅W7及び第2調整部543の幅W8と等価屈折率との関係を示す図である。図6では、縦軸に等価屈折率を任意単位で、また、横軸に第1調整部535の幅W7及び第2調整部543の幅W8をμm単位で取って示してある。また、1次モードのTE偏波の等価屈折率を◆で、及び基本モードのTM偏波の等価屈折率を■で示してある。
図6に示すように、第1調整部535の幅W7及び第2調整部543の幅W8を0.665μmとした場合に、1次モードのTE偏波の等価屈折率と基本モードのTM偏波の等価屈折率とが一致する(すなわち伝播定数が一致する)。従って、第1調整部535の幅W7及び第2調整部543の幅W8を0.665μmとすることによって、第1アームコア510と第2アームコア520との光路長差を、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波で等しく設定することができる。すなわち、第1調整部535及び第2調整部543によって、偏波無依存の光路長差を与えることができる。
以上に説明したように、第1の波長フィルタ300は、方向性結合器100(第1方向性結合器110及び第2方向性結合器120)を利用することによって、偏波無依存の波長フィルタとして使用することが可能である。また、第1方向性結合器110及び第2方向性結合器120において結合するTE偏波及びTM偏波の次数モードは、設計段階において任意に選択することが可能である。そして、その次数モードに応じて、第1の波長フィルタ300の各構成要素を最適化することができる。従って、第1の波長フィルタ300は、光導波路コアの厚さに対する設計の自由度が高くなる。
(第1の波長フィルタの変形例)
第1の波長フィルタの変形例として、上述した波長フィルタ部550を複数設けることができる。図7を参照して、この変形例による波長フィルタについて説明する。図7は、変形例による波長フィルタを示す概略的平面図である。なお、図7では、上部クラッド層を省略して示してある。また、第1の波長フィルタ300と共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
変形例による波長フィルタ400は、直列に接続された複数の波長フィルタ部550を備えている。図7では、2つの波長フィルタ部550(第1波長フィルタ部551及び第2波長フィルタ部552)を備える構成例を示している。
隣り合う波長フィルタ部は、第1波長フィルタ部551の第2方向性結合器120における第1光導波路コア402の出力端402bと、第2波長フィルタ部552の第1方向性結合器130における第2光導波路コア501の入力端501aとが接続されている。また、第1波長フィルタ部551の第2方向性結合器120における第2光導波路コア502の出力端502bと、第2波長フィルタ部552の第1方向性結合器130における第1光導波路コア401の入力端401aとが接続されている。
変形例による波長フィルタ400では、波長フィルタ部550を複数設けることによって、設定した波長に対して、透過特性がフラットとなるように光信号を取り出すことができる。
発明者は、図7に示す構成例の波長フィルタ400について特性を評価するシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、以下の条件を設定した。入力ポート部230に基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号を入力し、中心波長1.55μmの基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号を、偏波無依存で第1出力ポート部234及び第2出力ポート部236から出力する設計とした。また、第1方向性結合器110及び第2方向性結合器120では、TE偏波に対しては1次モードを、また、TM偏波に対しては基本モードを、それぞれ結合する構成とした。また、各導波路コアを厚さ0.22μmのSi製とし、下部クラッド層20及び上部クラッド層30をSiO製とした。そして、FEMを用いてモード解析した伝達関数に基づき、第1出力ポート部234及び第2出力ポート部236から出力される光信号の強度を確かめた。なお、ここでは、モード変換領域270、273及び275における結合損失については無視した。
この結果を図8に示す。図8は、シミュレーションの結果を示す図である。図8では、縦軸に光強度をdB目盛で、また、横軸に波長をμm単位で取って示してある。また、第1出力ポート部234から出力されるTE偏波の光強度を曲線801で、第2出力ポート部236から出力されるTE偏波の光強度を曲線803で、それぞれ示してある。また、第1出力ポート部234から出力されるTM偏波の光強度を曲線805で、第2出力ポート部236から出力されるTM偏波の光強度を曲線807で、それぞれ示してある。
図8に示すように、設定した中心波長1.55μmにおいて、第1出力ポート部234から出力されるTE偏波及びTM偏波、並びに第2出力ポート部236から出力されるTE偏波及びTM偏波の強度が一致した。この結果から、波長フィルタ400が、偏波無依存の波長フィルタとして使用可能であることが確認された。
(第2の波長フィルタ)
図9を参照して、上述した方向性結合器を利用した第2の波長フィルタについて説明する。図9は、第2の波長フィルタを示す概略的平面図である。なお、図9では、上部クラッド層を省略して示してある。また、方向性結合器100、光導波路素子200及び第1の波長フィルタ300(図5参照)と共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2の波長フィルタ600は、上述した方向性結合器100をカプラとして利用したリング共振器である。
第2の波長フィルタ600は、等しく設計された2つの方向性結合器100(第1方向性結合器130及び第2方向性結合器140)と、第1方向性結合器130及び第2方向性結合器140間に設けられ、等しく設計された1対のアームコア(第1アームコア610及び第2アームコア620)とを備える。第1アームコア610及び第2アームコア620は、方向性結合器100の第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50と同様の材料及び厚さで、下部クラッド層20上に形成されている。
第1方向性結合器130が備える第1光導波路コア403及び第2光導波路コア503、並びに第2方向性結合器140が備える第1光導波路コア404及び第2光導波路コア504は、互いに離間しかつこの順に平行に配置されている。
第1アームコア610は、第1方向性結合器130が備える第2光導波路コア503の一端503aと、第2方向性結合器140が備える第1光導波路コア404の他端404bとの間を接続する。また、第2アームコア620は、第1方向性結合器130が備える第2光導波路コア503の他端503bと、第2方向性結合器140が備える第1光導波路コア404の一端404aとの間を接続する。従って、第1方向性結合器130の第2光導波路コア503、第1アームコア610、第2方向性結合器140の第1光導波路コア404、及び第2アームコア620は、この順に環状に接続されている。そして、これら第2光導波路コア503、第1アームコア610、第1光導波路コア404、及び第2アームコア620によってリング導波路コア650が構成される。
また、第2の波長フィルタ600は、第1サブ光導波路コア210と第2サブ光導波路コア220とを備えている。そして、これら第1サブ光導波路コア210及び第2サブ光導波路コア220と第1方向性結合器130とで、上述した光導波路素子200が構成されている。
さらに、第1方向性結合器130の第1光導波路コア403の他端403bには、第3サブ光導波路コア223が接続されている。また、第3サブ光導波路コア223と互いに離間しかつ並んで配置された、第4サブ光導波路コア214が設けられている。第3サブ光導波路コア223は、第2サブ光導波路コア220と共通の設計で形成されている。また、第4サブ光導波路コア214は、第1サブ光導波路コア210と共通の設計で形成されている。そして、第3サブ光導波路コア223及び第4サブ光導波路コア214は、第2サブ光導波路コア220及び第1サブ光導波路コア210と共通の配置関係で設けられている。
また、第2方向性結合器140の第2光導波路コア504の他端504bには、第5サブ光導波路コア225が接続されている。また、第5サブ光導波路コア225と互いに離間しかつ並んで配置された、第6サブ光導波路コア216が設けられている。第5サブ光導波路コア225は、第2サブ光導波路コア220と共通の設計で形成されている。また、第6サブ光導波路コア216は、第1サブ光導波路コア210と共通の設計で形成されている。そして、第5サブ光導波路コア225及び第6サブ光導波路コア216は、第2サブ光導波路コア220及び第1サブ光導波路コア210と共通の配置関係で設けられている。
第2の波長フィルタ600は、例えば特定の中心波長の光信号を取り出すバンドパスフィルタとして使用される。ここでは、一例として、ポート部(入力ポート部)230から基本モードの光信号を入力し、ポート部(第1出力ポート部)234及びポート部(第2出力ポート部)236からそれぞれ基本モードの光信号を出力する構成例について説明する。なお、ここでは、第1方向性結合器130及び第2方向性結合器140は、TE偏波に対しては1次モードを、また、TM偏波に対しては基本モードを、それぞれ結合する構成とする。
この例では、基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号が、入力ポート部230に入力される。基本モードのTE偏波は、モード変換領域270において1次モードのTE偏波に変換される。また、基本モードのTM偏波は、モード変換領域270においてモード変換されずに基本モードが維持される。
1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を含む光信号は、接続部260を経て、第1方向性結合器130の第1光導波路コア403に入力される。光信号は、第1方向性結合器130の第1光導波路コア401とリング導波路コア650との間で結合される。さらに、光信号は、リング導波路コア650と、第2方向性結合器140の第2光導波路コア504との間で結合される。そして、リング導波路コア650と共振する波長の光信号が、第3サブ光導波路コア223の接続部263と、第5サブ光導波路コア225の接続部265とに分岐されて入力される。ここでの分岐比は、第1方向性結合器130における第1光導波路コア403及び第2光導波路コア503の結合長L1c、及び第2方向性結合器140における第1光導波路コア404及び第2光導波路コア504の結合長L1dに対応する。接続部263及び接続部265に入力される光信号には、それぞれ1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波が含まれる。
接続部263に入力された1次モードのTE偏波は、モード変換領域273において基本モードのTE偏波に変換される。また、基本モードのTM偏波は、モード変換領域273においてモード変換されずに基本モードが維持される。基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号は、第1出力ポート部234から出力される。一方、接続部265に入力された1次モードのTE偏波は、モード変換領域275において基本モードのTE偏波に変換される。また、光信号に含まれる基本モードのTM偏波は、モード変換領域275においてモード変換されずに基本モードが維持される。基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号は、第2出力ポート部236から出力される。
なお、モード変換領域270、273及び275の設計は、第2の波長フィルタ600によって取り出すべき波長に応じて最適化されている。
第1アームコア610及び第2アームコア620の構成例について説明する。
第1アームコア610及び第2アームコア620は、互いに等しい曲率半径の曲線導波路コアで構成されている。そして、第1アームコア610及び第2アームコア620は、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を伝播させる。
第1アームコア610の中途には、第1位相補償部615が形成されている。また、第2アームコア620の中途には、第2位相補償部625が形成されている。
これら第1位相補償部615及び第2位相補償部625は、直線導波路コアで構成されている。これら位相補償部615及び625は、各アームコア610及び620で1次モードのTE偏波に与えられる位相差と、基本モードのTM偏波に与えられる位相差との不一致を補償する。
第1アームコア610及び第2アームコア620の曲率半径をRとすると、各アームコア610及び620の曲線部分で1次モードのTE偏波に与えられる位相差φTE1は下式(13)で表される。また、基本モードのTM偏波に与えられる位相差φTM0は下式(14)で表される。
Figure 0006492437
なお、βTE1は各アームコア610及び620の曲線部分における1次モードのTE偏波の伝播定数を示す。また、βTM0は各アームコア610及び620の曲線部分における基本モードのTM偏波の伝播定数を示す。各アームコア610及び620の曲線部分における、1次モードのTE偏波と基本モードのTM偏波とに与えられる位相差のずれ量Δφは、Δφ=πR(βTE1−βTM0)となる。
一方、第1位相補償部615及び第2位相補償部625の長さをLとすると、各位相補償部615及び625で1次モードのTE偏波に与えられる位相差φ’TE1は下式(15)で表される。また、基本モードのTM偏波に与えられる位相差φ’TM0は下式(16)で表される。
Figure 0006492437
なお、β’TE1は各位相補償部615及び625の1次モードのTE偏波の伝播定数を示す。また、β’TM0は各位相補償部615及び625の基本モードのTM偏波の伝播定数を示す。各位相補償部615及び625における1次モードのTE偏波と基本モードのTM偏波とに与えられる位相差のずれ量Δφ’は、Δφ’=L(β’TE1−β’TM0)となる。
各アームコア610及び620の曲線部分における位相差のずれ量Δφを補償するためには、各位相補償部615及び625の長さLを、Δφ+Δφ’=0となるように設計すればよい。従って、各位相補償部615及び625の長さLを、下式(17)を満たすように設計することで、各アームコア610及び620における位相差のずれ量Δφを補償することができる。
Figure 0006492437
このよう設計された第1位相補償部615及び第2位相補償部625を設けることによって、リング導波路コア650の中心発振波長を、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波で一致させることができる。従って、リング導波路コア650と共振する波長の光信号を、偏波無依存で接続部263と接続部265とに入力することができる。
以上に説明したように、第2の波長フィルタ600は、方向性結合器100(第1方向性結合器130及び第2方向性結合器140)を利用することによって、偏波無依存の波長フィルタとして使用することが可能である。また、第1方向性結合器130及び第2方向性結合器140において結合する、TE偏波及びTM偏波の次数モードは、設計段階において任意に選択するが可能である。そして、その次数モードに応じて、第2の波長フィルタ600の各構成要素を最適化することができる。従って、第2の波長フィルタ600は、光導波路コアの厚さに対する設計の自由度が高くなる。
(第3の波長フィルタ)
図10を参照して、上述した方向性結合器を利用した第3の波長フィルタについて説明する。図10は、第3の波長フィルタを示す概略的平面図である。なお、図10では、上部クラッド層を省略して示してある。また、方向性結合器100、光導波路素子200、第1の波長フィルタ300(図5参照)及び第2の波長フィルタ600(図9参照)と共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
第3の波長フィルタ700は、上述した方向性結合器100をカプラとして利用したグレーティング型波長フィルタである。
第3の波長フィルタ700は、方向性結合器100と、第1方向性結合器100に接続され、等しく設計された1対のアームコア(第1アームコア710及び第2アームコア720)とを備える。第1アームコア710及び第2アームコア720は、方向性結合器100の第1光導波路コア40及び第2光導波路コア50と同様の材料及び厚さで、下部クラッド層20上に形成されている。
第1アームコア710は、方向性結合器100が備える第1光導波路コア40の他端40bと接続されている。また、第2アームコア720は、方向性結合器100が備える第2光導波路コア50の他端50bと接続されている。これら第1アームコア710及び第2アームコア720には、特定の波長の光を反射するグレーティング750及び755がそれぞれ形成されている。
また、第3の波長フィルタ700は、第1サブ光導波路コア210と第2サブ光導波路コア220とを備えている。そして、これら第1サブ光導波路コア210及び第2サブ光導波路コア220と方向性結合器100とで、上述した光導波路素子200が構成されている。
さらに、方向性結合器100の第2光導波路コア50の一端50aには、第3サブ光導波路コア223が接続されている。また、第3サブ光導波路コア223と互いに離間しかつ並んで配置された、第4サブ光導波路コア214が設けられている。第3サブ光導波路コア223は、第2サブ光導波路コア220と共通の設計で形成されている。また、第4サブ光導波路コア214は、第1サブ光導波路コア210と共通の設計で形成されている。そして、第3サブ光導波路コア223及び第4サブ光導波路コア214は、第2サブ光導波路コア220及び第1サブ光導波路コア210と共通の配置関係で設けられている。
第3の波長フィルタ700は、例えば特定の中心波長の光信号を取り出すバンドパスフィルタとして使用される。ここでは、一例として、ポート部(入力ポート部)230から基本モードの光信号を入力し、ポート部(出力ポート部)234から基本モードの光信号を出力する構成例について説明する。なお、ここでは、方向性結合器100は、TE偏波に対しては1次モードを、また、TM偏波に対しては基本モードを、それぞれ結合する構成とする。
この例では、基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号が、入力ポート部230に入力される。基本モードのTE偏波は、モード変換領域270において1次モードのTE偏波に変換される。また、基本モードのTM偏波は、モード変換領域270においてモード変換されずに基本モードが維持される。
1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を含む光信号は、接続部260を経て、方向性結合器100の第1光導波路コア40に入力される。方向性結合器100では、第1光導波路コア40と第2光導波路コア50との結合長に応じた分岐比で、光信号が分岐される。分岐される光信号には、それぞれ1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波が含まれる。分岐された光信号は、第1アームコア710及び第2アームコア720にそれぞれ入力される。
第1アームコア710を伝播する光信号は、グレーティング750によって反射される。反射された光信号は、方向性結合器100の第1光導波路コア40に入力される。また、第2アームコア720を伝播する光信号は、グレーティング755によって反射される。反射された光信号は、方向性結合器100の第2光導波路コア50に入力される。なお、グレーティング750及びグレーティング755では、これらの設計に応じた波長の光信号が反射される。そして、第1アームコア710から入力された光信号と第2アームコア720から入力された光信号とが、方向性結合器100において合波される。合波される光信号には、それぞれ1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波が含まれる。
合波された光信号は、接続部263に入力される。そして、光信号に含まれる1次モードのTE偏波は、モード変換領域273において基本モードのTE偏波に変換される。また、光信号に含まれる基本モードのTM偏波は、モード変換領域273においてモード変換されずに基本モードが維持される。基本モードのTE偏波及びTM偏波を含む光信号は、出力ポート部234から出力される。
なお、モード変換領域270及び273の設計は、第3の波長フィルタ700によって取り出すべき波長に応じて最適化されている。
第1アームコア710及び第2アームコア720の構成例について説明する。
第1アームコア710は、接続部730とブラッグ反射部740とが接続されて構成される。ブラッグ反射部740には、グレーティング750が形成されている。また、第2アームコア720は、接続部735とブラッグ反射部745とが接続されて構成される。ブラッグ反射部745には、グレーティング755が形成されている。そして、第1アームコア710及び第2アームコア720は、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を伝播させる。
この実施の形態では、接続部730及び735の長さを調整することによって、第1光導波路コア40の他端40bから出力される光信号の位相と、他端40bに入力される光信号の位相とを反対位相とする。また、第2光導波路コア50の他端50bから出力される光信号の位相と、他端50bに入力される光信号の位相とを反対位相とする。その結果、グレーティング750及び755で反射され、方向性結合器100において合波される光信号を、第2光導波路コア50の一端50aから出力することができる。
グレーティング750は、基部751と突出部753a及び753bとを一体的に含んで構成されている。基部751は、一定の幅で、光の伝播方向に沿って延在して形成されている。突出部753aは、基部751の一方の側面に、周期的に複数形成されている。突出部753bは、基部751の他方の側面に、突出部753aと同じ周期で複数形成されている。これら突出部753a及び753bは、基部751を挟んで対称となる位置に形成されている。
グレーティング750は、共通の波長の1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波をブラッグ反射する。
グレーティング750におけるブラッグ反射条件は、下式(18)で表される。
Figure 0006492437
なお、Nは、グレーティングにおいて結合される、入射光及び反射光の等価屈折率を示す。また、Λはグレーティングの周期を示す。そして、グレーティング750では、上式(18)が成立する波長λ、すなわちブラッグ波長の光が反射される。等価屈折率Nには波長依存性があるため、特定の波長λに対してのみ上式(18)が成立する。
そして、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波に対して、共通の波長のブラッグ波長を設定するためには、上式(18)における等価屈折率Nを、1次モードのTE偏波と基本モードのTM偏波とで一致させればよい。1次モードのTE偏波の等価屈折率NTE1及び基本モードのTM偏波の等価屈折率NTM0について、NTE1=NTM0が成立する場合に、共通の波長の1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波を反射することができる。従って、基部751の幅W9、突出部753a及び753bの突出幅W10、及び突出部753a及び753bの周期Λは、NTE1=NTM0が成立するように設計される。
なお、グレーティング755についても、グレーティング750と同様の設計で形成される。このようにグレーティング750及び755を設計することによって、偏波無依存で共通の波長の光信号を反射させることができる。
発明者は、このように設計したグレーティング750及び755について、特性を評価するシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、3次元FDTD(Finite Difference Time Domain)法を用いて特性を評価した。このシミュレーションでは、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波をグレーティング750及び755に入力し、グレーティング750及び755において反射される1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波の各強度を観測した。
ここでは、グレーティング750及び755が形成されるブラッグ反射部740及び745を、厚さ0.22μmのSi製とし、下部クラッド層20及び上部クラッド層30をSiO製とした。そして、1.55μmのブラッグ波長において、上述したNTE1=NTM0が成立するように、基部751の幅W9、突出部753a及び753bの突出幅W10、及び突出部753a及び753bの周期Λを設定した。
この結果を図11に示す。図11は、シミュレーションの結果を示す図である。図11では、縦軸に光強度をdB目盛で、また、横軸に波長をμm単位で取って示してある。また、グレーティングで反射される1次モードのTE偏波の光強度を曲線11で、基本モードのTM偏波の光強度を曲線12で、それぞれ示してある。
図11に示すように、設定したブラッグ波長1.55μmにおいて、1次モードのTE偏波及び基本モードのTM偏波の光強度がともに最大となった。従って、この結果から、グレーティング750及び755によって、偏波無依存で光信号を反射可能であることが確認された。なお、各偏波の強度は、グレーティングの長さを大きく設定することによって、より高い強度で揃えることができると考えられる。
以上に説明したように、第3の波長フィルタ700は、方向性結合器100を利用することによって、偏波無依存の波長フィルタとして使用することが可能である。また、方向性結合器100において結合する、TE偏波及びTM偏波の次数モードは、設計段階において任意に選択することが可能である。そして、その次数モードに応じて、第3の波長フィルタ700の各構成要素を最適化することができる。従って、第3の波長フィルタ700は、光導波路コアの厚さに対する設計の自由度が高くなる。
10:支持基板
20:下部クラッド層
30:上部クラッド層
40:第1光導波路コア
50:第2光導波路コア
100:方向性結合器
110:第1方向性結合器
120:第2方向性結合器
200:光導波路素子
210:第1サブ導波路コア
220:第2サブ導波路コア
230:ポート部
240:第1変換部
250:第2変換部
260:接続部
270:モード変換領域
300:第1の波長フィルタ
400:変形例による波長フィルタ
510、610、710:第1アームコア
520、620、720:第2アームコア
550:波長フィルタ部
600:第2の波長フィルタ
650:リング導波路コア
700:第3の波長フィルタ
750、755:グレーティング

Claims (8)

  1. ともにSOI基板のSi層により構成され、互いに平行に配置され、かつm次モード(mは1以上の整数)の、TE偏波及びTM偏波の一方の偏波、及びn次モード(nは0以上の整数)の他方の偏波を伝播させる第1光導波路コアと第2光導波路コアとを備え、
    前記第1光導波路コアと前記第2光導波路コアとの間における、一方の偏波のp次モード(pは0≦p≦mを満たす整数)のモード結合係数と、他方の偏波のq次モード(qは0≦q≦nを満たす整数)のモード結合係数とが一致するように、前記第1光導波路コアと前記第2光導波路コアとの離間距離、及び前記第1光導波路コアと前記第2光導波路コアの幅が設定され
    前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアの厚さは、前記Si層の厚さによって定まる
    ことを特徴とする方向性結合器。
  2. 前記p次モード及び前記q次モードの少なくとも一方が高次モードである
    ことを特徴とする請求項1に記載の方向性結合器。
  3. 請求項1又は2に記載の方向性結合器と、
    第1変換部を含む第1サブ導波路コアと、
    第2変換部を含む、前記第1光導波路コアと接続された第2サブ導波路コアと
    を備え、
    前記第1変換部と前記第2変換部とが、互いに並んで配置されたモード変換領域が設定されており、
    前記モード変換領域では、前記第1変換部を伝播するi次モード(iは0以上の整数)の一方の偏波と、前記第2変換部を伝播する前記m次モードの一方の偏波とが結合され、かつ前記第1変換部を伝播するj次モード(jは0以上の整数)の他方の偏波と、前記第2変換部を伝播する前記n次モードの他方の偏波とが結合される
    ことを特徴とする光導波路素子。
  4. 2つの、請求項1又は2に記載の方向性結合器と、第1アームコアと、第2アームコアとを含む波長フィルタ部を備え、
    前記第1アームコアは、一方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コアと、他方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コアとの間を接続し、
    前記第2アームコアは、一方の前記方向性結合器が備える前記第2光導波路コアと、他方の前記方向性結合器が備える前記第2光導波路コアとの間を接続し、
    前記第1アームコアと前記第2アームコアとは、互いに光路長が異なる
    ことを特徴とする波長フィルタ。
  5. 2つの、請求項1又は2に記載の方向性結合器と、第1アームコアと、第2アームコアとをそれぞれ含む複数の波長フィルタ部を備え、
    前記第1アームコアは、一方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コアと、他方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コアとの間を接続し、
    前記第2アームコアは、一方の前記方向性結合器が備える前記第2光導波路コアと、他方の前記方向性結合器が備える前記第2光導波路コアとの間を接続し、
    前記第1アームコアと前記第2アームコアとは、互いに光路長が異なり、
    複数の前記波長フィルタ部は、直列に接続されている
    ことを特徴とする波長フィルタ。
  6. 2つの、請求項1又は2に記載の方向性結合器と、第1アームコアと、第2アームコアとを備え、
    一方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コア、並びに他方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアが、この順に互いに平行に配置されており、
    一方の前記方向性結合器が備える前記第2光導波路コアと、前記第1アームコアと、他方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コアと、前記第2アームコアがこの順に環状に接続されたリング導波路コアが構成されており、
    一方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コアの一端から入力され、前記リング導波路コアと共振する波長のTE偏波及びTM偏波が、一方の前記方向性結合器が備える前記第1光導波路コアの他端、及び他方の前記方向性結合器が備える前記第2光導波路コアの他端から、それぞれ出力される
    ことを特徴とする波長フィルタ。
  7. 請求項1又は2に記載の方向性結合器と、前記第1光導波路コアと接続された第1アームコアと、前記第2光導波路コアと接続された第2アームコアとを備え、
    前記第1アームコア及び前記第2アームコアには、共通の波長のTE偏波及びTM偏波をブラッグ反射するグレーティングがそれぞれ形成されている
    ことを特徴とする波長フィルタ。
  8. ともにSOI基板のSi層により構成され、互いに平行に配置され、かつm次モード(mは1以上の整数)の、TE偏波及びTM偏波の一方の偏波、及びn次モード(nは0以上の整数)の他方の偏波を伝播させる第1光導波路コアと第2光導波路コアとで構成される方向性結合器において、
    前記第1光導波路コアと前記第2光導波路コアとの間における、一方の偏波のp次モード(pは0≦p≦mを満たす整数)のモード結合係数と、他方の偏波のq次モード(qは0≦p≦nを満たす整数)のモード結合係数とが一致するように、前記第1光導波路コアと前記第2光導波路コアとの離間距離、及び前記第1光導波路コアと前記第2光導波路コアの幅を設定し
    前記第1光導波路コア及び前記第2光導波路コアの厚さは、前記Si層の厚さによって定まる
    ことを特徴とする方向性結合器の設計方法。
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