JP6491928B2 - レプリカモールドおよびその製造方法 - Google Patents

レプリカモールドおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6491928B2
JP6491928B2 JP2015072652A JP2015072652A JP6491928B2 JP 6491928 B2 JP6491928 B2 JP 6491928B2 JP 2015072652 A JP2015072652 A JP 2015072652A JP 2015072652 A JP2015072652 A JP 2015072652A JP 6491928 B2 JP6491928 B2 JP 6491928B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft material
replica mold
mold
replica
fine structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015072652A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016192519A (ja
Inventor
秀雄 大井
秀雄 大井
Original Assignee
株式会社協同インターナショナル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社協同インターナショナル filed Critical 株式会社協同インターナショナル
Priority to JP2015072652A priority Critical patent/JP6491928B2/ja
Priority to CN201510671174.5A priority patent/CN106003880B/zh
Priority to TW104133925A priority patent/TWI576658B/zh
Publication of JP2016192519A publication Critical patent/JP2016192519A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6491928B2 publication Critical patent/JP6491928B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/02Physical, chemical or physicochemical properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B37/00Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding
    • B32B37/0007Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding involving treatment or provisions in order to avoid deformation or air inclusion, e.g. to improve surface quality
    • B32B37/003Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding involving treatment or provisions in order to avoid deformation or air inclusion, e.g. to improve surface quality to avoid air inclusion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/26Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used
    • B41M5/40Thermography ; Marking by high energetic means, e.g. laser otherwise than by burning, and characterised by the material used characterised by the base backcoat, intermediate, or covering layers, e.g. for thermal transfer dye-donor or dye-receiver sheets; Heat, radiation filtering or absorbing means or layers; combined with other image registration layers or compositions; Special originals for reproduction by thermography
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B37/00Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding
    • B32B37/0007Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding involving treatment or provisions in order to avoid deformation or air inclusion, e.g. to improve surface quality
    • B32B37/0015Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding involving treatment or provisions in order to avoid deformation or air inclusion, e.g. to improve surface quality to avoid warp or curl

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明はナノインプリント用レプリカモールドに関する。
ナノインプリント法による微細加工技術は、高精度の半導体集積回路、光反射防止性付与、LED基板における光取り出し効率向上等の光学・照明用途、2次電池、太陽電池、燃料電池等のエネルギー開発、及びバイオテクノロジーなどの多岐に渡る分野で導入が検討されている。
従来のナノインプリント法において、モールドの作成方法は、Siや石英などの基板に対してフォトリソグラフィー法で微細構造を形成する方法があるが製造コストが非常に高額となる問題がある。
近年、ナノインプリント法は、製造コストが高額なフォトリソグラフィー技術に替わる安価な微細構造形成技術として注目されている。そこで、フォトリソグラフィー法などで形成したモールドをマスターモールドとして用い、前記マスターモールドの表面の微細構造をナノインプリント法にて樹脂等の材料に転写し、この樹脂等の材料をレプリカモールドとして用いることが行われている。
このナノインプリント法を詳述すると、微細構造を形成した型(マスターモールド)を作製し、このマスターモールドから微細構造を転写させたレプリカモールドを形成し、そのレプリカモールドをスタンパとして使用して微細構造を被転写体にプリントするものである。レプリカモールドの微細構造を被転写体にプリントする方法としては、マスク材として光硬化樹脂が積層された被転写体をスタンパたるレプリカモールドで押圧することで、微細構造を積層された光硬化樹脂に転写する。その状態で紫外線などの光照射を行い光硬化樹脂を硬化させる。硬化された光硬化樹脂をマスクとしてエッチング等の方式で被転写体にパターニングするものである。
従来、ナノインプリント法では平坦なレプリカモールドを、マスク材が積層された平坦な被転写体に押し当て、マスク材を押し広げて、その状態で例えばマスク材が光硬化樹脂の場合には紫外線などの光照射を行い硬化させモールドを剥離しマスク材に微細構造が転写される。微細構造が転写されたマスク材を用いて被転写体をエッチングすることにより被転写体に微細構造を転写することができる。このような転写方法ではレプリカモールドとマスク材を介した被転写体との接触時に、マスク材に気泡が巻き込まれる場合がある。マスク材に気泡が巻き込まれると、マスク材に転写される微細構造に欠陥(転写不良領域)が生まれ製品の不良となる問題があった。近年、製造コスト削減の要請に伴い、一度により広い面積の被転写体に微細構造を転写できる転写面積の大きなレプリカモールドの必要が生じている。しかし気泡の巻き込みの傾向は、転写面積が拡大すればするほど顕著となる。
そこで、本願発明者は平坦なレプリカモールドを被転写体に向かって微細構造を有する面が凸状となるように湾曲させるとともに、凸状となるように湾曲したレプリカモールドを被転写体と接触させる転写方法を見いだした。この転写方法では、モールドの微細構造を有する面の凸状が被転写体の中心部に接触した後、徐々に外周部へ向かってその接触領域が一様に広げられていくこととなる。その結果、この転写方法では、マスク材が微細構造を充填しつつ外周部へ向かって一様に流動していく。これによってマスク材への気泡の巻き込みが防止され、マスク材に転写される微細構造の欠陥(転写不良領域)を防止することができる。
しかしながら、そのような凸状となるように湾曲したレプリカモールドを転写装置にて実現するためには、例えば平坦なレプリカモールドを圧力により凸状に湾曲化させることが考えられるが装置の構成が複雑となる。また、平坦なレプリカモールドを圧力で湾曲化させているためレプリカモールドにかかる負荷が大きく、レプリカモールド自体が破損する場合がある。さらに外圧によって湾曲化させているために圧力のかかり方がレプリカモールド全面において均等になされず、すなわち凸形状にムラが生じ、湾曲の曲率が面内で異なるために被転写体に転写される微細構造に欠陥(転写不良領域)が生じる。
また、従来の硬質なレプリカモールドでは、被転写体の反り、突起や異物が存在する場合、マスク材を介した被転写体とレプリカモールドとの接触時に突起や異物を中心とした広範囲に樹脂に転写される微細構造の欠陥(転写不良領域)を生じる場合がある。
そこで、本発明は、複雑な転写装置を必要とせず、マスク材を介した被転写体とレプリカモールドとの接触時に、気泡の巻き込みなどによるマスク材に転写される微細構造の欠陥(転写不良領域)を防止することのできるレプリカモールド及びその製造方法を提供するものである。
本発明のレプリカモールドは、軟質材料から形成され、表面に微細構造をもつレプリカモールドであって、レプリカモールドは、互いに収縮率が異なる第1の軟質材料と、第2の軟質材料とによる2層の軟質材料を備え、第2の軟質材料を前記第1の軟質材料と比較し、収縮率が大きくなるように構成し、かつ第1の軟質材料が表面に微細構造を有し、微細構造を有する面が前記第1、第2の軟質材料間の収縮率の大小関係によって生じる残留応力により凸状となるように湾曲しており、このレプリカモールドは、開口部を有する治具に微細構造を有する面を下方に向けて載せ、前記レプリカモールドの直径に対して最外周から1〜5%の位置を開口部の縁によって係合させて支持させた場合に、レプリカモールドの自重たわみと残留応力による湾曲との和が治具の開口部の直径に対して2.0%乃至6.0%であることを特徴とする。
図1(a)は本発明に係るレプリカモールドの模式図である。図1(b)はレプリカモ―ルド自体の持つ残留応力による湾曲(X)、図1(c)はレプリカモールド自体の持つ残留応力による湾曲(X)と自重たわみ(W)との和を示す。 図2(a)〜(e)は本発明に係るレプリカモールドの製造工程を模式的に示す断面図である。 図3(a)〜(e)は本発明に係るレプリカモールドの製造工程を模式的に示す断面図である。 図4(a)〜(c)は本発明に係るレプリカモールドの製造工程を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明に係るレプリカモ―ルド自体の持つ残留応力による湾曲(X)及び自重たわみ(W)の測定方法の模式図である。 図6(a)〜(d)は本発明に係るレプリカモールドの微細構造を被転写体に積層されたマスク材に転写する工程を示す断面図である。 図7(a)〜(c)は本発明に係るレプリカモールドを用いた被転写体に対する微細構造の転写結果を示す模式図である。(a)は本発明の実施例1〜6、(b)は比較例1、2、3、5、(c)は比較例4の結果を示す。 図8は本発明に係るレプリカモールドを用いて形成した微細構造の転写結果の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)は本発明の一実施例に係るレプリカモールド101の一部を抜き出して拡大した模式図である。このレプリカモールドは、軟質材料から形成され表面に微細構造を有し、この微細構造を有する面が残留応力により凸状となるように湾曲している。レプリカモールド101は、軟質材料から形成されるため可撓性をもち、表面にナノメートルオーダーからマイクロメートルオーダーの微細構造を有する。
軟質材料には、有機樹脂材料又はゴム材料が用いられる。例示としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、PVC(ポリ塩化ビニル)ゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、熱収縮性フィルム、熱収縮性樹脂等を用いることができる。これらの軟質材料は、他の材料との共重合体であってもよいし、スコーチ防止剤、補強材、充填剤、軟化剤、着色剤等の各種配合剤を含んでもよい。
上述した軟質材料は、例示であり、マスターモールドの有する微細構造を精密に転写することができ、微細構造を有する面が残留応力により凸状に湾曲したレプリカモールドの形状を、複数回の被転写体に対する転写にわたって保持できる軟質材料であれば特に限定されない。軟質材料としては、シリコーンゴム、例えばジメチルシロキサンを含むものが特に好ましい。
シリコーンゴムは、ケイ素−酸素結合を骨格としたシロキサン結合からなり側鎖にメチル基、フェニル基などの有機基を有するため、一般の主鎖が炭素鎖である有機材料と異なり、優れた耐熱性、耐寒性、及び耐薬品性などの特性を持つ。更に、シリコーンゴムは、ガスの透過性が高いため、空気やガス化したマスク材の溶媒を容易に透過することができる。そのため、マスク材に溶媒が含まれている場合でも、気体を透過させることによって気泡による転写形状の欠陥を防ぎ、積層されたマスク材の硬化速度を速めることができる。さらに、マスク材に光硬化性樹脂を用いる際には、軟質材料は高い光(可視光、紫外線等)透過性を持つことが好ましい。
本発明のレプリカモールドに発生する残留応力とは、第2の軟質材料102を第1の軟質材料103と比較し収縮率が大きくなるよう構成することで、レプリカモールド内部に発生する弾性力をいう。軟質材料に生ずる収縮には、軟質材料の液体状態から固体状態の硬化に起因する収縮(成型収縮)や固体状態での温度変化に起因する収縮がある。
本発明のレプリカモールドは、収縮率が異なる第1の軟質材料103と第2の軟質材料102とによる2層の軟質材料を具備する。第1の軟質材料103を第2の軟質材料102と比較し収縮率が大きくなるよう構成することで、微細構造を有する面が残留応力により凸状となるように湾曲する。本明細書では、レプリカモールドの構造は、第1の軟質材料103及び第2の軟質材料102からなる2層構造のみ記載しているが、微細構造を有する面が残留応力により凸状となる湾曲が保たれるならば、3層以上の構造にしてもよい。
一般に、軟質材料、例えばシリコーンゴムの収縮率を決定する重要因子としては、硬化温度が挙げられる。一般にシリコーンゴムは、ベースポリマーとなるオルガノポリシロキサンに硬化剤や充填剤等を配合し、更に触媒などの添加剤を加え架橋し硬化することにより作製する。まず、硬化温度の影響であるが、一般には硬化温度が高いほど収縮率が大きくなる。例えば、同じ付加反応系シリコーンゴムであっても、触媒等の違いにより室温硬化型であり80℃で30分の弱い加熱で成型されるゴム(例えば、信越化学工業製のポリジメチルシロキサン(PDMS)「SIM−360」と硬化剤「CAT-360」の10:1(重量比)の混合物)と加熱硬化型であり150℃で30分の強い加熱で成型されるゴム(例えば、信越化学工業製のポリジメチルシロキサン(PDMS)「KE−106」と硬化剤「RG」の10:1(重量比)の混合物)がある。この場合室温硬化型シリコーンゴムは、加熱硬化型のものよりも約70度低い温度で成形できるので、成形温度の観点からは室温硬化型のシリコーンゴムの方が収縮率を低く成形できる。
本発明では、特に軟質材料の硬化温度に着目し、第1の軟質材料103の硬化温度よりも第2の軟質材料102の硬化温度を高めることで収縮率を変化させ、微細構造を有する面が残留応力により凸状となるように湾曲させることができることを見出した。
また、上述の方法の他にも、第2の軟質材料102を第1の軟質材料103と比較し収縮率が大きくなるよう材料を選択することで、微細構造を有する面が残留応力により凸状となるように湾曲するレプリカモールドを得ることができる。
また、第2の軟質材料として熱収縮性樹脂を塗布し熱収縮すること、熱収縮性フィルムを貼り合わせ熱収縮させることによっても、微細構造を有する面が残留応力により凸状となるように湾曲するレプリカモールドを得ることができる。
図1(b)、(c)に本発明のレプリカモールド101の残留応力による湾曲(X)及び自重たわみ(W)に関する模式図を示す。図1(b)、(c)は、図1(a)のレプリカモールド101の全体を模式的に示したものである。図1(b)に示すように本発明のレプリカモールド101は、微細構造を有する面が残留応力により凸状となるように湾曲している。この湾曲を、残留応力による湾曲(X)とする。
図1(c)に示すように、レプリカモールド101は軟質材料で形成されているため、開口部を有する治具に微細構造を有する第1の軟質材料103の面を下方に向けて載せ開口部の縁によって支持させた場合、レプリカモールド101自体の残留応力による湾曲(X)に加えて、自重によるたわみである自重たわみ(W)が生じ、残留応力による湾曲(X)と自重たわみ(W)との和のたわみをもつ。
本発明者が、従来のモールドの前記問題点を解消すべく種々検討をしたところ、転写の際にレプリカモールド101の残留応力による湾曲(X)と自重たわみ(W)との和が治具の開口の直径に対して2.0%乃至6.0%であるとき効果的に気泡巻き込みを防げることを見出した。従来の硬質のレプリカモールドを、治具の開口の直径に対して2.0%乃至6.0%湾曲させることは、変形量が大きくなり過ぎ転写の際にレプリカモールドに与える負荷が大きく破損に繋がるため困難である。また平坦なレプリカモールドを用い、外圧及び自重たわみ(W)のみにより治具の開口の直径に対して2.0%乃至6.0%のたわみを与えた場合、凸形状の面内にムラがあり、すなわち各面内の湾曲状態の曲率に差異が生じており、この差異が転写される微細構造の欠陥(転写不良領域)を引き起こす。従って、本発明者はレプリカモールド自体の内部的な応力による湾曲によって初めて凸形状の面内のムラが無く、各面内の湾曲状態の曲率に差異が無く、良好な転写が実現できることを見出した。
残留応力による湾曲は、第1の軟質材料の厚みが薄いほど、第2の軟質材料の厚みが厚いほど大きくなる。
(レプリカモールドの製造方法)
(実施形態1)
図面を参照して、本発明の実施形態1によるレプリカモールド101の製造方法を説明する。図2(a)〜(e)は、本発明の好ましい実施形態1によるレプリカモールド101の製造方法の手順を説明する模式図である。
まず、図2(a)に示すように、目的に応じて所定の微細構造が形成されたマスターモールド201上に、第1の軟質材料103を積層する。マスターモールド201を構成する材料の具体例としては、石英ガラス、ニッケルや加工性に優れたSi基板などが挙げられる。
第1の軟質材料103の積層方法は特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート、ディップコート、バーコート、スクリーン印刷、グラビア印刷などの一般的な積層方法を第1の軟質材料の粘度や厚みに応じて用いることができる。簡易的には、マスターモールドに液状の第1の軟質材料103を流し入れることで積層することができる。積層された第1の軟質材料103は、マスターモールド201の表面に広がってマスターモールド201の微細構造に充填される。
次に、図2(b)に示すように、マスターモールド201の表面の微細構造に第1の軟質材料103が充填された状態で、第1の軟質材料103を室温硬化、熱硬化、または紫外線硬化させる。硬化の方法としては、特に限定されない。その結果、マスターモールド201に形成された微細構造が第1の軟質材料103に転写され、当該微細構造が固定される。ここで用いられる第1の軟質材料103としては、例示としては信越化学工業製のポリジメチルシロキサン(PDMS)「SIM−360」と硬化剤「CAT-360」の10:1(重量比)の混合物などの市販品を用いることができる。この製品は液体シリコーンゴムであり、室温硬化型の付加反応系の材料である。ここでは、80℃で30分間の加熱処理を行いシリコーンゴムの硬化を行った。
次に、図2(c)に示すように、硬化された第1の軟質材料の前記微細構造の反対側の面上に、第2の軟質材料を積層する。積層方法は限定されるものではないが、例えば、スピンコート、ディップコート、バーコート、スクリーン印刷、グラビア印刷などの一般的な積層方法を積層する第2の軟質材料の粘度や厚みに応じて用いることができる。簡易的には、第1の軟質材料103上に液状の第2の軟質材料102を流し入れることで積層を行うことができる。
次に、図2(d)に示すように、硬化された第1の軟質材料の前記微細構造の反対側の面上に、第2の軟質材料を積層した状態で第1の軟質材料を硬化させた温度よりも高い温度で熱硬化させる。例示としては信越化学工業製のポリジメチルシロキサン(PDMS)「KE−106」と硬化剤「RG」の10:1(重量比)の混合物などが挙げられる。この製品は液体シリコーンゴムであり、汎用の加熱硬化型の付加反応系の材料である。ここでは、150℃で30分間の加熱処理を行いシリコーンゴムの硬化を行った。ここで、前述したように軟質材料、例えばシリコーンゴムは一般には加硫温度(成形温度)が高いほど収縮率が大きくなる。今回の例の場合、第2の軟質材料102の軟質材料は第1の軟質材料103よりも約70度高い温度で成形しているので、成形温度の観点から第2の軟質材料102はより収縮率が大きく成形される。ここで、第1の軟質材料103と第2の軟質材料102との積層となったものをレプリカモールド101とする。
ここにおける第1の軟質材料と第2の軟質材料とは、前記第1の軟質材料の物性値としての硬化温度よりも第2の軟質材料の物性値としての硬化温度が高い、異なる種類の軟質材料を用いても良い。また、第1の軟質材料と前記第2の軟質材料が、全く同一の軟質材料を用い硬化温度を高くしても良い。
レプリカモールド101は冷却又は自然放冷され、第1の軟質材料103と第2の軟質材料102との熱収縮率の違いによってレプリカモールド101に残留応力が生じる。
次に、図2(e)に示すように、レプリカモールド101をマスターモールド201から分離する。マスターモールド201のもつ微細構造は、レプリカモールド101の第1の軟質材料103の表面に精度良く転写される。第2の軟質材料102は第1の軟質材料103よりも収縮率が大きく成形されているため、レプリカモールド101は残留応力により微細構造を有する面が凸状となるように湾曲する。
また、図3(a)〜(e)に示すように、第1の軟質材料103を形成した後に、第1の軟質材料103をマスターモールド201から分離し、載置代301上で第2の軟質材料を形成してもよい。
(実施形態2)
図4(a)〜(c)は、本発明の好ましい実施形態2によるレプリカモールド101の製造方法の手順を説明する模式図である。
まず、図4(a)に示すように、目的に応じて所定の微細構造が形成されたマスターモールド201上に、軟質材料401を積層する。マスターモールド201を構成する材料の具体例としては、石英ガラス、ニッケルや加工性に優れたSi基板などが挙げられる。軟質材料401の積層方法は特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート、ディップコート、バーコート、スクリーン印刷、グラビア印刷などの一般的な積層する方法を軟質材料401の粘度や厚みに応じて用いることができる。簡易的には、マスターモールドに液状の軟質材料401を流し入れることで積層することができる。積層された軟質材料401は、マスターモールド201の表面に広がってマスターモールド201の微細構造に充填される。
次に、図4(b)に示すように、マスターモールド201の表面の微細構造に軟質材料401が充填された状態で、軟質材料401をマスターモールド側及び背面側の両面より加熱を行う。軟質材料401、例えばシリコーンゴムの加熱温度は、マスターモールド側よりも背面側の70度以上高いものとする。ここでの熱硬化は、マスターモールド側又は背面側のいずれを先に行っても良く、また同時に行っても良い。熱硬化の方法は特に限定されないが、好適には、マスターモールド背面とシリコーンゴム401の背面を2枚のホットプレートで同時に挟み込みそれぞれの狙い温度に調整し加熱することなどが挙げられる。
ここで用いられる軟質材料401としては、例示としては信越化学工業製のポリジメチルシロキサン(PDMS)「KE−106」と硬化剤「RG」の10:1(重量比)の混合物などが挙げられる。この製品は液体シリコーンゴムであり、汎用の加熱硬化型の付加反応系の材料である。ここで、マスターモールド側からは80℃で背面側からは150℃でそれぞれ6時間の加熱処理を行い軟質材料401の硬化を行った。ここで、前述したように軟質材料401、例えばシリコーンゴムは一般には加硫温度(成形温度)が高いほど収縮率が大きくなる。今回の例の場合、背面側の軟質材料はマスターモールド側よりも70度低い温度で成形しているので、マスターモールド側は成形温度の観点から背面側はより収縮率が大きく成形される。ここで硬化条件の違いにより収縮率の違いが生じたマスターモールド側、及びその背面側の層状の領域をそれぞれ第1の軟質材料103’及び第2の軟質材料102’とする。
硬化処理により、軟質材料中のベースポリマーが硬化剤及び触媒により架橋し硬化する。その結果、マスターモールド201に形成された微細構造が軟質材料401に転写され、かつ、当該微細構造が固定される。ここで、この硬化した軟質材料401をレプリカモールド101’とする。
レプリカモールド101’は冷却又は自然放冷され、第1の軟質材料103’と第2の軟質材料102’との熱収縮率の違いによってレプリカモールドに残留応力が生じる。
次に、図2(c)に示すように、レプリカモールド101’をマスターモールド201より分離する。マスターモールド201のもつ微細構造は、レプリカモールド101’の第1の軟質材料103’の表面に精度良く転写される。レプリカモールド内部の収縮率の違いにより、レプリカモールド101’は微細構造を有する面が残留応力により凸状となるように湾曲する。
(残留応力による湾曲(X)及び自重たわみ(W)の測定方法)
残留応力による湾曲(X)及び自重たわみ(W)の測定方法の概略図を図5に示す。残留応力による湾曲(X)及び自重たわみ(W)の測定は以下の手順で行った。
まず、レプリカモールドは、水平に固定された開口部を有する治具(104a及び104b)に凸状となるよう湾曲している微細構造を有する面を下方に向けて載せ開口部の縁によって支持させた(Aの状態)。この際、開口部を有する治具に、レプリカモールドを、レプリカモールドの直径に対して最外周から1〜5%の位置を係合させるものとする。
次に、水平に固定された開口部を有する治具(104a及び104b)とレプリカモールド101の最も撓んだ部分の変位を非接触式の測定方法、例えばレーザー変位計で測定した。この時の変位を、残留応力による湾曲(X)及び自重たわみ(W)の和(X+W)とした。
次に、レプリカモールド101の表裏を反転して水平に固定された開口部を有する治具(104a及び104b)に凸状となるよう湾曲している微細構造を有する面の反対面を下方に向けて載せ開口部の縁によって支持させた(Bの状態)。この際、開口部を有する治具に、レプリカモールドを、レプリカモールドの直径に対して最外周から1〜5%の位置を係合させるものとする。
次に、水平に固定された開口部を有する治具(104a及び104b)とレプリカモールド101の最もたわんだ部分の変位を非接触式の測定方法で測定した。この時の変位を、自重たわみ(W)と残留応力による湾曲(X)の差(W-X)とした。
Aの状態での測定値(X+W)とBの状態での測定値(W−X)の差の1/2の値をレプリカモールドの残留応力による湾曲(X)とする。また、Aの状態での測定値(X+W)とBの状態での測定値(W−X)和の1/2の値をレプリカモールド101の自重たわみ(W)とする。
開口部を有する治具(104a及び104b)の開口部の形状は円形に限定されるものではなく、レプリカモールドの形状に合わせ平面視で楕円形、多角形等の形状であってもよい。治具が多角形の際の開口部を有する治具の直径は、多角形に対して内接する最大の円の直径を指すものとする。
残留応力による湾曲(X)及び自重たわみ(W)の測定方法は上記方法に限られず、例えばレプリカモールドをレプリカモールドと比重の等しい液体中に浸漬するなど重力による変形を生じない環境の中で、残留応力による湾曲(X)を非接触式の測定方法で測定するなどの方法でも測定され得る。
(微細構造転写装置)
次に、本実施形態に係るレプリカモールド101を備える微細構造転写装置を用いた微細構造転写方法について、主に図6(a)〜(d)を参照しながら説明する。以下の説明における上下の方向は、図6(a)に示す上下の方向を基準とする。
図6(a)に示すように、微細構造転写装置は、レプリカモールド101を被転写体602に接触させて、被転写体602の表面にレプリカモールド101の微細構造を転写するように構成されている。
レプリカモールド101は、図6(a)に示すように、被転写体602の上方に配置されており保持治具604a及び604bにより端部を保持されている。保持治具604a及び604bは、レプリカモールド101の外周の全周(外周部)を保持することが好ましいが、レプリカモールド101の端部を数点保持するものでもよい。
レプリカモールド101は、紫外光を透過することが望ましい。レプリカモールド101が紫外線透過性である場合、マスク材として光硬化性樹脂を使用することができる。レプリカモールド101は、被転写体602と対向する面に微細構造が形成された転写領域をもつ。レプリカモールド101は下側に(被転写体602側に)凸状となるように湾曲している。
本実施形態でのレプリカモールド101は、円盤状であるが、レプリカモールド101の形状はこれに限定されるものではなく、平面視で楕円形、多角形等の形状であってもよい。なお、レプリカモールド101は、被転写体602の所定の領域に微細構造を転写することができれば、被転写体602と異なった形状、及び表面積のものであってもよい。またレプリカモールド101の表面に離型処理を施すこともできる。
ステージ601は、図示しない昇降装置によって上下動が可能となっており、被転写体1をレプリカモールド101に押し付け、又は被転写体602をレプリカモールド101から分離するように構成されている。
ステージ601上には、光硬化性樹脂603を滴下した被転写体602を配置する。
光硬化性樹脂603としては、公知のものでよく、樹脂材料に感光性物質を添加したものが挙げられる。この樹脂材料としては、ラジカル重合性材料、カチオン重合性材料、アニオン重合性材料等を用いることができる。これらの材料は、例えばシクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、光硬化性樹脂603は、ビニル基、エポキシ基、オキセタニル基、メタクリレート基、アクリレート基等を有するモノマーを適宜混合したものでもよい。光硬化性樹脂603を滴下した被転写体602と記載したが、予め被転写体上に光硬化性樹脂を積層してもよい。光硬化性樹脂の積層方法としては、特に限定されないが例えばディスペンス法、又はスピンコート法を使用することができる。
次に、図6(b)に示すように、ステージ601を上昇させて被転写体1にレプリカモールドを押し当てると、滴下された光硬化性樹脂は、レプリカモールド101の微細構造に充填される。このときレプリカモールド101は被転写体602に倣うように変形して平坦となる。
そして、図6(c)に示すように、紫外光(UV)を照射すると、その紫外光はレプリカモールド101を通過して光硬化性樹脂603を照射し、それによって光硬化性樹脂603が硬化する。
図6(d)に示すように、ステージを下降させて被転写体602をレプリカモールド101から剥離すると、被転写体602の表面には、硬化した光硬化性樹脂603にレプリカモールド101の微細構造が転写されたパターン形成層(マスク層)603が得られる。
なお、上述の微細構造転写装置については、マスク材として光硬化性樹脂603を使用しているが、溶媒希釈させた熱可塑性樹脂を被転写体上に塗布しマスク材として用いるのでもよい。
次に、本実施形態に係る微細構造転写装置の作用効果について説明する。
この微細構造転写装置に設置された、本発明のレプリカモールド101は被転写体側に凸状となるように湾曲している。そして、微細構造の転写時には、湾曲したレプリカモールド101の頂上部が被転写体603の中心部に接触した後にその接触領域が徐々に被転写体602の外周部へ向かって一様に広げられていく。その結果、この微細構造転写装置では、被転写体602上に積層された光硬化性樹脂603が微細構造を充填しつつ外周部へ向かって一様に流動していく。これによって、光硬化性樹脂603への気泡の巻き込みが防止される。したがって、この微細構造転写装置によれば、形成された気泡の巻き込みのないパターン形成層(マスク層)603を形成することができる。
また、本発明のレプリカモールド101は、軟質材料からなるレプリカモールドを内部応力により湾曲させているので、マスク材の硬化後にレプリカモールド101を剥離する際に剥離しやすいため、従来の装置と比較してレプリカモールド101端部に掛かる負荷が小さく破損がしにくい。
以下実施例により詳しく本発明を説明する。
[実施例1〜5、比較例1〜4]
図2(a)〜(d)に示す実施形態1の手順で、実施例1〜5、比較例1〜4に係るレプリカモールドを作製した。レプリカモールドの作製に使用するマスターモールド201は、直径150mm、厚さ1.0mm、材料単結晶シリコンの円板形状のものを用いた。このマスターモールドの表面には、中央より外径74mmの範囲に、フォトリソグラフィーにより形成したドットパターン(直径1.8μm、高さ3μm)の微細構造が形成されている。まず図2(a)のように、マスターモールドの微細構造を有する面上に、表1及び表2中に示す各々の第1の軟質材料103を実施例1、3〜5、比較例1〜4では0.5mm、実施例2では1.0mmの厚さに積層した。次に、図2(b)のようにこの第1の軟質材料103は、表1及び表2中に示す各々の硬化条件により硬化を行い第1の軟質材料103を形成した。実施例4及び比較例3の第1の軟質材料103は、室温23℃において、200mJの紫外線を照射し形成した。
次に図2(c)のように、第1の軟質材料103の上に第2の軟質材料102を実施例1、3〜5、比較例1〜4では1.5mm、実施例2に関しては1.0mmの厚さに積層した。次に図2(d)のように、この第2の軟質材料102は表1及び表2中に示す硬化条件により各々硬化を行い第2の軟質材料102を形成した。次に図2(e)のように、第1の軟質材料103と第2の軟質材料102とが積層となった厚み2.0mmのレプリカモールド101をマスターモールド201より分離した。レプリカモールド101は、直径150mm、厚さ2.0mmに作製された。
[実施例6、比較例5]
図4(a)〜(c)に示す実施形態2の手順で、実施例6、比較例5に係るレプリカモールドを作製した。まず図4(a)のように、マスターモールドの微細構造を有する面上に、表1及び表2中に示す軟質材料を2.0mmの厚さに積層した。レプリカモールドの製造に使用するマスターモールド201は実施例1〜5、比較例1〜4に使用したものと同様のものを使用した。ここで、軟質材料401のマスターモールド側、及びその背面側の領域をそれぞれ第1の軟質材料103’及び第2の軟質材料102’とする。
次に図4(b)のように、この軟質材料401をマスターモールド側及び背面側双方をホットプレートで挟み込み表1及び表2中に示す硬化条件により加熱し、第1の軟質材料103’ 及び第2の軟質材料102’を熱硬化した。次に図4(c)のように第1の軟質材料103’と第2の軟質材料102’とが積層となった厚み2.0mmのレプリカモールド101’をマスターモールド201から分離した。レプリカモールド101’は、直径150mm、厚さ2.0mmに作製された。
[実施例1〜6及び比較例1〜5の結果]
表1及び表2に、実施例1〜6及び比較例1〜5に係るレプリカモールドの作製に用いた第1の軟質材料及び第2の軟質材料の製品名、架橋型、硬化温度、硬化時間、厚みを示す。また表1及び表2に、実施例1〜6及び比較例1〜5に係るレプリカモールドの残留応力による湾曲(X)、自重たわみ(W)、残留応力による湾曲と自重たわみの和(X+W)、転写性を示す。
レプリカモールドの残留応力による湾曲(X)、自重たわみ(W)、残留応力による湾曲と自重たわみの和(X+W)は、上述の残留応力による湾曲(X)及び自重たわみ(W)の測定方法により測定した。これらの値は表1及び表2中に、開口部を有する治具の開口の直径に対する百分率(%)で示した。実施例1〜6及び比較例1〜5に係るレプリカモールドの測定に用いた開口部を有する治具の開口の直径は、145mmであった。
表1及び表2の転写性に関しては、図6(a)〜(d)の手順に従い、実施例1〜6、比較例1〜5に係るレプリカモールドを用いて被転写体上の光硬化性樹脂に対して転写を行った際の転写結果を示す。被転写体は、厚さ0.65mm、直径100mmのものを用いた。光硬化性樹脂(東洋合成工業株式会社製、製品名PAK−01)は0.5g用い、1000mJの紫外線を照射した。転写性は、被転写体上の光硬化性樹脂に良好な転写が得られたものに対してはマル印(○)、気泡の巻き込みが発生したものに対しては、バツ印(×)を印した。
図7(a)〜(c)は本発明に係るレプリカモールドを用いた被転写体に対する微細構造の転写結果を示す模式図を示す。図7(b)〜(c)中の斜線部は、マスク材に気泡が巻き込まれ、転写結果の微細構造に欠陥(転写不良領域)が生じた箇所を示す。(a)は本発明の実施例1〜6、(b)は比較例1、2、3、5、(c)は比較例4に係る転写結果を示す。
実施例及び比較例において、第1の軟質材料及び第2の軟質材料は、以下製品名のシリコーンゴムを用いた。
SIM−360(信越化学工業社製)、硬化型:付加反応、室温硬化型。
KE−106(信越化学工業社製)、硬化型:付加反応、加熱硬化型。
X−34−4184A/B(信越化学工業社製)、硬化型:付加反応、紫外線硬化型。
Figure 0006491928
Figure 0006491928
表1の及び図7(a)に示す実施例1〜6においては、被転写体上の光硬化性樹脂に気泡の巻き込みが発生せず、レプリカモールドの微細構造がマスク材に対して全面に良好に転写された。このことから、レプリカモールドの自重たわみと残留応力による湾曲との和が治具の開口の直径に対して2.0%乃至6.0%の範囲内にある場合(実施例1〜6)、気泡の巻き込みなどによるマスク材に転写される微細構造の欠陥(転写不良領域)が生じないことがわかる。
また、表1より実施例1〜6は、第2の軟質材料は第1の軟質材料を硬化させた温度よりも70℃以上高い温度で熱硬化している。第2の軟質材料102を第1の軟質材料103と比較し収縮率が大きくなるよう硬化することで、レプリカモールドに治具の開口の直径に対して1.0%乃至5.0%の範囲内の残留応力による湾曲が生ずる。
表2及び図7(b)、(c)に示す比較例1〜5においては、被転写体上の光硬化性樹脂に気泡の巻き込みが発生した。このことから、レプリカモールドの自重たわみと残留応力による湾曲との和が治具の開口の直径に対して2.0%未満である場合(比較例1〜5)、気泡の巻き込みが発生することがわかる。
また、表2に示すように比較例1〜5では、第2の軟質材料は第1の軟質材料の熱硬化温度の差が70℃未満の温度で熱硬化している。それにより、第2の軟質材料102が第1の軟質材料103と比較し十分に収縮率が大きくなるよう硬化しなかった。その結果、比較例1〜5に係るレプリカモールドは、治具の開口の直径に対して1.0%未満の残留応力による湾曲が形成された。
図7(c)に示す比較例4の転写結果は、図(b)に示す比較例1、2、3、5の転写結果よりも多くの気泡の巻き込みが発生した。これは、表2に示す残留応力による湾曲と自重たわみの和が、比較例1、2、3、5では治具の開口の直径に対して1.5%乃至1.7%であるのに対し、比較例4では1.0%であることに起因する。比較例4に係るレプリカモールドは、微細構造を有する面の凸状の湾曲が少ないため、より気泡の巻き込みを防ぐことができなかった。
なお、実施例1〜6及び比較例1〜5では、第1の軟質材料及び第2の軟質材料にシリコーンゴムを用いた例を述べたが、本発明はこれに限定されない。例えば、他の第1及び第2の軟質材料にシリコーンゴム以外のゴム材料を用いて、第2の軟質材料を第1の軟質材料を硬化させた温度よりも高い温度で熱硬化させるのでもよい。また、第2の軟質材料102を第1の軟質材料103と比較し収縮率が大きい材料を選択し、熱硬化させるのでもよい。また、第2の軟質材料として熱収縮性樹脂を塗布し熱収縮させるのでもよいし、熱収縮性フィルムを貼り合わせ熱収縮させるのでもよい。また実施例1〜6及び比較例1〜5でのレプリカモールドの構造は、第1の軟質材料103及び第2の軟質材料102からなる2層構造のみ記載しているが、微細構造を有する面が残留応力により凸状となる湾曲が保たれるならば、3層以上の構造にしてもよい。
実施例1〜6で述べた、第1の軟質材料及び第2の軟質材料がシリコーンゴムであるレプリカモールドは、紫外線透過性、耐熱性、耐薬品性、気体透過性などの面から特に好ましい。
図8に、実施例1に係るレプリカモールドによって作成された被転写体上の微細構造を示す断面SEM写真の模式図を示す。このようにマスターモールドの微細構造を精密に転写したドットパターン(直径1.8μm、高さ3.0μm)が得られた。
従って、本発明によれば、被転写体に対する転写に複雑な転写装置を必要とせず、マスク材を介した被転写体とモールドとの接触時に、気泡の巻き込みなどによるマスク材に転写される微細構造の欠陥(転写不良領域)を防止することのできるレプリカモールドを提供できる。

Claims (4)

  1. 軟質材料から形成され、表面に微細構造をもつレプリカモールドであって、
    前記レプリカモールドは、互いに収縮率が異なる第1の軟質材料と、第2の軟質材料とによる2層の前記軟質材料を備え、前記第2の軟質材料を前記第1の軟質材料と比較し、収縮率が大きくなるように構成し、かつ前記第1の軟質材料が表面に前記微細構造を有し、
    前記レプリカモールドは、前記微細構造を有する面が前記第1、第2の軟質材料間の収縮率の大小関係によって生じる残留応力により凸状となるように湾曲しており、
    前記レプリカモールドは、開口部を有する治具に前記微細構造を有する面を下方に向けて載せ、前記レプリカモールドの直径に対して最外周から1〜5%の位置を前記開口部の縁によって係合させて支持させた場合に、前記レプリカモールドの自重たわみと前記残留応力による前記湾曲との和が前記治具の開口部の直径に対して2.0%乃至6.0%であることを特徴とするレプリカモールド。
  2. 前記軟質材料が、ポリジメチルシロキサンを原料とするシリコーンゴムを含むことを特徴とする請求項1に記載のレプリカモールド。
  3. 前記レプリカモールドの前記残留応力による前記湾曲は、前記直径に対して1.0乃至5.0%であることを特徴とする請求項1に記載のレプリカモールド。
  4. 被転写体に接触させて微細構造を転写させるレプリカモールドの製造方法であって、
    前記微細構造が形成されたマスターモールド上に第1の軟質材料を積層する工程と、
    前記第1の軟質材料を室温硬化、熱硬化、または紫外線硬化させて前記微細構造が転写された第1の軟質材料を形成する工程と、
    前記硬化された第1の軟質材料の微細構造と反対側の面上に、第2の軟質材料を積層する工程と、
    前記第2の軟質材料を、前記第1の軟質材料を硬化させた温度よりも高い温度で熱硬化させる工程と、
    前記第1及び第2の軟質材料からなるレプリカモールドを冷却又は自然放冷し、前記第1の軟質材料と前記第2の軟質材料との熱収縮率の違いによって前記レプリカモールドに残留応力を生じさせる工程とを具備し、
    前記残留応力によって前記レプリカモールドの前記第1の軟質材料側が凸状を有するレプリカモールドの製造方法。
JP2015072652A 2015-03-31 2015-03-31 レプリカモールドおよびその製造方法 Active JP6491928B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072652A JP6491928B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 レプリカモールドおよびその製造方法
CN201510671174.5A CN106003880B (zh) 2015-03-31 2015-10-13 复制膜及其制造方法
TW104133925A TWI576658B (zh) 2015-03-31 2015-10-15 Copying die and its manufacturing method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072652A JP6491928B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 レプリカモールドおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016192519A JP2016192519A (ja) 2016-11-10
JP6491928B2 true JP6491928B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=57082361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015072652A Active JP6491928B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 レプリカモールドおよびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6491928B2 (ja)
CN (1) CN106003880B (ja)
TW (1) TWI576658B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102176432B1 (ko) * 2017-02-13 2020-11-09 주식회사 엘지화학 원통형 이차 전지 절연부재
JP6913941B2 (ja) * 2017-06-29 2021-08-04 国立研究開発法人産業技術総合研究所 パターン構造体形成用スタンパ及びその製造方法並びにパターン構造体の製造方法
WO2023008086A1 (ja) * 2021-07-29 2023-02-02 信越ポリマー株式会社 粘着性保持治具の製造方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02113456A (ja) * 1988-10-20 1990-04-25 Mitsubishi Electric Corp ディスク基板製造装置
EP1072954A3 (en) * 1999-07-28 2002-05-22 Lucent Technologies Inc. Lithographic process for device fabrication
US6814898B1 (en) * 2000-10-17 2004-11-09 Seagate Technology Llc Imprint lithography utilizing room temperature embossing
JP3750629B2 (ja) * 2002-05-10 2006-03-01 松下電工株式会社 熱硬化性樹脂成形材料の成形における変形予測方法及び成形金型の作成方法
EP1620205A2 (en) * 2003-04-04 2006-02-01 Tecan Trading AG Elastomeric tools for fabricating of polymeric devices and uses thereof
JPWO2007099907A1 (ja) * 2006-03-03 2009-07-16 パイオニア株式会社 インプリント用モールド及びインプリント方法
JP2007245684A (ja) * 2006-03-20 2007-09-27 Sekisui Chem Co Ltd レプリカモールドの製造方法
JP5062569B2 (ja) * 2008-03-14 2012-10-31 独立行政法人 国立印刷局 パターン形成体及びパターン形成体を用いた複製方法
JP4609562B2 (ja) * 2008-09-10 2011-01-12 日立電線株式会社 微細構造転写用スタンパ及びその製造方法
JP5282510B2 (ja) * 2008-09-29 2013-09-04 大日本印刷株式会社 マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法
GB2468120B (en) * 2009-02-20 2013-02-20 Api Group Plc Machine head for production of a surface relief
JP5272791B2 (ja) * 2009-02-23 2013-08-28 凸版印刷株式会社 ナノインプリント用モールドの製造方法
CN103429417A (zh) * 2011-05-19 2013-12-04 综研化学株式会社 纳米压印用模具及曲面体
JP5492162B2 (ja) * 2011-09-01 2014-05-14 株式会社日立ハイテクノロジーズ 微細構造転写装置
US20150020959A1 (en) * 2013-07-17 2015-01-22 Suntek Precision Corp. Multi-layer 3d pattern manufacturing method and manufacturing apparatus thereof

Also Published As

Publication number Publication date
CN106003880A (zh) 2016-10-12
TW201635012A (zh) 2016-10-01
JP2016192519A (ja) 2016-11-10
CN106003880B (zh) 2019-05-03
TWI576658B (zh) 2017-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4580411B2 (ja) ソフトモールド及びその製造方法
Zhang et al. Fabrication of hierarchical pillar arrays from thermoplastic and photosensitive SU‐8
KR101229100B1 (ko) 중간 스탬프를 갖는 패턴 복제
JP5678728B2 (ja) モールドおよびその製造方法
US10189203B2 (en) Method for forming micropattern of polyimide using imprinting
BRPI0923282B1 (pt) método para a produção de materiais padronizados
KR101416625B1 (ko) 미세 패턴 형성용 고분자 몰드의 제조 방법, 이에 의해 제조되는 미세 패턴 형성용 고분자 몰드, 및 이를 이용한 미세 패턴 형성 방법
JP6491928B2 (ja) レプリカモールドおよびその製造方法
US20180141366A1 (en) Patterned stamp manufacturing method, patterned stamp imprinting method and imprinted article
WO2009116447A1 (ja) ウエハレンズの製造方法
JP6578883B2 (ja) フィルムモールド及びインプリント方法
TWI476093B (zh) Resin mold core, and the production of a molded article of the method as
JP5343682B2 (ja) インプリント用モールドおよびその製造方法
KR20090056131A (ko) 박판형 기판 고정 장치 및 이를 이용한 박판형 기판의 나노패턴 제조 방법
JP5679211B2 (ja) 転写印刷用転写シートおよびその製造方法
US20240165870A1 (en) Method for facilitating demolding upon pattern transfer
CN108196425B (zh) 一种纳米压印衬底固化装置
WO2020194816A1 (ja) 凹凸構造体の製造方法及び凹凸構造体
JP2013022929A (ja) 微細構造転写装置
JP2000246738A (ja) 樹脂製型の成形用型
JP2006113339A (ja) 回折光学素子の成形方法およびそれを用いて成形した回折光学素子
JP2014073682A (ja) 凹凸構造体の製造方法、パターン形成用モールドの製造方法、及びパターン形成用モールド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6491928

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250