JP5282510B2 - マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法 - Google Patents

マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5282510B2
JP5282510B2 JP2008250448A JP2008250448A JP5282510B2 JP 5282510 B2 JP5282510 B2 JP 5282510B2 JP 2008250448 A JP2008250448 A JP 2008250448A JP 2008250448 A JP2008250448 A JP 2008250448A JP 5282510 B2 JP5282510 B2 JP 5282510B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
stamp
μcp
pdms
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008250448A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010080865A (ja
Inventor
充孝 永江
浩 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2008250448A priority Critical patent/JP5282510B2/ja
Publication of JP2010080865A publication Critical patent/JP2010080865A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5282510B2 publication Critical patent/JP5282510B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

本発明は、マイクロコンタクトプリンティング(μCP)法に用いられる、マイクロコンタクトプリンティング用スタンプ(μCP用スタンプ)の製造方法に関するものである。
マイクロ構造及びナノ構造のパターニング技術として利用可能な様々な超微細加工のうち、多くの研究においてソフトリソグラフィが採用されている。「ソフトリソグラフィ」とは、スタンプとしてパターンエラストマ、鋳型又はマスクを用い、マイクロパターン、マイクロ構造又はナノパターン、ナノ構造を作成するパターニング技術である。このようなソフトリソグラフィとしては、たとえば、マイクロコンタクトプリント、複製成形、超微細転写成形、毛細管現象を用いた超微細成形、溶媒による超微細成形、フェーズシフトフォトリソグラフィ、鋳造成形、エンボス成形、射出成形等が知られているが、なかでも、近年においては、ナノオーダーでの微細なパターンを高精度で印刷が可能であることから、半導体素子の製造方法等においてマイクロコンタクトプリント法を用いることが検討されている。
ここで、マイクロコンタクトプリンティング(μCP)法とは、1993年に米ハーバード大のG.M.Whitesides等によって開発された微細パターニング技術であり、シリコンや石英の基板上にフォトリソグラフィーで作製されたパターンをマスター版として、ポリジメチルシロキサンというシリコーンゴム(加熱硬化型PDMS)によって型取りした「版」を用いて、数十nmサイズまでの微細パターンを印刷する技術である。このようなμCP法については、例えば、特許文献1,2に開示されている。
特開2002−206033号公報 特開2002−353436号公報
ところで、マイクロコンタクトプリンティング(μCP)においては、用いられるスタンプと同一のパターン状に印刷がなされるものであるから、μCP法により所望のパターン印刷を実施するには、当該パターンを有するスタンプを精度よく製造することが不可欠になっている。上記μCP法に用いられるμCP用スタンプは、一般的に次のような方法によって製造される。まず、所定の微細凹凸パターンが形成されたマスター版を用い、当該マスター版上に、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等のエラストマーを塗布する塗布工程と、任意の基板を用い、当該基板を上記塗布されたエラストマー膜上に接着させる接着工程と、上記マスター版から上記PDMS膜を剥離する剥離工程とによって、基板上に表面に上記マスター版の凹凸形状が反転した形状のパターンが形成されたPDMS層が形成されたμCP用スタンプを製造する方法が用いられる。このような方法によれば、ナノオーダー微細凹凸が形成されたμCP用スタンプを比較的簡易な工程で製造することができる。
このようなμCP用スタンプの製造方法について図を参照しながら説明する。図2は上述したμCP用スタンプの製造方法の一例を示す概略図である。図2に例示するように、通常、μCP用スタンプは、所定の微細凹凸パターンが形成されたマスター版200を用い(図2(a))、当該マスター版200上に、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等のエラストマーを塗布する塗布工程と(図2(b))、任意の基板102を用い、当該基板102を上記塗布されたエラストマー膜101上に接着させる接着工程と(図2(c))、上記マスター版200から上記PDMS膜101および基板102を剥離する剥離工程と(図2(d))によって、基板102上に表面に上記マスター版の凹凸形状が反転した凹凸パターンが形成されたPDMS層101が形成されたμCP用スタンプ100を製造する方法が用いられる(図2(e))。
ここで、上記基板としては、通常、平滑な表面を有するものが用いられる(平板―平板方式)。
しかしながら、上記の方法でμCP用スタンプを製造する場合、上記接着工程において上記基板とPDMS膜とを接触させる際に、基板とPDMS膜との間に気泡が混入してしまうという問題点があった。
このような問題点について図を参照しながら説明する。図3は、当該気泡混入の問題点について説明する概略図である。図3に例示するように、上述したようなμCP用スタンプの製造方法においては、接着工程において基板102と、マスター版200上に塗布された塗布エラストマー膜101とを接着させるが(図3(a))、このとき、上記エラストマー膜101と、基板102との間に気泡Xが混入してしまうという問題点があった(図3(b))。
このような気泡混入の問題は、上記基板として平板を用いる平板方式において特に問題となっている。
このように上記基板とPDMS膜との間に気泡が混入すると、製造されるμCP用スタンプにおいて、凹凸パターンが欠損してしまったり、また当該μCP用スタンプを用いてパターン印刷を行う際に、気泡が存在する部位とそうでない部位とにおいて圧力分布が生じ、スタンプのパターン通りに均一に印刷することが困難になったり、さらにはスタンプにインキを付与する際(インキング)に、スタンプに付与されるインク量が気泡が存在する部位とそうでない部位とで差が生じ、結果として均一なパターン印刷が困難になってしまうという問題点がある。このような気泡混入の問題点は、PDMS膜に形成される凹凸形状が微細になるほど顕著になり、特にナノオーダーの凹凸形状をPDMSに付与する際には、ごく微小な気泡の混入であっても、上記のような問題を誘起してしまうことが問題になっている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、PDMSが用いられたμCP用スタンプを製造する方法であって、気泡混入をほぼ完全に防止することが可能であり、均質にパターン印刷を実施することが可能なμCP用スタンプを製造することができる、μCP用スタンプの製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、表面に微細凹凸パターンが形成されたマスター版を用い、当該マスター版上にPDMSを塗布する塗布工程と、基板を用い、上記塗布されたPDMS膜上に上記基板を接着させる接着工程と、上記マスター版から上記PDMS膜および基板を剥離する剥離工程とを有するμCP用スタンプの製造方法であって、上記接着工程において、上記PDMS膜と上記基板とを接触させる速度が5μm/s以下であることを特徴とする、μCP用スタンプの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記接着工程において上記基板と、上記PDMS膜とを接触させる際の接触速度が5μm/s以下であることによって、上記PDMS膜と上記基板との間に気泡が混入することをほぼ完全に防止することができる。
このため、本発明によれば均質なパターン印刷を実施することが可能なμCP用スタンプを製造することができる。
本発明においては、上記接触速度が0.01μm/s〜1μm/sの範囲内であることが好ましい。接触速度がこのような範囲内であることにより、上記接着工程において、上記PDMS膜と上記基板との間に気泡が混入する可能性をさらに低減することできるからである。
本発明のμCP用スタンプの製造方法は、均質にパターン印刷を実施することが可能なμCP用スタンプを製造することができる、μCP用スタンプを製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明のμCP用スタンプの製造方法について説明する。
上述したように本発明のμCP用スタンプの製造方法は、表面に微細凹凸パターンが形成されたマスター版を用い、当該マスター版上に、PDMSを塗布する塗布工程と、基板を用い、上記塗布されたPDMS膜上に上記基板を接着させる接着工程と、上記マスター版から上記PDMS膜および基板を剥離する剥離工程とを有するものであって、上記接着工程において、上記PDMS膜と上記基板とを接触させる速度が5μm/s以下であることを特徴とするものである。
このような本発明のμCP用スタンプの製造方法について図を参照しながら説明する。図1は本発明のμCP用スタンプの製造方法の一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明のμCP用スタンプの製造方法は、表面に微細凹凸パターンが形成されたマスター版20を用い(図1(a))、当該マスター版20上に、PDMS膜1を塗布する塗布工程と(図1(b))、基板2を用い、上記塗布されたPDMS膜1上に上記基板2を接着させる接着工程と(図1(c))、上記マスター版20から上記PDMS膜1および基板2を剥離する剥離工程と(図1(d))、を有するものであり、基板2上に、表面に凹凸形状が形成されたPDMS膜1を有するμCP用スタンプ10を製造するものである。
このような例において、本発明のμCP用スタンプの製造方法は、上記接着工程において上記PDMS膜1と上記基板2とを接触させる速度が5μm/s以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記接着工程において上記基板と、上記PDMS膜とを接触させる際の接触速度が5μm/s以下であることによって、上記PDMS膜と上記基板との間に気泡が混入することをほぼ完全に防止することが可能になる。
このため、本発明によればPDMS膜に形成されるパターンが欠損してしまったり、本発明によって製造されるμCP用スタンプを用いてパターン印刷を行う際に、気泡が存在する部位とそうでない部位とにおいて圧力分布が生じ、スタンプのパターン通りに均一に印刷することが困難になったり、さらにはスタンプにインキを付与する際(インキング)に、スタンプに付与されるインク量が気泡が存在する部位とそうでない部位とで差が生じ、結果として均一なパターン印刷が困難になってしまうことを防止できる。
このようなことから本発明によれば、均質なパターン印刷を実施することが可能なμCP用スタンプを製造することができる。
ここで、本発明において接触速度を上記範囲内とすることにより、上記PDMS膜と上記基板との間に気泡が混入されることを、ほぼ完全に防止することが可能になる理由については明らかではないが、基板を接触させる際に液体であるPDMSが基板になじむスピードに関係があると考えられる。
すなわち、固体である基板に液体であるPDMSが接触し、気泡が発生して外に気泡が逃げるスピードより、濡れ広がるスピードつまり接触させるスピードを十分に遅くすることによりPDMSに混在する気泡を完全に除去できたものであると考えられる。逆に、濡れ広がるスピードつまり接触スピードが早すぎると気泡が外に逃げる前に次のPDMSが広がってしまい、結果として気泡を取り込んだ状態になると考えられる。
本発明のμCP用スタンプの製造方法は、少なくとも塗布工程と、接着工程と、剥離工程とを有するものであり、必要に応じて他の工程を有してもよいものである。
以下、本発明のμCP用スタンプの製造方法に用いられる各工程について順に説明する。
1.接着工程
まず、本発明に用いられる接着工程について説明する。本工程は、後述する塗布工程においてマスター版上に形成されたPDMS膜上に、基板を接着させる接着工程である。そして、本工程は上記PDMS膜と上記基板とを接触させる接触速度が5μm/s以下であることを特徴とするものである。本発明のμCP用スタンプの製造方法は、本工程における接触速度がこのような範囲内であることにより、基板とPDMS膜との間に気泡が混入することをほぼ完全に防止することができ、その結果、本発明によって均質なパターン印刷をすることが可能なμCP用スタンプを製造することができるのである。
このように、本工程は上記基板と上記PDMS膜との接触速度が5μm/s以下であることを特徴とするものであるが、本工程において接触速度をこのような範囲とするのは、接触速度が上記範囲よりも早いと、本工程において上記基板と上記PDMS膜との間に気泡が混入されてしまう可能性が著しく増加するからである。換言すると、本発明のμCP用スタンプの製造方法は、本工程における接触速度を上記範囲内とすることにより、気泡が混入する可能性が著しく低下することを見出したことに基づいて完成されたものであるということができる。
本工程における上記接触速度は5μm/s以下であれば特に限定されるものではないが、なかでも0.01μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜3μmの範囲内であることがより好ましく、0.01μm〜1μmの範囲内であることがさらに好ましい。
接触速度がこのような範囲内であることにより、本工程において、上記PDMS膜と上記基板との間に気泡が混入する可能性をさらに低減することできるからである。
ここで、上記接触速度とは、本工程において上記PDMS膜と上記基板とを接着させる際の、両者が接触する直前の速度を意味するものである。すなわち、本工程において上記基板と上記PDMS膜とを接触させるまでの速度の制御方法としては、特に限定されるものではなく、たとえば、常に一定速度とする方法であってもよく、あるいは、断続的または連続的に速度を変化させる方法であってもよいものであるが、上記接触速度は、常に上記PDMS膜と上記基板とが接触される直前の速度を意味するものである。
なお、上記速度を変化させる方法としては、例えば、上記基板と上記PDMS膜とが一定の距離に近づくまでは比較的早い速度で近接させ、その後、5μm/s以下で近接させて接触させる方法等を挙げることができる。
本工程において、上記基板と上記PDMS膜とを接触させる態様としては特に限定されるものではなく、上記基板の種類等に応じて任意の態様を用いることができる。このような態様としては、上記基板の表面と、上記PDMS膜の表面とが平行である状態を維持したまま接触させる態様であってもよく、あるいは両者の表面が一定の角度を有する状態で接触させる態様であってもよい。なかでも本工程においては前者の態様が用いられることが好ましい。上記基板の表面と、上記PDMS膜の表面とが平行な状態を維持したまま接触させることにより、ナノオーダーの超微細な凹凸パターンであっても、高精度でマスター版からPDMS版へ凹凸パターンを転写することが可能になるからである。
なお、一般的には上記基板の表面と、上記PDMS膜の表面とが平行な状態を維持したまま接触させると、基板とPDMS版との間に気泡が混入する確率が著しく高くなるが、本発明においては、本工程における上記接触速度を上述した範囲内にすることにより、このような方法で接触させる場合であっても気泡が混入することをほぼ完全に防止することができる。
また、本工程においては、上記接触速度で基板とPDMS膜とを接触させた後、さらに上記PDMS膜を上記基板で圧縮するように、基板をPDMS膜側へ押し込んでもよい。このような押し込みを行うことにより、仮に上記基板と上記PDMS膜とを接触させた直後に、両者の間に微量の気泡が混入したとしても、事後的にこれを放出することができるからである。
上記押し込みを行う場合の押し込み量としては、上記PDMS膜の厚みや、製造するμCP用スタンプの面積等に応じて適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではない。なかでも本工程における押し込み量は、10mm以下の範囲内であることが好ましく、5mm以下の範囲内であることがより好ましく、1mm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
また上記押し込みを行う場合の押し込み速度についても、PDMS膜の厚みや、製造するμCP用スタンプの面積等に応じて適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではない。なかでも本工程における上記押し込み速度は、上述した接触速度と同様に5μm/s以下であることが好ましく、0.01μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜3μmの範囲内であることがより好ましく、0.01μm〜1μmの範囲内であることがさらに好ましい。
本工程においては、基板とPDMS膜とを接触させたのち、上記PDMS膜を硬化させることによって両者を接着するが、上記PDMS膜を硬化させる方法としては特に限定されるものではない。ここで、上記PDMSは加熱することによって硬化する性質を有するものであるため、その硬化度は温度と時間に依存することになる。したがって、PDMS膜を短時間で硬化させることが必要な場合は、上記PDMS膜と上記基板とを接触させた後に、上記PDMS膜の硬化を促すために加熱処理を行ってもよい。一方、特にPDMS膜を硬化させる時間に制約がない場合には室温において放置するのみであってもよい。
次に、本工程に用いられる基板について説明する。本工程に用いられる基板は、本発明によって製造されるμCP用スタンプの用途等に応じて適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではない。なかでも本発明に用いられる基板は、その形状が平板状であることが好ましい。このような形状の基板が用いられることにより、ナノオーダーの超微細な凹凸パターンであっても、高精度でマスター版からPDMS版へ凹凸パターンを転写することが可能になるからである。
なお、上述したように、上記基板として平板状のものが用いられると、基板とPDMS版との間に気泡が混入する確率が高くなるが、本発明においては、本工程における上記接触速度を上述した範囲内にすることにより、このような基板を用いる場合であっても気泡が混入することをほぼ完全に防止することができる。
本発明に用いられる基板は、水に対する接触角が5°〜45°の範囲内であることが好ましく、5°〜35°の範囲内であることがより好ましく、5°〜30°の範囲内であることがさらに好ましい。基板の水に対する接触角が上記範囲内であることにより、本工程において基板とPDMS膜との間に気泡が混入する可能性をさらに低減することができるからである。
本工程に用いられる基板としては、ガラス基板、Si基板、SiO基板等の可撓性を有さないリジット基板であってもよく、または、プラスチック樹脂からなるフィルム等の可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。上記プラスチック樹脂としては、例えば、PET、PEN、PES、PI、PEEK、PC、PPSおよびPEI等を挙げることができる。
また、本工程に用いられる基板は、水に対する接触角を一定の範囲内にするために表面処理が施されたものであってもよい。
2.塗布工程
次に、本発明に用いられる塗布工程について説明する。本工程は、表面に微細凹凸パターンが形成されたマスター版を用い、当該マスター版上に、PDMS膜を塗布する工程である。
本工程に用いられるマスター版は、表面にPDMS膜に転写可能な所望の凹凸パターンが形成されたものであれば特に限定されるものではない。このようなマスター版としては、例えば、シリコン、石英、フォトレジスト等からなるものを挙げることができる。
上記マスター版に形成された凹凸パターンのサイズは、本発明によって製造されるμCP用スタンプの用途等に応じて適宜決定されるものであるが、本発明においては上述したような気泡混入の問題をほぼ完全に解消することができることから、ナノオーダーのごく微小な凹凸パターンが形成されたマスター版が用いられる場合であっても、高精度で当該凹凸パターンをPDMS膜へ転写することが可能である。
また、本工程においては上記マスター版の上記凹凸パターンが形成された面上に、PDMSを塗布するが、本工程において上記PDMSを塗布する方法としては、マスター版上に平滑な表面を有するPDMS膜を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような塗布方法としては、たとえば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、LB法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、ディスペンサー法、およびキャスト法等を挙げることができる。
3.剥離工程
次に、本発明に用いられる剥離工程について説明する。本工程は、上記マスター版から上記PDMS膜および基板を剥離する工程である。本工程においてPDMS膜および上記基板を上記マスター版から剥離する方法としては、パターンを欠損することのないように剥離することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、通常、上記PDMS膜を上記マスター版から物理的に引き離す方法が用いられる。
4.その他の工程
本発明のμCP用スタンプの製造方法には、少なくとも上記塗布工程、接着工程、および剥離工程が用いられるものであるが、本発明においてはこれら以外の他の任意の工程が用いられてもよい。本発明に用いられる任意の工程としては、特に限定されるものはなく、本発明によって製造されるμCP用スタンプに所望の機能を付与できる工程等を適宜選択して用いることができる。このような任意の工程としては、たとえば、気泡混入を低減させるためのPDMS膜塗布後のマスター版減圧工程等を挙げることができる。
5.μCP用スタンプ
本発明によって製造されるμCP用スタンプは、基板上に表面に凹凸形状が形成されたPDMS膜が形成された構成を有するものとなる。このようなμCP用スタンプは、マイクロコンタクトプリンティング(μCP)に用いられるものであるが、本発明においては、気泡混入の問題なく製造することができるため、ナノオーダーのパターンであっても高精度で印刷することができるものである。したがって、本発明によって製造されるμCP用スタンプは、たとえば、有機トランジスタが用いられた有機半導体素子の各種電極を形成する工程に用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下にマスター版作製からPDMS版作製までの工程を示す。
(マスター版作製工程)
大きさ300mm×400mm、厚さ0.7mmのガラスにフォトレジストSU−8(マイクロケム社製)を回転数1000rpm、保持時間60秒でspinコートした。この時の膜厚は約3μmであった。その後、ホットプレート上にて65℃、30秒プリベイクを行った。次に最小のL&S5μmを有する石英フォトマスク(大きさ450mm×550mm)で露光(20mJ/cm)を行った。次に、露光した基板をホットプレート上にて65℃、30秒乾燥させた。次いで専用現像液(主成分PGMEA溶媒)で3分現像を行い、未露光部分のレジストを除去した。最後に150℃、30分クリーンオーブンで本硬化させた。完成したマスター版を光学顕微鏡で観察したところ版深3μmであり、最小L&S5μm、最大L&S500μmの凹凸パターンが形成されていた。また、マスター版にはPDMSの離型性を上げるために離型剤(デュラサーフ、ハーベス社製)を回転数1000rpm、保持時間30秒でspinコートした。
(塗布工程)
上記マスター版に主剤90g:硬化剤9gを混合したPDMS(KE−106信越化学社製)をディスペンサー(サンエイテック社製)にて約2mm厚になるように全面に均一塗布した。その後、パターン内の気泡を除去するために減圧乾燥機に入れ0.1torrまで減圧し5分保持した。
(接着工程)
上記PDMS付きマスター版と支持基材(大きさ300mm×400mm、厚さ0.7mm)の接着工程は東芝機械製ST−50(微細転写装置)を用いて行った。東芝機械製ST−50は上部ヘッドと下部ヘッドの接触スピードを最小1μm/sまで制御することが可能である。
下部ヘッドに上記PDMS膜付きマスター版を真空吸着し、上部ヘッドに接触角が30°以下になるように表面処理した大きさ300mm×400mm、厚さ0.7mmのガラスを基板として真空吸着させた。その後、上部基板とPDMS膜が接触する直前まで500μm/sで上部ヘッドを降下させた。次いで接触寸前から低速モードにしPDMS膜と上部基板とを1μm/sで接触させた。また、1μm/sで接触後その接触スピードを維持し、上部ヘッドと下部ヘッドのギャップが1mm、すなわちPDMSの厚みが約1mmになるまで押し込んだ。その後、所定の位置まで同一スピードで押し込んだ後、常温で16h放置しPDMSを常温硬化させた。
(剥離工程)
上部吸着と下部吸着を解除し、基板とマスター版を装置内から取り出しマスター版からPDMS膜付き基板を手で剥離することにより、μCP用スタンプを作製した。剥離したPDMS膜の表面を光学顕微鏡で観察したところマスター版の反転パターンが観察され、高さ3μm、最小L&S5μm、最大L&S500μmの凹凸パターンが形成されていることが確認された。また、接触スピード1μm/sで作製したPDMS膜は気泡が完全に無い状態で作製できていることが確認された。
(接着スピード評価)
上記PDMS膜付マスター版と上部基板の接触スピードを1μm/sで接触させること以外の作製プロセスは同様にして行い、接触スピードを5μm/s、10μm/s、50μm/sと3種類変化させ、μCP用スタンプを作製し気泡の混入程度を評価した。
その結果、5μm/sで作製したμCP用スタンプに関しても気泡は完全に無い状態であった。
一方、10μm/sで作製したμCP用スタンプに関しては基板中央部分の気泡は無い状態であったが、基板端面になるに従い微細な気泡が多数存在していることが確認された。
さらに、50μm/sで作製したμCP用スタンプに関しては基板中央部にクレーター形状の窪みが存在し、その窪みから基板端面方向にも大小様々な大きさの気泡が存在していることが確認された。この様に接触スピードを5um/s以下にすることで気泡の無いμCP用スタンプを作製することが可能であった。
本発明のμCP用スタンプの製造方法の一例を示す概略図である。 μCP用スタンプの製造方法の一例を示す概略図である。 μCP用スタンプの製造方法における気泡混入の問題点を説明する概略図である。
符号の説明
1 … PDMS膜
2 … 基板
10 … マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプ
20 … マスター版
100 … マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプ
101 … PDMS膜
102 … 基板
200 … マスター版
X … 気泡

Claims (3)

  1. 表面に微細凹凸パターンが形成されたマスター版を用い、当該マスター版上に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を塗布する塗布工程と、平板状の基板を用い、前記塗布された平滑な表面を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)膜上に前記基板を接着させる接着工程と、前記マスター版から前記ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜および基板を剥離する剥離工程と、を有するマイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法であって、
    前記接着工程において、前記ポリジメチルシロキサン(PDMS)膜と前記基板とを接触させる接触速度が5μm/s以下であることを特徴とする、マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法。
  2. 前記接触速度が0.01μm/s〜1μm/sの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載のマイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法。
  3. 前記接着工程では、前記基板の表面と、前記PDMS膜の表面とが平行である状態を維持したまま、前記基板と前記PDMS膜とを接触させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のマイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法。
JP2008250448A 2008-09-29 2008-09-29 マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法 Expired - Fee Related JP5282510B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008250448A JP5282510B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008250448A JP5282510B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010080865A JP2010080865A (ja) 2010-04-08
JP5282510B2 true JP5282510B2 (ja) 2013-09-04

Family

ID=42210926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008250448A Expired - Fee Related JP5282510B2 (ja) 2008-09-29 2008-09-29 マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5282510B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5533297B2 (ja) * 2010-06-09 2014-06-25 大日本印刷株式会社 インプリント方法
JP2012153117A (ja) * 2011-01-28 2012-08-16 Ricoh Co Ltd 成形型、印刷用版及びその製造方法、機能性膜の形成方法、インクジェットヘッド並びにインクジェット記録装置
JP2012183753A (ja) 2011-03-07 2012-09-27 Fujifilm Corp ナノインプリント方法
US20140099474A1 (en) * 2011-05-19 2014-04-10 Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. Nanoimprint Mold and Curved Surface Body
KR102060831B1 (ko) 2013-02-27 2019-12-30 삼성전자주식회사 플립 칩 패키징 방법, 그리고 상기 플립 칩 패키징 방법에 적용되는 플럭스 헤드 및 그 제조 방법
JP6341448B2 (ja) * 2014-09-19 2018-06-13 大日本印刷株式会社 ナノインプリント用接合体の検査方法、その検査装置およびその製造方法
JP6491928B2 (ja) * 2015-03-31 2019-03-27 株式会社協同インターナショナル レプリカモールドおよびその製造方法
JP7432887B2 (ja) * 2019-11-05 2024-02-19 ニチコン株式会社 アルミニウム箔の表面加工方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05174431A (ja) * 1991-12-20 1993-07-13 Nikon Corp 光ディスク用2p基板の製造装置及びそれから製造された光ディスク用2p基板
JP2007245684A (ja) * 2006-03-20 2007-09-27 Sekisui Chem Co Ltd レプリカモールドの製造方法
JP2007320071A (ja) * 2006-05-30 2007-12-13 Asahi Glass Co Ltd テンプレートおよび転写微細パターンを有する処理基材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010080865A (ja) 2010-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5282510B2 (ja) マイクロコンタクトプリンティング(μCP)用スタンプの製造方法
JP4658130B2 (ja) デカル転写リソグラフィ
JP4842216B2 (ja) インプリントリソグラフィ
JP5761320B2 (ja) マイクロコンタクトプリンティング用スタンプの製造方法
KR101137845B1 (ko) 소프트 몰드의 제조방법
EP3237971B1 (en) Patterned stamp manufacturing method, patterned stamp and imprinting method
JP2006140493A (ja) マイクロコンタクトプリントを含むソフトリソグラフィ用のスタンプ及びその製造方法
KR101107474B1 (ko) 소프트몰드와 이를 이용한 패턴방법
JP2007173806A (ja) インプリントリソグラフィ
CA2495978A1 (en) Decal transfer microfabrication
JP2008006820A (ja) ソフトモールド及びその製造方法
US11453232B2 (en) Patterned stamp manufacturing method, patterned stamp imprinting method and imprinted article
KR101512876B1 (ko) 개선된 나노임프린트 방법
US20240157607A1 (en) Nanocomposite mold for thermal nanoimprinting and method for producing the same
JP5428449B2 (ja) マイクロコンタクトプリンティング用スタンプ作製用マスター版の製造方法、およびマイクロコンタクトプリンティング用スタンプ作製用マスター版
KR100543130B1 (ko) 임프린트된 실리콘 기판을 이용한 복합 미세접촉 인쇄방법
JP4182689B2 (ja) 凸版及びパターン形成方法
JP2011005768A (ja) マイクロコンタクトプリント用スタンプの製造に用いるマスター版とその製造方法、マイクロコンタクトプリント用スタンプとその製造方法、および、マイクロコンタクトプリント用スタンプを用いたパターン形成方法
KR20080097499A (ko) 임프린트물과 제조방법
KR100533903B1 (ko) 디웨팅을 이용한 미세 패턴 형성 방법
Binderup et al. Comparative Investigation of Nano transfer Techniques for Low-cost, High-throughput metal Patterning
TWI254359B (en) Improved mold releasing layer of reverse imprinting lithography and the applying method of the same
Cui et al. Nanofabrication by Replication
Cui et al. Nanofabrication by Replication
Lääniläinen of thesis: Soft Lithography for Surface Micropatterning

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130430

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130513

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5282510

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees