JP6491890B2 - 荷電粒子線装置 - Google Patents

荷電粒子線装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6491890B2
JP6491890B2 JP2015009050A JP2015009050A JP6491890B2 JP 6491890 B2 JP6491890 B2 JP 6491890B2 JP 2015009050 A JP2015009050 A JP 2015009050A JP 2015009050 A JP2015009050 A JP 2015009050A JP 6491890 B2 JP6491890 B2 JP 6491890B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charged particle
particle beam
objective lens
lens barrel
beam column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015009050A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016134321A (ja
Inventor
英輔 上出
英輔 上出
直正 鈴木
直正 鈴木
祐二 葛西
祐二 葛西
博文 本白水
博文 本白水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi High Tech Corp
Original Assignee
Hitachi High Technologies Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi High Technologies Corp filed Critical Hitachi High Technologies Corp
Priority to JP2015009050A priority Critical patent/JP6491890B2/ja
Publication of JP2016134321A publication Critical patent/JP2016134321A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6491890B2 publication Critical patent/JP6491890B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は荷電粒子線装置に係り、特に像揺れの抑制が可能な荷電粒子線装置に関する。
走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、半導体計測・検査装置等の荷電粒子線装置では、超高真空環境下の鏡筒内で発生させた荷電粒子線(電子線)を試料に照射し、試料から放出された二次電子、反射電子、または透過電子を検出することによって試料の観察画像を取得している。鏡筒が振動すると、電子線の照射位置が本来の位置から変動し、変動量が分解能以上になると観察画像の歪み(以下、像揺れと呼ぶ)が生じ、観察画像が不鮮明になる。深穴深溝観察や高分解能化に対応するために検出器等が増え、鏡筒が長軸化することで鏡筒の振動が増大する可能性がある。
荷電粒子線はコンデンサレンズ、対物レンズにより粒子線径を縮小されながら目的位置に収束される。そのため、コンデンサレンズ、対物レンズの位置ずれは、荷電粒子線を変動させ、像揺れを引き起こす。鏡筒の最下端にある対物レンズは試料に最も近く、その位置ずれが像揺れに及ぼす影響も大きい。
半導体計測・検査装置においては、半導体デバイスの微細化により、高分解能化への要求が高まる一方で、試料の大口径化、高スループット化が進んでおり、装置の大型化に伴う剛性低下や高スループット化に伴うステージ反力の増大が予測される。また、装置に作用する加振力には、ステージ反力の他に床振動や環境音があり、これらはいずれも像揺れを増大させる要因となる。
鏡筒の取付け剛性を向上させた電子ビーム描画装置が特許文献1に記載されている。特許文献1には、電子ビームを照射するための電子光学鏡筒の下部にフランジを設け、当該フランジと試料室との間に軟金属材料の薄い層を挿入することが説明されている。
特許文献2には、荷電粒子光学鏡体に一端が取り付けられ、且つ試料室天板に他端が取り付けられることによって、荷電粒子光学鏡体を側方から支持する制振部材を備えた荷電粒子線装置が説明されている。
特開2005−294712号公報 WO2011/043391(対応米国特許USP8,729,476)
特許文献1では、電子光学鏡筒と試料室との間の締結部剛性を高めることを志向し、両者間に軟金属材料の薄い層を挿入しているが、両者の連結部剛性が強固になる程、電子光学鏡筒の振動が試料室側に伝播することになる。鏡筒下部には試料に焦点を合わせる対物レンズがあり、対物レンズの振動は像揺れへの影響が大きい。最終レンズである対物レンズが振動の影響を受けると、試料に対するビームの到達位置を変化させてしまうことになる。そのため、鏡筒上部の振動エネルギーはできるだけ対物レンズに伝えない方が像揺れを小さくする上で有利である。
特許文献2では、鏡筒と試料室との間に、支持板で粘弾性シートを挟んだ長板状の制振部材を配置し、鏡筒の振動によって発生する粘弾性体シートのせん断歪みにより鏡筒に減衰を付与することで、鏡筒の低振動化を図っている。大きな減衰効果を得るためには、制振部材を鏡筒と試料室の相対変位の大きい位置に取付ける必要がある。鏡筒が傾斜する振動の場合は鏡筒上部に取付けることが望ましい。また、粘弾性体を変形させるためには、粘弾性体を支持する支持板やブロックの変形ができるだけ小さくなるように剛性を確保する必要があるが、鏡筒上部に制振部材を取付ける場合、制振部材が長くなり、剛性確保のために支持板やブロックが大型化する。作業性やコストの面から、制振部材はできるだけ小型化するか、もしくは、制振部材は取付けずに像揺れを低減することが望ましい。
以下に、比較的簡単な構成で鏡筒の振動に起因する像揺れを低減することを目的とする荷電粒子線装置について説明する。
上記目的を達成するための一態様として、以下に、荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームを試料に照射するための光学素子を備えた荷電粒子ビームカラムと、当該荷電粒子ビームカラムを通過した前記荷電粒子ビームを試料上に集束させる対物レンズを備えた荷電粒子線装置において、前記対物レンズと前記荷電粒子ビームカラムとの間に、前記荷電粒子ビームカラムに対して相対的に前記荷電粒子ビームの照射方向の剛性が低い第1の部材を介在させると共に、当該部材の一方側と前記荷電粒子ビームカラムとを互いに重なる箇所で固定する第1の固定部材と、当該第1の部材の他方側とを互いに重なる箇所で前記対物レンズとの間を固定、或いは前記対物レンズと、当該対物レンズと前記第1の部材との間に配置され前記対物レンズに固定される第2の部材とを固定する前記第1の固定部材と別体の第2の固定部材とを備えこと提案する。

上記構成によれば、比較的簡単な構成で鏡筒の振動に起因する像揺れを低減することが可能になる。
連結機構を備えた荷電粒子線装置の概略断面図である。 荷電粒子線装置の概略外観図である。 鏡筒の固有振動モード図である。 図1のA−A断面における水平断面図である。 連結機構の有用性を示すFEM解析結果の一例である。 連結機構を備えた荷電粒子線装置の一例を示す図である。 図6のB−B断面における水平断面図である。 鏡筒部材の一部に連結部を備えた荷電粒子線装置の一例を示す図である。 鏡筒部材の一部に連結部を備えた荷電粒子線装置の一例を示す図である。 鏡筒部材の一部に連結部を備えた荷電粒子線装置の一例を示す図である。 連結機構を備えた荷電粒子線装置の一例を示す図である。 物点に連結機構を備えた荷電粒子線装置の一例を示す図である。
以下に説明する実施例では、主に、試料を内部に配置する試料室と、前記試料を搭載するステージと、荷電粒子線を照射する荷電粒子源と、前記荷電粒子源を搭載すると共に、複数の円筒状の鏡筒部材から構成される鏡筒と、前記鏡筒の下端に配置されると共に、前記試料に焦点を合わせる対物レンズと、前記鏡筒の内部を真空排気するポンプを備えた荷電粒子線装置であって、前記対物レンズと前記鏡筒部材の間に前記鏡筒の傾斜を容易にする連結部を備えていることを特徴とする荷電粒子線装置を提案する。
具体的には、荷電粒子ビームカラムと、対物レンズとの間に、荷電粒子ビームカラム外枠の下端形状に沿った部材を介在させ、当該介在部材の第1の部分と荷電粒子ビームカラムを固定する固定部材と、当該第1の部分とは位置が異なる介在部材の第2の部分と対物レンズとを固定する第2の固定部材とを備えた荷電粒子線装置を提案する。介在部材に対する固定位置が、荷電粒子ビームカラムと、対物レンズとの間で異なる理由は、荷電粒子ビームカラムが傾斜したときの影響を、介在部材の第1の部分と第2の部分との間の変形によって吸収させることを目的とすることにある。
第1の部分と第2の部分との間に、荷電粒子ビームカラム壁面に対して、相対的に荷電粒子ビームの照射方向(Z方向)の剛性が低い部分を形成しておくことによって、荷電粒子ビームカラムの傾斜に基づく、対物レンズへの影響を抑制することが可能となる。
以下に説明する実施例によれば、鏡筒の高剛性化や大掛かりな制振装置を取付けることなく、鏡筒の振動が要因の像揺れを低減する荷電粒子線装置を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。以下、実施例を、図面を用いて説明する。
図1は、対物レンズと鏡筒部材の間に鏡筒の傾斜を容易にする連結部材が設けられた荷電粒子線装置の一例を示す図である。なお、説明のため、座標系は直交座標系として、図1において、紙面奥行き方向をY方向、左右方向をX方向、上下方向をZ方向とする。
一般に、荷電粒子線装置は、荷電粒子源1から放出される荷電粒子線9を光軸10(荷電粒子線9を偏向しないときの軌道)に沿って観察対象物に照射することにより得られる二次電子強度から観察像を得ている。荷電粒子源1を内部に備えた鏡筒2は、イオンポンプ3により超高真空状態に保たれている。本実施例では、イオンポンプ3はX方向に1つ取付けられているが、取付けられる方向、個数はこの限りではない。また、鏡筒2は、円筒状の鏡筒部材を複数積層したものであり、各鏡筒部材は光軸10を中心軸とした同心円の周方向に複数配置された締結部材により結合される。荷電粒子源1より照射された荷電粒子線9は、コンデンサレンズ11によって細く絞られて物点16に収束する。物点16に収束した荷電粒子線9は、対物レンズ2Bにより更に細く絞られると共に、試料4上の像点17に焦点を合わせるように収束する。
鏡筒2の傾斜を容易にする連結部材2C(介在部材、第1の部材)は対物レンズ2Bと鏡筒上部2Aの間に配置されている。連結部材2Cは対物レンズ2Bと複数の下締結部材14(第2の固定部材)で締結され、鏡筒上部2Aと複数の上締結部材15(第1の固定部材)で締結される。下締結部材14と上締結部材15は光軸10を中心軸として直径の異なる同心円上に軸対称に複数、等ピッチに配置される。
図2は荷電粒子線装置の概略外観図である。鏡筒2は円筒状の鏡筒部材が積み重なった構成となっている。図2の鏡筒2は5つの鏡筒部材より構成されているが、個数はこの限りではない。鏡筒2は試料室6に取付けられている。図3は鏡筒2の固有振動モードを模式的に示したものである。鏡筒2は巨視的に見ると、下端を固定端、上端を自由端とした片持ち梁の曲げのような変形をしている。しかしながら、微視的に見ると、鏡筒部材の結合部のZ軸方向の局所変形のために、鏡筒部材がY軸回りに回転することで鏡筒全体が傾斜している。なお、実際には、鏡筒部材間にはシール部材があるため、図3に示すような隙間は生じず、鏡筒2内部の真空状態は保たれている。
鏡筒2は試料室6に取付けられており、試料室6は除振マウント7によって架台8に固定されている。試料4は試料室6の内部にあるステージ5に搭載される。本実施例では、ステージ5の移動方向をX方向としているが、ステージの移動方向はこの限りではない。試料4から検出された二次電子の強度は照射位置の座標とその座標における二次電子強度に対応した濃淡として画像化されて表示される。そのため、荷電粒子線装置に何らかの振動が作用し、鏡筒2やステージ5が振動すると、本来照射されるべき位置に荷電粒子線9が照射されず、観察像が揺れて見えることで像質や測定精度の低下を招く。荷電粒子線装置を振動させる加振力には、地上から架台8、除振マウント7を介して伝わる床振動12や空調設備や装置内のファン等から発生する環境音13、試料4の位置を変更する際のステージ5移動に伴うステージ反力がある。
床振動12や環境音13、ステージ反力が荷電粒子線装置に作用すると、図3に示す鏡筒2の固有振動モードが励起される。鏡筒2が傾斜する場合に、像揺れへの影響が大きいのは、最終的に試料4に像を収束させる対物レンズ2Bの変形である。鏡筒部材間の結合力が高い場合、鏡筒2全体の変形量は小さくなるが、結合部を介して互いの鏡筒部材に伝達する力は大きくなる。対物レンズ2Bは鏡筒2の下端にあり、鏡筒上部2Aが傾斜するときの力が全て対物レンズ2Bへと伝わるため、対物レンズ2Bの変形は大きくなる。
本実施例は、対物レンズ2Bと鏡筒上部2Aの間に、鏡筒上部2Aから対物レンズ2Bへと伝わる力を低減するための連結部材2Cを設けるものである。図1は鏡筒上部2Aと対物レンズ2Bの間に連結部材2Cを取付けたものである。連結部材2Cは鏡筒上部2Aや対物レンズ2BよりもZ軸方向の剛性が低く、Z軸方向への曲げ変形が容易である。そのため、鏡筒2としての曲げ剛性は連結部材2Cの位置で低下し、鏡筒2の傾斜は連結部材2Cから上で大きくなる。このとき、光軸10のXY方向へのずれは、連結部材2Cの位置で最小となる。鏡筒上部2Aから対物レンズ2Bへと伝わる力は、連結部材2Cが鏡筒上部2Aから伝わる力によって大きく変形することで吸収され、対物レンズ2Bへと伝わりにくくなる。
図4は、図1の連結部材2CのA−A断面における水平断面図(荷電粒子ビームの照射方向から見た図)である。連結部材2Cは、光軸10を中心軸とした直径D1の円周上に複数配置された下締結部材14を用いて対物レンズ2Bと結合され、光軸10を中心軸とした直径D2の円周上に複数配置された上締結部材15を用いて鏡筒上部2Aと結合される。ここで、D1≠D2であり、下締結部材14と上締結部材15は直径の異なる同心円状に、それぞれ4個ずつ周方向に90度ピッチで配置されている。連結部材2Cは、径方向の異なる位置を上下それぞれ別の部材に締結されるため、Z軸方向に変形し易い構成となっている。そのため、鏡筒上部2Aは連結部材2Cの位置で大きく傾斜し、そのときの鏡筒上部2Aから伝わる力の多くが連結部材2CのZ軸方向への曲げ変形に吸収されることで、対物レンズ2Bの変形は小さくなる。
図4の下締結部材14、上締結部材15はそれぞれ4個ずつ90度ピッチで配置されているが、個数やピッチはこの限りではない。但し、荷電粒子ビームの光軸に対して、軸対称に配置されることが望ましい。
また、図1の連結部材2Cは下締結部材14を用いて対物レンズ2Bに直接締結されているが、対物レンズ2Bと連結部材2Cの間に鏡筒部材(第2の部材)が存在したとして、鏡筒部材と対物レンズ2B、連結部材2Cをそれぞれ締結した構成でも良い。但し、鏡筒部材から対物レンズ2Bへと伝わる力は、連結部材2Cでは低減できないため、できるだけ少ないことが望ましい。
連結部材2Cも鏡筒部材の1つとなるため、連結部材2Cと鏡筒部材の間にも真空を保持するためのシール部材が必要となる。シール部材は圧縮に対する反力によって鏡筒部材との間の隙間を封止し、真空を保持する。連結部材2Cは剛性が低いほど変形が大きくなり、鏡筒上部2Aから伝わる力を吸収する。しかしながら、シール部材の圧縮量以上に連結部材2Cが変形してしまうと、シールからの反力が得られず、真空を保持できなくなる。そのため、連結部材2Cの変形量がシール部材の圧縮量以下となる剛性が必要である。
図5は、連結機構の有用性を示すFEM解析結果の一例である。連結機構を備えていない場合の像揺れ量を基準として、連結機構を備えた場合の像揺れ量をプロットしている。連結機構を備えていない場合に比べて、連結機構を備えることで像揺れ量は低減しており、連結機構の有用性が確認できる。
図4に例示するように、荷電粒子ビームの照射方向から見たときに、連結部材2C内の異なる位置で、荷電粒子ビームカラムと対物レンズを固定することによって、連結部材2Cの下締結部材14と上締結部材15との間の部分を、荷電粒子ビームカラムの傾斜を、変形によって吸収する部分として適用することが可能となる。
図6は、連結機構を備えた荷電粒子線装置の他の例を示す鏡筒全体の概略断面図である。図7は、図6における連結部材2DのB−B断面における水平断面図である。連結部材2Dは、光軸10を中心軸とした直径D3の円周上に複数配置された下締結部材14を用いて対物レンズ2Bと結合され、同円周上に複数配置された上締結部材15を用いて鏡筒上部2Aと結合される。下締結部材14と上締結部材15は直径が同じ同心円状に互い違いに配置される。連結部材2Dは、周方向の異なる位置を上下それぞれ別の部材に締結されるため、Z軸方向の変形が容易となり、連結部材2Dの位置で鏡筒2の傾斜が大きくなる。図7において、締結部材はそれぞれ4個ずつ90度ピッチで配置されているが、個数、ピッチはこの限りではない。また、連結部材2Dは、隣り合う締結部材の距離が大きくなるにつれ、Z軸方向の変形も大きくなる。本実施形態の場合、上下の締結部材が等間隔に配置される場合に変形が最も大きくなる。例えば、上締結部材15がX軸から0度、90度、180度、270度の位置に配置される場合、下締結部材14はX軸から45度、135度、225度、315度の位置に配置されるのが望ましい。
図8は、連結機構を備えた荷電粒子線装置の更に他の例を示す鏡筒全体の概略断面図である。鏡筒部材2Eは、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された下締結部材14を用いて対物レンズ2Bと締結され、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された上締結部材15を用いて鏡筒上部2Aと締結される。締結部材の個数、ピッチに制約はない。実施例1、実施例2では、鏡筒部材とは別に連結機構を設けていたが、鏡筒部材2Eのように、鏡筒部材の一部に、Z軸方向に低剛性な連結部を設けた構成であっても良い。鏡筒部材2Eは、対物レンズ2Bとの締結部分の板厚を小さくすることで、Z軸方向の剛性を低下させている。これにより、鏡筒2は連結部の位置で大きく傾斜し、鏡筒上部2Aから対物レンズ2Bに伝わる力を低減する。このように薄肉部と厚肉部が連結されたリング形状とし、薄肉部の面方向をカラム壁面に対して直交するように形成し、且つ薄肉部の面方向に直交する方向から締結部材を用いて固定することによって、カラム壁面と平行な方向の剛性を低下させることができるため、薄肉部でカラムからレンズに伝達する振動の低減が可能となる。また、薄肉部に対して相対的に厚い厚肉部は高い剛性を持っているため、当該部分の剛性の低下を抑制しつつ、対物レンズに対する振動低減効果を得ることが可能となる。
図9は、連結機構を備えた荷電粒子線装置の更に他の例を示す鏡筒全体の概略断面図である。鏡筒部材2Fは、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された下締結部材14を用いて対物レンズ2Bと締結され、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された上締結部材15を用いて鏡筒上部2Aと締結される。締結部材の個数、ピッチに制約はない。実施例1、実施例2では、鏡筒部材とは別に連結部材を設けていたが、鏡筒部材2Fのように、鏡筒部材の一部に、Z軸方向に低剛性な連結部を設けた構成であっても良い。鏡筒部材2Fは、鏡筒上部2Aとの締結部分の板厚を小さくすることで、Z軸方向の剛性を低下させている。これにより、鏡筒2は連結部の位置で大きく傾斜し、鏡筒上部2Aから対物レンズ2Bに伝わる力を低減する。
図10は、連結機構を備えた荷電粒子線装置の更に他の例を示す鏡筒全体の概略断面図である。鏡筒部材2Gは、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された下締結部材14を用いて対物レンズ2Bと締結され、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された上締結部材15を用いて鏡筒上部2Aと締結される。締結部材の個数、ピッチに制約はない。実施例1、実施例2では、鏡筒部材とは別に連結部材を設けていたが、鏡筒部材2Gのように、鏡筒部材の一部に、Z軸方向に低剛性な連結部を設けた構成であっても良い。鏡筒部材2Gは、鏡筒上部2A及び対物レンズ2Bとの締結部分の板厚を小さくすることで、Z軸方向の剛性を低下させている。実施例3、実施例4に比べて、連結部の径方向の長さが短くなっているが、連結部を上下2箇所に設けることで、径方向にスペースを確保できない場合にも対応できる。これにより、鏡筒上部2Aから対物レンズ2Bに伝わる力を低減する。
図11は、連結機構を備えた荷電粒子線装置の更に他の例を示す鏡筒全体の概略断面図である。鏡筒支持部材2Hは、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された下締結部材14を用いて試料室6と締結され、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された上締結部材15を用いて鏡筒上部2Aと締結される。締結部材の個数、ピッチに制約はない。これまでの実施例では、鏡筒上部2Aは連結部材を介して対物レンズ2Bに結合されていたが、対物レンズ2Bとは別に試料室6に取付け可能な鏡筒部材2Hに鏡筒上部2Aを結合することで、鏡筒上部2Aと対物レンズ2Bを物理的に切り離し、鏡筒上部2Aから対物レンズ2Bへと伝わる力を絶縁することができる。
図12は、荷電粒子線の物点に連結機構を備えた荷電粒子線装置の鏡筒全体の概略断面図である。連結部材2Cは、物点16と同じZ座標位置に配置され、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された下締結部材14を用いて鏡筒部材2Iと締結され、光軸10を中心軸とした円周上に複数配置された上締結部材15を用いて鏡筒上部2Aと締結される。鏡筒部材2Iは、連結部材2Cが物点16と同じZ座標位置に配置されるようにZ方向の寸法が調整されている。ここで、連結部材2CのZ座標位置が物点16から離れている場合の荷電粒子線9について考える。物点16から対物レンズ2Bへ向かう荷電粒子線9は、光軸10に沿って対物レンズ2Bの反対側の一点、すなわち像点17を通る。荷電粒子線9が物点16で光軸10からXY方向にずれると、像点17もXY方向にずれてしまい、像揺れに影響を及ぼす。連結部材2Cから物点16までのZ方向の距離をh、鏡筒上部2AがX方向に傾斜した時の光軸10からの傾斜角をΦとすると、物点16の光軸10からX方向へのずれ量aは幾何学的に求まり、a=h×tanΦとなる。このことから、hが大きいと荷電粒子線9の物点16でのX方向のずれ量aが大きくなり、像揺れが大きくなる。そのため、連結部材2Cを物点16と同じZ座標位置にすることで、連結部材2Cを備えた場合の像揺れ量を最小限にすることができる。図12において、連結機構として連結部材2Cを示しているが、他の連結部材や連結部を備えた鏡筒部材であっても良い。
1…荷電粒子源、2…鏡筒、2A…鏡筒上部、2B…対物レンズ、2C、2D…連結部材、2E、2F、2G…鏡筒部材、2H…鏡筒支持部材、3…イオンポンプ、4…試料、5…ステージ、6…試料室、7…除振マウント、8…架台、9…荷電粒子線、10…光軸、11…コンデンサレンズ、12…床振動、13…環境音、14…下締結部材、15…上締結部材、16…物点、17…像点。

Claims (12)

  1. 荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームを試料に照射するための光学素子を備えた荷電粒子ビームカラムと、当該荷電粒子ビームカラムを通過した前記荷電粒子ビームを試料上に集束させる対物レンズを備えた荷電粒子線装置において、
    前記対物レンズと前記荷電粒子ビームカラムとの間に、前記荷電粒子ビームカラムに対して相対的に前記荷電粒子ビームの照射方向の剛性が低い第1の部材を介在させると共に、当該部材の一方側と前記荷電粒子ビームカラムとを互いに重なる箇所で固定する第1の固定部材と、当該第1の部材の他方側とを互いに重なる箇所で前記対物レンズとの間を固定、或いは前記対物レンズと、当該対物レンズと前記第1の部材との間に配置され前記対物レンズに固定される第2の部材とを固定する前記第1の固定部材と別体の第2の固定部材とを備えことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の部材は、前記対物レンズの物点と同じ高さに配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームを試料に照射するための光学素子を備えた荷電粒子ビームカラムと、当該荷電粒子ビームカラムを通過した前記荷電粒子ビームを試料上に集束させる対物レンズを備えた荷電粒子線装置において、
    前記対物レンズと前記荷電粒子ビームカラムとの間に配置され、前記荷電粒子ビームカラムに対して相対的に前記荷電粒子ビームの照射方向の剛性が低く、当該対物レンズと荷電粒子ビームカラムに固定される第1の部材と、
    当該第1の部材の第1の位置にて、当第1の部材と前記荷電粒子ビームカラムを固定する第1の固定部材と、
    前記荷電粒子ビームの照射方向から見て、前記第1の部材内であって、前記第1の位置とは異なる第2の位置にて、当該第1の部材と前記対物レンズとを固定、或いは前記対物レンズと、当該対物レンズと前記第1の部材との間に配置され前記対物レンズに固定される第2の部材とを固定する第2の固定部材とを備えことを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項3において、
    前記第1の部材は、前記対物レンズの物点と同じ高さに配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項3において、
    前記第1の部材は、前記荷電粒子ビームカラムに対し、相対的に前記荷電粒子ビーム照射方向の剛性が低い部材であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項3において、
    前記第1の位置は、前記荷電粒子ビーム光軸から距離D2の位置であり、前記第2の位置は、距離D2より大きい距離D1の位置であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項6において、
    前記第1の位置と前記第2の位置が異なる高さ位置となるように、前記第1の部材が形成されていることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項7において、
    前記第1の部材は、厚肉部と薄肉部を有するリング状であって、薄板部と、前記対物レンズ、前記荷電粒子ビームカラム、及び前記第2の部材の内と1つと固定されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項3において、
    前記第1の位置と前記第2の位置は、前記荷電粒子ビーム光軸から同じ距離に位置すると共に、当該第1の位置と、前記第2の位置は、前記第1の部材上で交互に配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項3において、
    前記第2の部材は、前記荷電粒子ビームカラムの一部を構成する部材であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項3において、
    前記第2の部材は、前記対物レンズが搭載される試料室の一部であることを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 荷電粒子源から放出される荷電粒子ビームを試料に照射するための光学素子を備えた荷電粒子ビームカラムと、当該荷電粒子ビームカラムを通過した前記荷電粒子ビームを試料上に集束させる対物レンズを備えた荷電粒子線装置において、
    前記対物レンズと前記荷電粒子ビームカラムとの間に配置され、前記荷電粒子ビームカラムに対して相対的に前記荷電粒子ビームの照射方向の剛性が低く、当該対物レンズと荷電粒子ビームカラムに固定される第1の部材と、
    当該第1の部材の第1の位置にて、当第1の部材と前記荷電粒子ビームカラムを固定する第1の固定部材と、
    前記荷電粒子ビームの照射方向とは直交する方向から見て、第1の位置とは異なる高さ位置の第2の位置にて、当該第1の部材と前記対物レンズとを固定、或いは前記対物レンズと、当該対物レンズと前記第1の部材との間に配置され前記対物レンズに固定される第2の部材とを固定する第2の固定部材とを備えことを特徴とする荷電粒子線装置。
JP2015009050A 2015-01-21 2015-01-21 荷電粒子線装置 Active JP6491890B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009050A JP6491890B2 (ja) 2015-01-21 2015-01-21 荷電粒子線装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015009050A JP6491890B2 (ja) 2015-01-21 2015-01-21 荷電粒子線装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016134321A JP2016134321A (ja) 2016-07-25
JP6491890B2 true JP6491890B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=56464429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015009050A Active JP6491890B2 (ja) 2015-01-21 2015-01-21 荷電粒子線装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6491890B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5145981Y2 (ja) * 1972-05-30 1976-11-06
GB2164202A (en) * 1984-09-05 1986-03-12 Philips Electronic Associated Charged particle beam apparatus
JP2667714B2 (ja) * 1989-09-08 1997-10-27 日本電子株式会社 走査電子顕微鏡
JP5836838B2 (ja) * 2012-02-27 2015-12-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016134321A (ja) 2016-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1306552C (zh) X射线发生装置
WO2011043391A1 (ja) 荷電粒子線装置
JPH10172484A (ja) 傾斜コラムを有する荷電粒子装置
US10056226B2 (en) Charged particle beam apparatus and vibration damper for charged particle beam apparatus
TWI773710B (zh) 調整總成及包含此種調整總成之基板曝光系統
JP6362941B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP6491890B2 (ja) 荷電粒子線装置
US6794665B2 (en) Electron beam drawing apparatus
WO2018003494A1 (ja) 荷電粒子線装置に取り付けられる振動抑制機構、及び荷電粒子線装置
JP2008052947A (ja) 荷電粒子ビーム装置
US8927930B2 (en) Charged particle device
JP6608329B2 (ja) 荷電粒子ビーム装置
JP5502309B2 (ja) 透過型電子顕微鏡
JP5610491B2 (ja) 電子顕微鏡
JP2016051535A (ja) 荷電粒子線装置
TWI744591B (zh) 制振系統以及具備該制振系統的光學裝置
JP6473316B2 (ja) X線像撮像用ユニット及びx線顕微鏡
WO2012117998A1 (ja) 電子顕微鏡
WO2021152793A1 (ja) 荷電粒子線装置及び振動抑制機構
JP6584678B2 (ja) 走査電磁石、および走査電磁石を備えた粒子線照射装置の製造方法
JP6118169B2 (ja) 荷電粒子線装置
JP2020123521A (ja) ステージ移動システム
JP3020460B2 (ja) 真空光学系構造
JP6220887B2 (ja) 荷電粒子装置
JP7336594B2 (ja) 荷電粒子線装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170117

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170124

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6491890

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350