以下、本発明の一実施形態を、図1〜9を参照して説明する。
この実施形態は、本発明を前後方向にネスティング可能な椅子C、換言すれば水平方向にスタッキング可能な椅子Cに適用したものである。椅子Cは、図5及び6において具体的に示すように、座4を跳ね上げ位置(H)に保持した状態、及び、メモ台5の天板51を退避位置(S)に保持した状態で、同一構造をなす他の椅子Cと前後方向にネスティングし得るように構成されている。
椅子Cは、第一のフレーム要素11aを有した後脚11と、この後脚11の第一のフレーム要素11aに連続するとともに当該第一のフレーム要素11aの延びる方向とは異なる方向に延びる第二のフレーム要素12aを有した前脚12とを備えた椅子本体C1と、この椅子本体C1に着脱可能に支持されたオプションたるメモ台5とを主体に構成されている。メモ台5は、椅子本体C1における右側の後脚11及び前脚12に対して取り付けられている。この実施形態では、第一のフレーム要素11aは、後脚11を構成するものであり、第二のフレーム要素12aが前脚12を構成するものである。
椅子本体C1は、メモ台5が接続する部位を有した脚フレーム1と、この脚フレーム1に支持された肘掛け2と、この肘掛け2を介して前記脚フレーム1に支持された背凭れ3と、前記脚フレーム1に対して使用位置(U)と跳ね上げ位置(H)との間で回動可能に支持された座4とを備えている。
以下、この椅子Cについて詳述する。
脚フレーム1は、金属製の丸型のパイプ材を主体にして構成されたものである。
。脚フレーム1は、下端にキャスタ111を有した左右の後脚11と、下端にキャスタ121を有するとともに上端を前記左右の後脚11の上部に接続した左右の前脚12と、これら左右の前脚12の中間部同士を繋ぐ連結部材たる第一の横架材13と、この第一の横架材13よりも後側の位置において前記左右の前脚12同士を繋ぐ連結部材たる第二の横架材14とを備えてなる。
左右の後脚11は、上部側が下部側よりも前側に位置するように前傾した態様で上下方向に延びてなるものであり、その上部は肘掛け2及び背凭れ3を支持するための肘掛け2及び背凭れ3を支持するための支持フレームとしての役割を担っている。後脚11の上端部には、背板31と一体に形成された肘掛け2が装着されるようになっている。
左右の後脚11には、丸型のパイプ材により形成された第一のフレーム要素11aを有している。この実施形態では、第一のフレーム要素11aは、後脚11の上部における前脚12と接続する部位及びその近傍の部位となっている。より具体的には、第一のフレーム要素11aは、後脚11における前脚12の上端と接続する部位及びその近傍の上下方向に延びる棒状の部分である。すなわち、第一のフレーム要素11aは、前脚12の上端と近接した後脚11における所定の上下方向に長い棒状の部分であって、上部側が下部側よりも前側に位置するように前傾した態様で上下方向に略直線状に延びてなる部分である。
後脚11は、上端部に細径をなす柱状の芯材である図示しない肘掛け接続部を備えており、この肘掛け接続部に後述する肘掛け2の取付部23が外嵌して装着されるようになっている。左右の前脚12の総幅すなわち離間幅は、ネスティングを可能とするべく、後脚11の離間幅よりも狭くなっている。
後脚11は、内面側の所定の位置に合成樹脂製の緩衝部材112を取り付けてある。この緩衝部材112は、ネスティング時に同一形状をなす他の椅子Cの前脚12やメモ台5における取付機構5bと当たり得るものであり、衝撃を緩和する役割を担っている。この実施形態では、ネスティング時において、他の椅子Cにおける第一の取付部材55の下端近傍の部位が、椅子Cの緩衝部材112に当たり得るように設定されている。
左右の前脚12は、上部側が下部側よりも後側に位置するように後傾した態様で上下方向に延びてなるものである。
左右の前脚12には、丸型のパイプ材により形成された第二のフレーム要素12aを有している。この実施形態では、第二のフレーム要素12aは、前脚12の上部である。より具体的には、第二のフレーム要素12aは、前脚12における前記後脚11と接続する部位及びその近傍の前後方向に延びる棒状の部分である。すなわち、第二のフレーム要素12aは、後脚11に近接して位置している前脚12における所定の前後方向に長い棒状の部分であって、下部側が上部側よりも側面視において前側に位置するように前傾した態様で上下方向に延びてなる部分である。
前脚12は、上端から下端に向かって、まず、内方且つ斜め前方に向かって延び、次いで、曲がり部122を介して、前方に向かって延びている。換言すれば、この実施形態における、第二のフレーム要素12aは前方に向かって曲がる曲がり部122を含んでいる。
左右の前脚12には、前記第一の横架材13及び第二の横架材14が連結されている。前脚12の上端は、溶接により後脚11の内周面側に接続している。より具体的には、前脚12の上端は、溶接により後脚11の内周面側における前側の部分に接続している。
第一の横架材13は、正面視において上向き凸状をなすように形成されたものであり、その左右方向中間部に左右方向に水平に延びる水平部131を備えている。水平部131は、使用位置(U)にある座4の下面、より具体的には、使用位置(U)にある座4における座裏カバー44の下面に添接するものであり、当該座4を下方から受け止めるようになっている。
第二の横架材14は、左右両端部に配され座4を枢支する軸部を構成する枢支部141を備えている。
次いで、肘掛け2について説明する。
肘掛け2は、着座者の肘を支持し得るものであり、この実施形態では、背凭れ3を脚フレーム1に支持させる機能を兼ねている。すなわち、肘掛け2は、前端部を上下方向に延びる取付部23を介して脚フレーム1における後脚11の上部に支持させるとともに後端部を後述する背板31の張り出し部312に接続した主支持部材21と、この主支持部材21の下側に離間させて設けられ前端部を前記取付部23を介して前記脚フレーム1に支持させるとともに後端部を前記張り出し部312に接続した補助支持部材22とを備えている。この実施形態では、肘掛け2と後述する背凭れ3の背板31とが合成樹脂により一体に形成されている。
主支持部材21は、上面に肘当て面21sを有したものであり、前後方向に延びる矩形棒状のものである。主支持部材21は、補助支持部材22と協働して背板31を支持する役割を担う。主支持部材21の前端部は後脚11に装着される取付部23の上部に一体に連設されている。主支持部材21の後端は前記背板31の張り出し部312に一体に連設されている。主支持部材21は、側面視において後部側が前部側よりも上に位置するように略水平から若干前傾した姿勢をなしている。主支持部材21の前端部211は、前方に向かって取付部23の前側の外面23sよりも前側に突出した形状をなしており、着座者が手を掛け易い形状になっている。
補助支持部材22は、前後方向に延びる矩形棒状のものであり、主支持部材21と協働して背板31を支持する役割を担うものである。補助支持部材22の前端は、前記取付部23の下部に一体に連設されている。補助支持部材22の後端は、前記背板31の張り出し部312に一体に連設されている。補助支持部材22は、側面視において主支持部材21よりも後部側が前部側よりも上に位置するように前傾した姿勢をなしている。
主支持部材21と補助支持部材22は、互いに離れた位置に配されており、且つ、側面視において平行にならない態様で配されている。換言すれば、肘掛け2は、主支持部材21と補助支持部材22とが非平行に配されたものとなっている。また、補助支持部材22は、主支持部材21よりも側面視において厚肉に形成されている。補助支持部材22は、脚フレーム1の上端部が延びる方向に対して略垂直に延びるように設けられている。換言すれば、補助支持部材22は、後脚11の上端部における前側面や後側面に対して略直角となる方向に延びている。
取付部23は、下方に開口した円筒状のものであり、後脚11の上端部に外嵌され、取付部23の後部から挿通されたねじnにより後脚11に対して止着されるようになっている。
次いで背凭れ3について説明する。
背凭れ3は、肘掛け2とともに合成樹脂により一体に形成された背板31を主体に構成されたものである。背凭れ3は、側縁に張り出し部312を備えている。より具体的に言えば、背凭れ3は、正面視において略矩形状をなす背板本体311と、この背板本体311の側縁における上下方向中間部から外方に突出した張り出し部312とを備えている。
なお、背凭れ3の側端部たる張り出し部312の前端縁、肘掛け2の主支持部材21の下端縁、補助支持部材22の上端縁、及び、取付部23の後端縁とによって、側面視において枠状に囲まれた部分である左右方向開口部Kが形成されている。左右方向開口部Kは、内側に左右方向に連通する連通空間rkを有している。
続いて座4について説明する。
座4は、パイプ材を主体に構成された図示しない座支持フレームと、この座支持フレーム上に配された図示しない座板と、この座板の上面側を被覆する被覆部材43と、前記座支持フレームの主要部分及び座板の裏側を下方からカバーするための座裏カバー44とを備えたものである。この座4は、脚フレーム1の枢支部141に回動可能に支持されており、使用位置(U)と跳ね上げ位置(H)との間で回動可能に構成されている。なお、座支持フレームには第二の横架材14の枢支部141に対して回動可能に係わり合う図示しない軸保持部材が設けられている。
続いて、椅子本体C1に支持されたオプションであるメモ台5について説明する。
メモ台5は、オプション本体たるメモ台本体5aと、このメモ台本体5aを支持するとともに椅子本体C1における第一、第二のフレーム要素11a、12aを共に支持する取付機構5bとを備えている。
まず、メモ台本体5aについて詳述する。
メモ台本体5aは、略水平方向に沿って位置する使用位置(T)と上下方向に垂下する退避位置(S)との間で位置変更可能な略矩形板状をなす天板51と、この天板51を支持する支持体本体52とを備えている。
天板51は、矩形平板状をなすものであり、使用位置(T)において上面側に使用者の書面等の身の回り品を載置させ得るものである。天板51は、座4よりも小さな面積に設定されている。
支持体本体52は、第一、第二フレーム部材521、522とを主体に構成されたメモ台フレーム52aと、このメモ台フレーム52aの上端部に設けられ前記天板51を使用位置(T)と退避位置(S)との間で変更可能に支持させた天板支持機構52bとを具備している。
メモ台フレーム52aは、後方から前方に向かって斜め上方に延びてなり第一のメモ台フレーム要素たる下部フレーム521aを有した第一フレーム部材521と、この第一フレーム部材521の下部フレーム521aに溶接により接続されて連続し前記下部フレーム521aとは異なる方向である前後方向に延びる第二のメモ台フレーム要素たる第二フレーム部材522とを備えてなる。メモ台フレーム52aは、脚フレーム1における右側(正面視左側)の後脚11及び前脚12の外側に配されている。
第一フレーム部材521は、側面視略くの字状をなすものであり、右側の後脚11の外側に略沿って配される第一のメモ台フレーム要素たる下部フレーム521aと、この下部フレーム521aの上端部から屈曲部521bを介して連設され前方に向かって延びる上部フレーム521cとを備えている。
第二フレーム部材522は、第二のメモ台フレーム要素を構成するものであり、上端部が前記下部フレーム521aに接続され、且つ、前脚12の上部に沿って当該前脚12の外側に配されている。第二フレーム部材522は、前脚12の上部における斜め前側に位置し、前脚12に沿うように配されている。第二フレーム部材522の上端は、溶接により第一フレーム部材521における下部フレーム521aの内周面に接続している。より具体的には、第二フレーム部材522の上端は、溶接により下部フレーム521aの内周面側における前側の部分に接続している。そして、第二フレーム部材522は、上端から下端に向かって、まず、内方且つ斜め前方に向かって延び、次いで、曲がり部522cを介して、前方に向かって延びている。
第二フレーム部材522は、下端部の外側に第一の取付部材55の被係合部たる係合突部554dと係合し得る第一の係合部たる外側の切欠部522a、及び、下端部の内側に第二の取付部材56の被係合部たる係合突部564dと係合し得る第二の係合部たる内側の切欠部522bを備えている。外側の切欠部522aは、第一の取付部材55の係合突部554dと密に嵌合する大きさに設定されている。内側の切欠部522bは、第二の取付部材56の係合突部564dと密に嵌合する大きさに設定されている。
天板支持機構52bは、メモ台フレーム52aの上端部に前後方向に回転可能に設けられた第一の回転支持部523と、この第一の回転支持部523に対して左右方向に回転可能に設けられた第二の回転支持部524と、この第二の回転支持部524に一体的に設けてなり前記天板51の裏面にビス等を介して取り付けた取付板525とを具備してなるものである。
第二の回転支持部524には、図6に示すように、その上端に、上方に向かって突出した態様で樹脂製の摩擦部524aが設けられている。この摩擦部524aは、天板51が水平方向に沿った位置(すなわち使用位置)と略鉛直方向に沿った位置との間で移動する際に、取付板525と一時的に摩擦係合し得るように構成されている。特に、この実施形態では、使用者が、天板51を略鉛直方向に沿った位置から水平方向に沿った位置に遷移させる初期の段階で、前記摩擦部524aが、取付板525の下面と一時的に摩擦係合するようになっており、天板51が急激に水平方向に移動してしまわないようにしてある。
メモ台5の天板51を使用位置(T)から退避位置(S)まで折り畳む場合には、次のように行われる。先ず、前記天板51を略水平方向に沿った位置から略鉛直方向に沿った位置まで第二の回転支持部524を利用して左右方向に回転させる。次いで、鉛直方向に沿った位置まで遷移した前記天板51を、第一の回転支持部523を利用して前後方向に回転させ、脚フレーム1の外方に垂下して位置する退避位置(S)にまで遷移させる。退避位置(S)にある天板51は、図6に示すように、前端側が後端側よりも内側に位置しており、且つ、上端側が下端側よりも内側に位置しており、スタッキング時には、同一形状をなす他の椅子Cの天板51と重合されるようになっている。
次いで、取付機構5bについて詳述する。
取付機構5bは、椅子本体C1に対して、メモ台本体5aを支持させるためのものである。この取付機構5bは、二つの剛性を有した部材たる第一、第二の取付部材55、56、及び、これら第一、第二の取付部材55、56とを緊締結合させるための複数の止着具たるねじvを主体に構成されている。第一、第二の取付部材55、56は、いわゆる半割構造をなしたものであり、椅子本体C1における第一、第二のフレーム要素11a、12aを包み込んで保持し得るとともにメモ台本体5aにおける第一、第二のメモ台フレーム要素52a、52bを包みこんで保持し得るように構成されている。換言すれば、取付機構5bは、椅子本体C1における第一、第二のフレーム要素11a、12aを共に支持するのみならず、メモ台本体5aにおける第一、第二のメモ台フレーム要素52a、52bを共に支持している。
取付機構5bは、メモ台フレーム52aの下部に配設されるものである。取付機構5bは、金属により一体に形成された第一の取付部材55と、金属により一体に形成された第二の取付部材56とを備えている。取付機構5bは、一方側(第一の取付部材55)が左側の部位を形成するとともに他方側(第二の取付部材56)が右側の部位を形成した半割構造をなしている。
まずは、第一の取付部材55について詳述する。
第一の取付部材55は、側面視において略ト字状をなすものであり、椅子本体C1における第一のフレーム要素11aの外側及び前記第二のフレーム要素12aの外側に配されている。
第一の取付部材55は、フレーム形状に対応させて凹陥した上下方向に延びる第一のフレーム要素支持部551と、この第一のフレーム要素支持部551の前側に配され、フレーム形状に対応させて凹陥した前後方向に延びる第二のフレーム要素支持部552を備えている。更に、第一の取付部材55は、フレーム形状に対応させて凹陥した上下方向に延びる第一のメモ台フレーム要素支持部553と、この第一のメモ台フレーム要素支持部553の前側に配され、フレーム形状に対応させて凹陥した前後方向に延びる第二のメモ台フレーム要素支持部554を備えている。この実施形態では、第一のフレーム要素支持部551の前側に第一のメモ台フレーム要素支持部553が配されており、第二のフレーム要素支持部553の上側に第二のメモ台フレーム要素支持部554が配されている。
第一のフレーム要素支持部551は、部分円筒状のもので、後脚11の第一のフレーム要素11aを配設させるための配設空間sp1を形成している。第一のフレーム要素支持部551は、後脚11の第一のフレーム要素11aの外側の表面に添接し得る内周面551aを有している。第一のフレーム要素支持部551の上端縁及び下端縁は外部空間と連通し得るように開放されている。第一のフレーム要素支持部551の後端には、第二の取付部材56と連結するためのねじvが挿通されるねじ挿通孔551b、及び、第二の取付部材56と位置決めするための上下方向に延びる位置決め凸部551cが設けられている。
第二のフレーム要素支持部552は、部分円筒状のもので、前脚12の第二のフレーム要素12aを配設させるための配設空間sp2を形成している。第二のフレーム要素支持部552は、前脚12の第二のフレーム要素12aの外側の表面に添接し得る内周面552aを有している。第二のフレーム要素支持部552の前端縁は外部空間と連通し得るように開放されており、後端縁は前記第一のフレーム要素支持部551の配設空間sp1に連通し得るように開放されている。第二のフレーム要素支持部552の下端には、第二の取付部材56と連結するためのねじvが挿通されるねじ挿通孔552b、及び、第二の取付部材56と位置決めするための位置決め凸部552cが設けられている。
第一のメモ台フレーム要素支持部553は、部分円筒状のもので、メモ台フレーム52aの第一のメモ台フレーム要素たる下部フレーム521aを配設させるための配設空間sp3を形成している。第一のメモ台フレーム要素支持部553は、下部フレーム521aの外側の表面に添接し得る内周面553aを有している。第一のメモ台フレーム要素支持部553の上端縁は外部と連通し得るように開放されている。第二のメモ台フレーム要素支持部533の下端縁には、前記配設空間sp3と外部空間との間に介在する底壁553cが設けられている。第一のメモ台フレーム要素支持部533には、前端に第二の取付部材56と連結するためのねじvが挿通されるねじ挿通孔553b、及び、第二の取付部材56と位置決めするための位置決め凸部553dが設けられている。
第二のメモ台フレーム要素支持部554は、部分円筒状のもので、メモ台フレーム52aの第二のメモ台フレーム要素たる第二フレーム部材522を配設させるための配設空間sp4を形成している。第二のメモ台フレーム要素支持部554は、第二フレーム部材522の外側の表面に添接し得る内周面554aを有している。第二のメモ台フレーム要素支持部554の前端縁は前記配設空間sp4と外部空間との間に介在する底壁554cが設けられており、後端縁は前記第一のメモ台フレーム要素支持部553の配設空間sp4に連通し得るように開放されている。第二のメモ台フレーム要素支持部554の前端部には、第二の取付部材56と連結するためのねじvが挿通されるねじ挿通孔554bが設けられている。第二のメモ台フレーム要素支持部554の前端部には、前記内周面554aから内方に向かって突出する係合突部554dが形成されている。この係合突部554dは、メモ台本体5aにおける第二フレーム部材522の切欠部522aと係合し得るものである。第二のメモ台フレーム要素支持部554の上端部には、第二の取付部材56と位置決めするための前後方向に延びる位置決め凸部554eが設けられている。
続いて、第二の取付部材56について、詳述する。
第二の取付部材56は、側面視において略ト字状をなすものであり、椅子本体C1における第一のフレーム要素11aの内側及び前記第二のフレーム要素12aの内側に配されている。
第二の取付部材56は、フレーム形状に対応させて凹陥した上下方向に延びる第一のフレーム要素支持部561と、この第一のフレーム要素支持部561の前側に配され、フレーム形状に対応させて凹陥した前後方向に延びる第二のフレーム要素支持部562を備えている。更に、第二の取付部材56は、フレーム形状に対応させて凹陥した上下方向に延びる第一のメモ台フレーム要素支持部563と、この第一のメモ台フレーム要素支持部563の前側に配され、フレーム形状に対応させて凹陥した前後方向に延びる第二のメモ台フレーム要素支持部564を備えている。この実施形態では、第一のフレーム要素支持部561の前側に第一のメモ台フレーム要素支持部563が配されており、第二のフレーム要素支持部563の上側に第二のメモ台フレーム要素支持部564が配されている。
第一のフレーム要素支持部561は、部分円筒状のもので、後脚11の第一のフレーム要素11aを配設させるための配設空間sp5を形成している。第一のフレーム要素支持部561は、後脚11の第一のフレーム要素11aの内側の表面に添接し得る内周面561aを有している。第一のフレーム要素支持部561の上端縁及び下端縁は外部空間と連通し得るように開放されている。第一のフレーム要素支持部561の後端には、第一の取付部材55と連結するためのねじvが螺合するナット部561b、及び、第一の取付部材55と位置決めするための前記位置決め凸部551cと係わり合う位置決め凹部561cが設けられている。
第二のフレーム要素支持部562は、部分円筒状のもので、前脚12の第二のフレーム要素12aを配設させるための配設空間sp6を形成している。第二のフレーム要素支持部562は、前脚12の第二のフレーム要素12aの内側の表面に添接し得る内周面562aを有している。第二のフレーム要素支持部562の前端縁は外部空間と連通し得るように開放されており、後端縁は前記第一のフレーム要素支持部561の配設空間sp5に連通し得るように開放されている。換言すれば、第二のフレーム要素支持部562は前端に第二のフレーム要素12aが通過可能な開口部562cを有している。第二のフレーム要素支持部562の下端には、第1の取付部材55と連結するためのねじvが螺合するナット部562b、及び、第一の取付部材55と位置決めするための前記位置決め凸部552cと係わり合う位置決め凹部562cが設けられている。なお、第二のフレーム要素支持部562は、基端から先端に至る長さが、隣接する第二のメモ台フレーム要素支持部564と比較して短く設定されており、脚フレーム1の横架材13との干渉を避けている。
第一のメモ台フレーム要素支持部563は、部分円筒状のもので、メモ台フレーム52aの第一のメモ台フレーム要素たる下部フレーム521aを配設させるための配設空間sp7を形成している。第一のメモ台フレーム要素支持部563は、下部フレーム521aの内側の表面に添接し得る内周面563aを有している。第一のメモ台フレーム要素支持部563の上端縁及び下端縁は外部と連通し得るように開放されている。第一のメモ台フレーム要素支持部563には、前端に第一の取付部材55と連結するためのねじvが螺合するナット部563b、及び、第一の取付部材55と位置決めするための前記位置決め凸部553dと係わり合う位置決め凹部563dが設けられている。
第二のメモ台フレーム要素支持部564は、部分円筒状のもので、メモ台フレーム52aの第二のメモ台フレーム要素たる第二フレーム部材522を配設させるための配設空間sp8を形成している。第二のメモ台フレーム要素支持部564は、第二フレーム部材522の内側の表面に添接し得る内周面564aを有している。第二のメモ台フレーム要素支持部564の前端縁は前記配設空間sp8と外部空間との間に介在する底壁564cが設けられており、後端縁は前記第一のメモ台フレーム要素支持部563の配設空間sp7に連通し得るように開放されている。第二のメモ台フレーム要素支持部564の前端部には、第一の取付部材55と連結するためのねじvが螺合するナット部564bが設けられている。第二のメモ台フレーム要素支持部564の前端部には、前記内周面564aから内方に向かって突出する係合突部564dが形成されている。この係合突部564dは、メモ台本体5aにおける第二フレーム部材522の切欠部522bと係合し得るものである。第二のメモ台フレーム要素支持部564の上端部には、第一の取付部材55と位置決めするための前後方向に延びる前記位置決め凸部554eと係わり合う位置決め凹部564eが設けられている。第二のメモ台フレーム要素支持部564における下端部の中間部分には、脚フレーム1の横架材13との干渉を避けるための切欠部564fが設けられている。
以上に説明した取付機構5bにより、メモ台本体5aを椅子本体C1に取り付けるようにしている。具体的には、取付機構5bを構成する第一の取付部材55と第二の取付部材56との間に、椅子本体C1における脚フレーム1の第一、第二のフレーム要素11a、12a、及び、メモ台本体5aの第一のメモ台フレーム要素たる下部フレーム521a、並びに、メモ台本体5aの第二のメモ台フレーム要素たる第二フレーム部材522を配設し、しかる後に、前記第一、第二の取付部材55、56によって、左右方向から前記各部位を挟んで支持し得るように構成されている。
第一、第二の取付部材55、56は、ねじvにより緊締結合されるようになっている。これにより、第一、第二のフレーム要素11a、12aの外面は、第一、第二の取付部材55、56における第一、第二のフレーム要素支持部551、552、561、562の内周面551a、552a、561a、562aに密着し、当該第一、第二の取付部材55、56に対する移動が抑制される。さらに、第一、第二のメモ台フレーム要素(下部フレーム、第二フレーム部材)521a、522の外面は、第一、第二の取付部材55、56における第一、第二のメモ台フレーム要素支持部553、554、563、564の内周面553a、554a、563a、564aに密着し、当該第一、第二の取付部材55、56に対する移動が抑制される。
なお、取付機構5bの椅子本体C1に対する取り付けに関し、第二の取付部材56は、椅子本体C1に対して次のようにして所定の位置に仮配置される。すなわち、第二の取付部材56は、図7に示すように、椅子本体C1の後方側から取り付けられる。後方から差し入れられた第二の取付部材56は、座4における右側の側端縁と脚フレーム1における後脚11及び前脚11との間の隙間skに配される。第二の取付部材56は、第二のメモ台フレーム要素支持部552に開口部562cが形成されているため、その開口部562cに前脚12の第二のフレーム要素12aを通過させることができるようになっており、第二の取付部材56を所定の位置にスムーズに仮配置させることができるようになっている。
以上説明したように、本実施形態に係る椅子Cは、第一のフレーム要素11aと、この第一のフレーム要素11aに連続するとともに前記第一のフレーム要素11aとは異なる方向に延びる第二のフレーム要素12aとを有した椅子本体C1と、この椅子本体C1に支持されたオプションたるメモ台5とを備えてなる。そして、メモ台5が、オプション本体たるメモ台本体5aと、このメモ台本体5aを支持するとともに前記第一、第二のフレーム要素11a、12aを共に支持する取付機構5bとを備えている。このため、取付機構5bは第一のフレーム要素11a及び第二のフレーム要素12aを共に支持するものであるため、椅子本体C1側にメモ台5を支持させるための特別な構造が要求されにくく、椅子本体C1の設計の自由度に優れた椅子Cを提供することができるものとなる。すなわち、この実施形態では、椅子本体C1に着脱自在にメモ台5を装着させることができるにも関わらず、椅子本体C1側にメモ台5を支持させるための特別な取付構造を備えていないため、椅子本体C1の外観が、メモ台5を装着するために損なわれることが無いものとなっている。
椅子本体C1が、パイプ材を主体に構成された脚フレーム1と、この脚フレーム1に支持された肘掛け2と、前記脚フレーム1に肘掛け2を介して間接的に支持された背凭れ3と、前記脚フレームに支持された座3とを備えたものである。そして、前記第一、第二のフレーム要素11a、12aが、前記椅子本体C1を形成するフレーム状の部位である。このため、メモ台本体5aが椅子本体C1に対して、好適に取り付けることができるものとなる。
第一のフレーム要素11aが後脚11を構成するものであり、第二のフレーム要素12aが前脚12を構成するものであるため、取付機構5bを好適に取り付けることができるものとなっている。
第一、第二のフレーム要素11a、12aが、それぞれ丸型のパイプ材により形成されたものである。このようなものであっても、取付機構5bにより、椅子本体C1に対してメモ台本体5aを好適に支持させることができるものとなっている。
取付機構5bが、第一の取付部材55と第二の取付部材56とを備えている。そして、第一の取付部材55と第二の取付部材56との間に位置させた前記第一、第二のフレーム要素11a、12aを、前記第一、第二の取付部材55、56によって挟んで支持するように構成されている。より具体的には、前記第一の取付部材55が、前記第一のフレーム要素11aの外側及び前記第二のフレーム要素12aの外側に配されたものであり、前記第二の取付部材56が、前記第一のフレーム要素11aの内側及び前記第二のフレーム要素12aの内側に配されたものである。このため、第一、第二のフレーム要素11a、12aを第一、第二の取付部材55、56によって挟み込むことにより、好適にメモ台本体5aを椅子本体C1に支持させることができるものとなる。
メモ台5は、天板51と、この天板51を支持する支持体本体52と、この支持体本体52を椅子本体C1に取り付けるための取付機構5bとを備えている。そして、支持体本体52が、第一のメモ台フレーム要素たる下部フレーム521aと、この下部フレーム521aに連続するとともに前記下部フレーム521aとは異なる方向に延びる第二のメモ台フレーム要素たる第二フレーム部材522とを有している。取付機構5bが、前記第一、第二のメモ台フレーム要素たる下部フレーム521a、第二フレーム部材522を共に支持している。このため、メモ台本体5aと取付機構5bを別個に離脱した部材として取り扱うことができるものとなり、メモ台5を構成する部品管理に便宜であるとともに、取付機構5bの製造のし易さに供するものとなる。
椅子本体C1が、使用位置(U)と跳ね上げ位置(H)との間で位置変更可能な座4を備えている。そして、メモ台5が、使用位置(T)と退避位置(S)との間で位置変更可能な天板51を備えている。椅子Cは、前記座4を前記跳ね上げ位置(H)に保持した状態、及び、前記天板51を前記退避位置(S)に保持した状態で、同一構造をなす他の椅子Cと前後方向にネスティングし得るように構成されている。このため、不使用時等において、椅子本体C1にメモ台5を装着した状態で、スペース効率良く収納することが可能になっている。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
ここで、図10では、他の実施形態である椅子Cを示している。なお、図10において、前述した実施形態と同一又は対応する構成については、同一の符号を付して説明することとし、説明を省略する。
この実施形態では、取付機構5bを前述した実施形態と異なる部位に適用したものである。この実施形態では、椅子Cは、第一のフレーム要素たる肘掛け2の前後伸長部24と、この前後伸長部24に屈曲部26を介して連続するとともに前記前後伸長部24とは異なる方向に延びる第二のフレーム要素たる上下伸張部25とを有した椅子本体C1と、この椅子本体C1に支持されたオプションたるメモ台5とを備えてなる。そして、メモ台5が、メモ台本体5aと、このメモ台本体5aを支持するとともに前記前後伸長部24及び上下伸張部25を共に支持する取付機構5bとを備えている。上下伸張部25は、後脚11の上端に一体に連設されたものである。前後伸長部24と上下伸張部25とは丸型パイプ材により一体に形成されている。このようなものであっても、所期の目的を達成することができるものとなる。なお、この実施形態では、取付機構5bは、メモ台5における第一のフレーム要素たる上部フレーム521cの下部、及び、メモ台5における第二のフレーム要素たる下部フレーム521aを共に支持している。なお、メモ台本体5bと取付機構5bとは、あらかじめ相互に接続させた一体的なものとしてもよい。
ここで、図11では、他の実施形態である椅子Cを示している。なお、図11において、前述した実施形態と同一又は対応する構成については、同一の符号を付して説明することとし、説明を省略する。
この実施形態では、取付機構5bを上述した各実施形態とは異なる部位に適用したものであり、オプションが、上述した各実施形態とは異なるものとなっている。すなわち、オプションが、着座者の肘を掛けるための補助の肘掛け5である。
椅子Cは、第一のフレーム要素たる肘掛け2の取付部23と、この取付部23に連続するとともに前記取付部23とは異なる方向に延びる補助支持部材22とを有した椅子本体C1と、この椅子本体C1に支持されたオプションたる補助用の肘掛け5とを備えてなる。そして、補助用の肘掛け5が、上面側に肘当て面57sを有した肘当て57と、この肘当て57を支持する肘掛けフレーム58とを備えてなるオプション本体たる肘掛け本体5aと、この肘掛け本体5aを支持するとともに前記取付部23及び補助支持部材22を共に支持する取付機構5bとを備えている。このようなものであっても、所期の目的を達成することができるものとなる。取付機構5bの一部は、椅子本体C1の肘掛け2及び背凭れ3により形成されている連通空間rkを有した左右方向開口部Kに内嵌されている。なお、この実施形態では、取付機構5bは、補助肘掛け5における第一のフレーム要素たる上部フレーム58cの下部、及び、前記上部フレーム58cの下部に屈曲部58bを介して連続して設けられた補助肘掛け5における第二のフレーム要素たる下部フレーム58aを共に支持している。なお、肘掛け本体5aと取付機構5bの全部又は一部は、あらかじめ相互に接続した一体的なものとしてもよい。
上述した実施形態では、第一、第二のフレーム要素は、丸型のパイプ材により形成されたものであったが、角柱状又は角筒状のフレーム部材やパイプ材を適用したものであってもよい。
第一、第二の取付部材は、左右方向に移動して、第一、第二のフレーム要素を挟むものには限られない。例えば、第一、第二の取付部材を前後方向に移動して第一、第二のフレーム要素を挟むように構成したものであってもよい。
上述した実施形態では、メモ台は、メモ台本体と取付機構とが着脱可能に別個に構成されたものについて説明したが、メモ台本体と取付機構とが一体に構成されたものであってもよい。例えば、メモ台本体に対して、取付機構を構成する第一の取付部材又は第二の取付部材の何れか一方が一体的に構成されているものであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。