JP6490920B2 - 荷電粒子装置および試料ホルダ - Google Patents

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本発明は、荷電粒子装置および荷電粒子線装置用の試料ホルダに関し、特に、試料交換時の試料ホルダに作用する力を低減する装置に関する。
荷電粒子線装置、例えば電子顕微鏡などにおいては、様々な試料を観察するために、試料を搭載した試料ホルダを抜き差しすることで試料を交換するサイドエントリーステージが採用されている。
特許文献1には、サイドエントリーステージの構成にて、試料ホルダにおける試料の観察位置が熱変形によってドリフトすることを防止する技術に関し、観察位置である試料ホルダの先端部分を固定し、かつ、バネ機構によって試料ホルダを荷電粒子線装置内に引き込む力に対して逆方向の力を発生させる構成について説明している。
特開2012−28009号公報
近年、電子顕微鏡観察においては、より高い分解能が求められており、装置の振動を低減するために、試料ホルダの径を太くして剛性を高める試みがなされている。ここで、試料ホルダの径を太くすると、荷電粒子線装置の試料室内部の真空により、試料ホルダを引き込む力が大きくなり、試料交換の際などに試料ホルダを荷電粒子線装置の外側へ引き抜く場合には、より大きな引き抜き力が必要となる。
しかしながら、特許文献1に示された構成では、試料交換の際など、固定機構と試料ホルダとの接続を解除したときに、バネ機構によって荷電粒子線装置の外側へ働く力が急激に大きくなり、試料ホルダが装置の外側に飛び出してしまうことが考えられ、作業者にとって安全面からも好ましくない。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、試料ホルダの径が太径化しても、試料交換の際に要する力を低減し、試料ホルダの抜き差しを容易に、かつ安全に実行できる装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための一態様として、試料を保持する試料ホルダと、真空の試料室と、前記試料ホルダを前記試料室へ導入する試料ステージと、を備えた荷電粒子線装置であって、前記試料ステージに接続され、前記試料ホルダの導入口を有する試料ホルダ受けを備え、前記試料ホルダ受けは、前記試料ステージに対して所定の範囲内で移動可能であり、当該接続された試料ステージおよび試料ホルダ受けにより形成される空間であって、前記試料室と外気との間の前記試料ホルダの出し入れ領域に、弾性体を配設し、前記試料ホルダを前記試料室から出し入れするときに、前記弾性体の反力を発生させることを特徴とする。
上記一態様によれば、試料交換時の試料ホルダの径が太径化しても、試料ホルダに作用する力を低減できるので、試料交換の際の試料ホルダの抜き差しを容易に、かつ安全に実行することができる。
従来の試料ホルダ1の交換作業時の操作手順における真空排気状況の例を示す図である。 従来の試料ホルダ1の交換作業時の操作手順におけるステージ蓋22を開口した状況の例を示す図である。 従来の試料ホルダ1の交換作業時の操作手順における試料ホルダ1を観察位置まで差し込んだ状況の例を示す図である。 従来の試料ホルダ1の交換作業時の操作手順における試料ホルダ1の位置と試料ホルダに作用する力の関係の例を示す図である。 実施例1の荷電粒子装置の試料ホルダ1が真空排気位置にある時の一部を断面とした構成の例を示す図である。 実施例1の荷電粒子装置の試料ホルダ1が観察位置にある時の一部を断面とした構成例を示す図である。 実施例1の試料ホルダ1の交換作業時の操作手順における試料ホルダ1の位置と試料ホルダに作用する力の関係の例を示す図である。 実施例2の荷電粒子装置の試料ホルダ1が真空排気位置にある時の一部を断面とした構成の例を示す図である。 実施例3の荷電粒子装置の試料ホルダ1が真空排気位置にある時の一部を断面とした構成の例を示す図である。 実施例4の荷電粒子装置の試料ホルダ1が真空排気位置にある時の一部を断面とした構成の例を示す図である。 荷電粒子線装置全体の基本構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、全体を通して、各図における同一の各構成部分には同一の符号を付して説明を省略することがある。
(装置構成)
図11は、本実施の形態に係る荷電粒子線装置の一例であるTEMの基本構成を示す図である。
TEM本体100は、電子銃101と照射レンズ103と対物レンズ107、投射レンズ108で構成される。試料106は、試料ホルダ105に取り付けられており、試料ホルダ105はTEM本体100の側面に設けられた試料ステージ104から内部へ導入される。投射レンズ108の下方には検出器109が設けられる。なお、本図において制御部110は各々の構成部に接続され、装置全体を制御するものとしたが、構成部ごとに独立した制御部を備えるように構成することもできる。
電子銃101より放出された電子線102は、照射レンズ103により収束され、試料106に照射される。試料106を透過した電子は対物レンズ107により結像され、その像は投射レンズ108により拡大され、検出器109上に画像が投影される。投影された画像は、制御部110を介し、図示しない出力装置により表示される。
次に、図1〜図3を用いて従来の試料ホルダの構成における試料交換時の課題について説明する。図1は従来の試料ホルダ1を差し込むときの操作手順における真空排気の状況である。図2は従来の試料ホルダ1を差し込むときの操作手順におけるステージ蓋22を開口した状況である。図3は従来の試料ホルダ1を差し込むときの操作手順における試料ホルダ1を観察位置まで差し込んだ状況である。
試料を観察する場合、試料9を試料ホルダ1の試料台11に設置し、大気圧の鏡体外空間3Bにある試料ホルダ1を、鏡体内空間3Aの真空を維持するように鏡体3の内部に差し込む。その手順としては、まず、試料ホルダ1を本図に示されるステージ2のホルダ導入口21内の位置まで差し込む。その状態で真空ポンプ24にてホルダ導入口21内の真空排気管23の開口先の部分排気空間2Aを真空排気する。部分排気空間2AはOリング13により鏡体外空間3Bと分割されている。部分排気空間2Aが鏡体内空間3Aと同程度の真空度まで、真空排気された状態が真空排気状態である。
真空排気状態になった後に、ホルダ導入口21を、閉じていたステージ蓋22を図2に示すように開放する。
そして、試料ホルダ1を図3に示す試料ホルダ1の先端の試料台11がホルダ支持装置4で支持される位置まで差し込む。この状態は、荷電粒子ビーム31が通過する位置に試料台11の試料9が設置される観察位置なので、この状態で観察する。
試料9を観察する際には、ステージ移動装置25により、ステージ2を移動させることで試料台11上の試料9を移動させる。また、ホルダ支持装置4は試料ホルダ1に作用する引込力を受けながら支持しているが、ホルダ支持装置4が試料ホルダ1の軸方向に移動機能を有している場合は、ホルダ支持装置4を移動させることで、試料9を移動させることができる。
試料9を鏡体3から取り出す場合、図3に示した試料9の観察位置から、試料ホルダ1を、図2に示した位置まで引き抜く。次に、ステージ蓋22を閉じ、図1に示した配置構成とする。そして、部分排気空間2Aを大気圧にして、試料ホルダ1をホルダ導入口21から引き抜く。
ここで、試料ホルダ1は、部分排気空間2Aが鏡体内空間3Aと同程度の真空度になっている真空排気状態では、試料ホルダ1には鏡体内外の圧力差があることと、鏡体内が真空であることから、鏡体内に試料ホルダ1を引き込む力である引込力が発生する。この引込力は部分排気空間2Aと鏡体外空間3Bの圧力差と、ホルダ導入口21の試料ホルダ1の軸方向を法線方向とする面積の積になる。
図4は、試料ホルダ1の位置を示す観察位置からの距離に対する、試料ホルダ1に作用する力を示しており、この場合は試料ホルダ1に作用する荷電粒子線装置の外側へ引き出す力は、真空による荷電粒子線装置内に試料ホルダ1を引き込む力である引込力とほぼ等しい。
試料交換作業は、前記引込力が作用している状態で、試料ホルダ1を抜き差しする必要がある。
ここで、上述の通り電子顕微鏡においては、高分解能化の観点から、試料ホルダ1の径が太くなってきている。前記引込力は、圧力差が一定の場合、ホルダ導入口21の試料ホルダ1の軸方向を法線方向とする面積、つまり、試料ホルダ1の断面積に比例する。したがって、試料ホルダ1が太くなると前記引込力も大きくなり、試料交換作業において、試料ホルダ1を引き抜く際には前記引込力よりも大きな力で引き抜く必要があり、試料交換作業に支障をきたす。
また、試料ホルダ1に作用する力が前記引込力と同じ方向の場合は、試料ホルダ1とホルダ支持装置4が接触し、支持される。上述の特許文献1では、前記引込力に対して、バネ機構によって逆方向の力を発生させているが、図3における支持装置4に相当する固定機構と、試料ホルダ1との接続がなければ、前記引込力よりも前記逆方向の力の方が大きくなるため、試料ホルダ1には前記引込力と反対方向に力が作用し、試料ホルダ1を試料9の観察位置にて固定することができない。
上記課題に鑑みた本実施の形態について以下に説明する。
本実施の形態では、ステージ2に弾性体の引出力発生装置を設けることで、試料ホルダ1に対して、荷電粒子線装置内部への引込力とは反対方向に作用する引出力を作用させた荷電粒子装置の例を説明する。ここで、以下の説明では、引出力発生装置5に関係のある構成について主に説明しており、図2に示した真空排気管23や真空ポンプ24、ステージ移動装置25については図示していないが、同様にこれらの構成を備えているものとする。
図5は、本実施の形態に係る荷電粒子装置の試料ホルダ1が真空排気位置にあるときの一部を断面とした構成の例を示す図である。本図に示す試料ホルダ1の位置は、図2に示した試料ホルダ1の位置に対応する。 本図に示すように、本実施の形態に係る荷電粒子装置は、鏡体3とステージ2、試料ホルダ1、ホルダ受け50、ばね6、試料ホルダ支持機構4、を有する。試料ホルダ1は、試料台11とグリップ12、Oリング13を有する。試料9は試料台11に設置されている。作業者は、試料交換作業時に、グリップ12を保持し、試料ホルダ1をステージ2のホルダ導入口21に差し込む。Oリング13は、試料ホルダ1とホルダ導入口21の隙間を塞ぐことで、鏡体3の内側の鏡体内空間3Aと同程度の真空度である部分排気空間2Aと、鏡体外空間3Bとの間の気密をとり、区別している。鏡体3の内側は真空であることから、試料ホルダ1に対して、鏡体内側に引き込む力である、引込力が作用する。
引出力発生機構5は、ホルダ受け50とばね51から構成される。ここで、ばね51は、試料ホルダ1が鏡体3の内側に導入されている状態で、試料ホルダ1の軸の周囲を囲うように、自然長よりも縮められ、ホルダ受け50とステージ2の内壁26により形成される空間の内部に組み込まれている。よって、引出力発生機構5は、ばね51が伸びる力により、ホルダ受け50を鏡体3の外側の方向へ押すように反力を生じさせている。一方、ホルダ受け50の一部であるストッパー内側502は、ステージ2の一部であるストッパー外側503と引っ掛かる状態となることで、ロック機構としてはたらく。このようにロックされた状態により、ホルダ受け50は、本図に示される位置よりも鏡体3の外側の方向に移動できないので、この位置が最も鏡体3から見て外側となる。
ホルダ受け50は、作業者が試料ホルダ1を鏡体3の内側に差し込む際に、グリップ12を、ホルダ支持部501で支持し、ばね51で発生する力を試料ホルダ1に作用させる。このとき試料ホルダ1には、ばね51で発生する力が鏡体3の外側へ引き出す力である、引出力が作用する。
試料ホルダ1に作用する力は、鏡体3の内側への引込力と、その反対方向にはたらく引出力の差になるので、引込力のみが作用する場合と比較して小さくなる。したがって、試料ホルダ1を抜き差しするために必要な力が小さくなり、作業者の試料交換作業が容易になる。
図6は、本実施の形態に係る荷電粒子装置の試料ホルダ1が観察位置にあるときの一部を断面とした構成の例を示す図である。本図に示す試料ホルダ1の位置は、図3に示した試料ホルダ1の位置に対応する。
図6に示すように、試料ホルダ1が観察位置にあるときは、試料ホルダ1に作用する力は鏡体3の内側方向に引込力として作用し、その力により試料ホルダ1はホルダ支持機構4に接触し、支持されている。
ホルダ支持機構4が試料ホルダ1の軸方向に移動機能を有している場合は、ホルダ支持機構4を移動させることで、試料9の位置を移動させることができる。その場合、ホルダ支持機構4は、上記の本実施の形態により試料ホルダ1に作用する合力が小さくなることで、駆動装置の出力を小さくできるので、小型化や高精度化が可能になる。
図7は、本実施の形態に係る試料交換作業時の操作手順における試料ホルダ1の位置および試料ホルダ1に作用する力の関係を示す図である。
図7の試料ホルダ1の位置と試料ホルダ1に作用する力の関係は、真空による引込力とばね51による引出力、それらの合力としての試料ホルダ1に作用する力を示している。真空による引込力は、ホルダ導入口21の試料ホルダ1の軸方向を法線方向とする面積が試料ホルダ1の位置により変化しないので、計測位置から真空排気位置まで一定の力となる。一方、ばね51による引出力は、真空排気位置から計測位置に近づくにしたがい、すなわち鏡体3の内側に進むにしたがい大きくなる。これは、引出力発生機構5が、ばね51を縮めたときに発生する復元力を利用しているので、引出力は、ホルダ受け50が最も鏡体外側となる真空排気位置が最も小さく、反対に、試料ホルダ1を計測位置に移動させるとばねが縮むので、その分だけ大きくなる。
よって、試料ホルダ1に全体として作用する合力は、ばね51による引出力の変化に合わせて、真空排気位置が大きく計測位置に近いほど小さくなる。計測位置において試料ホルダ1に作用する力は、試料ホルダ1がホルダ支持機構4に接触し、支持できるように、鏡体3の内側に引き込む方向である必要がある。したがって、計測位置における試料ホルダ1に作用する引出力は引込力よりも小さい。
本実施の形態においては、引出力を試料ホルダ1の軸が通るコイルばね型のばね51の復元力を利用する例を示したが、ばね51は、ステージ2とホルダ受け50の相対位置に応じた復元力がホルダ受け50に作用するものであれば、必ずしも試料ホルダ1の軸を通す必要はない。また、ばね51は、ばね以外でも、ステージ2とホルダ受け50の相対位置に応じた復元力がホルダ受け50に作用するその他の弾性体であれば適用できる。また、ホルダ支持装置4は試料台11を支持する例を示したが、試料ホルダ1の軸方向を支持できれば、必ずしも試料台11を支持する必要はない。
実施例1では、ステージ2に弾性体の引出力発生機構5を設けることで、試料ホルダ1に引込力とは反対方向にはたらく引出力を作用させる荷電粒子線装置の構成について説明した。本実施の形態では、さらに、ホルダ受け50の移動を拘束する機構を設けた荷電粒子装置の構成について説明する。
図8は、本実施の形態に係る荷電粒子装置の試料ホルダ1が真空排気位置にあるときの一部を断面とした構成の例を示す図である。本図に示す試料ホルダ1の位置は、図2に示した試料ホルダ1の位置に対応する。
本実施の形態では、実施例1の荷電粒子装置において、さらにホルダ受け拘束機構6を備える構成を有する。その他の構成は、既に説明した実施例1の構成と同一の機能を有するので、重複する説明を省略する。
本図に示すように、ホルダ受け拘束機構6は、拘束ピン61で、ホルダ受け50が鏡体3の内側方向へ移動することを防止している。ホルダ受け拘束機構6は、拘束ピン61を試料ホルダ1の径方向であって図中下方に移動することで、ホルダ受け50の鏡体内側方向への移動を防止する。移動防止の状態を解除する場合には、拘束ピン61を試料ホルダ1の径方向であって図中上方へ移動する。
試料交換作業において、試料ホルダ1が真空排気位置にあるときに、真空排気することで、試料ホルダ1には鏡体内側への引込力が作用する。このとき、ホルダ支持部501とグリップ12の間に隙間があると、引出力発生機構5による引出力が作用しない状態になる。この状態では、試料ホルダ1には引込力のみが作用することとなるので、試料ホルダ1に作用する合力を小さくすることができない。
本実施の形態において、ホルダ受け50の移動を防止する状態にすると、試料ホルダ1が引込力で鏡体内側に引き込まれ、ホルダ支持部501とグリップ12が接触した状態となる。その後、ホルダ受け50の移動防止を解除した状態にすると、試料ホルダ1には引出力が作用するので、その分試料ホルダ1に作用する合力が小さくなっている。作業者はホルダ受け50の移動防止を解除した状態から試料ホルダ1を支持することで、試料ホルダ1に作用する合力が小さくなった状態から作業を開始することが可能となる。
本実施の形態では、ステージに駆動装置を設けることで、試料ホルダに引込力とは反対方向に引出力を作用させる荷電粒子装置の構成について説明する。
図9は、本実施の形態に係る荷電粒子装置において、試料ホルダ1が真空排気位置にあるときの一部を断面とした構成の例を示す図である。本図に示す試料ホルダ1の位置は、図2に示した試料ホルダ1の位置に対応する。
本実施の形態では、実施例1にて説明した荷電粒子装置の構成において、引出力発生機構5のばね51に代えてホルダ受け駆動装置7を設けている。その他の構成は、既に説明した実施例1の構成と同一の機能を有するので、重複する説明を省略する。
ホルダ受け駆動装置7は空気圧を利用し、加力棒71を出し入れする装置で、ホルダ受け50を鏡体外側方向に押す力を発生させることができる。ホルダ受け駆動装置7からホルダ受け50に作用させる力は試料ホルダ1を引き出す力となるので、実施例1の引出力と同様の効果がある。また、ホルダ受け駆動装置7は空気圧を制御することで、常にほぼ一定の力を発生させることが可能である。実施例1にて説明した構成では、試料ホルダ1に作用する引出力はばね51の変形量によって変化してしまうことから、試料ホルダ1に作用する力が計測位置と真空排気位置で異なるが、本実施の形態ではその変化を低減することが可能である。
本実施の形態では、試料ホルダに引出力発生機構を設けることで、試料ホルダに引込力と反対方向の引出力を作用させた荷電粒子装置の例を説明する。
図10は、本実施の形態に係る荷電粒子装置の試料ホルダ1が真空排気位置にあるときの一部を断面とした構成の例を示す図である。本図に示す試料ホルダ1の位置は、図2に示した試料ホルダ1の位置に対応する。
本実施の形態では、実施例1にて説明した荷電粒子装置の構成のうち、引出力発生機構5をステージ2から試料ホルダ1に取り付けるように変更したものである。その他の構成は、既に説明した実施例1の構成と同一の機能を有するので、重複する説明は省略する。
引出力発生機構8は、ステージ受け80とばね81から構成される。試料ホルダ1は、ホルダ連結部82をグリップ12に連結させることで、引出力発生力機構8を固定する。ここで、ばね81は、試料ホルダ1が鏡体3の内側に導入された状態において、試料ホルダ1の軸の周囲を囲うように、自然長より縮められ、ステージ受け80とステージ受け支持部83の内壁84により形成される空間の内部に組み込まれている。よって、引出力発生機構8は、ばね81が伸びる力により、ステージ受け80を鏡体3の内側方向に押すことで、試料ホルダ1を鏡体の外側方向に押している。ステージ受け80の一部であるストッパー内側802は、ステージ受け支持部83の一部であるストッパー外側803と引っ掛かる状態となることで、ロック機構としてはたらく。このようにロックされた状態により、ステージ受け80は、グリップ12から離れる方向には移動できないので、この位置が最もグリップ12から離れた位置となる。ステージ受け80は、試料ホルダ1を鏡体内側に差し込むときに、ステージ支持部801をステージ2で支持し、ばね81で発生する力を試料ホルダ1に作用させる。試料ホルダ1には、ばね81で発生する力が鏡体外へ引き出す力である、引出力として作用する。
本実施の形態では、試料ホルダ1に引出力発生機構8を設けているので、既製の荷電粒子装置に対しても簡易に適用でき、試料ホルダ1に作用する力を小さくすることができる。
なお、本実施の形態は上述の説明に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述の説明は本実施の形態を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1・・・試料ホルダ
11・・・試料台
12・・・グリップ
13・・・Oリング
2・・・ステージ
21・・・ホルダ導入口
22・・・ステージ蓋
23・・・真空排気管
24・・・真空ポンプ
25・・・ステージ移動装置
26・・・内壁
2A・・・部分排気空間
3・・・鏡体
31・・・荷電粒子ビーム
3A・・・鏡体内空間
3B・・・鏡体外空間
4・・・ホルダ支持機構
5・・・引出力発生機構
50・・・ホルダ受け
501・・・ホルダ支持部
502・・・ストッパー内側
503・・・ストッパー外側
51・・・弾性体
6・・・ホルダ受け拘束機構
61・・・拘束ピン
7・・・ホルダ受け駆動装置
71・・・加力棒
8・・・引出力発生装置
80・・・ステージ受け
801・・・ステージ支持部
802・・・ストッパー内側
803・・・ストッパー外側
81・・・弾性体
82・・・ホルダ連結部
83・・・ステージ受け支持部
84・・・内壁
9・・・試料
100・・・TEM本体
101・・・電子銃
102・・・電子線
103・・・照射レンズ
104・・・試料ステージ
104a・・・ステージ内壁
105・・・試料ホルダ
105a・・・ホルダ先端部
106・・・試料
107・・・対物レンズ
108・・・投射レンズ
109・・・検出器
110・・・制御部

Claims (11)

  1. 試料台とOリングを有し前記試料台に試料を保持する試料ホルダと、
    真空の試料室と、
    試料ホルダ導入口を有し前記試料ホルダを前記試料室へ導入する試料ステージと、を備え
    前記Oリングは前記試料ホルダと前記試料ホルダ導入口の隙間を塞ぎ、
    前記試料ホルダは、前記試料台が前記試料室内に位置する計測位置と、前記試料台を前記試料ホルダ導入口内に位置させて前記Oリングにより試料室外空間と分割された前記試料ホルダ導入口内の空間を真空排気する真空排気位置に移動するものである、荷電粒子線装置であって、
    前記試料ステージに接続され、所定物を導入する導入口を有する受け部を備え、
    前記受け部は、前記試料ステージに対して所定の範囲内で移動可能であり、
    前記接続された試料ステージおよび受け部により形成される空間に弾性体を配設し、
    前記所定物を前記試料室から出し入れするときに、前記弾性体の反力を発生させ、
    前記試料ホルダが前記真空排気位置にあるときに前記受け部を介して前記弾性体の反力を前記試料ホルダに作用させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載された荷電粒子線装置であって、
    前記所定物は前記試料ホルダであって、
    前記受け部は試料ホルダ受けであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2に記載された荷電粒子線装置であって、
    当該発生される反力は、前記試料ホルダが前記試料室内に引き込まれる力に対して反対方向に作用することを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項3に記載された荷電粒子線装置であって、
    当該発生される反力は、前記試料ホルダが前記試料室内に引き込まれる力よりも小さいことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項2に記載された荷電粒子線装置であって、
    前記試料ステージは、前記試料ホルダ受けの移動を制限する拘束部材をさらに備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 試料台とOリングを有し前記試料台に試料を保持する試料ホルダと、
    真空の試料室と、
    試料ホルダ導入口を有し前記試料ホルダを前記試料室へ導入する試料ステージと、を備え
    前記Oリングは前記試料ホルダと前記試料ホルダ導入口の隙間を塞ぎ、
    前記試料ホルダは、前記試料台が前記試料室内に位置する計測位置と、前記試料台を前記試料ホルダ導入口内に位置させて前記Oリングにより試料室外空間と分割された前記試料ホルダ導入口内の空間を真空排気する真空排気位置に移動するものである、荷電粒子線装置であって、
    前記試料ステージに接続され、所定物を導入する導入口を有する受け部を備え、
    前記受け部は、前記試料ステージに対して所定の距離を移動可能であり、
    当該接続された試料ステージおよび受け部により形成される領域に、前記所定物が前記試料室内へ引き込まれる力に対して反対方向に作用する引き出し力を発生し、前記受け部を駆動する受け部駆動機構を備え、
    前記所定物を前記試料室から出し入れするときに、前記受け部駆動機構の引き出し力を発生させ、
    前記試料ホルダが前記真空排気位置にあるときに前記受け部を介して前記受け部駆動機構の引き出し力を前記試料ホルダに作用させることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項6に記載された荷電粒子線装置であって、
    前記所定物は前記試料ホルダであって、
    前記受け部は試料ホルダ受けであることを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項7に記載された荷電粒子線装置であって、
    当該発生される引き出し力は、前記試料ホルダが前記試料室内に引き込まれる力よりも小さいことを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 真空の試料室と、
    試料ホルダ導入口を有し試料を前記試料室へ導入する試料ステージと、を備えた荷電粒子線装置用の試料ホルダであって、
    一端部に試料を保持する試料台を、他端部にグリップ部をそれぞれ備えた軸状の本体部と、
    前記本体部が前記試料ステージの前記試料ホルダ導入口に導入されたときに前記本体部と前記試料ホルダ導入口の隙間を塞ぐOリングと、
    前記本体部が前記試料ステージの前記試料ホルダ導入口に導入されるときに前記試料ステージと接触する試料ステージ受けと、前記試料ステージ受けと前記グリップ部との間に設けられた試料ステージ受け支持部と、を備え、
    前記試料ホルダは、前記試料台が前記試料室内に位置する計測位置と、前記試料台を前記試料ホルダ導入口内に位置させて前記Oリングにより試料室外空間と分割された前記試料ホルダ導入口内の空間を真空排気する真空排気位置に移動するものであり、
    前記試料ステージ受けは、前記試料ステージ受け支持部に対して所定の範囲内で移動可能であり、
    前記試料ステージ受け、前記試料ステージ受け支持部により形成される空間に弾性体を配設し、
    前記本体部を前記試料室から出し入れするときに、前記弾性体の反力を発生させ、
    前記試料ホルダが前記真空排気位置にあるときに前記弾性体の反力を前記試料ホルダに作用させることを特徴とする試料ホルダ。
  10. 請求項9に記載された試料ホルダであって、
    当該発生される反力は、前記試料ホルダが前記試料室内に引き込まれる力に対して反対方向に作用することを特徴とする試料ホルダ。
  11. 請求項10に記載された試料ホルダであって、
    当該発生される反力は、前記試料ホルダが前記試料室内に引き込まれる力よりも小さいことを特徴とする試料ホルダ。
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