JP6490398B2 - エレベータ - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータに関するものである。本エレベータは、とくに、乗客および/または貨物の輸送用のエレベータである。
エレベータは通常、エレベータ制御システムの制御下でエレベータ乗りかごを駆動させる駆動装置を有する。駆動装置は一般的に、モータ、および乗りかごに連結されたエレベータ用索具類と係合する駆動ホイールなどの回転駆動部材を備える。これにより、駆動力がモータから駆動部材および索具類を介して乗りかごに伝達される。一般的にエレベータは、回転駆動部材の一方の側に配されたロープ部によって懸垂されるカウンタウェイトと、回転駆動部材の他方の側に配されたロープ部によって懸垂される乗りかごとを備える。カウンタウェイトは、乗りかごを懸垂していない側のロープ部に張力を与える。また、カウンタウェイトを備えていないエレベータも存在する。このようなカウンタウェイトレスエレベータは、回転駆動部材の一方の側に配されたロープ部によって懸垂される乗りかごを備え、回転駆動部材の他方の側には、当該他方側に配されたロープ部をしっかりと張らせるある種の引っ張り構造を備える。このような引っ張り構造では、通常、回転駆動部材の両側のロープを同じ比率で乗りかごに連結することによって、ロープが大きくたるむことを解消する。その結果、乗りかごが上方向に動くときには、乗りかごを懸垂していないロープ部も乗りかごと共に走行するため、ロープが昇降路のいずこかに溜まることがない。また、引っ張り装置を用いて張力をさらに増加させてもよい。次の1つ以上の理由により、引っ張り装置の使用が必要となり得る。第1に、乗りかごを懸垂していないロープ部のロープ張力を増加させることにより、回転駆動部材と接しているロープ部分の全長にわたって確実にロープを回転駆動部材によってしっかりと支持でき、具体的には両者間の係合を十分に堅固にする垂直抗力が得られる。第2に、前述のとおり、乗りかごを懸垂していないロープ部のロープ張力を増加できるため、ロープが跳ねてロープの経路沿いに配設されたガイドプーリから外れないようにできる。また、多くのエレベータ装置において、ロープの長さは乗りかご位置に応じて若干変わる。この現象によって生じる問題は、乗りかごを懸垂していないロープ部をしっかりと張らせることによって解消できる。種類の異なる既存のカウンタウェイトレスエレベータが数多く存在し、下記の特許文献1にその例が開示されている。
既存のカウンタウェイトレスエレベータでは、引っ張り装置の全体構造のみならずロープ配置の設計が簡易かつコンパクトになるようにシステムを構成することが困難であった。ローピングに関する問題点は、複雑に配置された多数のロープが必要となることであった。また、既存の方式では、引っ張り装置をコンパクトに設計および寸法取りして、さらに十分な引っ張り能力を得ることは困難であった。特に、可動引っ張り部材の可動範囲が長くなるように設計および寸法取りされていた。その場合の問題点は、引っ張り装置および索具類の空間消費量により、空間効率のよい位置決めが困難になることであった。
国際公開第2004/041699号
本発明は、とりわけ、上述の公知の方式における難点および本明細書にて後述する問題点を解決することを目的とする。また、本発明は、より簡易となり空間効率が改善されたカウンタウェイトなしのエレベータを提供することを目的とする。特に、索具類および索具類に効力を及ぼす引っ張り装置を含む巻上げ機能の空間効率および簡素性を向上できる。とりわけ、索具類を構成するロープの束の配置を簡単かつコンパクトにする実施形態を示す。またとりわけ、引っ張り機構の引張力を従来の機構と同等の大きさにせずとも、輸送力の面で良好な機能性を維持できる実施形態を示す。特に、エレベータの他のいくつかの特性における妥協を少なくまたは最小限にとどめて上述の利点を実現できる実施形態を示す。
本発明は上述の課題を解決するために、昇降路と、昇降路内を垂直に移動可能な乗りかごと、1または複数の懸垂ロープと、懸垂ロープと係合する回転駆動部材とを有し、懸垂ロープはそれぞれ、駆動部材の第1の側に第1のロープ部を、駆動部材の第2の側に第2のロープ部を含み、各ロープ部は乗りかごに連結され、第1のロープ部が乗りかごを懸垂し、さらに、第2のロープ部を張架させるよう配置されている引っ張り装置を有する新たなカウンタウェイトなしのエレベータを提供する。ロープはそれぞれベルト状であり、1または複数の荷重支持部を含み、荷重支持部はポリママトリックスに埋め込まれた強化繊維を含む複合材料製であり、強化繊維は炭素繊維である。巻上げロープについてこの種の断面形状、構造、および素材選択全般によって、特にロープの数ならびにロープ束の断面空間消費率の削減が可能になるため、巻上げロープを含む索具類が容易に簡易化される。重要なのは、各ロープについてこの種の断面形状、内部構造および素材選択全般によって、引っ張り装置の引張力が軽減することであり、最も重要なのは、優れた特性によってコンパクトな構造で高い縦剛性が得られるということである。その結果、輸送能力、空間消費および簡略性の面で優れた機能性を有するカウンタウェイトなしのエレベータを実現することができる。
また、改良形態において、荷重支持部はロープの長手方向に平行である。これにより、ロープが引っ張られると荷重支持部は力の働く方向に配向し、ロープの引張剛性および強度が高まる。さらに、強化繊維は荷重支持部の長手方向に平行であることが好ましい。特に、同一の荷重支持部内の強化繊維は相互に撚られていないことが好ましい。これにより、当該荷重支持部が引っ張られると強化繊維が力の方向を向く。その結果、荷重支持部の引張剛性および強度が良好になる。
さらなる改良形態において、第2のロープ部は第2のロープ部の引っ張り装置にある可動するように取り付けられた引っ張り部材に連結され、引っ張り部材は第2のロープ部を引っ張るように動く。示されるように、長手方向に優れた引張剛性をもたらすロープ構造であるため、可動の引っ張り部材の移動に必要な距離を短くして、この種の簡易で小型の引っ張り装置を使用することができる。これにより、エレベータの簡素性および空間効率が向上する。
さらなる改良形態において、引っ張り装置は乗りかごの側部に、または乗りかごの垂直投影のそば、特に乗りかごの走行路のそばにある固定昇降路構造体に取り付けられる。この配置は、上述のコンパクトな特定のロープ構造およびロープ形状を用いることにより可能となる。
さらなる改良形態において、引っ張り装置は、引っ張り装置は乗りかごの側部に、または乗りかごの垂直投影のそばにある固定昇降路構造体、特にエレベータ乗りかごの経路のそばに取り付けられ、引っ張り部材は乗りかごの側壁面および/または昇降路内壁面に平行な垂直面に沿って動いて第2のロープ部を引っ張る。上述のとおりロープ構造がコンパクトであるため、エレベータの空間効率を過度に低減させることなく、エレベータをかくのごとく構成できる。そのため、引っ張り装置を乗りかごと同じ空間に配置できる。引っ張り部材は特に、乗りかごの側壁面および/または昇降路の内壁面と平行な面に沿って生じる回転運動および/または直線運動によって移動可能であることが好ましい。
さらなる改良形態において、引っ張り部材は乗りかごの垂直側壁面と昇降路の垂直内壁面の間に設けられる。
さらなる改良形態において、乗りかごを懸垂する第1のロープ部は乗りかごの重みによって張られ、さらに第2のロープ部の引っ張り装置に進むように案内され、力の伝達手段によって可動するように取り付けられた引っ張り部材に接続され、第1のロープ部のロープ張力によって引っ張り部材を引っ張ることにより、引っ張り部材が動いて第2のロープ部を張架する。そのため、第1のロープ部を使用して、補助的な作動装置を用いる必要なしに、引っ張り装置の引っ張り部材に力をかけることができる。
さらなる改良形態において、第1のロープ部の端部は力の伝達手段によって可動するよう取り付けられた引っ張り部材に連結、例えば固定されることにより、第1のロープ部のロープ張力によって引っ張り部材が引っ張られ、引っ張り部材が動いて第2のロープ部を張らせる。このようにして、第1のロープ部の端部が提供されながらも、上述の連結が平易に行われる。
さらなる改良形態において、引っ張り部材は張り車の形態をとり、張り車の周縁部を第2のロープ部が走行し、引っ張り部材は張り車の半径方向および/または張り車の軸を中心に可動して第2のロープ部を張架する。述べられた構造を有するロープにより、優れた引張剛性を有する小型で簡易な構造のロープ束を容易に形成することができる。それにより、ロープ束の空間消費率、耐荷能力および可動張り車の空間消費率の観点から、プーリ型の引っ張り装置に良好な機能性をもたらすことができる。好適には、張り車の回転面は乗りかごの側壁面および/または昇降路の内壁面と平行である。これにより、張り車の半径寸法は空間消費による厳しい制限を受けない。第1の好適な類型では、引っ張り部材は張り車の形態をとり、張り車の周縁部を第2のロープ部が走行し、引っ張り部材は張り車の半径方向に動いて第2のロープ部を張架し、第2のロープ部分はさらに第2のロープ部分の端部に固定されたロープ固定具へ走行し、第1のロープ部の端部は力の伝達手段によって(例えば、固定)可動するように取り付けられた張り車に接続され、第1のロープ部のロープ張力によって張り車を引っ張ることにより、張り車は半径方向に動いて第2のロープ部を張架する。これにより、簡単に長い移動範囲を獲得できる。第2の好適な類型では、引っ張り部材は張り車の形態をとり、張り車の周縁部を第2のロープ部が走行し、第2のロープ部は張り車のリムに固定され、引っ張り部材は自軸を中心に動いて第2のロープ部を張架し、第1のロープ部の端部は力の伝達手段によって可動するように取り付けられた張り車に接続され、第1のロープ部のロープ張力によって張り車を引っ張ることにより、張り車は回転して第2のロープ部を張架する。これにより、半径方向の空間消費を最少にとどめて、長い移動範囲を獲得できる。この場合、第1のロープの端部は、力の伝達手段によって、引っ張り装置に含まれる伝達プーリを介して可動に装着された張り車に連結されることが好ましく、伝達プーリは自軸を中心に定置にて張り車と同軸上で動作可能であり、第2のロープ部は伝達プーリの周縁を走行し、伝達プーリのリムに第1のロープ部が固定される。次いで、第1および第2のロープ部はそれぞれ対応するプーリに取り付けられ、ロープ張力によって張り車を引っ張って、張り車を反対の回転方向に回転させて相互に作用し合い、張り車の直径を好適には伝達プーリの直径よりも大きくすることにより、両者間にてこの作用が発生する。てこの作用には、引張力を所望の大きさにできるという利点があるだけでなく、引っ張りによる移動範囲を十分に確保できるという効果もある。
さらなる改良形態において、ロープはそれぞれ、ロープの長手方向を向いた長尺状の案内リブおよび長尺状の案内溝を備えた少なくとも1つの起伏面を有し、起伏面はエレベータの1または複数のロープホイールの起伏を有する周縁部に接して走行するように取り付けられ、周縁部は長尺状の案内リブおよび長尺状の案内溝を備え、起伏を有する周縁部はロープの起伏面に対応する面を形成する。
さらなる改良形態において、エレベータは複数のロープを有し、好ましくはちょうど2本であり、これらのロープはロープの幅方向に相互に平行して、少なくとも実質的に共通する平面上を隣り合って走行する。
さらなる改良形態において、ロープはそれぞれ、ロープの長手方向を向いた長尺状の案内リブおよび長尺状の案内溝を備えた少なくとも1つの起伏面を有し、少なくとも第1または第2のロープ部の起伏面はエレベータのロープホイールの起伏を有する周縁部に接して走行するように取り付けられ、周縁部は長尺状の案内リブおよび長尺状の案内溝を備え、起伏を有する周縁部はロープの起伏面に対応する面を形成し、ロープホイールから第1または第2のロープ部は下または上に向かって引っ張り装置へ、特に引っ張り装置のプーリへ走行し、ロープ部の長手軸周りに向きを変える。これにより、引っ張り装置に到来するロープ部は、ロープずれの問題や危険性が生じることなく、最適な配置でプーリを周回して引っ張り装置に到達できる。具体的には、このようにしてコンパクトに、すなわち回転面を乗りかごの壁面または昇降路の壁面に平行して配置されたプーリのリムにロープを案内する。これは、当該ロープ部を上述の面の間にある同一の特定空間内で方向転換させることで可能となり、それにより、ロープの他の部分を一般の懸垂機構の最適性を損なうことなく自由に案内できる。この場合、ロープ束がコンパクトであるため、ロープの方向転換に要する空間を減らせるだけでなく、ロープのずれに伴う問題も軽減できるという利点がある。方向転換角度は、例えば90度でよい。好適には、すべてのロープは上述の方式で、相互に対する位置(平行で少なくとも実質的に同一平面上にあり、幅方向に隣接する位置)を維持しながら向きを変える。すなわち、これらのロープで構成されるロープ束全体が、ロープ束の長手軸を中心として向きを変える。
さらなる改良形態において、エレベータは、乗りかごの垂直側壁面および/または昇降路の垂直内壁面に平行する回転面をもつ1または複数のロープホイールを有し、ロープホイールは、乗りかごの側部、または乗りかごから離れた、乗りかごの垂直投影に近い位置に装着され、ロープは、ロープの幅方向に延びる軸を中心として、ロープホイールの周縁部を周回する。
さらなる改良形態において、第1および/または第2のロープ部は引っ張り装置に向かって走行し、乗りかごの垂直投影および昇降路の垂直内壁面の間にある空間内でロープ部の縦軸周りに向きを変える。そのため、乗りかごおよび昇降路の壁面によって制限された空間内のロープには、ロープの幅方向が上述の面に平行にならない部分ができる。
好適な一実施形態において、張り車を使用する実施形態の別例として、引っ張り部材は回転軸を介して回転可能に取り付けられた引っ張りレバーの形態を採り、第1および第2のロープ部をそれぞれ引っ張りレバーに固定し、各ロープのロープ張力によって引っ張りレバーを引くことにより、レバーを反対の回転方向に回転させ、好適には第1のロープ部を第2のロープ部よりも回転軸に近い位置に固定することで、両ロープ部の間にはてこの作用が生じる。
さらなる改良形態において、引っ張り装置は乗りかごまたは固定された昇降路構造体に取り付けられる。
好適な一実施形態において、第1のロープ部は駆動部材から送り出されて乗りかごに取り付けられたロープホイールの下側を周回し、ロープホイールを介して乗りかごを懸垂するよう配置され、第2のロープ部は駆動部材から送り出されて乗りかごに取り付けられたロープホイールの上側を周回し、さらに引っ張り装置に伝わるように配置される。
好適な一実施形態において、索具類はちょうど2本のロープを有する。そのため、ロープは幅広で(ベルト状で)、本数が少ないため。隣り合うロープ間の非耐荷間隙を最小にできる。したがって、個々のロープの幅およびロープ束に必要な総空間を耐荷機能に対し非常に有効に活用できる。その結果、ロープが接触するホイールを軸方向に小さくできるだけでなく、各ホイールに到来するロープ束の空間消費を少なくすることもできる。したがって、各ホイールは、乗りかごの壁面と昇降路の壁面の間にある空間が非常に狭くても問題なく収まるはずである。このように、2本のロープを備えることにより、1本のロープのみに頼ることがないため、エレベータの安全性が高まる。
好適な一実施形態において、荷重支持部は一般的なエラストマコーティングに埋め込まれる。ロープはベルト状であり、例えば摩擦接触による効率的な力の伝達を可能とする大きな表面積を備える。力の伝達はエラストマコーティングによって容易になる。好適な実施形態においては、コーティングによってロープに起伏形状が形成される。
好適な一実施形態において、ロープはそれぞれ複数の荷重支持部を含み、荷重支持部はベルト状ロープの幅方向に隣り合った状態で間隔をあけて設けられている。
好適な一実施形態において、ロープの厚みに対する幅の比は少なくとも4であり、好適には少なくとも8である。これにより、ロープの曲げ耐性は低くとも、耐荷を支持する総断面積を広大にできる。
好適な一実施形態において、荷重支持部の厚みに対する幅の比は少なくとも8であり、また、好ましくはそれ以上である。これにより、ロープの曲げ耐性は低くとも、非耐荷領域を最小限に抑えて負荷を支持する総断面積を広大にすることができる。
さらなる改良形態において、荷重支持部は、ベルト状ロープの幅方向で測定した場合、厚みよりも幅の方が大きい。さらに別の改良形態において、各ロープは少数の耐荷部で構成されるが、ロープ幅が広いゆえにこの構成が可能となる。好適な一実施形態において、各ロープはちょうど1本の荷重支持部を有する。そのため、非耐荷断面積を最小限に抑えられる。したがって、ロープの幅を有効に利用してロープ束の寸法を最小限に抑えることができる。好適な別形態において、各ロープは、ロープの幅方向に隣り合うちょうど2つの荷重支持部を含む。これにより、隣り合う荷重支持部間の非耐荷領域を最小にすることができ、1つの荷重支持部のみに依存しなくてすむ。2つの荷重支持部は、ロープの長さ方向に平行であり、ロープの幅方向において同一面上に配設される。
エレベータの好適な一実施形態において、ロープの暑さ方向から測定した各荷重支持部の厚さは0.8mm〜1.5mmであり、好適には1mm〜1.2mmである。これにより、上述の記載で特定したロープは、コンパクトさ、牽引能力および引張特性に関し、最適な特性の組み合わせを有し、このことは特に、狭い空間に配置されたホイール、具体的には上述の乗りかごの壁面と昇降路の内壁面の間に配置されたホイールの周りをロープが走行するエレベータにとって重要なことである。好適には、同一のロープにある1つの荷重支持部の幅または2つの荷重支持部の合計幅は、20mm〜30mmである。2本のロープの荷重支持部の幅の合計は、40mm〜60mmであることが好ましい。これは、最大の積載重量および空間効率を備えたエレベータを実現するために最適な寸法の組み合わせである。
さらなる改良形態において、ロープの荷重支持部はロープの幅の大部分を占め、好適にはロープ幅の70%以上、より好適には75%以上、さらに好適には80%以上を占め、85%以上を占めることが最も好ましい。このように、ロープ幅の少なくとも大部分を有効に活用し、ロープを屈曲方向に対して軽量かつ薄く形成して曲げ抵抗を低減させてもよい。
さらなる改良形態において、ポリママトリックスの弾性率(E)は2GPaより大きく、最適には2.5GPaより大きく、さらに最適には2.5〜10GPaで、なかでも最適なのは2.5〜3.5GPaの範囲内である。これにより、特に強化繊維が座屈しないようにマトリックスが実質的に繊維を支える構造を実現できる。この場合は特に、耐用年数が長くなるという利点を得る。 さらなる改良形態において、個々の強化繊維はポリママトリックス内に均一に配置される。好適には、荷重支持部の正方形断面積の50%超が強化繊維で構成される。また、荷重支持部がロープの断面の50%超を占めていることが好ましい。これによって、高い引張剛性が容易に得られる。
第1のロープ部および第2のロープ部は、同じ懸垂比で乗りかごに連結することが好ましい。好適には、エレベータは、回転駆動部材と駆動部材を回転させる電動モータなどの駆動源とを含む駆動装置を有する。回転駆動部材は、昇降路に配置することが好ましい。上述したようにエレベータは建物の内部に設置されることが好ましいが、必ずしもこの限りではない。乗りかごは、2以上の乗り場で利用できるように配置されることが好ましい。乗りかごは、好適には乗り場からの呼びおよび/または乗りかご内で発せられる目的階指定に応答して、乗り場上および/またはエレベータ乗りかご内の乗客に対応する。好ましくは、乗りかごは一人以上の乗客を収容するのに適した内部空間を有し、閉じた内部空間を形成するドアを備えていてもよい。
本発明によれば、輸送能力、空間消費および簡略性の面で優れた機能性を有するエレベータを実現することができる。
次に、添付図面を参照して本発明に係る実施例をより詳細に説明する。
本発明の第1の実施例に係るエレベータを概略的に示す図である。 図1のA−Aから見た図を示し、図1のエレベータが好適に採り得る構造の一例を示している。 図1のA−Aから見た図を示し、図1のエレベータが好適に採り得る構造の別の例を示している。 図1のA−Aから見た図を示し、図1のエレベータ好適に採り得る構造のさらに別の例を示している。 本発明の第2の実施例に係るエレベータを概略的に示す図である。 図3のB−Bから見た図を示す。 図3のC−Cから見た図を示し、図3のエレベータが好適に採り得る構造の一例を示している。 図3のC−Cから見た図を示し、図3のエレベータが好適に採り得る構造の別の例を示している。 図3のC−Cから見た図を示し、図3のエレベータ好適に採り得る構造のさらに別の例を示している。 好適に採り得るロープ構造の一例を示す図である。 好適に採り得るロープ構造の別の例を示す図である。 荷重支持部の好適な内部構造を示す図である。
図1および図3は、好適な実施例によるカウンタウェイトなしのエレベータを示す。エレベータは、昇降路H、昇降路H内を垂直に移動可能なエレベータ乗りかご1、およびエレベータ制御システム(図示せず)の制御下でエレベータ乗りかご1を駆動する駆動装置M、M’を有する。駆動装置M、M’は、本例では昇降路Hの上部に配置されている。駆動装置M、M’は、モータ9、9’および1本以上の懸垂ロープ2、2’と係合する回転可能な駆動部材3、3’を有する。懸垂ロープは回転駆動部材3、3’を周回して走行し、乗りかご1に連結されている。これにより、駆動力をモータ9、9’から回転駆動部材3、3’および懸垂ロープ2、2’を介して乗りかご1に伝達できる。本実施例では回転駆動部材3、3’は駆動輪の形態で使用される。1本以上の懸垂ロープ2、2’は、1本の懸垂ロープのみで構成されてもよいが、好適には各図に示すように平行に配置された複数本の懸垂ロープで構成される。
懸垂ロープ2、2'はそれぞれ、駆動部材3、3’の第1の側に第1のロープ部2a、2a’を、駆動部材3、3’の第2の側に第2のロープ部2b、2b’を有し、ロープ部2a、2bはそれぞれ乗りかご1に連結され、第1のロープ部2a、2a’は乗りかご1を懸垂する。エレベータはさらに、第2のロープ部2b、2b’を張架するように配置された引っ張り装置4を有する。これにより、第2のロープ部2b、2b’の張りを維持することができる。それぞれのロープ2、2'はベルト状であり、1または複数の荷重支持部7、7’を含む。荷重支持部7、7’はポリママトリックスmに埋め込まれた強化繊維fを含む複合材料から作られ、強化繊維fは炭素繊維である。
このような巻上ロープ2、2’の全体的な断面形状、構造および素材選択により、巻上ロープ2、2'を含むローピングの簡素化が容易になる。なぜならば特に、ロープの本数のみならずロープ束の断面空間消費も削減できるためである。重要なことは、このような各ロープの全体断面形状、内部構造および素材選択によって、引っ張り装置4a、4b、4c;4a’、4b’、4c’の引き締め能力を低減できることであり、さらに重要なことは、性能が優れているため、コンパクトな構造ながらも長手方向に高い剛性が得られることである。そのため、引っ張り装置4a、4b、4c、4a’、4b’、4c’を簡易構造で小型に設計することができる。炭素繊維を素材とするため荷重支持部7、7’は剛性に優れるものの、ロープの長手方向の剛性を最大限に高めるためには、できる限り荷重支持部7、7’をロープの長手方向に平行にし、強化繊維fを荷重支持部7、7’の長手方向に平行にすることが好ましい。ゆえに、ロープにねじれが起こらず、その結果として長手方向において高い引張剛性を有する構造が得られる。
図1に示すエレベータでは、各ロープ2の第1のロープ部2aは、静止位置で回転するように据えられた駆動部材3からエレベータ乗りかご1に伝わるように、具体的には乗りかご1に取り付けられたロープホイール10の下側を周回し、これによってロープホイール10を介して乗りかごを懸垂するように配置される。ロープ2はさらに、静止位置で回転するように据え付けられたロープホイール11を通過するよう案内される。第2のロープ部2bは、駆動部材3を通って乗りかご1に取り付けられたロープホイール12を周回するように配置される。それによって、第2のロープ部2bは乗りかご1と共に走行するように配置されるので、乗りかごの移動中に昇降路Hのどこかでロープが溜まってしまわない。第2のロープ部2bはさらに、第2のロープ部2bをよりきつく張らせるように配置されている引っ張り装置4a、4b、4cへと案内される。このようにして、乗りかごを懸垂していないロープ部2bのロープ張力を増加させることにより、回転駆動部材3に接触しているロープ部分の全長にわたって確実に回転駆動部材によってしっかりと支持され、具体的には両者間の係合を十分に堅固にする垂直抗力が得られる。このようにして、例えば乗りかごの位置または荷重の変化に応じて生じるロープの長さの変化に起因するロープ張力の低下もまた解消できる。これにより、ロープ2が跳ねてガイドホイール12、13から外れる可能性も低減できる。
本説明に係る実施例では、第1のロープ部2aおよび第2のロープ部2bは同じ比率(懸垂比)で乗りかご1に連結され、本例ではロープ2のロープ部2aおよび2bはそれぞれ1組のロープホイール10、12のみを介して乗りかご1に連結されるため、懸垂比は2:1となる。駆動部材3の第1の側に配された第1のロープ部2aは駆動部材3から乗りかご1へ伝わって第1のロープループを形成し、第1のロープループは乗りかご1に取り付けられたロープホイール10を介して乗りかご1を懸垂する。駆動部材3の第2の側に配された第2のロープ部2bは乗りかご1へ通って第2のロープループを形成し、第2のロープループは乗りかご1に取り付けられたロープホイール12を介して乗りかご1によって懸垂される。乗りかごを懸垂する第1のロープループは、乗りかご1の行路の上端部に取り付けられた上部ロープホイール3および11の間に形成され、第2のロープループは、乗りかご1の行路の下端部に取り付けられた下部ロープホイール13および14の間に形成される。本実施例では、すべてのロープホイール3、10、12、13、14および11の回転面は実質的に同一平面上にあるため、各ロープ2は実質的にねじれることなく平面に沿って通っている。ロープは、ロープ2の幅方向に延びる軸を中心として回転するすべてのロープホイール3、10、12、13、14および11を通過する。図1をより理解しやすくするために、ロープ2を単なる線で示している。図2aないし図2cは、ロープホイール11および14の間におけるロープ2の好適な配置を示す。
図3に示すエレベータでは、各ロープ2’の第1のロープ部2a’は、静止位置で回転するように取り付けられた駆動部材3’からエレベータ乗りかご1’へ通過するように、具体的には乗りかご1に取り付けられたロープホイール10’の下側を周回するように配置され、これによってロープホイール10’を介して乗りかご1を懸垂する。ロープ2'はさらに上方に案内され、静止位置で回転するように取り付けられたロープホイール11’を通過する。第2のロープ部2b'は、駆動部材3’から乗りかご1に取り付けられたロープホイール12’を周回するように配置される。そのため、第2のロープ部2b’は乗りかご1とともに走行する配置となり、乗りかごの移動中にロープが昇降路Hのどこかに溜まってしまわない。第2のロープ部2b'はさらに引っ張り装置4a'、4b’、4c’に案内され、引っ張り装置は第2のロープ部2b'をよりきつく張らせるように配置される。このようにして、乗りかごを懸垂していないロープ部2b'のロープ張力を増加させることにより、ロープ2’が回転駆動部材3’に接触しているロープ2’の部分の全長にわたって確実に回転駆動部材によってしっかりと支持され、具体的には両者間の係合を十分に堅固にする垂直抗力が得られる。このようにして、例えば乗りかごの位置または荷重の変化に応じて生じるロープの長さの変化に起因するロープ張力の低下もまた解消できる。これにより、ロープ2’が跳ねてガイドホイール12’、13’から外れる可能性も低減できる。
本説明に係る実施例では、第1のロープ部2a’および第2のロープ部2b’は同じ比率(懸垂比)で乗りかご1に連結され、本例ではロープ2’のロープ部2a’および2b’はそれぞれ1組のロープホイール10’、12’のみを介して乗りかご1に連結されるため、懸垂比は2:1となる。駆動部材3’の第1の側に配された第1のロープ部2a’は駆動部材3’から乗りかご1へ伝わって第1のロープループを形成し、第1のロープループは乗りかご1に取り付けられたロープホイール10’を介して乗りかご1を懸垂する。駆動部材3’の第2の側に配された第2のロープ部2b’は乗りかご1へ伝わって第2のロープループを形成し、第2のロープループは乗りかご1に取り付けられたロープホイール12’を介して乗りかご1によって懸垂される。乗りかごを懸垂する第1のロープループは、乗りかご1の行路の上端部に取り付けられた上部ロープホイール3’および11’の間に形成され、第2のロープループは、乗りかご1の行路の下端部に取り付けられた下部ロープホイール13’および14’の間に形成される。
本実施例では、動力源9’と同様に回転駆動部材3'を乗りかご1の垂直投影のそばに配置することにより、乗りかご1の行路を空間効率の良い方法で可能な限り昇降路端方向に延伸できる。回転駆動部材3'を、昇降路壁と乗りかごの垂直投影との間の昇降路空間に配置することが特に好ましい。このため、動力源9’(例えば電動モータ)のみならず回転駆動部材3’も、乗りかご1の側壁面(すなわち、乗りかご1の平坦な側壁と同一平面上にある面)および/または昇降路の内壁面に平行な回転面を有している。ロープ2’が回転駆動部材3'から案内されてくるロープホイール10'、13'はそれぞれ、回転駆動部材3’の回転軸に対して直角の回転軸を有する。そのため、ロープ2’はこれらのロープホイールに向かって下降し、各々の長軸を中心に90度回転する。
図2aないし図2cは、図1に示すエレベータに関連して選択可能な引っ張り装置を示す。図5aないし図5cはさらに別の引っ張り装置を示し、これらの引っ張り装置の引張原理は図2aないし図2cに示すものに対応しているが、図3に示すエレベータに関連するものである。いずれの場合にも、第2のロープ部2b、2b’は、第2のロープ部2b、2b’の引っ張り装置4a、4b、4c;4a’、4b’、4c’にある可動するように取り付けられた引っ張り部材5a、5b、5c;5a’、5b’、5c’に連結され、引っ張り部材を動かして第2のロープ部2b、2b’をピンと張ることができる。引っ張り部材の作動は、第2のロープ部2b、2b’を張るために必要とされる。ロープ2、2’が上述のような構造を有している場合、作動範囲は短いまたは小さいため、ロープはその縦方向において堅い。作動範囲は、引っ張り装置の寸法の他にシステムの簡素性とも関係する。したがって、ロープ2、2’は縦方向に堅いことにより、引っ張り装置をより簡易で小型なものにできる。その結果、十分な作動範囲を確保することもできる。これは、揚程が高く、ゆえに負荷および/または乗りかご位置の変化によってロープの伸びが大きくなるエレベータでは特に困難である。
いずれの場合にも、引っ張り装置4a、4b、4c;4a’、4b’、4c’ が乗りかご1の側部または乗りかごから離れた場所(例えば、定置型の昇降路構造体)のどちらかに取り付けられ、乗りかご1の垂直投影のそば(図示の例においては具体的にはエレベータ乗りかご1の行路のそば)に位置する場合、エレベータは良好に稼働する。各例において、引っ張り部材5a、5b、5c;5a’、5b’、5c’が、乗りかごの側壁面および/または昇降路の内壁面に平行な平面に沿って移動して、第2のロープ部2b、2b’をしっかりと張らせる。そのため、引っ張り動作のためにエレベータ乗りかご1の行路の脇に大きな昇降路空間を設ける必要はない。
好適な実施例では、可動引っ張り部材5a、5b、5c;5a’、5b’、5c’は、力を伝達する方式によって第1のロープ部2a、2a’と第2のロープ部2b、2b’を互いに連結させる。具体的には、乗りかごを懸垂する第1のロープ部2a、2a’を乗りかご1の重みによってピンと張り、さらに第2のロープ部2b、2b’の引っ張り装置4a、4b、4c;4a’、4b’、4c’を通過するように案内し、第1のロープ部2a、2a’のロープ張力の影響を受けて引っ張り部材5a、5b、5c;5a’、5b’、5c’が引っ張られるように、移動可能に取り付けられた引っ張り部材を力の伝達手段によって連結する。このようにして、引っ張り部材5a、5b、5c、5a’、5b’、5c’が動いて第2のロープ部2bをピンと張らせる。したがって、乗りかご1がもたらす張力を利用して第2のロープ部2b、2b’をしっかりと張ることができる。すなわち、第2のロープ部にさらなる張力を与えることができる。このことが実現される好適な実施例では、第1のロープ部2a、2a’の端部を、例えば固定するなどの力の伝達手段によって移動可能に取り付けられた引っ張り部材5a、5b、5c;5a’、5b’、5c’に連結させ、第1のロープ部2a、2a’のロープ張力によって引っ張り部材5a、5b、5c;5a’、5b’、5c’を引っ張る。これによって、引張り部材は第2のロープ部2b、2b’をピンと張らせるように移動する。
図示した実施例では、引っ張り部材5a、5b、5c;5a’、5b’、5c’は移動可能であり、第2のロープ部2b、2b’を、乗りかごの垂直側壁面および/または昇降路の垂直内壁面Wに平行な垂直面に沿って、具体的には乗りかごの垂直側壁面および/または昇降路の垂直内壁面Wの内部においてピンと張らせる。そのため、重要なことは、ロープ束はこれら2つの平面間の水平距離方向において小型であることである。乗りかごの側壁面および/または昇降路の内壁面に対して平行な面に沿った上述の動きとは、具体的には回転運動および/または直線運動である。
図2a、図2b、図5a、図5bはそれぞれ好適な実施例を示し、引っ張り部材5a、5b; 5a’、5b’は張り車の形態を採り、その周囲を第2のロープ部2b、2b’が通過する。張り車5a、5b;5a'、5b’の回転面は、図示のように乗りかご1の側壁面および/または昇降路の内壁面Wと平行であることが好ましい。なぜならば、張り車を半径方向に比べて軸方向にさらに小型化できるからである。このことは、張り車5a、5b;5a’、5b’を乗りかごの垂直側壁面および/または昇降路の垂直内壁面Wの内部に配設する場合に特に重要なことであり、このようにすることで、張り車の構造や、張り車に到来するロープまたは張り車から送出されるロープはエレベータ乗りかごに対する障害物とならなくなる。
図2aおよび図5aに示す実施例では、引張原理が共通している。これらの実施例における引っ張り部材5a;5a'は、第2のロープ部2b、2b'がその周囲を通過する張り車であり、この張り車は矢印で示すように自身の半径方向に移動して、第2のロープ部2bをピンと張らせることができる。とりわけ、張り車は遊び車であるため、半径方向に動くだけでなく、自軸を中心として回転することにより、張り車の周縁に沿ったロープの動きに適応することができる。第2のロープ部2b、2b’はさらに、第2のロープ部2b、2b’の端部を固定するロープ固定具に渡っている。乗りかご1を懸垂する第1のロープ部2a、2a’は、可動するよう装着された張り車に力の伝達手段によって連結され、第1のロープ部のロープ張力によって張り車を引くことにより、張り車が半径方向に動いて第2のロープ部を引っ張る(すなわち、第2のロープ部はピンと張られる)。これは、第1のロープ部2a、2a’の端部を可動装着された張り車5a、5a’に固定することによって実施される。
同様に、図2bおよび図5bに示す実施例では、引張原理が共通している。これらの実施例における引っ張り部材5b;5b’は、矢印で示すように、自軸を中心に回転することによって第2のロープ部2b、2b’を引っ張る。引っ張り部材5b、5b’は張り車の形状を採り、その周囲を第2のロープ部2b、2b’が通過し、張り車の周縁部(黒点で示す固定点)に第2のロープ部が固定され、引っ張り部材5b、5b’は自軸を中心に回転して第2のロープ部2b、2b'をピンと張らせる。第1のロープ部2a、2a’の端部は、力の伝達手段によって可動装着された張り車に連結される。第1のロープ部のロープ張力によって張り車を引くことで張り車が回転して第2のロープ部を引っ張り、第2のロープ部はピンと張られる。特に、第1のロープ部2a、2a’の端部は力の伝達手段によって、引っ張り装置4b、4b’に含まれる伝達車6、6’を介して可動するよう装着された張り車に連結される。伝達車6、6'は張り車5b、5b’と同軸上に固定された自軸周りを回動し、伝達車6、6’の周囲を第2のロープ部2b、2b'が通過し、伝達車の周縁部(黒点で示す固定点)には第1のロープ部2a、2a’が固定される。第1および第2のロープ部2a、2a’、2b、2b’はそれぞれのプーリを周回し、ロープ張力によって張り車5b、5b’を引っ張ってそれぞれ反対の回転方向に回転させる。好適には、張り車5b、5b'の直径を伝達車6、6’の直径よりも大きくすることにより、両者間に(1以外の比率の)てこ比が得られる。これにより、(第1のロープ部2a、2a’の)張力T1/(第2ロープ部2b、2b’の)張力T2の比を1より大きく、または小さく設定することができ、最適には1.5〜2.5に設定できる。
同様に、図2cおよび図5cに示す実施例では、引張原理が共通している。これらの実施例では、引っ張り部材5c、5c’は回転軸fを介して回転可能に取り付けられた引っ張りレバーの形状を採る。第1および第2のロープ部2a、2b;2a'、2b’はそれぞれ引っ張りレバー5c'に固定され、各ロープ部のロープ張力によって引っ張りレバー5c'を引っ張ってそれぞれ反対の回転方向に回転させる。第1のロープ部2a、2a’を第2のロープ部2b、2b’よりも回転軸fに近い位置に固定することにより、両者間に(1以外の比率の)てこ比が得られる。これにより、(第1のロープ部2a、2a’の)張力T1/(第2のロープ部2b、2b’の)張力T2の比を1よりも小さく、または大きく設定することができ、最適には1.5〜2.5に設定できる。
エレベータは、好適には複数のロープ2、2’を有し、最適にはちょうど2本の(それよりも多くも少なくもない)ロープを有する。ロープ2、2’は、ロープ2、2’の幅方向に互いに隣接するよう実質的に同一平面上にて平行に配設されたエレベータの複数のホイール3、5a、5b、10、11、12、13、14、3’、5a’、5b’、10’、11’、12’、13’、14’を周回し、ベルト状のロープ2、2’の幅広面が当該ホイールに接触する。ホイール3、5a、5b、10、11、12、13、14、3’、5a’、5b’、10’、11’、12’、13’、14’は、好適には、回転可能な駆動部材をホイール3、3’の形態で含む。
図6aおよび図6bは、ロープ2、2’の好適な断面構造、およびローピングされたロープ2、2’を相互に比較した好適な構成を示す。同図はさらに、ロープ2、2’およびロープ2、2’が周回するエレベータ内ホイール3、5a、5b、10、11、12、13、14、3’、5a’、5b’、10’、11’、12’、13’、14’の、好適な表面形状を示す。図6aおよび図6bでは、エレベータはこれら2本のロープ2、2’のみを有する。図6bに示すそれぞれのロープ2’は、力をロープ2’の長手方向に伝達する1つの荷重支持部7’を有し、図6aに示すロープ2は、力をロープ2の長手方向に伝達する複数の、具体的には2つの荷重支持部7を有する。耐荷部材7、7’の好適な内部構造に関しては、本明細書の他の箇所、特に図7に関連する箇所で述べる。
各ロープの荷重支持部7、7’は、一般的なエラストマコーティングpに埋め込まれている。エラストマコーティングは好適にはポリマ製であり、最適にはポリウレタン製であり、コーティングpによりロープ2、2’の表面が形成される。このようにして、ロープ2、2’が周回するホイール、例えば駆動ホイール3、3’と接触する面が形成される。コーティングpによりロープは保護され、駆動ホイール3、3’を介する力の伝達に対する良好な摩擦特性がもたらされる。また、コーティングpを用いてロープの形状に起伏をもたせることも可能である。荷重支持部7、7’の形成を容易にし、長手方向に不変の特性を得るためには、荷重支持部7、7’をロープ2、2'の全長にわたって実質的に連続的な同一構造にすることが好ましい。同様の理由により、ロープ2、2’もその全長にわたって実質的に連続的な同一構造にすることが好ましい。
上述のとおり、ロープ2、2’はベルト状の形態である。各ロープ2、2'の厚みに対する幅の比は好適には少なくとも4であるが、少なくとも8以上であることがより好ましい。これにより、ロープ2、2’の断面積を大きくすることができ、また、剛性材料からなる荷重支持部7、7’を使用することで、ロープの幅方向に延びる軸周りにおける曲げ負荷能力が良好になる。荷重支持部7’または複数の荷重支持部7はともに、実質的にロープ全長について、ロープ2、2’の横断面の全幅のうち大部分に及び、好適には80%以上に及んでいる。これにより、ロープ2、2'の全横寸法に対するロープの支持能力が良好になり、ロープを厚く形成する必要がなくなる。かかるロープは、好適には本明細書の別の箇所で述べる複合材料を使用することで実現され、とりわけロープ束のコンパクトさ、全体的な耐荷力、耐用年数および曲げ剛性の点において、特に有利である。
図6aに示す2本の隣接するロープ2はそれぞれ、ロープ2、2'の幅方向に隣り合う上述の種類の2つの荷重支持部7を含む。2本のロープは長手方向に平行であり、ベルト状のロープ2の幅方向に間隔をあけて、互いに対して実質的に同一平面上に設けられている。そのため、ロープ2の幅方向に延びる軸周りにおける屈曲に対する抵抗は小さい。本構成の好適な一例では、耐荷部材7はそれぞれ、ロープ2の厚み方向で測定した場合の厚さは1.1mmであり、ロープ2の幅方向で測定した場合の幅は12mmである。
図6bに示すロープ2’はそれぞれ、上述の種類の荷重支持部7’を1つだけ含む。荷重支持部7'はそれぞれ、本構成の好適な一例では、ロープ2の厚み方向で測定した場合の厚さが1.1mmであり、ロープ2の幅方向で測定した場合の幅が25mmである。
先に述べたとおり、ロープ2、2’の幅方向で測定した場合、荷重支持部7、7’の幅(w、w’)はその厚み(t、t’)よりも長いことが好ましい。具体的には、各荷重支持部7、7’における厚みに対する幅の比は少なくとも8であり、8よりも大きいことがより好ましい。これにより、幅方向に延びる軸周りにおける曲げ耐性を弱めることなく、荷重支持部の断面積を大きくできる。極めてコンパクトでありながら実用的なエレベータの方式を実現するために、ロープ2、2’の厚み方向で測定した場合の各荷重支持部7、7’の厚みt、t’を0.8mm〜1.5mm、好適には1mm〜1.2mmとする。単一の荷重支持部7’の幅w’、または同一のロープ2、2’にある2つの荷重支持部7の合計幅w+wは30mm以下であり、好適には20mm〜30mmである。これにより、ロープ2、2’を全方向において極めて小さくでき、非常に狭い空間に納まり適度な半径で屈曲できることとなる。ロープ束にあるロープ2、2’すべての負荷支持部7、7’の合計幅(w+w、w’)は、40〜60mmである。そのため、ロープ束の合計幅を金属製ロープを使用した場合の合計幅よりも短くできるうえに、金属製ロープと同程度の索具類の引張強度および剛性特性が得られ、曲げ半径が大きくなりすぎずに小型化された手法でトルクを発生させることができる。ロープを2本使用するため、単に大型のロープ1本のみに頼るのと違い、より安全なローピングを行うことができる。このようにして、重複したローピングを行うことができる。
図6aおよび図6bに示すロープ2、2’はそれぞれに、1つの荷重支持部7’またはロープ2、2’の幅方向に相互に隣り合う複数の荷重支持部7を有する。そのため、ロープ2、2’の束全体が占める空間を縮小できる。ロープはベルト状であるため、幅の方が厚みよりも大きい。好適な実施例では、ロープ2、2’は、乗りかご1の垂直側壁面と昇降路の垂直内壁面Wの間の空間内を通過するように配置される。また、ホイール3'、5a、5b、5a’、5b’、6、6’、11’は、乗りかご1の垂直側壁面と昇降路の垂直内壁面Wの間の空間を通るように配設され、ホイールの回転面は、乗りかご1の垂直側壁面および昇降路の垂直内壁面Wに少なくとも実質的に平行となる。そのため、ベルト2、2’で面積の大きい側を空間消費が最小限となるべき方向に置くように、すなわち、乗りかご1の垂直側壁面と昇降路の垂直内壁面Wの間の距離の方向に置くように掛け渡す。ロープ束および各ロープ2、2’の内部構造にある荷重支持部の断面を最大限にするように索具を設計することによって補償を行う。荷重支持部7’の幅w’、または複数の荷重支持部7の各幅wは、ロープ2、2’の幅方向で測定された厚みt、t’よりも実質的に大きい。これは、各荷重支持部7が幅広に構成されていることを意味する。このため、使用する荷重支持部の数を少なくすることができ、ゆえに隣り合う荷重支持部7、7’間の非耐荷領域を最小限にできる。したがって、各ロープ2、2’の幅を、耐荷機能を得るために大いに効率的に活用することができる。また、ロープ2、2’を幅広にしてロープの数を少なくすることにより、索具類の隣り合うロープ2、2’間にある非耐荷の間隙の数を最小限にすることができる。その結果、索具類の非耐荷領域の総量を最小限に抑えることができる。荷重支持部7、7’は、好適には、ポリママトリックスm内に強化繊維fを含む複合材料で形成され、強化繊維は炭素繊維である。そのため、断面の単位面積当たりの非常に高い引張剛性ならびに引張強度が得られるように荷重支持部7、7’を作ることができる。炭素繊維による複合材の場合、耐荷断面積は所定の引張強度および引張剛性を得るのに十分な大きさであり、その面積は金属製ロープが一般的に要する断面積の半分である。そのため、(自軸方向における)ホイールおよび(自幅方向において)ホイールを回るロープの空間消費を50mm未満にさえ減らすことができ、そのうえ、高い吊上げ力を維持することができる。ロープの好適な内部構造は、後述のように構成することが好ましい。
図6aおよび図6bに示す実施例では、2本のロープ2、2’はロープ2の幅方向において互いに隣り合った状態でホイールを周回し、ロープ2の幅広面がホイールに接する。この場合、幅広面は起伏のある形状をしていて、ロープ2、2'の長手方向に沿って配置された案内リブ15および案内溝16を備える。ロープの起伏面は、起伏をもたせたホイールの周縁部に接触して通るように取り付けられる。起伏形状の周縁部は案内リブ17および案内溝18を備え、ロープ2、2’の起伏面に対応する部分を形成する。この構成により、ロープ2、2’をホイールの軸方向にきわめて正確に案内する効果が得られる。ゆえに、ロープ2、2’のずれが小さくなり、隣り合うロープ2、2’間の距離を短くでき、さらにはロープ2、2’間の走行間隙をきわめて狭くすることが容易になる。具体的には、ロープのねじれによって生じるずれは、図2a、図2b、図5aおよび図5bに示す実施例において効果的に解消される。これらの実施例では、第1または第2のロープ部2a、2b;2a’、2b’は、ロープホイール11、14;11’、14’から引っ張り装置4a、4b;4a’、4b’に、具体的には引っ張り装置のプーリに向かって(下方または上方に)走行して、所定の角度でロープの長手軸周りに向きを変える。その角度は、本例では実質的に90度である。
ロープ2、2’の屈曲方向はロープ2、2’の幅方向およびロープの荷重支持部7、7’の幅方向の軸周りである(図6aおよび図6bにおける上方向または下方向)。荷重支持部7、7'の内部構造はより具体的には以下のとおりである。荷重支持部7、7’の内部構造を図7に示す。荷重支持部7、7’およびその繊維fは、可能な限りロープの長手方向と平行である。よって、個々の繊維はロープの長手方向を向いて配置されている。この場合ロープが引っ張られると、その力によって繊維は一直線に並ぶ。その結果、荷重支持部の引張剛性は最大になる。強化繊維fはそれぞれポリママトリックスmによって結合されて、一体化した荷重支持部となる。そのため、それぞれの荷重支持部7、7’は1本の固くて細長い棒状の要素である。強化繊維fは、好適にはロープ2、2’の長手方向に連続して長く延びる繊維であり、さらに好適にはロープ2、2’の全長にわたって連続する。好ましくは荷重支持部7、7’のうちできるだけ多くの繊維fが、最適には実質的にすべての繊維fがロープの長手方向を向いて配置されている。本例における各強化繊維fは、特に撚り構造を有するロープとは異なり、実質的に互いに撚り合わされていない。そのため、荷重支持部の構造は、ロープの全長にわたる断面をできるだけ同一に維持するように作られることになる。強化繊維fは、好適には上述の荷重支持部7、7’内にできるだけ均等に分散させて、荷重支持部7、7’ができるだけロープ2、2’の横断方向に均一になるようにする。図示の構造は、強化繊維fを取り巻くマトリックスmにより強化繊維fの挿入位置が実質的に不変になるという利点を有する。マトリックスのわずかな弾性によって繊維にかかる力の配分が均等になり、繊維間の接触およびロープ内部の損耗が軽減されるため、ロープの寿命が延びる。強化繊維は炭素繊維であるため、とりわけ良好な引張剛性、軽量な構造、および優れた熱特性が得られる。強化繊維は断面積が小さくとも強度特性および剛性特性に優れるため、所定の強度要件または剛性要件を満たすローピングの空間効率性を容易に高められる。また、高温に対する耐性も有するため、発火の危険性が減少する。熱伝導率も良いため、特に摩擦による熱の前方への伝導を促し、ロープの諸所における熱の蓄積を低減できる。個々の繊維fが極力均等に分布される複合マトリックスmは、エポキシ樹脂からなるのが最も好ましい。エポキシ樹脂は強化材に対する接着性に優れるうえ、有利なことに炭素繊維に対して強く反応する。あるいは、例えばポリエステルやビニルエステルを用いてもよい。あるいは、他の材料を用いることも可能である。
図7は、ロープ2、2’の長手方向から見た荷重支持部7、7’の表面構造の部分的な断面を図中円内に示す。この断面によると、荷重支持部7、7’の強化繊維fは好適には当該荷重支持部7、7’の至る所でポリママトリックスm内にまとめられている。図7に示すように、個々の強化繊維fはポリママトリックスm内で実質的に均等に配され、マトリックスmは各繊維fを取り囲んで繊維を固定する。ポリママトリックスmは各強化繊維f間の領域を埋め、マトリックスm内にある実質的にすべての強化繊維fを相互に結束させて均質の固形物質にする。この場合、強化繊維f間の摩耗動作および強化繊維fとマトリクスmの間の摩耗動作は実質的に抑制される。好適にはすべての強化繊維fとマトリクスmの間に化学結合が起こるが、この化学結合の利点の1つは、とりわけ構造の均一性である。化学結合を増強するために、強化繊維とポリママトリックスmの間に実存する繊維によるコーティング(図示せず)を施すことも可能であるが、必ずしも必要ではない。
ポリママトリックスmは本明細書の別の場所で述べる種類のものであり、したがって、マトリックスの特性を微調整する添加物を基本ポリマに対する追加物として含めていてもよい。ポリママトリックスmは、好適には硬質の非エラストマである。本明細書にて、強化繊維fがポリママトリックス中に配されているとは、例えば製造段階において一斉にポリママトリックスの溶融物質内に埋め込まれるなどして、本発明において個々の強化繊維がポリママトリックスmによって相互に結合されるということを意味する。この場合、ポリママトリックスによって相互に結合される個々の強化繊維の隙間には、マトリックスのポリマが含まれる。このようにして、ロープの長手方向で相互に結合された多数の強化繊維がポリママトリックス内に広がる。好適には、強化繊維はポリママトリックス内で実質的に均等に配され、ロープの断面方向から見たときに荷重支持部ができるだけ均一になるようにする。言い換えると、ゆえに荷重支持部の断面における繊維密度は大きく異ならない。強化繊維fはマトリックスmと相まって一体的な荷重支持部を形成し、荷重支持部の内部ではロープが曲がる際に摩耗をもたらす相対運動は起こらない。
荷重支持部7、7’の個々の強化繊維は主にポリママトリックスmに取り囲まれるが、強化繊維を一斉にポリマに含浸する際の各繊維の相互に対する位置の調整が難しいため、繊維間の接触が所々で起こる。その一方で、本発明の機能の観点からすれば、偶発的に起こる繊維間の接触を完全に廃絶する必要もない。しかしながら、偶発的な接触発生を減らすことを望むのであれば、個々の強化繊維fをあらかじめ被覆して、個々の強化繊維を相互に結合させる前に、ポリマコーティングが繊維を取り巻くようにしてもよい。本発明では、荷重支持部の各強化繊維はそれぞれの繊維の周囲にポリママトリックスの物質を構成してポリママトリックスが強化繊維の周囲に直接接するようにしているが、あるいは、製造段階において強化繊維の表面に施される下塗りなどの薄いコーティングを行い、マトリックス材への化学的な接着性を高めてもよい。個々の強化繊維を荷重支持部7、7’内に均等に配することにより、各強化繊維fの隙間がマトリックスmのポリマで満たされる。荷重支持部内の各強化繊維fの大部分の隙間を、好ましくはすべての隙間をマトリックスのポリマで満たすことが最適である。
荷重支持部7のマトリックスmの材料特性は堅固であることが最も好ましい。硬質のマトリクスmによって強化繊維fの支持を補助し、特に、ロープが屈曲した際には、硬質材料によって繊維fを支持するため、折れ曲がったロープにおける強化繊維fの座屈を防止することができる。とりわけ、ロープの座屈を減少させて曲げ半径を小さくするためには、ポリママトリックスは硬質であるのが好ましく、また、エラストマ(エラストマの例として、ゴム)以外、または弾力性が強すぎるかもしくは脆い材料以外のものであることが好ましい。最適な材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル、フェノール樹脂、またはビニルエステルである。ポリママトリックスは、弾性率(E)が2GPaより大きく、最適には2.5GPaより大きいほどに硬いことが好ましい。本例では、弾性率は好適には2.5〜10GPaであり、最適には2.5〜3.5GPaの範囲内である。荷重支持部の断面の表面積のうち50%以上が上述の強化繊維で占められ、好適には上述の強化繊維の50%〜80%、さらに好適には上述の強化繊維の55%〜70%が強化繊維で占められ、残る表面積の実質的にすべてがポリママトリックスで占められる。最も好ましい構成は、表面積の約60%が強化繊維であり、約40%がマトリックス材料(好ましくはエポキシ樹脂)である。これによって、ロープの縦強度が良好になる。
図2a、図2b、図3、図4、図5aないし図5cに示す実施例では、エレベータが、回転面が乗りかご1の垂直側壁面および/または昇降路の垂直内壁面Wと平行する1または複数のロープホイール3'、5a、5b、5a’、5b'、6、6’、11’を有し、ロープ2、2'は、ロープホイール3'、5a、5b、5a’、5b'、6、6’、11’の周囲を、ロープの幅側面がホイールの周縁部に接した状態で向きを変える。そのため、ロープ2、2’はロープの幅方向に延びる軸を中心として向きを変えることになる。ロープホイール3'、5a、5b、5a’、5b'、6、6’、11’は、乗りかご1の側部に接触している場所または乗りかご1から離れた場所に取り付けられ、乗りかご1の垂直投影の近くに配置される。このため、ロープ束の幅および当該ホイールの軸寸法は、乗りかごの壁と昇降路の内壁面Wの間の最小距離を設定する際の重要な要素となる。ロープ束の幅を最少にすることで、ロープホイールを軸方向に大きくする必要性が低減し、さらに、ロープ束による空間消費も減少する。さらにロープ2、2’は、ロープホイール3'、5a、5b、5a’、5b'、6、6’、11’に到達し、および/またはロープホイール3'、5a、5b、5a’、5b'、6、6’、11’を離れて乗りかご1の横を通過することにより、ロープ束の幅に起因する上述の効果の有意性が高まる。
引っ張り装置に関しても、第1のロープ部の張力を利用して第2のロープ部を引っ張るという、例示した構造とは異なる構造を用いることも可能であろう。このような別の方式では、例えばおもり式引っ張り装置またはばね式引っ張り装置を有していてもよい。ばね式引っ張り装置の場合、ばねは引張力が第2のロープ部に向かうように配置される。ばねは、エレベータに適した巻上比に応じて、第2のロープ部側のロープホイールを介して働くか、またはばねを介して第2のロープ部の端部を固定構造体または乗りかごに固定する媒介手段となる。これらの場合、第1のロープ部を引っ張り装置に連結する必要はなく、例えば、エレベータに適した巻上比に応じて、固定構造体または乗りかごに固定してもよい。
本願では、荷重支持部とはロープ2、2'の長手方向の全長にわたって延びるロープの構成要素のことを指し、この構成要素はロープの長手方向において当該ロープにかかる負荷によって切れることなく耐えることができる。このような負荷がロープの長手方向において荷重支持部に張力をもたらし、張力は当該荷重支持部の内部でロープの一方端から他方端まで伝達される。
上述のとおり、ロープは起伏形状であることが好ましいが、必ずしもこの限りではない。別の手法として、溝およびリブを備えないロープを形成することも可能である。
明細書の記載ならびに添付図面は本発明を例示しているにすぎないことを理解されたい。本発明の構想は種々の方法にて実現可能であることは、当業者にとっては明白である。本発明およびその実施例は、上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の範囲内で変更してもよい。
1 乗りかご
2、2’ 懸垂ロープ
2a、2b、2a’、2b’ ロープ部
3、3’ 回転駆動部材
4a、4b、4c、4a’、4b’、4c’ 引っ張り部材
7、7’ 荷重支持部
H 昇降路
f 強化繊維
m ポリママトリックス

Claims (13)

  1. 昇降路と、
    該昇降路内を垂直に移動可能な乗りかごと、
    1または複数の懸垂ロープと、
    該懸垂ロープと係合する回転駆動部材とを有し、該懸垂ロープはそれぞれ、ベルト状であり、該駆動部材の第1の側に第1のロープ部を、駆動部材の第2の側に第2のロープ部を含み、各ロープ部は前記乗りかごに連結され、第1のロープ部は前記乗りかごを懸垂し、さらに、
    第2のロープ部を張架させるよう配置されている引っ張り装置を有し、
    第2のロープ部は前記引っ張り装置にある可動するように取り付けられた引っ張り部材に連結され、該引っ張り部材は第2のロープ部を引っ張るように動くカウンタウェイトなしのエレベータにおいて、
    前記懸垂ロープはそれぞれ、1または複数の荷重支持部を含み、該荷重支持部はポリママトリックスに埋め込まれた強化繊維を含む複合材料製であり、該強化繊維は炭素繊維であり、
    第1および/または第2のロープ部は前記引っ張り装置に向かって走行し、前記乗りかごの垂直投影および前記昇降路の垂直内壁面の間にある空間内で前記ロープ部の長手軸周りに向きを変えることを特徴とするエレベータ。
  2. 請求項1に記載のエレベータにおいて、前記荷重支持部は前記ロープの長手方向に平行であることを特徴とするエレベータ。
  3. 請求項1または2に記載のエレベータにおいて、前記強化繊維は前記荷重支持部の長手方向に平行であることを特徴とするエレベータ。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記引っ張り装置は前記乗りかごの側部に、または該乗りかごの垂直投影のそば、特に該乗りかごの走行路のそばにある固定昇降路構造体に取り付けられることを特徴とするエレベータ。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記引っ張り装置は前記乗りかごの側部に、または該乗りかごの垂直投影のそばにある固定昇降路構造体に取り付けられ、前記引っ張り部材は前記乗りかごの側壁面および/または昇降路内壁面に平行な垂直面に沿って動いて第2のロープ部を引っ張ることを特徴とするエレベータ。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記引っ張り部材は前記乗りかごの垂直側壁面と前記昇降路の垂直内壁面の間に設けられることを特徴とするエレベータ。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記乗りかごを懸垂する第1のロープ部は前記乗りかごの重みによって張られ、さらに前記引っ張り装置に進むように案内され、力の伝達手段によって前記可動するように取り付けられた引っ張り部材に接続され、第1のロープ部のロープ張力によって前記引っ張り部材を引っ張ることにより、該引っ張り部材が動いて第2のロープ部を張架することを特徴とするエレベータ。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記引っ張り部材は張り車の形態をとり、該張り車の周縁部を第2のロープ部が走行し、前記引っ張り部材は前記張り車の半径方向および/または前記張り車の軸を中心に可動して第2のロープ部を張架することを特徴とするエレベータ。
  9. 請求項に記載のエレベータにおいて、前記張り車の回転面は前記乗りかごの側壁面および/または前記昇降路の内壁面と平行であることを特徴とするエレベータ。
  10. 請求項1ないしのいずれかに記載のエレベータにおいて、前記引っ張り部材は張り車の形態をとり、該張り車の周縁部を第2のロープ部が走行し、前記引っ張り部材は前記張り車の半径方向に動いて第2のロープ部を張架し、第1のロープ部の端部は力の伝達手段によって前記可動するように取り付けられた張り車に接続され、第1のロープ部のロープ張力によって前記張り車を引っ張ることにより、該張り車は半径方向に動いて第2のロープ部を張架することを特徴とするエレベータ。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記引っ張り部材は張り車の形態をとり、該張り車の周縁部を第2のロープ部が走行し、第2のロープ部は前記張り車のリムに固定され、前記引っ張り部材は自軸を中心に動いて第2のロープ部を張架し、第1のロープ部の端部は力の伝達手段によって前記可動するように取り付けられた張り車に接続され、第1のロープ部のロープ張力によって前記張り車を引っ張ることにより、該張り車は回転して第2のロープ部を張架することを特徴とするエレベータ。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記ロープはそれぞれ、前記ロープの長手方向を向いた長尺状の案内リブおよび長尺状の案内溝を備えた少なくとも1つの起伏面を有し、該起伏面は該エレベータの1または複数のロープホイールの起伏を有する周縁部に接して走行するように取り付けられ、該周縁部は長尺状の案内リブおよび長尺状の案内溝を備え、前記起伏を有する周縁部は前記ロープの前記起伏面に対応する面を形成することを特徴とするエレベータ。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載のエレベータにおいて、前記ロープはそれぞれ、前記ロープの長手方向を向いた長尺状の案内リブおよび長尺状の案内溝を備えた少なくとも1つの起伏面を有し、少なくとも第1または第2のロープ部の前記起伏面は該エレベータのロープホイールの起伏を有する周縁部に接して走行するように取り付けられ、該周縁部は長尺状の案内リブおよび長尺状の案内溝を備え、前記起伏を有する周縁部は前記ロープの前記起伏面に対応する面を形成し、前記ロープホイールから第1または第2のロープ部は下または上に向かって前記引っ張り装置へ、特に該引っ張り装置のプーリへ走行し、前記ロープ部の長手軸周りに向きを変えることを特徴とするエレベータ。
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