JP6489990B2 - 炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法 - Google Patents

炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6489990B2
JP6489990B2 JP2015194178A JP2015194178A JP6489990B2 JP 6489990 B2 JP6489990 B2 JP 6489990B2 JP 2015194178 A JP2015194178 A JP 2015194178A JP 2015194178 A JP2015194178 A JP 2015194178A JP 6489990 B2 JP6489990 B2 JP 6489990B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
carrier
hydrodesulfurization catalyst
mass
metal component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015194178A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017064647A (ja
Inventor
智久 平野
智久 平野
秀樹 尾野
秀樹 尾野
正典 吉田
正典 吉田
智靖 香川
智靖 香川
渡部 光徳
光徳 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd, JXTG Nippon Oil and Energy Corp filed Critical Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
Priority to JP2015194178A priority Critical patent/JP6489990B2/ja
Publication of JP2017064647A publication Critical patent/JP2017064647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6489990B2 publication Critical patent/JP6489990B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法に関する。
従来、炭化水素油の水素化処理を目的として広く使用されてきたのは、アルミナ、アルミナ−シリカ、チタニア、アルミナ−チタニアなどの多孔性無機酸化物からなる担体に、周期表第VIA族及び第VIII族から選ばれた金属成分を担持した触媒である。
現在、環境保護の観点から燃料油の硫黄分の品質規制が強化されている。特に、軽油中の硫黄分は10質量ppm以下という厳しい規制となっている。このため、この規制に対応できるよう軽油超深度脱硫触媒の開発が進んでいる。
特許文献1は、シリカ−チタニア−アルミナ担体に周期表第VIA族及び第VIII族から選ばれた金属成分を担持した触媒を開示している。この触媒は,チタニアの含有量や結晶構造、担体の比表面積や細孔容積などを調整することで高い脱硫活性を実現しているが、さらなる脱硫活性の向上が求められている。
特開2011−072928号公報
本発明の目的は、従来よりも高性能な水素化脱硫触媒、特に軽油留分の水素化脱硫触媒およびその製造方法の提供にある。
本発明者らは鋭意研究した結果、特定の性状を有する担体を用いるとともに、担持される金属の状態を制御することで、脱硫性能を大きく向上せしめ、前記課題を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、少なくともベーマイトおよびγ−アルミナを含み、さらにシリカとチタニアを含有する担体に周期表第VIA族及び第VIII族から選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持してなる水素化脱硫触媒であって、担体中のチタニア含有割合が23質量%以上27質量%以下であり、予備硫化後の金属硫化物結晶の平均長さが2.6nm以下で、かつ金属硫化物結晶の平均積層数が1.8以上であることを特徴とする炭化水素油の水素化脱硫触媒である。
また、本発明は、珪酸イオンの存在下で、チタニウム鉱酸塩及び酸性アルミニウム塩の混合水溶液と、塩基性アルミニウム塩水溶液とを、pHが6.5〜9.5になるように混合して水和物を得る第1工程と、前記水和物を順次洗浄、成型、乾燥、及び焼成して担体を得る第2工程と、前記担体に、周期表第VIA族及び第VIII族から選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持する第3工程と、前記第3工程で得られた水素化脱硫触媒を予備硫化処理する第4工程により前記の水素化脱硫触媒を得ることを特徴とする水素化脱硫触媒の製造方法である。
本発明の水素化脱硫触媒は、従来の触媒よりも高性能であり、特に軽油留分の水素化脱硫触媒として好適である。
予備硫化後の水素化脱硫触媒aのTEM写真である。 実施例1で製造した担体a、比較例1で製造した担体e、比較例2で製造した担体fおよび比較例3で製造した担体gのそれぞれの透過型フーリエ変換赤外吸収スペクトルを示す図である。 実施例1で製造した担体a、比較例1で製造した担体e、比較例2で製造した担体fおよび比較例3で製造した担体gのそれぞれのX線回折パターンを示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の水素化脱硫触媒における担体は、少なくともベーマイトおよびγ−アルミナを含み、さらにシリカとチタニアを含む無機酸化物からなる。
担体としては、さらにボリア、五酸化二リン、ジルコニアなどを含んでもよい。
担体中のベーマイトとγ−アルミナの含有量は、それぞれをAlとした場合の合計で53〜76質量%であることが好ましく、より好ましくは60〜75質量%、さらに好ましくは67〜73質量%である。ここで、アルミナの含有量が53質量%未満の場合には、触媒劣化が大きくなる傾向にあるので好ましくない。また、アルミナの含有量が76質量%より多い場合には、触媒性能が低下する傾向にあるため好ましくない。
チタニアは、担体基準でTiOとして23〜27質量%含有することが必要であり、24〜26質量%含有することが特に好ましい。チタニアの含有量を23〜27質量%に制御することにより、得られる触媒の脱硫活性が大幅に向上することが見出された。
シリカは、担体基準でSiOとして1〜10質量%含有することが好ましく、2〜7質量%含有することがより好ましく、2〜5質量%含有することがさらに好ましい。シリカの含有量が1質量%未満では、比表面積が低くなる上、担体を焼成する際にチタニア粒子が凝集しやすくなり、X線回折分析により測定されるアナターゼ型チタニア及びルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピーク面積が大きくなる。チタニア粒子が凝集すると比表面積が低くなり、周期表第VIA族の金属成分および周期表第VIII族の金属成分の含有量が低くなり、活性が低下してしまう。また、シリカの含有量が10質量%を超える場合には、得られる担体の細孔分布のシャープネスが悪くなり所望の脱硫活性が得られないことがある。
本発明の水素化脱硫触媒の担体は、X線回折分析により測定されるベーマイト(021)面の結晶構造を示す回折ピーク面積が、γ−アルミナ(440)面に帰属されるアルミニウム結晶構造を示す回折ピーク面積に対して、1/10以上であることが好ましく、1/8以上であるのがより好ましく、1/5以上であるのがさらに好ましい。上限については特に限定されないが、1以下であることが好ましく、4/5以下がより好ましい。X線回折分析により測定されるベーマイト(021)面の結晶構造を示す回折ピーク面積が、γ−アルミナ(440)面に帰属されるアルミニウム結晶構造を示す回折ピーク面積に対して、1/10未満であると、周期表第VIA族の金属成分と周期表第VIII族の金属成分の分散度が低くなり、その結果として十分な活性が得られなくなるおそれがある。一方、1を超えると、ベーマイトの割合が多くなり過ぎ、強度が低下するおそれがあるため好ましくない。
ここで、ベーマイト(021)面の結晶構造を示す回折ピークは2θ=28°で測定したものであり、γ−アルミナ(440)面に帰属されるアルミニウム結晶構造を示す回折ピークは2θ=67°で測定したものである。
それぞれの回折ピーク面積の算出方法は、X線回折装置でX線回折分析によって得られたグラフを最小二乗法によりフィッティングしベースライン補正を行い、最大ピーク値からベースラインまでの高さを求め(ピーク強度W)得られたピーク強度の半分の値(1/2W)のときのピーク幅(半値幅)を求め、この半値幅とピーク強度との積を回折ピーク面積とする。求めた各回折ピーク面積から、「ベーマイト回折ピーク面積/γ−アルミナ回折ピーク面積」を算出する。
本発明の水素化脱硫触媒は、前記の担体に周期表第VIA族(IUPAC 第6族)及び第VIII族(IUPAC 第8族〜第10族)から選ばれる少なくとも1種以上の金属成分が担持されたものである。
周期表第VIA族の金属成分としては、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等を例示することができ、周期表第VIII族の金属成分としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等を例示することができる。これらの金属成分は1種を単独で又は2種以上を組合せて用いても良い。触媒性能の点から、金属成分としては、ニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン−コバルト、ニッケル−タングステン、コバルト−タングステン、ニッケル−タングステン−コバルト等の組合せが好ましく、特に、ニッケル−モリブデン、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン−コバルトの組合せがより好ましい。
金属成分の担持量は、触媒基準で、酸化物として、1〜35質量%の範囲が好ましく、15〜30質量%の範囲がさらに好ましい。特に、周期表第VIA族の金属成分は、酸化物として、好ましくは10〜30質量%の範囲、より好ましくは13〜24質量%の範囲、周期表第VIII族の金属成分は、酸化物として、2.6〜4.4質量%の範囲が好ましく、2.8〜4.2質量%の範囲がより好ましく、特に望ましくは3.5〜4.0質量%の範囲である。
また、周期表第VIII族から選ばれる金属成分の割合は、周期表第VIA族から選ばれる金属成分に対して酸化物重量比(例えば、CoO/MoO比)で、0.13〜0.25であることが好ましく、0.15〜0.24がより好ましく、0.17〜0.23がさらに好ましい。周期表第VIII族から選ばれる金属成分の割合が、周期表第VIA族から選ばれる金属成分に対して酸化物重量比で0.13未満だと、CoMoS相が十分に形成されず好ましくない。一方、周期表第VIII族から選ばれる金属成分の割合が、周期表第VIA族から選ばれる金属成分に対して酸化物重量比で0.25を超えると、CoMoS相を不活性な硫化コバルト種が覆ってしまうため好ましくない。
本発明の水素化脱硫触媒の担体に周期表第VIA族の金属成分を担持・含有させる場合は、酸を用いて該金属成分を溶解させることが好ましい。ここで酸としては、リン酸および/または有機酸を使用することが好ましい。
リン酸を用いる場合、周期表第VIA族の金属成分100質量%に対してリンは酸化物換算で3〜25質量%のリン酸を担持させることが好ましく、より好ましくは10〜15質量%の範囲で担持されることが好ましい。担持量が25質量%を超えると触媒性能が低下する傾向にあるので好ましくなく、3質量%未満だと担持金属溶液の安定性が悪くなり好ましくない。
なお、上記担体に、上記金属成分、あるいはさらにリンを担持・含有させる方法は特に限定されず、含浸法(平衡吸着法、ポアフィリング法、初期湿潤法)、イオン交換法等の公知の方法を用いることができる。ここで、含浸法とは、担体に活性金属を含む溶液を含浸させた後、乾燥、焼成する方法のことである。
含浸法では、周期表第VIA族の金属成分と周期表第VIII族の金属成分とを同時に担持することが好ましい。別々に金属を担持すると、脱硫活性または脱窒素活性が不充分になることがある。担持を含浸法により行う場合には、担体上での周期表第VIA族の金属成分の分散性が高くなって、得られる触媒の脱硫活性および脱窒素活性がより高くなることから、酸の共存下、好ましくはリン酸または有機酸の共存下で行う。その際、周期表第VIA族の金属成分100質量%に対して3〜25質量%のリン酸を添加することが好ましい。
本発明の水素化脱硫触媒は、BET法で測定した比表面積(SA)が150m/g以上であることが好ましく、より好ましくは170m/g以上である。比表面積(SA)が150m/g未満では、脱硫反応の活性点が少なくなり、脱硫性能が低下する虞があるため好ましくない。一方、上限については特に制限はないが、比表面積(SA)が300m/gを超えると触媒強度が低下する傾向にあるので、300m/g以下であることが好ましく、280m/g以下がより好ましい。
本発明においては、水素化脱硫触媒を予備硫化した後の金属硫化物結晶(例えば、二硫化モリブデン)の平均長さが2.6nm以下、好ましくは2.0〜2.5nmとなるように第VIA族および第VIII族の金属を分散させて担持することが必要である。さらに、金属硫化物結晶の平均積層数が1.8以上、好ましくは1.9以上となるように第VIA族および第VIII族の金属を分散させて担持することが必要である。これは、前記第VIA族の硫化物結晶は、担体に単層で担持されるより、他の第VIA族の硫化物結晶の上に積層されるように担持されたほうが活性点(前記の場合CoMoS相)と担体との相互作用が弱くなる結果、反応物との親和性が高くなり活性が高くなるためである。平均積層数は多い方が好ましいが、担体との相互作用が小さく積層数が多い場合には触媒使用時の反応熱によって金属硫化物結晶のシンタリングが生じ、活性が低下する懸念があるため、10以下が好ましい。
ここで、金属硫化物結晶層の平均積層数及び平均値長さは以下の方法によって求められる値である。ここでは、金属硫化物として二硫化モリブデンを用いた例で説明する。
予備硫化済み水素化脱硫触媒の一部を、例えば、20メッシュ以下に粉砕し、得られた粉末の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を撮影する(図1参照)。
予備硫化済み水素化脱硫触媒中の二硫化モリブデンの結晶層の平均積層数は、得られたTEM写真から、例えば、20個、好ましくは50個、より好ましくは100個以上の二硫化モリブデン層について、それぞれの積層数を測定し、それらの平均値により算出する。
また、二硫化モリブデン層の長さは、平均積層数と同様にTEM写真から、それぞれの二硫化モリブデン層の長さLを測定し、それらの平均値により算出する。
本発明の水素化脱硫触媒の担体は、その表面に酸性あるいは塩基性OH基を有しており、担体単位表面積当たりこれらOH基が多いほど担持する第VIA族の金属の分散度が増大し、すなわち予備硫化後に第VIA族の金属硫化物の平均長さが短くなり、活性点が増加する。また、塩基性OH基を介して担体と結合した第VIA族の金属よりも酸性OH基を介して担体と結合した第VIA族の金属のほうが担体との相互作用が弱いため、予備硫化後に第VIA族の金属硫化物がより積層しやすくなる。
本発明は、担体中のチタニアの含有量を23〜27質量%という特定範囲に制御するとともに、担体を400〜500℃の温度で焼成することにより、酸性OH基を増やし、塩基性OHを減らした担体を得、この担体を用いることで水素化脱硫活性を高めているものである。この担体に第VIA族および第VIII族の金属を分散担持させて得られる水素化脱硫触媒を予備硫化することで、金属硫化物結晶の平均長さが2.6nm以下で、金属硫化物結晶の平均積層数が1.8以上である本発明の水素化脱硫触媒を得ることができる。
このような酸性OH基や塩基性OH基は、本発明の水素化脱硫触媒の担体を透過型フーリエ変換赤外吸収スペクトル測定装置(FT−IR)によって測定することで知ることができる。好適な酸性OH基と塩基性OH基の量は、例えば、透過型フーリエ変換赤外吸収スペクトル測定装置(FT−IR)によって測定される酸性OH基に起因する本担体単位表面積当たりの吸光度と弱塩基性OH基に起因する当該担体単位表面積当たりの吸光度の比が0.9以上であることが好ましく、より好ましくは1.0以上であり、さらに好ましくは1.1以上である。担体表面の酸性OH基の割合が多くなると、あるいは塩基性OH基の割合が少なくなると、周期表第VIA族の金属成分と担体との相互作用が弱まるため、予備硫化後に第VIA族の金属硫化物がより積層しやすくなり、その結果活性点の数が増えて活性が上がり好ましい。
ここで、前記酸性OH基に起因する吸収スペクトルの極大ピーク位置の波数は3670〜3695cm-1の範囲にあり、前記弱塩基性OH基に起因する吸収スペクトルの極大ピーク位置の波数は3720〜3740cm−1の範囲にある(図2参照)。
なお、上記したFT−IRによる測定法に関しては後述する。
本発明の水素化脱硫触媒は、炭化水素油、特に軽油留分の水素化処理に好適に使用される。該触媒を使用した水素化脱硫処理は、固定床反応装置に触媒を充填して水素雰囲気下、高温高圧条件で行なわれる。
軽油留分としては、原油の常圧蒸留装置から得られる直留軽油、常圧蒸留装置から得られる直留重質油や残査油を減圧蒸留装置で処理して得られる減圧軽油、減圧重質軽油あるいは脱硫重油を接触分解して得られる接触分解軽油、減圧重質軽油あるいは脱硫重油を水素化分解して得られる水素化分解軽油等が挙げられる。
反応圧力(水素分圧)は3〜15MPaであることが好ましく、より好ましくは4〜10MPaである。反応圧力が3MPa未満では脱硫および脱窒素が著しく低下する傾向にあり、また、15MPaを超えると水素消費が大きくなり運転コストが増加するので好ましくない。
反応温度は300〜420℃であることが好ましく、より好ましくは320〜380℃である。反応温度が300℃未満では脱硫および脱窒素活性が著しく低下する傾向にあり実用的でない。また、420℃を超えると触媒劣化が顕著になると共に、反応装置の耐熱温度(通常約425℃)に近づくため好ましくない。
液空間速度は特に制限されないが、0.5〜4.0h−1であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.0h−1である。液空間速度が0.5h−1未満では処理量が低いので生産性が低くなり実用的ではない。また、液空間速度が4.0h−1を超えると反応温度が高くなり、触媒劣化が速くなるので好ましくない。
水素/油比は120〜420NL/Lであることが好ましく、より好ましくは170〜340NL/Lである。水素/油比が120NL/L未満では脱硫率が低下するので好ましくない。また、420NL/Lを超えても脱硫活性に大きな変化がなく、運転コストが増加するだけなので好ましくない。
次に、本発明の水素化脱硫触媒の製造方法について説明する。
本発明の水素化脱硫触媒の製造方法は、珪酸イオンの存在下で、チタニウム鉱酸塩及び酸性アルミニウム塩の混合水溶液(以下、単に「混合水溶液」ともいう。)と、塩基性アルミニウム塩水溶液とを、pHが6.5〜9.5になるように混合して水和物を得る第1工程と、前記水和物を順次洗浄、成型、乾燥、及び焼成して担体を得る第2工程と、前記担体に、周期表第VIA族(IUPAC 第6族)及び第VIII族(IUPAC 第8族〜第10族)から選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持する第3工程と、前記第3工程で得られた水素化脱硫触媒を、反応装置中で予備硫化処理することにより本発明の予備硫化済みの水素化脱硫触媒を製造する第4工程を有する。以下、それぞれの工程について説明する。
(第1工程)
まず、珪酸イオンの存在下で、チタニウム鉱酸塩及び酸性アルミニウム塩の混合水溶液(これは酸性の水溶液である。)と、塩基性アルミニウム塩水溶液(これはアルカリ性の水溶液である。)とを、pHが6.5〜9.5、好ましくは6.5〜8.5、より好ましくは6.5〜7.5になるように混合して、シリカ、チタニア及びアルミナを含む水和物を得る。
この工程では、(1)珪酸イオンを含む塩基性アルミニウム塩水溶液に、混合水溶液を添加する場合と、(2)珪酸イオンを含む混合水溶液に、塩基性アルミニウム塩水溶液を添加する場合とがある。
ここで、(1)の場合、塩基性アルミニウム塩水溶液に含有される珪酸イオンは、塩基性または中性のものが使用できる。塩基性の珪酸イオン源としては、珪酸ナトリウムなどの水中で珪酸イオンを生じる珪酸化合物が使用可能である。また、(2)の場合、チタニウム鉱酸塩及び酸性アルミニウム塩水溶液の混合液に含有される珪酸イオンは、酸性または中性のものが使用できる。酸性の珪酸イオン源としては、珪酸などの水中で珪酸イオンを生じる珪酸化合物が使用可能である。
塩基性アルミニウム塩としては、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウムなどが好適に使用される。また、酸性アルミニウム塩としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウムなどが好適に使用され、チタニウム鉱酸塩としては、四塩化チタン、三塩化チタン、硫酸チタン、硫酸チタニル、硝酸チタンなどが例示され、特に硫酸チタンおよび硫酸チタニルは安価であるので好適に使用される。チタニウム鉱酸塩は、生成する担体中に含まれるチタニアの量が23〜27質量%となる量を使用する必要がある。
例えば、所定量の塩基性の珪酸イオンを含有する塩基性アルミニウム塩水溶液を攪拌機付きタンクに張り込み、通常40〜90℃、好ましくは50〜70℃に加温して保持し、この溶液の温度±5℃、好ましくは±2℃、より好ましくは±1℃に加温した所定量のチタニウム鉱酸塩及び酸性アルミニウム塩水溶液の混合水溶液をpHが6.5〜9.5、好ましくは6.5〜8.5、より好ましくは6.5〜7.5になるように、通常5〜20分、好ましくは7〜15分で連続添加し沈殿を生成させ、水和物のスラリーを得る。ここで、塩基性アルミニウム塩水溶液への混合水溶液の添加は、時間が長くなると擬ベーマイトの他にバイヤライトやギブサイトなどの好ましくない結晶物が生成することがあるので、15分以下が望ましく、13分以下がさらに望ましい。バイヤライトやギブサイトは、焼成した時に比表面積が低下するので、好ましくない。
(第2工程)
第1工程で得られた水和物のスラリーを、所望により熟成した後、洗浄して副生塩を除き、シリカ、チタニア及びアルミナを含む水和物のスラリーを得る。得られた水和物のスラリーを、所望によりさらに加熱熟成した後、慣用の手段により、例えば、加熱捏和して成型可能な捏和物とした後、押出成型などにより所望の形状に成型し、通常70〜150℃、好ましくは90〜130℃で乾燥した後、好ましくは400〜500℃、より好ましくは400〜480℃、さらに好ましくは430〜470℃、最も好ましくは440〜460℃で、通常0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間焼成することにより、シリカ、チタニア及びアルミナを含むシリカ−チタニア−アルミナ担体を得る。
このときの焼成条件、特に焼成温度を制御することで、X線回折分析により測定されるベーマイト(021)面の結晶構造を示す回折ピーク面積が、γ−アルミナ(440)面に帰属されるアルミニウム結晶構造を示す回折ピーク面積に対して、1/10以上である担体を調製することができる。
(第3工程)
得られたシリカ−チタニア−アルミナ担体に、周期表第VIA族及び第VIII族から選ばれた少なくとも1種の金属成分を上述したとおり、慣用の手段(含浸法、浸漬法など)で担持した後、好ましくは400〜500℃、より好ましくは400〜480℃、さらに好ましくは430〜470℃で、通常0.5〜10時間、好ましくは2〜5時間焼成し、本発明の水素化脱硫触媒を製造する。
金属成分の原料としては、例えば、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、硝酸コバルト、炭酸コバルト、三酸化モリブデン、モリブデン酸アンモン、パラタングステン酸アンモンなどが好ましく使用される。
(第4工程)
次に、前記第3工程で得られた水素化脱硫触媒を、反応装置中で予備硫化処理することにより本発明の予備硫化済みの水素化脱硫触媒を製造することができる。
すなわち、第4工程においては、(1)水素化脱硫触媒と硫黄化合物を含む石油蒸留物(本発明における「炭化水素油」である。)及び硫化剤(例えば、ジメチルサルファイド、ジメチルジスルフィドや二硫化炭素等)を混合した混合油とを、或いは、(2)水素化脱硫触媒と硫化水素とを、200〜400℃、好ましくは240℃〜340℃、常圧あるいはそれ以上の水素分圧(例えば2〜15MPa)の水素雰囲気下で接触させて予備硫化処理を行い、予備硫化済み水素化脱硫触媒を得る。
ここで、予備硫化処理の温度が200℃未満の場合には、担持金属の硫化度が低いため、脱硫活性が低下する傾向にあるので好ましくなく、また、400℃を超える場合には、第VIA族の金属硫化物の結晶層の積層数が著しく増加し、脱硫活性が低下する傾向にあるので好ましくない。
予備硫化終了後、予備硫化済み水素化脱硫触媒を室温まで冷却し、窒素雰囲気下で保存する。
前記予備硫化処理により第VIA族の金属が金属硫化物結晶となって担体上に層状に配設される。
このように上記第1工程から第4工程を経ることにより、水素化脱硫触媒を予備硫化した後の金属硫化物結晶の平均長さが2.6nm以下で、金属硫化物結晶の平均積層数が1.8以上である本発明の水素化脱硫触媒を製造することができる。
<酸性OH基の吸光度、弱塩基性OH基の吸光度>
透過型フーリエ変換赤外分光計(日本分光(株)製:FT−IR/6100)にて、以下のようにして酸性OH基の極大ピーク波数、その波数における吸光度、弱塩基性OH墓の極大ピーク波数、その波数における吸光度を測定した。
(測定法)
試料20mgを成型容器(内径20mm)に充填して4ton/cm(39227N/cm)で加圧圧縮し、薄い円盤状に成型した。この成型体を、真空度が1.0×10−3Pa以下の条件下、400〜500℃で2時間保持した後、室温に冷却して吸光度を測定した。
具体的には、TGS検出器にて、分解能4cm−1、積算回数を200回とし、波数範囲3000〜4000cm−1でベースライン補正し、その後、比表面積で補正した。吸光度は、単位表面積当りに換算した。
単位表面積当たりの吸光度(m−2)=(吸光度)/(成型体質量×比表面積)
なお、以下の実施例・比較例いずれにおいても酸性OH基に起因する吸収スペクトルの極大ピーク位置の波数は3670〜3695cm−1の範囲にあり、弱塩基性OH基に起因する吸収スペクトルの極大ピーク位置の波数は3720〜3740cm−1の範囲にあった。
以下、本発明の内容を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
[実施例1:水素化脱硫触媒aの調製]
容量が100Lのスチームジャケット付のタンクに、Al濃度換算で22質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液(日揮触媒化成(株)製)8.10kgを入れ、イオン交換水43kgで希釈後、SiO濃度換算で5質量%の珪酸ナトリウム溶液(AGCエスアイテック(株)製;SiO濃度24質量%)1.80kgを攪拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩水溶液を作成した。また、Al濃度換算で7質量%の硫酸アルミニウム水溶液(日揮触媒化成(株)製)5.40kgを9.73kgのイオン交換水で希釈した酸性アルミニウム塩水溶液と、TiO濃度換算で33質量%の硫酸チタニル(テイカ(株)製)2.28kgを13kgのイオン交換水に溶解したチタニウム鉱酸塩水溶液とを混合し、60℃に加温して、混合水溶液を作成した。塩基性アルミニウム塩水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて混合水溶液をpHが7.2となるまで一定速度で添加(添加時間:10分)し、シリカ、チタニア、及びアルミナを含む水和物のスラリーaを調製した。
得られた水和物スラリーaを攪拌しながら60℃で1時間熟成した後、平板フィルターを用いて脱水し、更に、0.3質量%アンモニア水溶液150Lで洗浄した。洗浄後のケーキ状のスラリーをAl濃度換算で10質量%となるようにイオン交換水で希釈した後、15質量%アンモニア水でpHを10.5に調整した。これを還流機付熟成タンクに移し、攪拌しながら95℃で10時間熟成した。熟成終了後のスラリーを脱水し、スチームジャケットを備えた双腕式ニーダーにて練りながら所定の水分量まで濃縮捏和した。得られた捏和物を押出成型機にて直径が1.8mmの円柱形状に成型し、110℃で乾燥した。乾燥した成型品は電気炉で450℃の温度で3時間焼成し、担体aを得た。担体aは、シリカがSiO濃度換算で3質量%(担体基準)、チタニアがTiO濃度換算で25質量%(担体基準)、アルミニウムがAl濃度換算で72質量%(担体基準)含有されていた。
図2に担体aの透過型フーリエ変換赤外吸収スペクトルを示す。
また、担体aをリガク社製のX線回折装置RINT2100にて、X線回折分析を行った。その結果を図3に示す。ここで、得られたグラフを最小二乗法によりフィッティングし、ベースライン補正を行い2θ=28°に示されるベーマイト(021)面の結晶構造を示す回折ピークの半値幅を求め、この半値幅とベースラインからのピーク強度との積をベーマイト回折ピーク面積とした。同様に2θ=67°に示されるγ−アルミナ(440)面に帰属されるアルミニウム結晶構造を示す回折ピークの半減値を求め、この半減値とベースラインからのピーク強度との積をγ−アルミナ回折ピーク面積とした。ベーマイトの結晶構造を示す回折ピーク面積が、γ−アルミナに帰属される結晶構造を示す回折ピーク面積に対して、1/4であった(ベーマイト回折ピーク面積/γ−アルミナ回折ピーク面積=1/4)。
更に、三酸化モリブデン(Climax(株)製;MoO濃度99質量%)270gと炭酸コバルト((株)田中化学研究所製;CoO濃度61質量%)77gとを、イオン交換水500mlに懸濁させ、この懸濁液を95℃で5時間液容量が減少しないように適当な還流装置を施して加熱した後、リン酸(関東化学(株)製;P濃度62質量%)54gを加えて溶解させ、含浸液を作製した。この含浸液を、担体a1000gに噴霧含浸させた後、250℃で乾燥し、更に電気炉にて450℃で1時間焼成して水素化脱硫触媒a(以下、単に「触媒a」ともいう。以下の実施例についても同様である。)を得た。表1に触媒aの性状を示す。
[実施例2:水素化脱硫触媒bの調製]
担体aを用いて、含浸液調製において、三酸化モリブデンを272g、炭酸コバルトを88g、リン酸を55g用いたこと以外は触媒aと同様の調製を行い、触媒bを得た。表1に触媒bの性状を示す。
[実施例3:水素化脱硫触媒cの調製]
担体aを用いて、含浸液調製において、三酸化モリブデンを272g、炭酸ニッケル(正同化学工業(株)製;NiO濃度55質量%)を37g、炭酸コバルトを55g、リン酸を55g用いたこと以外は触媒aと同様の調製を行い、触媒cを得た。表1に触媒cの性状を示す。
[実施例4:水素化脱硫触媒dの調製]
担体調製において、アルミン酸ナトリウム水溶液を7.87kg、硫酸アルミニウム水溶液を5.25kg、硫酸アルミニウムを希釈するイオン交換水9.46kg、硫酸チタニルを2.45kg、硫酸チタニルを希釈するイオン交換水14kgを用いた以外は、実施例1と同様にして担体dを得た。担体dは、シリカがSiO濃度換算で3質量%(担体基準)、チタニアがTiO濃度換算で27質量%(担体基準)、アルミニウムがAl濃度換算で70質量%(担体基準)含有されていた。
また、実施例1と同様に担体dについてX線回折分析を行った結果、ベーマイト回折ピーク面積/γ−アルミナ回折ピーク面積は2/5であった。
次に、この担体dを用いて、実施例2と同様にして触媒dを得た。表1に触媒dの性状を示す。
[比較例1:水素化脱硫触媒eの調製]
担体調製において、アルミン酸ナトリウム水溶液を8.16kg、硫酸アルミニウム水溶液を7.38kg、硫酸アルミニウムを希釈するイオン交換水13kg、硫酸チタニルを1.82kg、硫酸チタニルを希釈するイオン交換水10kgを用いた以外は、実施例1と同様にして担体eを得た。担体eは、シリカがSiO濃度換算で3質量%(担体基準)、チタニアがTiO濃度換算で20質量%(担体基準)、アルミニウムがAl濃度換算で77質量%(担体基準)含有されていた。
また、実施例1と同様に担体eについてX線回折分析を行った結果、ベーマイト回折ピーク面積/γ−アルミナ回折ピーク面積は1/3であった。
次に、この担体eを用いて、実施例1と同様にして触媒eを得た。表1に触媒eの性状を示す。
また、図2に担体eの透過型フーリエ変換赤外吸収スペクトルを示す。
[比較例2:水素化脱硫触媒fの調製]
担体調製において、乾燥した成型品を電気炉で550℃で焼成したこと以外は担体deと同様の調製を行い、担体fを得た。
図2に担体fの透過型フーリエ変換赤外吸収スペクトルを示す。
また、実施例1と同様に担体fについてX線回折分析を行った結果、図3に示すようにベーマイト回折ピークは存在せず、ベーマイト回折ピーク面積/γ−アルミナ回折ピーク面積は0であった。
次に、この担体fを用いて、実施例1と同様にして触媒fを得た。表1に触媒fの性状を示す。
[比較例3:水素化脱硫触媒gの調製]
担体調製において、乾燥した成型品を電気炉で550℃で焼成したこと以外は担体aと同様の調製を行い、担体gを得た。
図2に担体gの透過型フーリエ変換赤外吸収スペクトルを示す。
また、実施例1と同様に担体gについてX線回折分析を行った結果、図3に示すようにベーマイト回折ピークは存在せず、ベーマイト回折ピーク面積/γ−アルミナ回折ピーク面積は0であった。
次に、この担体gを用いて、実施例1と同様にして触媒gを得た。表1に触媒gの性状を示す。
[比較例4:水素化脱硫触媒hの調製]
担体調製において、アルミン酸ナトリウム水溶液を7.54kg、アルミン酸ナトリウム希釈するイオン交換水42kg、硫酸アルミニウム水溶液を5.03kg、硫酸アルミニウムを希釈するイオン交換水9.05kg、硫酸チタニルを2.73kg、硫酸チタニルを希釈するイオン交換水15kgを用いた以外は、実施例1と同様にして担体hを得た。担体hは、シリカがSiO濃度換算で3質量%(担体基準)、チタニアがTiO濃度換算で30質量%(担体基準)、アルミニウムがAl濃度換算で67質量%(担体基準)含有されていた。
また、実施例1と同様に担体hについてX線回折分析を行った結果、ベーマイト回折ピーク面積/γ−アルミナ回折ピーク面積は3/4であった。
次に、この担体hを用いて、実施例2と同様にして触媒hを得た。表1に触媒hの性状を示す。
[水素化脱硫試験]
触媒を充填した反応管を固定床流通式水素化脱硫装置に取り付けた。その後、硫黄分濃度が1重量%の炭化水素油を用いて触媒層平均温度300℃、水素分圧6.0MPa、液空間速度1.0h−1、水素/油比200NL/Lの条件下で、5時間以上触媒の予備硫化を行った。
予備硫化された触媒a〜hの金属硫化物(MoS)結晶の平均長さと、平均積層数を表1に示す。
予備硫化された触媒a〜hを使用して、次の性状を有する原料油をザイテル社製の水素化脱硫装置により水素化処理した。水素化処理反応は以下の条件で行った。各触媒について反応温度330℃および340℃における反応速度定数を求め、330℃、340℃それぞれについて触媒fの反応速度定数を100として求めた相対脱硫活性の平均を表1に示す。
《原料油の性状》
原料油:直留軽油(沸点範囲208〜390℃)
密度@15℃:0.8493g/cm
硫黄分:1.32質量%
窒素分:105質量ppm
《反応条件》
反応温度:330℃、340℃
液空間速度:1.36hr−1
水素圧力:6.0MPa
水素/油比:250NL/L
実施例1の担体aはチタニア含有量が25質量%(担体基準)で、予備硫化後の触媒aの二硫化モリブデン層の長さの平均値は2.4nmであり、二硫化モリブデン層の平均積層数は2.1であった。この触媒cを用いた脱硫活性は比較例2の触媒fを100とした場合、135と極めて高活性であった。また比較例1の触媒eと比べても高活性であった。

Claims (7)

  1. 少なくともベーマイトおよびγ−アルミナを含み、さらにシリカとチタニアを含有する担体に周期表第VIA族及び第VIII族から選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持してなる水素化脱硫触媒であって、担体中のチタニア含有割合が23質量%以上27質量%以下であり、予備硫化後の金属硫化物結晶の平均長さが2.6nm以下で、かつ金属硫化物結晶の平均積層数が1.8以上であることを特徴とする炭化水素油の水素化脱硫触媒。
  2. 透過型フーリエ変換赤外吸収スペクトル測定装置(FT−IR)によって測定される酸性OH基に起因する担体単位表面積当たりの吸光度と弱塩基性OH基に起因する担体単位表面積当たりの吸光度の比が0.9以上である担体であることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素油の水素化脱硫触媒。
  3. X線回折分析により測定されるベーマイト(021)面の結晶構造を示す回折ピーク面積が、γ−アルミナ(440)面に帰属されるアルミニウム結晶構造を示す回折ピーク面積に対して、1/10以上である担体であることを特徴とする請求項1または2に記載の炭化水素油の水素化脱硫触媒。
  4. 前記周期表第VIA族及び第VIII族から選ばれる金属成分が、モリブデン、タングステン、コバルトおよびニッケルから選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素油の水素化脱硫触媒。
  5. 前記第VIII族から選ばれる金属成分が第VIA族から選ばれる金属成分に対して、酸化物重量比で0.13〜0.25であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭化水素油の水素化脱硫触媒。
  6. 前記第VIII族から選ばれる金属成分が酸化物として2.6〜4.4質量%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭化水素油の水素化脱硫触媒。
  7. 珪酸イオンの存在下で、チタニウム鉱酸塩及び酸性アルミニウム塩の混合水溶液と、塩基性アルミニウム塩水溶液とを、pHが6.5〜9.5になるように混合して水和物を得る第1工程と、前記水和物を順次洗浄、成型、乾燥、及び400〜500℃で焼成して担体を得る第2工程と、前記担体に、周期表第VIA族及び第VIII族から選ばれる少なくとも1種の金属成分を担持する第3工程と、前記第3工程で得られた水素化脱硫触媒を予備硫化処理する第4工程により請求項1に記載の水素化脱硫触媒を得ることを特徴とする水素化脱硫触媒の製造方法。
JP2015194178A 2015-09-30 2015-09-30 炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法 Active JP6489990B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015194178A JP6489990B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015194178A JP6489990B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017064647A JP2017064647A (ja) 2017-04-06
JP6489990B2 true JP6489990B2 (ja) 2019-03-27

Family

ID=58493436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015194178A Active JP6489990B2 (ja) 2015-09-30 2015-09-30 炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6489990B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG10202007253YA (en) * 2016-02-01 2020-09-29 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd Hydrogenation treatment catalyst for hydrocarbon oil, method for producing the same, and hydrogenation treatment method
WO2018221698A1 (ja) 2017-05-31 2018-12-06 古河電気工業株式会社 Coシフトもしくは逆シフト触媒構造体及びその製造方法、coシフトまたは逆シフト反応装置、二酸化炭素と水素の製造方法、並びに一酸化炭素と水の製造方法
CN110709165A (zh) 2017-05-31 2020-01-17 国立大学法人北海道大学 功能性结构体以及功能性结构体的制造方法
EP3632541A4 (en) 2017-05-31 2021-03-10 National University Corporation Hokkaido University FUNCTIONAL STRUCTURE AND MANUFACTURING PROCESS FOR FUNCTIONAL STRUCTURE
AU2018276618B2 (en) 2017-05-31 2021-05-27 Furukawa Electric Co., Ltd. Functional structure and production method for functional structure
EP3632547A4 (en) 2017-05-31 2020-12-16 Furukawa Electric Co., Ltd. CATALYST STRUCTURE FOR CATALYTIC CRACKING OR HYDRODESULFURATION, DEVICE FOR CATALYTIC CRACKING AND HYDRODESULFURATION DEVICE USING THE ABOVE CATALYST STRUCTURE AND MANUFACTURING PROCESSES FOR HYDRODESULFURATION
EP3632550A4 (en) 2017-05-31 2021-03-03 National University Corporation Hokkaido University FUNCTIONAL STRUCTURE AND MANUFACTURING PROCESS FOR FUNCTIONAL STRUCTURE
CN110678262A (zh) 2017-05-31 2020-01-10 古河电气工业株式会社 排气净化用氧化催化剂结构体及其制造方法、汽车的排气处理装置、催化剂成型体以及气体净化方法
US11161101B2 (en) 2017-05-31 2021-11-02 Furukawa Electric Co., Ltd. Catalyst structure and method for producing the catalyst structure
CN110709166A (zh) 2017-05-31 2020-01-17 古河电气工业株式会社 甲醇重整催化剂结构体、甲醇重整用装置、甲醇重整催化剂结构体的制造方法以及烯烃或芳香族烃中的至少一种的制造方法
EP3632555A4 (en) 2017-05-31 2021-01-27 Furukawa Electric Co., Ltd. HYDRO DESULFURIZATION CATALYST STRUCTURE, HYDRO DESULFURIZATION DEVICE PROVIDED WITH THIS CATALYST STRUCTURE, AND METHOD FOR MANUFACTURING A HYDRODESULFURIZATION CATALYST STRUCTURE

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2874837B1 (fr) * 2004-09-08 2007-02-23 Inst Francais Du Petrole Catalyseur dope et procede ameliore de traitement de charges hydrocarbonees
JP5697009B2 (ja) * 2009-10-20 2015-04-08 日揮触媒化成株式会社 炭化水素油の水素化脱硫触媒
JP5610874B2 (ja) * 2010-06-25 2014-10-22 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 炭化水素油の水素化脱硫触媒及びその製造方法
JP5610875B2 (ja) * 2010-06-25 2014-10-22 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 炭化水素油の水素化精製方法
SG186776A1 (en) * 2010-06-25 2013-02-28 Jx Nippon Oil & Energy Corp Hydrodesulfurization catalyst for hydrocarbon oil, process of producing same and method for hydrorefining
JP5645652B2 (ja) * 2010-12-28 2014-12-24 日揮触媒化成株式会社 炭化水素油の水素化処理触媒及びそれを用いた水素化処理方法
JP5841481B2 (ja) * 2012-03-30 2016-01-13 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 重質残油の水素化精製方法
WO2014033653A2 (en) * 2012-08-29 2014-03-06 Indian Oil Corporation Limited Hydrotreating catalyst and process for preparing the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017064647A (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6489990B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法
WO2011162228A1 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒及びその製造方法並びに炭化水素油の水素化精製方法
US10569254B2 (en) Catalyst support and catalysts prepared therefrom
WO2011040224A1 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒、その製造方法および水素化精製方法
US7642212B2 (en) Hydroconversion catalysts and methods of making and using same
JP5517541B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒およびその製造方法
WO2013061913A1 (ja) 水素化処理触媒及びその製造方法
WO2016189982A1 (ja) 炭化水素油の水素化処理触媒、その製造方法及び水素化処理方法
JP5610874B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒及びその製造方法
JP6284403B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒
JP5815321B2 (ja) 炭化水素油の水素化処理触媒、炭化水素油の水素化処理触媒の製造方法及び炭化水素油の水素化処理方法
WO2018180377A1 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒及び水素化脱硫触媒の製造方法
JP5340101B2 (ja) 炭化水素油の水素化精製方法
JP5610875B2 (ja) 炭化水素油の水素化精製方法
EP2723494B1 (en) Method of making a hydroprocessing catalyst
JP6251107B2 (ja) 炭化水素油の水素化脱硫触媒
JP4970966B2 (ja) チタン担持耐火性無機酸化物担体、炭化水素油の水素化処理触媒及びそれを用いた水素化処理方法
JP2017113715A (ja) 水素化処理触媒及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181002

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6489990

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250