JP6489038B2 - 自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車に関し、詳しくは、筒内噴射弁とポート噴射弁とを有する複数気筒のエンジンを備える自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、筒内噴射弁とポート噴射弁とを有する複数気筒のエンジンと、モータと、を備える自動車において、総燃料噴射量に対する筒内噴射弁から噴射する燃料噴射量の割合である筒内噴射比率を値0として筒内噴射弁から全ての燃料を噴射させながら筒内噴射弁の異常診断を実行すると共に、筒内噴射比率を値1としてポート噴射弁から全ての燃料を噴射させながらポート噴射弁の異常診断を実行するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、エンジンの排気系に取り付けられた触媒の暖機を促進させる必要があるときなどに、エンジンの間欠運転(運転停止)を禁止して、エンジンの運転を継続する。そして、そのときに、筒内噴射弁およびポート噴射弁の異常判定のうち少なくとも一方が完了していないときには、エンジンの負荷が所定領域内となるようにエンジンを運転する。これにより、筒内噴射弁およびポート噴射弁の異常診断を実行するためだけにエンジンの間欠運転を禁止する必要が生じるのを抑制している。
特開2013−177026号公報
こうした自動車では、筒内噴射率を値0や値1としての、燃料噴射量の気筒間のインバランスが生じているか否かのインバランス診断と、エンジンの何れかの気筒で失火が生じているか否かの失火診断と、の実行が必要とされる場合がある。一般に、エンジンの動作点の取り得る範囲のうち、筒内噴射率を値0や値1としてのインバランス診断を実行するための(実行に適した)第1領域は、筒内噴射率を値0や値1としての失火診断を実行するための(実行に適した)第2領域に包含される。したがって、エンジン動作点が第1領域外かつ第2領域内のときに、筒内噴射率を値0や値1で保持して失火診断を実行すると、その後に、エンジンの動作点が第1領域内(かつ第2領域内)になったときに、インバランス診断を実行するために、再度、筒内噴射率を値0や値1で保持する必要が生じる。このため、インバランス診断や失火診断の実行のために筒内噴射率を値0や値1で保持する時間が長くなり、燃費やエミッション,ドライバビリティが悪化することがある。
本発明の自動車は、燃費やエミッション,ドライバビリティが悪化するのを抑制することを主目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁と吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁とを有する複数気筒のエンジンと、
前記筒内噴射弁および前記ポート噴射弁からの総燃料噴射量に対する前記筒内噴射弁からの燃料噴射量の割合である筒内噴射割合を第1所定割合以上または該第1所定割合よりも小さい第2所定割合以下とする第1噴射モードと、前記筒内噴射割合を前記第1所定割合未満よりも小さくかつ前記第2所定割合よりも大きくする第2噴射モードと、を切り替えて前記エンジンを制御する制御手段と、
前記第1噴射モードで、燃料噴射量の気筒間のインバランスが生じているか否かのインバランス診断および前記エンジンの何れかの気筒で失火が生じているか否かの失火診断を実行する診断手段と、
を備える自動車であって、
前記診断手段は、前記エンジンの動作点が、前記第1噴射モードで前記インバランス診断を実行するための第1領域内かつ前記第1噴射モードで前記失火診断を実行するための領域であって前記第1領域を包含する第2領域内になったときに、前記制御手段に前記第1噴射モードを保持させて、前記インバランス診断および前記失火診断を実行する、
ことを要旨とする。
この本発明の自動車では、エンジンの動作点が、第1噴射モードで燃料噴射量の気筒間のインバランスが生じているか否かのインバランス診断を実行するための第1領域内かつ第1噴射モードでエンジンの何れかの気筒で失火が生じているか否かの失火診断を実行するための領域であって第1領域を包含する第2領域内になったときに、第1噴射モードを保持してインバランス診断および失火診断を実行する。これにより、エンジンの動作点が第1領域外かつ第2領域内のときでも第1噴射モードを保持して失火診断を実行するものに比して、インバランス診断や失火診断の実行のために第1噴射モードを保持する時間が長くなるのを抑制することができる。この結果、燃費やエミッション,ドライバビリティが悪化するのを抑制することができる。
ここで、「第1噴射モード」において、筒内噴射割合を第1所定割合以上とする場合、例えば、筒内噴射割合を100%とするものとしてもよい。また、「第1噴射モード」において、筒内噴射割合を第2所定割合以下とする場合、例えば、エンジンを負荷運転する際には、筒内噴射割合を30%,25%,20%などとし、エンジンを無負荷運転する際には、筒内噴射割合を0%とするものとしてもよい。エンジンを負荷運転する際に筒内噴射割合を0%としないのは、筒内噴射割合を0%とする(筒内噴射弁から燃料を噴射しない)と、筒内温度が比較的高くなったときに、筒内噴射弁に損傷を生じたり筒内噴射弁にデポジットが堆積したりするなどの不都合を生じる可能性があるからである。エンジンを無負荷運転する際に筒内噴射割合を0%とするのは、筒内温度が比較的高くなる可能性が低く、上述の不都合を生じる可能性が低いからである。
本発明の一実施例としての自動車10の構成の概略を示す構成図である。 実施例の電子制御ユニット70によって実行される異常診断ルーチンの一例を示すフローチャートである。 第1領域および第2領域について示す説明図である。 第1フラグF1,第2フラグF2,ポート噴射モードや筒内噴射モードでのインバランス診断および失火診断の実行中か否かの様子の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての自動車10の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車10は、図示するように、エンジン12と、エンジン12を運転制御する電子制御ユニット70と、を備える。なお、自動車10は、エンジン12からの動力だけを用いて走行する自動車,エンジン12および図示しないモータからの動力を用いて走行するハイブリッド自動車などとして構成されている。
エンジン12は、複数気筒(例えば、4気筒,6気筒,8気筒など)を有し、ガソリンや軽油などの燃料を用いて吸気・圧縮・膨張・排気の4行程によって動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン12は、筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁25と、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁26とを有し、筒内噴射モードとポート噴射モードと共用噴射モードとの何れかでの運転が可能となっている。筒内噴射モードは、筒内噴射弁25およびポート噴射弁26からの総燃料噴射量に対する筒内噴射弁25からの燃料噴射量の割合である筒内噴射割合を第1所定割合以上とするモードであり、ポート噴射モードは、筒内噴射割合を第1所定割合よりも小さい第2所定割合以下とするモードであり、共用噴射モードは、筒内噴射割合を第1所定割合よりも小さくかつ第2所定割合よりも大きくするモードである。実施例では、筒内噴射モードでは、筒内噴射割合を100%とし、ポート噴射モードでは、エンジン12を負荷運転する際には、筒内噴射割合を30%,25%,20%などとし、エンジン12を無負荷運転する際には、筒内噴射割合を0%とするものとした。エンジン12を負荷運転する際に筒内噴射割合を0%としないのは、筒内噴射割合を0%とする(筒内噴射弁25から燃料を噴射しない)と、筒内温度が比較的高くなったときに、筒内噴射弁25に損傷を生じたり筒内噴射弁25にデポジットが堆積したりするなどの不都合を生じる可能性があるからである。エンジン12を無負荷運転する際に筒内噴射割合を0%とするのは、筒内温度が比較的高くなる可能性が低く、上述の不都合を生じる可能性が低いからである。
筒内噴射モードでは、エアクリーナ22によって清浄された空気をスロットルバルブ24および吸気バルブ28を介して燃焼室29に吸入し、吸気行程の途中あるいは圧縮行程で筒内噴射弁25から燃料を噴射し、点火プラグ30による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギによって押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト16の回転運動に変換する。
ポート噴射モードおよび共用噴射モードでは、エアクリーナ22によって清浄された空気をスロットルバルブ24を介して吸入すると共にポート噴射弁26から燃料を噴射して空気と燃料とを混合し、この混合気を吸気バルブ28を介して燃焼室29に吸入し、吸気行程の途中あるいは圧縮行程で筒内噴射弁25から燃料を噴射し、点火プラグ30による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギによって押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト16の回転運動に変換する。
燃焼室29から排気バルブ31を介して排出される排気は、一酸化炭素(CO),炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)を有する浄化装置34を介して外気に排出される。
電子制御ユニット70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポートを備える。
電子制御ユニット70には、エンジン12を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット70に入力される信号としては、以下のものを挙げることができる。
・クランクシャフト16の回転位置を検出するクランクポジションセンサ40からのクランク角θcr
・エンジン12の冷却水の温度を検出する水温センサ42からの冷却水温Tw
・吸気バルブ28を開閉するインテークカムシャフトの回転位置および排気バルブ31を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ44からのカム角θci,θco
・吸気管に設けられたスロットルバルブ24のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ46からのスロットル開度TH
・吸気管に取り付けられたエアフローメータ48からの吸入空気量Qa
・吸気管に取り付けられた温度センサ49からの吸気温Ta
・排気管に取り付けられた空燃比センサ35aからの空燃比AF
・排気管に取り付けられた酸素センサ35bからの酸素信号O2
電子制御ユニット70からは、エンジン12を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット70から出力される信号としては、以下のものを挙げることができる。
・スロットルバルブ24のポジションを調節するスロットルモータ36への駆動制御信号
・筒内噴射弁25への駆動制御信号
・ポート噴射弁26への駆動制御信号
・イグナイタと一体化されたイグニッションコイル38への駆動制御信号
電子制御ユニット70は、クランクポジションセンサ40からのクランク角θcrに基づいて、クランクシャフト16の回転数、即ち、エンジン12の回転数Neを演算している。また、電子制御ユニット70は、エアフローメータ48からの吸入空気量Qaとエンジン12の回転数Neとに基づいて、体積効率(エンジン12の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算している。
こうして構成された実施例の自動車10では、電子制御ユニット70は、エンジン12が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって運転されるように、エンジン12の吸入空気量制御,燃料噴射制御,点火制御を行なう。吸入空気量制御,点火制御については、本発明の中核をなさないことから、詳細な説明は省略する。燃料噴射制御については、まず、エンジン12の回転数Neおよび体積効率KLに基づいて、筒内噴射モード,ポート噴射モード,共用噴射モードから実行用噴射モードを設定する。続いて、吸入空気量Qaと実行用噴射モードとに基づいて、空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)となるように、筒内噴射弁25およびポート噴射弁26の目標燃料噴射量Qfd*,Qfi*を設定する。そして、目標燃料噴射量Qfd*,Qfi*を用いて筒内噴射弁25およびポート噴射弁26を制御する。
次に、こうして構成された実施例の自動車10の動作、特に、エンジン12の異常診断を行なう際の動作について説明する。図2は、実施例の電子制御ユニット70によって実行される異常診断ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、イグニッションオンとされたときに実行が開始される。なお、実施例では、エンジン12の異常診断として、筒内噴射モードやポート噴射モード(以下、まとめて「所定噴射モード」という)での、燃料噴射量の気筒間のインバランスが生じているか否かのインバランス診断と、所定噴射モードでの、エンジン12の何れかの気筒で失火が生じているか否かの失火診断と、を実行するものとした。
図2の異常診断ルーチンが実行されると、電子制御ユニット70は、エンジン12の冷却水温Tw,第1フラグF1,第2フラグF2などのデータを入力する(ステップS100)。ここで、エンジン12の冷却水温Twは、水温センサ42によって検出された値を入力するものとした。第1フラグF1は、電子制御ユニット70によって繰り返し実行される第1フラグ設定ルーチンによって設定された値を入力するものとした。第1フラグ設定ルーチンでは、電子制御ユニット70は、エンジン12の動作点が所定噴射モードでインバランス診断を実行するための(実行に適した)第1領域内のときには、第1フラグF1に値1を設定し、エンジン12の動作点が第1領域外のときには、第1フラグF1に値0を設定するものとした。第2フラグF2は、電子制御ユニット70によって繰り返し実行される第2フラグ設定ルーチンによって設定された値を入力するものとした。第2フラグ設定ルーチンでは、電子制御ユニット70は、エンジン12の動作点が所定噴射モードで失火診断を実行するための(実行に適した)第2領域内のときには、第2フラグF2に値1を設定し、エンジン12の動作点が第2領域外のときには、第2フラグF2に値0を設定するものとした。
図3は、第1領域および第2領域について示す説明図である。図示するように、第1領域は、エンジン12の回転数Neが所定回転数Ne11以上かつ所定回転数Ne12以下であると共にエンジン12の体積効率KLが所定効率KL11以上かつ所定効率KL12以下の領域として定められる。ここで、所定回転数Ne11は、例えば、1150rpm,1200rpm,1250rpmなどを用いることができる。所定回転数Ne12は、例えば、1950rpm,2000rpm,2050rpmなどを用いることができる。所定効率KL11は、例えば、38%,40%,42%などを用いることができる。所定効率KL12は、例えば、63%,65%,67%などを用いることができる。第2領域は、エンジン12の回転数Neが所定回転数Ne11よりも小さい所定回転数Ne21以上かつ所定回転数Ne12よりも大きい所定回転数Ne22以下であると共にエンジン12の体積効率KLが所定効率KL11よりも低い所定効率KL21以上かつ所定効率KL12よりも高い所定効率KL22以下の領域として定められる。ここで、所定回転数N21は、例えば、950rpm,1000rpm,1050rpmなどを用いることができる。所定回転数N22は、例えば、2950rpm,3000rpm,3050rpmなどを用いることができる。所定効率KL21は、例えば、23%,25%,27%などを用いることができる。所定効率KL22は、73%,75%,77%などを用いることができる。したがって、第1領域は、第2領域に包含される。
こうしてデータを入力すると、入力したエンジン12の冷却水温Twを閾値Twrefと比較する(ステップS110)。ここで、閾値Twrefは、エンジン12の暖機が完了しているか否かの判定に用いられる閾値であり、例えば、70℃,75℃,80℃などを用いることができる。エンジン12の冷却水温Twが閾値Twref未満のときには、エンジン12の暖機が完了していないと判断し、ステップS100に戻る。
ステップS110でエンジン12の冷却水温Twが閾値Twref以上のときには、エンジン12の暖機が完了していると判断し、第1フラグF1および第2フラグF2の値を調べる(ステップS120,S130)。そして、第1領域F1と第2フラグF2とのうちの少なくとも一方が値0のときには、ステップS100に戻る。上述したように、第1領域は第2領域に含まれるから、エンジン12の動作点が第1領域外のときには、その動作点が第2領域内であるか否かに拘わらずに、ステップS100に戻ることになる。
ステップS120,S130で第1フラグF1および第2フラグF2が共に値1のとき、即ち、エンジン12の動作点が第1領域内かつ第2領域内であるときには、診断用ポート噴射モード要求を出力する(ステップS140)。診断用ポート噴射モード要求を出力すると、エンジン12の回転数Neおよび体積効率KLに拘わらずに、ポート噴射モードを実行用噴射モードに設定してエンジン12の燃料噴射制御を行なう。なお、この診断用ポート噴射モード要求は、ポート噴射モードでのインバランス診断および失火診断が完了するまで出力するものとした。
そして、ポート噴射モードでのインバランス診断および失火診断を実行する(ステップS150)。実施例では、ポート噴射モードでのインバランス診断については、ポート噴射モードでのエンジン12の回転回数naが所定回数na1以上に至ったときに完了し、ポート噴射モードでの失火診断については、ポート噴射モードでのエンジン12の回転回数naが所定回数na2以上に至ったときに完了するものとした。ここで、回転回数naは、イグニッションオンとされた後に初めて冷却水温Twが閾値Twref以上でかつ第1フラグF1が値1でかつ第2フラグF2が値1のとき(ステップS110〜S130の条件が全て成立したとき)に、初期値としての値0が設定される。所定回数na1は、例えば、150,160,170などを用いることができる。所定回数na2は、例えば、190,200,210などを用いることができる。なお、所定回数na1と所定回数na2とは、同一の値を用いるものとしてもよい。
インバランス診断のうち何れかの気筒の燃料噴射量が他の気筒の燃料噴射量よりも少なくなっているか否かのリーンインバランス診断、および、失火診断については、実施例では、クランクポジションセンサ40からのクランク角θcrが各気筒の上死点から30度だけ回転するの要した所要時間T30を用いて行なうものとした。リーンインバランス診断については、所要時間T30が閾値T30ref1よりも大きいときに、その所要時間T30に対応する気筒(所要時間T30の演算時に膨張行程となる気筒)が他の気筒に対してリーンになっていると判定するものとした。失火診断については、所要時間T30が閾値T30ref2よりも大きいときに、その所要時間T30に対応する気筒が失火していると判定するものとした。閾値T30ref1,T30ref2は、実験や解析によって、エンジン12の回転数Neおよび体積効率KLに応じて定められる。
インバランス診断のうち何れかの気筒の燃料噴射量が他の気筒の燃料噴射量よりも多くなっているか否かのリッチインバランス診断については、実施例では、空燃比センサ35aからの空燃比AFの傾きkafを用いて、傾きkafが負の閾値kafrefよりも小さいときに、その傾きkafに対応する気筒が他の気筒に対してリッチになっていると判定するものとした。なお、リッチインバランス診断についても、リーンインバランス診断および失火診断と同様に、所要時間T30を用いて行なうものとしてもよい。
こうしてポート噴射モードでのインバランス診断および失火診断の実行を完了すると、診断用筒内噴射モード要求を出力する(ステップS160)。診断用筒内噴射モード要求を出力すると、エンジン12の回転数Neおよび体積効率KLに拘わらずに、筒内噴射モードを実行用噴射モードに設定してエンジン12の燃料噴射制御を行なう。なお、この診断用筒内噴射モード要求は、筒内噴射モードでのインバランス診断および失火診断が完了するまで出力するものとした。
そして、筒内噴射モードでのインバランス診断および失火診断を実行する(ステップS170)。実施例では、筒内噴射モードでのインバランス診断については、筒内噴射モードでのエンジン12の回転回数nbが所定回数nb1以上に至ったときに完了し、筒内噴射モードでの失火診断については、筒内噴射モードでのエンジン12の回転回数nbが所定回数nb2以上に至ったときに完了するものとした。ここで、回転回数nbは、イグニッションオンとされた後に初めて冷却水温Twが閾値Twref以上でかつ第1フラグF1が値1でかつ第2フラグF2が値1のとき(ステップS110〜S130の条件が全て成立したとき)に、初期値としての値0が設定される。所定回数nb1は、例えば、150,160,170などを用いることができる。所定回数nb2は、例えば、190,200,210などを用いることができる。なお、所定回数nb1と所定回数nb2とは、同一の値を用いるものとしてもよい。
こうして筒内噴射モードでのインバランス診断および失火診断の実行を完了すると、本ルーチンを終了する。本ルーチンを終了すると、その後は、エンジン12の回転数Neおよび体積効率KLに基づいて筒内噴射モード,ポート噴射モード,共用噴射モードから実行用噴射モードを設定してエンジン12の燃料噴射制御を行なう。
実施例では、上述の制御を行なうことにより、以下の効果を奏する。ここで、比較例として、エンジン12の動作点が第2領域内であれば第1領域外でも、所定噴射モード(ポート噴射モードや筒内噴射モード)で保持して失火診断を実行する場合を考える。この場合、その後にエンジン12の動作点が第1領域内(かつ第2領域内)になったときに、インバランス診断を実行するために、再度、所定噴射モードを保持する必要が生じる。このため、インバランス診断や失火診断の実行のために所定噴射モードを保持する時間が長くなり、燃費やエミッション,ドライバビリティが悪化することがある。これに対して、実施例では、エンジン12の動作点が第1領域内かつ第2領域内になったときに、所定噴射モードを保持してインバランス診断および失火診断を実行する。これにより、インバランス診断や失火診断の実行のために所定噴射モードを保持する時間が長くなるのを抑制することができる。この結果、燃費やエミッション,ドライバビリティが悪化するのを抑制することができる。
図4は、第1フラグF1,第2フラグF2,ポート噴射モードや筒内噴射モードでのインバランス診断および失火診断の実行中か否かの様子の一例を示す説明図である。図示するように、第1フラグF1と第2フラグF2とのうちの少なくとも一方が値0のときには、エンジン12の回転数Neおよび体積効率KLに基づいて実行用噴射モードを設定する。そして、第1フラグF1および第2フラグF2が共に値1になると(時刻t11)、即ち、エンジン12の動作点が第1領域内かつ第2領域内になると、まず、ポート噴射モードを実行用噴射モードに設定してインバランス診断および失火診断を実行し、その後に、筒内噴射モードを実行用噴射モードに設定してインバランス診断および失火診断を実行する。そして、これらの診断が完了すると(時刻t12)、エンジン12の回転数Neおよび体積効率KLに基づいて実行用噴射モードを設定する。このように、エンジン12の動作点が第1領域内かつ第2領域内になったときに、ポート噴射モードや筒内噴射モードでのインバランス診断および失火診断の実行することにより、インバランス診断や失火診断の実行のためにポート噴射モードや筒内噴射モードを保持する時間が長くなるのを抑制することができる。この結果、燃費やエミッション,ドライバビリティが悪化するのを抑制することができる。
以上説明した実施例の自動車10では、エンジン12の冷却水温Twが閾値Twref以上のときにおいて、エンジン12の動作点が第1領域内かつ第2領域内になったときに、所定噴射モード(筒内噴射モードやポート噴射モード)として、インバランス診断および失火診断を実行する。これにより、エンジン12の動作点が第1領域外かつ第2領域内のときでも所定噴射モードを保持して失火診断を実行するものに比して、インバランス診断や失火診断の実行のために所定噴射モードを保持する時間が長くなるのを抑制することができる。この結果、燃費やエミッション,ドライバビリティが悪化するのを抑制することができる。
実施例の自動車10では、エンジン12の冷却水温Twが閾値Twref以上のときにおいて、エンジン12の動作点が第1領域内かつ第2領域内になったときに、ポート噴射モードを保持してインバランス診断診断および失火診断を実行してから筒内噴射モードを保持してインバランス診断および失火診断を実行するものとしてもよい。しかし、筒内噴射モードを保持してインバランス診断および失火診断を実行してからポート噴射モードを保持してインバランス診断および失火診断を実行するものとしてもよい。
実施例の自動車10では、特に説明していないが、所定噴射モードを保持してインバランス診断および失火診断を開始した後にエンジン12の動作点が第1領域外になったときには、所定噴射モードでのインバランス診断および失火診断を中断するものとしてもよい。この場合、その後に、再度、エンジン12の動作点が第1領域内かつ第2領域内になったときに、中断した時点(回転回数naまたは回転回数nb)から再開するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン12が「エンジン」に相当し、電子制御ユニット70が「制御手段」および「診断手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、16 クランクシャフト、22 エアクリーナ、24 スロットルバルブ、25 筒内噴射弁、26 ポート噴射弁、28 吸気バルブ、29 燃焼室、30 点火プラグ、31 排気バルブ、32 ピストン、34 浄化装置、35a 空燃比センサ、35b 酸素センサ、36 スロットルモータ、38 イグニッションコイル、40 クランクポジションセンサ、42 水温センサ、44 カムポジションセンサ、46 スロットルバルブポジションセンサ、48 エアフローメータ、49 温度センサ、70 電子制御ユニット。

Claims (1)

  1. 筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁と吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁とを有する複数気筒のエンジンと、
    前記筒内噴射弁および前記ポート噴射弁からの総燃料噴射量に対する前記筒内噴射弁からの燃料噴射量の割合である筒内噴射割合を第1所定割合以上または該第1所定割合よりも小さい第2所定割合以下とする第1噴射モードと、前記筒内噴射割合を前記第1所定割合未満よりも小さくかつ前記第2所定割合よりも大きくする第2噴射モードと、を切り替えて前記エンジンを制御する制御手段と、
    前記第1噴射モードで、燃料噴射量の気筒間のインバランスが生じているか否かのインバランス診断および前記エンジンの何れかの気筒で失火が生じているか否かの失火診断を実行する診断手段と、
    を備える自動車であって、
    前記診断手段は、前記エンジンの動作点が、前記第1噴射モードで前記インバランス診断を実行するための第1領域内かつ前記第1噴射モードで前記失火診断を実行するための領域であって前記第1領域を包含する第2領域内になったときに、前記制御手段に前記第1噴射モードを保持させて、前記インバランス診断および前記失火診断を実行し、
    前記第1領域は、前記エンジンの回転数が第1所定回転数以上かつ第2所定回転数以下であると共に前記エンジンの体積効率が第1所定効率以上かつ第2所定効率以下の領域として定められ、
    前記第2領域は、前記回転数が前記第1所定回転数より小さい第3所定回転数以上かつ前記第2所定回転数より大きい第4所定回転数以下であると共に前記体積効率が前記第1所定効率より低い第3所定効率以上かつ前記第2所定効率より高い第4所定効率以下の領域として定められる、
    自動車。
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