JP6488973B2 - 凝集測定装置及び凝集測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、試料に含まれるタンパク質などの凝集体を測定するための凝集測定装置及び凝集測定方法に関するものである。
例えばバイオ医薬品の製造時などにおいて、試料に含まれるタンパク質の凝集体の濃度を評価する場合がある。特に、粒子径が100nm〜10μmであるSVP(Sub-visible particle)領域のタンパク質の凝集体は、人体に有害であることから、このような凝集体の濃度が一定値を超えるようなバイオ医薬品は出荷することができない。
このようなタンパク質の凝集体による問題は、バイオ医薬品に限らず、他の医薬品や食品、化粧品などのタンパク質を原材料とする製品全般において生じる可能性がある。例えば、凝集しやすい条件でタンパク質が用いられた場合には、配管などにタンパク質が詰まることに起因して、メンテナンスの頻度が高くなったり、製品の品質に悪影響を及ぼしたりするおそれもある。
試料に含まれるタンパク質の凝集体の濃度を評価する方法としては、試料中の凝集体の絶対量を測定する方法が提案されており(例えば、下記特許文献1参照)、例えば定量的レーザ回折・散乱法(Quantitative Laser Diffraction Method)などのように、試料中の凝集体の個数濃度を算出する方法がある(例えば、下記非特許文献1参照)。このような方法を用いて、バイオ医薬品などの製品が使用目的に適しているか否かを判断する場合には、一定の評価時間が経過するまで待った上で、試料に含まれる粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度が算出され、その個数濃度が閾値を超えているか否か判定される。
特開2014−202669号公報
Shinichiro Totoki, Gaku Yamamoto, Kouhei Tsumoto, Susumu Uchiyama, and Kiichi Fukui, "Quantitative Laser Diffraction Method for the Assessment of Protein Subvisible Particles", Journal of Pharmaceutical Sciences, Volume 104, Issue 2, pages 618-626, DOI: 10.1002/jps.24288, 1 December 2014
しかしながら、バイオ医薬品などの製品に使用される多数のタンパク質について、それぞれ上述のような評価方法を用いてスクリーニングを行う場合には、各試料の評価に時間がかかるため、全ての試料についてのスクリーニングに要する時間が非常に長くなってしまう。そのため、個々の試料についての評価時間の短縮が求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価時間を短縮することができる凝集測定装置及び凝集測定方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る凝集測定装置は、光源と、複数の受光素子と、光強度分布測定部と、粒子径分布算出部と、個数濃度算出部と、個数濃度推定部とを備える。前記光源は、凝集体を含む試料に対して光を照射する。前記複数の受光素子は、試料中の凝集体で回折及び散乱した光を受光する。前記光強度分布測定部は、各受光素子における受光強度を表す光強度分布データを取得する。前記粒子径分布算出部は、前記光強度分布測定部により取得された光強度分布データに基づいて、各粒子径における凝集体の粒子量を表す粒子径分布データを算出する。前記個数濃度算出部は、前記粒子径分布算出部により算出された粒子径分布データに基づいて、試料に含まれる粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度を算出する。前記個数濃度推定部は、複数のタイミングで前記個数濃度算出部により算出された前記凝集体の個数濃度に基づいて、本来の評価時間経過後における前記凝集体の個数濃度を推定する。
このような構成によれば、試料中の凝集体で回折及び散乱した光の受光強度を表す光強度分布データから粒子径分布データが算出され、その粒子径分布データに基づいて、試料に含まれる粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度が算出される。このような個数濃度の算出が複数のタイミングで行われ、それらの凝集体の個数濃度に基づいて、本来の評価時間経過後における凝集体の個数濃度が推定される。これにより、一定の本来の評価時間が経過する前に、当該評価時間が経過したときの凝集体の個数濃度を推定することができるため、試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価時間を短縮することができる。
その結果、例えば競争の激しいバイオ医薬品の開発においては、バイオ医薬品の試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価時間が短縮されることにより、開発の全体スケジュールが短縮されるため、競争において極めて優位となる。また、バイオ医薬品に限らず、例えば食品や化粧品などの製造プロセスにおいても、不安定で凝集の可能性が高いタンパク質は配管などのメンテナンスが必要となる要因にもなるため、凝集しにくいタンパク質の条件を予め短時間で評価することができれば、製造コストを削減することが可能である。
(2)前記個数濃度推定部は、複数のタイミングで前記個数濃度算出部により算出された前記凝集体の個数濃度に基づいて、当該凝集体の個数濃度の時間的変化の速度及び/又は加速度を算出することにより、その速度及び/又は加速度に基づいて本来の評価時間経過後における前記凝集体の個数濃度を推定してもよい。
このような構成によれば、凝集体の個数濃度の時間的変化の速度及び/又は加速度に基づいて、本来の評価時間経過後における凝集体の個数濃度を精度よく推定することができる。したがって、試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価を短時間で精度よく行うことができる。
(3)前記凝集測定装置は、継続決定部をさらに備えていてもよい。前記継続決定部は、前記個数濃度推定部により推定される前記凝集体の個数濃度の推定値を閾値と比較することにより、その比較結果に基づいて測定を継続するか否かを決定する。
このような構成によれば、推定される本来の評価時間経過後の凝集体の個数濃度の推定値が閾値以上である場合に、その試料は不適合と判断して測定を中断することができる。これにより、不適合の可能性が高い試料の測定に時間を費やすのを抑制することができるため、試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価時間を効果的に短縮することができる。
(4)本発明に係る凝集測定方法は、光強度分布測定ステップと、粒子径分布算出ステップと、個数濃度算出ステップと、個数濃度推定ステップとを備える。前記光強度分布測定ステップでは、凝集体を含む試料に対して光源から光を照射し、試料中の凝集体で回折及び散乱した光を複数の受光素子で受光することにより、各受光素子における受光強度を表す光強度分布データを取得する。前記粒子径分布算出ステップでは、前記光強度分布測定ステップにより取得された光強度分布データに基づいて、各粒子径における凝集体の粒子量を表す粒子径分布データを算出する。前記個数濃度算出ステップでは、前記粒子径分布算出ステップにより算出された粒子径分布データに基づいて、試料に含まれる粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度を算出する。前記個数濃度推定ステップでは、複数のタイミングで前記個数濃度算出ステップにより算出された前記凝集体の個数濃度に基づいて、本来の評価時間経過後における前記凝集体の個数濃度を推定する。
(5)前記個数濃度推定ステップでは、複数のタイミングで前記個数濃度算出ステップにより算出された前記凝集体の個数濃度に基づいて、当該凝集体の個数濃度の時間的変化の速度及び/又は加速度を算出することにより、その速度及び/又は加速度に基づいて本来の評価時間経過後における前記凝集体の個数濃度を推定してもよい。
(6)前記凝集測定方法は、継続決定ステップをさらに備えていてもよい。前記継続決定ステップでは、前記個数濃度推定ステップにより推定される前記凝集体の個数濃度の推定値を閾値と比較することにより、その比較結果に基づいて測定を継続するか否かを決定する。
本発明によれば、一定の本来の評価時間が経過するより前の時点で、当該評価時間が経過したときに存在するであろう凝集体の個数濃度を推定することができるため、試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価時間を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る凝集測定装置の構成例を示した概略図である。 図1の制御部の具体的構成について説明するためのブロック図である。 区間個数濃度の経時的変化の一例を示した図である。 区間個数濃度の経時的変化の一例を示した図である。 測定中の制御部による処理の一例を示したフローチャートである。
1.凝集測定装置の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る凝集測定装置の構成例を示した概略図である。この凝集測定装置は、試料に含まれる粒子群の粒子径と粒子量との関係を測定する粒子径分布測定装置を用いた構成であり、試料の測定を行うための測定機構1を備えている。
測定機構1には、光源11、集光レンズ12、空間フィルタ13、コリメータレンズ14、セル15、集光レンズ16及び検出器17などが備えられている。測定対象となる試料は、例えば回分セル又はディスポーザブルセルなどにより構成されるセル15内に収容された状態で、測定機構1にセットされる。
本実施形態では、例えばバイオ医薬品などのように、タンパク質を含む試料がセル15内に収容される。測定中は、セル15内の試料が振動又は攪拌されることにより、試料中のタンパク質が凝集し、試料中の凝集体(粒子)の個数が徐々に増加することとなる。セル15内の試料の振動又は攪拌は、一定の速度で行われてもよいし、速度を変化させてもよい。また、セル15内の試料が振動又は撹拌されている間、試料の温度は一定であってもよいし、加熱又は冷却されることにより試料の温度が変化してもよい。
光源11は、例えばレーザ光源からなり、当該光源11から照射された光(測定光)が、集光レンズ12、空間フィルタ13及びコリメータレンズ14を通過することにより平行光となる。このようにして平行光とされた測定光は、試料が収容されているセル15に照射され、セル15内の試料中の凝集体で回折及び散乱した光(回折散乱光)が、集光レンズ16を通って検出器17により受光されるようになっている。
検出器17は、試料からの光を検出するためのものであり、例えばフォトダイオードアレイにより構成される。検出器17は、例えば互いに異なる半径を有するリング状又は半リング状の検出面が形成された複数(例えば、64個)の受光素子171を、集光レンズ16の光軸を中心として同心円状に配置することにより構成されており、各受光素子171には、それぞれの位置に応じた角度で試料からの光が入射する。したがって、検出器17の各受光素子171の検出信号は、光軸に対する回折散乱光の散乱角度に対応する光の強度を表すことになる。
この図1の例では、セル15の前方(光源11とは反対側)にのみ検出器17が示されている。ただし、セル15の後方(光源11側)や側方(光の入射方向に対して直交する面内)にも、それぞれ試料中の凝集体で回折及び散乱した光を受光する受光素子を備えた検出器が設けられていてもよい。
検出器17の各受光素子171の検出信号は、A/D変換器3によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、通信部4を介してデータ処理装置5に入力されるようになっている。これにより、検出器17の各受光素子171の素子番号に対応付けて、各受光素子171における受光強度がデータ処理装置5に入力される。
データ処理装置5は、試料中の凝集体を測定する際のデータを処理する。データ処理装置5は、例えばコンピュータにより構成されており、制御部51、操作部52、表示部53及び記憶部54などを備えている。制御部51は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、操作部52、表示部53及び記憶部54などの各部が電気的に接続されている。
操作部52は、例えばキーボードとマウスを含む構成であり、ユーザが操作部52を操作することにより入力作業などを行うことができるようになっている。表示部53は、例えば液晶表示器などにより構成されており、測定機構1における測定結果などの各種情報が表示部53に表示される。記憶部54は、例えばRAM(Random Access Memory)又はハードディスクなどにより構成される。
2.制御部の構成及び処理
図2は、図1の制御部51の具体的構成について説明するためのブロック図である。本実施形態における制御部51は、CPUがプログラムを実行することにより、光強度分布測定部511、粒子径分布算出部512、個数濃度算出部513、個数濃度推定部514及び継続決定部515などとして機能する。
光強度分布測定部511は、検出器17の各受光素子171からの検出信号に基づいて光強度分布データを取得する。このとき得られる光強度分布データは、各受光素子171の素子番号に対応付けられた各受光素子171における受光強度を表している。各受光素子171に入射する光は、試料中の凝集体で回折及び散乱したときの角度(回折散乱角度)が異なる光であるため、光強度分布測定部511により取得される光強度分布データは、回折散乱角度と受光強度との関係を表すデータとなる。
粒子径分布算出部512は、光強度分布測定部511により取得された光強度分布データに対する演算を行うことにより粒子径分布データを算出する。このとき得られる粒子径分布データは、各粒子径における凝集体の粒子量を表している。粒子径分布データを演算する際には、下記式(1)の関係を用いることができる。
Figure 0006488973
ここで、s、q及びAは、下記式(2)〜(4)で表される。
Figure 0006488973
上記sは、光強度分布データ(ベクトル)である。上記sにおける各要素s(i=1,2,・・・,m)は、検出器17の各受光素子171の他、セル15の後方や側方に設けられた受光素子などにおける受光強度である。
上記qは、粒子径分布データ(ベクトル)である。上記qにおける各要素q(j=1,2,・・・,n)は、頻度分布%として表現される。測定対象となる粒子径範囲(最大粒子径がx、最小粒子径がxn+1)をn分割し、それぞれの粒子径区間を[x,xj+1]とすると、要素q〜qは、各粒子径区間[x,xj+1]に対応する粒子量である。
各要素q〜qについては、通常、体積基準が用いられ、下記式(5)を満たすように、すなわち各要素q〜qの合計が100%となるように正規化が行われる。
Figure 0006488973
上記Aは、上記qを光強度分布データsに変換する係数行列である。上記Aにおける各要素ai,j(i=1,2,・・・,m、j=1,2,・・・,n)は、各粒子径区間[x,xj+1]に属する単位体積の粒子群に単位強度の測定光を照射したときのi番目の受光素子171における回折散乱光の受光強度である。
上記Aにおける各要素ai,j(i=1,2,・・・,m、j=1,2,・・・,n)の値は、粒子の屈折率をパラメータの一つとして用いて予め理論的に計算することができる。例えば、粒子径が光源11からの測定光の波長に比べて十分に大きい場合(例えば10倍以上)には、フラウンホーファ回折理論を用いて計算することができる。一方、粒子径が光源11からの測定光の波長と同程度、又は、それより小さい場合には、ミー散乱理論を用いて計算することができる。
粒子径分布算出部512による行列演算では、上記式(1)に基づいて、下記式(6)によりベクトルqが求められる。ただし、AはAの転置行列である。この場合、求められたベクトルqが粒子径分布データとなる。
Figure 0006488973
個数濃度算出部513は、粒子径分布算出部512により算出された粒子径分布データに基づいて、例えば定量的レーザ回折・散乱法(Quantitative Laser Diffraction Method)により、試料に含まれる粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度を算出する。上記一定範囲は、例えばSVP領域に含まれる粒子径0.2〜2μmの粒子径区間である。ただし、上記一定範囲は、このような粒子径区間に限らず、例えば2〜10μmなどのSVP領域に含まれる他の粒子径区間であってもよいし、SVP領域以外の領域を含む粒子径区間であってもよい。
定量的レーザ回折・散乱法による凝集体の個数濃度の算出は、標準試料を用いた周知の方法で行うことができる。具体的には、既知の濃度を有するPSL(ポリスチレンラテックス)などの標準試料を用いて校正を行い、比例定数を決定しておくことにより、その比例定数を用いて粒子径分布データに対する演算を行うことで、単位体積当たりの凝集体の個数(個/mL)を個数濃度として算出することができる。
上記のような光強度分布測定部511による光強度分布データの取得、並びに、その光強度分布データに基づく粒子径分布算出部512及び個数濃度算出部513による演算は、例えば30秒ごと、又は、1分ごとなどの一定周期で行われる。これにより、粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度(区間個数濃度)の時間的変化をリアルタイムで測定(観察)することができる。このようにして一定周期で得られる区間個数濃度の実測値は、記憶部54に格納される。
個数濃度推定部514は、個数濃度算出部513により算出された区間個数濃度に基づいて、所定時間経過後(本来の評価時間経過後)における区間個数濃度を推定する。具体的には、上述の通り一定周期で演算が行われることにより複数のタイミングで算出された区間個数濃度の値が記憶部54から読み出され、これらの区間個数濃度の値に基づいて、区間個数濃度の時間的変化の速度及び加速度が算出される。そして、算出された区間個数濃度の速度及び加速度に基づいて、下記式(7)により所定時間経過後における最終的な区間個数濃度が推定される。すなわち、本来必要とされる評価時間よりも短縮された評価時間で、最終的な区間個数濃度が推定される。
Figure 0006488973
ここで、Nは最終的な区間個数濃度の推定値(個/mL)、Nは現時点の区間個数濃度(個/mL)、vは現時点の区間個数濃度の速度(個/mL・s)、aは現時点の区間個数濃度の加速度(個/mL・s)、tは本来必要とされる評価時間(s)、tは短縮された評価時間(s)である。tはtの1/5〜1/2であることが好ましく、1/3程度であればより好ましい。ただし、上記式(7)に限らず、例えば区間個数濃度の時間的変化の速度又は加速度の一方のみを用いた式など、他の式を用いた演算により最終的な区間個数濃度を推定してもよい。
継続決定部515は、個数濃度推定部514により推定される最終的な区間個数濃度の推定値Nを閾値Vと比較し、その比較結果に基づいて、測定中の試料に対する測定を継続するか否かを決定する。具体的には、推定値Nが閾値V未満であれば、そのまま測定を継続するが、推定値Nが閾値V以上であれば、測定を中断する旨を決定し、その旨を表示部53に表示させる。
図3A及び図3Bは、区間個数濃度の経時的変化の一例を示した図である。個数濃度推定部514は、短縮された評価時間tが経過したときの区間個数濃度N、及び、その速度v及び加速度aに基づいて、本来の評価時間tにおける最終的な区間個数濃度の推定値Nを算出する。
図3Aの例では、個数濃度推定部514により算出される最終的な区間個数濃度の推定値Nが、閾値V未満である。このような場合には、短縮された評価時間tが経過した後も測定が継続され、本来の評価時間tが経過するまで区間個数濃度の時間的変化がリアルタイムで測定される。この場合、評価時間tが経過したときの最終的な区間個数濃度は、個数濃度推定部514により推定される区間個数濃度の推定値Nとは必ずしも一致しない。
図3Bの例では、個数濃度推定部514により算出される最終的な区間個数濃度の推定値Nが、閾値V以上である。このような場合には、短縮された評価時間tが経過した時点で測定の中断が決定される。測定が中断された場合には、次の試料の測定が自動的に開始されてもよいし、測定の中断を表示部53の表示で確認したユーザが、次の試料の測定を手動で開始させてもよい。
図4は、測定中の制御部51による処理の一例を示したフローチャートである。試料の測定中は、制御部51が、上述した一定周期の測定タイミングになったか否かを監視している(ステップS101)。
一定周期で測定タイミングとなったときには(ステップS101でYes)、光強度分布測定部511が光強度分布データを取得する(ステップS102:光強度分布測定ステップ)。そして、取得された光強度分布データに基づいて粒子径分布算出部512が粒子径分布データを算出し(ステップS103:粒子径分布算出ステップ)、算出された粒子径分布データに基づいて個数濃度算出部513が区間個数濃度を算出する(ステップS104:個数濃度算出ステップ)。
上記のようなステップS101〜S104の処理は、短縮された評価時間tが経過するまで(ステップS105でYesとなるまで)、繰り返し行われる。そして、短縮された評価時間tが経過したときには(ステップS105でYes)、個数濃度推定部514が本来の評価時間tにおける最終的な区間個数濃度の推定値Nを算出する(ステップS106:個数濃度推定ステップ)。このようにして算出された区間個数濃度の推定値Nは、継続決定部515により閾値Vと比較され、その比較結果に基づいて測定を継続するか否かが決定される(ステップS107:継続決定ステップ)。
3.作用効果
(1)本実施形態では、図4に示すように、試料中の凝集体で回折及び散乱した光の受光強度を表す光強度分布データから粒子径分布データが算出され(ステップS102、S103)、その粒子径分布データに基づいて、試料に含まれる粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度(区間個数濃度)が算出される(ステップS104)。このような区間個数濃度の算出が複数のタイミングで行われ、それらの区間個数濃度に基づいて、本来の評価時間tが経過したときの区間個数濃度が推定される(ステップS106)。これにより、一定の本来の評価時間tが経過する前に、当該評価時間tが経過したときの区間個数濃度を推定することができるため、試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価時間を短縮することができる。
(2)また、本実施形態では、上述の式(7)に例示されるように、凝集体の個数濃度の時間的変化の速度及び/又は加速度に基づいて、本来の評価時間tが経過したときの区間個数濃度を精度よく推定することができる。したがって、試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価を短時間で精度よく行うことができる。
(3)さらに、本実施形態では、図3Bに示すように、推定される区間個数濃度の推定値Nが閾値V以上である場合に、その試料は不適合と判断して測定を中断することができる。これにより、不適合の可能性が高い試料の測定に時間を費やすのを抑制することができるため、試料に含まれる凝集体の個数濃度の評価時間を効果的に短縮することができる。
4.変形例
以上の実施形態では、個数濃度推定部514により算出される区間個数濃度の推定値Nが、閾値Vと比較されるような構成について説明した。しかし、このような構成に限らず、例えば区間個数濃度の規定値(最大区間個数濃度)と区間個数濃度の推定値Nとの差分が閾値と比較されるような構成であってもよい。
1 測定機構
3 A/D変換器
4 通信部
5 データ処理装置
11 光源
12 集光レンズ
13 空間フィルタ
14 コリメータレンズ
15 セル
16 集光レンズ
17 検出器
51 制御部
52 操作部
53 表示部
54 記憶部
171 受光素子
511 光強度分布測定部
512 粒子径分布算出部
513 個数濃度算出部
514 個数濃度推定部
515 継続決定部

Claims (6)

  1. 凝集体を含む試料に対して光を照射する光源と、
    試料中の凝集体で回折及び散乱した光を受光する複数の受光素子と、
    各受光素子における受光強度を表す光強度分布データを取得する光強度分布測定部と、
    前記光強度分布測定部により取得された光強度分布データに基づいて、各粒子径における凝集体の粒子量を表す粒子径分布データを算出する粒子径分布算出部と、
    前記粒子径分布算出部により算出された粒子径分布データに基づいて、試料に含まれる粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度を算出する個数濃度算出部と、
    複数のタイミングで前記個数濃度算出部により算出された前記凝集体の個数濃度に基づいて、本来の評価時間経過後における前記凝集体の個数濃度を推定する個数濃度推定部とを備えることを特徴とする凝集測定装置。
  2. 前記個数濃度推定部は、複数のタイミングで前記個数濃度算出部により算出された前記凝集体の個数濃度に基づいて、当該凝集体の個数濃度の時間的変化の速度及び/又は加速度を算出することにより、その速度及び/又は加速度に基づいて本来の評価時間経過後における前記凝集体の個数濃度を推定することを特徴とする請求項1に記載の凝集測定装置。
  3. 前記個数濃度推定部により推定される前記凝集体の個数濃度の推定値を閾値と比較することにより、その比較結果に基づいて測定を継続するか否かを決定する継続決定部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の凝集測定装置。
  4. 凝集体を含む試料に対して光源から光を照射し、試料中の凝集体で回折及び散乱した光を複数の受光素子で受光することにより、各受光素子における受光強度を表す光強度分布データを取得する光強度分布測定ステップと、
    前記光強度分布測定ステップにより取得された光強度分布データに基づいて、各粒子径における凝集体の粒子量を表す粒子径分布データを算出する粒子径分布算出ステップと、
    前記粒子径分布算出ステップにより算出された粒子径分布データに基づいて、試料に含まれる粒子径が一定範囲内の凝集体の個数濃度を算出する個数濃度算出ステップと、
    複数のタイミングで前記個数濃度算出ステップにより算出された前記凝集体の個数濃度に基づいて、本来の評価時間経過後における前記凝集体の個数濃度を推定する個数濃度推定ステップとを備えることを特徴とする凝集測定方法。
  5. 前記個数濃度推定ステップでは、複数のタイミングで前記個数濃度算出ステップにより算出された前記凝集体の個数濃度に基づいて、当該凝集体の個数濃度の時間的変化の速度及び/又は加速度を算出することにより、その速度及び/又は加速度に基づいて本来の評価時間経過後における前記凝集体の個数濃度を推定することを特徴とする請求項4に記載の凝集測定方法。
  6. 前記個数濃度推定ステップにより推定される前記凝集体の個数濃度の推定値を閾値と比較することにより、その比較結果に基づいて測定を継続するか否かを決定する継続決定ステップをさらに備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の凝集測定方法。
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