JP3702591B2 - 粒度分布測定データの表示装置およびレーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置の表示装置 - Google Patents

粒度分布測定データの表示装置およびレーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置の表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粒度分布測定データ並びにレーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置の表示装置に関し、特に、粒度分布の状況が経時的に変化するサンプルの粒度分布データの表示や、粉粒体の凝集・分散の状況を把握するのに適した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉粒体の粒度分布の測定原理は種々のものがあるが、その粒度分布測定データの表示方式としては、図7に例示するような時系列処理表示方式や、図8に例示するような3次元表示方式が知られている。
【0003】
時系列処理表示方式では、横軸の時間軸に対してメディアン径やモード径などの、粒度分布測定データを統計的に要約した数値を表示する方式である。
一方、3次元表示方式は、粒子径の軸と相対粒子量の軸とで表される粒度分布グラフを、第3軸である時間軸に沿って表示する方式である。
【0004】
なお、図7,図8における時間軸はファイル番号となっているが、それぞれのファイルが一定時間ごとに測定され保存されているので実質的に測定時間を表す軸となっている。
【0005】
また、粒度分布の各種測定原理のうち、レーザ回折/散乱式の粒度分布測定装置は、分散飛翔状態の粒子群に対してレーザ光を照射することによって得られる回折/散乱光の強度の空間分布を測定し、その測定結果をミーの散乱理論やフラウンホーファ回折理論に基づいて粒度分布に換算する方式であり、特に測定時間が他の測定原理に比して極めて短いという特徴がある。このレーザ回折/散乱式の粒度分布測定装置を用いた測定に際しては、サンプルの状態をモニタするために、回折/散乱光の空間分布データをリアルタイム表示することが一般に行われているが、この光強度分布は特に保存されず、また、粒度分布データに換算した後の表示方式は、上記した表示方式が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7や図8に示した従来の粒度分布データの表示方式では、全体の変化の様子は把握できるものの、時間的な変化の挙動を直観的に認識することは困難である。
【0007】
また、レーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置における回折/散乱光の空間的光強度分布データは、粒度分布測定を行うのに適切かどうかを判断するためには極めて有効であるものの、表示するだけで回折/散乱光の強度分布データは失われてしまうために、もう一度その変化の様子を見ようとすれば、再度サンプルを測定系に投入しなければならず、また、その場合でも、完全に同じ状況を再現することは非常に困難である。
【0008】
各種の測定原理に基づく粒度分布測定装置で測定した粒度分布測定データや、レーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置における回折/散乱光の強度分布データの時間的な変化の状況は、粉粒体の凝集・分散の状況等を把握するのに極めて有効であり、本発明の主たる目的は、粒度分布測定データの経時的な変化を直観的に容易に把握することのできる粒度分布測定データの表示装置と、レーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置の表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項に係る発明の粒度分布測定データの表示装置は、同一の測定系を用いて時系列的に測定された複数の粒度分布測定結果を、測定順序並びに各データの測定インターバル情報とともに記憶する記憶手段と、上記測定結果(粒度分布データ)をグラフィック表示するための表示器と、記憶手段の記憶内容に基づき、上記各測定結果(粒度分布データ)を表示器の同一位置に測定順に、かつ、測定インターバルに基づく表示インターバルで連続的にグラフィック表示させる制御手段を有するとともに、その制御手段に対し、各測定結果(粒度分布データ)の表示インターバルの上記測定インターバルに対する比を設定する設定手段を備えていることによって特徴づけられる。
【0010】
ここで、上記の構成からなる本発明の粒度分布測定データの表示装置は、その測定原理は問わず、レーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置や、レーザドップラー法に基づく粒度分布測定装置等、任意の装置による粒度分布測定データの表示に適用することができる。
【0011】
一方、請求項2に係る発明のレーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置の表示装置は、レーザ回折/散乱法に基づく測定系を用いて時系列的に測定された被測定粉粒体による回折/散乱光の強度分布測定結果を、測定順序並びに各データの測定インターバル情報とともに記憶する記憶手段と、上記測定結果(回折/散乱光の強度分布データ)をグラフィック表示するための表示器と、記憶手段の内容に基づき、各測定結果(回折/散乱光の強度分布データ)を表示器の同一位置に測定順に、かつ、測定インターバルに基づく表示インターバルで連続的にグラフィック表示させる制御手段を有するともとに、その制御手段に対し、各測定結果(回折/散乱光の強度分布データ)の表示インターバルの上記測定インターバルに対する比を設定する設定手段を備えていることによって特徴づけられる。
【0012】
請求項1に係る発明の粒度分布測定データの表示装置においては、同一の測定系により時系列的に測定された粒度分布測定データは、その測定順並びに測定インターバルに係る情報とともに記憶手段に記憶される。その一連の測定が終了した後に、表示器の所定位置に、記憶手段に記憶されている複数の粒度分布データが、測定順に連続的にグラフィック表示される。この各データの表示インターバルは、基本的には測定インターバルに基づくものとされ、これにより、サンプル粒子群の粒度分布の時間的推移、つまり例えば凝集や分散の状況がアニメーション的に表示されることになり、その変化の様子を直観的に把握することが容易となる。
【0013】
また、設定手段により表示インターバルと測定インターバルの比を必要に応じて設定することにより、例えば測定インターバルが短いものについてはスローモーションで、測定インターバルが長いものについては表示インターバルを短くすることにより、上記した直観的な把握をより容易なものとすることができる。
【0014】
一方、請求項2に係る発明のレーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置の表示装置においては、サンプル粒子群にレーザ光を照射することによって得られるの回折/散乱光の強度分布の測定結果は、記憶手段にその測定順並びに測定インターバル情報とともに逐次記憶されていく。一連の測定が終了した後、表示器の所定位置にその複数の回折/散乱光の強度分布データが測定順に連続的にグラフィック表示される。この各データの表示インターバルは、基本的には測定インターバルに基づくものとされ、よって、サンプル粒子群による回折/散乱光の強度分布の時間的推移がアニメーション的に表示されることになり、その変化の様子を直観的に把握することが容易となる。
【0015】
また、この請求項2に係る発明においても、設定手段により表示インターバルと測定インターバルの比を必要に応じて設定することにより、測定インターバルの短いものについてはスローモーションで、長いものについては表示インターバルを短くすることで、直観的な把握をより容易化することができる。
【0016】
ここで、レーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置においては、サンプル粒子群の粒度分布データはサンプル粒子群によるレーザ光の回折/散乱光の強度分布データを換算することによって求めるが、従来の同装置における表示装置では、回折/散乱光の強度分布はリアルタイム表示されてサンプル粒子群の状態のモニタに供されるだけであったのに対し、請求項2に係る発明では、刻々と採取されるサンプル粒子群の回折/散乱光の強度分布データが逐次に記憶されて、アニメーション的に表示されるため、例えば、状態変化の速い粒子群であっても、スローモーションで表示することにより、どの状態での回折/散乱光強度分布を粒度分布に換算すれば当該サンプル粒子群を代表する粒度分布が得られるのかといったことの判断が容易となり、また、回折/散乱光の強度分布データから粒度分布データを計算する際に、実際に装置にサンプルを投入して回折/散乱光の強度分布データをリアルタイム表示することなく既に格納されているデータを再生すればいいだけであることから、装置の効率的な操作および測定方法の学習を行う上で有用となる。更に、もう一度その変化の様子を見る場合においても、再度サンプル粒子群を測定系に投入するといった作業が不要となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は請求項1に係る発明の実施の形態の構成を示すブロック図である。
測定系1は、レーザ回折/散乱法やレーザドップラー法、あるいは沈降法等、任意の測定原理に基づく測定系であり、サンプル粒子群はその測定原理に応じた形態のもとに測定系1に供給される。
【0018】
測定系1からの測定出力は演算部2に送られ、ここでサンプル粒子群の粒度分布が求められる。同一のサンプル粒子群の複数回にわたる測定結果は、例えばふるい下%等の粒度分布データとして、測定順に、かつ、測定インターバル情報(各測定データの採取時刻でもよい)とともに記憶部3に逐次に格納されていく。
【0019】
記憶部3に格納された各データは、制御部4の制御のもとに表示器5に連続的にグラフィック表示されるが、制御部4には、データのグラフィック表示(再生)を指令するためのスタートキー61と表示を一時停止させるためのポーズキー62のほか、各データの表示インターバルを設定するための設定器7等が接続されている。設定器7は、記憶部3に格納されている各データの測定インターバル情報と、表示インターバルとの比を設定するためのもので、例えば、測定インターバルと等しいインターバルで各データを表示する場合には1、測定インターバルよりも速いインターバルで表示する場合には1以下、測定インターバルよりも遅いインターバルで表示する場合、つまりスローモーション表示を行う場合には1以上の数値を設定する。 制御部4では、表示のスタートキー61が操作されたとき、設定器7により設定された表示インターバルに従い、記憶部3に記憶されている複数のデータをその測定順に表示器5に順次表示していく。この表示に当たっては、前のデータを表示した後、次のデータを表示するに際しては、前のデータの表示を消去した後に同一の位置に次のデータを表示する。従って、表示器5には、一連の測定によって得られたサンプル粒子群の粒度分布データが、測定順並びに測定インターバルに応じて連続的に表示されることになる。
【0020】
なお、図1では装置の持つ機能ごとにブロック図で示しているが、これらは実際にはコンピュータとその周辺機器、およびそれらを動作させるプログラムによって構成されている。
【0021】
図2は、測定系1並びに演算部2として、レーザ回折/散乱法に基づく測定系並びに演算プログラムを用いて、粉ミルクを蒸留水中に分散させて連続的に測定した粒度分布データであり、同図(A)は測定開始当初、(B)測定の中間、(C)は最後のデータを示している。このように、粉ミルクは時間とともに分散媒である蒸留水に徐々に溶解ないしは分散していくのであるが、記憶部3には、この一連の測定データが順次記憶されている。
【0022】
全ての測定を終了した後に、設定器7によって表示インターバルの比を例えば1に設定してスタートキー61を操作することにより、表示器5には、図3に例示するような記憶部3の内容が、最初の測定データから順に測定インターバルと等しいインターバルのもとにアニメーション的にグラフィック表示される。従ってこの表示から、サンプル粒子群の粒度分布の時間的な変化の様子が、映像として直観的に把握することが可能となる。
【0023】
ここで、以上のような粉ミルクの粒度分布の時間的な変化はそれほど速く進行しないが、サンプルによっては極めて短時間に粒度分布が変化するものも存在する。例えば水溶性のサンプルを水に分散させ、溶解するまでの間の粒度分布の変化を測定するというような場合である。このような変化の速いサンプルについては、設定器7によって測定インターバルよりも長いインターバルで各データを表示するように設定すればよく、これにより、瞬時の粒度分布の変化がスローモーションによって再現され、その把握をより容易なものとすることができる。
【0024】
また、これとは逆に、粒度分布の変化が遅いサンプル、例えば結晶の成長に関連した粒度分布測定等、については、測定インターバルよりも短いインターバルで各データを表示するように設定すればよく、短時間のうちに粒度分布の推移を感覚的に把握することができる。
【0025】
更に、測定インターバルが一定でない場合でも、その測定インターバルに比例した表示インターバルのもとに各粒度分布測定データを表示することができ、また、データの表示中において、必要に応じて一時停止したい場合には、ポーズキー62を操作することで、注目すべき粒度分布を固定して表示させることも可能である。
【0026】
次に、請求項2に係る発明の実施の形態について述べる。
図4はその全体構成を示すブロック図である。この実施の形態は、レーザ回折/散乱法に基づく測定系10により刻々と測定され、また、サンプル粒子群Pの粒度分布を算出するための元データである、粒子群Pによるレーザ光の回折/散乱光の空間強度分布を、アニメーション的に表示することができる点に特徴がある。なお、この図4においても、装置が持つ機能別にブロック化して示しているが、実際にはこれらはコンピュータとその周辺機器、およびそれらを動作させるプログラムによって構成されている。
【0027】
測定系10は、液体等の分散媒中で分散飛翔状態のサンプル粒子群Pに対して平行レーザ光を照射するためのレーザ光源11およびコリメータレンズ12と、粒子群Pにより回折/散乱されたレーザ光を集光して検出面上に回折/散乱像を結ばせるための集光レンズ13、その検出面上に置かれ、前方への回折/散乱光を検出するためのリングデテクタ14、側方並びに後方への散乱光を検出するための側方散乱光センサ15並びに後方散乱光センサ16等を主たる構成要素としている。
【0028】
リングデテクタ14は、互いに異なる半径を持つ複数の円形ないしは半円形状、1/4円状の光センサを同心円状に並べた公知のものであり、このリングデテクタ14はサンプル粒子群Pへの照射レーザ光の光軸上に置かれる。
【0029】
このような測定系10における各光センサの出力により、照射レーザ光のサンプル粒子群Pによる回折/散乱光の空間的な強度分布を刻々と検出することができる。リングデテクタ14の各光センサ並びに側方散乱光センサ15,後方散乱光センサ16による光強度検出出力は、それぞれ増幅器およびマルチプレクサを介してA−D変換器(いずれも図示せず)を経てデジタルデータに変換された後に、その集合が回折/散乱光の空間的な強度分布データとして記憶部20格納さる。このような回折/散乱光の強度分布データは数秒ごとに採取され、測定順並びに測定インターバル情報とともに記憶部20に逐次記憶されていく。
【0030】
従って、サンプル粒子群Pによるレーザ光の回折/散乱光の強度分布の一連の測定が終わった後には、記憶部20内にその各強度分布の測定結果が測定順と測定インターバル情報とともに記憶されることになる。
【0031】
記憶部20に記憶されている回折/散乱光の強度分布データのうち、後述する制御部60を介して供給される指令によって指定されたものは粒度分布演算部40に供給され、ミーの散乱理論やフラウンホーファの回折理論に従った演算によって粒度分布に換算され、表示器50に表示される。
【0032】
すなわち、サンプル粒子群Pにレーザ光を照射することによって得られる回折/散乱光の強度分布パターンは、粒子の大きさによって変化する。実際のサンプルには大きさの異なる粒子が混在しているため、粒子群から生ずる光強度分分布パターンは、それぞれの粒子からの回折/散乱光の重ね合わせとなる。
【0033】
これをマトリクス(行列)で表現すると、
【0034】
【数1】
Figure 0003702591
【0035】
となる。ただし、
【0036】
【数2】
Figure 0003702591
【0037】
である。
式中のs(ベクトル)は光強度分布ベクトルである。その要素si (i=1,2,・・mは、リングデテクタ14の各光センサおよび側方センサ15,後方センサ16によって検出される入射光量である。
【0038】
q(ベクトル)は粒度分布(頻度分布%)ベクトルである。
測定対象となる粒子径範囲(最大粒子径:x1 ,最小粒子径:xn+1 )をn分割し、それぞれの粒子径区間は[xj,j+1 ](j=1,2,‥n)とする。q(ベクトル)の要素qj (j=1,2,‥n)は、粒子径区間[xj,j+1 ]に対応する粒子量である。通常は、
【0039】
【数3】
Figure 0003702591
【0040】
となるように正規化(ノルマライズ)を行っている。
A(行列)は、粒度分布(ベクトル)qを光強度分布(ベクトル)sに変換する係数行列である。Aの要素ai,j (i=1,2,‥m,j=1,2,‥n)の物理的意味は、粒子径区間[xj,j+1 ]に属する単位粒子量の粒子群によって回折/散乱した光のi番目の素子に対する入射光量である。
【0041】
i,j の数値はあらかじめ理論的に計算することができる。これは、粒子径が光源となるレーザ光の波長に比べて充分に大きい場合には、フラウンホーファ回折理論を用いる。しかし、粒子径がレーザ光の波長と同程度か、それより小さいサブミクロンの領域では、ミー散乱理論を用いる必要がある。フラウンホーファ回折理論は、前方微小角散乱において、粒子径が波長に比べて充分に大きな場合有効なミー散乱理論の優れた近似であると考えることができる。
【0042】
ミー散乱理論を用いて係数行列Aの要素を計算するためには、粒子径およびそれを分散させる媒体の屈折率を設定する必要がある。この場合、屈折率は一般的に複素数で表現される。
【0043】
さて、(1)式に基づいて粒度分布(ベクトル)qの最小自乗解を求める式を導出すると、
【0044】
【数4】
Figure 0003702591
【0045】
が得られる。
(6)式の右辺において、光強度分布(ベクトル)sの各要素は、前記したようにリングデテクタ14,側方センサ15および後方センサ16の各素子で検出される数値であり、係数行列Aはフラウンホーファ回折理論あるいはミー散乱理論を用いてあらかじめ計算しておくことができるから、従って、それらの既知のデータを用いて(5)式の計算を実行すれば、粒度分布(ベクトル)qが求まることは明らかである。
【0046】
以上がレーザ回折/散乱法の基本的な測定原理であるが、ここで示したのは、粒度分布の計算方法の一例であり、この他にも様々なバリエーションが存在する。また、センサ、デテクタの種類および配置にも様々なバリエーションが存在する。
【0047】
さて、記憶部20に格納された回折/散乱光の各強度分布データは、制御部60からの制御のもとに表示器50に連続的に表示される。制御部60には、データの表示(再生)を指令するためのスタートキー71と表示を一時停止させるためのポーズキー72、および、各データの表示インターバルを設定するための設定器80等が接続されている。設定器80は、記憶部20に格納されている各光強度分布の測定インターバルと、表示インターバルとの比を設定するためのもので、先の例と同様に、測定インターバルと等しいインターバルで各データを表示する場合には1、測定インターバルよりも速いインターバルで表示する場合には1以下、測定インターバルよりも遅いインターバルで表示する場合、つまりスローモーション表示を行う場合には1以上の数値を設定する。
【0048】
制御部60では、表示のスタートキー71が操作されたとき、設定器80により設定された表示インターバルに従い、記憶部20に記憶されている複数の回折/散乱光の強度分布測定データをその測定順に表示器50に順次表示していく。この表示に当たっては、前のデータを表示した後、次のデータを表示するに際しては、前のデータの表示を消去した後に同一の位置に次のデータを表示する。従って、表示器50には、一連の測定によって得られたサンプル粒子群の回折/散乱光の強度分布測定データが、測定順並びに測定インターバルに応じて連続的に表示されることになる。
【0049】
サンプル粒子群Pとして、先の例で述べたものと同じ粉ミルクを用い、これを蒸留水中に分散させたときの回折/散乱光の強度分布測定データの例を図5に示す。同図(A)は最初に測定した回折/散乱光強度分布データであり、(B)は中間、(C)は最後に測定したデータであり、記憶部20には、この一連の測定で得られた回折/散乱光の強度分布データが順次記憶されていく。
【0050】
測定終了後に、設定器80により測定インターバルと表示インターバルとの比を適宜に設定してスタートキー71を操作することにより、表示器50には、図6に例示するような記憶部20の内容が、最初の測定データから順に測定インターバルと等しいインターバルのもとにアニメーション的に表示される。従ってこの表示から、サンプル粒子群の回折/散乱光強度分布の時間的な変化の様子が、映像として直観的に把握することができる。変化の速いサンプルについてはスローモーション、遅いデータについては表示インターバルを速くできること、更にはポーズキー72の操作により、必要に応じて一時的に表示を停止させ、更には再開させ得ることは先の例と全く同様である。
【0051】
この実施の形態において特に注目すべき点は、従来のレーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置においては、回折/散乱光の強度分布データはリアルタイムで表示されるものの、そのデータは保存されないのに対し、この実施の形態では全ての回折/散乱光強度分布データが記憶部20に保存されており、適宜にアニメーション的に表示できる点である。この機能により、実際に装置にサンプルを投入して回折/散乱光の強度分布データをリアルタイムで表示しなくても、効率的な操作および測定方法の学習が可能となる。
【0052】
また、回折/散乱光の強度分布データを保存して適宜にそのデータを再生表示できることは、次のような可能性を含むものとして期待される。
すなわち、レーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定にあっては、回折/散乱光の強度分布データから粒度分布データを計算する際に、実際にはサンプルに関する重要な情報が欠落していることがある。これらは、サンプル粒子の物性、例えば形状、表面の状態などに関する様々な情報である。これらの情報を定量的に求めることはできないが、複数のサンプル粒子群の回折/散乱光強度分布の相対的な比較、あるいは基準サンプルとの比較によって、定性的に取り扱える可能性がある。
【0053】
また、粉粒体を原料として成形物などの製品を製造している工程等においては、原料の粒度分布データが同一あるいは許容範囲であっても、製品の性能、性質に大きなばらつきが存在し、不良品がでる場合もある。こういった製品の品質管理においては、粒度分布データ以外の情報も必要となる。そして、回折/散乱光の強度分布データに、製品のばらつき、すなわち良/不良の原因となる物性の情報が含まれている可能性がある。ここで、原料となる粉粒体の物性を、個別かつ定量的に取り扱うことは現状では非常に困難であるが、全体としての物性を定性的に取り扱うことは可能であり、回折/散乱光の強度分布データにはそのような物性の情報が含まれている可能性は大いにある。
【0054】
ところで、サンプルの前処理条件や分散条件、更に測定条件や測定装置の設定条件によっても粒度分布データは変化する。また、回折/散乱法に基づく装置にあっては、これらの条件によって回折/散乱光の強度分布データは変化する。これらの条件による粒度分布データの変化、あるいは回折/散乱光の強度分布データの変化は、時間的な変化ではないが、請求項1または2に係る発明を利用して、条件に関するパラメータを時間軸に置き換えて粒度分布データないしは回折/散乱光強度分布データを連続的に表示することができる。
【0055】
粒度分布データに関して言えば、例えば回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置においては、粒度分布測定装置に対して設定される粒子および媒体の屈折率によって粒度分布データは影響を受ける。一定時間ごとに設定した屈折率の異なる粒度分布データを連続的に表示することによって、屈折率の影響による粒度分布データの変化を直観的に把握できる場合がある。具体的には、媒体の屈折率は固定しておき、粒子の屈折率を変化させていく。例えば、最初は1.40、その次に1.41,1.42というように一定時間間隔ごとに屈折率を変化させて、その場合の粒度分布データを表示するという使用方法を挙げることができる。
【0056】
また、回折/散乱光の強度分布データに関して言えば、分散媒に添加される分散剤の濃度によって回折/散乱光の強度分布データは影響を受ける。一定時間ごとに、分散剤の濃度が異なる回折/散乱光の強度分布データを連続的に表示することによって、分散剤の濃度の影響による回折/散乱光の強度分布データの変化を直観的に把握できる場合がある。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、同一の測定系を用いて時系列的に測定された複数の粒度分布データを測定順序並びに測定インターバルに係る情報とともに記憶しておき、測定の終了後にその各粒度分布データを測定順に、かつ、測定インターバルに応じた表示インターバルで表示器に連続的にグラフィック表示するから、サンプル粒子群の粒度分布データの時間的な変化の様子をアニメーション的に直観的に直観的に把握することができる。
【0058】
また、請求項2に係る発明によると、レーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置により測定されたサンプル粒子群による回折/散乱光の強度分布データを測定順序並びに測定インターバルに係る情報とともに記憶しておき、測定の終了後にその各回折/散乱光の強度分布データを測定順にかつ、測定インターバルに応じた表示インターバルで表示器に連続的にグラフィック表示するから、サンプル粒子群の回折/散乱光の強度分布データの時間的な変化の様子をアニメーション的に直観的に把握することができ、粒度分布に換算した後には捕らえることのできない粉粒体の何らかの物性を定性的に捕らえることのできる可能性がある。
【0059】
また、請求項1および2に係る発明のいずれにおいても、記憶している各粒度分布データないしは回折/散乱光の強度分布データの表示インターバルを、測定インターバルに対して任意の比に設定して、例えばスローモーション等によって表示ずくことができるから、変化の速い粉粒体や、極めて変化の遅い粉粒体の測定に際しても、その変化の様子を容易に直観的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係る発明の実施の形態の構成を示すブロック図
【図2】図1の実施の形態により測定された粒度分布データの例を示すグラブ
【図3】図1の実施の形態の表示器5による表示の説明図
【図4】請求項2に係る発明の実施の形態の構成を示すブロック図
【図5】図4の実施の形態により測定された回折/散乱光の強度分布データの例を示すグラフ
【図6】図4の実施の形態の表示器50による表示の説明図
【図7】粒度分布測定データの従来の表示方式のうち、時系列処理方式の説明図
【図8】同じく粒度分布測定データの従来の表示方式のうち、3次元表示方式の説明図
【符号の説明】
1 測定系
2 演算部
3 記憶部
4 制御部
5 表示器
61 スタートキー
62 ポーズキー
7 設定器
10 測定系
11 レーザ光源
12 コリメータレンズ
13 集光レンズ
14 リングデテクタ
15 側方散乱光センサ
16 後方散乱光センサ
20 記憶部
40 粒度分布演算部
50 表示器
60 制御部
71 スタートキー
72 ポーズキー
80 設定器

Claims (2)

  1. 同一の測定系を用いて時系列的に測定された複数の粒度分布測定結果を、測定順序並びに各データの測定インターバル情報とともに記憶する記憶手段と、上記測定結果をグラフィック表示するための表示器と、上記記憶手段の記憶内容に基づき、上記各測定結果を表示器の同一位置に測定順に、かつ、測定インターバルに基づく表示インターバルで連続的にグラフィック表示させる制御手段を有するとともに、その制御手段に対し、各測定結果の表示インターバルの上記測定インターバルに対する比を設定する設定手段を備えていることを特徴とする粒度分布測定データの表示装置。
  2. レーザ回折/散乱法に基づく測定系を有する粒度分布測定装置の表示装置であって、上記レーザ回折/散乱法に基づく測定系を用いて時系列的に測定された被測定粉粒体による回折/散乱光の強度分布測定結果を、測定順序並びに各データの測定インターバル情報とともに記憶する記憶手段と、上記測定結果をグラフィック表示するための表示器と、上記記憶手段の内容に基づき、各測定結果を表示器の同一位置に測定順に、かつ、測定インターバルに基づく表示インターバルで連続的にグラフィック表示させる制御手段を有するともとに、その制御手段に対し、各測定結果の表示インターバルの上記測定インターバルに対する比を設定する設定手段を備えていることを特徴とするレーザ回折/散乱法に基づく粒度分布測定装置の表示装置。
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