以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣出金機の構成]
図1に示すように、紙幣出金機1は、大きく分けて下側の収納ユニット2及び上側の束搬送ユニット3により構成されており、さらに全体を制御する制御部5が組み込まれている。この紙幣出金機1は、その製造時に、下側の収納ユニット2に上側の束搬送ユニット3が取り付けられることにより組み立てられる。
制御部5は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、出金処理等の処理を行う。また制御部5は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に種々の情報を記憶させる。
[1−2.収納ユニットの構成]
収納ユニット2は、直方体状の収納筐体6内に、紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれており、紙幣を収納すると共に、利用者に引き渡すべき紙幣を集積して紙幣束を生成する。この収納筐体6内には、4個の出金カセット7(7A、7B、7C及び7D)、上部搬送部8、下部搬送部9、鑑別部10、切替部11、集積部12及びリジェクトカセット13が設けられている。
出金カセット7(7A、7B、7C及び7D)は、紙面を前後方向に向けて前後方向に沿って並んだ状態で、紙幣を収納する。各出金カセット7は、収納筐体6の前面から着脱可能に構成されている。
下部搬送部9は、出金カセット7の後側において収納筐体6に対し着脱可能に取り付けられており、ローラ、ベルト及びこれらを駆動するモータ等により、紙幣を搬送する経路である搬送路を構成している。下部搬送部9は、各出金カセット7から繰り出された紙幣を、短辺に沿う方向を進行方向(搬送方向)に沿わせて概ね上方向へ進行させる。
上部搬送部8は、図示しないローラ、ベルト及びこれらを駆動するモータ等により、紙幣を搬送する搬送路を構成している。
鑑別部10は、内部に複数種類のセンサが組み込まれており、各センサから得られた情報を基に、搬送される紙幣の金種や走行状態等を鑑別し、その鑑別結果を制御部5へ供給する。制御部5は、得られた鑑別結果を基に、各紙幣の搬送先を決定する。
切替部11は、制御部5の制御に基づき、紙幣に当接して進行方向を変化させるブレード(図中三角形で示す)の傾斜角度を変更することにより、紙幣の進行方向を切り替える。この切替部11は、下方から搬送されてきた紙幣それぞれの進行方向を、制御部5において決定された搬送先に応じて切り替え、集積部12又はリジェクトカセット13へ進行させる。集積部12は、内部に紙幣を集積する空間である集積空間12Sを形成している。
リジェクトカセット13は、内部に紙幣を収納する収納空間13Sを形成している。この収納空間13Sは、仕切板13Pにより、前上側に位置する取忘れ紙幣収納空間13SLと、後下側に位置するリジェクト紙幣収納空間13SRとに仕切られている。
収納筐体6における、後述する束搬送筐体15内の上搬送ベルト16よりも下側部分のうち、大孔部15Hの範囲内には、可動搬送ガイド14が設けられている。可動搬送ガイド14は、上下方向に薄い扁平な直方体状に形成されており、その上面を上搬送ベルト16の下面と対向させている。また可動搬送ガイド14は、駆動機構により、大孔部15Hの範囲内で前後方向へ移動する。
[1−3.束搬送ユニットの構成]
束搬送ユニット3は、全体として、上下方向に短く前後方向に長い、扁平な直方体状に形成されており、前後方向の長さが収納ユニット2よりも長くなっている。束搬送ユニット3は、直方体状の束搬送筐体15内に、紙幣束を搬送する種々の機構が設けられている。
束搬送筐体15内における上側部分には、上搬送ベルト16が設けられている。束搬送筐体15における下面のうち前後方向の中央付近から後側に渡る広い範囲には、大きな孔でなる大孔部15Hが穿設されている。束搬送筐体15内における上搬送ベルト16よりも下側部分のうち、大孔部15Hよりも前側には、出金口搬送ベルト17が設けられている。出金口搬送ベルト17は、上搬送ベルト16の下面と対向する上面を水平方向に沿った前後方向に沿って走行させる。
また束搬送ユニット3内には、押出部18が設けられている。押出部18は、その一部を上搬送ベルト16の下面よりも下方に突出させており、図示しない移動機構により、前後方向に沿って、すなわち上搬送ベルト16と、可動搬送ガイド14及び出金口搬送ベルト17とにより上下方向から挟まれ水平方向に沿う束搬送路3Yに沿って移動する。すなわち押出部18は、出金方向(前方)へ移動することにより紙幣束の束ずれや紙幣残留等を防止しつつ該紙幣束の後端を押す一方、取込方向(後方)へ移動することにより紙幣束の束ずれや紙幣残留等を防止しつつ該紙幣束の前端を押す。
束搬送筐体15の前端には、束搬送路3Y内を前方へ搬送されてきた紙幣束を利用者に引き渡す出金機出金口19が形成されている。
[1−4.下部搬送部の構成]
下部搬送部9は、上下方向に沿って直線状に紙幣を搬送する直線搬送部24と、各出金カセット7から繰り出された紙幣を直線搬送部24へ合流させる合流搬送部25(25A、25B、25C及び25D)とにより構成されている。また下部搬送部9は、樹脂成型で形成され該下部搬送部9の上端から下端に亘って延在し収納筐体6に固定された搬送フレーム26にベルト27等の各種機構が取り付けられている。ベルト27は、上端近傍及び下端近傍にそれぞれ配置されたローラの周囲に掛け回されたゴムの無端ベルトであり、このローラが回転することにより、後述する合流部搬送ガイド51の後面と対向する前面を上下方向に沿った搬送方向に沿って走行させる。これにより下部搬送部9は、ベルト27により後述する合流部搬送ガイド51に軸支されたベルトローラ52Fに紙幣を押し付け、該ベルト27と該ベルトローラ52Fとで紙幣を挟持しつつ搬送する。
[1−4−1.直線搬送部の構成]
図2及び図3に示すように直線搬送部24は、直線部フレーム28及び直線部搬送ガイド29により構成されている。図2は、直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28に取り付けられた状態である取付状態を示し、図3は、直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28から取り外された状態である取外状態を示している。
直線部フレーム28は、搬送フレーム26の一部であり、後方が開口するU字形状の成型品であり、左右方向の中央部において平板状の前側ガイド部30が形成されていると共に、該前側ガイド部30の左端部から板状の取付部31Lが、右端部から板状の取付部31Rがそれぞれ後方へ向かって立設している。以下では取付部31L及び取付部31Rをまとめて取付部31とも呼ぶ。前側ガイド部30の後面には、紙幣の紙面と対向する平面状の前側ガイド面32が形成されており、後述する後側ガイド面38との間に、紙幣を走行させる紙幣搬送空間35を形成している。
直線搬送部24は、直線部フレーム28に対し直線部搬送ガイド29を位置決めする直線部位置合わせ部材45が形成されている。直線部位置合わせ部材45は、位置合わせ突起33(33R及び33L)及び保持突起40(40R及び40L)により構成されている。また直線搬送部24は、直線部フレーム28に直線部搬送ガイド29を固定する直線部固定部材46が形成されている。直線部固定部材46は、固定爪部41(41R及び41L)及び固定孔部34(34R及び34L)により構成されている。
また直線搬送部24は、直線部搬送ガイド29の左側を直線部フレーム28の左側に固定する直線搬送部左側保持機構47Lが形成されている。直線搬送部左側保持機構47Lは、位置合わせ突起33L及び保持突起40Lと固定爪部41L及び固定孔部34Lとにより構成されている。また直線搬送部24は、直線部搬送ガイド29の右側を直線部フレーム28の右側に固定する直線搬送部右側保持機構47Rが形成されている。直線搬送部右側保持機構47Rは、位置合わせ突起33R及び保持突起40Rと固定爪部41R及び固定孔部34Rとにより構成されている。
取付部31L及び取付部37Lには、直線搬送部左側保持機構47Lが設けられている。取付部31Lの内壁面における前寄りからは、円筒形状の位置合わせ突起33Lが左右方向の内側、すなわち後述する保持突起40Lに向かって突設している。取付部31Lにおける位置合わせ突起33Lの後方には、該取付部31Lの外壁面と内壁面とを挿通するよう上下方向に延びる長方形状の固定孔部34Lが穿設されている。直線搬送部右側保持機構47Rは、前側ガイド部30における左右方向の中心を軸として直線搬送部左側保持機構47Lと線対称に構成されているため、その説明を省略する。以下では位置合わせ突起33L及び位置合わせ突起33Rをまとめて位置合わせ突起33とも呼び、固定孔部34L及び固定孔部34Rをまとめて固定孔部34とも呼ぶ。
直線部搬送ガイド29は、樹脂成型された成型品であり、左右方向の中央部において平板状の後側ガイド部36が形成されていると共に、該後側ガイド部36の左端部から板状の取付部37Lが、右端部から板状の取付部37Rがそれぞれ後方へ向かって立設している。以下では取付部37L及び取付部37Rをまとめて取付部37とも呼ぶ。後側ガイド部36の前面には、紙幣の紙面と対向する平面状の後側ガイド面38が形成されており、前側ガイド面32との間に、紙幣が走行する紙幣搬送空間35を形成している。直線部搬送ガイド29における取付部37Lから取付部37Rまでの長さは、直線部フレーム28における取付部31Lから取付部31Rまでの長さよりも僅かに短く形成されている。すなわち直線部搬送ガイド29は、直線部フレーム28よりも左右方向の長さが僅かに短く形成されている。
取付部31L及び取付部37Lにおける前寄りには、直線部位置合わせ部材45が設けられている。取付部37Lの外壁面における前寄りであり、位置合わせ突起33Lと対向する箇所からは、図5に示すU字形状の保持突起40Lが左右方向の外側、すなわち位置合わせ突起33Lに向かって、該位置合わせ突起33Lの高さよりも僅かに低い高さだけ突設している。保持突起40Lは、所定の幅を有するリブが、後述する取付方向に沿った前方のみが開口し、後方、上方及び下方の3方向が閉塞する半円の湾曲形状に沿って左側へ向かって立設している。これにより保持突起40Lは、内側に半円形状の内部空間が形成されている。以下では保持突起40において開口している箇所を保持突起開口部40aとも呼ぶ。また以下では保持突起40において開放している方向を保持突起開放方向と、閉鎖している方向を保持突起閉鎖方向とも呼ぶ。保持突起40は、保持突起開放方向が後述する取付方向に沿う前方となり、保持突起閉鎖方向が後方、上方及び下方となっている。保持突起40Lは、湾曲形状の内部空間に位置合わせ突起33Lが嵌り込んでおり、該位置合わせ突起33Lの後方、上方及び下方に当接する。このため直線部フレーム28は、位置合わせ突起33Lにより、該直線部フレーム28に対する保持突起40L、すなわち直線部搬送ガイド29の前方、上方及び下方への移動を規制する。これにより直線部フレーム28は、該直線部フレーム28に対し直線部搬送ガイド29を位置決めする。右側の直線部位置合わせ部材45は、直線部フレーム28及び直線部搬送ガイド29における左右方向の中心を軸として左側の直線部位置合わせ部材45と線対称に構成されているため、その説明を省略する。以下では取付状態において直線部フレーム28に対し直線部搬送ガイド29の移動が規制された、前方、上方及び下方の3方向をガイド移動規制方向と、直線部フレーム28に対し直線部搬送ガイド29の移動が規制されない後方をガイド移動許可方向とも呼ぶ。このように直線搬送部24は、直線部フレーム28に対し前方、上方及び下方の3方向であるガイド移動規制方向への直線部搬送ガイド29の移動を規制することにより、直線部フレーム28に対し直線部搬送ガイド29を脱着可能な方向をガイド移動許可方向の一方向のみに規制する。
取付部31L及び取付部37Lにおける後寄りには、直線部固定部材46が設けられている。取付部37Lにおける保持突起40Lの後方であり、固定孔部34Lと対向する箇所からは、鈎形状の固定爪部41Lが左右方向の外側、すなわち固定孔部34Lに向かって突設している。固定爪部41Lは、全体として上下方向に所定の幅を有する薄い板状であり、根元部42、腕部43及び係合部44を有している。根元部42は、取付部37Lからほぼ直角に左側に向かって立設する。腕部43は、可撓性を有し、根元部42の左端から、該根元部42に対しほぼ直角に屈曲し後方へ延在する。係合部44は、腕部43の後端から、該腕部43に対しほぼ直角に屈曲し左方へ延在し、取付状態(図2)において固定孔部34Lに嵌り込んでいる。係合部44の左右方向の長さは、固定孔部34の左右方向の長さ、すなわち取付部31の厚さよりも僅かに長く形成されている。これにより取付状態においては、係合部44が取付部31Lの外壁面よりも僅かに左側に突出している。右側の直線部固定部材46は、直線部フレーム28及び直線部搬送ガイド29における左右方向の中心を軸として左側の直線部固定部材46と線対称に構成されているため、その説明を省略する。以下では保持突起40L及び保持突起40Rをまとめて保持突起40とも呼び、固定爪部41L及び固定爪部41Rをまとめて固定爪部41とも呼ぶ。このように直線部フレーム28は、位置合わせ突起33及び保持突起40により位置決めされた直線部搬送ガイド29を、固定孔部34及び固定爪部41で該直線部フレーム28に対し固定することにより保持する。
この直線搬送部24は、製造工程において、取外状態(図3)から、前方である取付方向へ沿って直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28に向かって移動される取付動作が行われ、該直線部搬送ガイド29が該直線部フレーム28に取り付けられ取付状態(図2)となることにより組み立てられる。具体的には、取付動作が行われる際、図4(A)に示すように腕部43が直線部搬送ガイド29の取付部37に向かって撓み、係合部44が取付部31と取付部37との間に入り込むことにより、直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28に向かって取付方向へ移動可能となる。続いて図4(B)に示すように、係合部44が固定孔部34と対向すると、腕部43が自然状態に戻ることにより撓みがなくなり係合部44が固定孔部34に嵌り込む。これにより取付状態となる。
一方直線搬送部24は、取付状態(図2)から、後方である取外方向へ沿って直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28から離隔するよう移動される取外動作が行われ、該直線部搬送ガイド29が該直線部フレーム28から取り外されることにより取外状態(図3)となる。具体的には、取外動作が行われる際、取付部31の左右の外側から係合部44が取付部37に向かって作業者によって押されることにより、腕部43が取付部37に向かって撓み、係合部44が固定孔部34から外れ、直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28から取外方向へ移動可能となる。続いて取外方向へ沿って直線部搬送ガイド29が移動されることにより取外状態(図3)となる。以下では取付方向及び取外方向をまとめて着脱方向とも呼ぶ。
また直線搬送部24は、根元部42からガイド移動許可方向である後方へ向かって腕部43を延設し、係合部44を固定孔部34に嵌め込むようにした。ここで、取付状態(図2)において、係合部44が固定孔部34から外れていない状態で直線部搬送ガイド29に対し取外方向へ力が加わると、図6に示すように、係合部44から固定孔部34の後壁面へ力が加わり、該固定孔部34の後壁面から係合部44へ該力に対する反力Freが発生する。この反力Freにより、固定爪部41には、根元部42の根元を支点として係合部44が取付部31の外側へ向かう回転モーメントFmoが働く。このため固定爪部41は、係合部44が固定孔部34へ食い込む方向へ付勢される。これにより直線搬送部24は、固定爪部41が固定孔部34から抜けないようにできるため、直線部搬送ガイド29に作業者の手が当たってしまう等、直線部搬送ガイド29に対し取外方向へ予期しない力が掛かったとしても、該直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28から外れることを防止できる。
このように直線搬送部24は、直線部搬送ガイド29の左右両側面に保持突起40及び固定爪部41をそれぞれ設け、直線部フレーム28において保持突起40及び固定爪部41と対向する箇所に位置合わせ突起33及び固定孔部34をそれぞれ設け、保持突起40を位置合わせ突起33に嵌め込むと共に固定爪部41を固定孔部34に嵌め込むようにした。これにより直線搬送部24は、保持突起40及び位置合わせ突起33により直線部フレーム28に対し直線部搬送ガイド29を位置決めすると共に、固定爪部41及び固定孔部34により直線部フレーム28に直線部搬送ガイド29を固定し動かないようにすることができる。
[1−4−2.合流搬送部の構成]
図7乃至図9に示すように合流搬送部25は、いわゆるY字状合流搬送路であり、合流部フレーム50、合流部搬送ガイド51、ベルトローラ52(52F及び52B)、繰出ローラ53(53U及び53D)等により構成されている。図7及び図9は、合流部搬送ガイド51が合流部フレーム50に取り付けられた状態である取付状態を示し、図8は、合流部搬送ガイド51が合流部フレーム50から取り外された状態である取外状態を示している。ベルトローラ52及び繰出ローラ53は、図示しないアクチュエータから駆動力が伝達されることにより駆動される。ベルト27は、合流部搬送ガイド51の後方において前後方向に延設している。なお以下の説明では、合流搬送部右側保持機構68Rについて主に説明する。合流搬送部左側保持機構68L(図示せず)は、合流部搬送ガイド51における左右方向の中心を軸として合流搬送部右側保持機構68Rと線対称に構成されているため、その説明を省略する。また図7においては説明の都合上、合流部搬送ガイド51を合流部フレーム50よりも手前にあるように図示している。
合流部フレーム50は、搬送フレーム26の一部であり、紙幣の紙面と対向し後方に向かうに連れて前方へ屈曲する上側ガイド面54が形成されており、後述する下側ガイド面59との間に、紙幣を走行させる紙幣搬送空間55を形成している。合流部フレーム50には、ベルトローラ52B及び繰出ローラ53Uがそれぞれベルトローラシャフト及び繰出ローラシャフトを左右方向に、すなわち紙幣の搬送方向と直交する搬送幅方向に向けるよう、回転可能に取り付けられている。また繰出ローラ53Uは、上側ガイド面54に穿設された孔部からその外周面の一部を紙幣搬送空間55側に露出させている。
合流部搬送ガイド51は、側面視略三角形状の樹脂成型品であり、それぞれ上側及び後側において紙幣の紙面と対向する下側ガイド面59及び後側ガイド面60が形成されている。また合流部搬送ガイド51は、ベルト27との間に、紙幣を走行させる紙幣搬送空間56を形成している。合流部搬送ガイド51には、ベルトローラ52F及び繰出ローラ53Dが、それぞれベルトローラ52B及び繰出ローラ53Uと対向する位置において、ベルトローラシャフト52s及び繰出ローラシャフト53sを左右方向に向けるよう、回転可能に取り付けられている。またベルトローラ52Fは、後側ガイド面60に穿設された孔部からその外周面の一部をベルト27側に露出させている。繰出ローラ53Dは、下側ガイド面59に穿設された孔部からその外周面の一部を紙幣搬送空間55側に露出させている。
繰出ローラ53U及び53Dは、各出金カセット7の後側下部に設けられた、収納されている紙幣を1枚ずつに分離して繰り出すカセット繰出口(図示せず)から繰り出された紙幣を挟持して回転することにより、該紙幣を直線搬送部24(図1)へ向けて搬送する。このとき繰出ローラ53Dは、繰出ローラ53Uから、繰出ローラシャフト53sの中心へ向かう下後方向へローラ反力Frだけ押圧される。以下ではローラ反力Frが向かう方向をローラ反力方向とも呼ぶ。
ベルトローラ52Bは、張架された状態のベルト27を、ベルトテンションに逆らって、前方すなわちベルトローラ52Fに向かって押し付けるよう押圧する。またベルトローラ52Fは、ベルトローラ52Bの下方において、その後端部が、該ベルトローラ52Bの前端部よりも後側に位置するように設けられている。このためベルトローラ52Fは、上下方向に並ぶ複数のベルトローラ52B(図示せず)の間において、ベルトテンションに逆らって、後方すなわちベルトローラ52Bに向かって押し付けるようベルト27を押圧する。このようにベルトローラ52Bがベルト27を前方向に押し付けると共に、ベルトローラ52Fが該ベルト27を後方向に押し付けるため、ベルト27は、一定の張力でベルトローラ52F及び52Bに巻き付く。これによりベルトローラ52Fは、ベルト27のベルトテンションにより、ベルトローラシャフト52sの中心へ向かう前下方向へベルト反力Fbだけ押圧される。以下ではベルト反力Fbが向かう方向をベルト反力方向とも呼ぶ。このように合流搬送部25は、ベルト27により紙幣をベルトローラ52Fに押し付け、該ベルト27とベルトローラ52Fとで紙幣を挟持しつつ上方へ搬送する。
このローラ反力Frとベルト反力Fbとにより、合流部搬送ガイド51には、下前方向へ向かう合力Ftが加わる。以下では合力Ftが向かう方向を合力方向とも呼ぶ。
合流搬送部25は、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51を位置決めする合流部位置合わせ部材66が形成されている。合流部位置合わせ部材66は、位置合わせ突起57(57R及び57L)及び保持突起61(61R及び61L)により構成されている。また合流搬送部25は、合流部フレーム50に合流部搬送ガイド51を固定する合流部固定部材67が形成されている。合流部固定部材67は、固定爪部62(62R及び62L)及び固定孔部58(58R及び58L)により構成されている。
合流搬送部25は、合流部搬送ガイド51の右側を合流部フレーム50の右側に固定する合流搬送部右側保持機構68Rが形成されている。合流搬送部右側保持機構68Rは、位置合わせ突起57R及び保持突起61Rと固定爪部62R及び固定孔部58Rとにより構成されている。また図示しないが、合流搬送部25は、合流部搬送ガイド51の左側を合流部フレーム50の左側に固定する合流搬送部左側保持機構68Lが形成されている。合流搬送部左側保持機構68Lは、位置合わせ突起57L及び保持突起61Lと固定爪部62L及び固定孔部58Lとにより構成されている。
合流部フレーム50の右側壁である合流部フレーム右側壁50Rと、合流部搬送ガイド51の右側壁である合流部搬送ガイド右側壁51Rとには、合流搬送部右側保持機構68Rが設けられている。合流部フレーム右側壁50Rの内壁面からは、円筒形状の位置合わせ突起57RF及び57RB(以下ではまとめて位置合わせ突起57Rとも呼ぶ)が左右方向の内側、すなわち後述する保持突起61RF及び61RB(以下ではまとめて保持突起61Rとも呼ぶ)それぞれに向かって突設している。この位置合わせ突起57RFと位置合わせ突起57RBとは、上下方向に位置がずれつつ、突起配置方向D1に沿って配置されている。合流部フレーム右側壁50Rにおける位置合わせ突起57RBの上方には、該合流部フレーム右側壁50Rの外壁面と内壁面とを挿通するよう上下方向に延びる長方形状の固定孔部58Rが穿設されている。以下では合流搬送部右側保持機構68Rにおける位置合わせ突起57R及び合流搬送部左側保持機構68L(図示せず)における位置合わせ突起57L(図示せず)をまとめて位置合わせ突起57と、固定孔部58R及び固定孔部58L(図示せず)をまとめて固定孔部58とも呼ぶ。
合流部フレーム右側壁50R及び合流部搬送ガイド右側壁51Rには、合流部位置合わせ部材66が設けられている。合流部搬送ガイド右側壁51Rにおいて、位置合わせ突起57RF及び57RBそれぞれと対向する箇所からは、U字形状の保持突起61RF及び61RFが左右方向の外側、すなわち位置合わせ突起57RF及び57RBに向かって突設している。保持突起61Rは、所定の幅を有するリブが、取付方向に沿った前方のみが開口し、後方、上方及び下方の3方向が閉塞する半円の湾曲形状に沿って右側へ向かって立設している。これにより保持突起61Rは、内側に半円形状の内部空間が形成されている。以下では保持突起61Rにおいて開口している箇所を保持突起開口部61aとも呼ぶ。また以下では保持突起61Rにおいて開放している方向を保持突起開放方向と、閉鎖している方向を保持突起閉鎖方向とも呼ぶ。
保持突起61Rは、保持突起開放方向が後述する取付方向に沿う前方となり、保持突起閉鎖方向が後方、上方及び下方となっている。保持突起61Rは、湾曲形状の内部空間に位置合わせ突起57Rが嵌り込んでおり、該位置合わせ突起57Rの後方、上方及び下方に当接する。このため合流部フレーム50は、位置合わせ突起57Rにより、該合流部フレーム50に対する保持突起61R、すなわち合流部搬送ガイド51の前方、上方及び下方への移動を規制する。これにより合流部フレーム50は、該合流部フレーム50に対すし合流部搬送ガイド51を位置決めする。以下では取付状態において合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51の移動が規制された、前方、上方及び下方の3方向をガイド移動規制方向と、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51の移動が規制されない後方をガイド移動許可方向とも呼ぶ。このように合流搬送部25は、合流部フレーム50に対する前方、上方及び下方の3方向であるガイド移動規制方向への合流部搬送ガイド51の移動を規制することにより、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51を脱着可能な方向をガイド移動許可方向の一方向のみに規制する。
保持突起61RFと保持突起61RBとは、着脱方向に直交する上下方向に位置がずれつつ、保持突起開放方向を共に前方に向けて配置されている。また保持突起61RFと保持突起61RBとは、突起配置方向D1に沿って配置されている。この突起配置方向D1は、合力方向に対し90度の角度で交差している。
合流部フレーム右側壁50R及び合流部搬送ガイド右側壁51Rには、合流部固定部材67が設けられている。合流部搬送ガイド51において、固定孔部58Rと対向する箇所からは、固定爪部41(図3)と同様に構成された鈎形状の固定爪部62Rが左右方向の外側、すなわち固定孔部58Rに向かって突設している。固定爪部62Rは、全体として上下方向に所定の幅を有する薄い板状であり、根元部63、腕部64及び係合部65とを有している。根元部63は、合流部搬送ガイド右側壁51Rからほぼ直角に右側に向かって立設する。腕部64は、可撓性を有し、根元部63の右端から、該根元部63に対しほぼ直角に屈曲し後方へ延在する。係合部65は、腕部64の後端から、該腕部64に対しほぼ直角に屈曲し右方へ延在し、取付状態(図7)において固定孔部58Rに嵌り込んでいる。係合部65の左右方向の長さは、固定孔部58Rの左右方向の長さ、すなわち合流部フレーム右側壁50Rの厚さよりも僅かに長く形成されている。これにより取付状態においては、係合部65が合流部搬送ガイド右側壁51Rよりも僅かに右側に突出している。また合流部搬送ガイド右側壁51Rにおける、固定爪部62Rの腕部43と対向する箇所は、左側に向かって凹んだ肉抜部50bが形成されている。肉抜部50bは、合流部搬送ガイド右側壁51Rに向かって腕部43が撓んだ際に該腕部43を入り込ませる。
以下では合流搬送部右側保持機構68Rの保持突起61R及び合流搬送部左側保持機構68L(図示せず)の保持突起61L(図示せず)をまとめて保持突起61とも呼び、固定爪部62R及び固定爪部62L(図示せず)をまとめて固定爪部62とも呼ぶ。保持突起61における上端の前端と下端の前端とは、上下方向に沿っており、固定爪部62の係合部65が延在する上下の幅方向と平行になっている。このように合流部フレーム50は、位置合わせ突起57R及び保持突起61Rにより位置決めされた合流部搬送ガイド51を、固定爪部62R及び固定孔部58で該合流部フレーム50に対し固定することにより保持する。
この合流搬送部25は、製造工程において、取外状態(図8)から、前方である取付方向へ沿って合流部搬送ガイド51が合流部フレーム50に向かって移動される取付動作が行われ、該合流部搬送ガイド51が該合流部フレーム50に取り付けられ取付状態(図7)となることにより組み立てられる。具体的には、取付動作が行われる際、腕部64が合流部搬送ガイド51に向かって撓み、係合部65が合流部フレーム50と合流部搬送ガイド51との間に入り込むことにより、合流部搬送ガイド51が合流部フレーム50に向かって取付方向へ移動可能となる。続いて係合部65が固定孔部58と対向すると、腕部64が自然状態に戻ることにより撓みがなくなり係合部65が固定孔部58に嵌り込む。これにより取付状態となる。
一方合流搬送部25は、取付状態(図7)から、後方である取外方向へ沿って合流部搬送ガイド51が合流部フレーム50から離隔するよう移動される取外動作が行われ、該合流部搬送ガイド51が該合流部フレーム50から取り外されることにより取外状態(図8)となる。具体的には、取外動作が行われる際、合流部フレーム右側壁50R及び合流部フレーム左側壁50L(図示せず)の左右の外側から係合部65が合流部搬送ガイド右側壁51R及び合流部搬送ガイド左側壁51L(図示せず)それぞれに向かって作業者によって押されることにより、腕部64が合流部搬送ガイド右側壁51R及び合流部搬送ガイド左側壁51L(図示せず)それぞれに向かって撓み、係合部65が固定孔部58から外れ、合流部搬送ガイド51が合流部フレーム50から取外方向へ移動可能となる。続いて取外方向へ沿って合流部搬送ガイド51が移動されることにより取外状態(図8)となる。
また合流搬送部25は、根元部63からガイド移動許可方向である後方へ向かって腕部64を延設し、係合部65を固定孔部58に嵌め込むようにした。このため合流搬送部25は、直線搬送部24(図2)と同様に、合流部搬送ガイド51に対し取外方向へ予期しない力が掛かったとしても、該合流部搬送ガイド51が合流部フレーム50から外れることを防止できる。
このように合流搬送部25は、合流部搬送ガイド51の左右両側面に保持突起61及び固定爪部62をそれぞれ設け、合流部フレーム50において合流部搬送ガイド51の左右両側面における保持突起61及び固定爪部62と対向する箇所に位置合わせ突起57及び固定孔部58をそれぞれ設け、保持突起61を位置合わせ突起57に嵌め込むと共に固定爪部62を固定孔部58に嵌め込むようにした。これにより合流搬送部25は、保持突起61及び位置合わせ突起57により合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51を位置決めすると共に、固定爪部62及び固定孔部58により合流部フレーム50に合流部搬送ガイド51を固定し動かないようにすることができる。
ここで、合流部搬送ガイド51はベルト反力Fbを受けるため、保持突起61RBにはベルト反力方向に向かう力が加わる。これに対し合流搬送部25は、保持突起61RBに対するベルト反力方向側に位置合わせ突起57RBの一部を配置する、すなわちガイド移動規制方向がベルト反力方向を含むように保持突起61RBの保持突起開口部61aの向きを設定するようにした。これにより合流搬送部25は、ベルト反力Fbを受けた際に保持突起61RBの移動力を位置合わせ突起57RBで受けることができ、ベルト反力方向側への保持突起61RBの移動を規制することができるため、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51がベルト反力方向へ移動してしまうことを防止できる。これにより合流搬送部25は、合流部フレーム50から合流部搬送ガイド51が外れてしまうことを防止できる。
また合流部搬送ガイド51はローラ反力Frを受けるため、保持突起61RFにはローラ反力方向に向かう力が加わる。これに対し合流搬送部25は、保持突起61RFに対するローラ反力方向側に位置合わせ突起57RFの一部を配置する、すなわちガイド移動規制方向がローラ反力方向を含むように保持突起61RFの保持突起開口部61aの向きを設定するようにした。これにより合流搬送部25は、ローラ反力Frを受けた際に保持突起61RFの移動力を位置合わせ突起57RFで受けることができ、ローラ反力方向側への保持突起61RFの移動を規制することができるため、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51がローラ反力方向へ移動してしまうことを防止できる。これにより合流搬送部25は、合流部フレーム50から合流部搬送ガイド51が外れてしまうことを防止できる。
また合流搬送部25は、保持突起61RFに対する合力方向側に位置合わせ突起57RFを配置すると共に保持突起61RBに対する合力方向側に位置合わせ突起57RBの一部を配置するようにした。これにより合流搬送部25は、合力Ftを受けた際に保持突起61RFの移動力を位置合わせ突起57RFで受けると共に保持突起61RBの移動力を位置合わせ突起57RBで受けることができ、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51が合力方向へ移動してしまうことを防止できる。これにより合流搬送部25は、合流部フレーム50から合流部搬送ガイド51が外れてしまうことを防止できる。
また合流搬送部25は、位置合わせ突起57RF及び保持突起61RFと位置合わせ突起57RB及び保持突起61RBとの2箇所で、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51を位置決めするようにした。これにより合流搬送部25は、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51が回転することを防止できる。
また合流搬送部25は、位置合わせ突起57RF及び保持突起61RFと位置合わせ突起57RB及び保持突起61RBとを、着脱方向に直交する上下方向に位置をずらす、具体的には取付方向に沿って合流部搬送ガイド51が移動する際の保持突起61RFの上下方向の範囲よりも上下方向の外側に位置合わせ突起57RBを配置すると共に、保持突起61RF及び保持突起61RBを、保持突起開放方向を共に前方に向けて配置するようにした。このため合流搬送部25は、取付方向に沿って合流部搬送ガイド51が移動する際に位置合わせ突起57RBが保持突起61RFの移動を妨げないようにできると共に、取付方向の一方向にのみに沿って合流部搬送ガイド51を移動させるだけで合流搬送部25を組み立てられるようにできるため、該合流搬送部25を組み立てやすくすることができる。
また合流搬送部25は、固定爪部62の係合部65が延びる上下方向を含むように、前方、上方及び下方がガイド移動規制方向となるよう保持突起61の保持突起開口部61aの向きを設定するようにした。このため合流搬送部25は、合流部搬送ガイド51に対し着脱方向に沿った方向以外の力が加わっても、該合流部搬送ガイド51の移動を防ぎ、固定爪部62の係合部65に対し着脱方向以外の力が加わってしまうことを防止できる。これにより合流搬送部25は、固定爪部62に着脱方向以外の力が加わってしまい該固定爪部62の係合部65が捻れて破損してしまうことを防止できる。
[1−5.効果]
以上の構成において、直線搬送部24は、位置合わせ突起33を保持突起40に嵌め込むことにより容易に直線部フレーム28に対し位置決めした直線部搬送ガイド29を、固定爪部41を固定孔部34に係合させることにより、容易に固定するようにした。また合流搬送部25は、位置合わせ突起57を保持突起61に嵌め込むことにより容易に合流部フレーム50に対し位置決めした合流部搬送ガイド51を、固定爪部62を固定孔部58に係合させることにより、容易に固定するようにした。これにより紙幣出金機1は、直線搬送部24及び合流搬送部25の構成を簡素化しつつ、脱着容易に直線部搬送ガイド29及び合流部搬送ガイド51を直線部フレーム28及び合流部フレーム50それぞれに保持することができる。
ここで、合流搬送部25において、仮に合流部位置合わせ部材66を省略し、合流部固定部材67のみを設けることも考えられる。その場合、固定爪部62を固定孔部58に係合させるだけで合流部フレーム50に合流部搬送ガイド51を固定できるため、従来の搬送部に対し脱着容易にはなるものの、合流部搬送ガイド51が移動しようとする力を固定爪部62のみで受けることになるため、該固定爪部62の強度が持たない可能性がある。これは、固定孔部58に脱着される際の弾性を有するために固定爪部62が薄く形成されているためである。
これに対し合流搬送部25は、位置合わせ突起57及び保持突起61により合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51を位置決めする合流部位置合わせ部材66と、固定爪部62及び固定孔部58により合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51を固定する合流部固定部材67とに、合流部フレーム50に対し合流部搬送ガイド51を位置決めする機能と固定する機能とを分けるようにした。これにより合流搬送部25は、合流部フレーム50に合流部搬送ガイド51を容易に脱着可能にしつつ、取付状態においては合流部フレーム50に合流部搬送ガイド51を確実に固定すると共に、固定爪部62、保持突起61及び位置合わせ突起57の破損を防止できる。直線搬送部24においても同様である。
また合流搬送部25は、従来の搬送部70のように、組立時において取付動作が行われる際、作業者によってフレーム74に搬送ガイド72が位置決めされた後に螺子76により該フレーム74に該搬送ガイド72が固定されるのではなく、取付方向へ沿って合流部搬送ガイド51が合流部フレーム50に向かって移動され、位置合わせ突起57が保持突起61に嵌り込み、固定爪部62の係合部65が固定孔部58に嵌り込むだけで、取付状態とすることができる。このため作業者は、螺子を回すドライバー等の工具を必要としないと共に、簡易な作業で合流搬送部25を組み立てることができるため、合流搬送部25は、組立時における工数を削減できる。またこのため作業者は、取外動作を行う際、螺子を回すドライバー等の工具を必要としないと共に、固定爪部62の係合部65を固定孔部58から外して取外方向へ沿って合流部搬送ガイド51を合流部フレーム50から移動させるだけで、取外状態とすることができるため、合流搬送部25は、取外動作時における工数を削減できる。直線搬送部24においても同様である。
ここで、仮に直線搬送部24において根元部42からガイド移動規制方向である前方へ向かって腕部43を延設した場合、取付状態(図2)において、係合部44が固定孔部34から外れていない状態で直線部搬送ガイド29に対し取外方向へ力が加わると、係合部44から固定孔部34の後壁面へ力が加わり、該固定孔部34の後壁面から係合部44へ該力に対する反力が発生する。この反力により、固定爪部41には、根元部42の根元を支点として係合部44が取付部37へ向かう回転モーメントが働く。このため固定爪部41は、係合部44が固定孔部34から外れる方向へ付勢される。これにより直線搬送部24は、固定爪部41が固定孔部34から外れやすくなってしまい、直線部搬送ガイド29に対し取外方向へ予期しない力が掛かると、該直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28から外れやすくなってしまう。
これに対し直線搬送部24は、根元部42からガイド移動許可方向である後方へ向かって腕部43を延設し、係合部44を固定孔部34に嵌め込むようにした。これにより直線搬送部24は、固定爪部41が固定孔部34から抜けないようにできるため、直線部搬送ガイド29に対し取外方向へ予期しない力が掛かったとしても、該直線部搬送ガイド29が直線部フレーム28から外れることを防止できる。合流搬送部25においても同様である。
また直線搬送部24は、直線部フレーム28に形成された固定孔部34に、直線部搬送ガイド29に形成された固定爪部41の係合部44を左右方向の外側に向かって嵌め込むようにした。これにより直線搬送部24は、直線部搬送ガイド29に形成された固定孔部に、直線部フレーム28に形成された固定爪部の係合部を左右方向の内側に向かって嵌め込む場合と比べて、取外動作が行われる際に外部に露出した取付部31の外側から係合部44が押されやすくできるため、固定孔部34から係合部44が外されやすくすることができ、作業効率を向上できる。合流搬送部25においても同様である。
また合流搬送部25は、位置合わせ突起57に対し、内側に半円形状の内部空間が形成された保持突起61を嵌め込むようにした。これにより合流搬送部25は、保持突起61から位置合わせ突起57に応力が加わった際に、応力集中が発生しにくくすることができ、位置合わせ突起57の破損を防ぐことができる。直線搬送部24においても同様である。
また合流搬送部25は、固定爪部62において、特に係合部65を、上下方向に所定の幅を有する薄い板状にした。これにより合流搬送部25は、固定孔部58から係合部65に応力が加わった際に面で該応力を受けることができ、例えば係合部65を円筒形状に形成する場合と比べて、係合部が一点で応力を受けてしまうことを防ぎ、固定爪部62の破損を防ぐことができる。直線搬送部24においても同様である。
以上の構成によれば、紙幣出金機1は、媒体としての紙幣を外部に繰り出す出金機出金口19と、紙幣を搬送させる直線部搬送ガイド29又は合流部搬送ガイド51と、直線部搬送ガイド29又は合流部搬送ガイド51を着脱可能に保持し、該直線部搬送ガイド29又は該合流部搬送ガイド51を保持した際、紙幣を搬送する搬送路を該直線部搬送ガイド29又は該合流部搬送ガイド51との間で形成する直線部フレーム28又は合流部フレーム50と、直線部搬送ガイド29又は該合流部搬送ガイド51及び直線部フレーム28又は合流部フレーム50に設けられ、直線部搬送ガイド29又は合流部搬送ガイド51を直線部フレーム28又は合流部フレーム50に対し着脱可能に固定する直線部固定部材46又は合流部固定部材67と、直線部搬送ガイド29又は該合流部搬送ガイド51及び直線部フレーム28又は合流部フレーム50に設けられ、直線部搬送ガイド29又は合流部搬送ガイド51が直線部フレーム28又は合流部フレーム50に保持された取付状態において、直線部フレーム28又は合流部フレーム50に対する直線部搬送ガイド29又は合流部搬送ガイド51の位置を合わせる直線部位置合わせ部材45又は合流部位置合わせ部材66とを設けるようにした。
これにより紙幣出金機1は、螺子等の締結部材を用いることなく、簡易な構成で直線部フレーム28又は合流部フレーム50に対し直線部搬送ガイド29又は合流部搬送ガイド51を着脱可能に固定することができる。
[2.第2の実施の形態]
[2−1.紙幣出金機の構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による紙幣出金機101は、第1の実施の形態による紙幣出金機1と比べて、下部搬送部109が下部搬送部9と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[2−2.下部搬送部の構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による下部搬送部109は、第1の実施の形態による下部搬送部9と比べて、直線搬送部124が直線搬送部24と、合流搬送部125(125A、125B、125C及び125D)が合流搬送部25(25A、25B、25C及び25D)と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。
[2−2−1.直線搬送部の構成]
図10に示すように直線搬送部124は、直線部フレーム128及び直線部搬送ガイド129により構成されている。直線搬送部124は、直線搬送部24と比べて、直線部位置合わせ部材145における位置合わせ突起133及び保持突起140の配置が、直線部位置合わせ部材45における位置合わせ突起33及び保持突起40と逆になっている。また直線搬送部124は、直線搬送部24と比べて、直線部固定部材146における固定爪部141及び固定孔部134の配置が、直線部固定部材46における固定爪部41及び固定孔部34と逆になっている。
直線搬送部124は、直線部フレーム128に対し直線部搬送ガイド129を位置決めする直線部位置合わせ部材145が形成されている。直線部位置合わせ部材145は、位置合わせ突起133(133R及び133L)及び保持突起140(140R及び140L)により構成されている。また直線搬送部124は、直線部フレーム128に直線部搬送ガイド129を固定する直線部固定部材146が形成されている。直線部固定部材146は、固定爪部141(141R及び141L)及び固定孔部134(134R及び134L)により構成されている。
また直線搬送部124は、直線部搬送ガイド129の左側を直線部フレーム128の左側に固定する直線搬送部左側保持機構147Lが形成されている。直線搬送部左側保持機構147Lは、位置合わせ突起133L及び保持突起140Lと固定爪部141L及び固定孔部134Lとにより構成されている。また直線搬送部124は、直線部搬送ガイド129の右側を直線部フレーム128の右側に固定する直線搬送部右側保持機構147Rが形成されている。直線搬送部右側保持機構147Rは、位置合わせ突起133R及び保持突起140Rと固定爪部141R及び固定孔部134Rとにより構成されている。
取付部31L及び取付部37Lには、直線搬送部左側保持機構147Lが設けられている。取付部37Lの外壁面における前寄りからは、円筒形状の位置合わせ突起133Lが左右方向の外側、すなわち保持突起140Lに向かって突設している。取付部37Lにおける位置合わせ突起133Lの後方には、該取付部37Lの外壁面と内壁面とを挿通するよう上下方向に延びる長方形状の固定孔部134Lが穿設されている。直線搬送部右側保持機構147Rは、直線部フレーム128及び直線部搬送ガイド129における左右方向の中心を軸として直線搬送部左側保持機構147Lと線対称に構成されているため、その説明を省略する。以下では位置合わせ突起133L及び位置合わせ突起133Rをまとめて位置合わせ突起133とも呼び、固定孔部134L及び固定孔部134Rをまとめて固定孔部134とも呼ぶ。
取付部31L及び取付部37Lにおける前寄りには、直線部位置合わせ部材145が設けられている。取付部31Lの内壁面における前寄りであり、位置合わせ突起133Lと対向する箇所からは、U字形状の保持突起140Lが左右方向の内側、すなわち位置合わせ突起133Lに向かって、該位置合わせ突起133Lの高さよりも僅かに低い高さだけ突設している。保持突起140Lは、所定の幅を有するリブが、取付方向に沿った後方のみが開口し、前方、上方及び下方の3方向が閉塞する半円の湾曲形状に沿って右側へ向かって立設している。これにより保持突起140Lは、内側に半円形状の内部空間が形成されている。以下では保持突起140において開口している箇所を保持突起開口部140aとも呼ぶ。保持突起140は、保持突起開放方向が取外方向に沿う後方となり、保持突起閉鎖方向が前方、上方及び下方となっている。保持突起140Lは、湾曲形状の内部空間に位置合わせ突起133Lが嵌り込んでおり、該位置合わせ突起133Lの前方、上方及び下方に当接する。このため直線部フレーム128は、保持突起140Lにより、該直線部フレーム128に対する位置合わせ突起133L、すなわち直線部搬送ガイド129の前方、上方及び下方への移動を規制する。これにより直線部フレーム128は、該直線部フレーム128に対する直線部搬送ガイド129を位置決めする。右側の直線部位置合わせ部材145は、直線部フレーム128及び直線部搬送ガイド129における左右方向の中心を軸として左側の直線部位置合わせ部材145と線対称に構成されているため、その説明を省略する。
取付部31L及び取付部37Lにおける後寄りには、直線部固定部材146が設けられている。取付部31Lにおける保持突起140Lの後方であり、固定孔部134Lと対向する箇所からは、鈎形状の固定爪部141Lが左右方向の内側、すなわち固定孔部134Lに向かって突設している。固定爪部141Lは、全体として上下方向に所定の幅を有する薄い板状であり、根元部142、腕部143及び係合部144を有している。根元部142は、取付部37Lからほぼ直角に右側に向かって立設する。腕部143は、可撓性を有し、根元部142の右端から、該根元部142に対しほぼ直角に屈曲し右方へ延在する。係合部144は、腕部143の後端から、該腕部143に対しほぼ直角に屈曲し後方へ延在し、取付状態(図示せず)において固定孔部134Lに嵌り込んでいる。係合部144の左右方向の長さは、固定孔部134の左右方向の長さ、すなわち取付部37Lの厚さよりも僅かに長く形成されている。これにより取付状態においては、係合部144が取付部131Lの内壁面よりも僅かに右側に突出する。右側の直線部固定部材146は、直線部フレーム128及び直線部搬送ガイド129における左右方向の中心を軸として左側の直線部固定部材146と線対称に構成されているため、その説明を省略する。以下では保持突起140L及び保持突起140Rをまとめて保持突起140とも呼び、固定爪部141L及び固定爪部141Rをまとめて固定爪部141とも呼ぶ。このように直線部フレーム128は、位置合わせ突起133及び保持突起140により位置決めされた直線部搬送ガイド129を、固定孔部134及び固定爪部141で該直線部フレーム128に対し固定することにより保持する。
このように直線搬送部124は、直線部フレーム128の左右両内側面に保持突起140及び固定爪部141をそれぞれ設け、直線部搬送ガイド129において保持突起140及び固定爪部141と対向する箇所に位置合わせ突起133及び固定孔部134をそれぞれ設け、保持突起140を位置合わせ突起133に嵌め込むと共に固定爪部141を固定孔部134に嵌め込むようにした。これにより直線搬送部124は、保持突起140及び位置合わせ突起133により直線部フレーム128に対し直線部搬送ガイド129を位置決めすると共に、固定爪部141及び固定孔部134により直線部フレーム128に直線部搬送ガイド129を固定し動かないようにすることができる。
[2−2−2.合流搬送部の構成]
図11及び図12に示すように合流搬送部125は、合流部フレーム150及び合流部搬送ガイド151により構成されている。合流搬送部125は、合流搬送部25と比べて、合流部位置合わせ部材166における位置合わせ突起157及び保持突起161の配置が、合流部位置合わせ部材66における位置合わせ突起57及び保持突起61と逆になっている。また合流搬送部125は、合流搬送部25と比べて、合流部固定部材167における固定爪部162及び固定孔部158の配置が、合流部固定部材67における固定爪部62及び固定孔部58と逆になっている。
合流搬送部125は、合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151を位置決めする合流部位置合わせ部材166が形成されている。合流部位置合わせ部材166は、位置合わせ突起157(157R及び157L)及び保持突起161(161R及び161L)により構成されている。また合流搬送部125は、合流部フレーム150に合流部搬送ガイド151を固定する合流部固定部材167が形成されている。合流部固定部材167は、固定爪部162(162R及び162L)及び固定孔部158(158R及び158L)により構成されている。
合流搬送部125は、合流部搬送ガイド151の右側を合流部フレーム150の右側に固定する合流搬送部右側保持機構168Rが形成されている。合流搬送部右側保持機構168Rは、位置合わせ突起157R及び保持突起161Rと固定爪部162R及び固定孔部158Rとにより構成されている。また図示しないが、合流搬送部125は、合流部搬送ガイド151の左側を合流部フレーム150の左側に固定する合流搬送部左側保持機構168Lが形成されている。合流搬送部左側保持機構168Lは、位置合わせ突起157L及び保持突起161Lと固定爪部162L及び固定孔部158Lとにより構成されている。
合流部フレーム150の右側壁である合流部フレーム右側壁150Rと、合流部搬送ガイド151の右側壁である合流部搬送ガイド右側壁151Rとには、合流搬送部右側保持機構168Rが設けられている。合流部搬送ガイド右側壁151Rからは、円筒形状の位置合わせ突起157RF及び157RB(以下ではまとめて位置合わせ突起157Rとも呼ぶ)が左右方向の外側、すなわち保持突起161RF及び161RB(以下ではまとめて保持突起161Rとも呼ぶ)それぞれに向かって突設している。この位置合わせ突起157RFと位置合わせ突起157RBとは、上下方向に位置がずれつつ、突起配置方向D1に沿って配置されている。合流部搬送ガイド右側壁151Rにおける位置合わせ突起157RBの上方には、該合流部搬送ガイド右側壁151Rの外壁面と内壁面とを挿通するよう上下方向に延びる長方形状の固定孔部158Rが穿設されている。以下では合流搬送部右側保持機構168Rにおける位置合わせ突起157R及び合流搬送部左側保持機構168L(図示せず)における位置合わせ突起157L(図示せず)をまとめて位置合わせ突起157と、固定孔部158R及び固定孔部158L(図示せず)をまとめて固定孔部158とも呼ぶ。
合流部フレーム右側壁150R及び合流部搬送ガイド右側壁151Rには、合流部位置合わせ部材166が設けられている。合流部フレーム右側壁150Rの内壁面において、位置合わせ突起157RF及び157RBそれぞれと対向する箇所からは、U字形状の保持突起161RF及び161RFが左右方向の内側、すなわち位置合わせ突起157RF及び157RBに向かって突設している。保持突起161Rは、所定の幅を有するリブが、取付方向に沿った後方のみが開口し、前方、上方及び下方の3方向が閉塞する半円の湾曲形状に沿って左側へ向かって立設している。これにより保持突起161Rは、内側に半円形状の内部空間が形成されている。以下では保持突起161Rにおいて開口している箇所を保持突起開口部161aとも呼ぶ。また以下では保持突起161Rにおいて開放している方向を保持突起開放方向と、閉鎖している方向を保持突起閉鎖方向とも呼ぶ。保持突起161Rは、保持突起開放方向が取外方向に沿う後方となり、保持突起閉鎖方向が前方、上方及び下方となっている。
保持突起161Rは、湾曲形状の内部空間に位置合わせ突起157Rが嵌り込んでおり、該位置合わせ突起157Rの前方、上方及び下方に当接する。このため合流部フレーム150は、保持突起161Rにより、該合流部フレーム150に対する位置合わせ突起157R、すなわち合流部搬送ガイド151の前方、上方及び下方への移動を規制する。これにより合流部フレーム150は、該合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151を位置決めする。以下では取付状態において合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151の移動が規制された、前方、上方及び下方の3方向をガイド移動規制方向と、合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151の移動が規制されない後方をガイド移動許可方向とも呼ぶ。このように合流搬送部125は、合流部フレーム150に対する前方、上方及び下方の3方向であるガイド移動規制方向への合流部搬送ガイド151の移動を規制することにより、合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151を脱着可能な方向をガイド移動許可方向の一方向のみに規制する。
保持突起161RFと保持突起161RBとは、着脱方向に直交する上下方向に位置がずれつつ、保持突起開放方向を共に後方に向けて配置されている。また保持突起161RFと保持突起161RBとは、突起配置方向D1に沿って配置されている。この突起配置方向D1は、合力方向に対し90度の角度で交差している。
合流部フレーム右側壁150R及び合流部搬送ガイド右側壁151Rには、合流部固定部材167が設けられている。合流部フレーム右側壁150Rにおいて固定孔部158Rと対向する箇所からは、固定爪部41(図3)と同様に構成された鈎形状の固定爪部162Rが左右方向の内側、すなわち固定孔部158Rに向かって突設している。固定爪部162Rは、全体として上下方向に所定の幅を有する薄い板状であり、根元部163、腕部164及び係合部165を有している。根元部163は、合流部フレーム右側壁150Rからほぼ直角に左側に向かって立設する。腕部164は、可撓性を有し、根元部163の左端から、該根元部163に対しほぼ直角に屈曲し後方へ延在する。係合部165は、腕部164の後端から、該腕部164に対しほぼ直角に屈曲し左方へ延在し、取付状態(図11)において固定孔部158Rに嵌り込んでいる。係合部165の左右方向の長さは、固定孔部158Rの左右方向の長さ、すなわち合流部フレーム右側壁150Rの厚さよりも僅かに長く形成されている。これにより取付状態においては、係合部165が合流部搬送ガイド右側壁151Rよりも僅かに左側に突出している。
以下では合流搬送部右側保持機構168Rの保持突起161R及び合流搬送部左側保持機構168L(図示せず)の保持突起161L(図示せず)をまとめて保持突起161とも呼び、固定爪部162R及び固定爪部162L(図示せず)をまとめて固定爪部162とも呼ぶ。保持突起161における上端の前端と下端の前端とは、上下方向に沿っており、固定爪部162の係合部165が延在する方向と平行になっている。このように合流部フレーム150は、位置合わせ突起157R及び保持突起161Rにより位置決めされた合流部搬送ガイド151を、該合流部フレーム150に対し固定することにより保持する。
このように合流搬送部125は、合流部搬送ガイド151の左右両側面に位置合わせ突起157及び固定孔部158をそれぞれ設け、合流部フレーム150において合流部搬送ガイド151の左右両側面における位置合わせ突起157及び固定孔部158と対向する箇所に保持突起161及び固定爪部162をそれぞれ設け、保持突起161を位置合わせ突起157に嵌め込むと共に固定爪部162を固定孔部158に嵌め込むようにした。これにより合流搬送部125は、保持突起161及び位置合わせ突起157により合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151を位置決めすると共に、固定爪部162及び固定孔部158により合流部フレーム150に合流部搬送ガイド151を固定し動かないようにすることができる。
ここで、合流部搬送ガイド151はベルト反力Fbを受けるため、位置合わせ突起157RBにはベルト反力方向に向かう力が加わる。これに対し合流搬送部125は、位置合わせ突起157RBに対するベルト反力方向側に保持突起161RBの一部を配置する、すなわちガイド移動規制方向がベルト反力方向を含むように保持突起161RBの保持突起開口部161aの向きを設定するようにした。これにより合流搬送部125は、ベルト反力Fbを受けた際に位置合わせ突起157RBの移動力を保持突起161RBで受けることができ、ベルト反力方向側への位置合わせ突起157RBの移動を規制することができるため、合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151がベルト反力方向へ移動してしまうことを防止できる。これにより合流搬送部125は、合流部フレーム150から合流部搬送ガイド151が外れてしまうことを防止できる。
また合流部搬送ガイド151はローラ反力Frを受けるため、位置合わせ突起157RFにはローラ反力方向に向かう力が加わる。これに対し合流搬送部125は、位置合わせ突起157RFに対するローラ反力方向側に保持突起161RFの一部を配置する、すなわちガイド移動規制方向がローラ反力方向を含むように保持突起161RFの保持突起開口部161aの向きを設定するようにした。これにより合流搬送部125は、ローラ反力Frを受けた際に位置合わせ突起157RFの移動力を保持突起161RFで受けることができ、ローラ反力方向側への位置合わせ突起157RFの移動を規制することができるため、合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151がローラ反力方向へ移動してしまうことを防止できる。これにより合流搬送部125は、合流部フレーム150から合流部搬送ガイド151が外れてしまうことを防止できる。
また合流搬送部125は、保持突起161RFに対する合力方向側に位置合わせ突起157RFの一部を配置すると共に保持突起161RBに対する合力方向側に位置合わせ突起157RBの一部を配置するようにした。これにより合流搬送部125は、合力Ftを受けた際に位置合わせ突起157RFの移動力を保持突起161RFで受けると共に位置合わせ突起157RBの移動力を保持突起161RBで受けることができ、合流部フレーム150に対し合流部搬送ガイド151が合力方向へ移動してしまうことを防止できる。これにより合流搬送部125は、合流部フレーム150から合流部搬送ガイド151が外れてしまうことを防止できる。
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、保持突起開放方向を前方に向けて保持突起61Rを配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば図13に示す合流搬送部225のように、保持突起開放方向を前方以外の種々の方向に向けて保持突起を配置しても良い。合流搬送部225は、合流搬送部25(図7)と比べて、合流部搬送ガイド251の合流部位置合わせ部材266が合流部搬送ガイド51の合流部位置合わせ部材66と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。合流部位置合わせ部材266は合流部位置合わせ部材66と比べて、保持突起261が保持突起61と異なっているものの、それ以外は同様に構成されている。保持突起261R(261RF及び261RB)は、保持突起61Rが右側面視で時計回りに45度程回転したように配され、保持突起開放方向が前上方となり、保持突起閉鎖方向が後下方、上後方及び下前方となっている。保持突起261R(261RF及び261RB)は、湾曲形状の内部空間に位置合わせ突起57R(57RF及び57RB)それぞれが嵌り込んでおり、該位置合わせ突起57Rの後下方、上後方及び下前方に当接する。このため合流部フレーム50は、位置合わせ突起57Rにより、該合流部フレーム50に対する保持突起261R、すなわち合流部搬送ガイド251の前上方、上後方及び下前方への移動を規制する。これにより合流部フレーム50は、該合流部フレーム50に対する合流部搬送ガイド251を位置決めする。第2の実施の形態においても同様である。
また上述した第1の実施の形態の直線搬送部24においては、円筒形状の位置合わせ突起33に対し、内側に半円形状の内部空間が形成された保持突起40を嵌め込む場合について述べた。本発明はこれに限らず、図14に示すように四角柱形状の位置合わせ突起333(333R及び333L)に対し、内側に四角形状の内部空間が形成された保持突起340(340R及び340L)を嵌め込むようにしても良い。また、種々の形状の位置合わせ突起に対し、該位置合わせ突起が嵌め込まれる種々の形状の保持突起でも良い。合流搬送部25及び第2の実施の形態においても同様である。
また上述した第1の実施の形態においては、前方のみが開口し、後方、上方及び下方の3方向が閉塞する保持突起61に位置合わせ突起57を嵌め込むことにより、合流部フレーム50に対する前方、上方及び下方の3方向への合流部搬送ガイド51の移動を規制する場合について述べた。本発明はこれに限らず、要は、保持突起61RBにおいては、位置合わせ突起57RBに対しベルト反力方向の逆側に少なくとも当接する保持突起を設けることにより、ベルト反力方向への保持突起61RBの移動を規制し、保持突起61RFにおいては、位置合わせ突起57RFに対しローラ反力方向の逆側に少なくとも当接する保持突起を設けることにより、ローラ反力方向への保持突起61RFの移動を規制すれば良い。第2の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、直線搬送部右側保持機構47R及び直線搬送部左側保持機構47Lの両方を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、直線搬送部右側保持機構47R又は直線搬送部左側保持機構47Lの何れか一方のみを設けるようにしても良い。第2の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、合流搬送部右側保持機構68R及び合流搬送部左側保持機構68Lの両方を設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、合流搬送部右側保持機構68R又は合流搬送部左側保持機構68Lの何れか一方のみを設けるようにしても良い。第2の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、固定爪部62を上下方向に所定の幅を有する薄い板状にする場合について述べた。本発明はこれに限らず、断面円筒形状や、断面楕円形状や、断面正方形状等、固定爪部を種々の形状にしても良い。第2の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、2組の合流部位置合わせ部材66と1組の合流部固定部材67とを合流搬送部25に設ける場合について述べた。本発明はこれに限らず、3組以上の任意の組数の合流部位置合わせ部材66と2組以上の任意の組数の合流部固定部材67とを適宜組み合わせて合流搬送部25に設けても良い。第2の実施の形態においても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態の合流部位置合わせ部材66及び合流部固定部材67の組み合わせに代えて、合流部位置合わせ部材66及び合流部固定部材167を組み合わせても良く、合流部位置合わせ部材166及び合流部固定部材67を組み合わせても良い。直線搬送部24及び124においても同様である。
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、紙幣を出金する紙幣出金機1又は101に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば種々の金券や証券、或いは各種チケットなど、紙葉状の媒体を収納しておき、これを利用者に引き渡す種々の装置に適用しても良い。また、入金取引及び出金取引を行う現金自動取引装置や、入金取引のみを行う装置に本発明を適用しても良い。また、例えば債権、証書、商品券、金券や入場券等のような薄い紙状の媒体を取り扱う種々の装置に適用しても良い。また、例えば紙幣を入出する紙幣入出金機や紙幣を所定枚数毎に施封する施封小束支払機等、紙幣や硬貨の取引に関する種々の処理を行う複数種類の装置の組み合わせにより構成された現金処理装置に本発明を適用してもよい。
さらに上述した第1の実施の形態においては、搬送ガイドとしての直線部搬送ガイド29又は合流部搬送ガイド51と、フレームとしての直線部フレーム28又は合流部フレーム50と、固定部材としての直線部固定部材46又は合流部固定部材67と、位置合わせ部材としての直線部位置合わせ部材45又は合流部位置合わせ部材66とによって、媒体搬送装置としての直線搬送部24又は合流搬送部25を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる搬送ガイドと、フレームと、固定部材と、位置合わせ部材とによって、媒体搬送装置を構成しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、入出部としての出金機出金口19と、搬送ガイドとしての直線部搬送ガイド29又は合流部搬送ガイド51と、フレームとしての直線部フレーム28又は合流部フレーム50と、固定部材としての直線部固定部材46又は合流部固定部材67と、位置合わせ部材としての直線部位置合わせ部材45又は合流部位置合わせ部材66とによって、媒体取引装置としての紙幣出金機1を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる入出部と、搬送ガイドと、フレームと、固定部材と、位置合わせ部材とによって、媒体取引装置を構成しても良い。