以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本実施形態に係る状態制御方法
2.本実施形態に係る状態制御装置、本実施形態に係る状態制御システム
3.本実施形態に係るプログラム
(本実施形態に係る状態制御方法)
まず、本実施形態に係る状態制御方法について説明する。以下では、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を、本実施形態に係る状態制御装置が行う場合を例に挙げて、本実施形態に係る状態制御方法について説明する。
[1]本実施形態に係る状態制御方法の概要
本実施形態に係る状態制御装置は、感情の状態を誘導する対象から検出された、誘導する対象の感情に対応する生体情報に基づく状態指標を取得する(取得処理)。以下では、感情の状態を誘導する対象を「誘導対象」と示し、誘導する対象の感情を「対象感情」と示す。
また、本実施形態に係る状態制御装置は、取得された状態指標と、感情誘導媒体に対応付けられているパターン情報とに基づいて、対象感情の状態が設定されている所定の状態となるように感情誘導媒体を決定し、決定された感情誘導媒体に関する処理を行うことによって、誘導対象における対象感情の状態を制御する(状態制御処理)。本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象に対応する状態指標に基づき決定された、誘導対象の対象感情の状態に対応する感情誘導媒体に関する処理を行う。本実施形態に係る状態制御装置は、感情誘導媒体に関する処理を行い、誘導対象における対象感情の状態を、所定の状態となるように誘導することによって、誘導対象における対象感情の状態を制御する。
ここで、本実施形態に係る誘導対象としては、例えば人が挙げられる。また、本実施形態に係る誘導対象は、人以外の動物であってもよい。
また、本実施形態に係る対象感情としては、例えば、「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「不快」、「快」の1または2以上の感情が挙げられる。以下では、本実施形態に係る対象感情が、「快」および「不快」であり、本実施形態に係る状態制御方法によって、誘導対象の「快」および「不快」の状態、すなわち、ストレス状態が制御される場合を例に挙げる。
例えば人の感情(例えば、「喜」、「怒」、「哀」、「楽」、「不快」、「快」)の変化によって、体内では、交感神経系、免疫系、内分泌系の相互作用が引き起こされていることが医学的に知られている。また、上述したように、心拍や、脈拍、血圧、体温、体動などの主に交感神経系が関与するマクロな2次的変化を利用して感情の状態を解析する場合には、感情の変化を正確に予測できるとは限らない。
そこで、本実施形態に係る状態制御方法では、例えば酵素の検出結果を示す情報(データ)を、対象感情に対応する本実施形態に係る生体情報として用いる。酵素の検出結果を示す情報は、例えば、酵素センサ(後述する)の検出結果に基づき得られる。
具体例を挙げると、本実施形態に係る生体情報としては、例えば、外部刺激に対する反応の時定数が1[分](所定の時間の一例)以内である、唾液アミラーゼ(口腔内の唾液に含まれるアミラーゼ。以下、単に「アミラーゼ」と示す場合がある。)の検出結果を示す情報が挙げられる。また、酵素が唾液アミラーゼである場合、酵素の検出結果を示す情報としては、例えば、アミラーゼ量を示すデータが挙げられる。
唾液アミラーゼは、交感神経系と内分泌系の2系統の作用から起因するもので、外部刺激(例えばストレス)に対して反応の時定数が1[分]以内のストレスバイオマーカーとして知られている。なお、アミラーゼ量は、ストレス状態下でなくても昼夜では変動しうるが、加齢に対してはほとんど変動しないことが知られている。よって、唾液アミラーゼは、例えば、昼夜変動のキャリブレーションを行えば、誘導対象の年齢層に依存しないストレスマーカーとして使用可能である。
なお、本実施形態に係る酵素は、アミラーゼに限られず、誘導対象に対して与えられた外部刺激に対する反応の時定数が所定の時間以内の酵素(または、当該時定数が当該所定の時間より短い酵素。以下、同様とする。)であってもよい。つまり、本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象に対して与えられた外部刺激に対する反応の時定数が所定の時間以内の酵素の検出結果を示す情報を、対象感情に対応する本実施形態に係る生体情報として用いることが可能である。また、対象感情に対応する本実施形態に係る生体情報は、上記に示すような酵素に限られず、例えば、ホルモンなどの、誘導対象に対して与えられた外部刺激に対する反応の時定数が所定の時間以内の体内物質であってもよい。
ここで、上記所定の時間としては、例えば1[分]が挙げられる。なお、上記所定の時間は1[分]に限られず、例えば、感情誘導媒体に関する処理に対応する任意の値(感情誘導媒体を用いて対象感情を誘導することが可能な任意の値)に設定することが可能である。
以下では、本実施形態に係る酵素が唾液アミラーゼであり、本実施形態に係る生体情報が、唾液アミラーゼの検出結果を示す情報である場合を例に挙げる。
また、本実施形態に係る生体情報には、誘導対象の心拍や発汗などの検出結果に基づく、1または2以上の他の生体情報が含まれていてもよい。つまり、本実施形態に係る生体情報には、例えば、少なくとも酵素の検出結果を示す情報が含まれる。
本実施形態に係る生体情報として酵素の検出結果を示す情報が用いられることによって、心拍や、脈拍、血圧、体温、体動などの主に交感神経系が関与するマクロな2次的変化を利用して感情の状態を解析する場合よりも、より正確に対象感情の状態の変化を把握することが可能となる。
また、本実施形態に係る生体情報として酵素の検出結果を示す情報が用いられる場合、誘導対象から非侵襲に本実施形態に係る生体情報が得られる。よって、本実施形態に係る生体情報として酵素の検出結果を示す情報が用いられる場合には、本実施形態に係る生体情報の取得によって誘導対象の感情が変動する可能性がより低減されるので、より正確に対象感情の状態の変化を把握することができる。
また、本実施形態に係る生体情報として、外部刺激に対する反応の時定数が所定の時間以内の酵素の検出結果を示す情報が用いられることによって、対象感情の状態の変化をより短い時間で把握することが可能となる。
本実施形態に係る状態指標としては、酵素の活性度(以下、「酵素活性度」と示す。))が挙げられる。
なお、本実施形態に係る状態指標は、酵素活性度に限られない。例えば、本実施形態に係る状態指標は、酵素活性度を、心拍や発汗などの1または2以上の他の生体情報とも合せて多変量解析などの統計処理を行った結果であってもよい。以下では、本実施形態に係る状態指標が酵素活性度である場合を例に挙げる。
本実施形態に係る感情誘導媒体とは、対象感情の状態を誘導するための媒体である。本実施形態に係る感情誘導媒体としては、例えば、音声(音楽も含む)、画像(静止画像または動画像)、テキストのうちの1または2以上などのコンテンツを示すコンテンツデータや、プログラム(コンピュータプログラム)が挙げられる。なお、以下では、上記様々なコンテンツを示すコンテンツデータとプログラムとを総称して「コンテンツデータ」と示す場合がある。
また、本実施形態に係る感情誘導媒体に関する処理としては、例えば、コンテンツデータを再生する処理や、コンテンツデータを外部装置に再生させる処理、プログラムを実行する処理、プログラムを実行させる処理などが挙げられる。本実施形態に係る感情誘導媒体に関する処理の具体例については、後述する。
本実施形態に係るパターン情報とは、状態指標の時間的な変化のパターンを示すデータであり、本実施形態に係る感情誘導媒体に対応付られる。本実施形態に係るパターン情報と本実施形態に係る感情誘導媒体とは、例えば、テーブル(またはデータベース)で対応付けられる。なお、本実施形態に係るパターン情報と本実施形態に係る感情誘導媒体とは、これらを対応付けることが可能な任意の形式のデータによって、対応付けられていてもよい。
以下では、本実施形態に係る感情誘導媒体に対応付けられているパターン情報が示す状態指標の時間的な変化のパターンを、「感情誘導媒体が有する変化のパターン」や「変化のパターンを有する感情誘導媒体」というように示す場合がある。
本実施形態に係るパターン情報は、例えば、対応付けられている感情誘導媒体に係る処理が行われたときにおける、誘導対象の対象感情の状態を時系列で表したデータに相当する。つまり、本実施形態に係るパターン情報は、対応付けられている感情誘導媒体に係る処理が行われた場合に予測される誘導対象の対象感情の状態の変化を示している。
本実施形態に係るパターン情報は、例えば、予め設定される。また、本実施形態に係るパターン情報は、例えば、対応付けられている感情誘導媒体に係る処理が行われた場合に検出された生体情報に基づく状態指標によって更新されてもよい。本実施形態に係るパターン情報が検出された生体情報に基づく状態指標によって更新される場合には、本実施形態に係るパターン情報は、過去の状態指標を時系列で示すデータとなる。
本実施形態に係る状態制御装置は、上記のように、本実施形態に係る状態制御処理において、対象感情の状態が設定されている所定の状態となるように感情誘導媒体を決定する。ここで、本実施形態に係る所定の状態としては、例えば、本実施形態に係る状態制御装置のユーザや誘導対象の操作によって設定された、誘導状態の条件に対応する状態が挙げられる。本実施形態に係る誘導状態の条件の設定例や、本実施形態に係る所定の状態の一例については、後述する。
感情誘導媒体の決定に係る処理の一例を挙げると、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、取得された状態指標の時間的な変化のパターンと反対の変化のパターンを有する感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。上記の例は、本実施形態に係る状態制御装置が、取得された状態指標の時間的な変化のパターンにより示される、誘導対象の対象感情の状態の変化とは逆の変化が誘導対象に生じるように、誘導対象における対象感情の状態を誘導することを示している。なお、本実施形態に係る状態制御処理における感情誘導媒体の決定に係る処理の例については、後述する。
本実施形態に係る状態制御装置は、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理として、例えば上記取得処理および上記状態制御処理を行う。
ここで、本実施形態に係る状態制御装置は、上記状態制御処理において、上記取得処理により取得された生体情報に基づく状態指標に基づいて、対象感情の状態が設定されている所定の状態となるように、感情誘導媒体を決定する。本実施形態に係る生体情報は、唾液アミラーゼなどの酵素の検出結果を示す情報を含むので、上記取得処理により取得される状態指標は、より正確な対象感情の状態の変化を示す。また、本実施形態に係る状態制御装置は、上記状態制御処理において、決定された感情誘導媒体に関する処理を行うことによって、誘導対象における対象感情の状態を制御する。
したがって、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理が行われることによって、誘導対象の感情の状態を、設定されている所定の状態となるように誘導することができる。
なお、上記取得処理および上記状態制御処理は、便宜上、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を切り分けたものである。よって、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理は、例えば、上記取得処理および上記状態制御処理を1つの処理と捉えることもできる。また、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理は、例えば、上記取得処理および上記状態制御処理を、(任意の切り分け方によって)2以上の処理と捉えることも可能である。
以下では、本実施形態に係る状態制御装置が、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理として、上記取得処理および上記状態制御処理を行う場合を主に例に挙げる。
以下、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の一例について、より具体的に説明する。以下では、本実施形態に係る対象感情が「快」、「不快」の感情であり、本実施形態に係る生体情報が“酵素の検出結果を示す情報”であり、本実施形態に係る状態指標が“酵素活性度”である場合を例に挙げる。また、以下では、本実施形態に係る感情誘導媒体が“音楽を示すコンテンツデータ”であり、本実施形態に係る感情誘導媒体に関する処理が“コンテンツデータの再生処理”である場合を主に例に挙げる。
なお、上述したように、本実施形態に係る感情誘導媒体は、画像を示すデータやテキストを示すデータ、プログラムであってもよい。また、例えば、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理では、「快」、「不快」の感情以外の各感情(例えば、「喜」、「怒」、「哀」、「楽」)を反映するバイオマーカーを本実施形態に係る生体情報として用いることによって、当該各感情を同様に誘導することが可能である。
[2]本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の一例
(1)取得処理
本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象から検出された生体情報に基づく状態指標を取得する。
(1−1)取得処理の第1の例
本実施形態に係る状態制御装置は、検出デバイスの検出結果に応じた生体情報に基づいて状態指標を算出して、状態指標を取得する。
ここで、本実施形態に係る検出デバイスとしては、例えば、本実施形態に係る状態制御装置が備える検出部(後述する)を構成する検出デバイスや、本実施形態に係る状態制御装置と有線または無線で接続された外部の検出デバイスが挙げられる。
また、本実施形態に係る検出デバイスとしては、例えば、酵素センサが挙げられる。また、本実施形態に係る検出デバイスには、さらに、誘導対象の心拍や発汗などの1または2以上の他の生体情報を得るための、1または2以上のセンサが含まれていてもよい。
図1は、本実施形態に係る酵素センサ(検出デバイスの一例)の一例を示す説明図である。酵素センサは、例えば、クロモゲン(Gal−G2−CNP)、カラーフィルタ、およびSiフォトダイオードの積層構造を有する。ここで、カラーフィルタは、黄色の光を透過させ、他の色の光を透過させないフィルタである。
また、本実施形態に係る酵素センサは、例えば、Siフォトダイオードにより生成されたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD(Analog-to-Digital)コンバータなどを、Siフォトダイオードの後段に備えていてもよい。なお、上記ADコンバータなどは、本実施形態に係る酵素センサの外部のデバイスであってもよい。
アミラーゼが酵素センサのクロモゲンに接した場合には、下記の化学式1に示すような加水分解反応が進行する。
Gal−G2−CNP → Gal−G2+CNP
・・・(化学式1)
上記化学式1に示す反応の際、アミラーゼがクロモゲンのCNP側鎖を切断し、もともと白色だったクロモゲンが黄色に変化する。酵素センサは、上記化学式1に示す反応により生じる黄色の光の強度を、背景光の下で不純物のドーピングされたSiフォトダイオードで光電変換する。光電変換により生成された光電子による信号がADコンバータなどで変換されたデータが、酵素の検出結果を示す情報、すなわち、酵素センサの検出結果に応じた生体情報に該当する。
ここで、CNP側鎖の数に応じて光強度が変化するので、光電変換により生成された光電子による信号によって、アミラーゼ量が判断可能である。
生体情報がアミラーゼ量を示す情報(酵素の検出結果を示す情報)である場合を例に挙げて、状態指標の算出に係る処理について説明する。
本実施形態に係る状態制御装置は、アミラーゼ量を示す情報が示す値Aを用いて、下記の数式1により酵素活性度(状態指標の一例。以下、同様とする。)Sを算出する。ここで、数式1に示す“Aavg”は、蓄積されたアミラーゼ量を示す情報を用いて外部刺激(ストレス)のない状態での昼夜を考慮して算出された平均アミラーゼ量である。
S=(A−Aavg)/Aavg
・・・(数式1)
本実施形態に係る状態制御装置は、検出デバイスから得られた生体情報に基づいて、例えば上記数式1に示す演算を行うことによって、状態指標を算出する。なお、状態指標の算出方法は上記数式1に示す演算を行うことに限られず、状態指標は、生体情報と状態指標との種類に対応する方法によって、算出される。
(1−2)取得処理の第2の例
本実施形態に係る状態制御装置は、外部装置との通信によって、状態指標を外部装置から取得する。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、自装置(本実施形態に係る状態制御装置。以下、同様とする。)が備える通信部(後述する)、または、本実施形態に係る状態制御装置と接続されている外部の通信デバイスを介して、外部装置と通信を行う。外部装置では、上記(1−1)に示す状態指標の算出に係る処理が行われることにより状態指標が算出され、本実施形態に係る状態制御装置は、当該外部装置との通信によって、外部装置において算出された状態指標を取得する。なお、状態指標を算出した外部装置との通信には、例えば、中継装置などの他の装置が介在していてもよい。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、上記(1−1)に示す第1の例に係る取得処理や、上記(1−2)に示す第2の例に係る取得処理を行うことによって、状態指標を取得する。
(2)状態制御処理
本実施形態に係る状態制御装置は、上記(1)の処理(取得処理)において取得された状態指標と、パターン情報とに基づいて、感情誘導媒体を決定する。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、決定された感情誘導媒体に関する処理を行うことによって、誘導対象における対象感情の状態を制御する。
ここで、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、本実施形態に係る状態制御装置のユーザや誘導対象の操作によって設定された各種条件に基づいて、状態制御処理を行う。
図2は、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の一例を説明するための説明図であり、条件の設定画面の一例を示している。図2では、誘導状態の条件(図2に示すA)と、ジャンルの条件(図2に示すB)と、検索範囲の条件(図2に示すC)とを設定するための設定画面の一例を示している。
ここで、誘導状態の条件(図2に示すA)は、誘導対象をどのストレスレベルへ誘導するかに関する条件である。誘導状態の条件としては、例えば、「心地よいストレス」(例えばレベル1、レベル2など複数のレベルが存在する。例えば、レベルが上がるほど、よりストレス感が大きいことを示す。)と、「ストレスフリー」とが挙げられる。また、誘導状態の条件には、酵素活性度Sをどこまでのレベルに制御するかに関する制御値Saや、状態制御処理の開始の判定に用いられる閾値SLが設定される。制御値Saや閾値SLの値は、予め設定されている固定値であってもよいし、本実施形態に係る状態制御装置のユーザなどの操作によって変更可能な可変値であってもよい。
また、ジャンルの条件(図2に示すB)と、検索範囲の条件(図2に示すC)とは、感情誘導媒体の検索条件である。ここで、本実施形態に係る感情誘導媒体の検索条件には、図2のBに示す“どれでも”のようにジャンルを限定しない条件や、図2のCに示す“不特定”のように検索範囲を限定しない条件が含まれていてもよい。つまり、本実施形態に係る感情誘導媒体の検索条件には、感情誘導媒体の検索範囲などを限定しない条件が含まれうる。
ここで、図2に示す設定画面に対する操作は、本実施形態に係る状態制御装置が備える操作部(後述する)に対する操作であってもよいし、リモート・コントローラや、スマートフォンやタブレット型の装置、PC(Personal Computer)などの誘導対象が所持する任意の機器に対する操作であってもよい。
なお、本実施形態に係る条件の設定画面は、図2に示す例に限られない。
例えば、本実施形態に係る条件の設定画面には、ジャンルの条件(図2に示すB)を設定するための領域と検索範囲の条件(図2に示すC)を設定するための領域との一方または双方が、含まれていなくてもよい。
(2−1)状態制御処理の第1の例:処理の開始に係る処理
本実施形態に係る状態制御装置は、上記(1)の処理(取得処理)において取得された状態指標が、設定されている所定の閾値より大きい場合(または、取得された状態指標が当該閾値以上となった場合。以下、同様とする。)に、誘導対象における対象感情の状態の制御を開始する。
ここで、本実施形態に係る所定の閾値としては、例えば、設定された誘導状態の条件に設定されている閾値SLが挙げられる。
図3は、本実施形態に係る状態制御処理の一例を説明するための説明図である。図3に示す“Sobs”は、直近に取得された酵素活性度Sを示している(以下、同様とする。)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図3に示すように、酵素活性度Sが閾値SLより大きくなった場合に、誘導対象における対象感情の状態の制御を開始する。
(2−2)状態制御処理の第2の例:感情誘導媒体の決定に係る処理1
本実施形態に係る状態制御装置は、設定されている感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。
ここで、例えば図2のBに示すように、感情誘導媒体の検索条件には感情誘導媒体の検索範囲を示す条件が含まれうる。感情誘導媒体の検索範囲を示す条件が含まれる場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、設定されている検索条件が示す検索範囲に含まれる感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、設定されている検索条件が示す検索範囲内を全て検索することによって、設定されている感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体を特定する。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、特定された感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。
なお、設定されている感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体の決定に係る処理は、上記に限られない。
例えば、本実施形態に係る状態制御装置は、設定されている検索条件が示す検索範囲を複数の範囲に分け、段階的に、設定されている感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体を決定する処理を行ってもよい。
具体例を挙げると、本実施形態に係る状態制御装置は、まず、“設定されている検索条件が示す検索範囲のうちの第1の範囲に含まれる感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する、第1の決定処理”を行う。第1の決定処理において設定されている感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体が特定された場合には、特定された感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。
ここで、設定されている検索条件が示す検索範囲が図2に示す“登録フレンド内”、“不特定”、“おすすめ”である場合、本実施形態に係る第1の範囲としては、例えば、自装置(図2に示す“自分のみ”に対応)が挙げられる。なお、本実施形態に係る第1の範囲は、自装置に限られない。例えば、設定されている検索条件が示す検索範囲が図2に示す“不特定”である場合、本実施形態に係る第1の範囲は、“登録フレンド内”や“おすすめ”など複数の装置が検索範囲となるより小さな範囲であってもよい。
また、第1の決定処理により対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体が決定されない場合には、“検索条件が示す検索範囲のうちの第1の範囲以外の第2の範囲に含まれる感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する、第2の決定処理”を行う。第2の決定処理において設定されている感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体が特定された場合には、特定された感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。
ここで、本実施形態に係る第1の範囲が自装置である場合、本実施形態に係る第2の範囲としては、設定されている検索条件が示す検索範囲のうちの、自装置以外の範囲が挙げられる。また、本実施形態に係る第1の範囲が“登録フレンド内”や“おすすめ”である場合、本実施形態に係る第2の範囲としては、“登録フレンド内”や“おすすめ”に対応する装置以外の任意の装置が挙げられる。
また、第2の決定処理により対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体が決定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、検索条件が示す検索範囲を変更する。例えば、設定されている検索条件が示す検索範囲が“登録フレンド内”や“おすすめ”であり、本実施形態に係る第2の範囲が、設定されている検索条件が示す検索範囲のうちの、自装置以外の範囲である場合、本実施形態に係る状態制御装置は、検索条件を“不特定”に変更することにより、検索範囲を変更する。
そして、本実施形態に係る状態制御装置は、変更された検索範囲に含まれる感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する(第3の決定処理)。
なお、感情誘導媒体の検索条件に含まれる条件は、感情誘導媒体の検索範囲を示す条件に限られない。例えば、感情誘導媒体の検索条件には、図2のCに示すように、ジャンルの条件が含まれていてもよい。
感情誘導媒体の検索条件が、図2のBおよび図2のCに示す条件である場合、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図2のBおよび図2のCにおいて設定された条件に応じて、設定された検索範囲の条件に合致する検索範囲内に存在する感情誘導媒体であって、設定されたジャンルの条件に合致する感情誘導媒体を、感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体とする。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。
なお、上述したように、本実施形態に係る感情誘導媒体の検索条件には、感情誘導媒体の検索範囲などを限定しない条件が含まれうる。よって、設定されている感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体は、例えば、本実施形態に係る状態制御装置が検索可能な検索範囲内に存在する全ての感情誘導媒体となる場合もありうる。
図4は、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の一例を説明するための説明図であり、コンテンツデータ(感情誘導媒体の一例。以下、同様とする。)の検索に用いられるコンテンツリストの例を示している。図4のAは、コンテンツリストの一例を示しており、図4のBは、コンテンツリストの他の例を示している。図4では、コンテンツデータが示すコンテンツが“曲”である場合を示している。
図4のAに示すように、コンテンツリストでは、各コンテンツデータに対してコンテンツIDが割り当てられる。また、コンテンツリストでは、コンテンツIDそれぞれに対して、例えば、“ジャンル”、“曲名”、“作者”、“酵素活性度Sの時系列パターンデータ”、“再生時の酵素活性度Sの値”、“再生時相関係数R”(コンテンツデータが有する酵素活性度Sの値のパターンと、曲を流した時に変化する誘導対象の酵素活性度Sの値との相関係数。値が高いほど、曲の持つパターン通りに誘導対象の感情が変化することが期待される。)、“再生累積回数”(相関係数と同様に、効果の指標となる。)とが対応付られる。ここで、図4に示す“酵素活性度Sの時系列パターンデータ”が、本実施形態に係るパターン情報の一例に該当する。
“酵素活性度Sの時系列パターンデータ”、“再生時の酵素活性度Sの値”、“再生時相関係数R”、および“再生累積回数”は、例えば、コンテンツデータが再生されるごとに更新される。
また、図4のBに示すように、コンテンツリストには、さらに“曲のテンポ”や“再生日時”、“再生場所”などの追加の項目がさらに含まれていてもよい。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図4に示すようなコンテンツリストを参照することによって、コンテンツデータの検索条件を満たすコンテンツデータを特定する。
なお、コンテンツデータの検索に用いられるコンテンツリストの例は、図4に示す例に限られない。例えば、本実施形態に係るコンテンツリストは、“コンテンツID”と、“酵素活性度Sの時系列パターンデータ”、“再生時の酵素活性度Sの値”、および“再生時相関係数R”とが対応付けられているものであってもよい。
(2−3)状態制御処理の第3の例:感情誘導媒体の決定に係る処理2
本実施形態に係る状態制御装置は、上記(1)の処理(取得処理)において取得された状態指標の時間的な変化のパターンと反対の変化のパターンを有する感情誘導媒体の中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。
図5、図6は、本実施形態に係る状態制御処理の一例を説明するための説明図である。
図5のAに示すように、コンテンツIDが“001”、“002”、…であるコンテンツデータが存在するときにおいて、上記(1)の処理(取得処理)において取得された酵素活性度Sが図3に示すような、右肩上がりの時間的な変化のパターンを有する場合を例に挙げる。ここで、例えば上記(2−2)に示す第2の例に係る状態制御処理が行われる場合には、図5のAに示すコンテンツデータは、設定されている感情誘導媒体の検索条件を満たす感情誘導媒体に該当する。
上記の場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図5のAに示すコンテンツデータの中から、取得された酵素活性度Sの時間的な変化のパターンと反対の変化のパターンを有するコンテンツデータを、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータの候補とする。以下では、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータの候補を「候補コンテンツデータ」と示す場合がある。
図5に示す例では、図5のBに示すように、コンテンツIDが“001”、“003”、“005”、…であるコンテンツデータが、候補コンテンツデータとされる。
候補コンテンツデータが特定されると、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図6のAに示すように、再生時間t1(例えば、30[秒])までの酵素活性度Sの時間変分dS/dt、再生時の酵素活性度Sの値、および相関係数Rの3軸空間において、再生時の酵素活性度Sの値が所定の範囲内(Sobs±ΔS)にあるコンテンツデータを抽出する。図6のAでは、コンテンツIDが“001”および“003”であるコンテンツデータが抽出される例を示している。
次に、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図6のBに示すように、相関係数Rが閾値RL以上で(または、相関係数Rが閾値RLより大きく)、時間変分dS/dtの値がより大きなコンテンツデータを、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータとして決定する。図6のBでは、コンテンツIDが“003”であるコンテンツデータが、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータとして決定される例を示している。
ここで、再生時の酵素活性度Sの値を指標として用いるのは、例えば、コンテンツデータの決定時におけるストレス状態に適したコンテンツデータを決定するためである。また、相関係数Rを指標として用いるのは、例えば、安定した状態変化を見込めると予測できるからである。
また、“ΔS”、“閾値RL”、および“時間変分dS/dt”は、例えば、図2のAにおいて設定される誘導条件に依存して決定される。例えば、誘導条件が“ストレスフリー”条件に設定されている場合には、いち早くの感情誘導を実現するために、ΔS=0.1・S、RL=0.8、dS/dt=max値とする。また、例えば、誘導条件が“心地よいストレス”条件に設定されている場合には、ΔS=0.5・S、RL=0.5とし、dS/dtを任意の値としてもよい。
例えば図5、図6を参照して示したような処理が行われることによって、図5のCに示すように、コンテンツIDが“003”であるコンテンツデータが、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータとして決定される。
なお、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータの決定に係る処理は、図5、図6を参照して示した処理に限られない。例えば、本実施形態に係る状態制御装置は、下記のような処理を行うことも可能である。
・まず、候補コンテンツデータの中から、相関係数Rが閾値RL以上のコンテンツデータ(または、相関係数Rが閾値RLより大きいコンテンツデータ)を抽出する。
・次に、再生時の酵素活性度Sの値が所定の範囲内(Sobs±ΔS)にあるコンテンツデータであって、時間変分dS/dtの値がより大きなコンテンツデータを、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータとして決定する。
(2−4)状態制御処理の第4の例:感情誘導媒体の切り替えに係る処理
本実施形態に係る状態制御装置は、決定された感情誘導媒体に関する処理による制御が開始された場合には、誘導対象における対象感情の状態の制御に用いる感情誘導媒体を切り替えて、誘導対象における対象感情の状態を制御することも可能である。
より具体的には、本実施形態に係る状態制御装置は、決定された感情誘導媒体に関する処理による制御が開始されてから経過した時間と、決定された感情誘導媒体に対応付けられているパターン情報とに基づいて、対象感情の状態が所定の状態となるように、感情誘導媒体を再決定する。
ここで、再決定される感情誘導媒体は、例えば、決定された感情誘導媒体に対応付けられているパターン情報における状態指標の時間的な変化のパターンと反対の変化のパターンを有する感情誘導媒体である。
一例を挙げると、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば上記(2−3)に示す第3の例に係る状態制御処理と同様に、取得された酵素活性度Sの時間的な変化のパターンと反対の変化のパターンを有するコンテンツデータを、候補コンテンツデータとする。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば上記(2−3)に示す第3の例に係る状態制御処理と同様に、候補コンテンツデータの中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを再決定する。
また、本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象における対象感情の状態の制御に用いる感情誘導媒体を、用いられている感情誘導媒体(すなわち、前回決定された感情誘導媒体)から再決定された感情誘導媒体に切り替えて、誘導対象における対象感情の状態を制御する。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、実行する感情誘導媒体に関する処理を、用いられている感情誘導媒体に関する処理から再決定された感情誘導媒体に関する処理に切り替えることによって、誘導対象における対象感情の状態を制御する。
図7、図8は、本実施形態に係る状態制御処理の一例を説明するための説明図である。図7は、誘導条件が“ストレスフリー”条件に設定されている場合における、状態制御処理による誘導対象における対象感情の状態の制御の一例を示している。また、図8は、誘導条件が“心地よいストレス”条件に設定されている場合における、状態制御処理による誘導対象における対象感情の状態の制御の一例を示している。
図7に示すA、および図8に示すAは、誘導対象における酵素活性度Sの時間的な変化を示している。また、図7に示すB、C、および図8に示すB、Cは、コンテンツデータに対応付けられているパターン情報が示す酵素活性度Sの時間的な変化のパターンの一例を示している。
決定された感情誘導媒体に関する処理による制御が開始されると(図7、図8に示す“パターンマッチング開始”に対応)、決定されたコンテンツデータが再生される(図7のB、図8のB)。決定されたコンテンツデータの再生によって、取得された酵素活性度Sが制御値Saに到達しない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば下記の(a)、(b)に示す処理を行う。
(a)
誘導条件が“ストレスフリー”条件に設定されている場合、図7のBに示すように、本実施形態に係る状態制御装置は、再生されているコンテンツデータに対応付けられているパターン情報が示す酵素活性度Sが増加し始める時間t2に、再度コンテンツデータを決定する。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、再度決定されたコンテンツデータを切り替えて再生させることによって、積極的に誘導対象における酵素活性度Sを減少させる。図7では、図7のCに示すように、コンテンツIDが“001”であるコンテンツデータが再生される例を示している。
図7に示す例では、図7のCに示すように、再決定されたコンテンツデータが再生されることによって、取得された酵素活性度Sが制御値Saに到達している。よって、図7に示す例では、さらなるコンテンツデータの切り替えは行わない。
なお、仮に、再決定されたコンテンツデータが再生されても取得された酵素活性度Sが制御値Saに到達しない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、再度、コンテンツデータを再決定し、再決定されたコンテンツデータをさらに切り替えて再生させる。
(b)
誘導条件が“心地よいストレス”条件に設定されている場合、図8のBに示すように、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、曲再生時からパターン極値S0のα倍になる時点に、再度コンテンツデータを決定する。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、再度決定されたコンテンツデータを切り替えて再生させる。ここで、“α”の値は、例えば、“心地よいストレス”条件のレベルに応じた値(例えば、レベル1であれば0.3、レベル2であれば0.5など)である。図8では、図8のCに示すように、コンテンツIDが“005”であるコンテンツデータが再生される例を示している。
図8に示す例では、図8のCに示すように、再決定されたコンテンツデータが再生されることによって、取得された酵素活性度Sが制御値Saに到達している。よって、図8に示す例では、さらなるコンテンツデータの切り替えは行わない。
なお、仮に、再決定されたコンテンツデータが再生されても取得された酵素活性度Sが制御値Saに到達しない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、再度、コンテンツデータを再決定し、再決定されたコンテンツデータをさらに切り替えて再生させる。
例えば上記(a)、(b)に示す処理を行い、再生されるコンテンツデータを選択的に切り替えることによって、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、誘導対象における対象感情の状態を、設定した所望の状態へと誘導対象に意識させることなく誘導することができる。なお、感情誘導媒体の切り替えに係る処理の例が、上記(a)、(b)に示す処理に限られないことは、言うまでもない。
(2−5)状態制御処理の第5の例:パターン情報の更新に係る処理
本実施形態に係る状態制御装置は、取得された状態指標に基づいて、決定された感情誘導媒体に対応付けられているパターン情報を更新する。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、コンテンツデータの再生が終了した後に、コンテンツデータの再生により生じた誘導対象における酵素活性度Sの時間的な変化のパターンによって、コンテンツデータに対応付けられているパターン情報を更新する。
上記のようにパターン情報が更新されることによって、感情誘導媒体に対応付けられているパターン情報は、最新の状態にアップデートされる。
(2−6)状態制御処理の第6の例:状態の通知に係る処理
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、誘導対象における対象感情の状態を通知させてもよい。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、“スピーカなどの音声出力デバイスから対象感情の状態に対応する音声を出力させることなどによる聴覚的な通知”、“対象感情の状態に対応する画像を表示デバイスに表示させることや、対象感情の状態に対応する色の光をLED(Light-Emitting Diode)などの発光デバイスに発光させることなどによる視覚的な通知”、“対象感情の状態に対応する匂いをデバイスに出力させることによる嗅覚的な通知”、あるいは、“これらを組み合わせた通知”などによって、誘導対象における対象感情の状態を通知させる。
本実施形態に係る状態制御装置が、誘導対象における対象感情の状態を通知させることによって、例えば、言葉によって「快」、「不快」などの感情を伝えることが困難な障害を持った人や患者、ペットなどの感情の状態を、周囲に伝えることが可能となる。
(2−7)状態制御処理の第7の例
本実施形態に係る状態制御装置は、上記(2−1)に示す第1の例に係る状態制御処理〜上記(2−6)に示す第6の例に係る状態制御処理のうちの、2以上の処理を組み合わせた処理を、行うことも可能である。
本実施形態に係る状態制御装置は、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理として、例えば、上記(1)の処理(取得処理)および上記(2)の処理(状態制御処理)を行う。
なお、上述したように、上記(1)の処理(取得処理)および上記(2)の処理(状態制御処理)は、便宜上、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を切り分けたものであり、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理は、上記(1)の処理(取得処理)および上記(2)の処理(状態制御処理)に限られない。
[3]本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の具体例
図9は、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の一例を示す流れ図である。ここで、図9では、ステップS104の処理が上記(1)の処理(取得処理)の一例に該当し、ステップS106〜S120が、上記(2)の処理(状態制御処理)の一例に該当する。
本実施形態に係る状態制御装置は、条件を設定する(S100)。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図2に示すような設定画面に対する操作に基づいて、誘導状態の条件(例えば図2のAに示す“誘導状態の条件”)や、感情誘導媒体の検索条件(例えば、図2のBに示す“ジャンルの条件”や、図2のCに示す“検索範囲の条件”)を設定する。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素センサを用いて遂次酵素の検出を行う(S102)。
本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS102における検出により得られた酵素の検出結果を示す情報に基づいて、酵素活性度Sを取得する(S104)。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、上記(1−1)に示す第1の例に係る取得処理を行い、酵素活性度Sを算出することによって、酵素活性度Sを取得する。ここで、図9では示されていないが、ステップS104の処理は、例えば、ステップS102において検出が行われるごとに行われる。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sが閾値SL以上であるか否かを判定する(S106)。
ステップS106において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、後述するステップS120の処理を行う。
また、ステップS106において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、コンテンツリストを検索して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを決定する(S108)。
図10は、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の一例を示す流れ図であり、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータの決定に係る処理の一例を示している。
本実施形態に係る状態制御装置は、図9のステップS102において逐次検出される酵素によりステップS104において取得される酵素活性度Sを用いて、例えば図3に示すような酵素活性度Sの時系列パターンを特定する(S200)。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sの時系列パターンとは逆のパターンを有するコンテンツデータを、図4に示すようなコンテンツリストから候補コンテンツデータとして抽出する(S202)。
本実施形態に係る状態制御装置は、設定されている誘導条件との、候補コンテンツデータのリストの照合を行う(S204)。本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS204において、上記(2−3)に示す第3の例に係る状態制御処理を行い、候補コンテンツデータの中から、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを見つける。ここで、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、自装置を検索範囲として誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを見つける。
本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる最適なコンテンツデータが見つかったか否かを判定する(S206)。
ステップS206において最適なコンテンツデータが見つかった場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、見つかったコンテンツデータを、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータとして決定する(S208)。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、図10に示す処理を終了する。
また、ステップS206において最適なコンテンツデータが見つからない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、ネットワークへと接続し(S210)、設定されている検索範囲の条件(例えば、図2のCに示す“登録フレンド内”など)に基づいて、他の検索範囲を選択する(S212)。なお、本実施形態に係る状態制御装置は、上記(2−2)に示す第2の例に係る状態制御処理に示すように、設定されている検索範囲の条件を変更することも可能である。
ステップS212のように他の検索範囲が選択されることによって、例えば、設定されたジャンルの条件に合致する、他者ユーザの効果検証済のコンテンツデータを、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータとして利用することが可能となる。よって、ステップS212のように他の検索範囲が選択されることによって、より効果的な対象感情の状態の誘導の実現が期待され、また、単なる機械制御とは異なり、誘導対象である人などに思わぬ発見や楽しみを感じさせることもできる。
本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS212において選択された検索範囲において、ステップS202と同様に、酵素活性度Sの時系列パターンとは逆のパターンを有するコンテンツデータを、コンテンツリストから候補コンテンツデータとして抽出する(S214)。
本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS204と同様に、設定されている誘導条件との、候補コンテンツデータのリストの照合を行い、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを見つける(S216)。
本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる最適なコンテンツデータが見つかったか否かを判定する(S218)。
ステップS218において最適なコンテンツデータが見つからない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS212からの処理を繰り返す。
また、ステップS218において最適なコンテンツデータが見つかった場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、見つかったコンテンツデータを、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータとして決定する(S220)。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、図10に示す処理を終了する。
本実施形態に係る状態制御装置は、図9のステップS108において、例えば図10に示す処理を行うことによって、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを決定する。なお、図9のステップS108の処理が、図10に示す例に限られないことは、言うまでもない。
再度図9を参照して、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の一例を説明する。本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS108において決定されたコンテンツデータを再生する(S110)。また、本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sをセンシングする(S112)。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、再生しているコンテンツデータに対応付けられているパターン情報を、センシングされている酵素活性度Sに基づき更新する(S114)。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sが所望の状態であるか否かを判定する(S116)。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、酵素活性度Sが制御値Sa以下である場合(または、酵素活性度Sが制御値Saより小さい場合)に、所望の状態であると判定する。
ステップS116において酵素活性度Sが所望の状態であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、切り替えタイミングであるか否かを判定する(S118)。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば上記(2−4)に示す第4の例に係る状態制御処理を行うことによって、切り替えタイミングであるか否かを判定する。
ステップS118において切り替えタイミングであると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS116からの処理を繰り返す。
ステップS118において切り替えタイミングであると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS108からの処理を繰り返す。
ステップS116において酵素活性度Sが所望の状態であると判定された場合、または、ステップS106において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、処理を終了するか否かを判定する(S120)。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、処理を終了させるボタンの押下などの処理を終了させる操作に応じた信号が検出された場合に、処理を終了すると判定する。
ステップS120において処理を終了すると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS102からの処理を繰り返す。また、ステップS120において処理を終了すると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図9に示す処理を終了する。
本実施形態に係る状態制御装置は、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理として、例えば図9に示す処理を行う。
なお、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の例は、図9に示す例に限られない。
例えば、本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS112においてセンシングされた酵素活性度Sを、LEDなどの発光デバイスやスマートフォンなどの外部の機器へ出力させることなどによって、第三者が誘導対象の「快」、「不快」の状態の変化をリアルタイムに把握させることも可能である。
また、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図9に示すステップS114の処理を行わなくてもよい。
[4]本実施形態に係る状態制御方法の適用例
次に、本実施形態に係る状態制御方法の適用例について説明する。
[4−1]第1の適用例:口腔内デバイスを用いた音楽によるストレス低減
第1の適用例として、口腔内デバイスを用いた音楽によるストレス低減に係る適用例を説明する。第1の適用例は、例えば、口腔内デバイスのような誘導対象に装着されて用いられうる装置(以下、「誘導対象側の装置」と示す場合がある。)と、本実施形態に係る状態制御装置とを有する状態制御システムにより実現される。なお、第1の適用例は、口腔内デバイスが本実施形態に係る状態制御装置の役目を果たす場合であっても実現可能である。以下では、第1の適用例が状態制御システムにより実現される場合を例に挙げる。
図11は、本実施形態に係る口腔内デバイスの一例を示す説明図である。図11に示すAは、マウスピース型の口腔内デバイスの一例を示している。また、図11に示すBは、入れ歯型(例えば、全面タイプや部分タイプが存在しうる。)の口腔内デバイスの一例を示しており、図11に示すCは、差し歯型の口腔内デバイスの一例を示している。
本実施形態に係る口腔内デバイスには、例えば図11に示すように、酵素センサや、圧力センサ、運動センサ(例えば、加速度センサ)、位置センサ(例えば、GPS(Global
Positioning System)モジュールおよび地図データを記憶する記録媒体など)、蓄電モジュール、通信デバイス(例えば、RF(Radio Frequency)モジュール)、骨伝導モジュール、発電モジュールなどの各種モジュールが、基板上に備えられる。本実施形態に係る口腔内デバイスが備える各モジュールは、例えば、基板から着脱可能であってもよい。各モジュールが基板から着脱可能である場合には、誘導対象の状態や誘導対象の要望に応じた機能を有する口腔内デバイスを実現することが可能である。
また、本実施形態に係る口腔内デバイスには、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などの演算回路で構成される、1または2以上のプロセッサが備えられる。本実施形態に係る口腔内デバイスでは、例えば上記プロセッサによって、本実施形態に係る状態制御方法に係る各種処理が主導的に行われる。
ここで、本実施形態に係る口腔内デバイスが用いられる場合、例えば、圧力センサの検出値により特定の噛み方が判断され、ハンズフリーでデバイスが起動・操作される。
また、基板に骨伝導モジュールが備えられる場合、本実施形態に係る口腔内デバイスは、骨伝導機能(例えば、コンテンツデータが示す音声を振動数に変換し、その振動数で顎の骨から直接内耳に振動を伝えることで、音を伝達する機能)を有する。骨伝導機能が実装される場合には、誘導対象以外の第三者には音が聞こえず、誘導対象はコンテンツデータが示す音声を聴くことが可能である。
本実施形態に係る口腔内デバイスでは、例えば、体温を用いた発電(例えば、熱電対構造を用いた発電)による電力や、蓄電モジュールにおいて蓄電されている電力によって動作する。蓄電モジュールが基板から取り外し可能である場合、蓄電モジュールを取り外した状態で充電を行うことが可能である。
口腔内の唾液は、耳下腺、顎下腺、舌下腺から分泌されるので、本実施形態に係る口腔内デバイスでは、例えば、これらの出口に近い位置に酵素センサが配置される。
図12は、本実施形態に係る状態制御方法の第1の適用例に係る処理の一例を説明するための流れ図である。図12では、誘導対象側の装置が「口腔内デバイス」であり、本実施形態に係る状態制御装置が「サーバ」である例を示している。
誘導対象側の装置は、図9のS100と同様に、条件を設定する(S300)。図13は、本実施形態に係る設定される条件の一例を示す説明図であり、図2と同様の条件の設定画面の一例を示している。
誘導対象側の装置は、酵素センサや位置センサ、加速度センサなどを用いて、遂次酵素、位置、加速度の検出を行う(S302)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図9のS104と同様に酵素の検出結果を示す情報に基づいて酵素活性度Sを取得し、また、位置の検出結果を示す情報および加速度の検出結果を示す情報に基づいて、誘導対象の現在の運動状態を予測する(S304)。
ここで、ステップS304において誘導対象の現在の運動状態が予測されることによって、後述するステップS308の処理において、例えば、動作ペースに近いBPM(Beat
Per Minute)をもつコンテンツデータを、候補コンテンツデータとすることが可能となる。誘導対象が歩いている状態と予測された場合には、例えば120〜130[bpm]をもつコンテンツデータが、候補コンテンツデータとされる。また、誘導対象が走っている状態と予測された場合には、例えば160〜175[bpm]をもつコンテンツデータが、候補コンテンツデータとされる。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sが閾値SL以上であるか否かを判定する(S306)。
ステップS306において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象側の装置に、後述するステップS320の処理を行わせる。
また、ステップS306において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図9のS108と同様に、音楽リスト(コンテンツリストの一例)を検索して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを決定する(S308)。ここで、ステップS308では、例えば、位置の検出結果を示す情報を用いて誘導対象の周囲環境に近い再生場所を検索範囲とするなど、検索範囲が絞り込まれてもよい。また、ステップS308では、設定されている誘導条件に応じた値(例えば、酵素活性度の閾値SL=1(通常平均の2倍の酵素活性度に対応)、ΔS=0.5・S、相関係数の閾値RL=0.5、制御値Sa=0.3(通常平均の1.3倍の酵素活性度に対応)、dS/dtは乱数によるランダム決定)を用いて、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを決定する。
そして、本実施形態に係る状態制御装置は、決定されたコンテンツデータを誘導対象側の装置に再生させる(感情誘導媒体に関する処理の一例)。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、再生処理を行わせる命令と、決定されたコンテンツデータ(または、決定されたコンテンツデータが記憶されている場所を示す情報)とを、誘導対象側の装置に送信することによって、決定されたコンテンツデータを誘導対象側の装置に再生させる。
誘導対象側の装置は、例えば、骨伝導機能を利用して決定されたコンテンツデータが示す音楽を再生する(S310)。また、誘導対象側の装置は、酵素活性度Sをセンシングする(S312)。
ステップS310において決定されたコンテンツデータが示す音楽を再生されることによって、誘導対象における対象感情の状態は、設定されている所定の状態に誘導される。なお、図12では、コンテンツデータが音楽を示す例を示しているが、コンテンツデータは、音(川のせせらぎ、波しぶき、風の音、虫の音など)や音声(ねぎらいの言葉や、励ましの言葉など)であってもよい。
本実施形態に係る状態制御装置は、センシングされている酵素活性度Sに基づき音楽リストデータを更新する(S314)。本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS314において、例えば図9のS114と同様の処理を行う。
本実施形態に係る状態制御装置は、図9のS116と同様に、酵素活性度Sが所望の状態であるか否かを判定する(S316)。
ステップS316において酵素活性度Sが所望の状態であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図9のS118と同様に、切り替えタイミングであるか否かを判定する(S318)。
ステップS318において切り替えタイミングであると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS316からの処理を繰り返す。
ステップS318において切り替えタイミングであると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS308からの処理を繰り返す。
ステップS316において酵素活性度Sが所望の状態であると判定された場合、または、ステップS306において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、処理を終了するか否かを誘導対象側の装置に判定させる。本実施形態に係る状態制御装置は、上記判定に係る処理を行わせるための命令を誘導対象側の装置に送信することによって、処理を終了するか否かを誘導対象側の装置に判定させる。
誘導対象側の装置は、図9のS120と同様に、処理を終了するか否かを判定する(S320)。
ステップS320において処理を終了すると判定されない場合には、誘導対象側の装置は、例えばステップS302からの処理を繰り返す。また、ステップS320において処理を終了すると判定されない場合には、誘導対象側の装置は、図12に示す処理を終了する。
本実施形態に係る状態制御装置および誘導対象側の装置は、本実施形態に係る状態制御方法の第1の適用例に係る処理として、例えば図12に示す処理を行う。
なお、本実施形態に係る状態制御方法の第1の適用例に係る処理の例は、図12に示す例に限られない。
図14は、本実施形態に係る状態制御方法の第1の適用例に係る処理の他の例を説明するための流れ図である。図14では、本実施形態に係る状態制御装置が「サーバ」である例を示している。
図14に示す処理では、本実施形態に係る状態制御装置と誘導対象側の装置とは、図12に示す処理と同様の処理を行うが、本実施形態に係る状態制御装置が、ステップS406において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定された場合に、さらにステップS412の処理を行う点が異なる。
具体的は、本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS412において、例えば図9のS108と同様の処理を行うことによって、匂いリスト(コンテンツリストの一例)や照明リスト(コンテンツリストの一例)を検索して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いる匂いの出力制御データ(感情誘導媒体の一例)や照明の調整制御データ(感情誘導媒体の一例)を決定する。そして、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、決定された匂いの出力制御データや照明の調整制御データを、外部デバイスに送信することによって、匂いの出力制御データに応じた匂いの出力や、照明の調整制御データに応じた照明の調整を、当該外部デバイスに行わせる(感情誘導媒体に関する処理の一例)。
例えば図14のステップS412の処理が行われることによって、音楽だけでなく、匂いの効果や照明効果が加わった感情の状態の誘導(ストレス低減)を実現することが可能となる。なお、さらなるストレス低減を実現するための効果が、匂いの効果や照明効果に限られないことは、言うまでもない。
[4−2]第2の適用例:画像、テキストによるストレス低減
第2の適用例として、画像、テキストによるストレス低減に係る適用例を説明する。第2の適用例は、誘導対象側の装置と、本実施形態に係る状態制御装置とを有する状態制御システムにより実現される。なお、第2の適用例は、誘導対象側の装置が本実施形態に係る状態制御装置の役目を果たす場合であっても実現可能である。以下では、第2の適用例が状態制御システムにより実現される場合を例に挙げる。
図15は、本実施形態に係る状態制御方法の第2の適用例に係る処理の一例を説明するための流れ図である。図15では、誘導対象側の装置が「口腔内デバイス」であり、本実施形態に係る状態制御装置が表示部(後述する)を備える「ディスプレイ機能付きデバイス」である例を示している。
誘導対象側の装置は、図12のS300と同様に、条件を設定する(S500)。
誘導対象側の装置は、図12のS302と同様に、酵素センサや位置センサ、加速度センサなどを用いて、遂次酵素、位置、加速度の検出を行う(S502)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図12のS304と同様に、酵素活性度Sを取得し、誘導対象の現在の運動状態を予測する(S504)。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sが閾値SL以上であるか否かを判定する(S506)。
ステップS506において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象側の装置に、後述するステップS520の処理を行わせる。
また、ステップS506において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図12のS308と同様に、コンテンツリストを検索して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを決定する(S508)。ここで、ステップS508において決定されるコンテンツデータとしては、例えば、画像やテキストを示すデータが挙げられる。
そして、本実施形態に係る状態制御装置は、決定されたコンテンツデータを再生し、表示部(後述する)の表示画面や、外部の表示デバイスの表示画面に、コンテンツデータが示す画像やテキストを表示させる(S510。感情誘導媒体に関する処理の一例)。本実施形態に係る状態制御装置が、ステップS510において決定されたコンテンツデータを再生されることによって、誘導対象における対象感情の状態は、表示画面に表示された画像やテキストによって、設定されている所定の状態に誘導される。
誘導対象側の装置は、酵素活性度Sをセンシングする(S512)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図9のS114と同様に、再生したコンテンツデータに対応付けられているパターン情報を、センシングされている酵素活性度Sに基づき更新する(S514)。
本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS316と同様に、酵素活性度Sが所望の状態であるか否かを判定する(S516)。
ステップS516において酵素活性度Sが所望の状態であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS318と同様に、切り替えタイミングであるか否かを判定する(S518)。
ステップS518において切り替えタイミングであると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS516からの処理を繰り返す。
ステップS518において切り替えタイミングであると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS508からの処理を繰り返す。
ステップS516において酵素活性度Sが所望の状態であると判定された場合、または、ステップS506において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、処理を終了するか否かを誘導対象側の装置に判定させる。
誘導対象側の装置は、図12のS320と同様に、処理を終了するか否かを判定する(S520)。
ステップS520において処理を終了すると判定されない場合には、誘導対象側の装置は、例えばステップS502からの処理を繰り返す。また、ステップS520において処理を終了すると判定された場合には、誘導対象側の装置は、図15に示す処理を終了する。
本実施形態に係る状態制御装置および誘導対象側の装置は、本実施形態に係る状態制御方法の第2の適用例に係る処理として、例えば図15に示す処理を行う。なお、本実施形態に係る状態制御方法の第2の適用例に係る処理の例が、図15に示す例に限られないことは、言うまでもない。
[4−3]第3の適用例:プログラムの変更(例えば、ゲームの難易度やシーンの変更)
第3の適用例として、プログラムの変更に係る第1の適用例を説明する。第3の適用例は、誘導対象側の装置と、本実施形態に係る状態制御装置とを有する状態制御システムにより実現される。なお、第3の適用例は、誘導対象側の装置が本実施形態に係る状態制御装置の役目を果たす場合であっても実現可能である。以下では、第3の適用例が状態制御システムにより実現される場合を例に挙げる。
図16は、本実施形態に係る状態制御方法の第3の適用例に係る処理の一例を説明するための流れ図である。図16では、誘導対象側の装置が「口腔内デバイス」であり、本実施形態に係る状態制御装置が「ゲーム機本体」である例を示している。また、図16では、状態制御システムが、誘導対象の体表(例えば手など)の発汗や脈拍を検出する機能を有するゲーム機コントローラをさらに有する例を示している。なお、第3の適用例に係る状態制御システムは、図16に示すゲーム機コントローラを有していなくてもよい。
誘導対象側の装置は、図12のS300と同様に、条件を設定する(S600)。図17は、本実施形態に係る設定される条件の一例を示す説明図であり、条件の設定画面の一例を示している。
誘導対象側の装置は、図12のS302と同様に、酵素センサや位置センサ、加速度センサなどを用いて、遂次酵素、位置、加速度の検出を行う(S602)。
ゲーム機コントローラは、図12のS300と同様に、条件を設定する(S604)。
ゲーム機コントローラは、備えている各種センサを用いて、発汗量や脈拍などの検出を行う(S606)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、実効的な酵素活性度S’を取得し、また、図12のS504と同様に誘導対象の現在の運動状態を予測する(S608)。
ここで、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図12のS504と同様に酵素活性度Sを取得する。また、本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sと、ステップS606のおいて検出された発汗量を示す情報(生体情報の一例)と、ステップS606のおいて検出された脈拍を示す情報(生体情報の一例)とを用いて下記の数式2の演算を行うことによって、実効的な酵素活性度S’を取得する。下記の数式2は、“ステップS606において検出された発汗量を示す情報に基づく、平常時の値で規格化された発汗量P”と、“ステップS606のおいて検出された脈拍を示す情報に基づく、平常時の値で規格化された脈拍B”との効果を考慮して酵素活性度を算出する式である。
また、下記の数式2に示す“βS”、“βP”、“βB”は、重み付けパラメータであり、酵素、発汗、脈拍のどの検出結果に重みをおくかによって、“βS”、“βP”、“βB”の値は変わる。なお、例えば、酵素、発汗、脈拍の各検出結果が考慮されていれば、実効的な酵素活性度S’の算出方法は、下記の数式2に限られない。
本実施形態に係る状態制御装置は、実効的な酵素活性度S’が閾値SL以上であるか否かを判定する(S610)。
ステップS610において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、後述するステップS624の処理を行う。
また、ステップS610において実効的な酵素活性度S’が閾値SL以上であると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図12のS308と同様に、コンテンツリストを検索して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを決定する(S612)。
ここで、ステップS612において決定されるコンテンツデータとしては、例えば、ゲームの難易度やシーンの変更に係るプログラムが挙げられる。以下では、ステップS612において決定されるコンテンツデータが、ゲームのシーンの変更に係るプログラムである場合を例に挙げる。図18は、本実施形態に係るコンテンツリストの一例を示す説明図である。
そして、本実施形態に係る状態制御装置は、決定されたコンテンツデータを再生し、表示部(後述する)の表示画面などに、コンテンツデータの再生結果に対応するシーンに応じた画像などを表示させる(S614。感情誘導媒体に関する処理の一例)。
図19は、本実施形態に係る状態制御方法の第3の適用例に係る処理を説明するための説明図であり、本実施形態に係る状態制御装置におけるステップS614の処理によるゲームのシーンの変更の概念を示している。
本実施形態に係る状態制御装置が、ステップS614において決定されたコンテンツデータを再生することによって、誘導対象における対象感情の状態に応じて、図19に示すようにシーンが切り替わる。よって、本実施形態に係る状態制御装置が、ステップS614において決定されたコンテンツデータを再生することによって、誘導対象における対象感情の状態は、設定されている所定の状態に誘導される。
本実施形態に係る状態制御装置は、図9のステップS112と同様に、酵素活性度Sをセンシングする(S616)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図9のS114と同様に、再生したコンテンツデータに対応付けられているパターン情報を、センシングされている酵素活性度Sに基づき更新する(S618)。また、本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS618において、例えば、算出される実効的な酵素活性度S’に基づいて、再生したコンテンツデータに対応付けられているパターン情報を更新してもよい。
本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS316と同様に、酵素活性度Sが所望の状態であるか否かを判定する(S620)。また、本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS618において、例えば、算出される実効的な酵素活性度S’が所望の状態であるか否かを判定してもよい。
ステップS620において酵素活性度Sが所望の状態であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS318と同様に、切り替えタイミングであるか否かを判定する(S622)。
ステップS622において切り替えタイミングであると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS620からの処理を繰り返す。
ステップS622において切り替えタイミングであると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS612からの処理を繰り返す。
ステップS620において酵素活性度Sが所望の状態であると判定された場合、または、ステップS610において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図9のステップS120と同様に、処理を終了するか否かを判定する(S624)。
ステップS624において処理を終了すると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象側の装置に、例えばステップS602からの処理を行わせる。また、ステップS624において処理を終了すると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図16に示す処理を終了する。
本実施形態に係る状態制御装置および誘導対象側の装置は、本実施形態に係る状態制御方法の第3の適用例に係る処理として、例えば図16に示す処理を行う。ここで、図16に示す処理が行われる場合には、例えば、誘導対象のユーザの状態に応じて、当該ユーザに合ったゲームシーンを提供することが可能となるので、ユーザのゲームに対する興奮度や満足感を効率よく持続させることができる。
なお、本実施形態に係る状態制御方法の第3の適用例に係る処理の例は、図16に示す例に限られない。
例えば、本実施形態に係る状態制御装置は、プログラムを変更することによって、誘導対象のユーザの状態に応じてゲームの難易度を変えることも可能である。ゲームの難易度を変える場合であっても、ユーザのゲームに対する興奮度や満足感を効率よく持続させることができる。
また、本実施形態に係る状態制御方法の第3の適用例に係る処理は、例えば、図16に示すゲーム機本体をアトラクション装置に置き換え、また、図16に示すゲーム機器コントローラをアトラクションに用いるアイテムなどに置き換えることによって、アミューズメントパークのアトラクションなどにも応用することができる。
[4−4]第4の適用例:プログラムの変更(例えば、安全ロックレベルの変更)
第4の適用例として、プログラムの変更に係る第2の適用例を説明する。第4の適用例は、誘導対象側の装置と、本実施形態に係る状態制御装置とを有する状態制御システムにより実現される。なお、第4の適用例は、誘導対象側の装置が本実施形態に係る状態制御装置の役目を果たす場合であっても実現可能である。以下では、第4の適用例が状態制御システムにより実現される場合を例に挙げる。
図20は、本実施形態に係る状態制御方法の第4の適用例に係る処理の一例を説明するための流れ図である。図20では、誘導対象側の装置が「口腔内デバイス」であり、本実施形態に係る状態制御装置が「サーバ」である例を示している。
誘導対象側の装置は、図12のS300と同様に、条件を設定する(S700)。
誘導対象側の装置は、図12のS302と同様に、酵素センサや位置センサ、加速度センサなどを用いて、遂次酵素、位置、加速度の検出を行う(S702)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図12のS304と同様に、酵素活性度Sを取得し、誘導対象の現在の運動状態を予測する(S704)。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sが閾値SL以上であるか否かを判定する(S706)。
ステップS706において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象側の装置に、後述するステップS718の処理を行わせる。
また、ステップS706において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図12のS308と同様に、プログラムリストを検索して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるプログラムを決定する(S708)。ここで、ステップS708において決定されるプログラムとしては、例えば、電子機器(例えば、工場機器、乗り物、医療機器など)の安全ロックレベルを設定するプログラムが挙げられる。
そして、本実施形態に係る状態制御装置は、決定されたプログラムを、外部の安全制御装置に実行させる(感情誘導媒体に関する処理の一例)。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、プログラムの実行命令と、決定されたプログラム(または、決定されたプログラムが記憶されている場所を示す情報)とを、安全制御装置に送信することによって、決定されたプログラムを安全制御装置に実行させる。
本実施形態に係る状態制御装置が、決定されたプログラムを安全制御装置に実行させることによって、安全制御装置のロックレベルを、誘導対象における対象感情の状態に応じて変化させることができる。よって、本実施形態に係る状態制御装置が、決定されたプログラムを安全制御装置に実行させることによって、例えば、誘導対象のユーザの「不快」な感情に起因する機器の誤操作を抑制することが可能となる。
誘導対象側の装置は、酵素活性度Sをセンシングする(S710)。
本実施形態に係る状態制御装置は、プログラムリストデータを更新する(S712)。本実施形態に係る状態制御装置は、ステップS712において、例えば図9のS114と同様に、実行させたプログラムに対応付けられているパターン情報を、センシングされている酵素活性度Sに基づき更新する。
本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS316と同様に、酵素活性度Sが所望の状態であるか否かを判定する(S714)。
ステップS714において酵素活性度Sが所望の状態であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS318と同様に、切り替えタイミングであるか否かを判定する(S716)。
ステップS716において切り替えタイミングであると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS714からの処理を繰り返す。
ステップS716において切り替えタイミングであると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS708からの処理を繰り返す。
ステップS714において酵素活性度Sが所望の状態であると判定された場合、または、ステップS706において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、処理を終了するか否かを誘導対象側の装置に判定させる。
誘導対象側の装置は、図12のS320と同様に、処理を終了するか否かを判定する(S718)。
ステップS718において処理を終了すると判定されない場合には、誘導対象側の装置は、例えばステップS702からの処理を繰り返す。また、ステップS718において処理を終了すると判定された場合には、誘導対象側の装置は、図20に示す処理を終了する。
本実施形態に係る状態制御装置および誘導対象側の装置は、本実施形態に係る状態制御方法の第4の適用例に係る処理として、例えば図20に示す処理を行う。
なお、本実施形態に係る状態制御方法の第4の適用例に係る処理の例は、図20に示す例に限られない。
例えば、本実施形態に係る状態制御装置がステップS708において決定するプログラムが、ロボット(例えば、介護ロボットや見守りロボットなど)の制御プログラムである場合には、誘導対象のユーザの「快」、「不快」の感情を把握したより人間の感覚に近い動作、しぐさ、音声出力が可能なロボットを実現することが可能となる。
[4−5]第5の適用例:誘導対象の対象感情の状態の通知
第5の適用例として、誘導対象の対象感情の状態の通知に係る適用例を説明する。第5の適用例は、誘導対象側の装置と、本実施形態に係る状態制御装置とを有する状態制御システムにより実現される。なお、第5の適用例は、誘導対象側の装置が本実施形態に係る状態制御装置の役目を果たす場合であっても実現可能である。以下では、第5の適用例が状態制御システムにより実現される場合を例に挙げる。
図21は、本実施形態に係る状態制御方法の第5の適用例に係る処理の一例を説明するための流れ図である。図21では、誘導対象側の装置が「口腔内デバイス」であり、本実施形態に係る状態制御装置が「サーバ」である例を示している。
誘導対象側の装置は、図12のS300と同様に、条件を設定する(S800)。
誘導対象側の装置は、図12のS302と同様に、酵素センサや位置センサ、加速度センサなどを用いて、遂次酵素、位置、加速度の検出を行う(S802)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図12のS304と同様に、酵素活性度Sを取得し、誘導対象の現在の運動状態を予測する(S804)。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sが閾値SL以上であるか否かを判定する(S806)。
ステップS806において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象側の装置に、後述するステップS820の処理を行わせる。
また、ステップS806において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図12のS308と同様に、音楽リストを検索して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるコンテンツデータを決定する(S808)。ここで、ステップS808において決定されるコンテンツデータは、例えば音楽を示すデータである。
そして、本実施形態に係る状態制御装置は、決定されたコンテンツデータを誘導対象側の装置に再生させる(感情誘導媒体に関する処理の一例)。本実施形態に係る状態制御装置が、ステップS808において決定されたコンテンツデータを再生されることによって、誘導対象における対象感情の状態は、再生されたコンテンツデータが示す音楽によって、設定されている所定の状態に誘導される。
また、ステップS806において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定された場合、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、酵素活性度Sの値に応じた色の光を、発光デバイスに発光させる。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、酵素活性度Sの値に応じた色の光を発光させる命令を、発光デバイス(または発光デバイスを備える装置)に送信することによって、酵素活性度Sの値に応じた色の光を、発光デバイスに発光させる。
第5の適用例に係る発光デバイスは、例えば、指輪型の装置、ネックレス型の装置、首輪型の装置、メガネ型の装置、ピアス型の装置など、誘導対象が装着することが可能な任意の装置に備えられる。また、発光デバイスは、誘導対象が装着することが可能な装置に備えられることに限られず、誘導対象以外の第三者が、発光デバイスが発する光を誘導対象と対応付けて把握することが可能な任意の装置に備えられていてもよい。
なお、図21では示していないが、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、ステップS806において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されて以降、後述するステップS820において処理が終了すると判定されるまで、発光デバイスの発光の制御に係る処理を行う。
誘導対象側の装置は、例えば、骨伝導機能を利用して決定されたコンテンツデータが示す音楽を再生する(S810)。また、誘導対象側の装置は、酵素活性度Sをセンシングする(S812)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図12のS314と同様に、センシングされている酵素活性度Sに基づき音楽リストデータを更新する(S814)。
本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS316と同様に、酵素活性度Sが所望の状態であるか否かを判定する(S816)。
ステップS816において酵素活性度Sが所望の状態であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS318と同様に、切り替えタイミングであるか否かを判定する(S818)。
ステップS818において切り替えタイミングであると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS816からの処理を繰り返す。
ステップS818において切り替えタイミングであると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS808からの処理を繰り返す。
ステップS816において酵素活性度Sが所望の状態であると判定された場合、または、ステップS806において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、処理を終了するか否かを誘導対象側の装置に判定させる。
誘導対象側の装置は、図12のS320と同様に、処理を終了するか否かを判定する(S820)。
ステップS820において処理を終了すると判定されない場合には、誘導対象側の装置は、例えばステップS802からの処理を繰り返す。また、ステップS820において処理を終了すると判定された場合には、誘導対象側の装置は、図21に示す処理を終了する。
本実施形態に係る状態制御装置および誘導対象側の装置は、本実施形態に係る状態制御方法の第5の適用例に係る処理として、例えば図21に示す処理を行う。図21に示す処理が行われることによって、誘導対象の対象感情を所定の状態に誘導することができるだけでなく、誘導対象の対象感情の状態を、誘導対象以外の第三者に通知することができる。よって、本実施形態に係る状態制御方法の第5の適用例に係る処理が行われることによって、誘導対象が、例えば、言葉によって「快」、「不快」などの感情を伝えることが困難な障害を持った人や患者、ペットなどである場合であっても、誘導対象の感情の状態を、周囲の第三者に伝えることが可能となる。
なお、本実施形態に係る状態制御方法の第5の適用例に係る処理の例が、図21に示す例に限られないことは、言うまでもない。
[4−6]第6の適用例:プログラムの変更(例えば、店頭などに設置されている表示装置の表示画面における可変表示)
第4の適用例として、プログラムの変更に係る第3の適用例を説明する。第6の適用例は、誘導対象側の装置と、本実施形態に係る状態制御装置とを有する状態制御システムにより実現される。なお、第6の適用例は、誘導対象側の装置が本実施形態に係る状態制御装置の役目を果たす場合であっても実現可能である。以下では、第6の適用例が状態制御システムにより実現される場合を例に挙げる。
図22は、本実施形態に係る状態制御方法の第6の適用例に係る処理の一例を説明するための流れ図である。図22では、誘導対象側の装置が「口腔内デバイス」であり、本実施形態に係る状態制御装置が「サーバ」である例を示している。
誘導対象側の装置は、図12のS300と同様に、条件を設定する(S900)。
誘導対象側の装置は、図12のS302と同様に、酵素センサや位置センサ、加速度センサなどを用いて、遂次酵素、位置、加速度の検出を行う(S902)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、図12のS304と同様に、酵素活性度Sを取得し、誘導対象の現在の運動状態を予測する(S904)。
本実施形態に係る状態制御装置は、酵素活性度Sが閾値SL以上であるか否かを判定する(S906)。
ステップS906において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、誘導対象側の装置に、後述するステップS918の処理を行わせる。
また、ステップS906において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図12のS308と同様に、プログラムリストを検索して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるプログラムを決定する(S908)。ここで、ステップS908において決定されるプログラムとしては、例えば、商品やサービスなどを紹介する画像などを表示させるプログラムが挙げられる。
ここで、複数の誘導対象が存在する場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、誘導対象それぞれの酵素活性度Sを加味して、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるプログラムを決定することも可能である。複数の誘導対象の酵素活性度Sを加味する場合、本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、酵素活性度Sが閾値SL以上である複数の誘導対象の酵素活性度Sの平均値を算出し、酵素活性度Sの平均値の時間的な変化のパターンを用いて、誘導対象における対象感情の状態の誘導に用いるプログラムを決定する。なお、複数の誘導対象の酵素活性度Sを加味する場合の処理が、上記に示す例に限られないことは、言うまでもない。
そして、本実施形態に係る状態制御装置は、決定されたプログラムを、外部の表示装置に実行させる(感情誘導媒体に関する処理の一例)。本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、プログラムの実行命令と、決定されたプログラム(または、決定されたプログラムが記憶されている場所を示す情報)とを、表示装置に送信することによって、決定されたプログラムを表示装置に実行させる。
本実施形態に係る状態制御装置が、決定されたプログラムを表示装置に実行させることによって、表示装置の表示画面の表示を変更させることができる。よって、本実施形態に係る状態制御装置が、決定されたプログラムを表示装置に実行させることによって、例えば、誘導対象における対象感情の状態は、設定されている所定の状態に誘導される。
誘導対象側の装置は、酵素活性度Sをセンシングする(S910)。
本実施形態に係る状態制御装置は、例えば図20のステップS712と同様に、プログラムリストデータを更新する(S912)。
本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS316と同様に、酵素活性度Sが所望の状態であるか否かを判定する(S914)。
ステップS914において酵素活性度Sが所望の状態であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、図12のS318と同様に、切り替えタイミングであるか否かを判定する(S916)。
ステップS916において切り替えタイミングであると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS914からの処理を繰り返す。
ステップS916において切り替えタイミングであると判定された場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばステップS908からの処理を繰り返す。
ステップS914において酵素活性度Sが所望の状態であると判定された場合、または、ステップS906において酵素活性度Sが閾値SL以上であると判定されない場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、処理を終了するか否かを誘導対象側の装置に判定させる。
誘導対象側の装置は、図12のS320と同様に、処理を終了するか否かを判定する(S918)。
ステップS918において処理を終了すると判定されない場合には、誘導対象側の装置は、例えばステップS902からの処理を繰り返す。また、ステップS918において処理を終了すると判定された場合には、誘導対象側の装置は、図22に示す処理を終了する。
本実施形態に係る状態制御装置および誘導対象側の装置は、本実施形態に係る状態制御方法の第6の適用例に係る処理として、例えば図22に示す処理を行う。
なお、本実施形態に係る状態制御方法の第6の適用例に係る処理の例は、図22に示す例に限られない。
例えば、本実施形態に係る状態制御装置がステップS908において決定するプログラムは、表示の変更に係るプログラムに限られず、さらに音声や匂いなどを変更するためのプログラムであってもよい。
[4−7]第7の適用例
第4の適用例として、上述した第1の適用例に係る状態制御システム(または状態制御装置)〜上述した第6の適用例に係る状態制御システム(または状態制御装置)を用いて実現することが可能なサービスの一例について説明する。
図23は、本実施形態に係る状態制御システム(または本実施形態に係る状態制御装置)を用いて実現することが可能なサービスの一例を説明するための説明図である。以下では、本実施形態に係る状態制御システムを用いてサービスが提供される場合を例に挙げる。
例えば、サービスの提供を所望する人が、サービスに対応するホームページ(HP)へアクセスし、または、直接サービスに対応する店舗へ行き、必要事項の記入をすることで契約が成立して、サービスが開始される。
提供されるサービス(以下、「提供サービス」と示す。)としては、例えば、配信環境のメンテナンスと、酵素活性度Sの変化に応じたコンテンツデータ(例えば、音楽(曲や音)や、映像(動画、静止画)、テキスト(文字列)、音声を示すデータや、プログラムなど)の配信とが挙げられる。コンテンツデータに含まれうる上記プログラムは、電子機器の動作を規定する。
外部刺激が、提供サービスを受けるユーザ(誘導対象の一例)に加わった場合、本実施形態に係る状態制御システムは、酵素活性度Sの変化に応じて、提供サービスに係る上記コンテンツデータを、ユーザが所持する装置(例えば誘導対象側の装置)や、ユーザの周囲の電子機器(例えば、オーディオ機器や、ゲーム機器、テレビ受像機、ディスプレイ、PC、スマートフォン、タブレット型の装置、電子書籍デバイス、時計、照明装置、芳香装置、エアコン、冷蔵庫、放送機器、アトラクション機器、乗り物、工場機器、医療機器、ロボットなど)に配信する。上記コンテンツデータの配信によって、ユーザや電子機器の状態の維持や変化を、無意識に起こすことが可能となる。
[5]本実施形態に係る状態制御方法に係る処理が行われるにより奏される効果
本実施形態に係る状態制御方法に係る処理が行われるにより、例えば下記の(A)〜(D)に示すような効果が奏される。なお、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理が行われるにより奏される効果が、下記の(A)〜(D)に示す効果に限られないことは、言うまでもない。
(A)コンテンツデータには、過去のユーザの生体情報の変化の時系列データが付随しているため、どのタイミングでコンテンツデータを再生させればよいかの予測がより適切にたち、ユーザの対象感情の状態を所望の状態へと自然で効果的に誘導することが可能である(例えばエンターテイメントからヘルスケアに至る様々な領域において、当該効果は奏される。)。
(B)検索範囲の設定に応じて、誘導対象のユーザ自身だけでなく、自分の好みに近い他者において誘導の効果のあったコンテンツデータも再利用することが可能であるため、より効果的に所望の状態の変化を実現することができる。また、その際、ユーザの馴染みのないコンテンツデータも再生されうるので、単なる機械制御とは異なり、思わぬ発見や楽しみを、誘導対象のユーザに感じさせることができる。その結果、本実施形態に係る状態制御システム(または本実施形態に係る状態制御装置)の使用頻度に依存せず、効果を継続させることが可能となる。
(C)誘導対象における対象感情の状態の変化を、誘導対象以外の第三者に通知することが可能であるので、言葉や表情で感情を伝えることが困難な誘導対象(例えば、障害を持った人や患者、ペットなど)であっても、第三者との感情の共有が可能である。
(D)コンテンツデータを装置(例えば、工場機器、乗り物、医療機器など)の安全ロックレベルを制御するプログラムとすることによって、誘導対象のユーザの不快感情に起因する装置の誤操作の抑制を図ることができる。
(本実施形態に係る状態制御装置、状態制御システム)
次に、上述した本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を行うことが可能な、本実施形態に係る状態制御装置の構成の一例と、本実施形態に係る状態制御システムの構成の一例とについて説明する。
[I]本実施形態に係る状態制御装置
まず、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を行うことが可能な、本実施形態に係る状態制御装置の構成の一例について説明する。
図24は、本実施形態に係る状態制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。状態制御装置100は、例えば、検出部102と、制御部104とを備える。
また、状態制御装置100は、例えば、ROM(Read Only Memory。図示せず)や、RAM(Random Access Memory。図示せず)、記憶部(図示せず)、通信部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、様々な画面を表示画面に表示する表示部(図示せず)などを備えていてもよい。状態制御装置100は、例えば、データの伝送路としてのバスにより上記各構成要素間を接続する。
ROM(図示せず)は、制御部104が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部104により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
記憶部(図示せず)は、状態制御装置100が備える記憶手段であり、例えば、コンテンツリストを示すデータやコンテンツデータなどの本実施形態に係る状態制御方法に係るデータや、アプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)などが挙げられる。また、記憶部(図示せず)は、状態制御装置100から着脱可能であってもよい。
通信部としては、例えば、後述する通信インタフェースが挙げられる。操作部(図示せず)としては、例えば、後後述する操作入力デバイスが挙げられる。また、表示部(図示せず)としては、例えば、後後述する表示デバイスが挙げられる。
[状態制御装置100のハードウェア構成例]
図25は、本実施形態に係る状態制御装置100のハードウェア構成の一例を示す説明図である。状態制御装置100は、例えば、MPU150と、ROM152と、RAM154と、記録媒体156と、入出力インタフェース158と、操作入力デバイス160と、表示デバイス162と、通信インタフェース164と、センサ166とを備える。また、状態制御装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス168で各構成要素間を接続する。
MPU150は、例えば、MPUなどの演算回路で構成される、1または2以上のプロセッサや、各種処理回路などで構成され、状態制御装置100全体を制御する制御部104として機能する。また、MPU150は、状態制御装置100において、例えば、後述する取得部110、および状態制御部112の役目を果たす。
ROM152は、MPU150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データなどを記憶する。RAM154は、例えば、MPU150により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
記録媒体156は、記憶部(図示せず)として機能し、例えば、コンテンツリストを示すデータなどの本実施形態に係る状態制御方法に係るデータや、アプリケーションなど様々なデータを記憶する。ここで、記録媒体156としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられる。また、記録媒体156は、状態制御装置100から着脱可能であってもよい。
入出力インタフェース158は、例えば、操作入力デバイス160や、表示デバイス162を接続する。操作入力デバイス160は、操作部(図示せず)として機能し、また、表示デバイス162は、表示部(図示せず)として機能する。ここで、入出力インタフェース158としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子、各種処理回路などが挙げられる。
また、操作入力デバイス160は、例えば、状態制御装置100上に備えられ、状態制御装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。操作入力デバイス160としては、例えば、ボタンや、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。
また、表示デバイス162は、例えば、状態制御装置100上に備えられ、状態制御装置100の内部で入出力インタフェース158と接続される。表示デバイス162としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence Display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode Display)ともよばれる。)などが挙げられる。
なお、入出力インタフェース158が、状態制御装置100の外部装置としての外部の操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や外部の表示デバイスなどの、外部デバイスと接続することも可能であることは、言うまでもない。また、表示デバイス162は、例えばタッチパネルなど、表示とユーザ操作とが可能なデバイスであってもよい。
通信インタフェース164は、状態制御装置100が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、外部の表示デバイスなどの外部デバイスや、外部装置と無線または有線で通信を行うための通信部(図示せず)として機能する。ここで、通信インタフェース164としては、例えば、通信アンテナおよびRF(Radio Frequency)回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11ポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN(Local Area Network)端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。また、本実施形態に係るネットワークとしては、例えば、LANやWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられる。
センサ166は、状態制御装置100が備える検出手段であり、検出部102の役目を果たす。センサ166としては、例えば、酵素センサが挙げられる。また、センサ166は、酵素センサに加え、さらに心拍を検出するセンサや、発汗量を検出するセンサなどの他のセンサを備えていてもよい。
状態制御装置100は、例えば図25に示す構成によって、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を行う。なお、本実施形態に係る状態制御装置100のハードウェア構成は、図25に示す構成に限られない。
例えば、状態制御装置100は、センサ166と同様の機能を有する外部の検出デバイスの検出結果を用いて処理を行う場合には、センサ166を備えていなくてもよい。
また、状態制御装置100は、例えば、接続されている外部の通信デバイスを介して外部装置と通信を行う場合や、スタンドアロンで処理を行う場合には、通信インタフェース164を備えていなくてもよい。また、状態制御装置100は、例えば、同一のまたは異なる通信方式に対応する複数の通信インタフェースを備えていてもよい。
また、状態制御装置100は、例えば、記録媒体156や、操作入力デバイス160、表示デバイス162を備えない構成をとることが可能である。
また、例えば、図25に示す構成(または変形例に係る構成)は、1、または2以上のIC(Integrated Circuit)で実現されてもよい。
また、状態制御装置100は、例えば図11のA〜図11のCを参照して示した構成を有する、口腔内デバイスであってもよい。
再度図24を参照して、状態制御装置100の構成の一例について説明する。検出部102は、状態制御装置100が備える検出手段であり、例えば、検出対象の検出結果に応じた信号(検出結果の一例)を出力する。検出部102としては、例えば、酵素センサが挙げられる。また、検出部102は、酵素センサと、心拍を検出するセンサや、発汗量を検出するセンサなどの他のセンサとの複数のセンサで構成されていてもよい。
制御部104は、例えばMPUなどで構成され、状態制御装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部104は、例えば、取得部110と状態制御部112とを備え、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を主導的に行う役目を果たす。
取得部110は、上記(1)の処理(取得処理)を主導的に行う役目を果たし、状態指標を取得する。取得部110は、例えば、上記(1−1)に示す第1の例に係る取得処理や上記(1−2)に示す第2の例に係る取得処理を行う。
状態制御部112は、上記(2)の処理(状態制御処理)を主導的に行う役目を果たす。状態制御部112は、取得部110において取得された状態指標と、感情誘導媒体に対応付けられているパターン情報とに基づいて、対象感情の状態の誘導に用いる感情誘導媒体を決定する。そして、状態制御部112は、決定された感情誘導媒体に関する処理を行うことによって、誘導対象における対象感情の状態を制御する。
より具体的には、状態制御部112は、上記(2−1)に示す第1の例に係る状態制御処理〜上記(2−7)に示す第7の例に係る状態制御処理を行う。
制御部104は、例えば、取得部110、および状態制御部112を備えることによって、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を主導的に行う。
状態制御装置100は、例えば図24に示す構成によって、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理(例えば、上記(1)に示す処理(取得処理)および上記(2)に示す処理(状態制御処理))を行う。
したがって、状態制御装置100は、例えば図24に示す構成によって、誘導対象の感情の状態を、設定されている所定の状態となるように誘導することができる。
また、例えば図24に示す構成によって、状態制御装置100は、例えば上述したような、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理が行われることにより奏される効果を、奏することができる。
なお、本実施形態に係る状態制御装置の構成は、図24に示す構成に限られない。
例えば、本実施形態に係る状態制御装置は、図24に示す取得部110および状態制御部112の一方または双方を、制御部104とは個別に備える(例えば、別の処理回路で実現する)ことができる。
また、上述したように、上記取得処理および上記状態制御処理は、便宜上、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を切り分けたものである。よって、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を実現するための構成は、図24に示す取得部110および状態制御部112に限られず、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理の切り分け方に応じた構成をとることが可能である。
また、例えば、検出部102と同様の機能、構成を有する外部の検出デバイスの検出結果を用いて処理を行う場合には、本実施形態に係る状態制御装置は、検出部102を備えていなくてもよい。
[II]本実施形態に係る状態制御システム
次に、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を行うことが可能な、本実施形態に係る状態制御システムの構成の一例について説明する。
図26は、本実施形態に係る状態制御システム1000の構成の一例を示すブロック図である。状態制御システム1000は、状態制御装置200と、処理装置300とを有する。状態制御システム1000において、処理装置300は、例えば、上述した第1の適用例に係る状態制御システム〜上述した第6の適用例に係る状態制御システムを構成する、誘導対象側の装置に該当する。
状態制御装置200は、感情誘導媒体を用いる処理を処理装置300に行わせることにより、誘導対象における対象感情の状態を設定されている所定の状態に誘導させる。また、処理装置300は、感情誘導媒体を用いる処理を行う。
[II−1]状態制御装置200
状態制御装置200は、例えば、通信部202と、制御部204とを備える。
また、状態制御装置200は、例えば、ROM(図示せず)や、RAM(図示せず)、記憶部(図示せず)、操作部(図示せず)、表示部(図示せず)などを備えていてもよい。状態制御装置200は、例えば、データの伝送路としてのバスにより上記各構成要素間を接続する。
[状態制御装置200のハードウェア構成例]
状態制御装置200は、例えば、図25に示す状態制御装置100と同様のハードウェア構成を有する。なお、状態制御装置200のハードウェア構成が、図25に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
通信部202は、状態制御装置200が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、外部の表示デバイスなどの外部デバイスや、処理装置300などの外部装置と無線または有線で通信を行う。また、通信部202は、例えば制御部204により通信が制御される。
ここで、通信部202としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路や、LAN端子および送受信回路などが挙げられるが、通信部202の構成は、上記に限られない。例えば、通信部202は、USB端子および送受信回路や、赤外線通信ポートおよび送受信回路などの通信を行うことが可能な任意の規格に対応する構成や、ネットワークを介して外部装置と通信可能な任意の構成をとることができる。また、通信部202は、複数の通信方式によって、1または2以上の外部装置と通信を行うことが可能な構成であってもよい。
制御部204は、例えばMPUなどで構成され、状態制御装置200全体を制御する役目を果たす。また、制御部204は、例えば、取得部110、および状態制御部112を備え、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を主導的に行う。一例を挙げると、制御部204は、例えば図12、図14、図15、図16、図20、図21、図22における状態制御装置側の処理を行う。
状態制御装置200は、例えば図26に示す構成によって、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理(例えば、上記(1)に示す処理(取得処理)および上記(2)に示す処理(状態制御処理))を行う。
したがって、状態制御装置200は、例えば図26に示す構成によって、誘導対象の感情の状態を、設定されている所定の状態となるように誘導させることができる。
なお、本実施形態に係る状態制御システムを構成する状態制御装置の構成は、図26に示す構成に限られない。
例えば、本実施形態に係る状態制御装置は、通信部202と同様の機能、構成を有する外部の通信デバイスを介して外部装置と通信を行う場合には、通信部202を備えていなくてもよい。
[II−2]処理装置300
処理装置300は、例えば、検出部302と、通信部304と、制御部306とを備える。
[処理装置300のハードウェア構成例]
処理装置300は、例えば、図11のA〜図11のCを参照して示した構成を有する。なお、処理装置300の構成が、図11のA〜図11のCを参照して示した構成に限られないことは、言うまでもない。
検出部302は、処理装置300が備える検出手段であり、例えば、検出対象の検出結果に応じた信号(検出結果の一例)を出力する。検出部302は、例えば、図24に示す検出部102と同様の機能、構成を有する。
通信部304は、処理装置300が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、状態制御装置200などの外部装置と無線または有線で通信を行う。また、通信部304は、例えば制御部306により通信が制御される。
ここで、通信部304は、例えば、状態制御装置200が備える通信部202と対応する通信方式に係る通信デバイスで構成される。
制御部306は、例えばMPUなどで構成され、処理装置300全体を制御する役目を果たす。また、制御部306は、例えば処理部310を備え、感情誘導媒体を用いる処理などの様々な処理を行う。一例を挙げると、処理部310は、例えば図12、図14、図15、図16、図20、図21、図22における誘導対象側の装置側の処理を行う。
処理装置300は、例えば図26に示す構成によって、感情誘導媒体を用いる処理などの様々な処理を行う。
なお、本実施形態に係る状態制御システムを構成する処理装置の構成は、図26に示す構成に限られない。
例えば、検出部302と同様の機能、構成を有する外部の検出デバイスが接続されている場合には、本実施形態に係る処理装置は、検出部302を備えていなくてもよい。
また、例えば、本実施形態に係る状態制御装置は、通信部304と同様の機能、構成を有する外部の通信デバイスを介して外部装置と通信を行う場合には、通信部202を備えていなくてもよい。
状態制御システム1000は、例えば図26に示す構成の状態制御装置200と処理装置300とを有する。
ここで、状態制御システム1000では、状態制御装置200において本実施形態に係る状態制御方法に係る処理(例えば、上記(1)に示す処理(取得処理)および上記(2)に示す処理(状態制御処理))が行われる。
よって、例えば図26に示す構成の状態制御装置200と処理装置300とを有することによって、誘導対象の感情の状態を設定されている所定の状態となるように誘導することが可能な、状態制御システムが実現される。
また、例えば図26に示す構成の状態制御装置200と処理装置300とを有することによって、本実施形態に係る状態制御システムでは、例えば上述したような、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理が行われることにより奏される効果が、奏される。
以上、本実施形態として、状態制御装置を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、PCやサーバなどのコンピュータや、スマートフォンや携帯電話などの通信装置、タブレット型の装置、映像/音楽再生装置(または映像/音楽記録再生装置)、ゲーム機、表示装置、テレビジョン受像機など、様々な機器に適用することができる。また、本実施形態は、例えば、図11のA〜図11のCに示すような口腔内デバイスに適用することも可能である。また、本実施形態は、例えば、上記のような機器に組み込むことが可能な、処理ICに適用することもできる。
また、本実施形態に係る状態制御装置は、例えばクラウドコンピューティングなどのように、ネットワークへの接続(または各装置間の通信)を前提とした、1または2以上の装置からなるシステムに適用されてもよい。つまり、上述した本実施形態に係る状態制御装置は、例えば、複数の装置からなるシステムとして実現することも可能である。
上述した本実施形態に係る状態制御装置が、例えばクラウドコンピューティングなどのようなシステムとして実現される場合、本実施形態に係るシステムは、例えば、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を行い、有線または無線で通信可能な処理装置に感情誘導媒体を用いる処理を行わせることによって、誘導対象における対象感情の状態を制御する。
また、本実施形態に係る状態制御システムを構成する構成要素として、処理装置を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、例えば、図11のA〜図11のCに示すような口腔内デバイスのような、誘導対象に装着されて用いられうる装置など、様々な機器に適用することができる。また、本実施形態に係る処理装置に、外部の検出デバイスが接続される構成である場合には、処理装置は、例えば、誘導対象に装着されて用いられうる装置でなくてもよい。
(本実施形態に係るプログラム)
コンピュータを、本実施形態に係る状態制御装置として機能させるためのプログラム(例えば、上記(1)に示す処理(取得処理)および上記(2)に示す処理(状態制御処理)など、本実施形態に係る状態制御方法に係る処理を実行することが可能なプログラム)が、コンピュータにおいてプロセッサなどにより実行されることによって、誘導対象の感情の状態を、設定されている所定の状態となるように誘導することができる。
また、コンピュータを、本実施形態に係る状態制御装置として機能させるためのプログラムが、コンピュータにおいてプロセッサなどにより実行されることによって、上述した本実施形態に係る状態制御方法に係る処理によって奏される効果を、奏することができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記では、コンピュータを、本実施形態に係る状態制御装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本実施形態は、さらに、上記プログラムを記憶させた記録媒体も併せて提供することができる。
上述した構成は、本実施形態の一例を示すものであり、当然に、本開示の技術的範囲に属するものである。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
感情の状態を誘導する誘導対象から検出された誘導する対象の感情である対象感情に対応する生体情報に基づく、前記対象感情の状態を示す状態指標を取得する取得部と、
取得された前記状態指標と、前記対象感情の状態を誘導するための感情誘導媒体に対応付けられている、前記状態指標の時間的な変化のパターンを示すパターン情報とに基づいて、前記対象感情の状態が設定されている所定の状態となるように、前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定し、決定された前記感情誘導媒体に関する処理を行うことによって、前記誘導対象における前記対象感情の状態を制御する状態制御部と、
を備え、
前記生体情報には、酵素の検出結果を示す情報が含まれる、状態制御装置。
(2)
前記状態制御部は、取得された前記状態指標の時間的な変化のパターンと反対の変化のパターンを有する前記感情誘導媒体の中から、前記誘導対象における前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定する、(1)に記載の状態制御装置。
(3)
前記状態制御部は、
決定された前記感情誘導媒体に関する処理による制御が開始された場合には、決定された前記感情誘導媒体に関する処理による制御が開始されてから経過した時間と、決定された前記感情誘導媒体に対応付けられている前記パターン情報とに基づいて、前記対象感情の状態が前記所定の状態となるように、前記感情誘導媒体を再決定し、
前記誘導対象における前記対象感情の状態の制御に用いる前記感情誘導媒体を、用いられている前記感情誘導媒体から再決定された前記感情誘導媒体に切り替えて、前記誘導対象における前記対象感情の状態を制御する、(1)、または(2)に記載の状態制御装置。
(4)
再決定される前記感情誘導媒体は、決定された前記感情誘導媒体に対応付けられている前記パターン情報における前記状態指標の時間的な変化のパターンと反対の変化のパターンを有する前記感情誘導媒体である、(3)に記載の状態制御装置。
(5)
前記状態制御部は、取得された前記状態指標が設定されている所定の閾値より大きい場合、または、取得された前記状態指標が前記閾値以上となった場合に、前記誘導対象における前記対象感情の状態の制御を開始する、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(6)
前記状態制御部は、設定されている前記感情誘導媒体の検索条件を満たす前記感情誘導媒体の中から、前記誘導対象における前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定する、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(7)
前記検索条件には、前記感情誘導媒体の検索範囲を示す条件が含まれ、
前記状態制御部は、設定されている前記検索条件が示す検索範囲に含まれる前記感情誘導媒体の中から、前記誘導対象における前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定する、(6)に記載の状態制御装置。
(8)
前記状態制御部は、
設定されている前記検索条件が示す検索範囲のうちの第1の範囲に含まれる前記感情誘導媒体の中から、前記誘導対象における前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定する、第1の決定処理を行い、
前記第1の決定処理により前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体が決定されない場合に、前記検索条件が示す検索範囲のうちの前記第1の範囲以外の第2の範囲に含まれる前記感情誘導媒体の中から、前記誘導対象における前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定する、第2の決定処理を行う、(7)に記載の状態制御装置。
(9)
前記状態制御部は、
前記第2の決定処理により前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体が決定されない場合には、前記検索条件が示す検索範囲を変更し、
変更された検索範囲に含まれる前記感情誘導媒体の中から、前記誘導対象における前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定する、第3の決定処理を行う、(8)に記載の状態制御装置。
(10)
前記状態制御部は、前記誘導対象における前記対象感情の状態を通知させる、(1)〜(9)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(11)
前記状態指標は、酵素の活性度である、(1)〜(10)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(12)
前記生体情報には、前記誘導対象に対して与えられた外部刺激に対する反応の時定数が所定の時間以内の酵素の検出結果を示す情報、または、前記時定数が前記所定の時間より短い酵素の検出結果を示す情報が含まれる、(1)〜(11)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(13)
前記酵素は、唾液アミラーゼである、(1)〜(12)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(14)
前記取得部は、検出デバイスの検出結果に応じた前記生体情報に基づいて前記状態指標を算出して、前記状態指標を取得する、(1)〜(13)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(15)
前記検出デバイスを有する検出部をさらに備え、
前記取得部は、前記検出部における検出結果に応じた前記生体情報に基づいて前記状態指標を算出する、(14)に記載の状態制御装置。
(16)
前記取得部は、外部装置との通信によって、前記状態指標を前記外部装置から取得する、(1)〜(13)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(17)
前記状態制御部は、取得された前記状態指標に基づいて、決定された前記感情誘導媒体に対応付けられている前記パターン情報を更新する、(1)〜(16)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(18)
前記状態制御装置は、口腔内デバイスである、(1)〜(17)のいずれか1つに記載の状態制御装置。
(19)
感情の状態を誘導する誘導対象から検出された誘導する対象の感情である対象感情に対応する生体情報に基づく、前記対象感情の状態を示す状態指標を取得するステップと、
取得された前記状態指標と、前記対象感情の状態を誘導するための感情誘導媒体に対応付けられている、前記状態指標の時間的な変化のパターンを示すパターン情報とに基づいて、前記対象感情の状態が設定されている所定の状態となるように、前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定し、決定された前記感情誘導媒体に関する処理を行うことによって、前記誘導対象における前記対象感情の状態を制御するステップと、
を有し、
前記生体情報には、酵素の検出結果を示す情報が含まれる、状態制御装置により実行される状態制御方法。
(20)
感情の状態を誘導する誘導対象における誘導する対象の感情である対象感情の状態を誘導するための感情誘導媒体を用いる処理を行う処理装置と、
前記感情誘導媒体を用いる処理を前記処理装置に行わせることにより、前記誘導対象における前記対象感情の状態を設定されている所定の状態に誘導させる状態制御装置と、
を有し、
前記状態制御装置は、
前記誘導対象から検出された前記対象感情に対応する生体情報に基づく、前記対象感情の状態を示す状態指標を取得する取得部と、
取得された前記状態指標と、前記感情誘導媒体に対応付けられている前記状態指標の時間的な変化のパターンを示すパターン情報とに基づいて、前記対象感情の状態が設定されている所定の状態となるように、前記対象感情の状態の誘導に用いる前記感情誘導媒体を決定し、決定された前記感情誘導媒体に関する処理を行うことによって、前記誘導対象における前記対象感情の状態を制御する状態制御部と、
を備え、
前記生体情報には、酵素の検出結果を示す情報が含まれる、状態制御システム。